JP3183268U - 容器保持機構及びこれを備えた分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡単な作業で容器の開口部を接続口に接続することができる容器保持機構及びこれを備えた分析装置を提供する。
【解決手段】試料又は試薬を収容する容器Bに備えられた開口部B1を接続口11に接続した状態で、容器Bを保持するための容器保持機構において、移動機構3(ねじ部材31)で容器Bの底面を押し上げて接続口11側に移動させることにより、当該容器Bの開口部B1を接続口11に接続する。移動機構3を構成するねじ部材31で容器Bの底面を押し上げて接続口11側に移動させるだけで、容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができるため、より簡単な作業で容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。
【選択図】 図1

Description

本考案は、試料又は試薬を収容する容器に備えられた開口部を接続口に接続した状態で、容器を保持するための容器保持機構及びこれを備えた分析装置に関するものである。
試料又は試薬が収容された容器を密閉状態とするために、容器に備えられた開口部にOリングなどのシール部材を配置する場合がある(例えば、下記特許文献1参照)。例えば、ペプチドシーケンサなどの分析装置においては、試薬が収容された容器の開口部にシール部材を配置することにより、容器内の試薬が蒸発するのを防止することが一般的に行われている。
図7Aは、容器保持機構により容器Bを保持する際の態様の従来例を示す概略断面図である。図7Bは、図7Aの容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。
この容器保持機構には、容器Bの開口部B1を接続するための接続部101が備えられている。接続部101の下面には、内面にねじ溝が形成された凹部により接続口111が形成されており、容器Bの開口部B1側の外周面に形成されたねじ山B2を接続口111内にねじ込むことにより、容器Bを接続部101で保持することができるようになっている。
この例では、容器Bの開口部B1にシール部材102が嵌め込まれる。シール部材102は、例えば円筒状の部材からなり、図7Aに示すように、一端部には径方向に突出するフランジ部121が形成されている。これにより、シール部材102が容器Bの開口部B1に嵌め込まれた状態では、フランジ部121が開口部B1の外側に張り出した状態となる。
その後、図7Bに示すように、容器Bのねじ山B2が接続口111内にねじ込まれる。これにより、容器Bの開口部B1に嵌め込まれているシール部材102のフランジ部121が接続口111の上面に押し当てられ、接続口111と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続される。
しかしながら、図7A及び図7Bに示すような従来例では、容器Bを交換する度に、シール部材102を新しい容器Bの開口部B1に付け替える作業を行わなければならない。そのため、容器保持機構に容器Bを取り付けるための作業が煩雑になるという問題がある。
図8Aは、容器保持機構により容器Bを保持する際の態様の別の従来例を示す概略断面図である。図8Bは、図8Aの容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。この例では、シール部材103が接続部101に取り付けられている点が、図7A及び図7Bの場合とは異なっている。図7A及び図7Bの場合と同様の構成については、図に同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
この例では、シール部材103がOリングにより構成されている。図8Aに示すように、シール部材103は、接続部101の接続口111の上面に取り付けられている。この状態で、図8Bに示すように、容器Bのねじ山B2が接続口111内にねじ込まれることにより、容器Bの開口部B1の周縁部がシール部材103に押し当てられ、接続口111と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続される。
このように、図8A及び図8Bに示すような従来例では、シール部材103が接続部101に取り付けられているため、図7A及び図7Bに示した従来例のように、容器Bを交換する度に、シール部材102を新しい容器Bの開口部B1に付け替える作業を行う必要はない。
しかしながら、図7A及び図7Bの従来例、ならびに、図8A及び図8Bの従来例のいずれにおいても、容器Bのねじ山B2を接続口111内にねじ込む際に、シール部材103にねじり応力が生じるため、シール部材103が劣化しやすいという問題がある。特に、強酸などの腐食性の高い試薬が容器Bに収容されている場合には、シール部材103がさらに劣化しやすくなる。
図9Aは、容器保持機構により容器Bを保持する際の態様のさらに別の従来例を示す概略断面図である。図9Bは、図9Aの容器保持機構により容器Bを保持する途中の状態を示す概略断面図である。図9Cは、図9Aの容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。
この例では、接続部101が、容器Bを保持するためのホルダ部112と、接続口111が形成されたベース部113とに分離している。また、ベース部113には、キャップ104が取り付けられている。これらを除く構成は、図8A及び図8Bの場合と同様であるため、図8A及び図8Bの場合と同様の構成については、図に同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
ホルダ部112は、例えば円環状の部材により形成されている。ホルダ部112には、内面にねじ溝が形成されており、容器Bの開口部B1側の外周面に形成されたねじ山B2をホルダ部112内にねじ込むことにより、容器Bをホルダ部112で保持することができるようになっている。
ベース部113の下面には、凹部により接続口111が形成されている。接続口111の上面には、例えばOリングにより構成されるシール部材103が取り付けられている。ベース部113には、鉛直下方に突出するように複数本のピン114が取り付けられている。
ホルダ部112は、ベース部113に取り付けられた複数本のピン114が挿通されることにより、ベース部113に対して鉛直方向にスライド可能な状態で保持されている。ホルダ部112内に容器Bのねじ山B2をねじ込む際には、ホルダ部112に挿通されている複数本のピン114が、ホルダ部112の回転を防止する役割を果たす。
ベース部113は、例えば円板状の部材により形成されており、その外周面には、キャップ104をねじ込むためのねじ山が形成されている。キャップ104は、ベース部113の外側を覆うようにしてベース部113にねじ込まれており、その内部にホルダ部112が配置されている。キャップ104の底面には、容器Bの開口部B1側の端部を挿通させるための貫通孔141が形成されている。
容器Bを接続部101に取り付ける際には、図9Aに示すように、キャップ104がベース部113に対して緩められ、ベース部113とホルダ部112とが離間した状態で、容器Bのねじ山B2がホルダ部112内にねじ込まれる。そして、図9Bに示すように、容器Bの開口部B1側の端部が、ホルダ部112からベース部113側に所定量だけ突出した状態とされた後、キャップ104がベース部113にねじ込まれる。
これにより、ホルダ部112がキャップ104で押し上げられ、ホルダ部112に保持された容器Bが、回転することなく上方へと持ち上げられることとなる。そして、図9Cに示すように、容器Bの開口部B1の周縁部がシール部材103に押し当てられるまでキャップ104をベース部113にねじ込むことにより、接続口111と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続される。
このように、図9A〜図9Cに示すような従来例では、容器Bの開口部B1の周縁部が、回転することなくシール部材103に押し当てられる。そのため、図7A及び図7Bの従来例や、図8A及び図8Bの従来例などとは異なり、容器Bの開口部B1を接続口111に接続する際に、シール部材103にねじり応力が生じて、シール部材103が劣化するのを防止することができる。
特開2011−215166号公報
しかしながら、図9A〜図9Cに示すような従来例では、ホルダ部112内に容器Bのねじ山B2をねじ込む作業を行った後、さらにキャップ104をベース部113にねじ込む作業を行わなければならない。そのため、容器Bの開口部B1を接続口111に接続するための作業に手間がかかるという問題がある。
また、図9Cの状態から容器Bを取り外す際、キャップ104を先に回転させずに、誤って容器Bを先に回転させた場合には、シール部材103にねじり応力が生じてしまう。このように、図9A〜図9Cに示すような構成であっても、操作手順を誤った場合には、シール部材103が劣化しやすいという問題がある。
さらに、図9Bの状態で、容器Bの開口部B1側の端部が、ホルダ部112からベース部113側に十分な量だけ突出していなければ、その後にキャップ104がベース部113にねじ込まれた場合であっても、容器Bの開口部B1の周縁部がシール部材103に対して十分に押し当てられない場合がある。このような場合には、接続口111と容器Bの開口部B1との密閉性が低下してしまうという問題がある。
本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであり、より簡単な作業で容器の開口部を接続口に接続することができる容器保持機構及びこれを備えた分析装置を提供することを目的とする。また、本考案は、シール部材が劣化するのを防止することができ、接続口と容器の開口部との密閉性を確保することができる容器保持機構及びこれを備えた分析装置を提供することを目的とする。
本考案に係る容器保持機構は、試料又は試薬を収容する容器に備えられた開口部を接続口に接続した状態で、容器を保持するための容器保持機構であって、容器の底面を押し上げて前記接続口側に移動させることにより、当該容器の開口部を前記接続口に接続するための移動機構を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、移動機構により容器の底面を押し上げて接続口側に移動させるだけで、容器の開口部を接続口に接続することができる。したがって、容器の開口部を接続口に接続するために、複数回の作業を行わなければならないような構成と比較して、より簡単な作業で容器の開口部を接続口に接続することができる。
前記容器保持機構は、容器が回転するのを防止するための回転防止機構をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、移動機構により容器の底面を押し上げて接続口側に移動させる際に、容器が回転するのを防止することができるため、接続口と容器の開口部との間にシール部材を介在させる場合であっても、シール部材にねじり応力が生じるのを防止することができる。したがって、シール部材が劣化するのを防止することができ、接続口と容器の開口部との密閉性を確保することができる。
前記容器保持機構は、前記接続口に設けられ、当該接続口と容器の開口部とを密閉状態で接続するためのシール部材をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、シール部材が接続口に設けられているため、容器を交換する度に、シール部材を新しい容器の開口部に付け替える作業を行う必要がなく、より簡単な作業で容器の開口部を接続口に接続することができる。
前記容器保持機構は、容器を載置するための載置台をさらに備えていてもよい。この場合、前記移動機構は、前記載置台を前記接続口側に移動させることにより、前記載置台に載置されている容器の開口部を前記接続口に接続するものであってもよい。
このような構成によれば、移動機構により載置台を接続口側に移動させるだけで、載置台に載置されている容器の底面を簡単に押し上げて接続口側に移動させることができるため、より簡単な作業で容器の開口部を接続口に接続することができる。
前記容器保持機構は、前記移動機構を保持するための保持部をさらに備えていてもよい。この場合、前記載置台は、前記保持部に対して移動可能に取り付けられていてもよい。
このような構成によれば、移動機構、保持部及び載置台を一体的に構成することができるため、これらの部材間にがたつきが生じるのを効果的に防止し、容器の開口部と接続口との密閉性を確保することができる。また、複数の容器を並べて載置するような構成であっても、各容器を載置するための載置台を保持部に対して移動可能に取り付けることにより、複数の載置台を効率よく配置することができるため、容器保持機構を小型化することができる。
前記移動機構には、回転に伴って容器を前記接続口側に移動させるねじ部材が含まれていてもよい。
このような構成によれば、ねじ部材を回転させるという簡単な構成で、容器の底面を押し上げて接続口側に移動させ、容器の開口部を接続口に接続することができるため、容器保持機構の構成を簡略化することができる。
前記移動機構には、容器を前記接続口側に押圧可能なばね部材が含まれていてもよい。
このような構成によれば、ばね部材により容器を接続口側に押圧するという簡単な構成で、容器の底面を押し上げて接続口側に移動させ、容器の開口部を接続口に接続することができるため、容器保持機構の構成を簡略化することができる。
前記移動機構には、回転に伴って容器を前記接続口側に移動させるカム機構が含まれていてもよい。
このような構成によれば、カム機構を回転させるという簡単な構成で、容器の底面を押し上げて接続口側に移動させ、容器の開口部を接続口に接続することができるため、容器保持機構の構成を簡略化することができる。
本考案に係る分析装置は、前記容器保持機構と、前記容器保持機構により保持されている容器内の試料又は試薬を当該容器の外部に供給するための供給機構とを備えたことを特徴とする。
本考案によれば、移動機構により容器の底面を押し上げて接続口側に移動させるだけで、容器の開口部を接続口に接続することができるため、より簡単な作業で容器の開口部を接続口に接続することができる。また、容器が回転するのを防止するための回転防止機構を設ければ、シール部材にねじり応力が生じるのを防止することができるため、シール部材が劣化するのを防止することができ、接続口と容器の開口部との密閉性を確保することができる。
本考案の一実施形態に係る容器保持機構の構成例を示す概略断面図であり、容器を保持する前の状態を示している。 載置台の構成例を示す概略平面図である。 図1の容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。 容器保持機構の変形例を示す概略断面図であり、容器を保持する前の状態を示している。 図4Aの容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。 別の実施形態に係る容器保持機構の構成例を示す概略断面図であり、容器を保持する前の状態を示している。 図5Aの容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。 さらに別の実施形態に係る容器保持機構の構成例を示す概略断面図であり、容器を保持する前の状態を示している。 図6Aの容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。 容器保持機構により容器を保持する際の態様の従来例を示す概略断面図である。 図7Aの容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。 容器保持機構により容器を保持する際の態様の別の従来例を示す概略断面図である。 図8Aの容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。 容器保持機構により容器を保持する際の態様のさらに別の従来例を示す概略断面図である。 図9Aの容器保持機構により容器を保持する途中の状態を示す概略断面図である。 図9Aの容器保持機構により容器を保持した状態を示す概略断面図である。
図1は、本考案の一実施形態に係る容器保持機構の構成例を示す概略断面図であり、容器Bを保持する前の状態を示している。容器Bには開口部B1が形成されており、容器B内に収容されている試料又は試薬を、開口部B1を介して外部に供給することができるようになっている。
本実施形態に係る容器保持機構には、容器Bの開口部B1を接続するための接続部1、容器Bを載置するための載置台2、及び、容器Bを移動させるための移動機構3などが備えられている。この例では、接続部1、載置台2及び移動機構3などの容器保持機構を構成する各部材が、ハウジング4内に収容されている。ただし、このようなハウジング4を備えた構成に限られるものではない。
接続部1は、ハウジング4の内側の上面に取り付けられている。接続部1の下面には、上方に向かって断面円形状の凹部が形成されており、当該凹部により接続口11が構成されている。接続口11の上面には、例えばOリングにより構成されるシール部材5が取り付けられている。
載置台2は、接続部1の下方に配置されている。ハウジング4内には、例えば水平方向に延びる板状の保持部41が設けられており、当該保持部41上に載置台2が配置された構成となっている。この例では、上下方向に延びるように保持部41に取り付けられた複数本のピン6が、載置台2に挿通されることにより、載置台2が保持部41に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。
移動機構3には、例えばねじ部材31が含まれている。保持部41には貫通孔42が形成されており、当該貫通孔42の内面に形成されたねじ溝に、ねじ部材31の外周面に形成されたねじ山をねじ込むことにより、移動機構3(ねじ部材31)が保持部41で保持されている。ねじ部材31は、上下方向に延びるように、接続口11の下方に配置されている。
図2は、載置台2の構成例を示す概略平面図である。載置台2は、平面視で円形状に形成されており、その上面が、容器Bを載置するための載置面21を構成している。載置台2の上面における周縁部には、上方に向かって突出する凸部22が形成されている。ピン6は、凸部22において載置台2を上下方向に貫通している。この例では、ピン6が2本設けられているが、このような構成に限らず、例えば3本以上のピン6が設けられた構成であってもよい。
凸部22は、平面視でU字状に形成されており、手前側(作業者側)には凸部22が形成されていない構成となっている。これにより、作業者は、手前側から後側に向かって容器Bを水平移動させ、載置面21上に容器Bを載置することができるようになっている。載置面21上に容器Bが載置された状態では、図2に破線で示すように、凸部22の内周面に沿って容器Bの外周面が当接した状態となる。
このように、容器Bを水平移動させて載置面21上に載置することができるような構成とすることにより、図1に示すように接続部1と載置台2との間隔が容器Bの高さと同程度しかない場合であっても、載置面21上に容器Bを良好に載置することができる。したがって、容器保持機構を小型化することが可能である。ただし、このような構成に限らず、例えば載置台2の上面の全周にわたって凸部22が形成され、容器Bを斜め上方から載置面21上に載置するような構成となっていてもよい。
図3は、図1の容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。ねじ部材31は、回転に伴って上下方向に移動するようになっている。図1に示すような状態から、保持部41に対してねじ部材31を締め付けた場合には、ねじ部材31が上方に移動することにより、ねじ部材31の上面で載置台2が押し上げられる。
このように、ねじ部材31の回転に伴って載置台2を接続口11側に移動させることにより、図3に示すように、載置台2に載置されている容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。このとき、容器Bの開口部B1の周縁部が、接続口11に設けられたシール部材5に押し当てられることにより、接続口11と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続されることとなる。
容器Bは、開口部B1が接続口11に接続された状態(図3に示す状態)で保持される。この状態で、ハウジング4の外側から、ハウジング4及び接続部1に形成された挿入孔を介して、容器B内に供給管7を挿入することにより、当該供給管7を介して容器B内の試料又は試薬を容器Bの外部に供給することができる。本実施形態に係る容器保持機構を分析装置に適用した場合には、供給管7を介して容器Bの外部に供給した試料又は試薬を用いて分析を行うことができる。
上記供給管7は、容器保持機構により保持されている容器B内の試料又は試薬を容器Bの外部に供給するための供給機構を構成している。ただし、供給機構は、供給管7だけでなく、例えば容器B内にガスを導入して容器B内を加圧するためのガス導入管など、他の部材を含むような構成であってもよい。また、本実施形態に係る容器保持機構を分析装置におけるオートサンプラに適用した場合には、上記供給管7がニードルなどにより構成されていてもよい。
以上のように、本実施形態では、移動機構3を構成するねじ部材31で容器Bの底面を押し上げて接続口11側に移動させるだけで、容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。したがって、容器Bの開口部B1を接続口11に接続するために、複数回の作業を行わなければならないような構成と比較して、より簡単な作業で容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。
特に、本実施形態では、容器保持機構に載置台2が備えられており、移動機構3により載置台2を接続口11側に移動させるだけで、載置台2に載置されている容器Bの底面を簡単に押し上げて接続口11側に移動させることができる。そのため、より簡単な作業で容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。
複数本のピン6は、載置台2が上下方向に沿ってスライドするようにガイドするためのガイド部として機能するだけでなく、容器Bが回転するのを防止するための回転防止機構としても機能する。すなわち、保持部41に対してねじ部材31が締め付けられ、ねじ部材31の上面で載置台2が押し上げられる際に、ねじ部材31の上面に接触する載置台2が回転するのをピン6により防止することができるため、容器Bが接続口11側に移動する際に回転しないようになっている。
これにより、接続口11と容器Bの開口部B1との間にシール部材5を介在させる場合であっても、シール部材5にねじり応力が生じるのを防止することができる。したがって、シール部材5が劣化するのを防止することができ、接続口11と容器Bの開口部B1との密閉性を確保することができる。
本実施形態では、シール部材5が接続口11に設けられているため、容器Bを交換する度に、シール部材5を新しい容器Bの開口部B1に付け替える作業を行う必要がなく、より簡単な作業で容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。上記のように、シール部材5が劣化しにくい構成であるため、シール部材5を接続口11に設けた場合であっても、劣化に伴うシール部材5の交換を頻繁に行う必要がなく、メンテナンス作業の手間も軽減できる。
ただし、シール部材5は、Oリングに限らず、他の各種部材により構成することができる。また、シール部材5は、接続口11に取り付けられた構成に限らず、例えば容器Bの開口部B1に嵌め込まれるような構成であってもよい。この場合、容器Bの底面が押し上げられて接続口11側に移動したときに、容器Bの開口部B1に嵌め込まれているシール部材5が接続口11の上面に押し当てられ、接続口11と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続されるような構成であってもよい。
本実施形態では、移動機構3(ねじ部材31)が保持部41により保持され、載置台2が保持部41に対して移動可能に取り付けられることにより、移動機構3、保持部41及び載置台2を一体的に構成することができる。そのため、これらの部材間にがたつきが生じるのを効果的に防止し、容器Bの開口部B1と接続口11との密閉性を確保することができる。
また、複数の容器Bを並べて載置するような構成であっても、各容器Bを載置するための載置台2を保持部41に対して移動可能に取り付けることにより、複数の載置台2を効率よく配置することができる。例えば、ピン6を介して保持部41に載置台2を移動可能に取り付けることにより、載置台2の側方に壁面などを設けて載置台2を取り付ける必要がないため、複数の載置台2を効率よく配置することができ、容器保持機構を小型化することができる。
特に、本実施形態では、ねじ部材31を回転させるという簡単な構成で、容器Bの底面を押し上げて接続口11側に移動させ、容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができるため、容器保持機構の構成を簡略化することができる。ただし、移動機構3は、ねじ部材31を含むような構成に限らず、他の任意の部材を用いて、容器Bを接続口11側に移動させることができる。
図4Aは、容器保持機構の変形例を示す概略断面図であり、容器Bを保持する前の状態を示している。また、図4Bは、図4Aの容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。この例では、載置台2を上下方向に沿ってスライドするようにガイドするためのガイド部43が保持部41に形成されている。
ガイド部43は、保持部41の上面から上方に向かって突出するように形成されており、当該ガイド部43によって水平方向の移動が規制されるように、載置台2が保持部41上に設けられている。載置台2は、例えば平板状の部材により形成され、保持部41に保持されたねじ部材31の上方に配置される。
図4Aに示すような状態から、保持部41に対してねじ部材31を締め付けた場合には、ねじ部材31が上方に移動することにより、ねじ部材31の上面で載置台2が押し上げられる。このとき、載置台2は、ガイド部43に沿って上方にスライドすることとなる。
このように、ねじ部材31の回転に伴って載置台2を接続口11側に移動させることにより、図4Bに示すように、載置台2に載置されている容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。このとき、容器Bの開口部B1の周縁部が、接続口11に設けられたシール部材5に押し当てられることにより、接続口11と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続されることとなる。
この例では、保持部41の一部をガイド部43として利用することにより、上記実施形態のようにピン6などの部材を別途設けなくても、載置台2を上下方向に沿ってスライドするようにガイドすることができる。したがって、容器保持機構の製造コストを低減することができる。
図5Aは、別の実施形態に係る容器保持機構の構成例を示す概略断面図であり、容器Bを保持する前の状態を示している。また、図5Bは、図5Aの容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。
本実施形態では、移動機構3としてばね部材32が用いられている点が、上記実施形態とは異なっている。ばね部材32は、例えば圧縮ばねにより構成されており、下端部が保持部41の上面に当接するとともに、上端部が載置台2の下面に当接している。すなわち、上記実施形態のようにねじ部材31が保持部41を貫通するような構成ではなく、保持部41上にばね部材32が保持された構成となっている。
載置台2の構成は、図1の場合と同様であり、上下方向に延びるように保持部41に取り付けられた複数本のピン6が、載置台2に挿通されることにより、載置台2が保持部41に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。この例では、ハウジング4の底面が保持部41により構成されているが、このような構成に限られるものではない。
容器Bを保持する前の状態では、ばね部材32の押圧力に抗して載置台2が押し下げられることにより、図5Aに示すように、ばね部材32が圧縮されている。この状態で載置台2が静止するように、ストッパ(図示せず)が設けられていることが好ましい。図5Aに示す状態で容器Bを載置台2の載置面21上に載置した後、上記ストッパを解除すれば、図5Bに示すように、ばね部材32の押圧力により載置台2が押し上げられることとなる。
この例では、ばね部材32で容器Bを接続口11側に押圧することにより、図5Bに示すように、載置台2に載置されている容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。このとき、容器Bの開口部B1の周縁部が、接続口11に設けられたシール部材5に押し当てられることにより、接続口11と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続されることとなる。
このように、本実施形態では、ばね部材32により容器Bを接続口11側に押圧するという簡単な構成で、容器Bの底面を押し上げて接続口11側に移動させ、容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができるため、容器保持機構の構成を簡略化することができる。
図6Aは、さらに別の実施形態に係る容器保持機構の構成例を示す概略断面図であり、容器Bを保持する前の状態を示している。また、図6Bは、図6Aの容器保持機構により容器Bを保持した状態を示す概略断面図である。
本実施形態では、移動機構3としてカム機構33が用いられている点が、上記実施形態とは異なっている。カム機構33は、例えばカム本体331が回転軸332を中心に回転可能に保持された構成となっている。カム本体331は、例えば円形状又は楕円形状などのように、少なくとも一部が円弧状の外周面を有する形状となっており、その外周面が載置台2の下面に当接している。
載置台2の構成は、図1の場合と同様であるが、その保持態様が異なっている。具体的には、ハウジング4の内側の両側面に、それぞれ上下方向に延びるガイド部44が形成されており、これらのガイド部44により、載置台2を上下方向に沿ってスライドするようにガイドすることができるようになっている。
ただし、載置台2を上下方向に沿ってスライド可能に保持するための構成は、このような構成に限らず、例えば上記実施形態のように、ピン6を用いた構成などであってもよい。このように、載置台2を上下方向に沿ってスライド可能に保持するための構成としては、各種構成を採用することができる。
図6Aに示すような状態から、回転軸332を中心にカム本体331を所定方向(例えば時計回り)に回転させた場合には、カム本体331の外周面で載置台2が押し上げられる。このとき、載置台2は、ガイド部44に沿って上方にスライドすることとなる。
このように、カム機構33(カム本体331)の回転に伴って載置台2を接続口11側に移動させることにより、図6Bに示すように、載置台2に載置されている容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができる。このとき、容器Bの開口部B1の周縁部が、接続口11に設けられたシール部材5に押し当てられることにより、接続口11と容器Bの開口部B1とが密閉状態で接続されることとなる。
このように、本実施形態では、カム機構33を回転させるという簡単な構成で、容器Bの底面を押し上げて接続口11側に移動させ、容器Bの開口部B1を接続口11に接続することができるため、容器保持機構の構成を簡略化することができる。
本実施形態において、ガイド部44は、載置台2が上下方向に沿ってスライドするようにガイドするだけでなく、容器Bが回転するのを防止するための回転防止機構としても機能する。このように、容器Bが回転するのを防止するための回転防止機構としては、ピン6などに限らず、他の各種構成を採用することができる。
以上の実施形態では、載置台2を接続口11側に移動させることにより、載置台2に載置されている容器Bの底面を押し上げるような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、例えば載置台2が省略され、容器Bの底面が移動機構3により直接押し上げられるような構成であってもよい。
本実施形態に係る容器保持機構は、例えばペプチドシーケンサなどの分析装置において、試薬が収容された容器Bを保持するために使用することができる。ただし、本実施形態に係る容器保持機構は、ペプチドシーケンサ以外の各種分析装置に用いることができ、例えば分析装置におけるオートサンプラに適用した場合には、試料が収容された容器Bを保持するために使用することができる。
例えば、本実施形態に係る容器保持機構をペプチドシーケンサに適用した場合などには、強酸などの腐食性の高い試薬が容器Bに収容されている場合がある。このような場合には、容器保持機構を構成する各部品が錆びるのを防止するために、これらの部品を例えばフッ素系樹脂などの樹脂で形成することが好ましい。上記樹脂としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)などを例示することができる。
1 接続部
2 載置台
3 移動機構
4 ハウジング
5 シール部材
6 ピン
7 供給管
11 接続口
21 載置面
22 凸部
31 ねじ部材
32 ばね部材
33 カム機構
41 保持部
42 貫通孔
43 ガイド部
44 ガイド部
331 カム本体
332 回転軸
B 容器
B1 開口部
B2 ねじ山

Claims (9)

  1. 試料又は試薬を収容する容器に備えられた開口部を接続口に接続した状態で、容器を保持するための容器保持機構であって、
    容器の底面を押し上げて前記接続口側に移動させることにより、当該容器の開口部を前記接続口に接続するための移動機構を備えたことを特徴とする容器保持機構。
  2. 容器が回転するのを防止するための回転防止機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の容器保持機構。
  3. 前記接続口に設けられ、当該接続口と容器の開口部とを密閉状態で接続するためのシール部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の容器保持機構。
  4. 容器を載置するための載置台をさらに備え、
    前記移動機構は、前記載置台を前記接続口側に移動させることにより、前記載置台に載置されている容器の開口部を前記接続口に接続することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器保持機構。
  5. 前記移動機構を保持するための保持部をさらに備え、
    前記載置台は、前記保持部に対して移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の容器保持機構。
  6. 前記移動機構には、回転に伴って容器を前記接続口側に移動させるねじ部材が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器保持機構。
  7. 前記移動機構には、容器を前記接続口側に押圧可能なばね部材が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器保持機構。
  8. 前記移動機構には、回転に伴って容器を前記接続口側に移動させるカム機構が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器保持機構。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の容器保持機構と、
    前記容器保持機構により保持されている容器内の試料又は試薬を当該容器の外部に供給するための供給機構とを備えたことを特徴とする分析装置。
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