JP3179042B2 - ゴムキャブタイヤケーブル - Google Patents

ゴムキャブタイヤケーブル

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JP3179042B2
JP3179042B2 JP02358797A JP2358797A JP3179042B2 JP 3179042 B2 JP3179042 B2 JP 3179042B2 JP 02358797 A JP02358797 A JP 02358797A JP 2358797 A JP2358797 A JP 2358797A JP 3179042 B2 JP3179042 B2 JP 3179042B2
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清春 福西
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太陽電線株式会社
昭和ディー・ディー・イー製造株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体上にゴム系絶
縁層を設けた1本又は複数本の線心がゴム系材料からな
るシース層にて被包されたゴムキャブタイヤケーブルに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ゴムキャブタイヤケーブルは、
導体上にゴム系絶縁層を設けた線心をゴム系材料からな
るシース層にて被包した形態を有しており、線心が1本
である単心のものから2本あるいは3本以上の多心のも
のがあり、また構造・用途より1種〜4種の種別があ
る。しかして、3種及び4種は、苛酷な使用条件に適用
されるもので、例えば、各種土木工事現場、ビル等の建
設現場、炭鉱等の鉱山やトンネル掘削の坑内等で使用す
る動力工具類や移動式機器類の動力線として多用されて
いる。
【0003】従来における3種及び4種のゴムキャブタ
イヤケーブルは、一般に、線心上(単心)又は線心撚り
合わせ上(多心)あるいはシース層中に、突き合わせて
巻いた綿帆布テープや、綿糸、麻糸もしくは合成繊維糸
の編組を設けている。なお、多心キャブタイヤケーブル
は線心間ならびに線心とシース層との間に空隙ができな
いように介在物を施した構造とされ、特に4種の多心キ
ャブタイヤケーブルでは線心間にゴム座床を有する構造
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴムキ
ャブタイヤケーブル、とりわけ3種及び4種のものは、
使用中に荒いコンクリート床面や地面、岩盤上等を引き
回しされる等の苛酷な取扱いを受けることから、より高
い耐摩耗性ひいては耐久性が求められており、また上記
の引き回し等の移動、配線、ストック等における融通性
の面から可撓性の改善も要望されている。一方、この種
ケーブルの製造においては、前記従来のような綿帆布テ
ーブや編組を設ける構成では、その巻回や被覆のために
工程が煩雑化し、製造能率及び作業性が悪い上、前記巻
回や被覆を行う高価な専用装置を必要として設備コスト
が高く付くという難点があった。
【0005】本発明は、上述の状況に鑑み、極めて優れ
た耐摩耗性及び耐久性を具備し、且つ可撓性の良好なゴ
ムキャブタイヤケーブルを提供することを第一の目的と
し、またこの種ケーブルの製造における製造能率及び作
業性を向上させると共に、製造コスト及び設備コストの
低減を図ることを第二の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、まず従来のゴムキャブタイヤケーブ
ルに用いられていた綿帆布テープや編組に代わるような
補強層を設けることが可能であるか否かを検討した。そ
の結果、従来のケーブル製造においては、一般的にシー
ス層形成用のゴム組成物を異物排除のためにメッシュフ
ィルターに通して用いていたように、シース層を押出に
よってケーブル心部上に連続被覆する上でゴム組成物中
には強化繊維等の異物を配合できないという固定観念が
あったにも関わらず、特定の短繊維を配合したゴム組成
物では通常のシース層形成用のゴム組成物と同様に支障
なく押出による連続被覆が可能であることが判明した。
【0007】しかして、上記の知見に基づいて更に鋭意
検討を重ねた結果、ゴムキャブタイヤケーブルにおける
シース層の一部層ないし全体を、特定の短繊維を混入し
たゴム系材料より構成した場合に、この混入層が非常に
強靱であることから、卓越した耐摩耗性及び耐久性が得
られ、しかも該混入層が既述のように通常のシース層と
同様の押出にて連続的に形成できる上、該混入層を設け
ることによって従来のこの種ケーブルに施されていた綿
帆布テープや編組を省略できるため、その巻回や被覆の
ための煩雑な工程を省いて製造能率及び作業性を大きく
向上させ、また製造コスト及び設備コストを低減するこ
とが可能となり、加えて綿帆布テープや編組を設けたも
のに比較してケーブルの可撓性も改善されることを見出
し、本発明をなすに至った。
【0008】すなわち、本発明の請求項1に係るゴムキ
ャブタイヤケーブルは、図面の参照符号を付して示せ
ば、導体11上にゴム系絶縁層12を設けた1本又は複
数本の線心10がゴム系材料からなるシース層2にて被
包されたゴムキャブタイヤケーブルにおいて、前記シー
ス層2の全体もしくは二層以上の積層構造である該シー
ス層2の少なくとも一層がアラミッド短繊維の混入層2
1よりなることを特徴とする構成を採用したものであ
る。
【0009】しかして、請求項2の発明では前記請求項
1のゴムキャブタイヤケーブルにおけるアラミッド短繊
維の混入層21が0.5〜20重量%のアラミッド短繊
維を含有する構成、請求項3の発明では前記請求項1又
は2のゴムキャブタイヤケーブルにおけるアラミッド短
繊維の平均繊維長が0.05〜3.0mmの範囲にある
構成をそれぞれ採用している。また請求項4の発明で
は、前記請求項1〜3のいずれかのゴムキャブタイヤケ
ーブルにおいて、線心10上もしくは線心撚り合わせ
(ケーブル心部1)上、ならびにシース層2の中間に、
綿帆布テープ及び編組を有しない構造としている。更に
請求項5の発明では、前記請求項1〜4のいずれかのゴ
ムキャブタイヤケーブルにおいて、シース層がアラミッ
ド短繊維の混入層21と非混入層とからなる2層又は3
層構造であり、線心10表面とケーブル外周面との間の
最小厚み部分における前記混入層21の厚みがシース層
2の30%以上である構成を採用している。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のゴムキャブタイヤケーブ
ルにおけるシース層の全体もしくは一部に混入させるア
ラミッド短繊維は、芳香族ポリアミド繊維の一般名とし
て知られるアラミッド繊維を細かくカットしたものであ
る。このアラミッド繊維は、ナイロンやポリエステルの
如き他の有機繊維や強化用ガラス繊維等に比較して非常
に高い引張強度( 270kg/mm2以上)及びモジュラスを有
するものであり、その市販品として米国デュポン社製の
商品名「ケプラー」、同「ノーメックス」、日本アラミ
ド社製の商品名「トワロン」、帝人社製の商品名「テク
ノーラ」等がある。
【0011】しかして、アラミッド短繊維を配合したゴ
ム組成物を用いて成形及び加硫を経て得られるゴム層は
極めて強靱で耐摩耗性に優れるため、シース層の全体も
しくは該シース層の内層部、中間層部及び外層部のいず
れかを該短繊維の混入層とした本発明のゴムキャブタイ
ヤケーブルは、シース層の高い耐摩耗性に基づく卓越し
た耐久性を具備し、例えば3種や4種のゴムキャブタイ
ヤケーブルとしても従来のこの種ケーブルに用いていた
綿帆布テープや編組を省略した構成とすることが可能で
あり、且つこれら綿帆布テープや編組を用いた場合より
もケーブルの可撓性が良くなる。しかも、アラミッド短
繊維の混入層は通常のシース層と同様に押出によってケ
ーブル心部上に連続的に被覆形成できるから、前記の綿
帆布テープ及び編組を省略した構成においては、ケーブ
ル製造工程が簡素化して製造能率及び作業性が向上する
と共に、綿帆布テープの巻回や編組の被覆のための専用
装置が不要となるから、設備コストが大幅に低減され、
製造コストも安くなる。
【0012】上記のアラミッド短繊維としては、平均繊
維長が0.05〜3.0mm程度の範囲にあるものが好
適であり、この平均繊維長が短か過ぎては補強効果が不
充分になり、逆に長過ぎては混入層を押出する際の成形
性が悪化する。また、該混入層におけるアラミッド短繊
維の含有量は、特に制約はないが、従来にない高度の耐
摩耗性を付与して且つ高能率の押出を可能にする点より
0.5〜20重量%の範囲とすることが推奨される。
【0013】アラミッド短繊維を配合した押出用のゴム
組成物を調製するには、組成物中でのアラミッド短繊維
の均一分散を図るために、まず該短繊維を少量のゴムラ
テックス中に添加混合して均一分散させたのちに加熱乾
燥するか、あるいは該短繊維をゴムチップと加熱下で混
練することによってマスターバッチを作製し、このマス
ターバッチを他の種々のゴム用添加剤と共にゴム系成分
に添加して加熱下で混練すればよい。なお、他の各種添
加剤についても、粉末形態で分散性に難があるものは同
様のマスターバッチとして添加するのがよい。
【0014】ここで、ゴム系成分としては、天然ゴム、
クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エ
チレンプロピレンゴム、スチレンブタジエン共重合体ゴ
ム(SBR)、けい素ゴム、アクリロニトリルブタジエ
ン共重合体ゴム、塩素化ポリエチレン、エチレンアクリ
ルエラストマー等、従来よりゴムキャブタイヤケーブル
におけるシース層に使用されているゴム弾性を有するポ
リマー材料をいずれも使用可能である。また、押出用の
ゴム組成物に加える他の添加剤としては、ゴム系成分に
対応した加硫剤、加硫促進剤又は架橋助剤、カーボンブ
ラックの如き着色剤を兼ねる補強剤、他の着色剤、クレ
ーや炭酸カルシウムの如き補強及び寸法安定化に寄与す
る充填剤、ナフテン系オイルの如き可塑剤、高級脂肪酸
やパラフィンの如き成形性を高めるための滑性付与剤
(成形助剤)、老化防止剤等がある。
【0015】本発明のゴムキャブタイヤケーブルの形態
としては、ケーブル心部が導体上にゴム系絶縁層を設け
た1本の線心よりなる単心構造、該線心を2本あるいは
3本以上有する多心構造のいずれでもよく、これらケー
ブル心部を被包するゴム系材料からなるシース層が、前
記のアラミッド短繊維の混入層よりなる単層であるも
の、内層部と外層部の一方を該混入層とした2層である
もの、内層部と外層部との間に該混入層よりなる中間層
部を有する3層であるもの、を包含する。また、多心構
造においては、複数本の線心を繊維介在を中心にして撚
り合わせたケーブル心部を有する構成、複数本の線心が
複数本の繊維介在と共に撚り合せたケーブル心部を有す
る構成、複数本の線心間に前記シース層をなすアラミッ
ド短繊維の混入層または非混入層からなるゴム座床を有
する構成のいずれでもよい。なお、線心としては通常、
導体とゴム系絶縁層との間に紙その他のフィルムよりな
る絶縁性セパレーターを介在したものが使用される。
【0016】しかして、シース層がアラミッド短繊維の
混入層と非混入層とからなる2層又は3層構造であるも
のでは、線心表面とケーブル外周面との間の最小厚み部
分における前記混入層の厚みがシース層の30%以上で
あることが望ましく、この混入層の厚み比率が小さ過ぎ
る場合はケーブルの耐摩耗性ひいては耐久性が不充分に
なる。
【0017】以下、本発明に係るゴムキャブタイヤケー
ブルの構成例につき、図面を参照して説明する。図1〜
図4に示すゴムキャブタイヤケーブルA〜Dは、いずれ
も3本の線心10よりなるケーブル心部1が、ゴム系材
料からなるシース層2にて直接に被包されており、各線
心10には電気用軟銅線等よりなる導体11上に絶縁性
セパレーター13を介してゴム系絶縁層12を設けたも
のを用いている。そして、ケーブルAではシース層2の
全体がアラミッド短繊維の混入層21よりなる単層であ
るが、ケーブルBではシース層2がアラミッド短繊維の
混入層21よりなる内層部2aと該短繊維を含まない外
層部2cとの2層構造であり、またケーブルCでは逆に
2層構成のシース層2の外層部2cがアラミッド短繊維
の混入層21となっている。更にケーブルDでは、シー
ス層2は3層構造であり、その中間層部2bがアラミッ
ド短繊維の混入層21よりなり、内層部2aと外層部2
cには該短繊維を含まない。
【0018】一方、図5に示すゴムキャブタイヤケーブ
ルEは、前記同様の線心10の6本が麻糸等よりなる繊
維介在3中心にして撚り合わされたケーブル心部1を有
し、このケーブル心部1がアラミッド短繊維の混入層2
1よりなる内層部2aと該短繊維を含まない外層部2c
とからなる2層構造のシース層2によって直接に被包さ
れている。
【0019】更に図6に示すゴムキャブタイヤケーブル
Fは、4種キャブタイヤケーブルに相当するものであ
り、シース層2がアラミッド短繊維を含まない内層部2
aと該短繊維の混入層21よりなる外層部2cとからな
り、その内層部2a中に前記同様の線心10の4本が相
互に離間した状態で平行配置し、これら線心10…間を
埋める内層部2aのゴム層にてゴム座床を構成してい
る。
【0020】なお、本発明のゴムキャブタイヤケーブル
は、上記構成例に限定されるものではなく、既述のよう
に様々な形態を包含するものであり、例えば図1〜4の
如き形態におけるケーブル心部1の線心10を1本、2
本、4本以上としたり、図5及び図6の如き形態におけ
るシース層2のアラミッド短繊維の混入層21を内外逆
にしたり、更に外側に該短繊維を含まないゴム層を設け
て3層構造のシース層2とした構成でもよい。また、本
発明では、従来のゴムキャブタイヤケーブルにおいて線
心上、線心撚り合わせ上、シース層の中間等に設けられ
ていた綿帆布テープや編組を省略できることが既述のよ
うに大きな利点となるが、請求項1〜3及び請求項5の
発明に係るゴムキャブタイヤケーブルではこれら綿帆布
テープや編組を有する構成も包含する。
【0021】本発明のゴムキャブタイヤケーブルを製造
するには、電気用軟銅線等の導体上に絶縁性セパレータ
ーを介してゴム絶縁層を押出により被覆して加硫を施
し、得られた線心の所要本数を含むケーブル心部(単心
構造では線心のみ、4種以外の多心構造では線心同士の
撚り合わせ又は繊維介在を含む撚り合わせ)に対し、押
出によってゴム組成物を連続的に被覆してシース層を形
成し、加硫を施せばよい。このとき、シース層がアラミ
ッド短繊維の混入層よりなる単層である場合は、上記ゴ
ム組成物としてアラミッド短繊維を配合したものを用い
る。またシース層がアラミッド短繊維の混入層と非混入
層との2層又は3層構成である場合は、各々対応するゴ
ム組成物を用いた2回又は3回の押出被覆を順次施すこ
とになる。なお、アラミッド短繊維を配合したゴム組成
物の押出はメッシュフィルターを通さずに行う。しかし
て、この製造においては、前記線心の作製からシース層
の加硫を経てケーブル製品とするまでを一貫した連続工
程で行うことができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を3種クロロプレンキャブタ
イヤケーブルに適用した実施例のケーブルの製造につい
て具体的に説明する。なお、以下における部及び%は、
それぞれ重量部及び重量%を意味する。なお、ケーブル
製造に使用した線心の構成、シース層形成用ゴム組成
物、アラミッド短繊維マスターバッチは、次のとおりで
ある。
【0023】〔線心の構成〕電気用軟銅線(直径0.2
6mm)37本よりなる撚り導体上に、厚さ50μmの
紙よりなるセパレーターを介して厚さ1.2mmのゴム
絶縁層を設け、加硫を施したもの。
【0024】 〔シース層形成用ゴム組成物〕 クロロプレンゴム …100部 カーボンブラック … 30部 ケイ酸アルミニウム … 25部 炭酸カルシウム … 20部 酸化マグネシウム … 4部 酸化亜鉛 … 5部 ナフテン系プロセス油 … 10部 パラフィン … 6部 ステアリン酸 … 1部 エチレンチオ尿素 … 2部 老化防止剤 … 2.5部
【0025】〔アラミッド短繊維マスターバッチ〕アラ
ミッド短繊維〔デュポン社製の商品名「ケプラー」の糸
を平均繊維長約0.1mmに裁断したもの)をクロロプ
レンゴムラテックス中に添加混合し、均一分散させたの
ちに加熱乾燥してアラミッド短繊維の重量比23%のマ
スターバッチとしたもの。
【0026】製造例1 前記のアラミッド短繊維マスターバッチを前記のシース
層形成用ゴム組成物に、後記表1記載のアラミッド短繊
維含有量となるように加えた配合物をスクリュー式押出
機によって温度60〜80℃にて加熱混練しつつ、前記
線心の3本を撚り合わせたケーブル心部に対し、連続的
に押出被覆してシース層の内層部(最小厚み部分の厚さ
約1.2mm)を形成し、次いでこの内層部上に、前記
のシース層形成用ゴム組成物のみをスクリュー式押出機
によって温度60〜80℃にて加熱混練しつつ、連続的
に押出被覆してシース層の外層部(厚さ約1.8mm)
を形成したのち、温度150℃、30分間の加熱によっ
てシース層全体の加硫を施し、図2で示す構成で外径約
18mmの3種クロロプレンキャブタイヤケーブルB1
〜B4を作製した。また、上記内層部の形成材料として
前記のシース層形成用ゴム組成物のみを用いた以外は同
様の条件として、アラミッド短繊維の混入層のないゴム
キャブタイヤケーブルB0を作製した。
【0027】製造例2 製造例1と同様のケーブル心部に対し、前記のシース層
形成用ゴム組成物のみをスクリュー式押出機によって温
度80℃にて加熱混練しつつ、連続的に押出被覆してシ
ース層の内層部(最小厚み部分の厚さ約1.2mm)を
形成した。一方、前記のアラミッド短繊維マスターバッ
チを前記のシース層形成用ゴム組成物に、後記表1記載
のアラミッド短繊維含有量となるように加えた配合物を
スクリュー式押出機によって温度80℃にて加熱混練し
つつ、連続的に押出被覆してシース層の外層部(厚さ約
1.8mm)を形成したのち、製造例1と同様にして加
硫を施し、図3で示す構成で外径約18mmのクロロプ
レンキャブタイヤケーブルC1〜C4を作製した。
【0028】上記製造例1にて得られたケーブルB0〜
B4ならびに上記製造例2にて得られたケーブルC1〜
C4の各々より長さ70cmのケーブル試料を採り、こ
れらケーブル試料について、電気用品の技術基準〔別表
第一、(7)へ,(ロ)〕に規定される摩耗試験装置を
用いて摩耗試験を行った。図7は、摩耗試験の状況を示
す模式図であって、キャブタイヤケーブル試料CTの一
端側を保持部30に固定し、その他端に1kgの錘Wを
吊り下げると共に、保持部30による固定位置の直下約
300mmに中心を置く直径約350mmの摩耗円板3
1の周面をケーブル試料CTに接触させている。
【0029】試験は、摩耗円板31の回転速度を60r
pmに設定し、500回転後のキャブタイヤケーブル試
料CTの摩耗部分の長さと幅を測定した。またケーブル
C3,C4については、各々複数のケーブル試料を用
い、ケーブル心部の線心のゴム絶縁層が露呈するまでの
平均回転回数を調べた。その結果を、各ケーブルのシー
ス層のアラミッド短繊維混入層におけるアラミッド短繊
維含有量と共に、次の表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】上表の結果から、シース層の下層部又は上
層部にアラミッド短繊維を含有した本発明のゴムキャブ
タイヤケーブルは耐摩耗性に優れ、特にアラミッド短繊
維の混入層における該短繊維の含有量を3重量%以上と
したものでは極めて高い耐摩耗性を発揮することが判
る。なお、通常の3種クロロプレンキャブタイヤケーブ
ルの市販品(公称ケーブル径は同じ)では、この摩耗試
験による線心ゴム絶縁層の露呈までの回転回数は一般に
1500〜2000回である。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ゴムキャブタ
イヤケーブルとして、シース層の一部層ないし全体が特
定の短繊維を混入したゴム系材料よりなることから、卓
越した耐摩耗性及び耐久性を具備し、しかも該短繊維の
混入層を通常のゴム系材料よりなるシース層と同様の押
出にて連続的に容易に形成できるものが提供される。
【0033】請求項2及び請求項3の発明によれば、上
記のゴムキャブタイヤケーブルとして、特に高度の耐摩
耗性を具備すると共にその製造時の前記短繊維の混入層
の押出成形性がよいものが提供される。
【0034】請求項4の発明によれば、上記のゴムキャ
ブタイヤケーブルとして、特にその製造において、従来
のこの種ケーブルに比較して製造能率及び作業性が大き
く向上すると共に製造コスト及び設備コストを低減で
き、加えてケーブルの可撓性にも優れるものが提供され
る。
【0035】請求項5の発明によれば、特にシース層が
前記短繊維の混入層と非混入層とからなる2層又は3層
構造である上記のゴムキャブタイヤケーブルとして、非
常に優れた耐摩耗性を有するものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1構成例のゴムキャブタイヤ
ケーブルの断面図。
【図2】 同第2構成例のゴムキャブタイヤケーブルの
断面図。
【図3】 同第3構成例のゴムキャブタイヤケーブルの
断面図。
【図4】 同第4構成例のゴムキャブタイヤケーブルの
断面図。
【図5】 同第5構成例のゴムキャブタイヤケーブルの
断面図。
【図6】 同第6構成例のゴムキャブタイヤケーブルの
断面図。
【図7】 同ゴムキャブタイヤケーブルの摩耗試験の状
況を示す模式図。
【符号の説明】
A〜F ゴムキャブタイヤケーブル 1 ケーブル心部 10 線心 11 導体 12 ゴム絶縁層 13 絶縁性セパレーター 2 シース層 2a 内層部 2b 中間層部 2c 外層部 21 アラミッド短繊維の混入層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−25689(JP,A) 実開 昭57−197109(JP,U) 実開 昭60−118816(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/04 H01B 7/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上にゴム系絶縁層を設けた1本又は
    複数本の線心がゴム系材料からなるシース層にて被包さ
    れたゴムキャブタイヤケーブルにおいて、前記シース層
    の全体もしくは二層以上の積層構造である該シース層の
    少なくとも一層がアラミッド短繊維の混入層からなるこ
    とを特徴とするゴムキャブタイヤケーブル。
  2. 【請求項2】 アラミッド短繊維の混入層が0.5〜2
    0重量%のアラミッド短繊維を含有する請求項1記載の
    ゴムキャブタイヤケーブル。
  3. 【請求項3】 アラミッド短繊維の平均繊維長が0.0
    5〜3.0mmの範囲にある請求項1又は2に記載のゴ
    ムキャブタイヤケーブル。
  4. 【請求項4】 線心上もしくは線心撚り合わせ上、なら
    びにシース層の中間に、綿帆布テープ及び編組を有しな
    い構造である請求項1〜3のいずれかに記載のゴムキャ
    ブタイヤケーブル。
  5. 【請求項5】 シース層がアラミッド短繊維の混入層と
    非混入層とからなる2層又は3層構造であり、線心表面
    とケーブル外周面との間の最小厚み部分における前記混
    入層の厚みがシース層の30%以上である請求項1〜4
    のいずれかに記載のゴムキャブタイヤケーブル。
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