JP3181144B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3181144B2
JP3181144B2 JP15798593A JP15798593A JP3181144B2 JP 3181144 B2 JP3181144 B2 JP 3181144B2 JP 15798593 A JP15798593 A JP 15798593A JP 15798593 A JP15798593 A JP 15798593A JP 3181144 B2 JP3181144 B2 JP 3181144B2
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淳 田端
康夫 北條
正人 甲斐川
雅彦 安藤
彰 深津
義久 山本
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Aisin AW Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動変速機の変速を
制御する装置に関し、特にいわゆるクラッチ・ツウ・ク
ラッチ変速を実行することのある自動変速機の変速制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように自動変速機は、クラッチや
ブレーキなどの摩擦係合装置を係合もしくは解放させ
て、動力の伝達経路を変えることにより所定の変速段を
達成するよう構成されている。したがって所定の変速段
から他の変速段に変速する場合には、必ずいずれかの摩
擦係合装置を解放し、あるいは係合させることになる。
そして歯車列の構成によっては、特定の変速段への変速
の場合に、いずれか一つの摩擦係合装置を係合させると
ともに他の摩擦係合装置を解放させることになる。この
ように二つの摩擦係合装置の係合/解放状態を共に切換
える変速は、従来では、一方向クラッチを使用すること
により、二つの摩擦係合装置を同時に制御することによ
る困難さを解消していた。しかしながら一方向クラッチ
を使用すれば、それだけスペースおよび重量が増加する
不都合を招来することになるので、最近では、スペース
や重量の削減を優先し、二つの摩擦係合装置の係合/解
放のタイミングを制御してクラッチ・ツウ・クラッチ変
速を円滑に行うようにしている例もある。
【0003】例えば特願平3−344124号によって
提案されている装置では、第1のブレーキを係合させる
とともに第2のブレーキを解放させて達成するクラッチ
・ツウ・クラッチ変速を実行する場合、電気的に制御さ
れるリニアソレノイドバルブとコントロールバルブとに
より、第1の摩擦係合装置の係合圧と第2の摩擦係合装
置の係合圧とが、リニアな逆比例関係となるように制御
している。
【0004】
【発明が解決しようする課題】ところで上記のリニアソ
レノイドバルブやコントロールバルブを含む油圧制御装
置には、製造時の各種の要因や経時変化による特性のバ
ラツキが不可避的に生じる。このような変化によって、
上述した例えばクラッチ・ツウ・クラッチ変速に関与す
る摩擦係合装置の係合圧の供給もしくはドレンのタイミ
ングにズレが生じると、いわゆるタイアップが生じてし
まう。すなわちクラッチ・ツウ・クラッチ変速の際に各
摩擦係合装置が共に所定以上のトルク容量をもつ状態が
過渡的に生じてしまう。このタイアップの際には、自動
変速機における所定の回転要素の回転が一時的に止まる
ことになるので、変速ショックが悪化したり、また摩擦
係合装置の負荷が大きくなり過ぎてその耐久性が悪化す
るなどの不都合がある。
【0005】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたもので、摩擦係合装置の係合圧の供給もしくはドレ
ンのタイミングのズレによる摩擦係合装置の耐久性の低
下などの不都合を未然に防止することのできる変速制御
装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す構成としたことを特徴と
するものである。すなわちこの発明は、第1の摩擦係合
装置1を解放しかつ第2の摩擦係合装置2を係合させる
ことにより特定の変速を実行し、またこれらの摩擦係合
装置1,2のいずれか一方の摩擦係合装置の係合/解放
状態を切換えることにより他の変速を実行する自動変速
機Aの変速制御装置であって、前記他の変速の際の変速
特性を検出する変速特性検出手段3と、その検出された
変速特性に基づいて前記第1および第2の摩擦係合装置
のいずれか一方に対する油圧系統の異常を判断する変速
特性異常判断手段4と、前記他の変速の際の変速特性に
異常があることが判断された場合に前記特定の変速を禁
止する変速禁止手段5とを具備していることを特徴とす
るものである。また、請求項2の発明は、請求項1にお
ける変速特性異常判断手段が、前記いずれか一方の摩擦
係合装置の係合油圧を制御するバルブのフェールに基づ
く異常を判断するよう構成されていることを特徴とする
変速制御装置である。
【0007】
【作用】請求項1の発明に係る自動変速機Aの変速制御
装置および請求項2の発明に係る自動変速機Aの制御装
置では、第1および第2の摩擦係合装置1,2の係合/
解放状態を共に切換えることにより特定の変速が実行さ
れる。これはいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速で
あり、それに関与する各摩擦係合装置1,2の係合圧の
供給および排出は、タイアップの生じないように設定さ
れている。またこれらの摩擦係合装置の少なくともいず
れか一方の摩擦係合装置の係合/解放のタイミングを含
む切換え特性は、他の変速を実行する際の変速特性を変
速特性検出手段3が検出することにより、変速特性異常
判断手段4によって判断される。そしてその変速特性
基づいていずれか一方の摩擦係合装置に対する油圧系統
の異常、より具体的にはバルブのフェールが判断されれ
ば、前記の特定の変速の際に、これに関与するいずれか
の摩擦係合装置1,2の係合もしくは解放のタイミング
が、所期のタイミングからずれてしまい、その結果、上
記のクラッチ・ツウ・クラッチ変速の際にタイアップが
生じる可能性が高くなり、そこで変速特性から判断され
る油圧系統あるいはバルブの異常があった場合には、上
記の特定の変速が、変速禁止手段5によって禁止され
る。したがって各摩擦係合装置1,2が所定以上のトル
ク容量をもつことによるタイアップが未然に防止され
る。
【0008】
【実施例】つぎにこの発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図2はこの発明の一実施例を示す全体的な制
御系統図であって、自動変速機10を連結してあるエン
ジン11は、その吸気管路12にメインスロットルバル
ブ13とその上流側に位置するサブスロットルバルブ1
4とを有している。そのメインスロットルバルブ13は
アクセルペダル15に連結されていて、アクセルペダル
15の踏み込み量に応じて開閉される。またサブスロッ
トルバルブ14は、モータ16によって開閉されるよう
になっている。このサブスロットルバルブ14の開度を
調整するためにモータ16を制御し、またエンジン11
の燃料噴射量および点火時期などを制御するためのエン
ジン用電子制御装置(E−ECU)17が設けられてい
る。この電子制御装置17は、中央演算処理装置(CP
U)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入出力
インターフェースを主体とするものであって、この電子
制御装置17には、制御のためのデータとして、エンジ
ン(E/G)回転数N、吸入空気量Q、吸入空気温度、
スロットル開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッ
チからの信号などの各種の信号が入力されている。
【0009】自動変速機10は、油圧制御装置18によ
って変速およびロックアップクラッチならびにライン圧
が制御される。その油圧制御装置18は、電気的に制御
されるように構成されており、また変速を実行するため
の第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S
3 、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレノ
イドバルブS4 、ライン圧を制御するためのリニアソレ
ノイドバルブSLT、アキュームレータ背圧を制御するた
めのリニアソレノイドバルブSLN、ロックアップクラッ
チを制御するためのリニアソレノイドバルブSLUが設け
られている。
【0010】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)19
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置19
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置19には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフトポジション、
パターンセレクトスイッチからの信号、オーバードライ
ブスイッチからの信号、後述するクラッチC0 の回転速
度を検出するC0 センサからの信号、第2クラッチC2
の回転速度を検出するC2 センサからの信号、自動変速
機の油温、マニュアルシフトスイッチからの信号などが
入力されている。またこの自動変速機用電子制御装置1
9とエンジン用電子制御装置17とは、相互にデータ通
信可能に接続されており、エンジン用電子制御装置17
から自動変速機用電子制御装置19に対しては、1回転
当たりの吸入空気量(Q/N)などの信号が送信され、
また自動変速機用電子制御装置19からエンジン用電子
制御装置17に対しては、各ソレノイドバルブに対する
指示信号と同等の信号および変速段を指示する信号など
が送信されている。
【0011】すなわち自動変速機用電子制御装置19
は、入力されたデータに基づいて変速段やロックアップ
クラッチのON/OFF、あるいはライン圧の調圧レベ
ルなどを判断し、その判断結果に基づいて所定のソレノ
イドバルブに指示信号を出力し、さらにフェールの判断
やそれに基づく制御を行うようになっている。またエン
ジン用電子制御装置17は、入力されたデータに基づい
て燃料噴射量や点火時期あるいはサブスロットルバルブ
14の開度などを制御することに加え、自動変速機10
での変速時に燃料噴射量を削減し、あるいは点火時期を
変え、もしくはサブスロットルバルブ14の開度を絞る
ことにより、出力トルクを一時的に低下させるようにな
っている。
【0012】図3は上記の自動変速機10の歯車列の一
例を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後
進1段の変速段を設定するように構成されている。すな
わちここに示す自動変速機10は、トルクコンバータ2
0と、副変速部21と、主変速部22とを備えている。
そのトルクコンバータ20は、ロックアップクラッチ2
3を有しており、このロックアップクラッチ23は、ポ
ンプインペラ24に一体化させてあるフロントカバー2
5とタービンランナ26を一体に取付けた部材(ハブ)
27との間に設けられている。エンジンのクランクシャ
フト(それぞれ図示せず)はフロントカバー25に連結
され、またタービンランナ26を連結してある入力軸2
8は、副変速部21を構成するオーバードライブ用遊星
歯車機構29のキャリヤ30に連結されている。
【0013】この遊星歯車機構29におけるキャリヤ3
0とサンギヤ31との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ31がキャリヤ30に対して相
対的に正回転(入力軸28の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ31の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部21の出力要素であるリングギヤ3
2が、主変速部22の入力要素である中間軸33に接続
されている。
【0014】したがって副変速部21は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構29の全体が一体となって回転するため、中
間軸33が入力軸28と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ31の回転
を止めた状態では、リングギヤ32が入力軸28に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0015】他方、主変速部22は三組の遊星歯車機構
40,50,60を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ
51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャ
リヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三
者が連結され、かつそのキャリヤ62に出力軸70が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構50のリングギ
ヤ53が第3遊星歯車機構60のサンギヤ61に連結さ
れている。
【0016】この主変速部22の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3
遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸33との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯車
機構50のサンギヤ51と中間軸33との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0017】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構40および第2遊星歯車機構50のサンギヤ41,5
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ41,51(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング71との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構4
0のキャリヤ42とケーシング71との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構60のリングギヤ63の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング7
1との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ63が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。
【0018】上述した各変速部21,22の回転部材の
うち副変速部21のクラッチC0 の回転数を検出するC
0 センサ72と、第2クラッチC2 の回転数(すなわち
サンギヤ41,51の回転数)を検出するC2 センサ7
3とが設けられている。
【0019】上記の自動変速機10では、各クラッチや
ブレーキを図4の作動表に示すように係合・解放するこ
とにより前進5段・後進1段の変速段を設定することが
できる。なお、図4において○印は係合状態、●印はエ
ンジンブレーキ時に係合状態、△印は係合・解放のいず
れでもよいこと、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0020】図4の作動表に示されているように、第2
速と第3速との間の変速は、第2ブレーキB2 と第3ブ
レーキB3 との係合・解放状態を共に変えるクラッチ・
ツウ・クラッチ変速になる。この変速を円滑に行うため
に、上述した油圧制御装置18には図5に示す油圧回路
が組み込まれている。
【0021】図5において符号80は 2-3タイミングバ
ルブを示し、この 2-3タイミングバルブ80には、 2-3
シフトバルブ81のドレン油路82に連通するインポー
ト83と、そのドレン油路82にオリフィス84を介し
て連通するドレン圧入力ポート85と、 2-3シフトバル
ブ81から第2ブレーキB2 に至る供給油路86にオリ
フィス87を介して連通する入力ポート88と、ロック
アップクラッチ用のリニアソレノイドバルブSLUからの
信号圧を入力される信号ポート89と、ドレンポート9
0とが設けられている。またこの 2-3タイミングバルブ
80のスプール91には、その一端に位置しかつドレン
ポート90を開閉するランド92と、中間に位置すると
ともにドレン圧入力ポート85とインポート83との間
を仕切りかつドレン圧入力ポート85側にドレン圧の受
圧面を形成しているランド93と、他端に位置するとと
もに供給圧の受圧面を形成しかつ入力ポート88とドレ
ン圧入力ポート85とを仕切る小径のランド94とを備
えている。そしてその一端側のランド92はスプリング
95を介して受圧ピストン96に当接し、また受圧ピス
トン96は信号ポート89からの信号圧の受圧面を形成
している。
【0022】また図5において符号97は、第2ブレー
キB2 に対するファーストフィル手段を構成する B-2オ
リフィスコントロールバルブであって、スプール98を
その軸線方向に押圧するスプリング99を設けた端部と
は反対側の端部に制御ポート100が形成され、この制
御ポート100は、オリフィス101を介して第2ブレ
ーキB2 に連通されている。また中間部には、前記供給
油路86を接続した入力ポート102と、この入力ポー
ト102に対してスプール98により連通・遮断されか
つ第2ブレーキB2 が接続された第2ブレーキポート1
03とが形成されている。さらに後述する B-3コントロ
ールバルブ104を介して第3ブレーキB3 に接続され
た第3ブレーキポート105と、この第3ブレーキポー
ト105に対してスプール98により連通・遮断される
ドレンポート106とが形成されている。そしてスプリ
ング99を配置してある端部には第3ソレノイドバルブ
S3 からの信号圧を入力する信号ポート107が形成さ
れている。
【0023】B-3コントロールバルブ104について説
明すると、これは、第3ブレーキB3 の油圧の供給およ
び排出の速度を制御するためのバルブであり、第3ブレ
ーキB3 に油圧を供給および排出する油路108を接続
した信号ポート109と、 2-3シフトバルブ81にオリ
フィス110を介して接続したDポート111と、この
Dポート111に対して連通・遮断されかつ油路108
が接続されたブレーキポート112と、このブレーキポ
ート112に対して連通・遮断されかつ前記のB-2オリ
フィスコントロールバルブ97における第3ブレーキポ
ート105に接続されたブレーキポート113とが形成
されている。これらのポートの開閉を行うスプール11
4の一端部はスプリング115を介してピストン116
に当接させられている。このスプール114とピストン
116との間に開口しかつ第3速圧が供給される制御ポ
ート117と、ピストン116に対してロックアップク
ラッチ用リニアソレノイドバルブSLUの信号圧を作用さ
せられる信号圧ポート118とが形成されている。な
お、図5において符号119は 1-2シフトバルブであ
る。
【0024】さらに前記油路108には、 3-4シフトバ
ルブ120に油圧を供給する油路121が接続されてい
る。また図5中、符号122は B-3アプライリレーバル
ブであって、ライン圧PL が供給される制御ポート12
3とは反対側の端部に、スプール124を制御ポート1
23側に押圧するスプリング125が配置され、かつこ
のスプリング125を配置したスプリング室に開口する
ホールドポート126が形成されている。このホールド
ポート126には第2ブレーキB2 の油圧が供給されて
いる。この B-3アプライリレーバルブ122のスプール
124は、第2ブレーキB2 の油圧が所定の圧力に高ま
るまで図5の左側半分に示す位置に押し上げられてお
り、この状態で開口するポート127に、第2ブレーキ
B2 へライン圧を供給する供給油路86が接続され、さ
らにこのポート127に連通されるポート128に、前
記ドレン油路82がオリフィス129を介して接続され
ている。
【0025】すなわち上記の油圧回路は、第1速から第
2速へのアップシフトの際に第3ブレーキB3 に供給す
る油圧の制御を B-3コントロールバルブ104によって
行い、また第2速から第3速へのアップシフトの際に第
2ブレーキB2 へ供給する油圧の制御を B-2オリフィス
コントロールバルブ97によって行い、同時に第3ブレ
ーキB3 からの排圧の制御を、 2-3シフトタイミングバ
ルブ80および B-3アプライリレーバルブ122とによ
って行うようになっている。なお、図5中符号DV は、
ダンパーバルブを示す。
【0026】上述した油圧制御装置18は、例えば第2
速から第3速へのアップシフトの際に、第2ブレーキB
2 と第3ブレーキB3 とが共に所定以上のトルク容量を
もたないように、すなわちタイアップが生じないよう
に、また過大なエンジンの吹き上がりが生じないよう
に、それぞれのブレーキB2 ,B3 の油圧を制御する
が、これらのブレーキB2 ,B3 の係合/解放のタイミ
ングにズレが生じるような異常がある場合には、その異
常を他の変速時に検出して以下のように制御する。
【0027】すなわち図6および図7は、第3ブレーキ
B3 の係合/解放のタイミングの制御に関与する B-3コ
ントロールバルブ104にフェールが生じた場合の制御
ルーチンを示すフローチャートであって、ステップ1で
入力信号の処理を行った後にドライブ(D)レンジが選
択されているか否かを判断し(ステップ2)、Dレンジ
であれば、各センサが正常か否かを判断する(ステップ
3)。
【0028】センサ類が正常であれば、エンジン水温が
予め定めた温度α以上か否かを判断し(ステップ4)、
また自動変速機の油温が予め定めた温度β以上か否かを
判断する(ステップ5)。これらの判断プロセスは、エ
ンジン11および自動変速機10が安定した動作状態に
あるか否かを判断するためのものであり、そのいずれの
結果も“イエス”の場合に第1速から第2速への変速特
性が正常か否かを判断する(ステップ6)。その変速特
性が正常であれば、第3速から第2速への変速特性が正
常か否かを判断する(ステップ7)。この判断は、例え
ば変速時間やトルク特性の設計値からの乖離幅などに基
づいて行い、またその乖離幅が複数回、規定値以内とな
っていることをもって正常と判断する。
【0029】これらの変速は共に、第3ブレーキB3 を
係合させて実行される変速であり、前記 B-3コントロー
ルバルブ104が関与する変速である。したがってこれ
らいずれかの判断結果が“ノー”の場合、すなわちいず
れかの変速特性に異常があれば、 B-3コントロールバル
ブ104もしくは B-3コントロールバルブ104を経由
する油圧系統に異常があると判断し(ステップ8)、フ
ラグFを“1”にセットする(ステップ9)。これとは
反対に第1速から第2速への変速特性および第3速から
第2速への変速特性が共に正常であれば、フラグFを
“0”にセットする(ステップ10)。
【0030】なお、ステップ2ないしステップ5のいず
れかの判断結果が“ノー”であれば、リターンする。
【0031】他方、図7に示すルーチンでは、入力信号
の処理(ステップ20)を行った後に、フラグFが
“1”にセットされているか否かを判断する(ステップ
21)。前述したようにフラグFは、 B-3コントロール
バルブ104を含む油圧系統がフェールしていると判断
された場合に“1”にセットされるフラグであるから、
ステップ21の判断結果が“イエス”であれば、ステッ
プ22に進んでクラッチ・ツウ・クラッチ変速となる第
2速から第3速への変速を禁止する制御を行う。例えば
次回の第1速から第2速への判断の際に、これを第1速
から第3速への判断に読み替え、また図8に示す変速線
図のうち斜線を施してある第2速領域のない変速線図に
切り換える。なお、この場合、ダウンシフトについても
第2速領域のない変速線図とする。したがって3→2ダ
ウンシフトも3→1ダウンシフトに読み替えられ、3→
2ダウンシフトのクラッチ・ツウ・クラッチ変速が禁止
される。このようにフラグF=1の設定が、現変速段が
第2速の時に行われれば、2→3変速を避けるために、
2→4変速とし、それ以後、第2速以外に一旦逃れた後
は、第2速自体の達成を禁止し、2→3変速および3→
2変速の両方を禁止する(ステップ23およびステップ
24)。またロックアップクラッチを制御するマップに
ついても併せて変更する。さらにこの状態では通常時に
較べて変速時のエンジントルクダウン量を例えば30%
一律アップし、摩擦材を保護することも考えられる。
【0032】図5に示す油圧回路から明らかなように、
第3ブレーキB3 にはアキュームレータが接続されてい
ずに、 B-3コントロールバルブ104が直接接続されて
いるから、この係合圧は B-3コントロールバルブ104
によって直接制御される。その一例として、第2速への
アップシフトの際の係合圧およびエンジン回転数Neな
らびに出力軸トルクの時間的変化を示せば、図9のとお
りである。第3ブレーキB3 の係合圧がこのように変化
していれば、第2速から第3速へのクラッチ・ツウ・ク
ラッチ変速においても過大なタイアップが生じることが
ないが、その係合圧に異常があれば、上記のように第2
速から第3速への変速が禁止され、その結果、過大なタ
イアップやエンジンの吹き上がりが未然に防止される。
【0033】なお、上記の実施例は図3に示す歯車列を
備えた自動変速機における第2速から第3速への変速を
禁止する例であるが、この発明は上記の実施例に限られ
ないのであって、他の歯車列を備えた自動変速機を対象
とする変速制御装置にも適用することができ、また第2
速から第3速への変速以外のクラッチ・ツウ・クラッチ
の変速の禁止制御を行う場合にも適用することができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の変速制御装置によれば、クラッチ・ツウ・クラッチの
変速の際に係合もしくは解放させられる摩擦係合装置の
切換え動作タイミングに、油圧系統の異常もしくはバル
ブのフェールに基づく異常があることを、他の変速の際
に検出し、それに基づいてその特定変速であるクラッチ
・ツウ・クラッチを禁止するから、解放すべき摩擦係合
装置と係合すべき摩擦係合装置とが共に所定以上のトル
ク容量をもつタイアップが未然に回避され、その結果、
それらの摩擦係合装置に過大な負荷がかかることがなく
なるので、その耐久性が向上し、また変速ショックの悪
化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な構成を機能的に示すブロッ
ク図である。
【図2】この発明の一実施例を示す制御系統図である。
【図3】この発明の実施例で対象とする自動変速機の歯
車列を主として示す図である。
【図4】各変速段を設定するための作動表を示す図であ
る。
【図5】油圧回路の一部を示す図である。
【図6】フェールの判定ルーチンを示すフローチャート
である。
【図7】第2速から第3速への変速を禁止する制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【図8】第2速から第3速への変速を禁止するために使
用される変速線図の一例を示す図である。
【図9】第3ブレーキの係合圧をコントロールバルブを
介して直接制御した場合の係合圧およびエンジン回転数
ならびに出力軸トルクの変化を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 第1の摩擦係合装置 2 第2の摩擦係合装置 3 変速特性検出手段 4 変速特性異常判断手段 5 変速禁止手段 A 自動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 安藤 雅彦 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 深津 彰 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 山本 義久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−16705(JP,A) 特開 昭61−244950(JP,A) 特開 昭62−244719(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の摩擦係合装置を解放しかつ第2の
    摩擦係合装置を係合させることにより特定の変速を実行
    し、またこれらの摩擦係合装置のいずれか一方の摩擦係
    合装置の係合/解放状態を切換えることにより他の変速
    を実行する自動変速機の変速制御装置において、 前記他の変速の際の変速特性を検出する変速特性検出手
    段と、その検出された変速特性に基づいて前記第1およ
    び第2の摩擦係合装置のいずれか一方に対する油圧系統
    異常を判断する変速特性異常判断手段と、前記他の変
    速の際の変速特性に異常があることが判断された場合に
    前記特定の変速を禁止する変速禁止手段とを具備してい
    ることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速特性異常判断手段が、前記いず
    れか一方の摩擦係合装置の係合油圧を制御するバルブの
    フェールに基づく異常を判断するよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御
    装置。
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