JP3179419U - 野生動物忌避部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】維持管理のコストを低減することができ、長期間の使用に耐え得る野生動物忌避部材を提供する。
【解決手段】野生動物忌避部材は、遮光率60%以上およびL値40以下の布帛からなる帯状のシート1と、シート1を野生動物の侵入を防止する区画の回りを囲むように幕状に張り巡らすための取り付け部材7と、を備える。取り付け部材7は、所定の間隔で設置され、シート1を支持するための複数の一対の円筒棒2と、各一対の円筒棒にシートを固定するための止め具3と、を有する。一対の円筒棒2の一方は、幕状のシート1の内側に配され、他方は、幕状のシート1の外側に配される。止め具3は、円筒棒2に嵌合可能な形状を有する。シート1を円筒棒2に当接し、当接部分にシート1の上から止め具3を円筒棒2に装着することで、シート1が円筒棒2に固定される。
【選択図】図1
【解決手段】野生動物忌避部材は、遮光率60%以上およびL値40以下の布帛からなる帯状のシート1と、シート1を野生動物の侵入を防止する区画の回りを囲むように幕状に張り巡らすための取り付け部材7と、を備える。取り付け部材7は、所定の間隔で設置され、シート1を支持するための複数の一対の円筒棒2と、各一対の円筒棒にシートを固定するための止め具3と、を有する。一対の円筒棒2の一方は、幕状のシート1の内側に配され、他方は、幕状のシート1の外側に配される。止め具3は、円筒棒2に嵌合可能な形状を有する。シート1を円筒棒2に当接し、当接部分にシート1の上から止め具3を円筒棒2に装着することで、シート1が円筒棒2に固定される。
【選択図】図1
Description
本考案は、猪や鹿等の野生動物が夜間に田畑等に侵入するのを防止するための野生動物忌避部材に関する。
従来、猪や鹿等の野生動物が田畑等に侵入するのを防止する方法として、金網、鉄条網、鉄柵、塩化ビニルシート等の合成樹脂フィルム、繊維製ネット、電流を流した電線等で田畑等の周りを囲むことが実施されていた。これらはいずれも田畑等の周囲に遮蔽物を設けて野生動物の侵入を防止しようという考え方で、それぞれ設置するための労力やコスト、維持コスト、耐用年数等において一長一短があるものであった。
これらの方法に対して、野生動物が近づかないようにするとの考え方に基づいた方法が提案されている。例えば、特許文献1には、動物に生理的嫌悪感をもたらす忌避剤を塗布あるいは含侵した繊維製ネットを用いることが提案されている。また、特許文献2には、周囲に刺激臭を発する植物を植生することが提案されている。
しかし、特許文献1の手法では、繊維製ネットが風雨に曝されることで忌避剤の効果が小さくなり、耐用年数が短い。また、特許文献2の手法では、植物の維持管理にコストがかかる。
そこで、本考案は、上記の状況に鑑み、野生動物が近づかないようにするとの考え方に基づいた方法であって、維持管理のコストを低減することができ、長期間の使用に耐え得る野生動物忌避部材を提供することを目的とする。
そこで、本考案は、上記の状況に鑑み、野生動物が近づかないようにするとの考え方に基づいた方法であって、維持管理のコストを低減することができ、長期間の使用に耐え得る野生動物忌避部材を提供することを目的とする。
本考案の野生動物忌避部材は、野生動物の侵入を防止するための遮光率が60%以上およびL値が40以下である帯状のシートと、前記シートを野生動物の侵入を防止する区域の周りを囲むように幕状に張り巡らすための取り付け部材と、を備え、
前記取り付け部材は、
野生動物の侵入を防止する区域の周りを囲むように所定の間隔で設置され、前記シートを支持するための複数の支持部と、
各支持部に前記シートを固定するための固定手段と、
を有し、
各支持部が、地面から立たせた一対の円筒棒からなり、
前記一対の円筒棒のいずれか一方は、前記幕状のシートの内側に配され、
前記一対の円筒棒のいずれか他方は、前記幕状のシートの外側に配され、
前記固定手段が、前記円筒棒に嵌合可能であり、円筒形の一部を軸方向に沿って切り欠いた形状を有し、軸方向に垂直な断面が略C字状である止め具からなり、
前記シートを前記円筒棒に当接し、前記当接部分に前記シートの上から前記止め具を前記円筒棒に装着することで、前記シートが前記円筒棒に固定されている
ことを特徴とする。
前記取り付け部材は、
野生動物の侵入を防止する区域の周りを囲むように所定の間隔で設置され、前記シートを支持するための複数の支持部と、
各支持部に前記シートを固定するための固定手段と、
を有し、
各支持部が、地面から立たせた一対の円筒棒からなり、
前記一対の円筒棒のいずれか一方は、前記幕状のシートの内側に配され、
前記一対の円筒棒のいずれか他方は、前記幕状のシートの外側に配され、
前記固定手段が、前記円筒棒に嵌合可能であり、円筒形の一部を軸方向に沿って切り欠いた形状を有し、軸方向に垂直な断面が略C字状である止め具からなり、
前記シートを前記円筒棒に当接し、前記当接部分に前記シートの上から前記止め具を前記円筒棒に装着することで、前記シートが前記円筒棒に固定されている
ことを特徴とする。
本考案によれば、特定のシートを田畑等の周囲に張り巡らすだけで、夜間に野生動物が近づいてきても先が暗くて前に進むことを躊躇し、田畑等内への侵入を確実に防止することができる。また、特定の取り付け部材を用いることで野生動物による食害を防止したい区域の周囲に上記のシートをバランスよく強固に張り巡らすことができる。
よって、本考案によれば、設置が非常に容易であるため、設置に関する労力やコストを低減でき、かつ維持管理のコストを低減することができるうえ、耐用期間が長く、長期間に渡って安定した野生動物忌避効果が得られる。
よって、本考案によれば、設置が非常に容易であるため、設置に関する労力やコストを低減でき、かつ維持管理のコストを低減することができるうえ、耐用期間が長く、長期間に渡って安定した野生動物忌避効果が得られる。
以下、本考案の野生動物忌避部材の一実施形態を、図1〜5を参照しながら説明する。なお、図1は、野生動物の侵入を防止する区画内より見た野生動物忌避部材の正面である。また、図3〜5は、円筒棒2aや止め具3aを示すが、円筒棒2bおよび止め具3bについても、図3〜5に示す円筒棒2aや止め具3aと同じものが用いられる。
図1に示すように、本考案の野生動物忌避部材は、野生動物の侵入を防止するための帯状のシート1と、シート1を野生動物の侵入を防止する区画の周りを囲むように幕状に張り巡らすための取り付け部材7とを備える。シート1は、遮光率が60%以上およびL値が40以下である布帛からなる。取り付け部材7は、野生動物の侵入を防止する区域の周りを囲むように所定の間隔で設置され、シート1を幅方向に沿って支持するための複数の支持部2と、各支持部2にシート1を固定するための固定手段3と、を有する。
図1に示すように、本考案の野生動物忌避部材は、野生動物の侵入を防止するための帯状のシート1と、シート1を野生動物の侵入を防止する区画の周りを囲むように幕状に張り巡らすための取り付け部材7とを備える。シート1は、遮光率が60%以上およびL値が40以下である布帛からなる。取り付け部材7は、野生動物の侵入を防止する区域の周りを囲むように所定の間隔で設置され、シート1を幅方向に沿って支持するための複数の支持部2と、各支持部2にシート1を固定するための固定手段3と、を有する。
シート1を構成する布帛としては、例えば、織物、寒冷紗、編物、不織布が用いられる。布帛を構成する繊維素材としては、例えば、綿もしくは麻のような天然繊維、レーヨンのような再生繊維、またはポリアミド、ポリエステル、アクリル、もしくはポリビニルアルコール合成繊維のような合成繊維が用いられる。これらの繊維を、単体で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。また、フィルム等を細幅に裁断したテープヤーンを繊維素材として用いてもよい。織物や編物の場合、上記のいずれの繊維素材でもよい。
不織布としては、例えば、上記の各種繊維の短繊維からなる短繊維不織布や、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維をスパンボンド法やフラッシュ紡糸法等により不織布とした長繊維不織布が用いられる。コスト面から、スパンボンド不織布が好ましい。さらにニードルパンチを施すことにより構成される繊維同士が交絡してなるスパンボンド不織布は、引裂強力に優れるため、長期間の展張に対する耐久性に優れている。
布帛は、適度な引裂強力を有するとともに、繊維間または組織間に形成される空隙により適度な通気性を有する。このため、風によりシート1が倒壊し難い。また、風雨等によるシート1のはためきによるシート1の取り付け部分の破損が抑制される。
シート1の遮光率は、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上である。
シート1のL値は30以下であるのが好ましい。
シート1のL値は30以下であるのが好ましい。
遮光率は、次の方法で測定したものである。すなわち、JISL1906に準じた装置にて、光源としてレフランプカラー用500W(品番:PRF−500)を用い、試料取り付け部から30cmの位置に置き、光源の光度を照度計が2000ルックスを示すように調整し、試料取り付け部に試料を取り付け、その時の照度計の値Aを読み取る。そして遮光率を次式により算出する。
遮光率(%)=((2000−A)/2000)×100
遮光率(%)=((2000−A)/2000)×100
L値は、次の方法で測定したものである。すなわち、色彩色差計(データプロセッサ DP−300、測定ヘッド CR−310:ミノルタ社製)を用い、測定箇所の試料の目付が300g/m2以上となるように、シート1を折りたたみ、設置して測定した。測定の際は、測定個所を変えて4個所測定し、得られた値の平均値をL値とした。なお、シート1の表裏面の形態が異なるものについては、各面共に2個所ずつ測定し、それらの平均値をL値とした。
シート1の遮光率を60%以上とするには、布帛を構成する繊維間あるいは糸条間の間隔を小さくして光を通しにくくするとよく、織物や編物の場合には、ツイルやサテン調の糸条間の空隙が透かして見えにくい組織とするのが好ましい。不織布の場合は、目付が大きくなる程光を遮る効果が出る。さらにシート1のL値を40以下とするには、布帛は濃色に着色されているものを用いるとよい。この場合の色相としては黒色が好ましい。布帛を濃色に着色する方法としては、布帛を染色する方法と、繊維原料に顔料等の着色剤を混合して繊維を形成させて原着繊維とする方法がある。布帛を黒色に着色することにより、布帛の目付が50〜100g/m2であっても遮光率を60%以上とすることができる。ポリエステル等の合成樹脂にカーボン等の黒色の顔料を混練してスパンボンド方式により製造した黒色原着スパンボンド不織布は、コスト面でも有利に製造でき、本考案の野生動物忌避部材用シートとして好適に用いられる。繊維原料、製造法、コスト、不織布の性能等を考慮すると、黒色原着ポリエステルスパンボンド不織布であるのが最も好ましい。
また、布帛に耐候性を付与することも好ましい。耐候性を付与する方法としては、公知の耐候剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線反射剤等)を布帛に付与すればよく、例えば、布帛を構成する繊維に練り込む、耐候剤を繊維に付着させる、耐候剤入りのバインダー樹脂等を布帛にコーティングや含浸する等が挙げられる。
各支持部2は、例えば金属製の一対の円筒棒2a、2bからなる。一対の円筒棒2a、2bは、シート1を張り巡らす方向に沿って設置される。支持部2の設置間隔は、例えば、約2mである。猪の侵入防止の場合、シート1の幅(設置高さ)は、例えば、約90cmである。鹿の侵入防止の場合、シート1の幅(設置高さ)は、例えば、約180cmである。一対の円筒棒2a、2bの設置間隔は、支持部2の設置間隔よりも十分に小さく、固定手段3を構成する止め具3a、3bでシート1を円筒棒2a、2bに固定可能な距離であればよい。
円筒棒2a、2bの下端部を地中に打ち込むことで、円筒棒2a、2bを地面から立たせた状態で固定することができる。シート1の幅(設置高さ)が約90cmである場合、それに対応した長さの円筒棒2a、2bを地中に打ち込む長さは、例えば、約30cmである。円筒棒の軸方向の長さは、地中に打ち込むのに必要な長さ寸法を有し、かつ円筒棒の地面からの高さ寸法が、シート1の設置面からの高さ寸法(シート1の幅寸法)よりも大きくなるように適宜決めればよい。
図1および2に示すように、円筒棒2aは、野生動物の侵入を防止する区画の周りを囲む幕状のシート1の内側(野生動物の侵入を防止する区域側)に配され、円筒棒2bは、野生動物の侵入を防止する区画の周りを囲む幕状のシート1の外側(野生動物の侵入を防止する区域側とは反対側)に配される。本実施形態では、円筒棒2a、2bを上記のように配置したが、円筒棒2aを、野生動物の侵入を防止する区画の周りを囲む幕状のシート1の外側に配置し、円筒棒2bを、野生動物の侵入を防止する区画の周りを囲む幕状のシート1の内側に配置してもよい。
固定手段3は、円筒棒2a、2bに嵌合可能な、例えば樹脂製の止め具3a、3bからなる。止め具3a、3bは、円筒形の一部を軸方向に沿って切り欠いたような形状を有し、軸方向に垂直な断面がC字状または開口部を狭く形成したU字状である。止め具3a、3bは、切り欠き部を利用して弾性変形により円筒棒2a、2bにかぶせるようにすることで、それぞれシート1の幅方向に沿って、シート1の幅方向の両端付近を固定するように円筒棒2a、2bに2つずつ装着される。このように、少なくともシートの幅方向に沿った両端部付近が止め具で固定されていればよい。止め具3a、3bには、シート1を円筒棒2a、2bに強固に固定するために、止め具3a、3bの形状に沿って所定位置に金属製のCリング6a、6bが装着されている。
シート1を円筒棒2a、2bに当接し、当接部分にシート1の上から止め具3a、3bを、それぞれ円筒棒2a、2bに装着することで、シート1が円筒棒2a、2bに固定される。支持部2毎に、シート1が、円筒棒2aにおける野生動物の侵入を防止する区画側とは反対側の面に当接し、円筒棒2bにおける野生動物の侵入を防止する区画側の面に当接するように、シート1を配置し、固定することで、シート1をバランスよく強固に幕状に張り巡らすことができる。図2において、上方から下方へ風が吹いた場合、止め具3aでシート1を円筒棒2aに強く固定することができる。下方から上方へ風が吹いた場合、止め具3bでシート1を円筒棒2bに強く固定することができる。よって、風が上方から下方へ吹く場合および風が下方から上方へ吹く場合のいずれの場合にも、シート1はかなりの風圧を受けるものの、シート1が円筒棒2a、2bから外れることを確実に防止することができる。
円筒棒2a、2bは、その下端において、平坦状に変形させて先を尖らせた端部4a、4bを有する。これにより、端部4a、4bより地中に円筒棒2a、2bを容易に打ち込むことができる。
止め具3a、3bの端部には、止め具3a、3bの円筒棒2a、2bへの装着時に円筒棒2a、2bとの間に隙間を形成するため凹部5a、5bが設けられている。この隙間に、所定の工具を挿入することで、止め具3a、3bを円筒棒2a、2bから容易に取り外すことができる。
本考案の野生動物忌避部材は、猪や鹿等の野生動物の田畑等への侵入を防止する資材として好適に用いられる。
1 シート
2 支持部
3 固定手段
2a、2b 円筒棒
3a、3b 止め具
4a、4b 端部
5a、5b 凹部
6a、6b Cリング
7 取り付け部材
2 支持部
3 固定手段
2a、2b 円筒棒
3a、3b 止め具
4a、4b 端部
5a、5b 凹部
6a、6b Cリング
7 取り付け部材
Claims (2)
- 遮光率が60%以上およびL値が40以下である布帛からなる、野生動物の侵入を防止するための帯状のシートと、前記シートを、野生動物の侵入を防止する区画の回りを囲むように幕状に張り巡らすための取り付け部材と、を備え、
前記取り付け部材は、
野生動物の侵入を防止する区域の周りを囲むように所定の間隔で設置され、前記シートを支持するための複数の支持部と、
各支持部に前記シートを固定するための固定手段と、
を有し、
各支持部が、地面から立たせた一対の円筒棒からなり、
前記一対の円筒棒のいずれか一方は、前記幕状のシートの内側に配され、
前記一対の円筒棒のいずれか他方は、前記幕状のシートの外側に配され、
前記固定手段が、前記円筒棒に嵌合可能であり、円筒形の一部を軸方向に沿って切り欠いた形状を有し、軸方向に垂直な断面が略C字状である止め具からなり、
前記シートを前記円筒棒に当接し、前記当接部分に前記シートの上から前記止め具を前記円筒棒に装着することで、前記シートが前記円筒棒に固定されている
ことを特徴とする野生動物忌避部材。 - 前記シートが、黒色原着スパンボンド不織布である請求項1記載の野生動物忌避部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012005084U JP3179419U (ja) | 2012-08-21 | 2012-08-21 | 野生動物忌避部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012005084U JP3179419U (ja) | 2012-08-21 | 2012-08-21 | 野生動物忌避部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3179419U true JP3179419U (ja) | 2012-11-01 |
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JP (1) | JP3179419U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019043536A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | 理研軽金属工業株式会社 | 自転車用携帯駐輪ラックの表示装置 |
-
2012
- 2012-08-21 JP JP2012005084U patent/JP3179419U/ja not_active Expired - Fee Related
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