JP3182793B2 - 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質

Info

Publication number
JP3182793B2
JP3182793B2 JP16429791A JP16429791A JP3182793B2 JP 3182793 B2 JP3182793 B2 JP 3182793B2 JP 16429791 A JP16429791 A JP 16429791A JP 16429791 A JP16429791 A JP 16429791A JP 3182793 B2 JP3182793 B2 JP 3182793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
electrolyte
acid
nitrogen
electrolytic capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16429791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0513278A (ja
Inventor
幸弘 新田
秀樹 島本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP16429791A priority Critical patent/JP3182793B2/ja
Publication of JPH0513278A publication Critical patent/JPH0513278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3182793B2 publication Critical patent/JP3182793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の溶媒に電解質塩
を溶解した電解コンデンサ駆動用電解液の替わりに用い
られる電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に電解コンデンサにおける導電性を
有する駆動用電解液は、実質上陰極として作用し、陽極
上の誘電体から静電容量を引き出す役目を果たしてい
る。電解液にはエチレングリコールやγ−ブチロラクト
ンなどの有機溶媒に有機酸や無機酸またはそれらの塩を
電解質として溶解した液状ペーストが用いられており、
そして芳香族カルボン酸の第四級アンモニウム塩を電解
質とした電解液(特公平3−8092号公報)、窒素複
素二縮合環化合物のヘキサフルオロリン酸塩を電解質と
した電解液(特公平3−8093号公報)、ピリジニウ
ム化合物のカルボン酸塩を電解質とした電解液(特開昭
63−219117号公報)などが知られているが、こ
れらはいずれも溶媒に電解質を溶解した電解液である。
【0003】しかしながら、これらの電解液は、その中
に溶媒を含んでいるため、高温中で溶媒分子と電解質イ
オンとが反応して電導度が低下したり、溶媒が封口体を
透過して逸散し、静電容量の低下や損失角の正接(ta
nδ)の増大が生じるなどの欠点を有している。これら
の問題点は、溶媒成分を用いずに電解質塩のみを溶融ま
たは溶融後固化させた溶融塩形電解質を用いることによ
り解決でき、そしてこの溶融塩形電解質は、電解コンデ
ンサの使用温度上限や寿命,信頼性も向上させることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように溶融塩
形電解質は、電解コンデンサの使用温度上限や寿命,信
頼性など多くの点で電解液よりも優れている。しかし、
従来の電解液に良く用いられているカルボン酸のテトラ
アルキルアンモニウム塩やテトラアルキルホスホニウム
塩等を、そのまま溶融または溶融後固化させて調整した
溶融塩形電解質では、電導度が非常に低いものである。
【0005】本発明は上記した従来の問題点を解決する
もので、高い電導度を示す電解コンデンサ駆動用溶融塩
形電解質を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質は、
溶媒を用いずに、共役二重結合を有する含窒素複素環カ
チオンもしくは共役二重結合を有する含窒素縮合複素環
カチオンからなる電解質塩を、溶融または溶融後固化さ
せたものである。
【0007】
【作用】上記した本発明の電解コンデンサ駆動用溶融塩
形電解質は、溶媒を用いずに、共役二重結合を有する含
窒素複素環カチオンもしくは共役二重結合を有する含窒
素縮合複素環カチオンからなる電解質塩を、溶融または
溶融後固化させたものであるため、従来の電解液に使用
されているアルキルアンモニウム塩やアルキルホスホニ
ウム塩等より調整した溶融塩形電解質よりも高い電導度
を示し、その結果、本発明の溶融塩形電解質を用いて電
解コンデンサを構成したときには、tanδの低い電解
コンデンサを実現することができる。
【0008】また、本発明の電解コンデンサ駆動用溶融
塩形電解質は、複素環および縮合複素環の共鳴安定化に
より非常に安定な塩であるため、従来の電解液や、アル
キルアンモニウム塩やアルキルホスホニウム塩等より調
整した従来の溶融塩形電解質を用いた場合と比較して、
広い温度範囲で使用可能な電解コンデンサを提供するこ
とができるとともに、高温雰囲気中での特性の経時変化
も少ない電解コンデンサを提供することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0010】本発明の電解コンデンサ駆動用溶融塩形電
解質の基本は、溶媒を用いずに、共役二重結合を有する
含窒素複素環化合物もしくは含窒素縮合複素環化合物を
カチオンとする電解質塩を、溶融または溶融後固化させ
たものである。本発明で用いる溶融塩形電解質は、常温
(25℃)で液体である必要はなく、固体,液体いずれ
の相状態でも十分な導電性を有し、かつ陽極箔上の欠陥
部分に作用して酸化皮膜を形成する能力を有するもので
あれば良い。
【0011】本発明において用いられる共役二重結合を
有する含窒素複素環化合物をカチオンとする電解質塩
は、以下の一般式(化1)および(化2)で表される。
【0012】
【化1】
【0013】(式中m=4〜5、R1,R2,R3は炭素
原子数1〜5のアルキル基,アルコキシ基,アミノ基,
モノアルキルアミノ基,ジアルキルアミノ基,ニトロ基
のいずれかであり、互いに同一または異なって存在して
もよい。またR1,R2,R3は不存在でも良い。Rは水
素原子,炭素原子数1〜5のアルキル基の1つまたは2
つにより窒素原子は第三級アミンまたは第四級アンモニ
ウムを構成する)
【0014】
【化2】
【0015】(式中m=0〜2、m+n=3〜4、
1,R2,R3は炭素原子数1〜5のアルキル基,アル
コキシ基,アミノ基,モノアルキルアミノ基,ジアルキ
ルアミノ基,ニトロ基のいずれかであり、互いに同一ま
たは異なって存在してもよい。またR1,R2,R3は不
存在でも良い。R4は炭素原子数1〜5のアルキル基、
Rは水素原子,炭素原子数1〜5のアルキル基の1つま
たは2つにより窒素原子は第三級アミンまたは第四級ア
ンモニウムを構成する)で表される化合物をカチオンと
するものである。
【0016】具体的にはピロール,ピリジン,ピリダジ
ン,ピリミジン,ピラジン,イミダゾール,ピラゾー
ル、およびこれらの化合物の部分水素化物、および以上
の化合物類につきN−アルキル置換化合物をカチオンと
するものが挙げられる。
【0017】さらに具体的には、ピリジニウム塩として
は、例えば、1−メチルピリジニウム塩、1−エチルピ
リジニウム塩、1−プロピルピリジニウム塩、1−ブチ
ルピリジニウム塩、1,2−ジメチルピリジニウム塩、
1,3−ジメチルピリジニウム塩、1,4−ジメチルピ
リジニウム塩、1−メチル−2−エチルピリジニウム
塩、1−メチル−3−エチルピリジニウム塩、1−メチ
ル−4−エチルピリジニウム塩、1−メチル−2−プロ
ピルピリジニウム塩、1−メチル−3−プロピルピリジ
ニウム塩、1−メチル−4−プロピルピリジニウム塩、
1−メチル−2−ブチルピリジニウム塩、1−メチル−
3−ブチルピリジニウム塩、1−メチル−4−ブチルピ
リジニウム塩、1−エチル−2−メチルピリジニウム
塩、1−エチル−3−メチルピリジニウム塩、1−エチ
ル−4−メチルピリジニウム塩、1,2−ジエチルピリ
ジニウム塩、1,3−ジエチルピリジニウム塩、1,4
−ジエチルピリジニウム塩、1−エチル−2−プロピル
ピリジニウム塩、1−エチル−3−プロピルピリジニウ
ム塩、1−エチル−4−プロピルピリジニウム塩、1−
エチル−2−ブチルピリジニウム塩、1−エチル−3−
ブチルピリジニウム塩、1−エチル−4−ブチルピリジ
ニウム塩、1−プロピル−2−メチルピリジニウム塩、
1−プロピル−3−メチルピリジニウム塩、1−プロピ
ル−4−メチルピリジニウム塩、1−プロピル−2−エ
チルピリジニウム塩、1−プロピル−3−エチルピリジ
ニウム塩、1−プロピル−4−エチルピリジニウム塩、
1,2−ジプロピルピリジニウム塩、1,3−ジプロピ
ルピリジニウム塩、1,4−ジプロピルピリジニウム
塩、1−プロピル−2−ブチルピリジニウム塩、1−プ
ロピル−3−ブチルピリジニウム塩、1−プロピル−4
−ブチルピリジニウム塩、1−ブチル−2−メチルピリ
ジニウム塩、1−ブチル−3−メチルピリジニウム塩、
1−ブチル−4−メチルピリジニウム塩、1−ブチル−
2−エチルピリジニウム塩、1−ブチル−3−エチルピ
リジニウム塩、1−ブチル−4−エチルピリジニウム
塩、1−ブチル−2−プロピルピリジニウム塩、1−ブ
チル−3−プロピルピリジニウム塩、1−ブチル−4−
プロピルピリジニウム塩、1,2−ジブチルピリジニウ
ム塩、1,3−ジブチルピリジニウム塩、1,4−ジブ
チルピリジニウム塩、1,2,3−トリメチルピリジニ
ウム塩、1,2,4−トリメチルピリジニウム塩、1,
2,5−トリメチルピリジニウム塩、1,2,6−トリ
メチルピリジニウム塩、1−メチル−2,3−ジエチル
ピリジニウム塩、1−メチル−2,4−ジエチルピリジ
ニウム塩、1−メチル−2,5−ジエチルピリジニウム
塩、1−メチル−2,6−ジエチルピリジニウム塩、1
−エチル−2,3−ジメチルピリジニウム塩、1−エチ
ル−2,4−ジメチルピリジニウム塩、1−エチル−
2,5−ジメチルピリジニウム塩、1−エチル−2,6
−ジメチルピリジニウム塩、1,2,3−トリエチルピ
リジニウム塩、1,2,4−トリエチルピリジニウム
塩、1,2,5−トリエチルピリジニウム塩、1,2,
6−トリエチルピリジニウム塩等が挙げられる。
【0018】イミダゾリウム塩としては、例えば、1,
3−ジメチルイミダゾリウム塩、1,3−ジエチルイミ
ダゾリウム塩、1,3−ジプロピルイミダゾリウム塩、
1,3−ジブチルイミダゾリウム塩、1−メチル−3−
エチルイミダゾリウム塩、1−メチル−3−プロピルイ
ミダゾリウム塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウ
ム塩、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム塩、1
−エチル−3−ブチルイミダゾリウム塩、1−プロピル
−3−ブチルイミダゾリウム塩、1,2,3−トリメチ
ルイミダゾリウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイ
ミダゾリウム塩、1,2−ジメチル−3−プロピルイミ
ダゾリウム塩、1,2−ジメチル−3−ブチルイミダゾ
リウム塩等が挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。
【0019】本発明において用いられる共役二重結合を
有する含窒素縮合複素環化合物をカチオンとする電解質
塩は、以下の一般式(化3)および(化4)で表され
る。
【0020】
【化3】
【0021】(式中m=0〜1、m+n=2〜3、
1,R2,R3は炭素原子数1〜5のアルキル基,アル
コキシ基,アミノ基,モノアルキルアミノ基,ジアルキ
ルアミノ基,ニトロ基のいずれかであり、互いに同一ま
たは異なって存在してもよい。またR1,R2,R3は不
存在でも良い。Rは水素原子,炭素原子数1〜5のアル
キル基の1つまたは2つにより窒素原子は第三級アミン
または第四級アンモニウムを構成する)
【0022】
【化4】
【0023】(式中m=0〜2、n=0〜2、l=0〜
2、m+n+l=1〜2、R1,R2,R3は炭素原子数
1〜5のアルキル基,アルコキシ基,アミノ基,モノア
ルキルアミノ基,ジアルキルアミノ基,ニトロ基のいず
れかであり、互いに同一または異なって存在してもよ
い。またR1,R2,R3は不存在でも良い。R4は炭素原
子数1〜5のアルキル基、Rは水素原子,炭素原子数1
〜5のアルキル基の1つまたは2つにより窒素原子は第
三級アミンまたは第四級アンモニウムを構成する)で表
される化合物をカチオンとするものである。
【0024】具体的にはインドール,イソインドール,
1H−インダゾール,ベンゾイミダゾール,キノリン,
イソキノリン,シンノリン,フタラジン,キナゾリン,
キノキサリン、およびこれらの化合物の部分水素化物、
および以上の化合物類につきN−アルキル置換化合物を
カチオンとするものが挙げられる。
【0025】さらに具体的には、キノリニウム塩として
は、例えば、1−メチルキノリニウム塩、1−エチルキ
ノリニウム塩、1−プロピルキノリニウム塩、1−ブチ
ルキノリニウム塩、1,2−ジメチルキノリニウム塩、
1,3−ジメチルキノリニウム塩、1,4−ジメチルキ
ノリニウム塩、1−メチル−2−エチルキノリニウム
塩、1−メチル−3−エチルキノリニウム塩、1−メチ
ル−4−エチルキノリニウム塩等が挙げられる。
【0026】イソキノリニウム塩としては、例えば、2
−メチルイソキノリニウム塩、2−エチルイソキノリニ
ウム塩、2−プロピルイソキノリニウム塩、2−ブチル
イソキノリニウム塩、1,2−ジメチルイソキノリニウ
ム塩、2,3−ジメチルイソキノリニウム塩、2,4−
ジメチルイソキノリニウム塩、1−エチル−2−メチル
イソキノリニウム塩、2−メチル−3−エチルイソキノ
リニウム塩、2−メチル−4−エチルイソキノリニウム
塩等が挙げられる。
【0027】ベンゾイミダゾリウム塩としては、例え
ば、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム塩、1,3
−ジエチルベンゾイミダゾリウム塩、1,3−ジプロピ
ルベンゾイミダゾリウム塩、1,3−ジブチルベンゾイ
ミダゾリウム塩、1−メチル−3−エチルベンゾイミダ
ゾリウム塩、1−メチル−3−プロピルベンゾイミダゾ
リウム塩、1−メチル−3−ブチルベンゾイミダゾリウ
ム塩、1−エチル−3−プロピルベンゾイミダゾリウム
塩、1−エチル−3−ブチルベンゾイミダゾリウム塩、
1−プロピル−3−ブチルベンゾイミダゾリウム塩、
1,2,3−トリメチルベンゾイミダゾリウム塩、1,
2−ジメチル−3−エチルベンゾイミダゾリウム塩、
1,2−ジメチル−3−プロピルベンゾイミダゾリウム
塩、1,2−ジメチル−3−ブチルベンゾイミダゾリウ
ム塩等が挙げられる。
【0028】インダゾリウム塩としては、例えば、1,
2−ジメチルインダゾリウム塩、1,2−ジエチルイン
ダゾリウム塩、1,2−ジプロピルインダゾリウム塩、
1,2−ジブチルインダゾリウム塩、1−メチル−2−
エチルインダゾリウム塩、1−メチル−2−プロピルイ
ンダゾリウム塩、1−メチル−2−ブチルインダゾリウ
ム塩、1−エチル−2−プロピルインダゾリウム塩、1
−エチル−2−ブチルインダゾリウム塩、1−プロピル
−2−ブチルインダゾリウム塩、1,2,3−トリメチ
ルインダゾリウム塩、1,3−ジメチル−2−エチルイ
ンダゾリウム塩、1,3−ジメチル−2−プロピルイン
ダゾリウム塩、1,3−ジメチル−2−ブチルインダゾ
リウム塩等が挙げられる。
【0029】本発明に用いる電解質塩の酸には、ホウ
酸,リン酸,スルホン酸,タングステン酸,モリブデン
酸,過塩素酸,テトラフルオロホウ酸,ヘキサフルオロ
リン酸,トリフルオロメタンスルホン酸,ベンゼンスル
ホン酸,カルボン酸やそれらの誘導体が挙げられる。こ
れらのうちで好ましいのはカルボン酸であり、カルボン
酸の例としては、ポリカルボン酸(2〜4価);脂肪族
ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸、例えばシュウ
酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピ
メリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバチン酸,
1,6−デカンジカルボン酸,5,6−デカンジカルボ
ン酸:不飽和ポリカルボン酸、例えばマレイン酸,フマ
ル酸,イコタン酸];芳香族ポリカルボン酸、例えばフ
タル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,トリメリット
酸,ピロメリット酸;脂環式ポリカルボン酸、例えばテ
トロヒドロフタル酸(シクロヘキサン−1,2−ジカル
ボン酸),ヘキサヒドロフタル酸;これら以上のカルボ
ン酸類につきアルキル(炭素数1〜3)置換体もしくは
ニトロ置換体、例えばシトコラン酸,ジメチルマレイン
酸,ニトロフタル酸(3−ニトロフタル酸,4−ニトロ
フタル酸;および硫黄含有ポリカルボン酸、例えばチオ
プロピオン酸が挙げられる。
【0030】モノカルボン酸としては、脂肪族モノカル
ボン酸(炭素数1〜30)[飽和モノカルボン酸、例え
ばギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草
酸,カプロン酸,エナント酸,カプリル酸,ペラルゴン
酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,ステアリン酸,ベヘン
酸:不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸,メタク
リル酸,オレイン酸];芳香族モノカルボン酸、例えば
安息香酸,ケイ皮酸,ナフトエ酸;オキシカルボン酸、
例えばサリチル酸,マンデル酸,レゾルシル酸;および
これらの2種以上の混合物が例として挙げられる。
【0031】電解質塩として好ましいのは、ジカルボン
酸ピリジニウム塩とジカルボン酸イミダゾリウム塩であ
り、特に好ましいのは、シュウ酸1−エチルピリジニウ
ム塩、マレイン酸1−エチルピリジニウム塩、フタル酸
1−エチルピリジニウム塩、シュウ酸1−メチル−3−
エチルイミダゾリウム塩、マレイン酸1−メチル−3−
エチルイミダゾリウム塩、フタル酸1−メチル−3−エ
チルイミダゾリウム塩である。
【0032】またこれらのうちで、2種以上の電解質を
任意の割合で混合して使用しても良い。好ましくは共晶
組成もしくは共融組成で混合するのが良い。
【0033】そしてまた溶融塩形電解質中に、電解質を
合成または精製する際に混入する反応溶媒や水分が微量
に存在しても構わない。むしろ1重量%以下の溶媒や水
分の混入であれば、電導度がより一層向上するため、好
ましい場合もある。
【0034】次に、本発明における電解コンデンサ駆動
用溶融塩形電解質の具体的な実施例について説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】(表1)および(表2)は、本発明の実施
例1〜24の具体的な組成と電導度を示したものであ
る。(表3)は溶媒を用いずにアルキルアンモニウム塩
やアルキルホスホニウム塩を用いた溶融塩形電解質より
なる従来例1〜4の具体的な組成と電導度を示したもの
である。なお、各例における数字は混合比率を重量%で
示したものである。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】(表1〜3)から明らかなように、従来例
1〜4の溶融塩形電解質と比較して、本発明の実施例1
〜24の溶融塩形電解質は非常に高い電導度を示すもの
である。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサ駆
動用溶融塩形電解質は、溶媒を用いずに、共役二重結合
を有する含窒素複素環カチオンもしくは共役二重結合を
有する含窒素縮合複素環カチオンからなる電解質塩を、
溶融または溶融後固化させたものであるため、従来の電
解液に使用されているアルキルアンモニウム塩やアルキ
ルホスホニウム塩等より調整した溶融塩形電解質よりも
高い電導度を示し、その結果、本発明の溶融塩形電解質
を用いて電解コンデンサを構成したときには、tanδ
の低いコンデンサを実現することができる。
【0041】また本発明の電解コンデンサ駆動用溶融塩
形電解質は、複素環および縮合複素環の共鳴安定化によ
り非常に安定な塩であるため、従来の電解液や、アルキ
ルアンモニウム塩やアルキルホスホニウム塩等より調整
した従来の溶融塩形電解質を用いた場合と比較して、広
い温度範囲で使用可能な電解コンデンサを提供すること
ができるとともに、高温雰囲気中での特性の経時変化も
少ない電解コンデンサを提供することができるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028 H01G 9/035

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒を用いずに、共役二重結合を有する含
    窒素複素環カチオンもしくは共役二重結合を有する含窒
    素縮合複素環カチオンからなる電解質塩を、溶融または
    溶融後固化させた電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解
    質。
  2. 【請求項2】共役二重結合を有する含窒素複素環カチオ
    ンもしくは共役二重結合を有する含窒素縮合複素環カチ
    オンからなる電解質塩が、第三級アミン塩もしくは第四
    級アンモニウム塩である請求項1記載の電解コンデンサ
    駆動用溶融塩形電解質。
  3. 【請求項3】共役二重結合を有する含窒素複素環カチオ
    ンからなる電解質塩がピリジニウム塩である請求項1記
    載の電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質。
  4. 【請求項4】共役二重結合を有する含窒素複素環カチオ
    ンからなる電解質塩がイミダゾリウム塩である請求項1
    記載の電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質。
  5. 【請求項5】共役二重結合を有する含窒素複素環カチオ
    ンもしくは共役二重結合を有する含窒素縮合複素環カチ
    オンからなる電解質塩のアニオンがカルボン酸イオンで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサ駆
    動用溶融塩形電解質。
  6. 【請求項6】組成および構造の異なる2種以上の電解質
    塩を任意の割合で混合した請求項1〜5のいずれかに記
    載の電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質。
  7. 【請求項7】組成および構造の異なる2種以上の電解質
    塩を共晶組成または共融組成で混合した請求項6記載の
    電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質。
JP16429791A 1991-07-04 1991-07-04 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質 Expired - Fee Related JP3182793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16429791A JP3182793B2 (ja) 1991-07-04 1991-07-04 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16429791A JP3182793B2 (ja) 1991-07-04 1991-07-04 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0513278A JPH0513278A (ja) 1993-01-22
JP3182793B2 true JP3182793B2 (ja) 2001-07-03

Family

ID=15790442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16429791A Expired - Fee Related JP3182793B2 (ja) 1991-07-04 1991-07-04 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3182793B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2565886A1 (en) 2004-05-10 2013-03-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Material for electrolytic solution, ionic material-containing composition and use thereof

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10027995A1 (de) * 2000-06-09 2001-12-13 Merck Patent Gmbh Ionische Flüssigkeiten II
EP1650328B1 (en) 2003-07-31 2016-10-19 Kaneka Corporation Method for forming oxide film on metal surface using ionic liquid, electrolytic capacitor and electrolyte thereof
US8137852B2 (en) 2004-11-09 2012-03-20 Ube Industries, Ltd. Liquid electrolyte
KR101013328B1 (ko) * 2008-01-18 2011-02-09 주식회사 엘지화학 공융혼합물을 포함하는 전해질 및 이를 구비한전기화학소자
JP5713976B2 (ja) * 2012-09-28 2015-05-07 ニチコン株式会社 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2565886A1 (en) 2004-05-10 2013-03-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Material for electrolytic solution, ionic material-containing composition and use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0513278A (ja) 1993-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3182793B2 (ja) 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質
JP3163682B2 (ja) 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質およびそれを用いた電解コンデンサ
JPH0748457B2 (ja) 電解コンデンサ駆動用電解液
JP4226123B2 (ja) アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液
JPH11340097A (ja) 電解コンデンサの駆動用電解液
JPS63181413A (ja) 電解コンデンサ用電解液
JPH02194611A (ja) 電解コンデンサ駆動用電解液
JPS63250108A (ja) 電解コンデンサの駆動用電解液
JP2627624B2 (ja) 電解コンデンサの駆動用電解液
JPH03120808A (ja) 電解コンデンサ用電解液
JPS63126212A (ja) 固体電解コンデンサ
JPH10135081A (ja) 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ
JP3168594B2 (ja) 電解コンデンサ駆動用溶融塩形電解質およびそれを用いた電解コンデンサ
JP2665243B2 (ja) 電解コンデンサ用電解液
JPS6337609A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH01226145A (ja) 電解コンデンサの駆動用電解液
JPS63219116A (ja) 電解コンデンサ用電解液
JPS61191011A (ja) 電解コンデンサの駆動用電解液
JPS63215034A (ja) 固体電解コンデンサ
JPS62232913A (ja) アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液
JPH02241014A (ja) 固体電解コンデンサ
JPS63291414A (ja) アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液
JPS63169020A (ja) 電解コンデンサ駆動用電解液
JPS63261825A (ja) 電解コンデンサ駆動用電解液
JPH04340211A (ja) 電解コンデンサ駆動用電解液および電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees