JP3179500B2 - 原子力プラント及びその運転方法 - Google Patents

原子力プラント及びその運転方法

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JP3179500B2 JP52215396A JP52215396A JP3179500B2 JP 3179500 B2 JP3179500 B2 JP 3179500B2 JP 52215396 A JP52215396 A JP 52215396A JP 52215396 A JP52215396 A JP 52215396A JP 3179500 B2 JP3179500 B2 JP 3179500B2
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直人 植竹
秀幸 細川
誠 長瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はプラントの運転方法に係り、特に軽水または
重水を冷却材として用いる原子力プラントに好適なプラ
ントの運転方法、及びこれを実施する原子力プラントに
関する。
背景技術 原子力プラントでは、原子炉内において中性子照射に
より生じた放射性核種が一次冷却系配管などに付着し、
定検時に作業者の放射線被曝の原因となる。このため、
配管への放射性核種の付着を防止する様々な方法が検討
されている。
このような方法の一つとして、一定条件下で予め安定
な予備酸化被膜を配管内面に形成させておく技術が特開
昭62−24195号公報に記載されている。しかし、この方
法では、通常でも原子炉運転中に酸化膜が成長するた
め、予備酸化の効果が時間とともに小さくなる欠点があ
る。また、予備酸化処理は時間がかかる欠点がある。
一方、炉水中に亜鉛(Zn)を注入して放射性核種の配
管への付着を防止する技術が特開昭60−201295号公報に
記載されている。しかし、この方法では、注入した亜鉛
が放射化してZn−65(半減期244日)を生成し、配管線
量がかえって上昇してしまう場合がある。この対策とし
て、Zn−65の親核種であるZn−64を同位体分離して減ら
した亜鉛を用いる方法が特開昭63−172999号公報に記載
されている。しかし、この方法では、同位体分離のコス
トが高く経済的に問題がある。
本発明の目的は、低コストで確実に配管線量を低減で
き、且つ効果の持続性を有する原子力プラント及びその
運転方法を提供することにある。
発明の開示 上記目的は、酸化物がコランダム構造をとる金属を、
原子炉運転中に連続的に一次冷却水中に注入することに
より達成される。
初めに、原子力プラントの配管への放射性核種の付着
メカニズムについて説明する。第3図はこの付着メカニ
ズムを模式的に示したものである。炉水中の放射性核種
で定検時に問題となるのは比較的半減期の長いCo−58及
びCo−60のコバルトの放射性同位体である。これらの放
射性核種はほとんどが炉水中でコバルト2価イオンとし
て存在している。配管として用いられるステンレス鋼等
の表面では、腐食に伴い母材から鉄が酸化膜を通して溶
出し、鉄2価イオンとなる。この鉄2価イオンは水中の
溶存酸素によって酸化され鉄3価イオンとなるが、鉄3
価イオンの溶解度は非常に低いために再び酸化物固体と
なって配管表面に析出する。
この際、近くに2価の金属イオンが存在すると、鉄3
価イオンの一部は2価の金属イオンを含むスピネル型の
酸化物であるフェライト(XFe2O4,Xは2価の金属イオ
ン)として析出する。2価の金属イオンが存在しない場
合は、コランダム型の酸化物であるヘマタイト(α−Fe
2O3)として析出する。ここで、スピネル型とは化学式X
Y2O4で表わされる酸化物の構造を意味し、コランダム型
とは化学式Z2O3(Zは3価の金属イオン)で表わされる
酸化物の構造を意味する。
フェライトとしては、炉水中での存在量が最も多い2
価の金属イオンであるニッケルイオンとの反応で形成さ
れるニッケルフェライトが主体であるが、その他にコバ
ルトイオンも含まれ、結果として放射性核種の配管付着
を引き起こす。
亜鉛イオンも2価イオンであるためフェライト化する
が、その安定度が相対的に低いため析出すると直ぐに溶
解してしまうので、結果的にフェライトとしての付着量
が減少する。
しかし、フェライトとして析出を防ぐ方法はこればか
りではない。発明者らによる研究の結果、コランダム型
酸化物を形成しやすい金属イオンが鉄と共存する場合に
は、鉄はフェライトとしての析出が生じにくく、コラン
ダム型酸化物であるヘマタイトとしての析出が生じ易い
ことが新しい知見として判明した。
これは次のような理由によるものと考えられる。即
ち、析出初期には鉄3価イオンからヘマタイトの微小粒
子が配管表面に析出する。析出したヘマタイトはコラン
ダム構造を有するため、これと結晶構造が類似している
コランダム型酸化物を形成する3価の金属イオンが配管
表面に付着し易くなる。付着した3価の金属イオンは配
管表面にコランダム型酸化物(Z2O3,Zは3価の金属イオ
ン)として安定に析出するので、ヘマタイトが水中の2
価の金属イオンと結合してフェライトに変化することを
防ぐことができる。
この結果、コバルトを含むフェライトが配管表面に析
出することを極力抑えることができるので、配管への放
射性核種の付着を抑制し、配管線量を確実に低減するこ
とができる。
このようなコランダム型酸化物を形成する金属イオン
としては、アルミニウム3価イオン,ガリウム3価イオ
ン,クロム3価イオン,チタン3価イオン,バナジウム
3価イオン,鉄3価イオン,ロジウム3価イオンなどが
ある。このうち、鉄3価イオンは前述したフェライトの
発生源となるので、本発明の注入金属としては好ましく
ない。また、チタン3価イオン,バナジウム3価イオ
ン,ロジウム3価イオンはコランダム型酸化物の安定性
が余り良くないので、本発明の注入金属としては、コラ
ンダム型酸化物の安定性が良いアルミニウム3価イオ
ン,ガリウム3価イオン,クロム3価イオンの方が好ま
しい。また、クロム3価イオンは炉水中での安定性が良
くなく、すぐにクロム酸イオン(クロム6価イオンに相
当)に変化してしまうので、クロムを用いる場合は、ク
ロム酸イオンをクロム3価イオンに還元する還元剤と共
用するか、還元雰囲気で用いる必要がある。
一方、炉水中に添加した金属イオンが炉心部で放射化
されると、コランダム型酸化物であるヘマタイト中に残
留して配管に付着し配管線量を上昇させる原因になる。
このため、添加する金属イオンはこのような二次的な放
射性核種の生成の問題がないものを選ぶ必要がある。
第8図はコランダム型酸化物になり易い金属の核特性
を亜鉛と比較して示したものである。第8図のように、
クロムは放射化してできる生成核種の半減期が比較的長
い(27.8日)が、アルミニウム及びガリウムは生成核種
の半減期が短い(Alが2.24分、Gaが14.1時間)ため、減
衰が早いので実際上問題とはならない。
従って、アルミニウムやガリウムを用いれば中性子に
よる放射化で長い半減期の核種が生成することもない。
また、アルミニウムやガリウムの場合、同位体分離の必
要がなく資源としての存在量も多いので、コストは非常
に安く済む。特にアルミニウムは生成核種の半減期が短
く、高純度のものが安く得られる。更に、アルミニウム
はこれまでも炉水中からその存在が検出されているた
め、注入により新たな問題が発生することも少ない。
また、クロムにしても、一ヶ月弱の半減期が許容され
るプラントに対しては、充分に適用できる。更に、チタ
ン,バナジウム,ロジウムに関しては、半減期が夫々5.
76分,3.75分,42.3秒と十分に短いので、コランダム型酸
化物の安定性の悪さが許容される場合には、充分に適用
できる。
注入量はフェライトの析出に寄与する2価金属イオン
濃度との比が一定値以上(少なくとも1以上)になるよ
うに制御すれば良く、実際上は炉水中の2価金属イオン
の主成分であるニッケルイオンと注入する金属イオンと
の比を指標とすれば良い。注入量が多過ぎるとイオン交
換樹脂などを含む一次冷却水浄化装置の寿命を縮めるこ
とになるので、注入量は効果がある範囲でできるだけ少
なくする必要がある。また、被曝の原因となる配管線量
を直接測定し、その上昇率に基づいて注入量を制御して
も良い。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明を沸騰水型原子力発電プラントに適
用した第1の実施例を示す図である。
第2図は、第1の実施例のアルミニウム電解装置を示
す図である。
第3図は、原子力プラントの配管への放射性核種の付
着メカニズムを説明する図である。
第4図は、原子力プラントの配管へのコランダム型酸
化物の析出メカニズムを説明する図である。
第5図は、配管に付着する放射能量の経時変化を示す
図である。
第6図は、本発明を沸騰水型原子力発電プラントに適
用した第2の実施例を示す図である。
第7図は、本発明を加圧水型原子力発電プラントに適
用した第3の実施例を示す図である。
第8図は、コランダム型酸化物になり易い金属の核特
性を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 第1図に本発明を沸騰水型原子力発電プラントに適用
した第1の実施例を示す。本プラントは、核燃料25,タ
ービン21,復水器22,復水浄化装置23,給水加熱器24,再循
環系26,炉水浄化装置27,アルミニウム注入装置などで構
成される。
タービン21を出た蒸気は復水器22で液体に戻され、復
水器22を出た復水は復水浄化装置23により不純物を除去
される。復水浄化装置23で浄化された復水は給水加熱器
24により加熱されるが、その際、給水加熱器24の配管の
腐食に伴い金属腐食生成物が発生し、これが給水ととも
に炉内へ持ち込まれる。
炉内に持ち込まれた金属腐食生成物は核燃料25の燃料
棒の沸騰部表面に付着し、そこで核燃料25の核分裂で生
じた中性子の照射を受けることにより放射化して、放射
性核種となる。核燃料25の表面で生成した放射性核種の
一部は、再び炉水中に溶出する。炉水中に溶出した放射
性核種のうち、一部は炉水浄化装置27により除去される
が、残りは再循環系26を循環するうちに配管表面の酸化
の進行に伴い酸化皮膜内に取り込まれ、配管線量率の上
昇原因となる。
このような放射性核種の配管への付着を防ぐために、
本実施例ではアルミニウム注入装置としてアルミニウム
溶液タンク29とアルミニウム注入ポンプ28を設け、復水
浄化装置23と給水加熱器24の間から、原子炉の運転中に
連続的又は断続的にアルミニウムを注入するようにして
いる。このようにして炉水中にコランダム構造を形成し
易いアルミニウムイオンを持続的に存在させることによ
り、被曝の主要因となる核種であるコバルト−60及びコ
バルト−58の2価のコバルトイオンがコバルトを含むフ
ェライトを形成して配管内表面に付着することを妨害で
きるので、配管線量を確実に低減することができる。
注入するアルミニウムは、水酸化アルミニウムの懸濁
液の形態でアルミニウム溶液タンク29に供給し、炉水中
のアルミニウム濃度が約50ppbとなるような速度で注入
する。注入するアルミニウムの他の形態としては、第3
図のようなアルミニウム電解装置33を用いる方法もあ
る。本装置では、直流電源の陽極側に金属アルミニウム
電極31を、陰極側に白金電極32を接続して、電解により
注入するアルミニウムイオンを含む溶液を生成する。こ
のアルミニウム電解装置33はアルミニウム溶液タンク29
の代わりに使用することもできる。
炉水条件を模擬した高温水を循環させるループ装置中
に放射性核種であるコバルト−58を添加し、更に炉水模
擬装置中の亜鉛イオン濃度が50ppbとなるように亜鉛イ
オンを注入し続けた場合、炉水模擬装置中のアルミニウ
ムイオン濃度が50ppbとなるようにアルミニウムイオン
を注入し続けた場合、及び何も注入しない場合における
炉水模擬装置のステンレス鋼配管へのコバルト−58の付
着量を測定した例を第4図に示す。第4図から、模擬炉
水中にアルミニウムイオンを存在させることにより、配
管表面に付着するコバルト−58の量が、亜鉛イオンを存
在させた場合と同程度に低減されていることが判る。
また、注入するアルミニウムの他の形態としては、ア
ルミニウムエトキシド,アルミニウムイソプロポキシ
ド,乳酸アルミニウムなどのアルミニウムの有機金属化
合物を用いて、水溶液,有機溶剤との溶液,水との懸濁
液、又は有機溶剤との懸濁液という形態でアルミニウム
溶液タンク29に提供することができる。これらの有機ア
ルミニウム化合物は、炉内に注入されるとその高温条件
や放射線照射のために分解し、一部はアルミニウムイオ
ンとして炉水中に存在することになる。
尚、本実施例では炉水中のアルミニウム濃度が約50pp
bの例について説明したが、上記した効果を達成するた
めに必要なアルミニウム濃度としては、フェライトの発
生源となる炉水中の2価の金属イオンの濃度以上が目安
となる。炉水中の2価の金属イオンの主成分としてはニ
ッケルイオンが考えられるので、アルミニウム濃度がニ
ッケル濃度以上となるように制御すれば、配管線量の低
減効果を得ることができる。具体的には、炉水中のニッ
ケル濃度は、原子炉の起動運転時に2〜3ppb程度、原子
炉の営業運転時(通常運転時)に0.2〜0.3ppb程度とな
ることが知られており、このような運転状態に応じて炉
水中のアルミニウム濃度を制御すれば良い。
次に、第6図を用いて本発明を沸騰水型原子力発電プ
ラントに適用した第2の実施例を説明する。本実施例が
第1図に示した第1の実施例と異なる点は、炉水中のア
ルミニウム濃度を分析する元素分析装置51と、元素分析
装置51の分析結果に基づいてアルミニウム注入ポンプ28
を制御する制御装置53を備えたことである。
本実施例では、前述した放射性核種の配管への付着を
防ぐために、炉水中のアルミニウム濃度を連続してモニ
タリングするために、炉水浄化装置27の上流側にサンプ
リングライン50を設けてイオンクロマトグラフやICP−M
S等の元素分析装置51でアルミニウム濃度を分析し、ア
ルミニウム濃度に対応する信号が制御装置53に送信され
る。制御装置53は、アルミニウム濃度に対応する信号及
びその変化量に基づいてアルミニウム注入ポンプ28を制
御して、炉水中のアルミニウム濃度が所定の範囲内に納
まるようにアルミニウム溶液タンク29からのアルミニウ
ム注入速度を制御する。
このような制御により、第1の実施例で得られる効果
に加えて、配管への放射性核種の付着を抑制するために
必要な量以上にアルミニウムが原子炉圧力容器内に持ち
込まれることを防止することもできる。
本実施例による第2のアルミニウム注入量の制御方法
では、第6図の元素分析装置51で炉水中のアルミニウム
濃度及びニッケル濃度の両方を分析し、アルミニウム濃
度及びニッケル濃度に対応する信号を制御装置53に送信
する。この場合、制御装置53は、炉水中のアルミニウム
とニッケルの濃度比を求め、この濃度比に基づいてアル
ミニウム注入ポンプ28を制御して、濃度比が所定の範囲
内に納まるようにアルミニウム溶液タンク29からのアル
ミニウム注入速度を制御する。
このような制御により、炉水中のアルミニウムとニッ
ケルの濃度比を所定の範囲内に調節し、配管へのコバル
ト付着を効果的に抑制できると共に、アルミニウム注入
量を必要最小限に留めることができる。
本実施例による第3のアルミニウム注入量の制御方法
では、第6図に示す放射線計測装置55で再循環系26の表
面線量率を計測し、制御装置53はこの表面線量率に対応
する信号を放射線計測装置55から入力し、この信号に基
づいて表面線量率の変化率を求める。この変化率が所定
の許容範囲を越えて大きくなり過ぎた場合、制御装置53
はアルミニウム溶液タンク29からのアルミニウム注入量
を増やすように、アルミニウム注入ポンプ28を制御す
る。
このような制御により、配管へのコバルト付着を効果
的に抑制できると共に、アルミニウム注入量を必要最小
限に留めることができる。尚、表面線量率を計測する場
所は再循環系26以外でも良く、例えば炉水浄化装置27の
上流側などでも良い。
次に、第7図を用いて本発明を加圧水型原子力発電プ
ラントに適用した第3の実施例を説明する。本プラント
は、圧力容器60,加圧器62,核燃料63,蒸気発生器64,浄化
装置65,ほう酸水注入系66,希釈水注入系67,アルミニウ
ム注入系68などで構成される。
本実施例では、加圧器62で一次系冷却水61を加圧して
沸騰しないようにしている。この一次系冷却水61は圧力
容器60内の核燃料63によって加熱され、昇温した水は蒸
気発生器64で熱交換し、熱を二次系冷却水69に渡して再
び圧力容器60内に戻る。この際、一次系冷却水61の一部
は炉水浄化系に導かれ浄化装置65で不純物が取り除かれ
る。蒸気発生器64で発生した蒸気は、タービン21におい
て発電に利用され、復水器22により水に戻される。ま
た、加圧水型原子炉では核燃料63の反応の制御を、一次
系冷却水61の流量と、一次系冷却水61中のほう酸濃度の
両者を用いて行うため、浄化装置65の下流側にほう酸水
注入系66と希釈水注入系67が接続されている。
このような構成のため加圧水型原子炉では、一次系冷
却水61と接する配管に放射性核種が付着して被曝の原因
となる。この放射性核種の配管への付着を防ぐために、
本実施例ではアルミニウム注入系68を設け、その一次系
冷却水61への注入位置を浄化装置65と圧力容器60の間に
設け、原子炉の運転中に連続的または断続的にアルミニ
ウムを注入する。
このようにして、炉水中にコランダム構造を形成し易
いアルミニウムイオンを持続的に存在させることによ
り、被曝の主要因となる核種であるコバルト−60及びコ
バルト−58の2価のコバルトイオンがコバルトを含むフ
ェライトを形成して配管内表面に付着することを妨害で
きるので、配管線量を確実に低減することができる。
本実施例においても、第1及び第2の実施例で説明し
たように、注入するアルミニウムの形態として、水酸化
アルミニウムの懸濁液や、アルミニウムの有機金属化合
物などを用いることができる。また、浄化装置65とアル
ミニウム注入位置の間以外の位置から一次系冷却水をサ
ンプリングしてアルミニウムやニッケルなどの元素濃度
を測定し、この測定結果に基づいてアルミニウムの注入
量を制御する制御系を構成することにより、アルミニウ
ム注入量を必要最小限に留めて配管の線量率を低減する
ことができる。
尚、以上の実施例では注入する金属としてアルミニウ
ムを用いた例を説明したが、この他にガリウムやクロム
などを用いても、配管の線量率の低減効果を得ることが
できる。
産業上の利用可能性 本発明によれば予備酸化等の手間がかからず、効果が
持続的であると共に、コストが安く二次的な放射性核種
生成のような弊害なしに配管の線量を確実に低減できる
プラントの運転方法及び原子力プラントを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−170697(JP,A) 特開 昭61−79194(JP,A) 特開 昭53−37484(JP,A) 特開 平4−370785(JP,A) 特公 平3−14155(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21D 3/08 G21D 1/00 G21C 17/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽水炉又は重水を冷却材として用いる原子
    力プラントにおいて、 酸化物がコランダム構造をとる金属を前記冷却材中に注
    入する注入手段と、 原子炉運転中に、前記金属を連続的に前記冷却材中に注
    入するように前記注入手段を制御する制御手段と、 前記冷却材の配管の表面線量を測定する線量率測定手段
    とを備え、 前記制御手段は、該線量率測定手段により測定される表
    面線量率に基いて前記注入手段からの注入量を制御する
    ことを特徴とする原子力プラント。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記線量率測定手段は、前記冷却材を再循環させる再循
    環系配管又は前記冷却材を浄化する浄化系配管の表面線
    量率を測定することを特徴とする原子力プラント。
  3. 【請求項3】軽水炉又は重水を冷却材として用いる原子
    力プラントにおいて、 原子炉運転中に、前記冷却材の配管の表面線量率を測定
    し、測定された表面線量率に基いて、酸化物がコランダ
    ム構造をとる金属の注入量を制御し、連続的に炉水中に
    注入することを特徴とする原子力プラントの運転方法。
  4. 【請求項4】軽水炉又は重水を冷却材として用いる原子
    力プラントの原子炉運転中に、一次系冷却水中のアルミ
    ニウム濃度及びニッケル濃度を測定し、測定された前記
    ニッケル濃度に基いて前記一次冷却水に注入するアルミ
    ニウムの注入量を制御することを特徴とする原子力プラ
    ントの運転方法。
  5. 【請求項5】軽水炉又は重水を冷却材として用いる原子
    力プラントの原子炉運転中に、一次系冷却水中のアルミ
    ニウム濃度及びニッケル濃度を測定し、測定された前記
    アルミニウム濃度と前記ニッケル濃度の比に基いてアル
    ミニウムの前記一次冷却水への注入量を制御することを
    特徴とする原子力プラントの運転方法。
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