JP3182237U - 止血帯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便かつ容易に装着使用ができて、しかも、押圧パッドからのみの押圧力により止血するものであるため静脈を締め付けることが無い、血流の停滞が少ない血液透析用の止血帯具を提供する。
【解決手段】血液透析用の止血帯具Aであって、長手方向の両端にスリット部4を設けた長方形状の剛性部材1と、スリット部を介して着脱自在に取付けられる非伸縮性ベルト3と、剛材部材の中央部分の表面に設けられた押圧部2とを有し、非伸縮性ベルトの両端部には被着体に剛性部材を着脱自在に取付ける取付け具を設ける。
【選択図】図1

Description

本考案は、人工透析の終了後、腕のシャント静脈に刺した2か所の穿刺孔からの出血を、腕の血流を停滞させることなく、簡便且つ容易に、そして身体に負担をかけず安全に抑えることができる止血帯具に関する。
初期の止血帯もしくは止血帯具としては、穿刺傷部分にガーゼ等を当て、その上から指により圧迫するか、もしくはガーゼ等の上に絆創膏を貼ってガーゼ等を固定し、その上から指により圧迫する圧迫止血手段や粘着テープによる圧迫止血手段が最も一般的である。
しかし、止血に長時間かかる、例えば、人工透析の場合、終了時、腕に刺した2ヶ所の針穴からの出血を止めるために、ガーゼ等の処理の上から通常は指で10分程度押さえつけ止血をする必要がある。2本の指で押さえつけるので、患者にとっては、苦痛な作業であり、長い時間であった。
この押さえつけて止血する指に代わる止血手段が種々提供されている。
例えば、指により圧迫する代わりに重石(500〜1000gの砂嚢)を載せて圧迫し、これを絆創膏で固定する絆創膏止血手段が公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法では、重石の固定が必ずしも確実に行なわれないため、止血が十分に行なわれないという問題に加えて、絆創膏による患部の痒み、痛み、カブレといったトラブルが生じる場合があることは良く知られている。
また、絆創膏に代えて伸縮性止血帯を使用する伸縮性包帯止血手段が公知である(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では伸縮性止血帯を、穿刺傷部分にガーゼ等を当てた上から巻きつけるため、面倒かつ煩雑であって簡単にかつ容易に巻きつけられるものではない。さらには、穿刺傷部分に対して、直角方向から押圧出来ないので、止血の効果が十分に達成できないばかりか、圧迫が十分でないこともあって熟練を要する。さらに伸縮性止血帯にコストがかかるといった問題がある。
こういった不具合を解決するために、圧迫止血ベルトによる手段が種々提案されている。例えば、非伸縮性又は低伸縮性の繊維、不織布あるいはフィルム等からなる帯体の所定位置に硬質ケースを取り付け、その内部に流体を充填することにより膨張可能なバルーンを収容し、該バルーンの圧迫によって止血をする圧迫止血ベルトにおいて、硬質ケースの外部に突出する外側端部に逆止弁を取付け固定したもの、もしくは逆止弁を着脱可能に装着したもの(例えば、特許文献3参照)、さらには弁部を内部圧力によってシールする逆止弁を用いたもの(例えば、特許文献4参照)がそれぞれ公知である。また、前記の圧迫止血ベルトにおいて、構造が簡単で、逆止弁を必要とせず、専用のエアーチャックが不要であり、さらにチューブ接続部材をケース本体に取り外し可能にしたもの(例えば、特許文献5参照。)が公知である。これらの圧迫止血ベルトによると、バルーンの膨張を利用して圧迫するため、穿刺傷部分のみを圧迫できると共に、その圧迫力の調整が可能であるといった利点がある一方で、流体を充填する操作はあくまで熟練した医療従事者が行なわなければならず、患者自身で行なえるようなものではないので、その点からすると簡便性に欠けるという問題がある。
その他の穿刺傷用止血材としては、傷跡を残すことなく簡便且つ迅速に止血する目的で、硬質材又は弾性材からなる板状基材上の一部に加圧パッドを凸設し、該加圧パッドにより穿刺傷部分を圧迫止血するようにしたもの(例えば、特許文献6参照。)や、帯材上の一部に加圧パッドを凸設した穿刺傷用止血帯において、帯材及び加圧パッドは柔軟性を有し、該加圧パッドは内部に流体が封入されているもの(例えば、特許文献7参照。)が、提供されている。
しかしながら、板状基材やベルト材を肢体周りに巻いて締付け、穿刺傷部を膨張バルーンや加圧パッドにより圧迫して止血するような仕様の穿刺傷用止血材にあっては、肢体を全方向から締め付けるものである。そのため、静脈も締め付けることになり、静脈血流の停滞という影響が少なからず存在することが問題視されている。
一方で、簡便な止血用具としては、皮膚表面に位置させるパッドと着脱可能な結束バンドを備えたもの(特許文献8参照。)や、両端に掛止部を備えた透明版の裏面に止血パッドを設け、掛止部に着脱自在に嵌入するリングを介して伸縮性の取付けバンドを有する橈骨動脈に届く穿刺孔用の止血用具(特許文献9参照。)や、複数の突出部を設けたバンド部と皮膚面を圧接する止血部を備えた止血具(特許文献10参照。)が提供されており、特に、特許文献9の止血用具は、橈骨動脈に届く穿刺孔用ではあるが、皮膚表面と支持部材の間に空間Kが形成されているため、手首表面の橈骨動脈や静脈の血流を妨げることはなく、さらに、元々手首周りには肉がないため
全体を締付けても余り問題にならないとしても、伸縮性の取付けバンドを用いているため、手首の両サイド及び下面側にあっては依然として締付けによる圧迫がある。さらにガーゼ等の上から腕静脈の透析用穿刺孔を押える透析とは使用対象が異なることに加えて、手首動脈のカテーテルの穿刺孔をパッドで直接押えるので感染に問題がある。また、パッドが一方に偏って設けられ中心に位置していない点でも特異である。また、特許文献10では、バンド部に複数の突出部を設けることにより血流の停滞を極力防止するというものである。
このように、いまだ透析患者にとって真に満足できるような簡便で身体に優しい止血用具とはいえないものである。
特開昭60−92746号公報 特開昭60−198139号公報 特開平7−47072号公報 特開平7−100142号公報 特開平7−178104号公報 特開平9−135838号公報 特開平11−244293号公報 特開平8−140990号公報 特開2000−166934号公報 特開2003−220066号公報
人工透析の際に、血管に透析針や輸血針などを長時間穿刺した後にできる穿刺傷部分からの出血を、苦痛無く、簡便且つ容易に、そして迅速且つ確実に抑えることができるということは、止血帯具としての根本的な要件であり、課題である。これに加えて、更なる課題として、静脈の血流への影響が少ない止血動作を行ない得るような止血帯であることが理想とされる。止血とは強く押さえれば良いのではなく、腕の静脈に刺した2か所の穿刺孔からの出血を押さえつつ静脈の血流を保つための適当な圧力で押さえる必要がある。従来の簡易タイプの止血ベルトは、腕を全方向から締め付けるため、止血にはより大きな押圧が必要となる。静脈も締め付けることになるため、静脈血流が停滞し、結果的に皮膚表面にうっ血や出血性トラブルといった異常が発生することになる。そのため、静脈を締め付けること無く、静脈の血流への影響が少ない止血帯が、期待され望まれている。
このような観点から、総合的な特性を持つ止血帯の創生が期待されている。
本考案は、上記課題を解決して、穿刺傷部分からの出血を、簡便且つ容易に、そして熟練した医療従事者ではない初心者であっても、特に患者自身により迅速且つ確実に抑えることができると共に、静脈を締め付けること無く、静脈血流の停滞といった影響が少ない身体に負担をかけず安全に止血ができる、即ち、穿刺傷部分の皮膚面に対して直角方向から押すという、いわゆる指で押すのと同じ機能を有するものである。具体的には、腕などの患部以外の部分に対する締め付けなどの押圧を軽減し、押圧部からのみの押圧力により止血することを最も主要な特徴とする止血帯具の提供を目的とする。
上記の目的を達成する本考案の止血帯具とは、両端にスリット部を有し、下面に押圧部を設けた長さが8〜16cm、好ましくは9〜12cmの透明、半透明又は着色した弾性又は可撓性の剛性板、即ち、腕部の長径(5〜10cm)より両側に約1.0〜3.0cm、好ましくは2〜2.5cmずつ長い剛性の板を用いることにより、非伸縮性ベルトをスリットに通して被着体、例えば腕の周りに圧接して取り付けると、剛性板が腕部の長径(5〜10cm)より両側に約1.0〜3.0cmずつ長いことに加えて、ベルトが非伸縮性であるため、腕と剛性板の間に空間が形成確保されて、腕の側面から押圧されることはなく、専ら剛性板の適度な弾力による押圧部からの押圧力を受けることを利用するものである。そのため、指の動作と同様、穿刺孔部分の皮膚面に対して直角方向から押すという、通常上からのみ止血動作を行なうものであり、静脈血流の停滞による悪影響を解消することができるものである。
本考案は、上記の課題を解決する為に、詳細に以下の手段を採ることを特徴とするものである。
本考案の第1の特徴点は、両端にスリット部を設けた剛性部材と、スリット部を介して着脱自在に取付けられる非伸縮性ベルトと、穿刺孔の上から押圧する押圧部とを有し、非伸縮性ベルトの両端部には被着体に剛性部材を着脱自在に取付ける取付け具が設けられていることを特徴とする止血帯具である。
本考案の第2の特徴点は、剛性部材が長方形状であり、押圧部が剛材部材の中央部分の表面に設けられていることを特徴とする止血帯具である。
本考案の第3の特徴点は、取付け具が、剛性部材の長手方向の両端に設けたスリット部に通し折り返すことにより着脱自在に取付けられる非伸縮性ベルトにより固定される構造からなることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第4の特徴点は、長方形状の剛性部材が、長手方向が9〜12cm、幅が2.0〜5.0cm、厚さが0.4〜4.0mmの弾性または可撓性の材料からなることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第5の特徴点は、剛性部材の両端に設けたスリット部の間隔は、スリット部の中心線を起点とする長さが7〜10cmであることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第6の特徴点は、取付け具が、非伸縮性ベルトに形成されている面ファスナーであることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第7の特徴点は、非伸縮性ベルトに、スリット部を有する薄いプラスチック製の保護板を着脱自在に設けることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第8の特徴点は、剛性部材が、2個一組の同形の部材からなり、剛性部材の一端には非伸縮性ベルトを挿通するスリット部が、他端には差込部が設けられていて、差込部により互いに合体してU字状の支持体を形成し、押圧部は非伸縮性ベルトに着脱自在になっていることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第9の特徴点は、差込部が挿入突起と抱合用スリットを交互に同数設けた構造であることを特徴とする止血帯具にある。
本考案の第10の特徴点は、血液透析用の止血帯具であることを特徴とする止血帯具にある。
本願考案の止血帯具は、指の動作と同様、押圧部から穿刺孔の上からのみの押圧力により止血動作を行なうものであるため、血管を締め付けることが無く、静脈の血流への影響が極めて少ない簡便かつ携行可能な身体に負担をかけず安全に止血ができる止血帯具である。そのため、重篤な患者さんがいる医療現場においても有用である。人工透析の穿刺傷部分からの出血を、苦痛無く、簡便且つ容易に、そして熟練した医療従事者ではない初心者であっても、したがって、患者自身のみならず子供であっても迅速且つ確実に抑えることができ、筋力の衰えた高齢者には、とても便利に使うことができるものである。また、本考案の止血帯具は、構造がシンプルなため、製造にコストがかからない。
本考案の止血帯具を被着体に取付けて止血をしている状態を示す図(上面図、A−A断面図)である。 本考案の止血帯具を被着体に取付けて止血をしている状態の斜視図である。 本考案の止血帯具を組合わせた状態を示す図(斜視図、横面図)である。 本考案の止血帯具を組合わせた状態を示す図(上面図、断面図)である。 変形例である止血帯具を使用状態に組合わせた状態を示す図である。 変形例である止血帯具における本体部分の合体状態の程度を示す図である。変形例に係る実施形態であり、止血帯具の本体部分の使用状態を示す図面で、(a)は歯状突起物を一番奥まではめ込んで腕の受け口を最小サイズに調整した状態、(b)は歯状突起物を半分程度はめ込んで普通サイズに調整した状態、(c)は歯状突起物を少しはめ込んで最大サイズに調整した状態、(a')は(a)の側面図、(b')は(b)の側面図、(c')は(c)の側面図である。 本考案の変形例である止血帯具における本体を示す斜視図である。 本考案の変形例である止血帯具の本体を示す図(正面図(1)、下面図(2)、上面図(3)、背面図(4))である。 本考案の変形例である止血帯具における本体を示す断面図(A−A断面(1)、B−B断面図(2))である。 本考案の変形例である止血帯具における押圧部材を挿通した状態の非伸縮性ベルトを示す図である。 本考案の変形例である止血帯具における押圧部材を示す図である。 従来例の止血帯具における伸縮性ベルトを示す図である。
次に、本考案の一実施形態を図面を参考にして詳細に説明をする。
図1〜図4に示された本考案の止血帯具Aは、両端にスリット部4,4'を有する剛性部材1と、スリット部を介して着脱自在に被着体である腕に圧接して取付けられる非伸縮性バンド3と、透析用の穿刺孔をガーゼと粘着テープで仮止め処置をした上から押圧して止血をする押圧部2から構成されている。押圧部2は、剛性部材1の腕に接する側の中央部に直接設けてもよく、剛性部材1上に設けられた取付台座部を介して取付けてもよい。押圧部2は、指の代用品としての機能を持ち、図1,2のような配置で非伸縮性バンド3を締め付けて、ガーゼ処理した穿刺孔部を押圧部2により上から押圧して止血する。非伸縮性ベルト3の締め具合で腕の穿刺孔部への押し具合を調整できる。また、押圧部2は、剛性部材1上での位置もスライド調整可能なように挿脱可能な別体に設計することもできる。
剛性部材1は、スリット部を通して折り返すことにより着脱自在に腕に圧接して取付けられる非伸縮性ベルト3により押圧部分を押圧して穿刺孔部の上から十分な圧迫力を加える支持板や押え板としても機能するため、ある程度の強度を有する硬質材が用いられる。剛性部材1は、略長方形状をした透明、半透明又は着色された硬質または軟質材でれば特に制限無く用いることが出来る。例えば、具体的には、ポリカーボネート樹脂、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等々といった硬質樹脂、アルミニウム、チタンといった金属、木材、紙、パルプ等々が挙げられる。なかでも、エンジニアリングプラスチックからなる硬質樹脂、特に、ポリカーボネート樹脂、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂などのプラスチックが好ましく用いられる。該樹脂中に、抗菌剤、香水、ラベンダー等の植物精油、芳香剤、安定剤といった薬剤を添加混合することができる。剛性部材1の大きさとしては、長さが9〜12cm、スリット部の中心線を起点とする両スリット間の間隔は、被着体である腕部の太さに応じて変わる性質のものであるが、通常は長径(5〜10cm)より両側に約1.0〜2.0cmずつ長い9〜12cmであり、厚さは0.4〜4.0mm程度で対応できるが、剛性部材である押え板の有する弾性力や可撓性、穿刺孔にかかる押圧、及び押圧部である押圧パッドの緩衝性を考慮して任意に決めるが、通常は0.5〜2.5mm程度で対応できる。幅は、約2.0〜5.0cmである。剛性部材1の長さが、腕部の長径(5〜10cm)より両側に約1.0〜2.0cmずつ長いので、剛性部材1とスリット部に挿通した非伸縮性ベルト3と被着体表面との間には空間Rが形成され、被着体である腕部の穿刺孔部以外の部分を無用に押圧することはない。本考案では、剛性部材1は略長方形状をしているため構造的にバネ性を有しており、非伸縮性ベルト3で締め付けると穿刺孔部だけを上からのみ押圧するので指で押さえる動作と同じく血流の停滞を招くことがない。これに対して、従来例であるゴム製といった伸縮性ベルトで締め付けると腕部の全体を締め付けて血流の停滞を招くことになる。
横に細長いスリット部4,4'の縦と横方向の長さは、挿通するベルトまたはバンドの大きさによって、任意に決まる性質のものであるが、非伸縮性ベルト3の厚さと幅方向に対応して決めるが、通常はスリットの縦の長さは2.5〜4.5mm、ベルトまたはバンド3の幅方向に対応して横方向の長さが1.5〜4.0cmの範囲に設計するのが好ましい。ただし、これらになんら限定されるものではない。
剛性部材1の被着体である腕と接する表面には押圧部2が設けられている。押圧部2は、穿刺傷部を上から圧迫する加圧パッドの機能を有するものであり、非伸縮性ベルト3の中央部分に直接に又は台座部を介して設けられている。押圧部2の形状は、略円柱状、略角柱状等、穿刺孔部を有効かつ十分に圧迫できる形状であれば各種形状とすることができる。非伸縮性ベルト3からの引っ張り力により穿刺傷部を上から十分な圧迫力で押さえられるように押圧部2の厚さを必要な厚さにすることが必要である。具体的には、押圧部2の厚さは1〜10mm、好ましくは2〜5mmが好適に用いられる。押圧部2の大きさは、直径が約1〜4cm程度、好ましくは3.0cm程度である。その形状は、円柱形、楕円柱形、角柱形、などで任意の形体のものが使用できるが、通常は図に示すような薄型円柱形が推奨される。押圧部2は剛性部材1に接着剤等により直接取り付ける。両面テープでの接着が普通。台座部21を介して押圧部2を設ける場合には、台座部21は、押圧部2より僅かに大きい押圧部2と同形のものを剛性部材1に一体成形によって設けるのが好ましい。押圧部2の材質は、強度と柔軟性を持つものであれば用いることができる。例えば、合成ゴム、天然ゴム、再生ゴム等のゴム材、スポンジ、ポリエステル、ポリスチレン等のプラスチック、アクリル系樹脂等のエラストマー等々の柔軟な材料、発泡体、柔軟な織布、不織布のようなパッド、脱脂綿のような材料が挙げられる。押圧部2は市販品(Φ2.8cm、厚さ2.5〜3mmのウレタン系エラストマー)であってもよく、自身の粘着力で剛性部材に密着する。
非伸縮性ベルト3は、非伸縮性の帯状基材であり、剛性部材1に設けた2つのスリット4,4'を介して締め付けをすることにより、押圧部2にベルト3からの押圧力を与えて、穿刺傷部の止血を行なうものであるから、押圧力を生み出すための締め付けが十分に行なえるような強度が求められる。バンドまたはベルト3の材質は、ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリエステル等のプラスチック、アクリル系樹脂等を用いることができ、これらを不織布、繊維等に成形加工したもの、又は綿布等であっても良い。ベルト3の両端はスリット4,4'を介して折返せば繋止できるように繋止手段が夫々設けられていて、ベルト3上の任意の位置で繋止できるようになっている。繋止手段、即ち、取付け具としては、例えば、面ファスナーを帯状基材に取り付けることにより行なうことができる。テープ状の面ファスナー、例えばマジックテープ(登録商標)を、適切な長さに切断してそのまま帯状基材として使用すれば、繋止手段自体がベルト3としても好適に機能するので、簡便且つ容易に製造できる。
非伸縮性ベルト3は、テープ状の面ファスナーの雄型部分と雌型部分とをそれぞれ必要な長さに切断したものを、同一面上の結合部分30において接合させて帯状とすることにより製造される。面ファスナーの雄型と雌型とは市販のものを使用することができる。両端のスリット4,4'を介して折返す部分をそれぞれ雄型とし、雄型と契合する残りの一部分あるいは全部分を雌型となるように設計するのが好ましい。残りの全部分を面ファスナーの雌型部分とする場合には18〜26cm、好ましくは19〜25cmの長さであり、雄型部分は固定側と着脱自在側とでは長さに違いがあるが、2.0〜9.0cm、好ましくは2.5〜8.5cmの長さで使用できるが、これに限定されない。雄型と雌型とを同一平面上で並列接合する手段としては、安全かつ完璧に一体化できる手段であれば、特に制限されない。縫い合せても良く、熱融着させても良い。
用いるベルト3の幅は、スリット4,4'の幅に対応して約1.5〜4.5cm、好ましくは約2.0〜3.6cmの範囲である。幅が1.5cmより狭いと穿刺孔部を上から圧迫する際の圧迫力が十分に得られない。逆に4.5cmより広くなると穿刺傷部を上から圧迫する際の圧迫力は十分に得られが、幅に対応して押圧部2自体も大きくする必要がある。さらに、スリット4,4'も同じく広くしなければならず、また、広いスリット4,4'を確保できるように本体自体も幅広く設計しなければならないため、製造コストが高くなる。ベルト3の全体の長さは、24〜40cm、好ましくは30〜38cm、より好ましくは32〜35cmの範囲である。24cmより短くなると、面ファスナーの雄型と雌型の係合領域が少なくなるため、係合状態が十分でなくなり外れる危険性が生じる。
40cmより長くしても、コストが高くなり不経済となる。
ベルト3の固定端は、剛性部材1の一方のスリット4を介して折返す部分に設けられている雄型と折返す部分に対応するベルト部分に設けられている雌型とを係合して固定する。固定端は、一旦固着した後は、そのままの状態でもよく、使用の度に脱着する必要はないため、自由端に比べて固着力の強い取付け具にすることが好ましい。係合固定手段は、面ファスナーのような脱着可能な手段でもよく、永久固着手段であってもよい。永久固着手段としては、例えば、接着剤を塗布したり、熱融着して、ベルト3の折返した部分を永久的に固着することによる。
固着されていない他の自由端は、スリット4'を剛性部材1の下側から外に向かって挿通して折り返せば折返した部分に設けられている雄型と折返した部分に対応するベルト部分に設けられている雌型とが係合して面ファスナー機能が働いて任意の位置で止めることができる。
非伸縮性ベルト3の腕を乗せる部分には、ベルトまたはバンドの圧を緩和するために補助的な保護板を使用することが推奨される。この保護板の材質は、プラスチック材料、ゴム材料、紙材料などが任意に仕様され、腕を保護する役割を果たす。保護板は、長方形状のプラスチック板が好ましく、その長さは約4〜10cm、厚さは約0.5〜2mm、巾は3〜6cm程度であれば有利に対応できる。これを使用すると、剛性部材1のスリット部と皮膚表面との間に空間が形成されるのをより確実にし、これにより腕の両側面は非伸縮性ベルト3により押圧されることはなく、剛性部材1に設けられた押圧部2によってのみ腕の真上からの押圧力を受けることとなって、指で押さえて止血するのと同じ効能を果たす。
さらに、止血帯具の他の変形形態は、図5〜図11に示されている。剛性部材は2個一組の同形の本体部材1、1'からなり、剛性部材の一端には非伸縮性ベルト3を挿通するスリット4、4'が、他端には差込部が設けられていて、差込部により互いに合体して腕を載せることができるU字状の支持体を形成する。即ち、腕を載せる本体1、1'と、穿刺傷部を上から押さえる押圧部2と、押圧部2を取付け移動させる非伸縮性ベルト3とから構成されている。
本体には、マジックテープ(登録商標)からなる非伸縮性ベルト3と、そのベルト3を移動する押圧部2という指の代用品が付属している。図5のような配置でベルトを締め付けて上からガーゼ処理して後、接着テープで仮留めした針穴部を押圧部2により押圧して止血する。ベルト3の締め具合で腕の穿刺傷部への押し具合を調整でき、さらに押圧部2の位置も調整可能である。
本体1、1'は、左右同形になっており、二つで一組となっている。一つを対向するように反転させ合体させる。合体した状態の本体1、1'の形状は、止血の添え木のような上面開口のU字形状となっているため、腕を乗せると左右に自由に揺動できる。内面部分は半円筒状あるいは逆蒲鉾状のような形状となり、外部は、底面部分が若干扁平な逆蒲鉾状のような形状となっている。そのため、腕などの肢体を載せたり挿入したりすると、無理の無い自然な状態となり、しかも、外部の底面部分は若干扁平な逆蒲鉾状のような形状であるため、ベッドなどに寝ていると肢体を無理なく安定に保持することができ、しかも、腕は左右に自由に揺動できるから、長時間そのままの状態を苦痛無く保持できる。
本体1(1')の高さは40〜55mm、好ましくは48〜53mm、横は55〜100mm、好ましくは58〜68mm、奥行きは33〜50mm、好ましくは34〜42mmの範囲に設計するのが好ましい。ただし、これらに限定されるものではない。
本体1(1')の上部分には、非伸縮性ベルト3を挿通する横に細長いスリット4(4')が設けられている。本体1(1')の上部分にスリット4(4')を設けるに当っては、非伸縮性ベルト3を挿通し易くする目的で、スリット4(4')が多少上に向くように垂直より20〜40度、好ましくは25〜35度程度、上部分を外側に傾けるように設計するのが好ましい。また、横に細長いスリット4(4')の高さと幅は、実施例1と同様に、非伸縮性ベルトを作製するマジックテープ(登録商標)の厚さと幅に対応した設計にするのが好ましい。ただし、これらに限定されるものではない。
本体底部5(5')の先端部分は、合体できるように差込可能な細長い扁平な突起状物6(6')が櫛の歯のように設けられている。細長い歯状突起状物6(6')と突起状物を収納する空間部分61(61')を形成する囲い枠62(62')とが隣接して交互に設けられ、細長い突起状物と収納する空間部分の数は同じになっている。細長い突起状物6(6')の数は1以上とすることができ、2、3と数が増えるにしたがってその幅は略1/2、略1/3と狭くなり精巧になる。突起状物6(6')の幅は限定されるものではなく、設計により任意に変更が可能である。
同じ形状の本体1と1'として2個を一組とすることにより、一方の本体部分1を他方の本体部分1'に対向するように反転させると、突起状物を収納する抱合用スリット61,61'の空間部分に他方の対向しているそれぞれの突起状物6',6が配置されるため、本体は合体して一つにすることができる。
本体1の底部表面5には、細長い挿入用突起物6と中空部分を形成する囲い部分である抱合用スリット61とが並列に隣接して形成されている。細長い挿入用突起物6が形成されている側の外面には外枠7を形成し、その外枠7には、本体1'の抱合用スリット61'に設けられた突起72'と係合するように係合溝71を水平方向に形成する。本体1と1'を合体させると、一方側の本体1'の繋止用突起72'と係合溝71、および反対側の繋止用突起72と係合溝71'とは互いに契合して係合溝71、71'内を水平方向に自由にスライドすることができ、スリット内の任意の位置で繋止できるため、ストッパーとして機能するものである。挿入用突起物6、6'の形状は、抱合用スリット61、61'と係合して囲い部分62、62'により形成される中空部分内を水平方向に自由にスライドできるものであれば扁平状、角柱状等の任意の形状にできる。抱合用スリット61、61'の形状も挿入用突起物6、6'の形状に対応して、囲い部分62、62'により形成される中空部分内を水平方向に自由にスライドできるものであれば任意に設計することが可能である。
細長い扁平な突起状物の先端部分、即ち、差込み部分は垂直に切断したままでも、また角を取って丸くしてもよく、更に差込み部分の先端を尖らしても良く、山形にするのも自由であるが、差込がスムーズにいくように設計するのが好ましく、何ら制限されない。これに対応して本体の受け入れ側、即ち、突起状物を収納する囲い部分62、62'により形成される空間部分61、61'は、正面から裏側表面に突き抜けの中空にするのが軽量化のため、材料コスト低減のために好ましい。
本体1、1'の表面とその裏側表面51,51'とによって形成される逆蒲鉾部分は、軽量化するために肉盗みを行い、強度保持のためにリブ73を設けている。
囲い枠62の外側面には、突起72が形成されている。ストッパー72(突起)は、本体部分1と1'を合体させる際に、本体1の外枠7に設けられた水平の係合溝71において2〜3段階で係止するように設計されている。その為、水平の係合溝71'は、図6に示されているように1〜3箇所において突起72が係止するようにトラップが設けられていて、例えば、3段階目の最終状態(図6の(a)、(a'))は完全に一体化した合体状態に相当している。外枠7'の先端部分から順にトラップが形成されていて、3段階で係止する場合には、トラップ711、712、713が形成されていて、トラップ711で突起72が係止した場合には、本体部分1、1'の直径は最大サイズL(図6の(c)、(c'))となり、トラップ712で突起72が係止した場合には、本体部分1、1'の直径は普通サイズM(図6の(b)、(b'))となり、トラップ713で突起72が係止した場合には、完全に突起状物6が収納空間部分61'に収納されて最終状態に至った場合であり、本体部分1、1'の直径は最小サイズS(図6の(a)、(a'))となる。腕の大きさに応じて自由に適切なサイズに調整することができるため、誰にでも適切にフィットして効果を発揮することができる。
剛性部材である本体部分1、1'、非伸縮性ベルト3、及び押圧部2の材質は、実施例1のものと本質的に同じものを用いることができる。
押圧部2は、穿刺孔部を上から圧迫する加圧パッドの機能を有するものであって、非伸縮性ベルト3に挿脱自在になっている。四角形の基板20の上部分は、非伸縮性ベルト3用の挿通穴21を設けると共に、押圧部2をベルト3上にしっかりと固定して安定状態とするために、ベルト3の横方向に沿うガイド枠24を設けることにより、全体としてH型に設計されている。基板20の下部分には、略円柱状の台座22が一体成形によって設けられていて、その台座22に略円柱状の加圧パッド23が貼り付けられている。加圧パッド23の形状は、実施例1の押圧部2の形状と同様、穿刺孔部を有効かつ十分に圧迫できる形状であれば各種形状とすることができる。非伸縮性ベルト3からの押圧力により穿刺傷部を上から十分な圧迫力で押さえられるように台座22及び加圧パッド23の厚さを必要な厚さにすることが必要である。具体的には、台座22及び加圧パッド23の合計の厚さが5〜20mm、好ましくは8〜15mmが好適に用いられる。
非伸縮性ベルト3は、テープ状の面ファスナーの雄型部分と雌型部分とをそれぞれ必要な長さに切断したものを、同一面上で接合させて帯状とすることにより製造される。面ファスナーの雄型と雌型とは市販のものを使用できる。面ファスナーの雌型部分は15〜20cm、好ましくは16〜18cmの長さであり、雄型部分は5.0〜9.0cm、好ましくは6.5〜8.0cmの長さで使用できるが、これに限定されない。雄型と雌型との接合手段としては、実施例1と同じである。
用いる非伸縮性ベルト3の幅は、実施例1と同様、穿刺傷部を上から圧迫する際の圧迫力が十分に得られ幅であれば適宜使用でき、約15〜45mm、好ましくは約20〜38mmの範囲である。ベルト3の全体の長さは、23〜30cm、好ましくは24〜28cm、より好ましくは25〜27cmの範囲である。23cmより短くなると、面ファスナーの雄型と雌型の係合領域が少なくなるため、係合状態が十分でなくなり外れる危険性が生じる。30cmより長くしても、コストが高くなり不経済となる。
非伸縮性ベルト3の一端は、合体させた本体1'におけるスリット4'の内側真下の部分に貼り付け固定されている。貼付け固定手段は、永久固着手段であってもよいし、脱着可能な手段でもよい。永久固着手段としては、例えば、スリット4'の内側真下の貼付部分に接着剤を塗布して、ベルト3の一端を永久的に固着することによる。脱着可能な手段としては、例えば、スリット4'の内側真下の貼付部分に接着剤を塗布して、雄型面ファスナーを固着し、次いで、ベルト3の雌型ファスナーからなる一端部分を脱着可能な状態に固着する。もしくは、実施例1と同様にベルトの先端折り返し部分に設けた雄型面ファスナーを折り返し部分に対応するベルト部分に設けた雌型面ファスナーに契合してもよい。
取付けられていない他の一端は、スリット4'を本体1'の内側から外に向かって挿通し、押圧部2の挿通穴21を挿通し、次いで、本体1における挿通穴4を内側から外に向かって挿通して後、折り返せば面ファスナーが機能して任意の位置で止めることができる。
本考案の実施形態および他の応用形態例を図に基づいて説明をしたが、この形態に限定されるものではない。
次に、上記した本考案の一実施態様である止血帯具Aを用いて人工透析における穿刺から透析後に於ける止血までの手順、工程について説明する。
1)
人工透析のための穿刺工程:静脈の血管にプラスチックのチューブ製の針を刺す。下腕と上腕に各1本ずつ刺して血液を透析器のモジュールを通して循環させる。
2)
4時間の透析後に、穿刺孔をガーゼとテープにより仮止血する工程:透析は周3回、一回4時間が標準である。透析後に、刺した針を抜いた2箇所の穿刺孔はガーゼとテープで仮止処置して、さらに穿刺孔からの出血を止める為に、上から指で押えて一時的に止血する。それ以降は通常、指で約10分間押える。2本の指で2箇所を押えるのは大変に苦痛を伴うものである。
3)
本考案に係る止血帯具による止血:剛性部材1の一方のスリット4を介して折返す部分に設けられている雄型の面ファスナーを折返す部分に対応するバンド部分に設けられている雌型の面ファスナーと係合させてベルト3の固定端側を固定する。次いで、ガーゼとテープの上から穿刺孔に剛性部材1に設けられた押圧部2を当て、バンド3の自由端側を腕に巻くようにして、剛性部材1の他方のスリット4'の下側から挿通して折返して引っ張り、バンド3の長さを縮めて押圧部2から真下への押圧力が掛かる状態になったら、折返し部分に設けられている雄型の面ファスナーを折返し部分に対応するバンド部分に設けられている雌型の面ファスナーと係合させてベルト3の自由端をしっかりと固定する。剛性部材1は腕の長径(5〜10cm)より両側にそれぞれ約1〜3.0cmずつ長いので、剛性部材1とスリット4、4'に挿通したベルト3と腕に囲まれた部分には空間Rが形成される為、腕の押圧部2による押圧部分以外の腕周りを締め付けることはない。腕は押圧部2にのみ圧接しているため、長方形状の剛性部材1の両端に設けられたスリット4、4'に挿通したベルト3からの引張力Bは長方形状の剛性部材1の中央部に設けられた押圧部2を通して真下への押圧力Cとなる。即ち、穿刺孔の真上にのみ押圧力Cが掛かる状態となり、指で押圧するのと同じ機能を果たす。この状態を指で押圧するのと同じ約10分間持続させる。
4)
止血後、止血帯具の取外し:血が止まったら、ベルト3の自由端側の面ファスナーの係合を解除して、止血帯具を腕から取外す。
腕の2箇所に止血帯具を着用する場合にあっても、同様な手順、工程で適宜実施できる。
次に、本考案を実施するに於ける、最も典型的な実施形態を図面を参考にして示す。
本考案の剛性部材として、長さが11cm、幅3.5cm、厚さ0.2cmのポリカーボネート樹脂板を用意する。この剛性部材の長手方向の両端から5mm入った位置に、縦2.6cm、幅0.5cmのベルトの挿入用のスリットをそれぞれ設ける。さらに、剛性部材の中心部に、直径2.8cm、厚さ0.3cmの円柱形の弾性を有するゴム製パッドを敷設する。
次に、挿入用ベルトとして、長さが32.5cm、幅2.5cm、厚さ0.2cmの、非伸縮性のポリエチレン製帯状物を準備する。帯状物の長手方向の一端側を固定用端部として、長さが3.5cmの雄型の面ファスナーを敷設する。帯状物の自由端である他端側には、長さが6.5cmの雄型の面ファスナーを敷設する。帯状物の残り部分である25cmの同一面部分には、雌型の面ファスナーを敷設する。この帯状物からなる挿入用ベルトの一端部をスリットに挿入して折り返して、契合することにより取り付ける。挿入用ベルトの他端は、必要により、プロテクター(長さ9cm、幅5cm、厚さ0.1cmの柔軟なポリエチレンシートであって、長さ方向の両端部から、0.5cm内側の位置に縦2.6cm、横0.5cmのスリットを有する。)に挿通するような構造の止血帯具である。
なお挿入用ベルトの自由端側は、被着体の大きさに応じて、長さを自由に調整できる状態にしておく。
この止血帯具の使用状態として、略直径7cmの腕に似せたスポンジ状の弾性力を有する被着体に取り付けて、被着体にガーゼを乗せ、それを粘着テープで固定してから、止血帯具のゴム製パッドをそれにかぶせて、止血帯具の自由端側を、スリットを挿通して、それを折り返して、穿刺孔部分の皮膚面に対して直角方向から、指で押すのと同じ状態になるように、締め付け契合固定をする。
この止血帯具は、腕などの患部以外の部分に対する締め付けなどの押圧を軽減し、専ら穿刺孔部分側の垂直方向と、穿刺孔部には影響しない反対側の皮膚面を支点とする、専ら二方向の直線方向からの押圧により止血できる構造であり、穿刺孔部に近接する腕の側面部への押圧は、軽減または無圧にすることができるので、血流を阻害することはなく、身体に優しい止血効果が達成される。また、止血時間は、指による押圧に要する従来と略同じ10分程度であり、止血に対する身体の負担や不安感を払拭できる。

透析用の止血帯具の従来例との比較
本考案の実施形態(図1〜図4)および他の応用形態例(図5〜図11)に示された止血帯具は、被着体である例えば、腕に装着した場合には、穿刺孔の上から押圧して止血をするという押圧部からのみの押圧力により止血するものであるから、指による止血と同様に被着体である、例えば腕の全体を必要以上に締め付けることがない。そのため、腕の血流を停滞させることが無く、体にとって優しい止血帯具である。これに対して、従来の一般的な透析用の止血帯具は、全体が伸縮性のゴムからなる止血ベルト(図12を参照。)であるため、腕全体を締め付けるものである。締め付け過ぎると穿刺孔から出血することもあり、また、腕の血流を停滞させて、体に負荷を与えることになり特に高齢者や体力の衰えた患者にとっては望ましいものではない。
本考案の止血帯具は、穿刺孔の上から押圧して止血をするという押圧部からのみの押圧力により止血するものであるから、指による止血と同様に被着体である、例えば腕の全体を必要以上に締め付けることがないため、体にとって優しく使い勝手の良いものである。そのため、医療分野においては、高齢者から子供に至るまで、簡便かつ容易に装着使用でき、また、血液透析における静脈の穿刺孔からの止血といった透析用のみならず、怪我や傷の止血といった一般的な止血等にいたるまで広く利用できるものである。
A…… 止血帯具
B…… 引張力
C…… 押圧力
1(1')… 剛性部材、本体
2…… 押圧部、押圧パッド
20…… 基板
21…… 挿通孔
22…… 台座
23…… 加圧パッド
24…… ガイド枠
3…… 非伸縮性ベルト
30…… 結合部分
301、301'…… 取付け具(面ファスナー)
302…… 取付け具(面ファスナー)
31…… 取付け具(面ファスナー)
32…… 取付け具(面ファスナー)
4、4'… スリット
40…… プロテクター(保護板)
401、401'…… スリット
41…… 押圧帯体を固着する部分
5…… 本体底部表面
51…… 本体裏側表面
6、6'…… 挿入用突起物
61、61'…… 抱合用スリット
62、62'…… 中空部分を形成する囲い部分
7、7'…… 外枠
71、71'…… 契合溝
711、712、713…… トラップ
72、72'…… 突起
73、73'…… リブ
8…… 取付け具(面ファスナー)
81…… 取付け具(面ファスナー)
82…… 伸縮性ベルト
9…… ガーゼ
10…… 粘着テープ
11…… 被着体(腕)

Claims (10)

  1. 両端にスリット部を設けた剛性部材と、スリット部を介して着脱自在に取付けられる非伸縮性ベルトと、穿刺孔の上から押圧する押圧部とを有し、非伸縮性ベルトの両端部には被着体に剛性部材を着脱自在に取付ける取付け具が設けられていることを特徴とする止血帯具。
  2. 剛性部材が長方形状であり、押圧部が剛材部材の中央部分の表面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の止血帯具。
  3. 取付け具が、剛性部材の長手方向の両端に設けたスリット部を通し折り返すことにより着脱自在に取付けられる非伸縮性ベルトにより固定される構造からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の止血帯具。
  4. 長方形状の剛性部材が、長手方向が9〜12cm、幅が2.0〜5.0cm、厚さが0.4〜4.0mmの弾性または可撓性の材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の止血帯具。
  5. 剛性部材の両端に設けたスリット部の間隔は、スリット部の中心線を起点とする長さが7〜10cmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の止血帯具。
  6. 取付け具が、非伸縮性ベルトに形成されている面ファスナーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の止血帯具。
  7. 非伸縮性ベルトに、スリット部を有する薄いプラスチック製の保護板を着脱自在に設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の止血帯具。
  8. 剛性部材が、2個一組の同形の部材からなり、剛性部材の一端には非伸縮性ベルトを挿通するスリット部が、他端には差込部が設けられていて、差込部により互いに合体してU字状の支持体を形成し、押圧部は非伸縮性ベルトに着脱自在になっていることを特徴とする請求項1に記載の止血帯具。
  9. 差込部が挿入突起と抱合用スリットを交互に同数設けた構造であることを特徴とする請求項8に記載の止血帯具。
  10. 血液透析用の止血帯具であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の止血帯具。
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