JP3176599B2 - ダイボンダ - Google Patents

ダイボンダ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定ピッチ送りされ
るリードフレーム上に半導体ペレットをマウントする、
ダイボンダあるいはマウンタに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体は、ウェーハ上に多数の回路素子
を形成した後、その回路素子を一つずつ矩形状の半導体
ペレット(以降ペレットと呼ぶ)に分離した後、ダイボ
ンダやマウンタを用いて、それらペレットはリードフレ
ームの所定の位置(ランド部)に搭載される。なお、ペ
レットの接合方法には、半田や銀ペーストあるいは樹脂
が用いられ、リードフレームには、金属で短冊状のもの
が一般的に用いられる。
【0003】ここで、接合剤をリードフレームのランド
部に塗布したり、ペレットをランド部に搭載する作業
は、リードフレームをダイボンダの搬送レール上を搬送
しながら行われる。また、その搬送は定ピッチ送りの間
欠運転であり、リードフレームが停止している間に、上
記作業が各々行なわれる。
【0004】その搬送方法には、ピン送り方式やクラン
プ方式がよく用いられるが、ここではピン送り方式につ
いて、まず図2を用いて説明する。図2は、ペレットマ
ウント工程をイメージしたものである。リードフレーム
1には、搬送方向に定ピッチに送り穴2があけられてお
り、ランド部3がそれと同様のピッチで配されている。
また、リードフレーム1は搬送レール4上を搬送され
る。
【0005】搬送レール4の横には、ピン送りユニット
5が設置される。このピン送りユニット5の構成・動き
をまず説明する。送りピン7は上下動シリンダー8のロ
ッドにつながり、上下動可能である。また、上下動シリ
ンダー8は、LMガイド(直進ガイド)9に取付けられ
て、ガイドレール10に沿ってスムーズに直進動作し、
同時に、つなぎ板12を介してナット部13とつながっ
ている。そのナット部13は、両端がベアリング受14
に挟まれたボールねじ15に螺合し、ボールねじ15の
一端はサーボモータ17に連結されている。そのため、
サーボモータ17を駆動源とするボールねじ15の回転
により、ナット部13は直進動作を行ない、それに伴っ
て送りピン7も直進動作を行なう。
【0006】ガイドレール10とボールねじ15は、リ
ードフレーム1の搬送方向と平行に、基板上20に固定
されている。同時にサーボモータ17も、モータ取付け
板21を介して、基板20に固定されている。なお、基
板20は、ダイボンダの上面等に固定されている。
【0007】引き続き、図3を用いてピッチ送りの概要
を述べる。図3は正面図であり、先の図2をA方向から
見た図である。送りピン7の動きは、大別して2種類あ
るために、それらを(a),(b)に分けて描いてい
る。また図3では、送りピン7の動き(左右及び上下)
を矢印で表わしている。 (a)送りピン7は下降して、リードフレーム1の送り
穴に入りこんだまま、複数ピッチ(この図の場合6ピッ
チ分であるが、普通一つのリードフレーム分)移動した
後、上昇して元の位置に戻る。送りピン7の軌跡はこの
ような横長なスクウェアモーションとなり、送りピン7
はこの動作を繰り返す。 (b)送りピン7は毎ピッチずつ下降・上昇を繰り返
し、1ピッチずつリードフレーム1を搬送する。この場
合、送りピン7の軌跡は小さな、正方形に近いスクウェ
アモーションとなる。
【0008】このようにリードフレームは1ピッチずつ
搬送され、図2に戻るが、その停止中に、吸着ヘッド2
2は、粘着シート上あるいは供給トレー上(いずれも図
示省略)から、ペレット23を取り出してリードフレー
ム1のランド部3に搭載する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたようにし
て、リードフレームは定ピッチ送りされる訳であるが、
そこには以下の問題があった。まず送りピンの動作に関
する問題であるが、これは図3でも述べたように、
(a),(b)いずれの方法でも、必ず送りピンには戻
り動作が必要となる。またこの動作時間は、装置全体の
サイクルタイムに直接影響する。従って、他のあらゆる
動作部分を工夫して、ダイボンダの高速運転を図ろうと
しても、この戻り動作の時間は解消されず、それがネッ
クとなっていた。
【0010】それを少しでも解消しようと、次の構造を
持つダイボンダも生産されている。それは、これまで説
明したピン送りユニットを2式配置して、互いに補完し
あい、少しでも戻り動作のロスを減らそうとするもので
あった。それら2式のピン送りユニットは、同一平面上
に連続して配置されたり、あるいは上下に配置されたり
した。しかしながら、リードフレームの送り・停止に関
しては、10〜20μmの高い精度が要求されるため
に、ピン送りユニットは前述したようなサーボモータや
ボールねじそれにLMガイド等高価な部品で構成しなけ
ればならない。それには、1式50万円相当の製造コス
トを要した。従って、それを2式組み込むことは大きな
コストアップにつながっていた。
【0011】また、ピン送りユニットを2式配置する
と、それに余分な面積を占有されるばかりでなく、大変
込み入った配置にしなければならない。そこで、2式相
互のインターロック等、ソフト・ハード両面に渡る緻密
な設計が必要となり、コストアップは、単にピン送りユ
ニット2式分の製造コストだけには止まらなかった。
【0012】そのため、リードフレームの搬送に際して
は、ピンの戻り動作等が不要で高速運転ができ、定ピッ
チの送り精度も高く、しかしそれがコストアップにもつ
ながらず、なおかつシンプルな構造のダイボンダの開発
が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上述
した問題点を解決するために提案されたダイボンダであ
る。その手段は、搬送レールの上方には、同一鉛直面上
に3個以上の回転可能なプーリが配置され、そのプーリ
には、リードフレームの穴に係合可能なピンが表面に定
ピッチで立設されたベルトが巻回され、その巻回された
ベルトの中を通り抜けるかたちで半導体ペレットを搬送
可能な搬送ユニットが配されている。また、プーリの少
なくとも一つのプーリが間欠的に回転可能であって、3
個以上のプーリの内最低2個のプーリは搬送レールと平
行に配されており、それ以外の内少なくとも1個のプー
リは、巻回されたベルトの外周あるいは内周方向に移動
し、ベルトを張設可能な構造となっている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付図面にしたがって、本発
明に係るダイボンダの好ましい形態について詳説する。
なお、従来例と同じ構成部品については、従来例と同符
号を用いる。図1は、本発明のダイボンダを斜視図で示
したものである。短冊状のリードフレーム1が複数枚、
搬送レール4上を定ピッチ送りされ、そのランド部3の
上に、ピックアンドプレースユニット40(以降PPユ
ニットと表現する)が、ウェーハから矩形状にスクライ
ブされたペレット23を1個ずつ搭載する様子を描いて
いる。
【0015】まず、本発明の主題である、ベルト30に
よるリードフレーム1の定ピッチ送り機構について説明
する。ベルト30には、外周にピン31が立設されてお
り、そのピッチは、リードフレーム1に設けられた送り
穴2と同じピッチとなっている。そのベルト30が4個
のプーリ32に巻回されていて、そのうち下の2個のプ
ーリ32a,32dは搬送レール4と平行に配置され、
片方のプーリ32aは回転軸33がモータ34に接続さ
れて、駆動源となっている。そのモータ34は、ドライ
バー等の駆動制御部(図示省略)につながり、ピン31
の定ピッチ送り分モータ34を回転させてその後停止す
ることができる。なお、残りのプーリ32b,32c,
32dは回転自在となっている。
【0016】また、上の2個のプーリ32b,32c
は、テンション調節部35により、各々上下に移動可能
な構造となっている。その構造を以下に説明する。(プ
ーリ32b側のみで説明) ダイボンダ本体に固定された取付け板36(下部は図示
省略)に、エアーシリンダー37とガイドレール10a
が取付けられており、プーリ32bの軸38とエアーシ
リンダー37のロッドとにつながったLMガイド9a
が、ロッドの上下動に伴ってスムーズに上下動するもの
である。従って、エアーシリンダー37への供給エアー
圧力を適度に設定しておけば、このテンション調節部3
5により、ベルト30は上方へ常に一定の力で押し上げ
られ、適度なテンションを保つことができる。そのため
ベルト30は弛みなく張られ、ベルト30のピン31
は、リードフレーム1の送り穴2にうまく係合する。
【0017】この状態で、モータ34を所定の時間回転
後停止することを繰り返せば、リードフレーム1を定ピ
ッチ送りできる。なお、リードフレーム1の送り穴2の
径とピン31の外径とは多少の寸法差があり、両者間に
はガタがある訳だが、このガタが要因となって生じ得る
停止精度の低下を避けるために、次の構造としておくの
が望ましい。リードフレーム1を、上方からローラ等で
多少搬送レールに押付けておきながら(図示省略)、ベ
ルト30を移動・停止させるとよい。こうすれば、リー
ドフレーム1には搬送レール4方向に常に摩擦力が働い
て、その上で容易に滑ることはなく、リードフレーム1
は停止時にバックラッシ様の位置ずれが生じない。言い
換えると、ピン31は常に、送り穴2の先頭方向の内周
部分に接しながらリードフレーム1を送ることになる。
【0018】停止精度に関して更に言及すると、次の方
策も考慮に入れておくとよい。定ピッチでベルト30を
移動させるためにプーリ32aを回転させる訳だが、そ
の回転数はドライバー等制御部から発せられる所定のパ
ルス数で決められる。そのため、ドライバー等の分解能
とプーリ32aの外径を考え合わせたとき、数10回移
動を繰り返すと、この移動量は、ランド部3のピッチに
対して累積ずれが生じてくる。このずれ量が5〜10μ
mに達すると支障をきたすことになる。これを防ぐため
に、一定の回数移動を繰り返した後には、計算で得られ
るずれ分を一旦補正して、その後の移動を行なえばよ
い。或いは、カメラやセンサーを設置(図示省略)し
て、それでリードフレーム1のランド部3等基準となる
部分を観察し、定期的にそのずれ量を読み取り、ずれ分
をそこで一旦補正して、その後の移動を行なえばよい。
【0019】なお、先に搬送されるリードフレーム1に
設けられた終端の送り穴2と、それに続くリードフレー
ム1に設けられた先頭の送り穴2との間隔は、ピン31
のピッチと同じもしくは整数倍となっていて、2個のリ
ードフレーム1,1にまたがってピン31が係合され
る。そのためベルト30が移動することにより、図のよ
うに2個のリードフレーム1,1を同時に搬送すること
ができる。
【0020】ところで、生産するペレット23やリード
フレーム1が切り替わると、切替え後のリードフレーム
1の送り穴ピッチに合わせてピン31が立設されたベル
ト30に交換する訳だが、その際は、先のテンション調
節部35を下げてベルト30を取り外し、次のベルト3
0をはめてから、テンション調節部35を上げて適度に
ベルトのテンションを調節すればよい。即ち、あらゆる
生産品種に対応する品種切替えが大変容易な構造といえ
る。
【0021】引き続いて、次の特徴であるPPユニット
40の配置に関して説明する。前にも少し触れたよう
に、ペレットマウント作業は10μm程度の搭載位置精
度が要求されるものである。そのために、ウェーハ上の
ペレット23は画像認識して位置決めした後ピックアッ
プされる程であって、極力高速でピックアンドプレース
を行なおうとして、その過程でPPユニット40が揺れ
・振動が残ってしまうと、満足のいく搭載精度は確保で
きない。従ってその不具合を避けるため、一般的にPP
ユニット40は、図1のように剛性の高い(言い換える
とがっしりとして、大きい)構成となっている。PPユ
ニット40の構造については詳述を避けるが、概ね図1
に示す構造が採られている。左右動及び上下動ともにモ
ータ・ボールねじ・LMガイドが用いられ、アームの先
端に設けられた吸着ヘッド22aで、ペレット23を真
空吸着・開放するものである。
【0022】本発明では、このようなPPユニット40
(特に左右動・上下動する移動部)を、4個のプーリ3
2に巻回されたベルト30の中を通り抜ける形でレイア
ウトにしている。もしプーリ32が下方の2個だけの構
成だとすれば、その狭い中にPPユニット40を通すこ
とはできず、巻回された上側のベルト30をまたいで、
PPユニットを40配置し、左右動・上下動させる必要
が生じる。こうなると、上下動ストロークを増やさなけ
ればならず、そのため動作時の揺れ・振動の度合いが増
え、またPPユニット40が一層大型化してしまう。も
っとも、ペレット23をマウントする場所では、リード
フレーム1を特に精度よく位置決めする必要があるた
め、PPユニット40をベルト30と交差させず(例え
ば、リードフレーム1の進行方向から見て、PPユニッ
ト40の前か後ろ)に配置したのでは意味がなくなる。
上記の観点からすると、本発明のPPユニット40のレ
イアウトが、大変有効となる。
【0023】最後に何点か付け加える。ベルトは、プー
リに対して滑って回転してしまうと、送りの精度を確保
できないため、例えばタイミングベルトのような、極力
滑りのないものを選ぶべきである。また、実施例では、
ベルトの張設手段にエアーシリンダーを選んでいるが、
これには他の、例えばばね等を用いても構わない。更
に、実施例は、4個のプーリから成るものであったが、
これは、それより1つ少ない3個でも可能であるし、逆
にそれより多い5個以上であっても可能である。それ
は、本発明のベルトによるリードフレームの定ピッチ送
りを、ペレットマウント工程前後のどの工程まで含めて
行なうかによって選択すればよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイボン
ダであれば、ベルトを一方向に回転移動するだけで、高
い位置決め精度を確保しながら、リードフレームを定ピ
ッチ送りすることができる。また、ベルトが巻回される
複数個のプーリは、ほぼ搬送レールの上方の同一鉛直面
上に配置される。そのため、従来のピン送り方式で見ら
れた、ピンの戻り動作は全くなくなるため、ダイボンダ
の高速運転が可能となる。また、高価なピン送りユニッ
トが不要になるとともに、本発明の送り方式は構造がシ
ンプルであるため、大幅なコストダウンができる。同時
に、PPユニット・搬送レールの周辺にピン送りユニッ
トがなくなるため、ダイボンダのレイアウトがすっきり
して、組立・調整が大変やり易くなる。
【0025】更に、複数個のプーリに巻回されたベルト
の中を通り抜ける形で、PPユニットをレイアウトして
いるため、PPユニットの上下動ストロークを増やす必
要はなく、上述したようにピン送りユニットも不要とな
って、PPユニットを、剛性を維持したまま、よりコン
パクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイボンダの斜視図
【図2】 従来のダイボンダの斜視図
【図3】 ピン送り方式において、ピンの動きを示す正
面図
【符号の説明】
1 リードフレーム 2 送り穴 3 ランド部 4 搬送レール 9a LMガイド 10a ガイドレール 22a 吸着ヘッド 23 ペレット 30 ベルト 31 ピン 32a,32b,32c,32d プーリ 33 回転軸 34 モータ 35 テンション調節部 36 取付け板 37 エアーシリンダー 38 軸 40 PPユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/52 H01L 21/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送レール上に載置された、送り方向に定
    ピッチに複数個の穴が形成されたリードフレームを搬送
    するダイボンダであって、 前記搬送レールの上方には、同一鉛直面上に3個以上の
    回転可能なプーリと、そのプーリに巻回され前記リード
    フレームの穴に係合可能なピンが表面に定ピッチで立設
    されたベルトと、 また前記巻回されたベルトの中を通り抜けて半導体ペレ
    ットを搬送可能な搬送ユニットが配され、 前記プーリの少なくとも一つのプーリが間欠的に回転可
    能なことを特徴とするダイボンダ。
  2. 【請求項2】前記3個以上のプーリの内少なくとも2個
    のプーリは、前記搬送レールと平行に配されたことを特
    徴とする請求項1記載のダイボンダ。
  3. 【請求項3】前記搬送レールと平行に配された2個のプ
    ーリ以外の少なくとも1個のプーリは、その巻回された
    前記ベルトを張設可能なことを特徴とする請求項2記載
    のダイボンダ。
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