JP3178888B2 - 抗齲蝕性組成物 - Google Patents
抗齲蝕性組成物Info
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- JP3178888B2 JP3178888B2 JP08445992A JP8445992A JP3178888B2 JP 3178888 B2 JP3178888 B2 JP 3178888B2 JP 08445992 A JP08445992 A JP 08445992A JP 8445992 A JP8445992 A JP 8445992A JP 3178888 B2 JP3178888 B2 JP 3178888B2
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- sucrose fatty
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、齲蝕を予防しまたはそ
の進行を阻止するために用いる抗齲蝕性組成物に関す
る。
の進行を阻止するために用いる抗齲蝕性組成物に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】一般に、齲蝕の原因は、食物中の蔗糖
が、ストレプトコッカス ミュータンス（Ｓｔｒｅｐｔ
ｏｃｏｃｃｕｓ ｍｕｔａｎｓ）等の齲蝕原因菌の作用
により変化を受け、不溶性かつ粘着性のグルカンを生成
することにあるとされている。このようにして生成され
たグルカンによって齲蝕原因菌が歯面に付着して増殖
し、歯垢を形成する。そして、この歯垢をベースとして
その中の細菌が糖発酵により酸を発生し、その酸により
齲蝕が進行するのである。
が、ストレプトコッカス ミュータンス（Ｓｔｒｅｐｔ
ｏｃｏｃｃｕｓ ｍｕｔａｎｓ）等の齲蝕原因菌の作用
により変化を受け、不溶性かつ粘着性のグルカンを生成
することにあるとされている。このようにして生成され
たグルカンによって齲蝕原因菌が歯面に付着して増殖
し、歯垢を形成する。そして、この歯垢をベースとして
その中の細菌が糖発酵により酸を発生し、その酸により
齲蝕が進行するのである。
【０００３】齲蝕を防止する方法として、蔗糖の代わ
りに他の糖類を用いてグルカン生成を阻止する方法、
齲蝕原因菌をペニシリン，エリスロマイシン等の抗生物
質で撲滅する方法等が挙げられる。また、厚朴エキス
（特開昭５７−８５３１９号公報），プロポリス（特
公平３−２４１８２号公報），緑茶抽出カテキン（日
本食品工業学会誌（１９８９年６月）），香料成分
（特開昭５９−１７５４２２号公報）等を各々含有して
なる抗齲蝕剤が提案されている。
りに他の糖類を用いてグルカン生成を阻止する方法、
齲蝕原因菌をペニシリン，エリスロマイシン等の抗生物
質で撲滅する方法等が挙げられる。また、厚朴エキス
（特開昭５７−８５３１９号公報），プロポリス（特
公平３−２４１８２号公報），緑茶抽出カテキン（日
本食品工業学会誌（１９８９年６月）），香料成分
（特開昭５９−１７５４２２号公報）等を各々含有して
なる抗齲蝕剤が提案されている。
【０００４】しかしながら、上記の方法においては、
糖発酵を生じてしまい、齲蝕の防止が完全でなく、ま
た、の方法は、抗生物質のため使用が制限される。ま
た、厚朴エキス，緑茶抽出カテキン及び香料成分
は、抗齲蝕性に劣り、プロポリスは、高価で入手し難
く、かつ、高温処理を行うと、抗齲蝕性が低下してしま
う。
糖発酵を生じてしまい、齲蝕の防止が完全でなく、ま
た、の方法は、抗生物質のため使用が制限される。ま
た、厚朴エキス，緑茶抽出カテキン及び香料成分
は、抗齲蝕性に劣り、プロポリスは、高価で入手し難
く、かつ、高温処理を行うと、抗齲蝕性が低下してしま
う。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、鋭意検討を行った結
果、燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルとを、各々単独で用
いるのではなく、両者を併用して使用すると、優れた抗
齲蝕性を有することを見いだし本発明に到達した。
事情に鑑みなされたものであって、鋭意検討を行った結
果、燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルとを、各々単独で用
いるのではなく、両者を併用して使用すると、優れた抗
齲蝕性を有することを見いだし本発明に到達した。
【０００６】本発明の目的は、抗齲蝕性に優れ、飲食品
に添加しても安全な抗齲蝕性組成物を提供するにある。
に添加しても安全な抗齲蝕性組成物を提供するにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、燻煙成分
と蔗糖脂肪酸エステルとを含有してなることを特徴とす
る抗齲蝕性組成物によって達成される。
と蔗糖脂肪酸エステルとを含有してなることを特徴とす
る抗齲蝕性組成物によって達成される。
【０００８】次に、本発明を詳しく説明する。本発明の
抗齲蝕性組成物は、上記燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステル
とを併用することにより、抗齲蝕性が発揮されるもので
あり、これらを各々単独で使用した場合には得られない
効果である。本発明の抗齲蝕性組成物は、最も強い齲蝕
作用をもつストレプトコッカス ミュータンス（Ｓｔｒ
ｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｍｕｔａｎｓ）に対して優れた
抗菌性を有する。
抗齲蝕性組成物は、上記燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステル
とを併用することにより、抗齲蝕性が発揮されるもので
あり、これらを各々単独で使用した場合には得られない
効果である。本発明の抗齲蝕性組成物は、最も強い齲蝕
作用をもつストレプトコッカス ミュータンス（Ｓｔｒ
ｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｍｕｔａｎｓ）に対して優れた
抗菌性を有する。
【０００９】本発明に用いる燻煙成分は、桜，なら，り
んご，ヒッコリー，くるみ，くぬぎ，ぶな等の広葉樹の
樹皮を除いた木質部分を粉末化したものもしくはコーヒ
ー豆粕，茶等を、棒状に固めた燻煙材やチップ状の燻煙
材を燃焼した際に生じるフェノール，カルボニル化合
物，フルフラール等の成分を水に吸着させて得られる液
体燻液，この濃縮液体燻液，燻結晶もしくは上記燻煙成
分を粉体に吸着させた燻粉末等である。
んご，ヒッコリー，くるみ，くぬぎ，ぶな等の広葉樹の
樹皮を除いた木質部分を粉末化したものもしくはコーヒ
ー豆粕，茶等を、棒状に固めた燻煙材やチップ状の燻煙
材を燃焼した際に生じるフェノール，カルボニル化合
物，フルフラール等の成分を水に吸着させて得られる液
体燻液，この濃縮液体燻液，燻結晶もしくは上記燻煙成
分を粉体に吸着させた燻粉末等である。
【００１０】また、蔗糖脂肪酸エステルとしては、蔗糖
に炭素数１２〜１８の脂肪酸をエステル化したものを主
として用いるとよく、中でも、ステアリン酸とパルミチ
ン酸とを主成分としたものが好ましい。特に、ステアリ
ン酸とパルミチン酸とが３０対７０（重量比）の蔗糖脂
肪酸エステルが好適である。
に炭素数１２〜１８の脂肪酸をエステル化したものを主
として用いるとよく、中でも、ステアリン酸とパルミチ
ン酸とを主成分としたものが好ましい。特に、ステアリ
ン酸とパルミチン酸とが３０対７０（重量比）の蔗糖脂
肪酸エステルが好適である。
【００１１】燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルとの混合比
率は、等量とすることが好ましい。また、本発明の抗齲
蝕性組成物を飲食品や口腔用製品に配合する場合には、
燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルとの混合量が、製品全体
重量中、好ましくは０．０５重量％以上、より好ましく
は０．２重量％以上とすると好結果が得られる。
率は、等量とすることが好ましい。また、本発明の抗齲
蝕性組成物を飲食品や口腔用製品に配合する場合には、
燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルとの混合量が、製品全体
重量中、好ましくは０．０５重量％以上、より好ましく
は０．２重量％以上とすると好結果が得られる。
【００１２】
【発明の効果】本発明の抗齲蝕性組成物は、燻煙成分と
蔗糖脂肪酸エステルとを併用することによって、優れた
抗齲蝕性を示すものである。また、１２０℃以上の高温
処理工程を経てもその抗菌性を維持し得る。本発明の抗
齲蝕性組成物は、飲食品に添加しても安全であり、キャ
ンディ、チューインガム、ソフトドリンク等の飲食品、
歯磨き粉、洗口剤等に添加し利用することができる。
蔗糖脂肪酸エステルとを併用することによって、優れた
抗齲蝕性を示すものである。また、１２０℃以上の高温
処理工程を経てもその抗菌性を維持し得る。本発明の抗
齲蝕性組成物は、飲食品に添加しても安全であり、キャ
ンディ、チューインガム、ソフトドリンク等の飲食品、
歯磨き粉、洗口剤等に添加し利用することができる。
【００１３】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 （実施例１〜４） 構成脂肪酸がステアリン酸７０，パルミチン酸３０の蔗
糖脂肪酸エステルと燻煙成分（ＬＳ−Ｃ，萬有栄養
（株）製）とを抗齲蝕性組成物として用い、抗菌性を調
べた。すなわち、まず、ストレプトコッカス ミュータ
ンス（Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｍｕｔａｎｓ）Ｍ
Ｔ８１４８を、ＢＨＩ培地で３７℃、嫌気性条件下で３
日間液体培養した。次に、ミュータンス菌が増殖した上
記培養液を、２００〜５００個コロニー／シャーレとな
るようシャーレに注ぎ、更に、抗齲蝕性組成物を表１に
示す含有量となるよう添加し、攪拌した。
明する。 （実施例１〜４） 構成脂肪酸がステアリン酸７０，パルミチン酸３０の蔗
糖脂肪酸エステルと燻煙成分（ＬＳ−Ｃ，萬有栄養
（株）製）とを抗齲蝕性組成物として用い、抗菌性を調
べた。すなわち、まず、ストレプトコッカス ミュータ
ンス（Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｍｕｔａｎｓ）Ｍ
Ｔ８１４８を、ＢＨＩ培地で３７℃、嫌気性条件下で３
日間液体培養した。次に、ミュータンス菌が増殖した上
記培養液を、２００〜５００個コロニー／シャーレとな
るようシャーレに注ぎ、更に、抗齲蝕性組成物を表１に
示す含有量となるよう添加し、攪拌した。
【００１４】次に、１２１℃で１５分間滅菌したＢＨＩ
寒天培地を３５±５℃に温調し、これを上記シャーレに
１０ｃｃを注いで混合、固化した。そして、３７℃、嫌
気性条件下で３日間培養後、発生したコロニー数をカウ
ントした。尚、抗齲蝕性組成物を無添加のサンプルを対
照物とし、抗菌率は対照物のコロニーを０とした。つま
り、数値が０の場合は、全く抗菌効果の無いことを意味
する。その結果を表１にあわせて示す。
寒天培地を３５±５℃に温調し、これを上記シャーレに
１０ｃｃを注いで混合、固化した。そして、３７℃、嫌
気性条件下で３日間培養後、発生したコロニー数をカウ
ントした。尚、抗齲蝕性組成物を無添加のサンプルを対
照物とし、抗菌率は対照物のコロニーを０とした。つま
り、数値が０の場合は、全く抗菌効果の無いことを意味
する。その結果を表１にあわせて示す。
【００１５】
【表１】
【００１６】（比較例１〜６） 実施例１で使用した燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルと
を、表２に示す量使用し、実施例と同様にして抗菌性の
評価を行った。その結果を表２にあわせて示す。
を、表２に示す量使用し、実施例と同様にして抗菌性の
評価を行った。その結果を表２にあわせて示す。
【００１７】
【表２】
【００１８】表１、表２の結果より、燻煙成分と蔗糖脂
肪酸エステルとを単独で使用しても効果は無かったが、
併用することにより、優れた抗齲蝕性を示した。
肪酸エステルとを単独で使用しても効果は無かったが、
併用することにより、優れた抗齲蝕性を示した。
【００１９】（実施例５〜８）構成脂肪酸がパルミチン
酸７０，ステアリン酸３０の蔗糖脂肪酸エステルを使用
する他は実施例１と同様にして抗菌性の評価を行った。
その結果を表３にあわせて示す。
酸７０，ステアリン酸３０の蔗糖脂肪酸エステルを使用
する他は実施例１と同様にして抗菌性の評価を行った。
その結果を表３にあわせて示す。
【００２０】
【表３】
【００２１】表３の結果より、実施例の抗齲蝕性組成物
は、優れた抗齲蝕性を示した。
は、優れた抗齲蝕性を示した。
【００２２】（実施例９〜１１）実施例１の液体燻液の
代わりに、その濃縮物（スモークオイルＷＳ−２０Ｌ，
萬有栄養（株）製）、燻粉末（バンアロマＣ，萬有栄養
（株）製）を使用し、他は実施例１と同様にして抗菌性
の評価を行った。その結果を表４に示す。
代わりに、その濃縮物（スモークオイルＷＳ−２０Ｌ，
萬有栄養（株）製）、燻粉末（バンアロマＣ，萬有栄養
（株）製）を使用し、他は実施例１と同様にして抗菌性
の評価を行った。その結果を表４に示す。
【００２３】
【表４】
【００２４】表４の結果より、いずれも優れた抗齲蝕性
を有していた。
を有していた。
【００２５】（実施例１２）実施例で液体培養したミュ
ータンス菌を２００〜５００個コロニー／シャーレにな
るようシャーレに注いだ。一方、抗齲蝕性組成物を、実
施例４と同じ含有量となるようＢＨＩ寒天培地に添加、
混合した後、１２１℃で１５分間滅菌し、３５±５℃に
温調して、これを上記シャーレに１０ｃｃ注いで混合、
固化した。他は実施例４と同様にして抗菌性を調べた。
その結果、液体燻液０．１５重量％、蔗糖脂肪酸エステ
ル０．２重量％を含有する抗齲蝕性組成物を、高温加熱
処理した場合でも、１００％の抗菌率が得られた。
ータンス菌を２００〜５００個コロニー／シャーレにな
るようシャーレに注いだ。一方、抗齲蝕性組成物を、実
施例４と同じ含有量となるようＢＨＩ寒天培地に添加、
混合した後、１２１℃で１５分間滅菌し、３５±５℃に
温調して、これを上記シャーレに１０ｃｃ注いで混合、
固化した。他は実施例４と同様にして抗菌性を調べた。
その結果、液体燻液０．１５重量％、蔗糖脂肪酸エステ
ル０．２重量％を含有する抗齲蝕性組成物を、高温加熱
処理した場合でも、１００％の抗菌率が得られた。
Claims (1)
- 【請求項１】燻煙成分と蔗糖脂肪酸エステルとを含有し
てなることを特徴とする抗齲蝕性組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08445992A JP3178888B2 (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 抗齲蝕性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08445992A JP3178888B2 (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 抗齲蝕性組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05246834A JPH05246834A (ja) | 1993-09-24 |
| JP3178888B2 true JP3178888B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=13831214
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08445992A Expired - Fee Related JP3178888B2 (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 抗齲蝕性組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3178888B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8852584B2 (en) * | 2005-07-26 | 2014-10-07 | Two Cells Co., Ltd. | Bactericide having selectivity to cariogenic bacterium, and a method for sterilization of cariogenic bacterium |
-
1992
- 1992-03-05 JP JP08445992A patent/JP3178888B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8852584B2 (en) * | 2005-07-26 | 2014-10-07 | Two Cells Co., Ltd. | Bactericide having selectivity to cariogenic bacterium, and a method for sterilization of cariogenic bacterium |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05246834A (ja) | 1993-09-24 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
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| R371 | Transfer withdrawn |
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| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
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