JP3180652B2 - 芳香族ポリカルボジイミド及びそのフィルム - Google Patents

芳香族ポリカルボジイミド及びそのフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は新規な芳香族ポリカルボジイミ
ドに関する。本発明の芳香族ポリカルボジイミドは高耐
熱性など種々の優れた特性を有するフィルムや接着剤、
成形物を与える。
【0002】芳香族ポリカルボジイミドには、従来ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイ
ソシアネート(TDI)を重合したものなどが知られてい
る。このようなポリカルボジイミドは、その優れた耐熱
性により耐炎化フィルムや耐熱性接着剤として使用され
ている。
【0003】
【発明の目的及び概要】このような重合体のフィルム
は、400℃以上の高温にさらしても揮発性ガスや分解
モノマーを生成しないという点では耐熱性を有するが、
耐湿性が低かったり、また200℃以上で熱処理すると
自己保持性がなく、脆くなって実用に耐えないという欠
点がある。
【0004】本発明者らは、このような従来のポリカル
ボジイミドの欠点を解決べく種々の芳香族ポリマーにつ
いて検討を重ねた結果、本発明の新規ポリマーを創製す
るに至った。即ち、本発明は下記一般式(I)で表される
構成単位を有する芳香族ポリカルボジイミドに関するも
のである。
【0005】
【化2】 (式中、Xはフッ素又は水素、nは整数を表す。)
【0006】前記一般式(I)で示される本発明の高分子
化合物は新規化合物である。なお、米国特許第4017
459号の実施例12には下式(II):
【化3】 で表される芳香族ジイソシアネートが開示されている。
しかしながら、このような芳香族ジイソシアネート化合
物を重合してポリカルボジイミドを製造することについ
ては全く報告がない。さらに、式(I)においてXがフッ
素であるものについては、重合体はもとよりモノマーに
ついての報告もない。
【0007】
【発明の詳細な開示】前記式(I)においてXはフッ素又
は水素であり、nは2〜200、好ましくは8〜40の
整数である。このポリマーから得られるフィルムは非常
に高い耐熱性を有すると共に可撓性を有する。
【0008】本発明のポリカルボジイミドは、下式(II
I)の対応するジイソシアネートをモノマーとし、これを
リン系触媒の存在下、公知の方法で重合することにより
得られる。
【0009】
【化4】 (式中、X及びnは前記に同じ) モノマーは単独で用いてもよいし、その性質を失わない
範囲で他の有機ジイソシアネート、例えば4,4'-ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソ
シアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、1-メト
キシフェニルー2,4-ジイソシアネート、3,3'−ジメ
トキシ−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'-
ジメチルー4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、o-トリレンジイソシアネートなどと共重合しても
よい。
【0010】重合時の反応温度は40〜90℃が望まし
く、50〜80℃とするのがより好ましい。反応温度が
40℃より低いと反応時間が長くなりすぎ実用的でな
い。また90℃を越えると適当な溶媒の選択が困難であ
る。
【0011】ポリカルボジイミド合成におけるイソシア
ネートモノマー濃度は5〜70重量%(以下、単に%と
いう)、好ましくは10〜60%、最も好ましくは15
〜50%である。5%以下の濃度ではカルボジイミド化
が進行しない場合がある。70%以上の濃度では反応の
制御が困難になる可能性がある。
【0012】ポリカルボジイミドの合成時及びポリカル
ボジイミド溶液に用いられる有機溶媒は、従来公知のも
のであってよい。具体的にはテトラクロロエチレン、
1,2-ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化
炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系
溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を混合して用いてもよい。
【0013】カルボジイミド化に用いる触媒としては1
−フェニルー2−ホスホレンー1−オキシド、3−メチ
ルー2−ホスホレンー1−オキシド、1−エチルー2−
ホスホレンー1−オキシド、3−メチルー1−フェニル
ホスホレンー1−オキシド、あるいはこれらの3−ホス
ホレン異性体などのホスホレンオキシドを使用すること
ができる。
【0014】また重合反応の末期、中期、初期のいずれ
か、もしくは全般にわたり、モノイソシアネートを加え
て末端封鎖処理をしてもよい。この処理によりポリカル
ボジイミド溶液の保存安定性が向上する。モノイソシア
ネートとしては、フェニルイソシアネート、p−ニトロ
フェニルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、
p−ホルミルフェニルイソシアネートなどを用いること
ができる。このようにして得られたポリカルボジイミド
溶液は、溶液の保存安定性が優れている。
【0015】また、反応終了後にメタノール、エタノー
ル、ヘキサンなどの貧溶媒に反応液を投入し、ポリカル
ボジイミドを沈殿として析出させ、未反応のモノマーや
触媒を取り除いてもよい。このような操作を行うことに
より、ポリカルボジイミドの溶液安定性を向上させるこ
とができる。
【0016】本発明のポリカルボジイミドの分子量は、
数平均分子量にして1,000〜100,000、好ましくは4,000
〜20,000である。分子量が高すぎると、常温での放置に
おいても数分から数時間で容易にゲル化するため、実用
上好ましくない。また、分子量が低すぎると、皮膜の信
頼性に欠けるので好ましくない。
【0017】沈殿として析出させた後は、所定の操作に
より洗浄、乾燥を行い、ポリカルボジイミドを再度有機
溶媒に溶解することによりポリカルボジイミド溶液が得
られる。
【0018】(フィルムの製造)反応により得られたポ
リカルボジイミド樹脂は、常法により適当な厚みのフィ
ルムに成形することができる。フィルムの塗工温度は2
0〜200℃、好ましくは50〜150℃、最も好まし
くは70〜100℃である。20℃以下では溶剤がフィ
ルム中に残存することがある。また200℃以上の高温
では、フィルムの熱硬化が進むことがある。
【0019】ポリカルボジイミド延伸フィルムは、上記
の製法により作成されたポリカルボジイミド樹脂を用い
て、例えば次のようにして製造される。即ち上記ポリカ
ルボジイミド樹脂溶液を所定の形状に、例えばポリカル
ボジイミド樹脂溶液をキャスティング、スピンコーティ
ング、ロールコーティングなどの公知の方法により、フ
ィルム状に成形する。このフィルムは通常、溶媒の除去
に必要な温度で乾燥すればよく、例えば50〜200℃
で乾燥することができる。特に、ポリカルボジイミド樹
脂の硬化反応をあまり進行させないように乾燥するため
に、60〜150℃が望ましい。乾燥温度が低すぎる
と、フィルムの信頼性が乏しくなり好ましくない。ま
た、乾燥温度が高すぎると、ポリカルボジイミド樹脂の
架橋が進行し、フィルムの延伸工程においてフィルムの
破断や延伸不良などの不都合が生じやすく好ましくな
い。
【0020】ポリカルボジイミドの延伸フィルムの形状
は、上記フィルム状に限定されるものではなく、チュー
ブ状であってもよく、所望の種々の形状に形成してよ
い。
【0021】ポリカルボジイミド延伸フィルム、例えば
フィルム状に成形されたものは、所定の条件下におい
て、所定の一方向(主軸方向)に1.2〜10倍、好まし
くは2〜6倍に延伸される。さらに、所望により、上記
延伸方向(主軸方向)と直交する方向に1〜5倍、好ま
しくは1.1〜1.6倍の範囲に延伸することができる。
上記延伸の順序はいずれの方向からさきに延伸を行って
もよい。このように主軸方向と直交する方向に延伸する
ことにより、得られた延伸フィルムは耐衝撃性が向上
し、かつ一方向に引き裂かれやすいという性質が緩和さ
れる。上記延伸方向(主軸方向)と直交する方向への延伸
倍率が5倍を越えると、主軸方向と直交する方向への熱
収縮性が大きくなりすぎ、熱収縮処理を施したときの仕
上りが波打ち不均一となる。
【0022】延伸時の温度は、ポリカルボジイミド樹脂
の硬化反応があまり進行せずに乾燥を行うため40〜2
00℃に設定することが望ましい。即ち、延伸温度が4
0℃未満では充分な延伸倍率が得られず、フィルムが破
断しやすい。また200℃を越えるとポリカルボジイミ
ド樹脂の硬化反応が一部進行するため、熱回復性能が低
下する傾向が見られる。
【0023】なお、延伸方法は特に限定されるものでは
なく、通常の方法が採用される。例えば、ロール延伸
法、長間隙延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸
法などが挙げられる。
【0024】(用途)このようにして作成されたポリカ
ルボジイミド延伸フィルムは、例えば、種々の物品の耐
熱被覆材料として用いられる。延伸フィルムを用いて物
品の被覆を行うには、例えばポリカルボジイミド樹脂を
主成分とする成形材料からなる熱収縮性フィルムを用い
て保護すべき被着体(物品)を被覆した後、熱処理してフ
ィルムを硬化させる。この熱処理によって、ポリカルボ
ジイミドの硬化反応が進行し、被着体表面の凹凸部分に
ポリカルボジイミド樹脂が流れ込みアンカー(投錨)効果
が生じるとともに、被着体表面の極性基とポリカルボジ
イミド樹脂の累積多重結合との化学反応などの作用が生
じ、化学的、物理的な接着がなされる。
【0025】上記被着体は特に限定されるものではな
く、例えばガラス、金属、樹脂、セラミック製のシート
や板状物、環状物などが挙げられる。具体的な製品とし
ては電力用ケーブルなどの電線、ガラス製ボトル、電子
部品などが挙げられる。
【0026】(モノマー)なお、本発明高分子化合物の
モノマーのうち、2,2−ビス[4−(4−イソシアナー
トフェノキシ)フェニル]プロパンは2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンをクロロベ
ンゼン中にてホスゲンと反応させ、得られた混合物を石
油エーテルで抽出する方法(米国特許第4017459
号)など公知の製造法により得られる。
【0027】また、2,2−ビス[4−(4−イソシアナ
ートフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンは新
規な芳香族ジイソシアネートであり、その製造法につい
て説明する。このジイソシアネート化合物を製造するに
は、当該ジイソシアネート化合物の前駆体をそれ自体は
公知の方法によりイソシアネート化して合成することが
できる。前駆体としては、例えば2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン
(BAPF)及びそのアルキル又はハロゲン置換体(例え
ば、和歌山精化工業(株)製HFBAPP、セントラル硝
子(株)製BIS−AF−A)などが挙げられる。
【0028】かかるジアミン化合物をイソシアネート化
する方法としては、ホスゲン、ジフェニルカーボネー
ト、又はカルボニルジイミダゾールを作用させる方法が
挙げられる。また、ジアミン化合物をハロゲン化アルキ
ルホーメートを用いてウレタンとし、これをクロロシラ
ン、カテコールボラン等の触媒存在下にイソシアネート
化してもよい。また、別法ではジイソシアネートの前駆
体として、2,2−ビス[4−(4−カルボキシフェノキ
シ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどのカルボン
酸を用い、これをクルチウス分解によりイソシアネート
化する方法などを用いてもよい。
【0029】これら製造方法のうち、ジアミン化合物を
ハロゲン化アルキルホーメートを用いてウレタンとし、
これに触媒としてクロロシランを用いる方法(G.Grebe
r.et.al.,Angew.Chem.Int.Ed.,Vo.l7,No.12,941(1968))
やカテコールボランを用いる方法(V.L.K.Valli.et.al.,
J.Org.Chem.,Vol.60,257(1995))が収率及び安全性の点
から好ましい。すなわち、まず対応するジアミン化合物
にメチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、
フェニルクロロホルメート、p−ニトロフェニルクロロ
ホルメートなどを作用させてウレタンを合成する。
【0030】これら反応に用いられる溶媒はジアミンを
溶解させるものであればよい。例えばTHF、ジエチル
エーテルなどのエーテル系化合物、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン系化合物、酢酸エチルなどのエス
テル系化合物、その他、トルエン、キシレン、ベンゼン
などの芳香族炭化水素系化合物などが挙げられる。これ
らの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上混合して用い
てもよい。
【0031】反応温度は−40〜70℃である。反応に
より生成する塩化水素をトラップする塩基としては、用
いた溶媒に溶解し反応を阻害しないものであればよく、
例えばトリエチルアミン、水酸化ナトリウムなどが挙げ
られる。得られたウレタンの精製方法には再結晶、カラ
ムなど従来公知の方法を用いることができる。また、必
要に応じて蒸留を行ってもよい。
【0032】このようにして得られたウレタンをイソシ
アネート化するには、ウレタンのモル量の2.2〜4.6
倍のクロロシランを触媒として用いて熱分解を行う。こ
のような反応に用いられる溶媒はウレタンを溶解または
懸濁するものであればよく、前記のエーテル系化合物、
ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられ
る。反応温度は0℃から使用する溶媒の沸点まで、好ま
しくは室温から沸点までである。反応の際に生成する塩
化水素のトラップには前記の塩基が用いられる。また、
ハロゲン化カテコールボランを触媒として用いる場合
は、クロロカテコールボラン、ブロモカテコールボラン
などが用いられる。かかる反応に用いられる溶媒はウレ
タンを溶解または懸濁するものであればよく、エーテル
系化合物、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素などが
挙げられる。反応温度は、一般に−50℃から80℃で
ある。反応の際に生成する塩化水素をトラップする塩基
は前記と同様のものが用いられてよい。
【0033】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。
【0034】なお、得られたポリカルボジイミドの熱硬
化温度は、DSC−200((株)島津製作所製)を用いて
測定し、三量体化の発熱ピークを熱硬化温度とした。
【0035】[製造例1] (2,2−ビス[4−(4−イソシアナートフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパンの製造)滴下漏斗を取
り付けた1Lの三口フラスコにBAPF(2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン)20g、THF200mL、トリエチルアミ
ン13.2mLを仕込んだ。ついで滴下漏斗にフェニル
クロロギ酸11.6mLを入れ、反応容器を氷浴で0℃
に冷却した。フェニルクロロギ酸を15分かけて滴下
し、室温に戻しながら30分間撹拌した。生成した塩を
100mLの水で加水分解し、クロロホルムで抽出し
た。有機層を集め無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し
た。溶媒を留去しトルエンで再結晶し、22.2g(収率
76%)を白色固体として得た。
【0036】白色固体として得られた前記ウレタン20
gを塩化メチレン170mL及びトリエチルアミン1
1.0mLと共に滴下漏斗を取り付けた三口フラスコ(1
L)に仕込んだ。また、滴下漏斗にトリメチルクロロシ
ラン6.6mLを入れ、室温にて5分かけて滴下し、溶
媒をトルエンに置換して徐々に120℃まで温度を上昇
させながら4時間撹拌した。その後120℃で2時間撹
拌した。生成した塩を濾過により取り除き、溶液をエバ
ポレーターで濃縮した。反応混合物をフラッシュカラム
により精製し白色固体7.3g(収率49%)を得た。
【0037】得られた化合物は融点137℃であった。
またマススペクトルでM+=570の分子イオンピーク
が観測され、IRスペクトルで2260cm-1にイソシ
アネートのカルボニル基の吸収が観測された。なお、マ
ススペクトルは日立M80A((株)日立製作所製)を用
い、IRスペクトルはIR−810(日本分光工業(株)
製)を用いた。したがって2,2−ビス[4−(4−イソシ
アナートフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン
(BAPF−NCO)であることが確認された。
【0038】[実施例1]100mLのナスフラスコ
に、製造例1で得られた2,2−ビス[4−(4−イソ
シアナートフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロ
パン5gとTHF25mL、カルボジイミド化触媒(1
−フェニルー3−メチルホスホレンオキシド)0.01
35gを仕込んだ。60℃で6.5時間撹拌すると分子
量8,300のポリカルボジイミド溶液が得られた。得
られたワニスをガラス板上にキャスチングし、90℃で
30分間乾燥してフィルムを得た。このフィルムの熱硬
化温度は400℃以上で、250℃で1時間の熱処理を
行っても可撓性を有していた。
【0039】[実施例2]30mLのナスフラスコに、
2,2−ビス[4−(4−イソシアナートフェノキシ)
フェニル]プロパン1.1gとTHF5.5mL、カルボ
ジイミド化触媒(1−フェニルー3−メチルホスホレン
オキシド)0.0035gを仕込み、60℃で10時間
撹拌して分子量5,000のポリカルボジイミド溶液を
得た。得られたワニスをガラス板上にキャスティング
し、90℃で30分間乾燥してフィルムを得た。このフ
ィルムの熱硬化温度は370℃以上で、250℃で1時
間の熱処理を行っても可撓性を有していた。
【0040】なお、原料となる2,2−ビス[4−(4−
イソシアナートフェノキシ)フェニル]プロパンは次のよ
うにして製造した。すなわち、クロロベンゼンに溶解し
た2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
プロパンを、ホスゲンのクロロベンゼン溶液に10℃で
滴下し、還流して反応を進行させたのちクロロベンゼン
を蒸留により除去した。残渣を熱石油エーテルで抽出
し、抽出液をそのまま冷却して、結晶を析出させた。結
晶を濾過すると、2,2−ビス[4−(4−イソシアナー
トフェノキシ)フェニル]プロパン(m.p.68〜69
℃)が得られた。
【0041】[実施例3]実施例1で作成したフィルム
を100℃に加熱して一軸に2倍に延伸した。この延伸
フィルムの熱回復応力を測定したところ。80kg/c
2であった。熱回復させたフィルムを250℃で1時
間熱処理したところ可撓性を有していた。 [実施例4]100mLのナスフラスコに、2,2−ビ
ス[4−(4−イソシアナートフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン3.04gとTHF30mL、
カルボジイミド化触媒(1−フェニルー3−メチルホス
ホレンオキシド)0.033gを仕込んだ。60℃で2
時間撹拌したのち、m−トリルイソシアネート0.4m
Lを入れ、さらに2時間撹拌したところ、分子量8,0
00のポリカルボジイミド溶液が得られた。得られたワ
ニスをヘキサン300mLで再沈殿し、減圧下で乾燥す
ることにより、白色粉末状のポリカルボジイミドを得
た。このポリカルボジイミドはTHF、シクロヘキサノ
ン、トルエン、アセトン、クロロホルムなどに再溶解が
可能であった。これらのポリカルボジイミドの15%溶
液は冷蔵庫で1カ月間保存が可能であった。
【0042】[比較例1]モノマーとしてMDIを用い
て実施例1と同様の手順で重合を行い、フィルムを作成
した。このフィルムの熱硬化温度は350℃で、250
℃で1時間の熱処理を行うと変色し、可撓性が無くな
り、自己保存性を失った。
【0043】[比較例2]比較例1で作成したフィルム
を、90℃に加熱して一軸に2倍に延伸した。この延伸
フィルムの熱回復応力を測定したところ、100kg/
cm2であった。次に熱回復させたフィルムを250℃
で1時間熱処理したところ、フィルムの可撓性は著しく
低下した。
【0044】[比較例3]100mLのナスフラスコ
に、MDI 4gとTHF20mL、カルボジイミド化
触媒(1−フェニルー3−メチルホスホレンオキシド)
0.015を仕込んだ。60℃で5時間撹拌したのち、
m−トリルイソシアネート0.27mLを入れ、さらに
2時間撹拌した。このポリカルボジイミドの分子量は
8,000であった。ワニスをヘキサン300mLで再
沈殿し、減圧下で乾燥することにより、白色粉末状のポ
リカルボジイミドを得たが、このポリカルボジイミドは
THF、シクロヘキサノン、トルエン、アセトンなどの
有機溶媒に溶解しなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリカルボジイミドは優れた耐
熱性及び耐湿性を有しており、電子部品製造時のハンダ
付け工程における耐熱性被覆材料などとして有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にて得られた化合物の赤外吸収スペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−95476(JP,A) 特開 平4−279618(JP,A) 特開 平2−292316(JP,A) 特開 平1−139618(JP,A) 特開 昭52−84288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される構成単位を有
    する芳香族ポリカルボジイミド。 【化1】 (式中、Xはフッ素又は水素、nは整数を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1の芳香族ポリカルボジイミドを
    溶解してなるポリカルボジイミド溶液。
  3. 【請求項3】 請求項1の芳香族ポリカルボジイミドを
    成膜してなるポリカルボジイミドフィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも一軸方向に延伸してなる請求
    項3のポリカルボジイミドフィルム。
JP02604096A 1996-01-18 1996-01-18 芳香族ポリカルボジイミド及びそのフィルム Expired - Fee Related JP3180652B2 (ja)

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