JP3182494B2 - 魚釣用リールの糸長計測装置 - Google Patents

魚釣用リールの糸長計測装置

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JP3182494B2
JP3182494B2 JP08383695A JP8383695A JP3182494B2 JP 3182494 B2 JP3182494 B2 JP 3182494B2 JP 08383695 A JP08383695 A JP 08383695A JP 8383695 A JP8383695 A JP 8383695A JP 3182494 B2 JP3182494 B2 JP 3182494B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釣糸の繰出し量を計測
する糸長計測装置を備えた魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に特開平4−27651
0号公報に於て、釣糸の繰出し量や巻取り量を計測する
ことのできる魚釣用リールの糸長計測装置を開示した。
この糸長計測装置は、リール本体に回転可能に支持した
スプールの回転数を検出するスプール回転数検出手段
と、送信用超音波センサからスプールの糸巻表面に発射
された超音波が受信用超音波センサで受信されるまでの
時間を計時手段で計測し、その計測値に基づいて糸巻径
を計測する糸巻径計測手段と、当該糸巻径計測手段から
の糸巻径データと上記スプール回転数検出手段で検出さ
れたスプールの回転数を基に糸長を演算する演算手段
と、当該演算手段で演算された糸長を表示する表示器を
備えたことを特徴としている。
【0003】図8及び図9は上記特開平4−27651
0号公報に開示された超音波センサの取付構造を示し、
この従来例は、スプール1後方に設けたリール本体3の
サムレスト5の下部に、隣接する一対のセンサ取付部
7,9をサムレスト5と一体に突出成形し、当該センサ
取付部7,9内に、スプール1の糸巻表面11に対向さ
せて送信用超音波センサ13と受信用超音波センサ15
を装着したものである。
【0004】而して、斯かる糸長計測装置によれば、送
信用超音波センサ13から超音波がスプール1の糸巻表
面11に発射されると、その反射波が受信用超音波セン
サ15で受信されるまでの時間が糸巻径計測手段の計時
手段で計測される。そして、計時手段で計測された時間
が糸巻径に比例した電気信号に変換され、この糸巻径信
号とスプール回転数検出手段で計測された回転数を基に
釣糸17の繰出し糸長が演算手段で計算されて、その数
値が操作パネル19上のデジタル表示器21に表示され
ることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記従来例
にあっては一対のセンサ取付部7,9が隣接して設けら
れているため、例えば送信用超音波センサ13からの超
音波発射時に、送信用超音波センサ13が受信用超音波
センサ15に影響を及ぼしてしまうといったように、両
センサ13,15の相互干渉によって糸長計測を高精度
に行うことができない虞があった。
【0006】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、送信用超音波センサと受信用超音波センサの相互干
渉を防止して、糸長計測装置による糸長計測を高精度に
行うことのできる魚釣用リールを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、リール本体に回転可能に支
持したスプールの回転数を検出するスプール回転数検出
手段と、送信用超音波センサからスプールの糸巻表面に
発射された超音波が受信用超音波センサで受信されるま
での時間を計時手段で計測し、その計測値に基づいて糸
巻径を計測する糸巻径計測手段と、当該糸巻径計測手段
からの糸巻径データと上記スプール回転数検出手段で検
出されたスプールの回転数を基に糸長を演算する演算手
段と、当該演算手段で演算された糸長を表示する表示器
からなる糸長計測装置を備えた魚釣用リールに於て、
上記リール本体を構成するフレーム枠体の左右から内方
へ、センサ取付部を夫々独立して一体的に突設し、一方
のセンサ取付部に送信用超音波センサを装着し、他方の
センサ取付部に受信用超音波センサを装着すると共に、
両センサ取付部間に、センサ相互間の干渉を防止する空
間部を設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】 請求項1に係る発明によれば、従来の糸長計測
装置と同様、釣糸がスプールから繰り出されると、その
繰出し量を計測してその糸長を表示器に表示する。 そし
て、送信用超音波センサと受信用超音波センサの間に形
成された空間部がセンサ相互間の干渉を防止することと
なる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。尚、発明部分を除く糸長計測装置の構成とそ
の糸長計測動作は図8及び図9に示す従来例と同様であ
るため、ここではそれらについての説明は省略し、専ら
発明部分について説明する。そして、上記従来例と同一
のものは同一符号を以って表示する。
【0010】図1乃至図3は請求項1に係る魚釣用リー
ルの第一実施例を示し、図に於て、 23はリール本体2
5のフレーム枠体27の後部に一体成形されたサムレス
トで、指先の感触を良好なものとするため、サムレスト
23の上部は図2の如く丸みを帯び、又、その底部は平
坦に形成されて後部がリール本体25の後方へ突出した
形状となっている。
【0011】そして、図3に示すようにサムレスト23
の下側に、送信用超音波センサ13のセンサ取付部29
と受信用超音波センサ15のセンサ取付部31が、夫
々、サムレスト23との間に若干の間隙を開けて設けら
れている。 センサ取付部29,31は、図1及び図3に
示すように側板33,35が取り付くフレーム枠体27
の左右から、夫々、サムレスト23に沿って内方へ一体
的に突設されており、両センサ取付部29,31の間に
は、センサ相互間の干渉を防止するに足る空間部37が
形成されている。
【0012】そして、スプール1の糸巻表面11に対向
する各センサ取付部29,31のスプール対向面39,
41にセンサ取付孔43,45が設けられており、各セ
ンサ取付孔43,45に夫々送信用超音波センサ13と
受信用超音波センサ15を装着すれば、図1及び図2に
示すように両超音波センサ13,15がスプール軸47
の軸心方向へV字状に配置されて、送信用超音波センサ
13から発射した超音波の反射波を受信用超音波センサ
15が良好に受信できるようになっている。
【0013】又、各センサ取付部29,31のスプール
対向面39,41は、サムレスト23のスプール側先端
部23aより後方へ配置されており、斯様にスプール対
向面39,41をサムレスト23のスプール側先端部2
3aより後方へ変位させることによって、釣糸17の巻
上げ時に、図2の如く釣糸17からスプール1の後方に
飛散する海水Wがサムレスト23で遮られて両超音波セ
ンサ13,15に海水Wがかからないようになってい
る。
【0014】そして、上述したように両センサ取付部2
9,31の間には、センサ相互間の干渉を防止するに足
る空間部37が形成されているが、本実施例は斯かる構
造に 加え、超音波センサ13,15の外周に更に発泡材
やシリコン,防振ゴム等からなる吸振材49を巻回し
て、センサ相互間の干渉をより確実に防止した構造とな
っている。
【0015】その他、図1中、51は糸長計測装置のマ
イクロコンピュータ等を収納する収納体、53はスプー
ル1の一側面に埋設されたマグネット、55は当該マグ
ネット53に対向してフレーム枠体27に配置されたリ
ードスイッチで、これらはスプール1の回転を電気信号
に変換してスプール1の回転速度に比例したパルスを発
生するエンコーダ57を構成するもので、このパルスが
収納体51内の糸長計測装置のマイクロコンピュータに
入力されて、糸長計測の演算に用いられるようになって
いる。
【0016】そして、その演算結果が、釣糸17の繰出
し量や巻取り量として操作パネル59上のデジタル表示
器21に表示されるようになっているが、既述したよう
に糸長計測装置の構造とその計測動作は特開平4−27
6510号公報に開示された糸長計測装置と同様である
のでそれらの説明は省略する。 本実施例はこのように構
成されているから、釣糸17がスプール1から繰り出さ
れると、従来と同様、糸長計測装置により釣糸17の繰
出し量が計測されてその糸長がデジタル表示器21に表
示されるが、センサ取付部29,31の間に形成された
空間部37と上記吸振材49が、送信用超音波センサ1
3と受信用超音波センサ15相互間の干渉を防止する。
【0017】そして、仕掛けの巻上げでスプール1に釣
糸17が巻回されると、図2の如く釣糸17からスプー
ル1の後方に海水Wが飛散するが、サムレスト23のス
プール側先端23aがスプール1側に突出しているた
め、各超音波センサ13,15方向へ飛散しようとする
海水Wをサムレスト23が遮り、各超音波センサ13,
15への海水Wの付着を防止する。
【0018】このように、本実施例は、送信用超音波セ
ンサ13と受信用超音波センサ15 を装着する各センサ
取付部29,31を、フレーム枠体27の左右に独立し
て設けると共に、両センサ取付部29,31の間にセン
サ相互間の干渉を防止するに足る空間部37を設けたた
め、本実施例によれば、図8及び図9に示す従来の糸長
計測装置に比し両超音波センサ13,15の相互干渉が
なくなって、高精度な糸長計測が可能となった。
【0019】尚、上記第一実施例では、サムレスト23
の下側に若干の隙間を開けてセンサ取付部29,31を
フレーム枠体27に設けたが、図4に示す請求項1の第
二実施例に係る発明の如くサムレストを省略し、そし
て、上記実施例と同様、フレーム枠体27′の左右にセ
ンサ相互間の干渉を防止するに足る空間部37を開けて
センサ取付部29′,31′を設けると共に、各センサ
取付部29′,31′の上部に、親指が載置可能な支持
面29a′,31a′を形成してもよい。 而して、本実
施例によっても、上記第一実施例と同様、所期の目的を
達成することが可能である。
【0020】ところで、実公平3−27428号公報や
実公平4−45510号公報等に開示されるように、従
来、糸長計測装置の計測値を基に、釣糸が所定の棚位置
や船べり停止位置等に達した処でアラーム音を発するよ
うにした魚釣用リールが知られているが、船のエンジン
音や他人のアラーム音等の影響でアラーム音が聞こえな
いといった不具合が生じている。
【0021】そこで、図5に示すように上述した収納体
51に出力部77を設けて、アラーム音をヘッドホーン
79で聞けるようにしてもよく、斯かる構造によれば、
船のエンジン音や他人のアラーム音の影響でアラーム音
が聞こえなくなるといった不具合が解消されることとな
る。 又、本出願人は、特開平2−312533号公報や
特開平2−312534号公報等に於て、対象魚の誘い
に適合するしゃくりパターンデータや糸巻速度指令パタ
ーン等を夫々個々に記憶したICカードを交換可能に挿
着して、煩雑な操作パネル上のキー操作を不要とした魚
釣用電動リールを提案したが、斯かるICカ ードに代え
図5に示すようにこれらのデータや棚停止,船べり停止
のアラーム発生時期等のデータがインプットされたテー
プレコーダ81等の外部情報入力媒体を収納体51に接
続可能としてもよい。
【0022】而して、斯かる魚釣用リールによれば、テ
ープレコーダ81を収納体51に接続すると、テープレ
コーダ81に記憶されているデータが読み出されて収納
体51に内蔵されたマイクロコンピュータのRAMの所
定のエリアに格納されるので、このデータに基づき、電
動の魚釣用リールにあってはスプール駆動モータが制御
されて棚位置や船べり停止位置での自動停止,釣糸17
のしゃくり操作等が可能となり、又、手動の魚釣用リー
ルにあっては、所定の棚位置や船べり停止位置でのアラ
ーム音の鳴動が可能となって煩雑な操作パネル59上の
キー操作が不要となる。
【0023】更に又、図6(A)に示すように操作パネ
ル59上に配置したファンクションキーA〜Fに、夫
々、例えばリセット,タイマ,船べりアラーム等の機能
を個々に割り付けておいても、釣人の好みによって図6
(B)の如くファンクションキーA〜Fが反転した位置
を好む場合もある。 而して、この場合には、収納体51
内のマイクロコンピュータのRAMに操作モードレジス
タを設け、そして、操作パネル59に設けた機能反転キ
ーXの操作でファンクションキーA〜Fが図6(A)の
初期設定状態と図6(B)の反転状態とに交互に切り変
わるようにしてもよい。
【0024】同様に、図7(A)に示すように操作パネ
ル59上に配置したファンクションキーG,Hに、夫
々、例えばリセットと棚/底メモリの機能を個々に割り
付け、そして、操作パネル59に設けた機能反転キーX
の操作で、ファンクションキーG,Hが図7(A)の初
期設定状態と図7(B)の反転状態とに交互に切り変わ
るようにしてもよいし、又、機能反転キーXを押し続け
ると、ファンクションキーA〜Fが図6(A)の初期設
定状態から順番に順次変わるように、マイクロコンピュ
ータのRAMに操作モードレジスタを設けてもよい。
【0025】而して、これらの魚釣用リールによれば、
釣人の使用,操作の好みに応じファンクションキーA〜
Hの位置を変更できるので、釣場,釣人を問わず幅広い
対応が可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る魚釣
用リールによれば、送信用超音波センサと受信用超音波
センサの相互干渉がなくなって、高精度な糸長計測が可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る魚釣用リールの第一実施例の一
部切欠き平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す魚釣用リールの一部切欠き背面図で
ある。
【図4】請求項1に係る魚釣用リールの第二実施例の一
部切欠き背面図である。
【図5】ヘッドホーンやテープレコーダを接続可能とし
た収納体の斜視図である。
【図6】ファンクションキーの初期設定状態と反転状態
を示す収納体の操作パネルの平面図である。
【図7】ファンクションキーの初期設定状態と反転状態
を示す収納体の操作パネルの平面図である。
【図8】糸長計測装置を装着した従来の魚釣用リールの
斜視図である。
【図9】図8に示す従来の魚釣用リールの要部拡大斜視
図である。
【符号の説明】
1 スプール 11 糸巻表面 13 送信用超音波センサ 15 受信用超音波センサ 17 釣糸 23 サムレスト 25 リール本体 27,27′ フレーム枠体 29,29′,31,31′ センサ取付部 37 空間部 49 吸振材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体に回転可能に支持したスプー
    ルの回転数を検出するスプール回転数検出手段と、 送信用超音波センサからスプールの糸巻表面に発射され
    た超音波が受信用超音波センサで受信されるまでの時間
    を計時手段で計測し、その計測値に基づいて糸巻径を計
    測する糸巻径計測手段と、 当該糸巻径計測手段からの糸巻径データと上記スプール
    回転数検出手段で検出されたスプールの回転数を基に糸
    長を演算する演算手段と、 当該演算手段で演算された糸長を表示する表示器とから
    なる糸長計測装置を備えた魚釣用リールに於て、 上記リール本体を構成するフレーム枠体の左右から内方
    へ、センサ取付部を夫々独立して一体的に突設し、一方
    のセンサ取付部に送信用超音波センサを装着し、他方の
    センサ取付部に受信用超音波センサを装着すると共に、
    両センサ取付部間に、センサ相互間の干渉を防止する空
    間部を設けたことを特徴とする魚釣用リール。
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