JP3183141B2 - アクチュエータ制御装置 - Google Patents

アクチュエータ制御装置

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JP3183141B2
JP3183141B2 JP00466096A JP466096A JP3183141B2 JP 3183141 B2 JP3183141 B2 JP 3183141B2 JP 00466096 A JP00466096 A JP 00466096A JP 466096 A JP466096 A JP 466096A JP 3183141 B2 JP3183141 B2 JP 3183141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータ制
御装置、特に複数の制御パラメータを用い状況に応じて
アクチュエータを最適に制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両のサスペンシ
ョンに組み込まれるショックアブソーバの減衰係数を調
整する技術が提案されている。例えば、本願出願人が先
に提案した特開平5−294122号公報には、スカイ
フックダンパ理論に基づきスカイフック減衰係数をC、
ばね上の上下方向の速度をZd とし、ばね上とばね下と
の間の上下方向の相対速度をYd としてショックアブソ
ーバの実減衰係数C*をC・Zd /Yd に応じて制御す
る装置において、路面からの振動入力成分に基づいて減
衰係数を補正することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、減衰係数
を固定値でなく可変とすることにより、ある程度路面状
況変化に対応することができるが、ショックアブソーバ
の減衰力を全ての路面に対して最適に設定することは困
難である。特に、アブソーバ等の機械部分は経時劣化に
よりその特性が変化するため、同一路面状況でもある減
衰係数が必ずしも最適であり続けるわけではなく、特性
変化が予測困難であることを考えると減衰係数の補正の
みでは調整は容易でない。
【0004】そこで、最近、遺伝的アルゴリズム(以下
GAという)を用いて減衰力制御の制御パラメータを調
整することが考えられている。GAとは、生物進化から
類推した最適解の探索方法であり、一般に以下の処理工
程を経て行われるものである。
【0005】(1)初期集団の生成 (2)終了条件が満たされるまで以下のループ処理を行
う i) 適応度評価 ii) 選択 iii)交叉や突然変異による新世代生成 このように制御パラメータを順次生成し、その評価を行
って優れた評価値を有する制御パラメータのみを残すこ
とにより、応答性は若干劣るものの路面状況及び経時変
化によらず最適の解を見いだすことができる。
【0006】しかし、このようなGAを用いてサスペン
ションの減衰力制御を行う場合には、所定時間毎に常に
制御パラメータの新世代を生成し、そして生成した新世
代を評価しなければならないので、現在使用している制
御パラメータで十分満足できるレベルの制御効果が得ら
れているにもかかわらず、新たな制御パラメータを生成
してその評価を行なうため、制御効率が高くない問題が
あった。また、現在の減衰力の過不足から判断すると、
本来減衰力を下げる必要があるにもかかわらず、減衰力
を上げる新たな制御パラメータを生成して評価を行って
しまう場合もあった。
【0007】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みなされたものであり、環境変化や経時劣化に対応で
き、かつ、効率良く最適な制御パラメータを設定してサ
スペンション制御アクチュエータ等の各種アクチュエー
タを制御できるアクチュエータ制御装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、制御パラメータ系を用いてアクチュエー
タ制御を実行した場合の制御の良否を定量評価する評価
手段と、前記制御パラメータ系を新たな制御パラメータ
系に変更する変更手段と、変更前と変更後の制御パラメ
ータ系の評価値を比較し、より良い評価値を有する制御
パラメータ系を選択する選択手段とを有するアクチュエ
ータ制御装置において、アクチュエータを制御すべき方
向を判定する制御方向判定手段と、前記新たな制御パラ
メータの制御の方向が、前記制御方向判定手段で判定さ
れた制御の方向と一致しない場合には、前記新たな制御
パラメータ系を用いたアクチュエータ制御及び評価を禁
止する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】本発明において、前記制御手段は、前記新
たな制御パラメータをさらに新たな制御パラメータ系に
変更するよう前記変更手段を制御することができる。
【0010】また、本発明において、前記アクチュエー
タは車両のサスペンション減衰力制御用アクチュエータ
であり、前記制御パラメータ系は減衰係数とすることが
できる。
【0011】ここで、 前記制御方向判定手段は、サス
ペンションのばね上加速度のエネルギスペクトルに基づ
いて制御の方向を判定することができる。
【0012】また、前記評価手段は、サスペンションの
ばね上加速度の積分値に基づいて良否を評価することが
できる。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態について説明する。
【0016】図1には本実施形態の構成図が示されてい
る。減衰力可変式のショックアブソーバ10はピストン
12と本体14を含んで構成されており、車体に固定さ
れた制御用アクチュエータ16により多段的にハード
(減衰力大)からソフト(減衰力小)に切り替えられる
ようになっている。アクチュエータ16は、スカイフッ
ク減衰係数をCとしてばね上速度検出器18により検出
されるばね上の上下方向の速度Zd 及び相対速度検出器
20により検出されるばね上とばね下との間の上下方向
の相対速度Yd に基づき、ショックアブソーバ10の実
減衰係数C*がC・Zd /Yd になるように制御手段2
2で制御される。制御手段22は、GA制御器及びメモ
リを含んで構成され、GA制御器で後述の新世代生成、
評価、選択を行うとともにアクチュエータを制御すべき
方向を判定し、メモリに個体群を格納する。GA制御器
は、具体的にはCPU、GAプログラム及び制御方向判
定プログラムを格納したROM、RAM及び入出力イン
ターフェース等で構成される。なお、ばね上速度検出器
18は、ばね上加速度検出器24で検出されたばね上加
速度を時間積分することにより速度を算出する。また、
ばね上加速度自身も制御手段22に供給され、後述する
ように制御方向の判定処理に用いられる。
【0017】図2には本実施形態において使用されメモ
リに格納される個体群の一例が示されている。各個体、
すなわち制御パラメータ系はCS、C1、C2、・・・
・、Cnという(n+1)個の制御パラメータから構成
され、CSはスカイフック減衰係数であり、C1、C
2、・・・、Cnはアブソーバの各段の減衰係数であ
る。C*=CS・Zd /Yd により実減衰係数を求め、
この実減衰係数に最も合致する減衰係数をC1、C2、
・・・、Cnから選択して制御する構成である。各減衰
係数は本実施形態では8ビットで表され、C1が減衰力
が最も小さいソフトモードであり、C2、C3、・・と
なるに従い減衰力が増大するハードモードとなる。この
ような個体群は数十個用意され、新世代の制御パラメー
タ系は、これら個体を適宜交叉あるいは突然変異させる
ことにより生成される。なお、各個体には、それぞれそ
の評価値が与えられており、個体の各制御パラメータと
ともにその評価値がセットでメモリに格納される。
【0018】図3には制御手段22の処理フローチャー
トが示されている。まず、初期設定として、前回の評価
結果Res(評価演算及び評価結果については後述す
る)を一旦今回の評価結果とするとともに(S10
1)、タイマを0にリセットする(S102)。次に、
ある制御パラメータ系を用いて実際にスカイフック制御
を実行する(S103)。すなわち、ある制御パラメー
タ系(CS、C1、C2、・・・、Cn )を用いて、ま
ずC*=CS・Zd /Yd によりアブソーバに要求され
る実減衰係数C*を算出し、この実減衰係数C*に最も
近い減衰係数をC1、・・・、Cnの中から選択してア
クチュエータ16を駆動する。そして、このようなスカ
イフック制御が行われている間、制御手段22はROM
に格納された制御方向判定プログラムを実行する。この
制御方向判定プログラムは、ばね上加速度のエネルギー
スペクトルに基づいて行われる(S104)。
【0019】図9にはばね上加速度のエネルギースペク
トルと減衰力の関係が示されている。図において、横軸
は周波数を表し、縦軸はばね上加速度のパワースペクト
ルデンシティ(PSD)を表している。また、図中実線
はアブソーバの減衰力が小さい場合のPSDであり、一
点鎖線はアブソーバの減衰力が大きい場合のPSDであ
る。減衰力が大きい場合には、ばね上共振点付近[ 0.
2〜2Hz] の周波数帯のパワーが低下し、[ 2〜8H
z] の周波数帯のパワーが増大する。一方、減衰力が小
さい場合には、[ 0.2〜2Hz] の周波数帯のパワー
が増大し、[ 2〜8Hz] のパワーが減少する。このよ
うに、減衰力の大小によりパワースペクトルが変化する
ので、本実施形態ではこの事実に着目し、パワースペク
トルを検出して特定の周波数帯のパワーの大小を判定す
ることで、現在の制御が減衰力不足かあるいは減衰力過
剰かを判定する。なお、図9においては、周波数が20
HzまでのPSDを示しているが、20Hz以上におい
ては、減衰力の大小ではなく、アブソーバの減衰係数の
切替頻度によりPSDが大きく変化することとなる。図
10には周波数20Hz以上のPSDの様子が示されて
おり、図中実線が切替頻度の多い場合で一点鎖線が切替
頻度の少ない場合である。頻繁に減衰係数を切り替える
場合には、20Hz以上の周波数領域でパワーが増大す
ることがわかる。そこで、本実施形態では、より快適な
乗り心地を実現するために、20Hz以上のパワーの大
小も判定して制御の方向を決定している。但し、この2
0Hz以上のパワーの判定は2次的なものであり、0.
2〜8Hzのパワーの判定後に行われる。
【0020】再び図3に戻り、上記のように制御の方向
を判定するためにPSDを求める処理を行うと(S10
4)、次に現在使用している個体、すなわち制御パラメ
ータ系の評価を行う評価演算処理に移行する(S10
5)。この評価演算はGAに必須の処理であり、その個
体が優れているか否かを判定するためのものである。こ
の評価演算は種々の方法で行うことができるが、本実施
形態では、ばね上加速度の所定時間内の積分値で評価し
ている。すなわち、この積分値が小さい程、制御が優れ
ているとする。これら周波数分析及び評価演算を行うた
めにタイマを進め(S106)、PSDを求めるのに必
要なサンプリング時間Csmp(0.2Hz〜50Hz
まで求めるので例えば10秒程度)が経過すると(S1
07)、制御手段22は求めた現在の個体の評価値をR
esとしてメモリに格納する。そして、PSDの全エネ
ルギの総和を算出し(S108)、さらにこの全エネル
ギの総和を用いて各周波数帯の割合を求める(S10
9)。
【0021】図11には全エネルギの総和を求める処理
が示されており、周波数0.2Hz〜50HzまでのP
SDの積分により総和Σを求めることができる。図中斜
線部分が総和である。また、図12には各周波数帯の割
合を求める処理が示されており、周波数[ 0.2〜2H
z] のエネルギの積分値をα、周波数[ 2〜8Hz]の
エネルギの積分値をβ、周波数[ 20〜50Hz] のエ
ネルギの積分値をγとすると、それぞれを全エネルギの
総和Σで割ることにより、各周波数帯の割合を求めるこ
とができる。本実施形態では、これらの割合をそれぞれ
A(=α/Σ),B(=β/Σ),C(=γ/Σ)とす
る。
【0022】このようにして各周波数帯の割合を求めた
後、制御手段22のGA制御器は、個体抹消処理に移行
する(S110)。この個体抹消処理は、評価結果の悪
い個体を個体群から削除するものであり、優れた評価結
果を有する個体のみを選択的に残す処理である。
【0023】図4にはこの個体抹消処理のフローチャー
トが示されている。まず、フラグflagの値が1か否
かを判定する(S201)。このフラグflagは、生
成された新世代制御パラメータ系が現在の制御方向に合
致しているか否かを識別するためのものであり、後述す
るように、現在の制御方向に合致すると判定された場合
にFlag=1が付与される。従って、flagが1で
ない、具体的にはflag=0である場合には、新世代
は制御を良くするものではないので新世代を抹消する
(S203)。また、flag=1である場合には、こ
の新世代の評価演算結果は既にS105で求められてい
るので、メモリに格納されている個体群とこの新世代の
個体の評価値の大小比較を行って最も評価値の大きい、
すなわちばね上加速度の積分値が最も大きく制御性が悪
いものを抹消する(S202)。これにより、メモリに
は評価の優れた個体群のみが残されることになる。
【0024】以上のようにして個体抹消処理が終了する
と、続いてGAを用いて新世代の個体、すなわち新たな
制御パラメータ系を生成する(S111)。この新世代
生成は、メモリに格納された優れた評価値を有する個体
群を互いに交叉させる(あるいは突然変異させる)こと
により生成される。ここで、交叉とは、例えば個体Aの
C1が8ビットの(00000010)でC2が(00
000110)であり、個体BのC1が(000000
11)でC2が(00000101)である場合に、新
世代の個体のC1を個体AのC1(00000010)
とし、C2を個体BのC2(00000101)とする
ことをいう。
【0025】GAによる新世代の生成が終了すると、次
に進化方向の判定処理を実行する(S112)。この進
化方向の判定処理とは、S109で求めた各周波数帯の
割合、すなわち制御すべき方向に新たに生成された新世
代が合致しているか否かを判定するものである。図5、
図6、図7及び図8にはこの進化方向判定処理の詳細フ
ローチャートが示されている。まず、図5において、周
波数[ 0.2〜2Hz] における割合Aと所定のしきい
値CAmaxとの大小比較を行う(S301)。このし
きい値CAmaxは、減衰力不足と判定するためのパワ
ーの割合であり、このしきい値よりも大きい場合には現
在の制御は減衰力不足と判定される(図9を参照された
い)。A>CAmaxと判定された場合には、次に周波
数[ 2〜8Hz] における割合Bと所定のしきい値CB
maxとの大小比較を行う(S304)。このしきい値
CBmaxは、減衰力過剰と判定するためのパワーの割
合であり、このしきい値よりも大きい場合には現在の制
御は減衰力過剰と判定される(図9参照)。従って、B
<CBmaxの場合には、減衰力がやはり不足と判定さ
れ、次に現在の評価結果Resと前回の評価結果Res
Oldに所定値Cresを加算した値の大小比較を行う
(S305)。この判定は、現在の個体が十分満足でき
る制御性を有しているか否かを判定するためのものであ
り、現在の個体の評価値が大きい、すなわち現在の個体
では制御が悪いと判定された場合に、制御手段22は現
在の制御を減衰力を大きくする方向に制御しなければな
らないと判定して図6に示す処理に移行する。
【0026】一方、S301,S304,S305のい
ずれかの処理でNO、すなわちアクチュエータを制御す
べき方向が減衰力を大きくする方向でないと判定された
場合には、次に上述したしきい値CBmaxを用いて減
衰力が過剰か否かを判定する(S302)。B>CBm
axである場合には、減衰力過剰の可能性あるので、次
にA<CAmaxであるか否かを判定する(S30
6)。A<CAmaxである場合には、確かに現在の減
衰力では過剰と判断できるので、さらにS305と同様
に現在の評価値が許容範囲を超えて悪いか否かを判定す
る(S307)。現在の個体では許容範囲を超えて評価
が悪いと判定された場合には、制御手段22は現在の減
衰力を小さくする方向に制御しなければならないと判定
して図7に示す処理に移行する。
【0027】一方、減衰力不足でも過剰でもなく、また
現在の評価値が許容範囲内である場合には、全てS30
3の処理に移行し、ここでは周波数[ 20〜50Hz]
の割合Cと所定のしきい値CCmaxの大小比較が行わ
れる。このしきい値CCmaxは、減衰係数の切り替え
頻度が多いか少ないかを判定するためのパワーの割合で
あり、このしきい値よりも大きい場合には切り替え頻度
が多いと判定され(図10を参照されたい)、図8に示
す処理に移行する。また、頻度が小さいと判定された場
合には、そのままこの進化方向判定処理を終了し、図3
におけるS113の処理に移行してflagが0にセッ
トされる。このflag=0は上述したように新世代が
制御を良くするものではないことを意味しており、これ
は、現在の個体による制御で十分満足できる結果が得ら
れており、敢えて新世代を試行する必要がないからであ
る。従って、flag=0と設定されて再びS101移
行の処理を行う場合には、S103におけるスカイフッ
ク制御は、S111で生成された新世代でなく、現在の
個体を用いて継続して減衰力制御を行うことになる。
【0028】以下、減衰力不足と判定されて制御が減衰
力を上げる方向でなければならないと判定された場合
(図6)、減衰力が過剰と判定されて制御が減衰力を下
げる方向になければならないと判定された場合(図
7)、減衰力が過不足ないが切り替え頻度が多すぎると
判定された場合(図8)に分けてこれらの処理を説明す
る。
【0029】図6は減衰力を上げる方向の処理フローチ
ャートである。まず、制御手段22は、S111で生成
された新世代の個体、すなわち制御パラメータ系をチェ
ックし、この新世代が減衰力を上げる方向にあるか否か
を判定する(S401)。この判定は、新世代の個体の
各段の減衰係数C1、・・・、Cnの値で判定すること
ができる。例えば、現在の個体の減衰係数の内、C1及
びC2が実際に用いられたとする。すると、制御手段2
2は、新世代の個体の制御パラメータの内、C1及びC
2の値をチェックし、これらの値が減少しているか否か
を判定する。これらの値が減少している場合には、より
ハードな減衰係数が選択される割合が多くなるから、結
果的に新世代の個体としてはより減衰力を上げる方向に
あると判定することができる。このようにして新世代が
減衰力を上げる方向にあると判定された場合には、この
新世代は制御を良くするための望ましい新世代であるこ
とになるから、各制御パラメータをこの新世代に設定し
(S402)、flagを1にセットする(S40
3)。従って、次回のスカイフック制御は、この新世代
で行われることになる。一方、新世代が減衰力を上げる
方向にないと判定された場合には、この新世代は制御の
方向と一致しないので採用されず、再びS111の処理
に戻って新たな新世代を生成し直す。これにより、新世
代の制御の方向が現在必要とされる制御の方向と一致し
ない場合でも、この新世代を試行し評価してしまうこと
を禁止することができる。
【0030】図7は減衰力を下げる方向の処理フローチ
ャートである。まず、制御手段22は、S111で生成
された新世代の個体、すなわち制御パラメータ系をチェ
ックし、この新世代が減衰力を下げる方向にあるか否か
を判定する(S501)。この判定も、新世代の個体の
各段の減衰係数C1、・・・、Cnの値で判定すること
ができる。例えば、現在の個体の減衰係数の内、C1及
びC2が実際に用いられたとする。すると、制御手段2
2は、新世代の個体の制御パラメータの内、C1及びC
2の値をチェックし、これらの値が増大しているか否か
を判定する。これらの値が増大している場合には、より
ソフトな減衰係数が選択される割合が多くなるから、結
果的に新世代の個体としてはより減衰力を下げる方向に
あると判定することができる。このようにして新世代が
減衰力を下げる方向にあると判定された場合には、この
新世代は制御を良くするための望ましい新世代であるこ
とになるから、各制御パラメータをこの新世代に設定し
(S502)、flagを1にセットする(S50
3)。従って、次回のスカイフック制御は、この新世代
で行われることになる。一方、新世代が減衰力を下げる
方向にないと判定された場合には、この新世代は制御の
方向と一致しないので採用されず、再びS111の処理
に戻って新たな新世代を生成し直す。これにより、新世
代の制御の方向が現在必要とされる制御の方向と一致し
ない場合でも、この新世代を試行し評価してしまうこと
を禁止することができる。
【0031】図8は切り替え頻度を少なくする方向の処
理フローチャートである。まず、制御手段22は、S1
11で生成された新世代の個体、すなわち制御パラメー
タ系をチェックし、この新世代が切り替え頻度を減少さ
せる方向にあるか否かを判定する(S601)。この判
定は、新世代の減衰係数CSの値で行うことができる。
すなわち、この減衰係数は、C*=CS・Zd/Ydか
ら分かるようにゲインとして機能するから、この値が大
きい程切り替え頻度は増大することになる。従って、新
世代の減衰係数CSが現在の減衰係数に比べて減少して
いる場合には、新世代は切り替え頻度を少なくする方向
にあると判定できる。このようにして新世代が減衰係数
の切り替えの頻度を少なくする方向にあると判定された
場合には、各制御パラメータをこの新世代に設定し(S
602)、flagを1にセットする(S603)。従
って、次回のスカイフック制御は、この新世代で行わ
れ、その評価演算がなされることになる。一方、新世代
が切り替え頻度を少なくする方向にないと判定された場
合には、再びS111の処理に戻って新たな新世代を生
成し直す。
【0032】このように、本実施形態では、ばね上加速
度のパワースペクトルに基づいて減衰力の過不足を判定
し、このパワースペクトルを所望のスペクトルに設定す
べく試行する新世代を予め選別するので、制御性を良く
することにはならない新世代を試行することを確実に防
止できる。また、現在の制御性がその評価値から判断し
て許容範囲内にあると判定された場合にも、新世代を試
行しないので、不必要に制御性の効率を低下させること
もない。
【0033】なお、本実施形態では、特に車両のサスペ
ンション減衰力制御用のアクチュエータを例にとり説明
したが、本発明のポイントは、生成した新世代を試行す
る前に、その新世代が制御性を良くするのに望ましいも
のか否かを判定し、望ましくない場合には試行及び評価
を禁止すること、及び現在の制御性が許容範囲内にある
ときにも新世代の試行及び評価を禁止することにあるの
で、この発明の要旨の範囲内で任意のアクチュエータに
適用できることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では新たな
制御パラメータ系を用いて一律に制御し、その評価を行
うのではなく、現在の制御に必要と考えられる場合のみ
に新たな制御パラメータ系を用いるので、制御効率を低
下させることなく、種々の環境及び経時劣化に対応でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の構成図である。
【図2】 同実施形態の個体群の説明図である。
【図3】 同実施形態の全体処理フローチャートであ
る。
【図4】 図3における個体抹消処理の詳細フローチャ
ートである。
【図5】 図3における進化方向の判定処理の詳細フロ
ーチャートである。
【図6】 減衰力不足の場合の処理フローチャートであ
る。
【図7】 減衰力過剰の場合の処理フローチャートであ
る。
【図8】 切り替え頻度が多い場合の処理フローチャー
トである。
【図9】 減衰力とPSDとの関係を示すグラフ図であ
る。
【図10】 切り替え頻度とPSDとの関係を示すグラ
フ図である。
【図11】 全エネルギの総和を示す説明図である。
【図12】 各周波数帯の割合を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ショックアブソーバ、16 アクチュエータ、2
2 制御手段。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御パラメータ系を用いてアクチュエー
    タ制御を実行した場合の制御の良否を定量評価する評価
    手段と、 前記制御パラメータ系を新たな制御パラメータ系に変更
    する変更手段と、 変更前と変更後の制御パラメータ系の評価値を比較し、
    より良い評価値を有する制御パラメータ系を選択する選
    択手段と、 を有するアクチュエータ制御装置において、 アクチュエータを制御すべき方向を判定する制御方向判
    定手段と、 前記新たな制御パラメータの制御の方向が、前記制御方
    向判定手段で判定された制御の方向と一致しない場合に
    は、前記新たな制御パラメータ系を用いたアクチュエー
    タ制御及び評価を禁止する制御手段と、 を有することを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクチュエータ制御装置
    において、 前記制御手段は、前記新たな制御パラメータをさらに新
    たな制御パラメータ系に変更するよう前記変更手段を制
    御することを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のアクチュ
    エータ制御装置において、 前記アクチュエータは車両のサスペンション減衰力制御
    用アクチュエータであり、前記制御パラメータ系は減衰
    係数であることを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアクチュエータ制御装置
    において、 前記制御方向判定手段は、サスペンションのばね上加速
    度のエネルギスペクトルに基づいて制御の方向を判定す
    ることを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のアクチュエータ制御装置
    において、 前記評価手段は、サスペンションのばね上加速度の積分
    値に基づいて良否を評価することを特徴とするアクチュ
    エータ制御装置。
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