JP3181009U

JP3181009U - 着物展示キット

Info

Publication number: JP3181009U
Application number: JP2012006488U
Authority: JP
Inventors: 真知子青木
Original assignee: 真知子青木
Priority date: 2012-10-07
Filing date: 2012-10-07
Publication date: 2013-01-24
Anticipated expiration: 2022-10-07

Abstract

【課題】ミニチュア着物の絵柄全体を見せることができるだけでなく、触ることもでき、風が吹くと、ミニチュア着物の裾や袖が自然となびくような着物展示物とすることのできる展示キットを提供することを課題とする。
【解決手段】展示用パネルと、ミニチュア着物の左右の袖に通されてその着物を吊り下げる竿と、その竿を前記展示用パネルから浮かせた状態でその展示用パネルに取り付ける取付具とを備える。
【選択図】図１

Description

本考案は、ミニチュア着物を絵画のように展示用パネルに吊り下げて展示することのできる着物展示キットに関する。

これまでのミニチュア着物は、普通の着物と同様に、衣桁に掛けて展示していた。しかし、それでは、壁に掛けて飾ることができないので、鑑賞用としては、面白さに欠ける問題があった。この問題を解決するヒントとしては、下記特許文献１の公報が見つかっている。この特許文献１に開示されたものは、人が着る着物を収納して展示する展示用額縁装置に関するもので、額縁のある金属製パネルの上に、折り畳んだ着物を磁石で固定するものである。そして、額縁の表側には、ガラス等からなる透明体が設けられている。

特開２００２−１７５３０号公報

しかし、特許文献１の展示方法では、着物の絵柄全体が表に出ないという致命的な欠点がある。すなわち、着物の絵柄は、着物を着たときに、前側の上衽（うえおくみ）から前身頃へ、さらには、後側の後身頃へと描かれるので、特許文献１に開示された展示方法では、後身頃の絵柄が隠れてしまい、しかも、上衽がパネルに固定されていないので、それが自重で垂れ下がって、前身頃の上に重なり、それによってそれらに描かれた絵柄の一部が隠れたり、見えなかったりするという致命的な欠点があった。

本考案は、ミニチュア着物の絵柄全体を見せることができるだけでなく、触ることもでき、風が吹くと、ミニチュア着物の裾や袖が自然となびくような着物展示物とすることのできる着物展示キットを提供することを課題とする。

本考案に係る着物展示キットは、ミニチュア着物の絵柄を広げた状態で展示することのできる展示用パネルと、前記ミニチュア着物の左右の袖に通されて前記着物を前記展示用パネルから吊り下げる竿と、その竿の重心位置に取り付けられて、その竿を前記展示用パネルから浮かせた状態で前記展示用パネルに着脱自在に取り付ける取付具とを備えたことを特徴とする。

ここでの展示用パネルは、合板、金属板、合成樹脂板、圧縮ボード、コルク板、厚紙等の薄い板材であれば、その材質は問わない。また、取付具も展示用パネルの材質に応じて磁石や針釘等の種々のものを採用することができる。例えば、取付具として磁石を採用するときは、竿の重心位置に磁石を取り付け、展示用パネルには、その磁石を吸引する磁性体を取り付けて、この磁石と磁性体との吸引作用により、竿が展示用パネルの表側に吸引固定されるようにする。その際、竿の重心位置から突出させた磁石の厚みにより、竿が展示用パネルから若干浮いた状態で固定される。これにより、竿に吊り下げられたミニチュア着物をパネルから浮かせてミニチュア着物をより立体的に見せることができる。

また、取付具として針釘等を使用するときは、竿の重心位置に垂直に針釘を打ち込んで反対側から針先を突出させ、その針先の根元にコルク等からなる台座を挿入する。その場合の展示用パネルは、針釘等が突き刺せる薄い板材とし、その板材に針を突き刺して、竿を前記台座の厚み分だけ展示用パネルから浮かせて固定する。このケースでは、パネルの裏面から飛び出た針先に抜け止め金具を取り付けると良い。この抜け止め金具は、例えば、ネクタイ止めの針先に装着される抜け止め金具とか、徽章やバッジの針先に装着される抜け止め金具等を用いることができる。これを針先に取り付けることにより、展示用パネルの針穴が甘くなっても、竿がパネルから抜け落ちる危険性を防止することができる。

本考案によれば、ミニチュア着物を展示用パネルから若干浮かせた状態で吊るすことができるので、ミニチュア着物を絵柄全体が見えるように広げた状態で立体的に展示することができる。したがって、ミニチュア着物が吊るされた展示用パネルを壁に掛けて展示すれば、ミニチュア着物を間近に見て触らせることができ、風が吹けば、ミニチュア着物の裾や袖が自然となびくような展示物とすることができる。また、ミニチュア着物を吊り下げる竿は、展示用パネルから取り外し可能となっているので、展示したミニチュア着物を別な絵柄のミニチュア着物と取り替えて楽しむこともできる。

本考案の一実施形態に係る着物展示キットの平面図図１のＡ−Ａ矢視断面図本考案の他の実施形態に係る取付具の構成を示す部分断面図

以下、図面を参照しながら、本考案の一実施形態に係る着物展示キットについて説明する。

図１、図２において、着物展示キット１は、展示用パネル２と、ミニチュア着物３を吊り下げる竿４と、その竿４を展示用パネル２に着脱自在に固定する取付具５とから構成される。

この実施形態に係る展示用パネル２は、ベニヤ板等の矩形の板材１０を使用し、その裏面の４辺に桟１１を取り付けて補強したものである。その矩形の板材１０の表面には、ミニチュア着物３を際立たせるための染色された布や和紙等が張り付けられる。また、場合によっては、パネル２の表側に額縁が取り付けられる。

取付具５として磁石を用いる場合は、竿４の重心位置に磁石をネジ止めし、展示用パネル２の裏面中央上部には、磁性体としての鉄板５０を張り付け、その鉄板５０の上に磁石５１を密着させて、鉄板５０の磁力を強める。これにより、磁石で構成された取付具５と裏面の鉄板５０並びに磁石５１との吸引作用により、竿４を展示用パネル２の表側に吸引固定することができる。また、展示用パネル２の裏面下部にも鉄板６０を張り付け、その上に磁石６１を密着させて、ミニチュア着物３の裾の両端に縫いこまれた磁石６を展示用パネル２の表側に吸引固定するようになっている。そのため、下部の鉄板６０は、ミニチュア着物３の広げられた裾幅を充分カバーする長さに形成され、また、左右の磁石６１も裾の両端に縫いこまれた磁石６と対向する位置に取り付けられる。

ミニチュア着物３は、本物の着物の縮小版として、染色や刺繍等が施された鑑賞用の着物であって、絵柄は、主に上衽３１から上前身頃３２、左後身頃３３、右後身頃３４にかけて描かれるため、展示に際しては、それらに描かれた絵柄が表側に出るように、それらを広げた状態で展示する。そのため、左右の衽３１、３６の下端部には、小さな磁石６を縫い込んでおく。それらの磁石６が鉄板６０と磁石６１に吸引されて展示用パネル２に吸引固定される。

ミニチュア着物３を吊り下げる竿４は、ミニチュア着物３の両方の裄（ゆき）より少し短めの丸棒で形成され、その中央の重心位置に磁石からなる取付具５を固定している。この竿４をミニチュア着物３の両袖３７，３８に通した後、この取付具５を襟ぐり３９に位置させた後、この取付具５を展示用パネル２の表側から裏面の鉄板５０と磁石５１に吸引させて、ミニチュア着物３を展示用パネル２から吊り下げる。その際、取付具５の厚みによってミニチュア着物３が展示用パネル２から少し浮き上がった状態となるので、ミニチュア着物をより立体的に見せることができる。また、この竿４は、ミニチュア着物３に膨らみを持たせるときは、太めのものが用いられる。また、この実施例では、竿４の長さをミニチュア着物３の両方の裄より少し短めにカットしているが、場合によっては、長めにカットして、袖口から竿４の先が少し出るようにしても良い。その場合には、竿４の先を装飾しておくとよい。

取付具５は、竿４の重心位置にネジ止めされたドーナツ型や矩形の磁石で構成することもできるし、竿４の重心位置に針釘等を打ち込んで、竿４の表面から所定長さだけ針先を突出させるようにしてもよい。針釘等を使用するときは、図３に示すように、コルク材からなる台座５３を針釘等５２の根元に挿入しておく。そして、針釘等５２が突き刺せる板材１０、例えば、コルク板や厚紙等のボードで展示用パネル２を形成する。そして、板材１０の裏面から突き出た針先５２には、ネクタイ止めや徽章やバッジ等の針先に装着される抜け止め金具５４を取り付ける。これにより、展示用パネル２の針穴が甘くなっても、竿４が展示用パネル２から抜け落ちる危険性が防止される。また、台座５３の厚みを変えれば、竿４を浮かせる距離を任意に調整することができる。

以上の実施形態では、ベニヤ板等からなる展示用パネル２の裏面に鉄板５０と磁石５１を取り付けたが、ベニヤ板等の表側に磁性体からなる薄いステンレス板や鉄板を全面的にあるいは部分的に張り付けても良い。さらには、ベニヤ板等を使わずに、矩形状の薄い磁性体からなるステンレス板や鉄板を、直接、木枠や額縁等に嵌め込んで展示用パネル２としても良い。そうすれば、磁石からなる取付具５の磁力が弱くても、ミニチュア着物を展示用パネル２に強固に固定することができる。この場合も、ステンレス板や鉄板等の表面には、ミニチュア着物３を際立たせるための染色された布や和紙等が張り付けられる。

展示用パネル２の展示の仕方としては、壁から吊るす場合と、画架等に立てかけて展示する場合とがあるが、壁から吊るす場合は、展示用パネル２が前傾姿勢となってミニチュア着物３の裾が垂れ下がるので、裾の両端に縫い付けた磁石６で展示用パネル２に吸引固定する。あるいは、待ち針等でミニチュア着物の裾を展示用パネル２に固定する。あるいは、展示用パネル２が前傾姿勢とならないように、壁とパネル２下端部との間に枕を介在させて、壁から吊り下げた展示用パネル２が壁と並行になるようにする。

また、画架等に立てかけて展示する場合は、ミニチュア着物の裏地に施した色彩や模様も見えるようにするため、例えば、展示用パネル２を透明な合成樹脂板で構成し、その裏側に磁性体（鉄板）５０と磁石５１を貼り付けて、竿４に固定した取付具（磁石）５でもって、ミニチュア着物３を展示用パネル２に吸引固定するようにしてもよい。或いは、透明な合成樹脂板に穴を開け、そこに竿４の重心位置に取り付けた針釘等５２を挿入し、その裏から飛び出た針先５２に抜け止め金具５４を装着する。そうすれば、展示用パネル２の裏に回れば、ミニチュア着物３の裏地模様も鑑賞することができる。

さらには、こうした磁石５や針釘５２に代えて、例えば、面ファスナー（いわゆる、マジックテープ（登録商法））を使用しても良い。その場合は、例えば、竿４の重心位置に面ファスナーの一方を取り付け、展示用パネル２の表側には、面ファスナーの他方を取り付ける。また、ミニチュア着物３の両衽３１、３６の裏側には、面ファスナーの一方を縫い付け、展示用パネル２の表側の対応位置には、面ファスナーの他方を貼り付けて、これらの面ファスナーでミニチュア着物３を展示用パネル２に着脱自在に固定するようにしても良い。

１着物展示キット
２展示用パネル
３ミニチュア着物
４竿
５取付具
１０板材
５０鉄板（磁性体）
５２針
５３台座

Claims

ミニチュア着物の絵柄を広げた状態で展示することのできる展示用パネルと、前記ミニチュア着物の左右の袖に通されて前記着物を前記展示用パネルから吊り下げる竿と、その竿の重心位置に取り付けられて、その竿を前記展示用パネルから浮かせた状態で前記展示用パネルに着脱自在に取り付ける取付具とを備えてなる着物展示キット。
前記取付具は、竿から突出させた磁石で構成され、前記展示用パネルには、前記磁石を吸引する磁性体が取り付けられて、この磁石と磁性体との吸引作用により、竿が展示用パネルの表側に吸引固定される構造である請求項１に記載の着物展示キット。
前記取付具は、竿から突出させた針と、その針の根元に挿入された台座とで構成され、前記展示用パネルは、板材で構成されて、その展示用パネルに前記針を突き刺して前記竿を前記展示用パネルから浮かせて固定する構造である請求項１に記載の着物展示キット。