JP3180143B2 - 樹脂成形体の導電性改良方法 - Google Patents

樹脂成形体の導電性改良方法

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JP3180143B2
JP3180143B2 JP8234992A JP8234992A JP3180143B2 JP 3180143 B2 JP3180143 B2 JP 3180143B2 JP 8234992 A JP8234992 A JP 8234992A JP 8234992 A JP8234992 A JP 8234992A JP 3180143 B2 JP3180143 B2 JP 3180143B2
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通之 河野
茂男 森
正芳 江口
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Polyethers (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成形体の導電性改
良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の樹脂成形体の導電性改良方法とし
ては、カーボンブラック、カーボンファイバー、導電性
マイカ等を樹脂成形体原料に練り込む方法がある。
【0003】しかしながら、このような従来の樹脂成形
体の導電性改良方法にあっては、カーボンブラック等の
導電性物質を樹脂成形体原料に多量に練り込まなければ
導電性の向上にはつながらないため、樹脂成形体の物性
劣化を避けることはできなかった。また、黒色等の着色
の問題もあり、その用途には限りがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来法の欠点を解消し、樹脂成形体の物性を害すること
なく、また着色の問題を生ずることなく、樹脂成形体の
導電性を著しく改良しうる方法を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、樹脂成形体
原料に、特定のアルキレンオキシド重合体とこれに可溶
性の電解質塩との錯体を練り込み、成形した後に、成形
体表面をプラズマ処理することにより上記課題を解決す
る。
【0006】すなわち、本発明は、樹脂成形体原料に、
アルキレンオキシド重合体とこれに可溶性の電解質塩と
の錯体を練り込み、その混練物を成形し、得られた成形
体の表面をプラズマ処理する樹脂成形体の導電性改良方
法であって、前記アルキレンオキシド重合体が、エチレ
ンオキシド単量体の単独重合体、プロピレンオキシド単
量体の単独重合体、およびエチレンオキシド単量体とプ
ロピレンオキシド単量体のブロック共重合体またはラン
ダム共重合体からなる群より選択された少なくとも一種
で、かつその分子末端の少なくとも一端に、炭素数4以
上のアルキル基、炭素数4以上のアルケニル基、アリー
ル基、アルキルアリール基またはアラルキル基を有する
ことを特徴とする樹脂成形体の導電性改良方法である。
【0007】また、前記アルキレンオキシド重合体が、
エチレンオキシド単量体の単独重合体、プロピレンオキ
シド単量体の単独重合体、およびエチレンオキシド単量
体とプロピレンオキシド単量体のブロック共重合体また
はランダム共重合体からなる群より選択された少なくと
も一種であることを特徴とする樹脂成形体の導電性改良
方法である。
【0008】このような本発明では、樹脂に練り込まれ
た上記錯体中の可溶性電解質塩のカチオンおよびアニオ
ンがアルキレンオキシド重合体内のエーテル結合酸素を
介して移動可能であるため、樹脂にイオン伝導性が生
じ、その抵抗値が低下する。これが、さらに成形後に実
施されるプラズマ処理による表面改質効果と相乗効果を
発揮し、従来になく著しく導電性の改良された品質のよ
い樹脂成形体を得ることができる。
【0009】さらに、成形後に塗装を行なう場合におい
ては、効率の高い塗装方法である静電塗装方法が好まし
いが、従来は抵抗値の高い樹脂への静電塗装は不可能で
あり、導電性プライマーの使用やカーボンブラック、導
電性マイカなどを樹脂に練り込むなどの方法を用いて成
形体を導電化したのちに静電塗装を行なうことが一般的
であった。しかし、これらの方法では塗料の密着性や成
形体の機械的強度に問題があった。本発明の方法によっ
て導電性を改良した樹脂成形体は、静電塗装に適する導
電性を有しているために、成形後に効率の高い静電塗装
をも可能にする。
【0010】本発明では、樹脂成形体原料として、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、A
BS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹
脂、フェノール樹脂等の表面抵抗値の高い樹脂がいずれ
も使用できる。
【0011】また、樹脂成形体原料に練り込む錯体に使
用されるアルキレンオキシド重合体は、エチレンオキシ
ド単量体の単独重合体、プロピレンオキシド単量体の単
独重合体、エチレンオキシド単量体とプロピレンオキシ
ド単量体のブロック共重合体またはランダム共重合体か
らなる群より選択された少なくとも一種のアルキレンオ
キシド重合体であり、通常は、出発物質として下記の如
き活性水素含有化合物を使用し、これにエチレンオキシ
ドおよび/またはプロピレンオキシドを付加(開環)重
合反応させたものである。
【0012】活性水素含有化合物としては、メタノー
ル、エタノール等の一価アルコール類、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール
等の二価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ソルビトール、シュークローズ、ポリグリセリ
ン等の多価アルコール類、モノエタノールアミン、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、2−エチルヘキ
シルアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン類、ビ
スフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール性活性
水素含有化合物類等がある。
【0013】本発明に用いるアルキレンオキシド重合体
は、少なくとも一端が、炭素数4以上のアルキル基、炭
素数4以上のアルケニル基、アリール基、アルキルアリ
ール基またはアラルキル基であることも好ましい。この
ようなアルキレンオキシド重合体は、出発物質として下
記のような活性水素含有化合物を用いて重合することに
より得られる。
【0014】すなわち、活性水素含有化合物としては、
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、オクチルアルコール、ドデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコール、オクタデシルアルコール等の炭
素数4以上のアルコール類、ノネニルアルコール、デセ
ニルアルコール、オクタデセニルアルコール等の炭素数
4以上のアルケニルアルコール類、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどのフェ
ノール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール
等である。
【0015】さらに、重合反応によって得られたアルキ
レンオキシド重合体の末端の水酸基と、上記の炭素数4
以上のアルキル基等の基を有する化合物とを反応させる
ことも可能である。
【0016】なお、出発物質として炭素数が3以下のア
ルコールやアミン化合物等を用いた場合には、アルキレ
ンオキシドを重合させた後に、分子末端の少なくとも一
端に、炭素数4以上のアルキル基等を、例えばエーテル
化して導入してもよい。
【0017】また、本発明に用いるアルキレンオキシド
重合体のうち、エチレンオキシド単量体とプロピレンオ
キシド単量体のブロック共重合体においては、そのブロ
ックの配列順序は特に制限されない。
【0018】なお、アルキレンオキシド重合体の分子量
は、300〜100,000であるのが好ましい。
【0019】さらに、このようなアルキレンオキシド重
合体と錯体を構成する可溶性電解質塩としては、塩化リ
チウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウ
ム、過塩素酸リチウム、チオシアン酸リチウム、臭化ナ
トリウム、ヨウ化ナトリウム、チオシアン酸カリウム、
ヨウ化カリウム等の無機イオン塩を挙げることができ、
その添加量はアルキレンオキシド重合体100重量部に
対して0.5〜10重量部程度であるのが好ましい。
【0020】上記アルキレンオキシド重合体と可溶性電
解質塩との錯体の使用量は、樹脂成形体原料100重量
部に対して1〜10重量部、特に1〜5重量部であるの
が好ましい。10重量部を超える添加は、導電性の向上
には好ましいが、樹脂との相溶性の点で物性劣化および
表面ブリードを生じるので、大きな利点はない。
【0021】アルキレンオキシド重合体と可溶性電解質
塩との錯体を形成させる方法としては、予め、水、メタ
ノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ア
セトン、塩化メチレン等の、アルキレンオキシド重合体
と相溶性の高い単独溶剤または混合溶剤に、可溶性電解
質塩を溶解させ、この溶液とアルキレンオキシド重合体
を均一に混合し、錯体溶液を調製した後、溶媒を除去
し、錯体を得る方法が好ましい。
【0022】アルキレンオキシド重合体と可溶性電解質
塩の錯体を樹脂成形体原料に練り込む方法としては、二
軸式押出し機式、熱ロール式等の一般的に用いられる方
法がいずれも使用でき、樹脂成形体の成形方法として
も、射出成形、押出し成形、カレンダー加工、圧縮成
形、SMC法等がいずれも使用できる。
【0023】プラズマ処理は、高周波放電、マイクロ波
放電等により、低圧の酸化性ガス(例えば、酸素、また
はこれに窒素、アルゴン等を混入させたガス)を励起し
て活性ガスを発生させ、これを被処理物(成形体)の表
面に接触させる方法を用いるが、その際のガスの圧力は
通常0.1〜5mmHg、好ましくは0.2〜1.0m
mHgであり、温度は40〜100℃程度であり、処理
時間は10秒〜10分程度でよい。なお、処理ガス中の
酸素は18〜90容量%であるのが好ましい。
【0024】
【実施例】実施例1 ジエチレングリコール106gを出発物質とし、触媒に
水酸化カリウムを用いて、常法によりエチレンオキシド
1,400gを逐次導入した後、脱塩精製を行ない、分
子量1,500(水酸基価より算出)、K0.23p
pmのエチレンオキシド単独重合体1,490gを得
た。
【0025】上記重合体500g中に、過塩素酸リチウ
ム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加え、
撹拌して均一な溶液とした後、該溶液中のメタノールを
減圧トッピングして錯体を得た。
【0026】この錯体30gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、得られたペレットを射出成形機(新潟鉄工所製のハ
イパーショット)を用いて成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0027】実施例2 オクタデシルアルコール270gを出発物質とし、触媒
に水酸化カリウムを用いて、エチレンオキシド・プロピ
レンオキシド混合物(モル比4:1)3,000gを反
応させ、脱塩精製を行ない、分子量3,240(水酸基
価より算出)、K0.16ppmのエチレンオキシド
−プロピレンオキシドランダム共重合体を得た。
【0028】上記共重合体500g中に、過塩素酸リチ
ウム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加
え、撹拌して均一な溶液とした後、該溶液中のメタノー
ルを減圧トッピングして錯体を得た。
【0029】この錯体70gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0030】実施例3 p−ノニルフェノール220gを出発物質とし、触媒に
水酸化カリウムを用いて、常法によりプロピレンオキシ
ド5,000gを逐次導入した後、脱塩精製を行ない、
分子量4,980(水酸基価より算出)、K0.17
ppmのプロピレンオキシド単独重合体4,800gを
得た。
【0031】上記重合体500g中に、チオシアン酸カ
リウム25gをアセトン200gに溶解した溶液を加
え、撹拌して均一な溶液とした後、アセトンを減圧トッ
ピングして錯体を得た。
【0032】この錯体50gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0033】実施例4 グリセリン92gを出発物質とし、触媒に水酸化カリウ
ムを用いて、常法によりエチレンオキシド12,500
gを逐次導入した後、脱塩精製を行ない、分子量12,
400(水酸基価より算出)、K0.35ppmのエ
チレンオキシド単独重合体12,350gを得た。
【0034】上記重合体500g中に、過塩素酸リチウ
ム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加え、
撹拌して均一な溶液とした後、メタノールを減圧トッピ
ングして錯体を得た。
【0035】この錯体50gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0036】実施例5 オクタデシルアルコール270gを出発物質とし、触媒
に水酸化カリウムを用いて、エチレンオキシド・プロピ
レンオキシド混合物(モル比1:4)500gを反応さ
せ、脱塩精製を行ない、分子量770(水酸基価より算
出)、K0.1ppmのエチレンオキシド−プロピレ
ンオキシドランダム共重合体700gを得た。
【0037】上記共重合体500g中に、過塩素酸リチ
ウム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加
え、撹拌して均一な溶液とした後、該溶液中のメタノー
ルを減圧トッピングして錯体を得た。
【0038】この錯体70gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0039】実施例6 オクタデシルアルコール270gを出発物質とし、触媒
に水酸化カリウムを用いて、エチレンオキシド1,00
0gを反応させた。次いで、プロピレンオキシド500
gを反応させ、脱塩精製を行ない、分子量1,710
(水酸基価より算出)、K0.1ppmのエチレンオ
キシド−プロピレンオキシドブロック共重合体700g
を得た。
【0040】上記共重合体500g中に、過塩素酸リチ
ウム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加
え、撹拌して均一な溶液とした後、該溶液中のメタノー
ルを減圧トッピングして錯体を得た。
【0041】この錯体70gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0042】実施例7 実施例6と全く同様にしてブロック共重合体を得た後、
さらに重合体末端の水酸基量に対し1.2当量のナトリ
ウムメチラートを添加し、3mmHg、90℃で脱メタ
ノールを行なった。次いで、1.2当量のヨウ化エチル
を減圧下に添加し、その後90℃で反応させて末端をエ
チル基で封鎖した。
【0043】上記共重合体500g中に、過塩素酸リチ
ウム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加
え、撹拌して均一な溶液とした後、該溶液中のメタノー
ルを減圧トッピングして錯体を得た。
【0044】この錯体70gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0045】比較例1 ポリプロピレン樹脂1kgを、二軸押出し機を用いて1
80℃で10分間練り、実施例1と全く同様に成形し、
この成形体(230mm×230mm×3mm)の表面
をガス流量6.75リットル/分、酸素89容量%、窒
素11容量%、圧力0.2mmHg、温度40℃、出力
1,200Wで1分間プラズマ処理して、テストピース
を作成した。
【0046】実施例1〜7および比較例1で得たテスト
ピースは、いずれも物性および外観において大差なく、
その表面抵抗値および引張強さを測定した結果は表1の
通りであった。表面抵抗値は、YHP(横河ヒューレッ
トパッカード)社製の超絶縁抵抗計4329A型を用い
て、印加電圧500Vで電圧をかけてから30秒後に測
定した。引張強さは、JIS K7113に従って測定
した。
【0047】
【表1】
【0048】実施例8 実施例1で得られたテストピースをアースし、静電圧−
30kV、レシプロストローク400mm、吹き付け距
離300mm、コンベア速度2.2m/分の塗装機(ラ
ンズバーグ・ゲマ社製μμBEL30φ)でウレタン塗
装した。
【0049】実施例9 実施例4で得られたテストピースをアースし、静電圧−
30kV、レシプロストローク400mm、吹き付け距
離300mm、コンベア速度2.2m/分の塗装機(ラ
ンズバーグ・ゲマ社製μμBEL30φ)でウレタン塗
装した。
【0050】実施例10 メタノール320gを出発物質とし、触媒に水酸化カリ
ウムを用いて、常法によりエチレンオキシド4,690
gを逐次導入した後、脱塩精製を行ない、分子量500
(水酸基価より算出)、K0.3ppmのエチレンオ
キシド単独重合体4,980gを得た。次いで、この重
合体末端の水酸基量に対し1.2当量のナトリウムメチ
ラートを添加し、3mmHg、90℃で脱メタノールを
行なった。次いで、1.2当量の臭化n−オクチルを減
圧下に添加し、その後90℃で反応させて末端をオクチ
ル基で封鎖した。
【0051】上記重合体500g中に、過塩素酸リチウ
ム25gをメタノール100gに溶解した溶液を加え、
撹拌して均一な溶液とした後、メタノールを減圧トッピ
ングして錯体を得た。
【0052】この錯体70gとポリプロピレン樹脂1k
gを、二軸押出し機を用いて180℃で10分間混練
し、実施例1と全く同様に成形し、得られた成形体(2
30mm×230mm×3mm)の表面をガス流量6.
75リットル/分、酸素89容量%、窒素11容量%、
圧力0.2mmHg、温度40℃、出力1,200Wで
1分間プラズマ処理して、テストピースを作成した。
【0053】次に、得られたテストピースをアースし、
静電圧−30kV、レシプロストローク400mm、吹
付け距離300mm、コンベア速度2.2m/分の塗装
機(ランズバーグ・ゲマ社製μμBEL30φ)でウレ
タン塗装した。
【0054】比較例2 比較例1で得られたテストピースをアースし、静電圧−
30kV、レシプロストローク400mm、吹き付け距
離300mm、コンベア速度2.2m/分の塗装機(ラ
ンズバーグ・ゲマ社製μμBEL30φ)でウレタン塗
装した。
【0055】実施例8〜10および比較例2において静
電塗装した塗料の膜厚および塗着効率は表2の通りであ
った。
【0056】
【表2】
【0057】なお、膜厚は断面の顕微鏡観察により肉眼
で測定した。また、塗着効率は、塗装前後の重量差と吐
出した塗料の絶乾重量との関係より、以下の式に従って
求めた。式中のTPとはテストピースを示す。
【数1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、導電性の低い樹脂を使
用して、その樹脂の物性および色相を実質的に害するこ
となく、著しく導電性を改良した樹脂成形体を得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 河野 通之 寝屋川市香里本通町14−1 (72)発明者 森 茂男 京都市西京区桂千代原町35−1 (72)発明者 江口 正芳 神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東 自動車工業株式会社内 (72)発明者 佐川 吉武 神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東 自動車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−78506(JP,A) 特開 平5−86217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 C08G 65/06 - 65/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂成形体原料に、アルキレンオキシド重
    合体とこれに可溶性の電解質塩との錯体を練り込み、そ
    の混練物を成形し、得られた成形体の表面をプラズマ処
    理する樹脂成形体の導電性改良方法であって、 前記アルキレンオキシド重合体が、エチレンオキシド単
    量体の単独重合体、プロピレンオキシド単量体の単独重
    合体、およびエチレンオキシド単量体とプロピレンオキ
    シド単量体のブロック共重合体またはランダム共重合体
    からなる群より選択された少なくとも一種で、かつその
    分子末端の少なくとも一端に、炭素数4以上のアルキル
    基、炭素数4以上のアルケニル基、アリール基、アルキ
    ルアリール基またはアラルキル基を有することを特徴と
    する樹脂成形体の導電性改良方法。
  2. 【請求項2】樹脂成形体原料に、アルキレンオキシド重
    合体とこれに可溶性の電解質塩との錯体を練り込み、そ
    の混練物を成形し、得られた成形体の表面をプラズマ処
    理する樹脂成形体の導電性改良方法であって、 前記アルキレンオキシド重合体が、エチレンオキシド単
    量体の単独重合体、プロピレンオキシド単量体の単独重
    合体、およびエチレンオキシド単量体とプロピレンオキ
    シド単量体のブロック共重合体またはランダム共重合体
    からなる群より選択された少なくとも一種であることを
    特徴とする樹脂成形体の導電性改良方法。
JP8234992A 1992-04-03 1992-04-03 樹脂成形体の導電性改良方法 Expired - Fee Related JP3180143B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101618810B1 (ko) * 2014-05-13 2016-05-09 (주)피엔티 패널 양면 코팅 장치
KR101681365B1 (ko) * 2013-03-15 2016-11-30 가부시키가이샤 스크린 홀딩스 노즐 세정 장치, 도포 장치, 노즐 세정 방법, 및 도포 방법

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