JP3178727B2 - 水硬性注入材料 - Google Patents

水硬性注入材料

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JP3178727B2 JP06532691A JP6532691A JP3178727B2 JP 3178727 B2 JP3178727 B2 JP 3178727B2 JP 06532691 A JP06532691 A JP 06532691A JP 6532691 A JP6532691 A JP 6532691A JP 3178727 B2 JP3178727 B2 JP 3178727B2
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栄一 有水
敏夫 三原
実 白沢
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水硬性注入材料、主と
して地盤注入や、コンクリート構造物のクラックなどの
微細クラックの補修などに使用される水硬性注入材料に
関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、注入材料としては、エ
ポキシ樹脂系やセメント系などが主に使用されていた
が、エポキシ樹脂系は高価で、コンクリートのクラック
内部に水が存在すると接着性や長期耐久性が十分でな
く、セメント系は88μ上の粒子を含み、注入性が十分で
ないなどの課題があった。
【0003】セメント系注入材料の注入性向上のため
に、その粒度を細かくした注入材料が種々提案されてい
るが、初期の凝結が非常に遅いため、クラックからの注
入材料の漏れや十分な強度発現性が得られないなどの課
題があった(特公昭62-10276号公報や特開昭63-210048号
公報など)。
【0004】本発明者らは、前記課題を解決すべく種々
検討した結果、特定の組成及び粒度の材料を使用する
と、注入性が良好で、強度発現性も優れた水硬性注入材
料が得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、セメン
ト、ガラス化率50%以上のアルミノケイ酸カルシウムガ
ラス、及び無機硫酸塩を有効成分とし、その最大粒径が
40μ以下、かつ、平均粒径が8μ以下であることを特徴
とする水硬性注入材料である。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。
【0007】本発明に係るセメントとしては、特に制限
されるものではなく、通常使用されている普通・早強・
超早強等の各種ポルトランドセメントや、これらポルト
ランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又は
シリカを混合した各種混合セメントが使用可能である。
【0008】本発明に係るアルミノケイ酸カルシウムガ
ラス(以下CASガラスという)は、その組成領域として、C
aO30〜60重量%、Al2O320〜60重量%、及びSiO25〜25
重量%が好ましく、CaO30〜55重量%、Al2O330〜60重量
%、及びSiO210〜20重量%がより好ましい。CaOが30重
量%未満あるいはAl2O3が60重量%を超えると、急硬性
に劣る傾向があり、逆に、CaOが60重量%を超えるかあ
るいはAl2O3が20重量%未満であると、凝結調整剤を多
量添加しても瞬結してしまい、作業性の面から好ましく
ない。また、SiO2が5重量%未満であると、長期的な強
度の伸びが期待できず、逆に25重量%を超えると初期強
度が小さい傾向がある。
【0009】なお、後述の一般の工業原料には、MgO、F
e2O3、TiO2、K2O、及びNa2O等の不純物が当然含まれて
いる。これらの不純物は、CaO-Al2O3-SiO2系のガラス化
領域を拡張することから、10重量%未満までの存在は好
ましく、また、急硬性、作業性、及び長期強度の伸び等
の諸特性に問題は生じない。また、CASガラス製造の際
に、一般的なガラスの融剤であるNaNO3やKNO3などの硝
酸アルカリ、フッ化カルシウム、及びホウ砂等を加える
ことは、ガラスの融点を下げることから好ましい。
【0010】本発明におけるガラスとは、熱分析から求
められる、「ガラス転移点を示すもの」をいう。なお、全
てがガラス質である必要はなく、ガラス化率が50%以上
であり、70%以上が好ましく、80%以上がより好まし
い。50%未満では、初期強度が小さくなる傾向がある。
なお、ガラス化率(X)は、例えば、本発明においては、
CASガラスを、1000℃で2時間加熱して溶融し、その
後、5℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法によ
り求めた結晶鉱物のメインピークの面積S0とCASガラス
中の結晶のメインピークの面積Sから式1に従って算出
した。
【0011】
【数1】
【0012】CASガラスは、例えば、平均的な化学組成
が、CaO40〜43重量%、MgO5〜8重量%、Al2O313〜15
重量%、及びSiO231〜35重量%である、冶金や金属製練
などで副生する高炉水砕スラグの組成とは全く異なるも
のである。また、CASガラスは、アルミナセメントの組
成とは全く異なるものである。即ち、通常のアルミナセ
メントのSiO2量は5重量%未満であり〔笠井順一、コン
クリート工学、第22巻、第8号、第67頁(1984)〕、さら
に、ガラス化率は25%を越えることはない〔1964年、ロ
ンドン市アカデミック プレス インコーポレーテッド
リミテッド発行、H.F.W.Taylor著、ザ ケミストリー
オブ セメント(The Chemistry of Cement)、第2
巻、第16頁〕。
【0013】本発明に係るCASガラス製造用原料として
は、CaO質原料、Al2O3質原料、及びSiO2質原料が挙げら
れる。CaO質原料としては、生石灰、消石灰、及び石灰
石等が、また、Al2O3質原料としては、アルミナ、ボー
キサイト、ダイアスポア、長石、及び粘土等が、さらに
は、SiO2質原料としては、ケイ砂、白土、及びケイ藻土
等が使用可能である。また、比較的安価な高炉スラグ
に、CaO質原料とAl2O3質原料を補うことも可能である。
【0014】本発明に係るCASガラスは、以上のCaO質原
料、Al2O3質原料、及びSiO2質原料を所定の割合で配合
し、直接通電式溶融炉や高周波炉などを用いて溶融し、
得られた溶融体を圧縮空気や高圧水により吹飛ばす方
法、あるいは、水中に流し込む方法などにより製造され
る。さらには、ロータリーキルンで溶融し、急冷するこ
とによっても製造することが可能である。
【0015】本発明に係る無機硫酸塩とは、アルカリ金
属又はアルカリ土類金属の硫酸塩であり、そのうち無
水、半水並びに二水の硫酸カルシウムが好ましく、中で
もII型無水セッコウの使用が強度発現の面から特に好ま
しい。II型無水セッコウとは、X線回折パターンでII型
のCaSO4の形態を示すものであり、工業的に含まれる不
純物に制約されるものではない。無機硫酸塩の使用量
は、CASガラス100重量部に対して、50〜300重量部が好
ましく、100〜200重量部がより好ましい。50重量部未満
では強度発現の面で好ましくなく、300重量部を越える
と膨張性を示し、クラックが発生したり、長期的な安定
性が損なわれる恐れがある。
【0016】本発明では、CASガラスと無機硫酸塩の混
合物を急硬成分として使用する。急硬成分の配合量は、
セメント100重量部に対して、5〜50重量部が好まし
く、15〜30重量部がより好ましい。5重量部未満や50重
量部を越えると、強度発現性や寸法安定性などの面で好
ましくない。
【0017】本発明の水硬性注入材料の粒度は、最大粒
径40μ以下であり、15μ以下が好ましい。また、平均粒
径は8μ以下であり、5μ以下が地盤の注入性やコンク
リート構造物などの微細クラックへの注入性の面で好ま
しく、地盤やコンクリート構造物の一体化が計れる。
【0018】本発明において、水硬性注入材料の粉砕方
法は、特に制限されるものではないが、各材料を別々に
ボールミルなどの粉砕機で粉砕し、分級により40μ以下
を集め、その後混合するか、又は、各材料を混合した後
粉砕し、分級により40μ以下を集める方法のいずれも使
用可能である。しかしながら、各材料を混合した後粉砕
し分級する場合、各材料の比重差などにより混合比が変
化する恐れがあり、その混合比を考慮すると、各材料を
別々に粉砕して分級し、その後混合する方法が好まし
い。
【0019】本発明の水硬性注入材料に、作業性を維持
するため凝結調整剤を使用することは好ましい。凝結調
整剤はCASガラス中のCaO含有量が多く、凝結時間の早い
場合に使用される。ここで、凝結調整剤としては、クエ
ン酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、及びマレイン酸
等の有機酸又はそれらの塩類、炭酸ナトリウムや炭酸カ
リウムなどの炭酸アルカリ、リン酸類又はその塩類、ホ
ウ酸、ホウ酸アルカリ、アルミン酸アルカリ、ケイフッ
化物、でん粉、糖類、並びに、アルコール類等やそれら
の混和物が挙げられ、中でも有機酸の使用が好ましい。
凝結調整剤の使用量は、例えば、20〜240分程度の適度
な可使時間を得るために、CASガラス100重量部に対し
て、1〜30重量部程度が好ましい。
【0020】本発明の水硬性注入材料に、さらに、減水
剤、高性能減水剤、及び流動化剤を混合することは、水
硬性注入材料の分散性を高め、注入性を上げる面から好
ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(SBR)、
及びアクリルエマルジョン等の高分子エマルジョンを混
合することは、注入材料と下地との接着性の向上やペー
ストの沈降防止の面で好ましい。
【0021】本発明の水硬性注入材料の混合装置は、特
に制限されるものではないが、例えば、傾胴ミキサー、
千代田技研工業社製のオムニミキサー、V型ミキサー、
ヘンシェルミキサー、及びナウターミキサー等の既存の
いかなる撹拌装置も使用可能である。また、各材料の混
合方法も特に制限されるものではなく、各々の材料を施
工時に混合してもよく、予め一部もしくは全部を混合し
ておくことも可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0023】実施例1 セメント100重量部、表1に示す割合のCASガラス、及び
無機硫酸塩を混合して水硬性注入材料とし、その水硬性
注入材料100重量部に対して、水400重量部と高性能減水
剤2重量部を混練してペーストとした。水硬性注入材料
の粒度調整には、ボールミルを使用した。一方、φ5cm
の土木学会チューブに6号硅砂1kgを、高さ34cmになる
ように充填し、それに前記ペースト200ccを投入し、そ
の浸透深さと、硅砂上に残ったペーストの残量を厚みと
して測定した。結果を表1に示す。
【0024】また、前記ペーストを用いて作成した、4
×4×16cmの供試体で圧縮強度を測定した。さらに、φ
5cmの土木学会チューブに、前記ペーストを高さ20cmま
で投入し、3時間後のブリージング量を高さとして測定
した。結果を表1に併記する。
【0025】
【表1】
【0026】<使用材料> セメント :電気化学工業社製 普通ポルトランドセメ
ント CASガラスA:CaO/Al2O3/SiO2の重量比は50/40/10、ガ
ラス化率100% 〃 B:CaO/Al2O3/SiO2=40/40/20、ガラス化率100% 〃 C:CaO/Al2O3/SiO2=30/45/25、ガラス化率100% 無機硫酸塩:II型無水セッコウ 凝結調整剤:クエン酸、試薬 高性能減水剤:電気化学工業社製商品名「FT-500」主成分
β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物
【0027】
【発明の効果】本発明によって、注入性が良好で、強度
発現性に優れた水硬性注入材料が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−153850(JP,A) 特開 昭55−23110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/02 C04B 22/08 - 22/16 C09K 17/10 - 17/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、ガラス化率50%以上のアルミ
    ノケイ酸カルシウムガラス、及び無機硫酸塩を有効成分
    とし、その最大粒径が40μ以下、かつ、平均粒径が8μ
    以下であることを特徴とする水硬性注入材料。
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