JP3176269B2 - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置

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JP3176269B2 JP27128095A JP27128095A JP3176269B2 JP 3176269 B2 JP3176269 B2 JP 3176269B2 JP 27128095 A JP27128095 A JP 27128095A JP 27128095 A JP27128095 A JP 27128095A JP 3176269 B2 JP3176269 B2 JP 3176269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材に担持され
た像を加熱する像加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、記録材上にトナー像を転写し、こ
れを加熱して永久画像を得る画像形成装置において、使
用される像加熱装置は図1に示すような構造となってい
る。図1において1は加熱ローラーであり、一例とし
て、アルミニウムや鉄などの芯金11上にPFA、PT
FE等の離型性樹脂層12を設け、また、内部はヒータ
ー4によって加熱されるようになっている。加熱ローラ
ー1の温度は、該加熱ローラー1に当接される温度検知
素子3によって、該定着ローラー1の表面温度として検
出され、温度制御回路(不図示)によってヒーター4を
断続的に作動させることで、上記表面温度は所定の温度
に制御される。クリーニング手段を有する像加熱装置は
この温度検知素子を通紙域内に設置することが可能であ
るが、クリーニング手段を持たない像加熱装置において
は画像汚れを避けるために非画像域に設置することが一
般的である。
【0003】一方、2は上記加熱ローラー1に圧接回転
する加圧ローラーであり、一例として、アルミニウムや
鉄等の金属芯金13上に、耐熱性を有しかつ硬度の低い
シリコーンゴムやシリコーンスポンジ等の弾性層14を
設け、その表面にPFA、PTFE等の離型性の高い樹
脂による被覆層15を有した構造をなしている。
【0004】また、トナー像Tを担持した記録材Pは、
入口ガイド6によって加熱ローラー1と加圧ローラー2
の間のニップ部に導かれ、加熱かつ加圧されることで定
着される。この入口ガイド6はPBT等の抵抗制御材
(10E8から10E10Ω)で作るか、もしくはステ
ンレス等の金属でガイド面を構成し、定着フレームとの
接点に前記抵抗制御材を用いることが一般的である。こ
れは、絶縁物等で入口ガイド形成すると、記録材との摺
擦によるガイド面が帯電し、トナーの飛び散り等の弊害
が生じるためである。また、記録材Pがニップ部を通過
するときにシワが発生しないように、前記加熱ローラー
1及び加圧ローラー2の長手方向に適正な逆クラウン形
状を付けるとともに、入口ガイド6により加熱ローラと
加圧ローラで形成されるニップへの侵入位置を適正化す
ることが一般的に行われている。
【0005】このような像加熱装置において、ウォーム
アップ時間短縮の目的で加熱ローラーの熱容量を減らす
ために、加熱ローラー1の肉厚を1.0mm以下にする
ことがある。このような場合、1本ヒータを用いた構成
では小サイズ紙をプリントするときに非通紙域の過昇温
が問題となる。特に高速機においては小サイズ紙のプリ
ントにおいて著しくプリントスピードを低下させざるを
得なくなる。そこでこの問題を解決する手段として、異
なる配光を持つ2本のヒーターを使用する場合の例とし
て、断面構成を図2に、ヒーターの配光とセグメント配
置を図3に示す。ここでは紙搬送を中央基準とする場合
のヒーター配光を示す。ヒーター4aは小サイズ紙をプ
リントするときに使用し、紙が熱を奪う部分に大きく配
光を振り分けている。またヒーター4bはヒーター4a
と組み合わせて大サイズ紙をプリントするときに使用す
る。また、これらの2本のヒーターは、従来1本であっ
たものを2本に分割するため、1本あたりの電力もほぼ
半分となるように設定することが一般的である。
【0006】このように薄肉定着ローラーに配光の異な
る2本のヒーターを使用する場合、スタンバイ時の温調
制御の方法としては、どちらか一方のヒーターで温調を
行うか、2本を一定の比率で点灯させることが考えられ
る。前者の場合は4bのヒーターのみを使用し、後者の
場合は4aと4bの比率を例えば1:10が考えられ
る。つまり、ヒーター4bを2秒間点灯させた場合はヒ
ーター4aを200msec点灯させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】2本ヒーター構成にお
けるスタンバイ温調時に、片方のヒーターを多く使用す
る場合、1本あたりの電力が約半分になっているため、
同じ温度を維持するための点灯時間は1本ヒーター構成
のときより増加する。また、2本のヒーターを併用する
場合も、点灯時間を2本の点灯比率で設定する場合は、
ヒーターの点灯比率が総点灯時間に対してそのまま反映
されるため、寿命的に比率を大きく振り分けているヒー
ターの方が不利になる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する本
発明は、第1のヒータと、第1のヒータとは発熱分布が
異なる第2のヒータと、第1及び第2のヒータで加熱さ
れる加熱部材と、第1のヒータの主発熱領域よりも第2
のヒータの主発熱領域寄りに配置されており加熱部材の
温度を検知する温度検知素子と、温度検知素子の検知温
度に基づき第1及び第2のヒータへの通電を制御する通
電制御手段と、を有する像加熱装置において、像加熱を
待つスタンバイ温調中、上記通電制御手段は上記第1及
び第2のヒータが交互に点灯するように通電制御するも
のであり、この時の上記第1のヒータの通電開始温度と
通電停止温度の幅は上記第2のヒータの通電開始温度と
通電停止温度の幅より大きく設定されていることを特徴
とする。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、図2
に像加熱装置の一例である定着装置の断面図を示し、図
3にヒーター配光とセグメント配置を示す。この定着装
置は、A3(297mm)幅を最大通紙サイズとし、記
録材の中央を通紙基準としている。また、ヒーター配光
も通紙基準に対称な分布になっている。発熱体としての
ヒーター4a、4bはともに500Wの定格電力であ
る。加熱部材としての定着ローラー1はアルミニウムを
芯金11とする直径40mm、厚さ1.0mmのローラ
ーであり、表層にはPFAの離型層12を被覆してい
る。加圧ローラー2はステンレス芯金13上にシリコー
ンスポンジの弾性層14、表層にPFAの離型層15を
有し、直径30mm、製品硬度50°の物を用いてお
り、170Nの加圧力をかけることで定着ローラーとの
間に5.0mmのニップ幅を作ることができる。温度検
知素子は画像域外に設置しているため、温度検知素子へ
のトナー付着がなく、クリーニング手段を不要としてい
る。
【0011】温度検知素子に対してヒーター4aの主配
光域は遠いため、ヒーター4aが点灯しているときは温
度検知位置の温度が上がりにくく、逆にヒーター4bの
主配光域は温度検知位置に近いため、ヒーター4bが点
灯しているときは温度検知位置の温度が上がり易いとい
える。そこで、ヒーター4aとヒーター4bに対して異
なるヒステリシス幅(ヒーターの通電開始温度と通電停
止温度を異なる値に設定する)を持たせることで、両ヒ
ーターの点灯時間をほぼ同じ値にすることができる。図
5にヒーターの点灯状態の設定例として、温度検知素子
部の温度とヒーター4a、4bのON/OFFタイミン
グを示す。ヒーター4aに対して2℃、ヒーター4bに
対して8℃のヒステリシス幅を持たせることで、ヒータ
ーの点灯比率はともに同じ値になり、1本のみの温調時
に比べてヒーターの点灯比率は半分以下(寿命を倍以
上)にすることができた。
【0012】また、ヒステリシス幅の設定値については
4a:4b=1℃:4℃でもかまわないが、ヒーターの
ON/OFF回数が約2倍に増加するため、同一電源ラ
インへの電圧変動を考慮するとON/OFF回数が少な
くなる前述の設定の方が望ましい。
【0013】次に、温度検知素子が中央にある場合(図
6a)の例を示す。温度検知素子が中央にある場合は、
前述の端部温調の場合とは逆にヒーター4aにたいして
温度の上昇速度が早くなり、ヒーター4bに対しては遅
くなる。そこで、このような場合は前述の設定とは逆の
ヒステリシス温度幅を設定することで同様の効果を得る
ことができる。
【0014】また、通紙域に温度検知素子を設ける場合
の別の例として、ヒーター4aとヒーター4bの主配光
域の交差点に温度検知素子を設置する場合(図6b)
は、ヒーターの点灯に対する温度変化が等しくなるた
め、ヒステリシス幅の設定値を同じ値に設定することで
同じ効果を実現できる。
【0015】次にヒーターを3本以上使用する場合の例
を示す。前述のように2本のヒーターを使用する場合、
高速機になってくると1本あたりの電力も使用できる最
大の値に設定しなければならない。そうすると1本あた
りの電力は600Wから700Wとなるため、各ヒータ
ーの通電開始時の突入電流も大きくなる。すなわち同一
電源ラインに及ぼす影響も大きくなるため、この問題を
防止する一例として、ヒーターを低い電力の組み合わせ
とする場合を示す。図7は400Wのヒーターを3本使
用する場合である。この場合、図8に示すように、ヒー
ター41についてはヒステリシス温度幅を大きく、ヒー
ター42についてはヒステリシス幅を小さく設定し、ヒ
ーター43についてはヒーター41と同じ時間だけ点灯
させることで左右均等な温度分布を得られる。つまり、
ヒーター41を8℃のヒステリシス幅で駆動し、その後
ヒーター42を2℃のヒステリシス幅で駆動したあと、
ヒーター43はヒーター41と同じ時間だけ点灯させ
る。ここでヒーターの点灯順は上記に限った訳ではな
く、ヒーター41、ヒーター43、ヒーター42の順で
もかまわない。ただし、ヒーター43の点灯タイミング
はヒーター41と同じ通電開始温度に温度検出素子部の
温度が到達したときとする。ここで、通電開祖温度はヒ
ーター41から43まで同じ値に設定したが、ヒーター
の配光、電力設定により、各ヒーターの通電時間のばら
つきが少なくなるように設定することが望ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、複数本のヒーターを用
いた場合のスタンバイ時の温調制御において、各ヒータ
ーのON/OFFについてヒステリシス幅(専用の通電
開祖温度と通電停止温度)を設定することで、ヒーター
使用状態の偏りを少なくし、装置寿命を長くすることが
できる。また、同時点灯がなくなることでスタンバイ時
の最大消費電力を少なくし、同一電源ライン上への電圧
変動を小さくでき、かつヒステリシス幅の設定を大きく
とることでON/OFF周期を長くし電圧変動の回数そ
のものを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1本ヒーター構成の定着器の構成図。
【図2】2本ヒーター構成の定着器の構成図。
【図3】2本ヒーター構成の長手配光分布とセグメント
配置を示す図。
【図4】ヒステリシス駆動時のヒーター通電状態を示す
図。
【図5】2本ヒーター構成における温度検知素子部の温
度とヒーターの駆動状態を示す図。
【図6】温度検知素子を通紙域に設置する場合のヒータ
ーとの長手位置関係を示す図。
【図7】3本ヒーター構成の長手配光分布とセグメント
配置を示す図。
【図8】3本ヒーター構成における温度検知素子部の温
度とヒーターの駆動状態を示す図。
【符号の説明】
1 定着ローラー 2 加圧ローラー 3 温度検知素子 4 ヒーター 5 分離爪 6 定着入口ガイド P 記録材 T トナー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のヒータと、第1のヒータとは発熱
    分布が異なる第2のヒータと、第1及び第2のヒータで
    加熱される加熱部材と、第1のヒータの主発熱領域より
    も第2のヒータの主発熱領域寄りに配置されており加熱
    部材の温度を検知する温度検知素子と、温度検知素子の
    検知温度に基づき第1及び第2のヒータへの通電を制御
    する通電制御手段と、を有する像加熱装置において、 像加熱を待つスタンバイ温調中、上記通電制御手段は上
    記第1及び第2のヒータが交互に点灯するように通電制
    御するものであり、この時の上記第1のヒータの通電開
    始温度と通電停止温度の幅は上記第2のヒータの通電開
    始温度と通電停止温度の幅より大きく設定されているこ
    とを特徴とする像加熱装置。
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