JP3179530B2 - 極低Ｔｉ鋼の溶製方法 - Google Patents
極低Ｔｉ鋼の溶製方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、極低Ti鋼の溶製方法
に関するもので、極低Ti鋼は例えば２次再結晶粒を（１
１０）〔００１〕方位すなわちゴス方位に高度に集積さ
せた一方向性けい素鋼板の製造に有利に適合する。
に関するもので、極低Ti鋼は例えば２次再結晶粒を（１
１０）〔００１〕方位すなわちゴス方位に高度に集積さ
せた一方向性けい素鋼板の製造に有利に適合する。
【０００２】一方向性けい素鋼板は主にトランス等の電
気機器の鉄芯として使用されるもので、磁化特性並びに
鉄損特性に優れることが要求される。特に近年電気機器
の小型化の要請から、通常B10 値で代表される磁束密度
の高い、具体的にはB10 値で1.91Ｔを越える一方向性け
い素鋼板に対する要求はとりわけ強い。
気機器の鉄芯として使用されるもので、磁化特性並びに
鉄損特性に優れることが要求される。特に近年電気機器
の小型化の要請から、通常B10 値で代表される磁束密度
の高い、具体的にはB10 値で1.91Ｔを越える一方向性け
い素鋼板に対する要求はとりわけ強い。
【０００３】例えばB10 値が1.89Ｔを越えるけい素鋼板
の製造方法に関して特開昭54−35817 号公報には、Ti及
び酸可溶性Alをそれぞれ0.003 wt％（以下単に％と示
す）以下とし、Ｃ：0.06％以下、Si：2.0 〜4.0 ％、M
n：0.01〜0.20％、Se若しくはＳの何れか少なくとも１
種を合計で0.008 〜0.10％、Sb, As, Bi, Pb及びSnのう
ちから選ばれる１種又は２種以上を合計で0.005 〜0.10
％含有し、残部実質的にFeよりなるけい素鋼素材を、熱
間圧延と40〜80％の圧下率の最終冷延を含む圧延工程に
よって最終板厚の冷延板を得て、この冷延板に対し脱炭
を兼ねた１次再結晶焼鈍を施した後、800 〜920 ℃の温
度で（１１０）〔００１〕方位の２次再結晶粒を十分成
長させ、引続き1000℃以上の温度で不純物を除去する最
終焼鈍を施す工程からなる製造方法についての開示があ
る。
の製造方法に関して特開昭54−35817 号公報には、Ti及
び酸可溶性Alをそれぞれ0.003 wt％（以下単に％と示
す）以下とし、Ｃ：0.06％以下、Si：2.0 〜4.0 ％、M
n：0.01〜0.20％、Se若しくはＳの何れか少なくとも１
種を合計で0.008 〜0.10％、Sb, As, Bi, Pb及びSnのう
ちから選ばれる１種又は２種以上を合計で0.005 〜0.10
％含有し、残部実質的にFeよりなるけい素鋼素材を、熱
間圧延と40〜80％の圧下率の最終冷延を含む圧延工程に
よって最終板厚の冷延板を得て、この冷延板に対し脱炭
を兼ねた１次再結晶焼鈍を施した後、800 〜920 ℃の温
度で（１１０）〔００１〕方位の２次再結晶粒を十分成
長させ、引続き1000℃以上の温度で不純物を除去する最
終焼鈍を施す工程からなる製造方法についての開示があ
る。
【０００４】
【従来の技術】上記の製造に供するけい素鋼素材を溶製
するには、溶銑を転炉で脱炭吹錬したのち出鋼し、取鍋
内若しくはRH脱ガス装置内で金属Si若しくはFeSi合金、
さらにSe若しくはＳの合金、又はSb, As, Bi, Pb及びSn
のうちから選ばれる１種又は２種以上を含む合金を添加
することによって成分調整を行うのが通例である。
するには、溶銑を転炉で脱炭吹錬したのち出鋼し、取鍋
内若しくはRH脱ガス装置内で金属Si若しくはFeSi合金、
さらにSe若しくはＳの合金、又はSb, As, Bi, Pb及びSn
のうちから選ばれる１種又は２種以上を含む合金を添加
することによって成分調整を行うのが通例である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記けい素鋼素材の溶
製方法においては、(1) 合金剤特にFeSi合金はTiを多量
に含むため、けい素鋼素材にTiが混入する、(2) FeSi合
金を溶鋼に添加すると取鍋スラグのTiO2が還元され、Ti
として溶鋼中に混入する、のが不可避に生じる。すなわ
ちけい素鋼素材中のTiの混入量は10ppmを下回ることは
なく、このような不純物の多いけい素鋼素材から磁束密
度の高いけい素鋼板を製造するのは極めて難しい。一方
Tiを10ppm 未満とするには、極めて純度の高い金属Siを
必要とするため不経済で、したがってB10 値の高いもの
を工業的に得ることは困難であった。
製方法においては、(1) 合金剤特にFeSi合金はTiを多量
に含むため、けい素鋼素材にTiが混入する、(2) FeSi合
金を溶鋼に添加すると取鍋スラグのTiO2が還元され、Ti
として溶鋼中に混入する、のが不可避に生じる。すなわ
ちけい素鋼素材中のTiの混入量は10ppmを下回ることは
なく、このような不純物の多いけい素鋼素材から磁束密
度の高いけい素鋼板を製造するのは極めて難しい。一方
Tiを10ppm 未満とするには、極めて純度の高い金属Siを
必要とするため不経済で、したがってB10 値の高いもの
を工業的に得ることは困難であった。
【０００６】この発明は上記問題点を解決するために成
されたもので、合金剤添加後の溶鋼の成分を調整するこ
とによって、不純物の少ないけい素鋼素材用の極低Ti鋼
を溶製し得る方法について提案することを目的とする。
されたもので、合金剤添加後の溶鋼の成分を調整するこ
とによって、不純物の少ないけい素鋼素材用の極低Ti鋼
を溶製し得る方法について提案することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この発明は、取鍋に収容
した溶鋼に、フラックスを添加して成分調整するに当た
り、SiとSiO 2 の混合物を含むフラックスを用いて滓化を
促進し、取鍋内のスラグの塩基度 CaO／SiO2を0.6 〜
2.0の範囲に調整することを特徴とする極低Ti鋼の溶製
方法である。
した溶鋼に、フラックスを添加して成分調整するに当た
り、SiとSiO 2 の混合物を含むフラックスを用いて滓化を
促進し、取鍋内のスラグの塩基度 CaO／SiO2を0.6 〜
2.0の範囲に調整することを特徴とする極低Ti鋼の溶製
方法である。
【０００８】
【作用】合金元素添加後の溶鋼を収容した取鍋内のスラ
グを、この発明に従う成分組成の範囲内に保つことによ
り、溶鋼中のTi量を10ppm 未満にすることができる。な
ぜなら取鍋内のスラグの成分調整を行うことによって、
Ti分配比を高め、取鍋スラグ中のTiがスラグから溶鋼中
へ移行するのを防止し得るためである。すなわちSi又は
FeSiとSiO2との混合物を含むフラックスを添加すると、
Siとスラグ中の酸素が反応しSiO2が生成してSiO2分が増
加し、さらにSiO2の生成熱により、添加したSiO2フラッ
クスの滓化も促進され、塩基度 CaO／SiO2の低下が達成
される。
グを、この発明に従う成分組成の範囲内に保つことによ
り、溶鋼中のTi量を10ppm 未満にすることができる。な
ぜなら取鍋内のスラグの成分調整を行うことによって、
Ti分配比を高め、取鍋スラグ中のTiがスラグから溶鋼中
へ移行するのを防止し得るためである。すなわちSi又は
FeSiとSiO2との混合物を含むフラックスを添加すると、
Siとスラグ中の酸素が反応しSiO2が生成してSiO2分が増
加し、さらにSiO2の生成熱により、添加したSiO2フラッ
クスの滓化も促進され、塩基度 CaO／SiO2の低下が達成
される。
【０００９】ここで CaO／SiO2とTi分配比との関係を、
図１に示すように、 CaO／SiO2を低下することでTi分配
比を増加することができ、同図から CaO／SiO2を0.6 〜
2.0の範囲にするとTi分配比は90〜150 となり、鋼中Ti
含有量が10ppm 以下の溶鋼を溶製できる。すなわち CaO
／SiO2が0.6 未満になると取鍋スラグの流動性が悪くな
り、有効なスラグと溶鋼の反応が行えなくなるだけでな
く溶鋼中の酸素が増加し、磁性改善効果が得られない。
一方 CaO／SiO2が高くなると溶鋼中のTiの混入率が高く
なるので2.0 を上限とする。なお図１に結果を示した実
験は、Si=3.0%を含むけい素鋼（出鋼時のスラグ塩基
度：3.1)を、出鋼した取鍋上にSi-SiO2 系フラックスを
添加し、取鍋内スラグ塩基度を0.5 とした操業におい
て、溶鋼及びスラグのサンプルを採取し、それぞれのTi
含有量を調査してTi分配比を求めた。
図１に示すように、 CaO／SiO2を低下することでTi分配
比を増加することができ、同図から CaO／SiO2を0.6 〜
2.0の範囲にするとTi分配比は90〜150 となり、鋼中Ti
含有量が10ppm 以下の溶鋼を溶製できる。すなわち CaO
／SiO2が0.6 未満になると取鍋スラグの流動性が悪くな
り、有効なスラグと溶鋼の反応が行えなくなるだけでな
く溶鋼中の酸素が増加し、磁性改善効果が得られない。
一方 CaO／SiO2が高くなると溶鋼中のTiの混入率が高く
なるので2.0 を上限とする。なお図１に結果を示した実
験は、Si=3.0%を含むけい素鋼（出鋼時のスラグ塩基
度：3.1)を、出鋼した取鍋上にSi-SiO2 系フラックスを
添加し、取鍋内スラグ塩基度を0.5 とした操業におい
て、溶鋼及びスラグのサンプルを採取し、それぞれのTi
含有量を調査してTi分配比を求めた。
【００１０】また取鍋スラグ中に不可避的に含まれるMg
O, FeO及びMnO は低い方が望ましいが、これらの総和
が15％以下なら実質的な影響は無視し得る。
O, FeO及びMnO は低い方が望ましいが、これらの総和
が15％以下なら実質的な影響は無視し得る。
【００１１】
【実施例】180t の溶鋼を転炉から取鍋に出鋼中、次の
組成を有する混合フラックス400kgを添加した。
組成を有する混合フラックス400kgを添加した。
【００１２】＜混合フラックス組成＞ Si：50％ SiO2：45％ Al203 ：４％ MgO ：0.7 ％ MnO ：0.2 ％
【００１３】この混合フラックスは転炉から流出した約
1.5ｔのスラグ及びFeSi合金の一部が酸化されて生成し
たSiO2などと溶解し合い、次の組成を有するほぼ均質な
取鍋スラグを生成し、Ti分配比は126 となった。
1.5ｔのスラグ及びFeSi合金の一部が酸化されて生成し
たSiO2などと溶解し合い、次の組成を有するほぼ均質な
取鍋スラグを生成し、Ti分配比は126 となった。
【００１４】＜取鍋スラグ組成＞ CaO／SiO2：0.93 CaO：40.8％ SiO2 ：43.9％ Al2O3：5.6 ％ TiO2 ：0.1 ％ (MnO＋FeO ＋MgO)：4.3 ％
【００１５】その後溶鋼に1550℃で約20分間のRH脱ガス
処理を施し、連続鋳造法にて鋳造しけい素鋼スラブを得
た。このスラブの化学成分組成は次の通りであり、Tiの
混入量は７ppm であった。 ＜けい素鋼スラブの化学成分組成＞ Ｃ：0.04％、Si：3.40％、Mn：7.0 ％、Se：0.019 ％、
Sb：0.025 ％、Al：0.001 ％、Ti：７ppm 、Ｏ：14 ppm
処理を施し、連続鋳造法にて鋳造しけい素鋼スラブを得
た。このスラブの化学成分組成は次の通りであり、Tiの
混入量は７ppm であった。 ＜けい素鋼スラブの化学成分組成＞ Ｃ：0.04％、Si：3.40％、Mn：7.0 ％、Se：0.019 ％、
Sb：0.025 ％、Al：0.001 ％、Ti：７ppm 、Ｏ：14 ppm
【００１６】次いでこのけい素鋼スラブを用いて上述の
特開昭54−35817 号公報に従う手順で方向性けい素鋼板
とした。かくして得られた板厚0.2 〜0.3 mmの製品の磁
気特性はB10 値の平均値が1.89Ｔ以上で1.90Ｔを越える
製品が得られ、鉄損W17/50値も0.87w/kg以下のものが得
られた。
特開昭54−35817 号公報に従う手順で方向性けい素鋼板
とした。かくして得られた板厚0.2 〜0.3 mmの製品の磁
気特性はB10 値の平均値が1.89Ｔ以上で1.90Ｔを越える
製品が得られ、鉄損W17/50値も0.87w/kg以下のものが得
られた。
【００１７】また比較として、上記と同様の処理を、添
加する混合フラックスを CaO-SiO2 系フラックスに変更
して行った場合の取鍋スラグ組成は次の通りであり、得
られた連鋳スラブのTi混入量は13ppmであった。 ＜取鍋スラグ組成＞ CaO／SiO2：2.3 Al2O3 ：５％ TiO2 ：0.02％ (MnO＋FeO ＋MgO)：5.2 ％
加する混合フラックスを CaO-SiO2 系フラックスに変更
して行った場合の取鍋スラグ組成は次の通りであり、得
られた連鋳スラブのTi混入量は13ppmであった。 ＜取鍋スラグ組成＞ CaO／SiO2：2.3 Al2O3 ：５％ TiO2 ：0.02％ (MnO＋FeO ＋MgO)：5.2 ％
【００１８】次いでこの連鋳スラブを上記実施例と同様
に方向性けい素鋼板としたところ、この鋼板の磁気特性
はB10 値の平均値が 1.87 Ｔで 1.89 Ｔを越える製品は
ほとんど得られず、鉄損W17/50値は 0.89 w/kgであっ
た。
に方向性けい素鋼板としたところ、この鋼板の磁気特性
はB10 値の平均値が 1.87 Ｔで 1.89 Ｔを越える製品は
ほとんど得られず、鉄損W17/50値は 0.89 w/kgであっ
た。
【００１９】ちなみにこの発明に従うTiの混入低減方法
は、高炭素軸受鋼や極細線用鋼等の溶製にも適用でき
る。
は、高炭素軸受鋼や極細線用鋼等の溶製にも適用でき
る。
【００２０】
【発明の効果】この発明に従う方法によって、Ti混入量
を10ppm 未満に抑えることができ、特に高磁束密度でか
つ低鉄損の方向性けい素鋼板の製造に有利に適合する鋼
素材を工業的に溶製し得る。
を10ppm 未満に抑えることができ、特に高磁束密度でか
つ低鉄損の方向性けい素鋼板の製造に有利に適合する鋼
素材を工業的に溶製し得る。
【図１】スラグの塩基度とTi分配比との関係を示すグラ
フである。
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C21C 7/00,7/04,7/076
Claims (1)
- 【請求項１】 取鍋に収容した溶鋼に、フラックスを添
加して成分調整するに当たり、SiとSiO 2 の混合物を含む
フラックスを用いて滓化を促進し、取鍋内のスラグの塩
基度 CaO／SiO2を0.6 〜 2.0の範囲に調整することを特
徴とする極低Ti鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24938091A JP3179530B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 極低Ｔｉ鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24938091A JP3179530B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 極低Ｔｉ鋼の溶製方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0586413A JPH0586413A (ja) | 1993-04-06 |
| JP3179530B2 true JP3179530B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=17192155
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24938091A Expired - Fee Related JP3179530B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 極低Ｔｉ鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3179530B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5509913B2 (ja) * | 2010-02-23 | 2014-06-04 | Ｊｆｅスチール株式会社 | Ｓ及びＴｉ含有量の少ない高Ｓｉ鋼の溶製方法 |
| CN102296157B (zh) | 2010-06-23 | 2013-03-13 | 宝山钢铁股份有限公司 | 超低碳铝硅镇静钢的极低Ti控制方法 |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP24938091A patent/JP3179530B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0586413A (ja) | 1993-04-06 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |