JP3176509B2 - 可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ及びその製造方法 - Google Patents
可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ及びその製造方法Info
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Description
イヤブラシ(摺動子とも称される)の構造に関し、特に
ワイヤの先端が解れずに安定した抵抗体との接触が得ら
れる信頼性の高い摺動用ワイヤブラシの構造及びその製
造方法に関するものである。
て抵抗値可変のための機械的可動部を有している点に特
徴がある。抵抗体は固定抵抗器に使用されるものがその
まま用いられるが、機械的摺動が行われるため摺動に対
する信頼性(強度)が要求される。
膜形、金属皮膜形、巻線形等があるが、特に炭素皮膜形
可変抵抗器は古くからボリュームと称され音量調整用と
して用いられ、現在も一般に広く利用されている。
から直線摺動式(スライド式)と回転式(ロータリー
式)があるが、回転式について構造及び製造方法を概説
すると、図3に示されるように、フェノール積層板1の
表面に抵抗材料として炭素粉末、膠着剤として油状フェ
ノール樹脂及び溶剤を混合した抵抗液を塗布乾燥し、必
要な形状例えば馬蹄形に型抜きして抵抗体2とする。機
構部分である軸3、軸受(図示略)、端子5a〜5c、
カバー(図示略)、摺動子としての摺動用ワイヤブラシ
7及びモールドして作られたケース8が前記抵抗体2と
組み立てられて可変抵抗器10が完成する。
響するのが抵抗体2と常時接触しつつ摺動する摺動子
(摺動用ワイヤブラシ7)との導電状態である。
き・折曲加工したものや図3のように直径0.1mm程
度の導電ワイヤ9を多数本を一列密に並べた所謂摺動用
ワイヤブラシが使用される。
来の摺動子においては以下に記するような問題点があっ
た。 (1)摺動子の性能の点からすると抵抗体2との接触部
にあたる足の部分の本数は多いほど摺動ノイズが低減さ
れるので好ましいといえるが、金属薄板を加工した摺動
子では打ち抜き加工精度上の制限から足の本数を多くで
きない(1〜4本)ので摺動ノイズが大きいという問題
点があった。これは可変抵抗器が小型化するほど顕著な
問題となる。 (2)一方、図3のような摺動用ワイヤブラシ7におい
ては、直径0.1mm程度の導電ワイヤ9を多数一列に
並べて片端を金属棒7aに溶接した構造のものが使用さ
れている。この場合は金属ワイヤ9が数十本の足として
抵抗体2に接触するので摺動ノイズは低減されるが、上
記のような従来の摺動用ワイヤブラシ7は製造工程が煩
雑で前記金属薄板の摺動子に比べて10倍程の高価なも
のとなってしまうという問題点があった。
きになって解れたり絡まったりする場合があり、また頻
繁に使用するにつれて抵抗体2に当たるテンションが弱
くなって導電接触の確実性が落ちてしまうという問題点
があった。
あり、摺動用ワイヤブラシの摺動ノイズが小さいという
利点を残しつつ製造コストを金属薄板の摺動子と同等程
度に抑え、且つ従来の摺動用ワイヤブラシが抱えていた
先端の解れや抵抗体との導電接触の確実性劣化を防止し
た構造の摺動用ワイヤブラシ及びその製造方法を提供す
るものである。
束ねた構造の可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシにおい
て、全導電ワイヤが単層コイル状に巻かれた一本のつな
がったワイヤを平らに潰して抵抗体と接触する側のブラ
シ先端がヘアピン状になるようにループ状に折曲される
とともに抵抗体との接触点に突起部分が形成されている
構成であることを特徴とする可変抵抗器の摺動用ワイヤ
ブラシを提供することにより、また、厚さ1mm程度の
棒状芯金に線径0.03〜0.2mmの導電ワイヤをコ
イル状に巻き付け、次に合成樹脂にて前記コイル状に巻
き付けた導電ワイヤを固め、次に前記棒状芯金のみを抜
き取り、次に前記コイル状の導電ワイヤをプレス機にて
ブラシ先端がヘアピン状になるとともに二段重ねに平坦
に横並びするように短冊の厚み方向に平に押し潰して変
形させ、次に抵抗体との接触点の突起部分を加工し、次
に前記導電ワイヤを固めた樹脂を溶解洗浄することによ
り成ることを特徴とする上記摺動用ワイヤブラシの製造
方法を提供することにより、上記目的を達成するもので
ある。
は、 (1)導電ワイヤが一本一本別でなく、一本のつながっ
たワイヤで構成されているのでブラシ先端がループ状に
なっている。したがって、解れたり絡まったりすること
がなく、且つテンションが一本の場合と比して強くなり
抵抗体との導電接触の確実性、耐久性が向上する。故に
可変抵抗器の回転寿命が延びる。 (2)また、従来のように数十本の導電ワイヤを逐一一
列に密に並べて片方を金属棒に溶接するという製造方法
と異なり、単に単層コイルの如く棒状芯金に巻き付け、
プレス加工するという簡単な工程で済むので製造コスト
が大幅に低減される。
ラシの実施例を図面を用いて詳述する。尚、前記従来例
の部位と同形状、同機能のカ所は同符合をもって示すも
のとする。
の構成を説明するための回転形可変抵抗器の摺動用ワイ
ヤブラシ部分の拡大斜視図である。図2は本発明に係わ
る摺動用ワイヤブラシの製造工程を説明するための工程
流れ図である。
0は、導電ワイヤを束ねた構造であって、特に全導電ワ
イヤ19が単層コイル状に巻かれた一本のつながったワ
イヤを平らに潰して抵抗体2と接触する側のブラシ先端
11がヘアピン状になるようにループ状に折曲されると
ともに抵抗体2との接触点に突起部分12が形成されて
いることを特徴とする構造となっている。
〜0.2mmの範囲の弾力性を有する金属裸線であり、
例えばリン青銅のワイヤを用いている。
いし円形状の突起部分12を一方の端部近傍に設けて該
頂点にて接触させることにより接触点の安定を図ってい
る。また、導電接触を確実にするため、適当なテンショ
ンで抵抗体2を押圧しつつ摺動するように導電ワイヤの
他端はやや傾けて金属棒7aに半田溶接固着またはかし
めて導電ワイヤ19がやや湾曲した状態に設定されてい
る。
いては、各ワイヤが抵抗体2に対して上下二段に並び且
つ上下のワイヤ(例えば19aと19b)はブラシ先端
11にてループ状につながっているので絡まったり解れ
たりすることがない。
摺動ノイズは従来の摺動用ワイヤブラシ以上に低減され
る。
して弾力性が増し、抵抗体2に対するテンションの維持
が長く保たれることになる。
っているので取扱いが楽となり、金属棒7aとの溶接作
業も簡単かつ確実に行うことができる。
項2に係わる製造方法について図2を参照にしつつ順を
追って説明する。
4(例えば図のような短冊形状や丸棒、角棒等形状に制
限はない。)に線径0.03〜0.2mmの導電ワイヤ
19(リン青銅)をコイル状に一重に緻密に数十回巻き
付け、次に液状合成樹脂15を塗って前記コイル状に巻
き付けた導電ワイヤ19を固める。(以上(A)) (2)次に、前記棒状芯金14のみを抜き取る。(以上
(B)) (3)次に、前記コイル状の導電ワイヤ19をプレス機
にてブラシ先端11がヘアピン状になるとともに二段重
ねに平坦に横並びするように短冊の厚み方向(矢印P)
に平に押し潰して変形させる。(以上(C)) (4)次に、抵抗体2との接触点となる突起部分12を
成形加工し、最後に前記導電ワイヤを固めた合成樹脂1
5を適当な溶剤ないし加熱によって溶解し洗浄すること
により完成する。(以上(D))。
溶剤にて溶かすことのできるものであれば特に問題なく
使用でき、例えば酢酸ビニル系、ゴム系接着剤、さらに
はホットメルト(熱溶融)型のものでもよい。また、棒
状芯金14の素材は特に制限はないが、使用する合成樹
脂15の性質を考慮しつつ巻き付けた導電ワイヤ19の
剥離性のよいものを使用するのが望ましい。
製造でき、従来のような一本一本のワイヤを束ねて溶接
するという煩雑で歩留まりの悪い工程がなくなるので、
前述の金属薄板の摺動子程度に製造コストが低減され
る。
転形の可変抵抗器についてであったが、直線摺動形の可
変抵抗器であっても何等問題なく適応しうることは云う
までもない。
の寸法及び平面形状は対象とする可変抵抗器の容量によ
って変わり得るものであって、本発明の摺動用ワイヤブ
ラシは全ての可変抵抗器が対象となる。
記のように構成されているため、以下に記載するような
効果を有する。
ることがなく、摺動ノイズが低減されるという優れた効
果を有する。
で確実な抵抗体との導電接触が安定して得られ、回転寿
命が延びるという優れた効果を有する。
に低減されるという優れた効果を有する。
説明するための回転形可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ
部分の拡大斜視図である。
程を説明するための工程流れ図である。
部破断斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 導電ワイヤを束ねた構造の可変抵抗器の
摺動用ワイヤブラシにおいて、全導電ワイヤが単層コイ
ル状に巻かれた一本のつながったワイヤを平らに潰して
抵抗体と接触する側のブラシ先端がヘアピン状になるよ
うにループ状に折曲されるとともに抵抗体との接触点に
突起部分が形成されている構成であることを特徴とする
可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ。 - 【請求項2】 厚さ1mm程度の棒状芯金に線径0.0
3〜0.2mmの導電ワイヤをコイル状に巻き付け、次
に合成樹脂にて前記コイル状に巻き付けた導電ワイヤを
固め、次に前記棒状芯金のみを抜き取り、次に前記コイ
ル状の導電ワイヤをプレス機にてブラシ先端がヘアピン
状になるとともに二段重ねに平坦に横並びするように短
冊の厚み方向に平に押し潰して変形させ、次に抵抗体と
の接触点の突起部分を加工し、次に前記導電ワイヤを固
めた樹脂を溶解洗浄することにより成ることを特徴とす
る請求項1記載の摺動用ワイヤブラシの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11321694A JP3176509B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11321694A JP3176509B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07320913A JPH07320913A (ja) | 1995-12-08 |
JP3176509B2 true JP3176509B2 (ja) | 2001-06-18 |
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ID=14606522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11321694A Expired - Fee Related JP3176509B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 可変抵抗器の摺動用ワイヤブラシ及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3176509B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP4735318B2 (ja) * | 2006-02-16 | 2011-07-27 | パナソニック株式会社 | 抵抗器およびその製造方法 |
-
1994
- 1994-05-27 JP JP11321694A patent/JP3176509B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07320913A (ja) | 1995-12-08 |
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