JP3180757U - 高耐食性締結具 - Google Patents

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Abstract

【課題】送電線鉄塔を始めとして野外に構築される鉄製構造物等に使用する締結具として、極めて高い耐食性を具備し、耐食皮膜が強靱で密着性に優れる締結具を提供する。
【解決手段】ボルト、ナット、座金等の締結具の鉄素地10上に、溶融亜鉛めっき皮膜1からなる第1層、リン酸塩の化成皮膜2からなる第2層、樹脂プライマー皮膜3からなる第3層、積層状のアルミフレークを含む焼成皮膜4からなる第4層が順次形成されてなるものとする。
【選択図】図2

Description

本考案は、主として送電線や通信線を支持する鉄塔、橋梁、電波塔、広告塔等の野外に構築される鉄製構造物に用いるボルト、ナット、座金等の締結具に関する。
送電線鉄塔等の野外に構築される鉄製構造物では、四季及び昼夜の大きな気温変化や湿度変化、風雨、積雪、沿岸地域での塩害、酸性雨等に晒される厳しい条件下で長年月にわたって耐える必要があるため、その構造材料の結合に使用されるボルト、ナット、座金等の締結具にも高度の耐久性が要求される。しかるに、この種の鉄製構造物に用いる従来の締結具としては、鉄素地の表面に溶融亜鉛めっき皮膜を設けたものが汎用されているが、そのめっき付着量は350g/m2 が標準であることから、ある程度の防食効果はあるものの鉄製構造物の構造材料よりも早期に発錆や腐食を生じるのが普通である。
そこで、耐食性を改善した締結具として、溶融亜鉛めっき皮膜からなる第1層上に順次、有機系材料膜の第2層と耐熱性塗料膜の第3層を設けたもの(特許文献1)、エポキシ樹脂膜の第2層とアルミフレークを主成分にエポキシ樹脂及びフッ素を含む表面焼成層の第3層を設けたもの(特許文献2)、リン酸塩皮膜の第2層と焼成された防錆塗装皮膜の第3層を設けたもの(特許文献3)等が提案されている。
実用新案登録第3099068号公報 実用新案登録第3128852号公報 実用新案登録第3164654号公報
前記の各提案に係る締結具は、溶融亜鉛めっき皮膜の第1層上に更に特定の第2層及び第3層を設けていることにより、従来汎用の溶融亜鉛めっき皮膜のみを有する締結具に比較して耐食性の大幅な改善が認められる。しかしながら、これらの締結具でも送電線鉄塔等の苛酷な条件下で長期使用する上で充分に満足できるものとは言えず、更なる耐食性の向上と皮膜強度等の改善が求められている。
本考案は、上述の事情に鑑みて、送電線鉄塔を始めとして野外に構築される鉄製構造物等に使用する締結具として、極めて高い耐食性を具備すると共に、耐食皮膜が強靱で密着性に優れるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、本考案の請求項1に係る高耐食性締結具は、ボルトB、ナットN、座金W等の締結具の鉄素地10上に、溶融亜鉛めっき皮膜1からなる第1層、リン酸塩の化成皮膜2からなる第2層、樹脂プライマー皮膜3からなる第3層、積層状のアルミフレークを含む焼成皮膜4からなる第4層が順次形成されてなるものとしている。
請求項2の考案は、上記請求項1の高耐食性締結具において、第2層のリン酸塩の化成皮膜2がホパイト結晶膜を主体とする構成としている。
請求項3の考案は、上記請求項1又は2の高耐食性締結具において、第2層の化成皮膜の厚さが0.5〜2μm、第3層の樹脂プライマー皮膜の厚さが10μm以上、第4層の焼成皮膜の厚さが10μm以上であり、該焼成皮膜は、15〜25質量%のアルミフレーク及び7〜10質量%のフッ素系樹脂が含有され、残部がエポキシ樹脂と不可避不純物からなるものとしている。
請求項1の考案に係る高耐食性締結具では、第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1が亜鉛による犠牲防食作用で鉄素地10の腐食を防止することは従来汎用の締結具と同様であるが、第2層のリン酸塩の化成皮膜2が第1層の亜鉛の表面活性を抑えて白錆等の発生を遅らせるように作用し、更に該化成皮膜2と第3層の樹脂プライマー皮膜3とが共に緻密であり、両皮膜2,3が協働して水分等の腐食因子の侵入と第1層の亜鉛の溶出を抑制する。しかも、第2層の化成皮膜2は均一且つ緻密で第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1に強く密着しており、この化成皮膜2が第3層の樹脂プライマー皮膜3を介して第4層の焼成皮膜4と強固に密着するから、第1〜第4層が全体として一体化した強靱な皮膜を形成し、温度変化や外力等による層間剥離を極めて生じにくいものとなる。そして、第4層の焼成皮膜4は、焼成によって積層状のアルミフレークを含んだ状態で高硬度の皮膜をなし、該アルミフレークによって太陽光を効率よく反射することから、当該第4層及び第3層の紫外線や熱による劣化を防止する高い耐候性を付与し、またアルミニウムのイオン化傾向が亜鉛よりも高いことにより、何らかの要因で第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1に達する傷が発生した場合に、該溶融亜鉛めっき皮膜1及び鉄素地10を腐食から保護する機能も発揮する。従って、この高耐食性締結具は、送電線鉄塔を始めとして野外の苛酷な条件下に置かれる種々の鉄製構造物用の締結具として、長期に亘って充分な結合力を維持し得る優れた耐久性を備える。
請求項2の考案によれば、第2層のリン酸塩の化成皮膜2がホパイト結晶膜を主体とすることで均一で非常に緻密なものとなるから、その防錆力と上下の第1層及び第3層に対する密着性がより向上し、締結具としてより優れた耐食性及び耐久性が得られる。
請求項3の考案によれば、第2〜第4層が各々特定範囲の厚みで、且つ第4層に特定比率のアルミフレーク及びフッ素系樹脂を含有することから、締結具としてより優れた耐食性及び耐久性が得られる。なお、第1層の溶融亜鉛めっき皮膜(亜鉛付着量)については、JIS H8641による締結具の種類とサイズに対応した亜鉛付着量の規定がある。
本考案の高耐食性締結具の実施形態であるボルト及びナットと座金を示す側面図である。 同高耐食性締結具における表面部の拡大断面図である。
以下に、本考案に係る高耐食性締結具の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1に示す六角ボルトB、六角ナットN、座金Wは、本考案に係る高耐食性締結具の実施形態であり、いずれも炭素鋼や合金鋼からなる鉄素地の全面(ボルト及びナットのねじ部、座金の穴部を含む)に、表面処理による耐食被覆が施されている。
この耐食被覆は、図2に示すように、締結具の鉄素地10上に、溶融亜鉛めっき皮膜1からなる第1層、リン酸塩の化成皮膜2からなる第2層、樹脂プライマー皮膜3からなる第3層、積層状のアルミフレークを含む焼成皮膜4からなる第4層、を順次形成したものである。
第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1は、溶融亜鉛めっきによって鉄素地10の表面に付着形成されるものであり、鉄よりもイオン化傾向が高い亜鉛の犠牲防食作用によって鉄素地10の腐食を防止する。この溶融亜鉛めっき皮膜1の亜鉛付着量は、JIS H8641による締結具の種類とサイズに対応した亜鉛付着量の規定に準拠するが、例えば直径12mm以上のボルト・ナット、厚さ2.3mmを越える座金ではHDZ35(付着量350g/m2 以上・・・参考:平均めっき厚として49μm以上)となる。
第2層のリン酸塩の化成皮膜2は、第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1を設けた締結具を脱脂洗浄後、リン酸塩処理溶液に浸漬することで形成される。そのリン酸塩処理溶液としては、特に制約されないが、例えば亜鉛水溶性化合物〔Zn(H2PO4)2〕が20〜30質量%、ニッケル化合物〔Ni(H2PO4)2〕が1〜10質量%、マンガン化合物〔Mn(H2PO4)2〕が1〜10質量%、ケイフッ素酸(H2SiF6)が1.3質量%、リン酸(H3PO4)が1〜10質量%、残部が水(H2O)及び不可避不純物からなるものが好適である。このようなリン酸塩処理溶液の使用により、形成される化成皮膜2が均一で非常に緻密なホパイト〔Zn3(PO4)2・4H2O〕結晶膜を主体とするものとなる。しかして、この化成皮膜2の厚さは、0.5〜2μm程度とすることが好ましい。
この第2層のリン酸塩の化成皮膜2は、それ自体の高い防錆能により、第1層の亜鉛の表面活性を抑えて白錆等の発生を遅らせるように作用する。すなわち、第1層の亜鉛は犠牲防食に伴う自身の腐食で白錆等を生じて体積が膨張し、この膨張に起因して皮膜剥離を生じ易くなるが、該化成皮膜2によって白錆等の発生が抑えられることで、長期間に亘って皮膜剥離を防止できる。また、この化成皮膜2は、第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1の表面を均一且つ緻密に覆っているから、第3層の樹脂プライマー皮膜3と協働して水分等の腐食因子の侵入と第1層の亜鉛の溶出を抑制する作用を発揮し、もって耐食性をより向上させるという機能もある。
第3層の樹脂プライマー皮膜3は、第2層の化成皮膜2と第4層の焼成皮膜4との間に介在することで、耐食被覆の全体を強固に一体化すると共に、緻密な皮膜を形成することで上述のように第2層の化成皮膜2と協働して腐食因子の侵入と第1層の亜鉛の溶出を抑制する作用を発揮する。すなわち、この樹脂プライマー皮膜3はプライマーとして第2層の化成皮膜2と第4層の焼成皮膜4に対する強い密着性を示す一方、化成皮膜2は第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1と強く密着しているから、第1層〜第4層からなる耐食被覆が全体として一体化した強靱な皮膜を形成し、温度変化や外力等による層間剥離を極めて生じにくいものとなる。
この樹脂プライマー皮膜3の形成材料としては、第2層の化成皮膜2と第4層の焼成皮膜4の両者に対する親和性・付着性に優れるエポキシ樹脂系プライマーが好適なものとして挙げられる。このエポキシ樹脂系プライマーは、190℃×30分の焼付処理を2回繰り返して塗工する。なお、この樹脂プライマー皮膜3の厚さは10μm以上とするのがよい。
第4層の焼成皮膜4は、既述のように積層状のアルミフレークを含むものであり、焼成によって積層状のアルミフレークを含んだ状態で高硬度の皮膜をなし、該アルミフレークによって太陽光を効率よく反射することで高い耐候性を付与し、当該第4層及び第3層の樹脂成分が紫外線や熱によって劣化するのを防止する。また、この焼成皮膜4は、アルミニウムのイオン化傾向が亜鉛よりも高いことにより、何らかの要因で第1層の溶融亜鉛めっき皮膜1に達する傷が発生した場合に、該溶融亜鉛めっき皮膜1及び鉄素地10を腐食から保護する機能も発揮する。
この焼成皮膜4の具体例としては、15〜25質量%のアルミフレーク及び7〜10質量%のフッ素系樹脂が含有され、残部がエポキシ樹脂と不可避不純物からなる組成が好適である。そして、この焼成皮膜4を形成するには、上記組成となるエポキシ系焼付け塗料を用い、190℃×30分の焼付処理を2回繰り返して塗工すればよい。この焼成皮膜4の厚さは、10μm以上とするのがよい。
本考案の高耐食性締結具は、鉄素地10上に上記の第1層〜第4層よりなる耐食被覆が施されていることにより、送電線や通信線を支持する鉄塔、橋梁、電波塔、広告塔等の野外に構築される鉄製構造物に用いるボルト、ナット、座金等の締結具として、四季及び昼夜の大きな気温変化や湿度変化、風雨、積雪、沿岸地域での塩害、酸性雨等に晒される厳しい条件下で長年月にわたって充分な結合力を維持し得る優れた耐久性を備えるものである。
次に、本考案の高耐食性締結具と従来構成の締結具として、いずれも炭素鋼の冷間並びに熱間鍛造にて作製したM16,M20,M24の六角ボルト及び六角ナットとM24用座金に耐食被覆を施したものを試料とし、各種性能試験を行った結果を示す。なお、本考案の高耐食性締結具と従来構成の締結具の耐食被覆の構成は次のとおりである。
<本考案の高耐食性締結具の耐食被覆>
第1層としてHDZ35相当の溶融亜鉛めっき皮膜1、第2層として厚さ約1μmのホパイト結晶膜からなるリン酸塩の化成皮膜2、第3層として約16μmのエポキシ系樹脂プライマー皮膜3、第4層として厚さ約17μmで20質量%のアルミフレーク及び8質量%のフッ素を含むエポキシ樹脂系の焼成皮膜4、の4層構成。
<従来構成の締結具の耐食被覆>
標準めっきとしてHDZ35相当の溶融亜鉛めっき皮膜のみ。
〔複合サイクル試験〕
JASO−M609−91に基づく塩水を用い、六角ボルト及び六角ナットの全試料を対象として塩水噴霧2時間→乾燥4時間→湿潤2時間のサイクルで240サイクルまで試験を行い、30,90,150,240の各サイクルで外観を観察すると共に、試験前後の重量測定から腐食減量を調べた。この腐食減量については、次の表1に示す。
Figure 0003180757
この複合サイクル試験の結果、従来構成の六角ボルト及び六角ナットは全て30サイクル時点で表面全体に顕著な発錆が認められたのに対し、本考案の六角ボルト及び六角ナットではいずれも150サイクルでも殆ど発錆がなく、240サイクルに至って軽度の発錆が認められた。また、表1より、本考案の六角ボルト及び六角ナットの腐食減量は、従来構成の六角ボルト及び六角ナットの腐食減量の1/15以下であった。従って、本考案の高耐食性締結具は、従来構成の締結具に比較して格段に優れた耐食性を具備することが明らかである。
〔クロスカット腐食試験〕
六角ボルト及び六角ナットの全試料を対象として、JIS−K5600−5−6に準拠してボルト・ナットにクロスカットを入れ、JIS−Z2371に基づく中性塩水噴霧試験を2000時間まで実施し、所定時間毎に外観を観察した。その結果、従来構成の六角ボルト及び六角ナットは全て、250時間で全面に赤錆が発生し、顕著な腐食が認められた。これに対し、本考案の六角ボルト及び六角ナットはいずれも、1500時間でも表面の腐食が認められず、2000時間では僅かな表面腐食を生じたが、膨れやクロスカット部の浮き上がりはなく、健全な耐食被覆が維持されていた。
〔亜硫酸ガス試験〕
六角ボルト及び六角ナットの全試料を対象としてDIN500−18に基づく亜硫酸ガス試験を50サイクルまで実施し、10サイクル増す毎に外観を観察すると共に、試験前後の重量測定から腐食減量を調べた。この腐食減量については、次の表2に示す。
Figure 0003180757
この亜硫酸ガス試験の結果、従来構成の六角ボルト及び六角ナットはいずれも、15サイクル時点で腐食の印として部分的な赤錆が認められ、以降サイクルが増えるに従って赤錆が拡がり、50サイクルでは全面に赤錆が発生した顕著な腐食状態になった。これに対し、本考案の六角ボルト及び六角ナットでは、いずれも50サイクルに至っても表面の色調変化が殆どなかった。また、表2に示すように、従来構成の六角ボルト及び六角ナットは顕著な腐食減量を生じているのに対し、本考案の六角ボルト及び六角ナットの腐食減量は殆ど認められなかった。この試験からも、本考案の高耐食性締結具が従来構成の締結具よりも卓越した耐食性を具備することが判る。
〔促進耐候性試験〕
本考案に係るM24の六角ボルト及び六角ナットを試料として、サンシャインアーク灯式の促進耐候性試験を2000時間まで実施し、500時間増す毎に外観を観察した。その結果、2000時間に至って若干色彩が淡色化したが、塗膜の膨れ、剥がれ、割れ等は発生せず、耐候性に問題がないことが確認された。
〔耐食被覆厚み試験〕
本考案に係るM16,M20,M24の六角ボルト及び六角ナットとM24用座金を試料として、1試料3か所について、磁力式厚さ法による耐食被覆の全膜厚測定と、同位置における断面の顕微鏡観察による第1層(亜鉛めっき皮膜)、第2層+第3層(化成皮膜+樹脂プライマー皮膜)、第4層(焼成皮膜)の各膜厚測定を行ったところ、次の表3a〜表3dに示す結果が得られた。この結果から、本考案の高耐食性締結具における耐食被覆は、その全体と各層が仕様通りの厚みになっていることが確認された。
Figure 0003180757
Figure 0003180757










Figure 0003180757
Figure 0003180757
〔密着性試験〕
本考案に係るM16,M20,M24の六角ボルト及び六角ナットを試料として、JIS−K5600−5−6に準拠して100マスの碁盤目試験を行った。その結果、碁盤目部分での剥がれはなく、溶融亜鉛めっき皮膜の第1層と第2〜第4層との密着性に問題がないことが確認された。
〔塗膜硬度試験〕
本考案に係るM16,M20,M24の六角ボルト及び六角ナットを試料として、JIS−K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度法による塗膜硬度試験を行った。その結果、いずれの試料においても鉛筆硬度「5H」と判定され、塗膜としてはかなりの硬度を有することから、耐摩耗性に優れると共に傷つきにくいことが判る。
〔トルク係数値試験〕
本考案に係るM16(5.8),M20(6.8),M24(9.8)の六角ボルト及び六角ナットを試料として、「鉄塔No.86 溶融亜鉛めっき鉄塔用ボルトの締付トルク実験報告」に準拠した試験方法にて実施した。その結果を、前記実験報告に掲載の溶融亜鉛めっきの実験値及び推奨値と共に次の表4に示す。この表4より、本考案に係る高耐食性締結具のトルク係数値は、溶融亜鉛めっき皮膜のみを設けた締結具に比較して小さく、且つバラツキも少なく安定していることが確認された。
Figure 0003180757
〔緩み試験〕
M16(5.8),M20(6.8),M24(9.8)の六角ボルト及び六角ナットを試料として、注油の有無及び緩み止めの有無の各条件別に、NAS3350規格に準拠した振動数1800cpm,加速度20G,振動時間上限30000サイクルにて実施したところ、次の表5に示す結果が得られた。この結果から、本考案に係るボルト・ナットは、従来構成のボルト・ナットに比較して緩み時間が同等以上であり、その耐食被覆が緩み対して悪影響のないことが確認された。


Figure 0003180757
〔試験結果のまとめ〕
以上の各試験結果について、◎を優良、○を良、△を普通と評価し、これらをまとめて次の表6に示す。この表6より、本考案の高耐食性締結具は、耐食性及び耐候性に優れ、トルク係数やボルトの緩み等も従来の標準品と有意差なく、非常に高性能であることが判る。
Figure 0003180757
1 溶融亜鉛めっき皮膜
2 化成皮膜
3 樹脂プライマー皮膜
4 焼成皮膜
10 鉄素地
B ボルト
N ナット
W 座金

Claims (3)

  1. ボルト、ナット、座金等の締結具の鉄素地上に、溶融亜鉛めっき皮膜からなる第1層、リン酸塩の化成皮膜からなる第2層、樹脂プライマー皮膜からなる第3層、積層状のアルミフレークを含む焼成皮膜からなる第4層が順次形成されてなる高耐食性締結具。
  2. 前記第2層のリン酸塩の化成皮膜がホパイト結晶膜を主体とする請求項1に記載の高耐食性締結具。
  3. 前記第2層の化成皮膜の厚さが0.5〜2μm、第3層の樹脂プライマー皮膜の厚さが10μm以上、第4層の焼成皮膜の厚さが10μm以上であり、
    該焼成皮膜は、15〜25質量%のアルミフレーク及び7〜10質量%のフッ素系樹脂が含有され、残部がエポキシ樹脂と不可避不純物からなる請求項1又は2に記載の高耐食性締結具。
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