JP3175796B2 - 新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法 - Google Patents

新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法

Info

Publication number
JP3175796B2
JP3175796B2 JP36022392A JP36022392A JP3175796B2 JP 3175796 B2 JP3175796 B2 JP 3175796B2 JP 36022392 A JP36022392 A JP 36022392A JP 36022392 A JP36022392 A JP 36022392A JP 3175796 B2 JP3175796 B2 JP 3175796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pyrrolidone
polycarboxylic acid
acid compound
iron
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP36022392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06199782A (ja
Inventor
重雄 山本
純男 篠田
法之 奥城
司郎 松浦
Original Assignee
株式会社ヤトロン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ヤトロン filed Critical 株式会社ヤトロン
Priority to JP36022392A priority Critical patent/JP3175796B2/ja
Publication of JPH06199782A publication Critical patent/JPH06199782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3175796B2 publication Critical patent/JP3175796B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規のピロリドンポリ
カルボン酸化合物、及びそのピロリドンポリカルボン酸
化合物の検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】鉄は、ほとんど全ての生物において増殖
に必須な元素であり、外界から摂取することが必要な成
分である。細菌性食中毒の原因となる腸炎ビブリオ(ビ
ブリオパラヘモリティクス;Vibrio parahaemolyticus
)も、鉄の制限下で培養すると、増殖が極度に抑制さ
れる。鉄は自然環境のpH(中性〜弱アルカリ性)で水
不溶性のポリマーを形成しているので、細菌がこれをそ
のまま利用することはできない。また、細菌の宿主であ
るヒトや家畜などの体内では、遊離鉄濃度が10-15
程度の極めて低いレベルに保たれている。これは、細菌
感染に対する生体の防御機構の一つである。従って、鉄
を生体から効率よく獲得するなんらかの手段を有してい
る細菌が、病原菌となり得る。実際に、三価鉄キレータ
ーを自ら産生して分泌し、菌体外でそのキレーターによ
って三価鉄を取り込んだ鉄キレート化合物を生成させ、
一方、それと同時に鉄キレート化合物に特異的に結合す
る外膜タンパク質を発現し、その外膜タンパク質を介し
て鉄を獲得する系が多数の病原菌で知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】腸炎ビブリオは、我が
国の細菌性食中毒において最も頻度高く分離される病原
菌である。しかし、この菌がどのような方法で鉄を獲得
しているかは、従来、まったく明らかにされていなかっ
た。本発明者らは、腸炎ビブリオを鉄制限下で培養する
と、鉄を取り込むキレーターを産生、分泌することを見
出した。そして、この化合物を単離、精製して、構造決
定したところ、新規化合物であることを見出した。本発
明は、こうした知見に基づくものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式
(1)
【化4】 で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物(以下、本
発明ピロリドンポリカルボン酸化合物と略称することが
ある)に関する。
【0005】また、本発明は、式(1)
【化5】 で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物と担体との
結合体を免疫原として調製した抗体を用いることを特徴
とする、前記式(1)で表されるピロリドンポリカルボ
ン酸化合物の検出方法に関する。
【0006】更に、本発明は、式(1)
【化6】 で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物と三価鉄イ
オンとからなり、標識を付したキレート化合物を用いる
ことを特徴とする、腸炎ビブリオ(ビブリオ パラヘモ
リティクス;Vibrio parahaemolyticus )の検出方法に
関する。
【0007】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物
は、ピロリドリン環の4位炭素原子に置換した水酸基
(又はカルボキシル基)の立体配置に関して2つの異性
体(α異性体及びβ異性体)が存在し、更に不斉炭素に
基づいて光学異性体が存在する。従って、本発明ピロリ
ドンポリカルボン酸化合物は、これらの異性体のそれぞ
れ分離されたもの及びそれらの混合物を包含する。
【0008】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物
は、例えば、ビブリオ属(Vibrio)中の腸炎ビブリオ
(ビブリオ パラヘモリティクス;V. parahaemolyticu
s )を鉄欠乏条件下に培養して産生させ、単離し、精製
することによって調製することができる。前記のビブリ
オ属中の腸炎ビブリオを、常温(例えば、30〜37
℃)にて、20〜24時間、炭素源としてコハク酸など
を用い、1〜3%食塩存在下で、鉄欠乏条件下(0.2
5〜0.5μM−FeCl3 存在下)にて、液体培地で
振とう培養すると、細菌が本発明ピロリドンポリカルボ
ン酸化合物を産生して培養液中に分泌する。
【0009】続いて、培養液を遠心処理して上清を取
り、この上清から各種のクロマトグラフィーの手法を使
って分離、精製することができる。例えば、前記の培養
上清を陰イオン交換樹脂(塩基性樹脂)で処理すると、
本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物が樹脂に吸着す
る。その樹脂を有機酸(例えば、ギ酸)に浸すと、本発
明ピロリドンポリカルボン酸化合物が溶離する。溶離液
を減圧下で濃縮乾固してから少量の水に溶かし、この溶
液をゲル濾過カラムに乗せ、水で溶出し、活性分画を得
る。更に、この活性成分を減圧濃縮し、濃縮液を再び有
機溶媒を利用できるタイプのゲル濾過カラムに乗せ、水
/低級アルコール〔例えば、水/メタノール(9:1,
v/v)〕で溶出する。得られた活性分画を陽イオン交
換樹脂(酸性樹脂)に通し、脱塩すると遊離体のピロリ
ドンポリカルボン酸化合物が得られる。これらのカラム
クロマトグラフィーによる単離、精製操作を、必要に応
じて、反覆して実施することができる。
【0010】なお、本発明ピロリドンポリカルボン酸化
合物は、水溶液中で三価鉄を取り込み、キレート化合物
を形成することができる。従って、この鉄キレート化合
物を鉄制限状態の腸炎ビブリオが取り込んで増殖するこ
とを指標として、前記の活性成分の分離を行うことがで
きる。更に、本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物
は、化学的に合成して調製することもできる。
【0011】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物
は、水溶液中で三価鉄を取り込み、キレート化合物を形
成することができるので、鉄キレーターとして用いるこ
とができる。また、本発明ピロリドンポリカルボン酸化
合物は腸炎ビブリオの外膜リセプターと結合することが
できるので、適当な信号を発する化合物、例えば放射性
同位元素(例えば、55Fe又は59Fe)を用いてキレー
ト化合物を形成させると、腸炎ビブリオ検出のマーカー
として用いることができる。更に、放射性同位元素(32
P、35S又は 3H等)、酵素(ペルオキシダーゼ又はア
ルカリホスファターゼ等)、ビタミン(ビオチン等)、
蛍光物質(FITC等)又は化学発光物質(アクリジニ
ウム等)をピロリドンポリカルボン酸に標識することに
より、腸炎ビブリオ検出のマーカーとして用いることが
できる。従って、本発明は、前記式(1)で表されるピ
ロリドンポリカルボン酸化合物と三価鉄イオンとからな
り、標識を付したキレート化合物を用いることを特徴と
する、腸炎ビブリオの検出方法にも関する。
【0012】本発明による腸炎ビブリオ検出方法におい
て、被検試料としては、腸炎ビブリオを含む可能性のあ
るものなら制限されないが、特には、食品、生体試料
(例えば、血液、血清、血漿、尿、糞便、腸管内容物)
を挙げることができる。これらの食品又は生体試料など
をそのまま、或いはリン酸緩衝生理食塩水等の適当な緩
衝液で抽出するか、更には必要に応じて鉄欠乏条件下に
て培養等の処理を行い、被検試料液を調製することがで
きる。
【0013】また、本発明ピロリドンポリカルボン酸化
合物をハプテンとし、適当な担体と組み合わせて抗体
(例えば、抗血清又はモノクローナル抗体)を調製する
ことができるので、これらの抗体を用いて、被検試料中
のピロリドンポリカルボン酸化合物を免疫学的に検出す
ることもできる。更に、酵素標識した二次抗体及びピロ
リドンポリカルボン酸化合物を利用すると、腸炎ビブリ
オ検出のマーカーとしてもハプテン抗体を用いることが
できる。従って、本発明は、前記式(1)で表されるピ
ロリドンポリカルボン酸化合物と担体との結合体を免疫
源として調製した抗体を用いることを特徴とする、前記
式(1)で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物の
免疫学的検出方法にも関する。
【0014】抗体調製に用いる担体としては、生体高分
子(免疫グロブリン又はアルブミン等)や、金属コロイ
ド(金コロイド等)を挙げることができる。本発明ピロ
リドンポリカルボン酸化合物と担体との結合体は、例え
ば、従来公知の化学結合法又は電気的結合により調製す
ることができる。前記の結合体で、哺乳動物(例えば、
マウス、ラット、ウサギ、ヤギ又はウマ)を免疫し、抗
血清を調製することができる。或いは、前記の結合体で
免疫した哺乳動物の脾臓から取り出した脾臓細胞を用い
て、モノクローナル抗体を調製することもできる。
【0015】本発明によるピロリドンポリカルボン酸化
合物の検出方法においても、被検試料としては、前記式
(1)で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物を含
む可能性のあるものなら制限されないが、特には、食
品、生体試料(例えば、血液、血清、血漿、尿、糞便、
腸管内容物)を挙げることができる。
【0016】本発明によるピロリドンポリカルボン酸化
合物検出方法は、ピロリドンポリカルボン酸化合物に特
異性を示す抗体を用いることを除けば、それ以外の点で
は従来公知の免疫学的検出法にそのまま適用することが
できる。具体的には、例えば、 (1)試料をそのまま、或いはリン酸緩衝生理食塩水
(pH7.4)等の適当な緩衝液で抽出、更には必要に
応じて鉄欠乏条件下にて培養等の処理を行い、被検試料
液を調製する工程、 (2)ピロリドンポリカルボン酸化合物に特異性を有す
る抗体と、前記被検試料液とを接触させる工程、 (3)標識を有する既知量のピロリドンポリカルボン酸
化合物を前記工程(2)と同時又は前記工程(2)の終
了後に前記抗体と接触させる工程、 (4)前記抗体と結合した標識化ピロリドンポリカルボ
ン酸化合物と、前記抗体と結合していない標識化ピロリ
ドンポリカルボン酸化合物とを分離する工程、 (5)前記工程(4)で分離したいずれか一方の標識化
ピロリドンポリカルボン酸化合物が有する標識からの信
号を検出する工程を含む、試料中のピロリドンポリカル
ボン酸化合物の検出方法(競合法及び非競合法)からな
る。更に、本発明方法の具体的態様としては、例えば (1)試料をそのまま、或いはリン酸緩衝生理食塩水
(pH7.4)等の適当な緩衝液で抽出、更には必要に
応じて鉄欠乏条件下にて培養等の処理を行い、被検試料
液を調製する工程、 (2)ピロリドンポリカルボン酸化合物に特異性を有す
る第1抗体を、不溶性担体に固定させる工程、 (3)前記被検試料液を前記工程(2)の固定化第1抗
体に接触させる工程、 (4)前記ピロリドンポリカルボン酸化合物に対して、
前記第1抗体とは異なる部位で結合すると共に標識を有
する第2抗体を過剰量で添加する工程、 (5)第1抗体とピロリドンポリカルボン酸化合物との
複合体上の標識の信号を検出する工程を含む、試料中の
ピロリドンポリカルボン酸化合物の検出方法(サンドイ
ッチ法)を含む。本発明は、その他公知の免疫反応検出
方法に広く応用することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。以下の実施例記載の菌株の表示において、ATCC
は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)、RIMDは、
大阪大学微生物研究所(Research Institute for Micro
bial Diseases )、AQは大阪空港検疫所(Osaka Airp
ort Quarantine)(菌株は大阪大学微生物研究所に保
存)、そしてOKAは岡山大学薬学部(Faculty of Pha
rmaceutical Sciences, Okayama University)である。
なお、大阪大学微生物研究所及び岡山大学薬学部に保存
されている菌株は、請求により分譲されるので、入手可
能である。
【0018】実施例1 (1)菌の培養 菌の培養及び本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物の
精製に用いる全てのガラス器具は6M塩酸で一夜処理
し、イオン交換−蒸留水で数回洗って使用した。水とし
ては、全てイオン交換−蒸留水を使用した。1リットル
当り、トリスヒドロキシアミノメタン12.1g、塩化
カリウム3.7g、塩化アンモニウム1.1g、リン酸
2水素カリウム0.272g、塩化カルシウム2水和物
0.15g、硫酸ナトリウム0.142g、塩化マグネ
シウム6水和物0.1g、コハク酸ナトリウム5g、及
び食塩20gを含む液体培地(pH7.4)を調製し、
この鉄不含液体培地を2リットル容量の坂口フラスコ1
0本に各々1リットルづつ分注し、120℃で20分間
滅菌した。フィルター濾過滅菌した1mM−FeCl3
0.3mlを、それぞれ滅菌した鉄不含液体培地1リッ
トルに加えた(Fe3+濃度:0.3μM)。前記の鉄不
含液体培地で腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)AQ
3354株を培養して、OD=0.2〜0.3まで増殖
させた。続いて、0.3μM鉄を含有する前記の液体培
地に、この腸炎ビブリオ前培養液を20ml加えて、3
7℃で24時間振とう培養した。
【0019】(2)ピロリドンポリカルボン酸化合物の
精製 得られた培養液を7000rpmで20分間遠心し、得
られた上清10リットルを1M塩酸でpH7.0に調整
した。この上清に900ml容量のDowex−1×8
(HCOO- ;100−200メッシュ)を加え、室温
で30分間攪拌した。樹脂をガラスフィルターで濾取
し、水、次いで1%ギ酸各1リットルで洗浄した。樹脂
を三角フラスコに移し、これに3Mギ酸1リットルを加
え、30分間攪拌した。3Mギ酸溶出液をガラスフィル
ターで濾過した。ガラスフィルター上の樹脂を三角フラ
スコに集め、この溶出操作を再度繰り返した。続いて、
樹脂を濾去し、濾液を減圧下にて40℃で乾固した。残
渣を水2mlに溶かし、不溶物を遠心処理によって除去
した後、溶液をBiogel P2カラム(2.2×8
0cm)に乗せた。水を20ml/時間の速度で流し、
10mlずつのフラクションを取った。活性分画を集
め、40℃で減圧下にて濃縮し、約2mlとした。濃縮
液を、水/メタノール(9:1,v/v)で平衡化した
TSK-gel Toyopearl HW-40Fカラム(2.2×50cm)
に乗せ、同じ溶媒を20ml/時間の速度で流した。活
性フラクションを集め、Amberlite CG−120(H+)
10mlのカラムに通し、脱塩した。40℃で減圧下に
て乾固すると、無色透明な油状物が得られた。上清10
リットルからの収率は25〜40mgであった。純度
は、セルローズプレイト(Merck製)及びn−ブタ
ノール/ギ酸/水(20:20:1,v/v)を用いる
薄層クロマトグラフィーによって調べた。無水酢酸に4
%の割合で溶かしたp−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ド(アルトマン試薬)を噴霧し、140℃で1〜2分間
加熱すると、活性物質はオレンジ色を呈し、Rfは0.
36を示した。なお、アルトマン試薬で他に呈色物が存
在する場合は、前記条件で薄層クロマトグラフィーを行
ない、バンドをかきとり、メタノールで抽出することも
できる。
【0020】前記の鉄不含液体培地に加える鉄(F
3+)濃度を、0μM、0.25μM、0.5μM、1
μM、2μM、5μM及び10μMとし、培養を37℃
にて22時間行うこと以外は前記と同様の操作を実施し
たところ、Fe3+濃度が0.25〜0.5μMにおい
て、本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物の全産生量
が最も多かった。これらの結果を図1に示す。図1にお
いて、○は培養上清1リットルから得られた精製物の加
水分解生成物〔封管中で6M−HCl(5ml)によ
り、110℃で16時間加水分解〕中のアラニン量であ
り、□は540nmにおける吸光度(増殖カーブに相
当)であり、△はアラニン量/吸光度(単位吸光度当り
の菌体によるピロリドンポリカルボン酸産生量に相当)
である。
【0021】前記実施例1(2)における生物活性の検
定は、ジャーナル・オブ・メディカル・マイクロバイオ
ロジー〔J. Med. Microbiol., 8, 477-490(1975)〕に
記載の方法に準じ、以下の方法で行った。その原理は、
強力な合成鉄キレーターであるエチレンジアミン−ジ−
(オルト−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDA)によ
って増殖を抑制されている細菌が、被験鉄キレーターに
よって増殖を回復することに基づいている。具体的に
は、EDDA(100μg/ml)と腸炎ビブリオAQ
3354株(約104 cfu/ml)とを含むMMOF
寒天培地〔バイオケミカル・バイオフィジカル・リサー
チ・コミュニケイション(Biochem. Biophys. Res. Com
mun., 87, 1102-1108 (1979))に記載の組成に準じて作
成〕上に、被験フラクションなどを含ませたペーパーデ
ィスクを置き、37℃で培養する。12時間後にペーパ
ーディスクのまわりの増殖環を測定する。
【0022】(3)構造解析 前記実施例1(2)で分離、精製された化合物の構造を
解析するために、図2に示す各種の条件で加水分解を行
ったところ、図2に示す4種の基本成分と、2種の部分
分解生成物が得られた。図2で、Alaはアラニン、E
Aはエタノールアミン、CAはクエン酸、2−KGは2
−ケトグルタル酸であり、2−KG/Ala/EAは2
−KGとAlaとEAとが未分解の部分分解生成物であ
り、2−KG/Alaは2−KGとAlaとが未分解の
部分分解生成物である。なお、以下のNMR解析におい
て、水素原子及び炭素原子の番号は図2の構造式に示し
た番号を意味する。2−KG/Ala/EAモノメチル
エステルの 1H−NMRを図3に示す。7〜8ppmに
2個の水酸基(3級水酸基及び1級水酸基がそれぞれ1
個づつ)に由来するピークが認められたが、D2 O置換
すると消失した。更に、2−KG/Ala/EAモノメ
チルエステルの 1H−13Cロングレンジ・シフト・コリ
レーション・スペクトル(平均J=8Hz;CDCl3
中)を調べた(図4)。エタノールアミン(EA)部分
が、ピロリドン環上のカルボキシル基と結合した構造
〔図4の(I)〕ではなく、ピロリドン環窒素原子に置
換したエチル基上のカルボキシル基と結合した構造〔図
4の(II)〕であることが判明した。更に、FAB−M
Sを測定したところ、〔M+Z〕+ がm/z275に認
められ、図4の(II)に示す構造であることを支持し
た。
【0023】2−KG/Alaジメチルエステルのガス
クロマトグラフィーを行ったところ、2つのピークが現
れた(図5)。また、それらのマススペクトルにおける
フラグメントは非常に類似しており(図6)、構造異性
体の可能性が示唆された。そこで、下記の経路で2−K
G/Alaジメチルエステルを合成し、同じ条件でガス
クロマトグラフィーとマススペクトルフラグメントとを
調べたところ、前記と全く同じ結果が得られた。なお、
ガスクロマトグラフィーは、OV−1でコートした25
m(内径0.25mm)の毛細管カラムを用い、カラム
温度を100℃から毎分5℃の割合で230℃まで昇温
させ、イオン源250℃及び加速電圧40eVの条件で
実施した。ピークのISは内部標準物質(N−イソブチ
ルオキシカルボニル−4−アミノ酪酸)であり、CAは
クエン酸である。
【0024】
【化7】
【0025】前記実施例1(2)で分離、精製された化
合物を、塩酸−メタノールで処理してメチルエステル化
した後、 1H−NMRを測定した(図7)。3.5〜
3.7ppmに二重線の(duplicate した)COOCH
3 に由来する3本のピークが認められ、3つのCOOH
基の存在が示された。また、3級水酸基(5.7,及び
7.1ppm付近)が2個観察され、それぞれのピーク
はD2 O置換によって消失した(図7)。更に、 1H−
13Cロングレンジ・シフト・コリレーション・スペクト
ル(平均J=7Hz;DMSO−d6 中)を調べた(図
8)。その結果、クエン酸(CA)部分が、ピロリドン
環上の3級水酸基と結合した構造〔図の(II)〕では
なく、エタノールアミン(EA)残基の1級水酸基と結
合した構造〔図8の(I)〕であることが判明した。
【0026】前記実施例1(2)で分離、精製された化
合物のUV吸収スペクトルを測定した(図9)。溶媒と
しては15%アセトニトリル−0.1%トリフルオロ酢
酸を用いた。図9において、実線はピロリドンポリカル
ボン酸化合物200nmol/mlの結果、破線はピロ
リドンポリカルボン酸化合物200nmol/mlにF
eCl3 200nmol/mlを加えた場合の結果を示
す。
【0027】更に、前記実施例1(2)で分離、精製さ
れた化合物の理化学的性質を以下に示す。 性状:無色透明、液体 溶解性:水、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキ
シドに可溶 呈色反応:ヨード、硫酸、アルトマン試薬に陽性;ニン
ヒドリン試薬に陰性;塩化第二鉄で僅かに黄色を呈す 塩基性、中性、酸性の区別:酸性 分子式:C1622122 (分子量=434) 質量分析スペクトル(FAB−MS): トリメチルエステル体(C1929122 )m/z47
7〔(M+1)+ 〕 図10(グリセロールマトリクス,陽イオンモード) ピロリドンポリカルボン酸の核磁気共鳴スペクトル( 1
H−NMR):図11(重アセトン中,500MHz) ピロリドンポリカルボン酸の核磁気共鳴スペクトル(13
C−NMR):図12(重アセトン中,500MHz)
【0028】以上の結果から、前記実施例1(2)で分
離、精製された化合物の構造は、以下の式()で表さ
れることが分かった。
【化8】 以下の実施例においては、本発明ピロリドンポリカルボ
ン酸化合物として実施例1(2)で分離、精製された、
前記式()で表される化合物を用い、それをピロリド
ンポリカルボン酸化合物()と称する。
【0029】実施例2 前記実施例1(1)で用いた腸炎ビブリオ(V.parahaem
olyticus)AQ3354株に代えて、腸炎ビブリオ(V.
parahaemolyticus)ATCC17802株、RIMD2
210521株、RIMD WP−1株、AQ3296
株、AQ3321株、AQ3360株、AQ3637
株、又はOKA80−211株を用いること以外は、す
べて前記実施例1と同様の操作を繰り返して行ない、活
性化合物を精製して化学構造を解析したところ、いずれ
の生成物も前記式()で表される化合物であることを
確認した。
【0030】実施例3 55 FeCl3と10倍モル量のピロリドンポリカルボン
酸化合物()とを、15%アセトニトリル−0.17
%トリフルオロ酢酸水溶液中にて37℃で1時間反応さ
せ、キレート化合物を調製した。反応液をシリカゲル6
0プレート上にて、70%メタノールで展開し、プレー
トをラジオクロマトスキャナー(Aloka製)でモニター
した。対照用として、55FeCl3〔15%アセトニト
リル−0.1%トリフルオロ酢酸水溶液〕のみを、前記
と同様にシリカゲル60プレート上にて展開した。結果
を図13に示す。図13において、Oはスポットした個
所であり、Fは展開溶媒の先端である。反応液にはピロ
リドンポリカルボン酸化合物と三価鉄とのキレート化合
物に由来するピーク〔図13の左側(A領域)の55Fe
−VF〕がRf=0.65に認められ、対照用に現れる
55FeCl3に由来するピーク〔図13の右側(B領
域)の55Fe〕は全く認められなかった。これはピロリ
ドンポリカルボン酸化合物()が三価鉄のキレート化
合物を形成し、展開されたことを示している。
【0031】実施例4 (1)前記実施例1(1)に記載の鉄不含液体培地に1
mM−FeCl3を加え、Fe3+濃度が20μMの液体
培地(鉄豊富培地)と、Fe3+濃度が0.5μMの液体
培地(鉄欠乏培地)とを調製した。これらの各培地中
で、腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)RIMD22
10519株を37℃にて22時間培養した。次に、培
養した2種類の菌体を遠心して集め、これらの菌体を、
エネルギー源として1mMコハク酸を含む取り込み用緩
衝液〔前記実施例1(1)で用いた鉄不含培地組成から
塩化アンモニウム(窒素源)を除き、コハク酸濃度を
0.025%とした緩衝液:pH7.4〕にそれぞれ濁
液(A540)が0.4になるように懸濁した。各懸濁液
100μlに、ピロリドンポリカルボン酸化合物(
と三価鉄(55Fe)とから調製したキレート化合物をF
eとして2.5μMの濃度で加え、55Feの取り込み活
性を比較した。また、鉄欠乏培地による培養菌体につい
ては、培養温度を37℃とする前記の実験に加え、培養
温度を0℃とし、それ以外は前記と同様の操作を行う実
験を行った。それらの結果を図14に示す。図14にお
いて、○は鉄欠乏培地で37℃にて培養した菌体の取り
込み活性であり、△は鉄欠乏培地で0℃にて培養した菌
体の取り込み活性であり、そして□は鉄豊富培地で37
℃にて培養した菌体の取り込み活性である。図14から
明らかなように、鉄欠乏状態で37℃にて培養した菌体
においてのみ、鉄の取り込みが示された。また、0℃で
は鉄取り込みが著しく抑制されたので、エネルギー依存
の輸送であることが分かる。
【0032】(2)次に、鉄欠乏培地で37℃にて培養
した菌体に関し、ピロリドンポリカルボン酸化合物
)と三価鉄とのキレート化合物の濃度を変化させ
て、鉄の取り込みのキネティクスを測定したところ、キ
レート化合物濃度の増加に応じて鉄の取り込みが増加し
なくなる飽和曲線を示したので、外膜レセプタータンパ
ク質の関与が示された。得られた飽和曲線の結果をライ
ンウェーバー・バーク(Lineweaver− Burk )プロット
すると、キレート化合物に対するKm値は67nMと計
算され、極めてアフィニティーが高いことが判明した。
【0033】(3)腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticu
s)のRIMD2210519株、AQ3337株及び
RIMD WP−1株を、前記(1)の鉄豊富培地(2
0μM)及び鉄欠乏培地(0.5μM)で培養して、菌
体を集めた。得られた各培養菌体から、ジャーナル・オ
ブ・バクテリオロジー〔J. Bacteriol., 115, 717-722
(1973)〕に記載のサルコシル法に準じて外膜タンパク
質分画を調製し、前記のキレート化合物との結合活性を
調べた。外膜タンパク質100μgに、ピロリドンポリ
カルボン酸化合物()と三価鉄(55Fe)とから調製
したキレート化合物をFeとして2.5μMの濃度で加
え、37℃(又は0℃:この場合は表1に示す)で10
分間処理した。また、プロテイナーゼK(和光純薬製;
150μg/ml)と共に37℃で15分間プレインキ
ュベートした後、キレート化合物をFeとして2.5μ
Mの濃度で加え、更に37℃で10分間処理した。表1
に示すように鉄欠乏培地で培養した各菌体の外膜タンパ
ク質分画は、その他の条件の外膜タンパク質分画と比べ
て、約10倍或いはそれ以上の強い結合活性を示した。
【0034】
【表1】
【0035】(4)更に、プロテイナーゼK処理の影響
を調べるため、腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)R
IMD2210519株から、前記(1)の鉄欠乏培地
(0.5μM)で調製した外膜タンパク質分画(100
μg/0.6ml)をプロテイナーゼK(和光純薬;1
00μg)の存在下又は不在下で37℃にて所定時間
(図15に記載)インキュベーションし、続いて前記の
キレート化合物をFeとして2.5μM加えて更に10
分間インキュベーションした。プロテイナーゼKで処理
していない場合の55Fe−ピロリドンポリカルボン酸化
合物()の結合活性(cpm)を100%とし、これ
に対する相対活性として算出した結合活性(%)を図1
5に示す。図15において、○はプロテイナーゼK不在
下、●はプロテイナーゼK存在下の結果である。この活
性はプロテイナーゼKで処理すると時間依存的に低下す
るので、キレート化合物が結合する物質はタンパク質で
あり、外膜受容体の存在が明らかとなった。
【0036】実施例5:ピロリドンポリカルボン酸の免
疫学的検出方法 抗ピロリドンポリカルボン酸抗体は従来公知の操作によ
って得た。即ち、抗原としてピロリドンポリカルボン酸
(4)と三価鉄とからなるキレート化合物を常法により
牛血清アルブミンと結合させた複合体生理食塩水に溶
解し、等量のフロイント完全アジュバントと混合乳化
し、この乳化液を用いてウサギを常法に従って免疫し、
抗体力価が上昇した血清を分離した。この血清に塩析操
作を行い、カラム処理(プロテインA)して夾雑物を除
去した後、透析することによって抗ピロリドンポリカル
ボン酸抗体(IgG分画)を得た。この抗ピロリドンポ
リカルボン酸抗体(IgG分画)を10μg/mlにな
るように、0.05M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.
6)に溶かし、96穴ELISAプレートに100μl
/ウエルの量で分注し、37℃で2時間〔4℃で一夜
(約18時間)でも同じ結果が得られた〕放置して抗体
を固相化した。各ウエルをリン酸緩衝生理食塩水(pH
7.4)〔以下PBS(−)という〕250μlで3回
洗浄した後、PBS(−)に溶かしたゼラチン溶液(1
0mg/ml)250μlを各ウエルに分注し、37℃
で2時間放置してブロッキングを行った。各ウエルをP
BS(−)250μlで5回洗浄した後、ピロリドンポ
リカルボン酸をPBS(−)に溶かした標準溶液100
μlを各ウエルに加え、37℃に放置して1時間抗原抗
体反応を行った後、PBS(−)250μlで5回洗浄
した。次に、常法によりパーオキシダーゼで標識したピ
ロリドンポリカルボン酸をPBS(−)に溶かした溶液
(50ng/ml)100μlを各ウエルに加え、室温
で1時間放置した。続いて、PBS(−)250μlで
5回洗浄した後、基質溶液〔3,3’,5,5’−テトラメチ
ルベンチジン100mgをジメチルホルムアミド10m
lに溶かした溶液100μlを0.1M酢酸ナトリウム
溶液(pH5.5)9.9mlで希釈した後、3%過酸
化水素水溶液15μlを加えて調製〕100μlを各ウ
エルに分注し、室温で20分間反応させ、1N硫酸10
0μlを加えて反応を止めた。反応液の吸光度を波長4
50nmにて測定し、検量線を作成した(図16)。そ
の結果、上記抗体は正しく抗原を認識して、正常な抗原
抗体反応を行うことが認められた。
【0037】実施例6:腸炎ビブリオ検出方法 前記実施例1(1)に記載の鉄不含液体培地に1mM−
FeCl3を加えて、Fe3+濃度が0.5μMの液体培
地を調製した。この培地中で腸炎ビブリオ(RIMD2
210519株)を37℃にて22時間培養した。次に
菌体を遠心して集め、エネルギー源として1mMコハク
酸を含む取り込み用緩衝液〔前記実施例1(1)で用い
た鉄不含培地組成から塩化アンモニウム(窒素源)を除
き、コハク酸濃度を0.025%とした緩衝液(pH
7.4)〕に濁度(A540)が0.4になるように懸濁
した。この懸濁液500μlにピロリドンポリカルボン
酸化合物()と三価鉄(55Fe)とから調製したキレ
ート化合物をFeとして2.5μMの濃度で加え、37
℃で60分間培養した。菌体を濾過(0.45μMフィ
ルター)して集め、フィルターを PBS(−)5ml
で3回洗浄した後、そのフィルターを室温で乾燥し、菌
体のもつ放射活性を液体シンチレーションカウンターに
より測定した。上記腸炎ビブリオ株に換えて、Vibrio c
holerae non-01(ATCC35971)、Vibrio alginolyticus(AT
CC17749) 、Vibrio cincinnatiensis(ATCC35912) 、Vib
rio vulnificus(ATCC27562)、Vibrio mimicus(ATCC3365
3) を用いて同様の操作を行った結果、腸炎ビブリオ株
についてのみ放射活性が測定された。
【0038】実施例7:腸炎ビブリオ検出方法 前記実施例6と同様に腸炎ビブリオを培養し、菌体を遠
心して集め、PBS(−)に懸濁してその500μlを
取り、菌体を超音波によって破砕した。沈殿をPBS
(−)で洗浄した後、常法によりアルカリホスファター
ゼを標識したピロリドンポリカルボン酸化合物()と
三価鉄とのキレート化合物をFeとして2.5μMの濃
度で溶かした溶液500μlを加え、37℃で30分間
反応させた。沈殿をPBS(−)で5回洗浄した後、基
質溶液〔p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム10m
gを9.7%ジエタノールアミン緩衝液(pH9.8;
0.1mg/mlのMgCl2含有)10mlに溶かし
て調製〕500μlを加え、室温で10分間反応させた
後、4N水酸化ナトリウム溶液500μlを加え反応を
停止させた。反応液の吸光度を波長415nmにて測定
した。上記腸炎ビブリオ株に換えて、実施例6に示した
各菌体を用いて同様の操作を行った結果、腸炎ビブリオ
株についてのみ強い発色が見られた。
【0039】
【発明の効果】本発明のピロリドンポリカルボン酸化合
物は三価鉄とキレート化合物を形成するので、鉄キレー
ターとして用いることができる。また、腸炎ビブリオの
マーカーとしても有用であり、本発明の検出方法によれ
ば、腸炎ビブリオを直接に高感度で精度よく検出するこ
とができる。更に、本発明の免疫学的検出方法によれ
ば、ピロリドンポリカルボン酸化合物を特異的に高感度
で精度よく検出し、定量することができる。従って、腸
炎ビブリオの診断に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】培地に添加する鉄濃度の差異によるピロリドン
ポリカルボン酸化合物産生量の変化を示すグラフであ
る。
【図2】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物から得
られる加水分解生成物を示す説明図である。
【図3】ジメチルスルホキシドd6中での、2−KG/
Ala/EAモノメチルエステルの 1H−NMR及びD
2 O置換した結果を示すグラフである。
【図4】2−KG/Ala/EAモノメチルエステルの
1H−13Cロングレンジ・シフト・コリレーション・ス
ペクトルの結果を示すグラフである。
【図5】2−KG/Alaジメチルエステルのガスクロ
マトグラフィーの結果を示すグラフである。
【図6】2−KG/Alaジメチルエステルのマススペ
クトルの結果を示すグラフである。
【図7】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物のトリ
メチルエステル体の 1H−NMR及びD2 O置換した結
果を示すグラフである。
【図8】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物のトリ
メチルエステル体の 1H−13Cロングレンジ・シフト・
コリレーション・スペクトルの結果を示すグラフであ
る。
【図9】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物のUV
吸収スペクトルの結果を示すグラフである。
【図10】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物のト
リメチルエステル体のFAB−MSの結果を示すグラフ
である。
【図11】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物の 1
H−NMRの結果を示すグラフである。
【図12】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物の13
C−NMRの結果を示すグラフである。
【図13】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物と三
価鉄とのキレート化合物の薄層クロマトグラフィーの結
果を示すグラフである。
【図14】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物と三
価鉄とのキレート化合物の腸炎ビブリオによる取り込み
の時間変化を示すグラフである。
【図15】プロテイナーゼK処理による結合活性の変化
を示すグラフである。
【図16】本発明ピロリドンポリカルボン酸化合物の検
量線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 207/28 G01N 33/53 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 【化1】 で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物。
  2. 【請求項2】 (1) 【化2】 で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物と担体との
    結合体を免疫原として調製した抗体を用いることを特徴
    とする、前記式(1)で表されるピロリドンポリカルボ
    ン酸化合物の検出方法。
  3. 【請求項3】 (1) 【化3】 で表されるピロリドンポリカルボン酸化合物と三価鉄イ
    オンとからなり、標識を付したキレート化合物を用いる
    ことを特徴とする、腸炎ビブリオ(ビブリオ パラヘモ
    リティクス;Vibrio parahaemolyticus )の検出方法。
JP36022392A 1992-12-28 1992-12-28 新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法 Expired - Fee Related JP3175796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36022392A JP3175796B2 (ja) 1992-12-28 1992-12-28 新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36022392A JP3175796B2 (ja) 1992-12-28 1992-12-28 新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06199782A JPH06199782A (ja) 1994-07-19
JP3175796B2 true JP3175796B2 (ja) 2001-06-11

Family

ID=18468448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36022392A Expired - Fee Related JP3175796B2 (ja) 1992-12-28 1992-12-28 新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3175796B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220169604A1 (en) * 2019-02-28 2022-06-02 Universiteit Gent Bioconjugation reagent and methods
CN113030315B (zh) * 2021-03-05 2022-09-02 山东华熙海御生物医药有限公司 一种吡咯烷酮残留的检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06199782A (ja) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Thouvenot et al. Radioimmunoassay for zearalenone and zearalanol in human serum: production, properties, and use of porcine antibodies
US5716791A (en) Immunoassay for H. pylori in fecal specimens
JP2002515965A (ja) 抗体触媒反応の調節による有機化合物の検出
KR101753580B1 (ko) 브루셀라 캐니스 항원의 제조 방법
EP1107773B1 (en) Method for detection of legionella bacteria employing purified antigen-specific antibodies
Flannery et al. Antimitochondrial antibodies in primary biliary cirrhosis recognize both specific peptides and shared epitopes of the M2 family of antigens
WO1986002364A1 (en) Monoclonal antibodies and their use
JP3175796B2 (ja) 新規ピロリドンポリカルボン酸化合物及びその検出方法、並びに腸炎ビブリオの検出方法
Warren et al. Endotoxin neutralization with rabbit antisera to Escherichia coli J5 and other gram-negative bacteria
US3992516A (en) Direct fluorescent antibody composition and method for P. Pneumocystis carinii
JP3154724B2 (ja) 下痢性貝毒に特異的なモノクローナル抗体、ハイブリドーマ及び下痢性貝毒の検出方法
US6057097A (en) Marker for pathologies comprising an auto-immune reaction and/or for inflammatory diseases
US6814951B1 (en) Acetaldehyde and malondialdehyde protein adducts as markers for alcohol liver disease
EP0313986A2 (en) Immunoassays using antigens produced in heterologous organisms
JPH02503821A (ja) クラミジア感染の診断のための検定方法
KR970001318B1 (ko) 생물학적 유체내에서의 종양-관련된 표지물의 검출방법
US20050130239A1 (en) Immunoassay for H. pylori in fecal specimens using genus specific monoclonal antibody
JPH02290556A (ja) 体液等中のレジオネラ抗原の検出方法及び該方法を実施するためのキット
JPH06502723A (ja) 抗体を検出する分析系の感度及び/又は特異性の決定方法
JPS60500029A (ja) 免疫グロブリンa結合性抗体
WO1996025155A1 (en) Diagnosis of and compositions and methods for the treatment of disease
Tripathy et al. Immunoperoxidase staining of leptospires
JP3709078B2 (ja) ジアセチルポリアミンの測定法及びキット
US6120777A (en) High fluorescence specific immune enhancing factor and methods of use for same
WO1986002355A1 (en) Monoclonal antibodies and their use

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 9

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees