JP3175726U - 液処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カップ体を液処理装置から取り外す際に、カップ体内に残留している処理液がドレインポートから漏出した場合、これを受け止める液受け機構を備える液処理装置を提供する。
【解決手段】ウエハに対してレジスト液等の処理液を塗布する塗布ユニット等を備えた液処理装置において、カップ体2と、カップ体の下面を支持するカップ体支持部材31と、カップ体を昇降させるモータ・シリンダ4と、カップ体を水平方向に移動させる水平移動機構43と、カップ体2に備わるドレインポート26から処理液が漏出することを防止する液受け機構を備え、液受け機構は、ドレインポートから排出された廃液を貯留する受け皿50と、カップ支持部材を連結するステー51とで構成される液受け部材を備え、液受け部材をカップ体がモータ・シリンダ及び水平移動機構を介した移動に連動して、液受け位置であるドレインポートの下方と、ドレインポートの直下から退避した位置へ移動する。
【選択図】図5
【解決手段】ウエハに対してレジスト液等の処理液を塗布する塗布ユニット等を備えた液処理装置において、カップ体2と、カップ体の下面を支持するカップ体支持部材31と、カップ体を昇降させるモータ・シリンダ4と、カップ体を水平方向に移動させる水平移動機構43と、カップ体2に備わるドレインポート26から処理液が漏出することを防止する液受け機構を備え、液受け機構は、ドレインポートから排出された廃液を貯留する受け皿50と、カップ支持部材を連結するステー51とで構成される液受け部材を備え、液受け部材をカップ体がモータ・シリンダ及び水平移動機構を介した移動に連動して、液受け位置であるドレインポートの下方と、ドレインポートの直下から退避した位置へ移動する。
【選択図】図5
Description
本考案は、被処理基板を回転させながら、この被処理基板に対して所定の処理を施す液処理装置に関するものである。
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。このような処理は、一般にレジストを塗布、現像を行う塗布、現像装置に露光装置を接続したシステムを用いて行われる。
レジスト液や現像液等、処理液の一つである塗布液をウエハの表面に塗布する液処理の一つにスピンコーティング法がある。この手法を用いた液処理装置として特許文献1の液処理装置が知られている。特許文献1記載の液処理装置の概略について簡単に説明しておく。先ず、ウエハをスピンチャック上に略水平に保持し、供給ノズルをウエハ表面と対向する位置に設定した状態にて、供給路を介して送られてくる塗布液を供給ノズルから吐出してウエハ表面中央部に供給する。そして、当該ウエハを鉛直軸周りに回転させることにより発生する遠心力を利用してウエハの表面全体に塗布液を広げ、塗布膜を形成することにより塗布を行う。
スピンチャックの周囲には、スピンチャックに保持されたウエハの側方を囲むように、塗布液の飛散を抑えるための筒状のカップ体が設置してあり、液処理装置の処理空間からカップ体内部を介して外部へと排気される気流が形成されている。これにより、液処理の際にウエハから飛散した塗布液はミストの状態で気流と共に排気ポートより排出され、またカップ体内で捕集されてドレインとしてドレインポートより排出される。
ところで、一般的なカップ体は塗布液のミストやドレインを排出するための排気ポートやドレインポートをその底面に備えている。このため定期的な洗浄や補修作業等でカップ体を液処理装置から取り外す際には、作業者がカップ体内部に残っている塗布液が周囲に漏出して汚染させないようにドレインポートを手で押さえたりしながらカップ体を移動させ、筐体から搬出する作業が必要となる。
しかしながら、カップ体を液処理装置から取り外す際に、作業者がカップ体内部に残っている塗布液が周囲に漏出して汚染させないようにドレインポートを手で押さえて防止することは、作業者の作業ミス等によって不用意に廃液の漏出を起こす懸念がある。
本考案はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、カップ体を液処理装置から取り外す際に、カップ体内に残留している処理液がドレインポートから漏出した場合、これを受け止める液受け機構を備える液処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案は、筐体内の基板保持部に略水平に保持された基板の表面に、供給ノズルから処理液を供給して、基板の表面を液処理する液処理装置において、 前記基板保持部に保持された基板の側方を囲むように設けられ、前記筐体内の基体に上方から着脱自在に装着されるカップ体と、 このカップ体を下面から支持するカップ体支持部材と、 前記カップ体が基体に装着される第1の位置と、この第1の位置よりも上方側の第2の位置と、の間で前記カップ体支持部材を移動させる昇降機構と、 前記第2の位置から水平方向に前記カップ体支持部を第3の位置まで移動させる水平移動機構と、
前記カップ体に設けられ処理液の廃液を排出する廃液孔の下方に移動自在に構成される液受け機構と、を備え、 前記液受け機構は、前記廃液孔から排出された廃液を貯留する受け皿と、この受け皿と前記カップ支持部材を連結するステーとで構成される液受け部材を備え、 前記カップ体支持部材を前記第2の位置から第3の位置まで移動させる間に前記液受け部材は廃液孔の直下である液受け位置に回動し、前記カップ体支持部材を前記第3の位置から第2の位置まで移動させる間に前記液受け部材は廃液孔の直下を避けた退避位置に回動する、ことを特徴とする(請求項1)。
前記カップ体に設けられ処理液の廃液を排出する廃液孔の下方に移動自在に構成される液受け機構と、を備え、 前記液受け機構は、前記廃液孔から排出された廃液を貯留する受け皿と、この受け皿と前記カップ支持部材を連結するステーとで構成される液受け部材を備え、 前記カップ体支持部材を前記第2の位置から第3の位置まで移動させる間に前記液受け部材は廃液孔の直下である液受け位置に回動し、前記カップ体支持部材を前記第3の位置から第2の位置まで移動させる間に前記液受け部材は廃液孔の直下を避けた退避位置に回動する、ことを特徴とする(請求項1)。
このように構成することにより、カップ体を液処理装置から取り外す際に、カップ体を支持するカップ体支持部材を前記第2の位置から第3の位置まで移動させる間に液受け部材を廃液孔の直下である液受け位置に回動することができる。
本考案において、前記受け皿と前記ステーは着脱可能に形成されているのが好ましい(請求項2)。このように構成することにより、受け皿をステーから取り外して洗浄することができる。
また、本考案において、前記液受け機構は、固定ピンと、ばね部材と、を備え、前記固定ピンは、前記カップ体支持部材を第3の位置から第2の位置まで移動させる間に、前記ステーと当接しながら前記液受け部材を退避位置へ回動させた後、前記ステーを退避位置に固定し、前記ばね部材は、前記カップ体支持部材を第2の位置から第3の位置まで移動させる間に、前記液受け部材が液受け位置へ回動するよう付勢力が調整されている、のが好ましい(請求項3)。このように構成することにより、ばね部材の付勢力によって液受け部材を確実に廃液孔の直下位置に移動することができる。
また、本考案において、前記固定ピン及び前記ステーの少なくとも一方は合成樹脂で形成されているのが好ましい(請求項4)。このように構成することにより、固定ピンとステーが当接した際のパーティクルの発生を抑制することができる。
また、本考案において、前記受け皿は、前記廃液孔の投影領域を覆う形状に形成されているのが好ましい(請求項5)。このように構成することにより、廃液孔から排出される廃液を受け皿によって確実に受け止めることができる。
また、本考案において、前記受け皿は、この受け皿に対して取り外し可能な液吸収部材を備えるのがよい(請求項6)。このように構成することにより、液吸収部材を取り外して廃棄することができる。
加えて、本考案において、前記液受け部材の液受け位置と退避位置との移動を検知する検知手段をさらに備える方が好ましい。このように構成することにより、カップ体の取り外しの際に液受け部材が液受け位置に位置しているか、または、カップ体の取付の際に液受け部材が退避位置に位置しているかをオペレータが認識することができ、液受け機構の不具合による薬液の大量漏出を軽減させることができる。
本考案によれば、液処理装置に装着されるカップ体を移動させる際に、液受け部材を廃液孔の直下である液受け位置に回動することができるので、カップ体内に残留している処理液がドレインポートから漏出することを確実に防止することができる。
次に、本考案を実施するための形態について図面を参照して説明する。ここでは本考案をウエハWに対して塗布液であるレジスト液を塗布する塗布ユニットに適用した実施の形態について説明する。初めに液処理装置1の概要について図1、図2を参照しながら説明する。
液処理装置1は、例えば直方体の筐体10を有しており、その内部が液処理の行われる処理空間10aとなっている。液処理装置1は、筐体10内に処理対象のウエハWを載置するスピンチャック11と、ウエハW表面にレジスト液を供給する供給ノズル15と、ウエハW周縁部に塗布されたレジスト液を除去するためのリンスノズル17と、ウエハW表面から飛散したレジスト液のミスト等の飛散を押さえるためのカップ体2とを備えている。
スピンチャック11は、ウエハWの裏面側中央部を吸引吸着して水平に保持するための基板保持部としての役割を果たす。スピンチャック11は軸部12を介して駆動機構であるスピンチャックモータ13に連結されており、スピンチャック11はこのスピンチャックモータ13によってウエハWを保持した状態で回転及び昇降自在に構成されている。スピンチャック11の側方には、昇降機構14aによって昇降する保持板14bに立設された昇降ピン14がウエハWの裏面を支持して昇降可能なように設けられており、後述する搬送手段(メインアームA1,A2)との協同作用によって筐体10の外部から搬入されてきたウエハWの受渡しを行えるようになっている。ここで、図中の10bは液処理装置1の外部の搬送手段(図示せず)に臨む面に形成されたウエハWの搬入出口である。
供給ノズル15は、図示しない供給ユニットから送液されてきたレジスト液をスピンチャック11に保持されたウエハW表面に供給する役割を果たす。供給ノズル15は、基台16aに支持されており、この基台16aは、図1に示したZ方向に昇降自在、また基台16aの基部に設けられたガイドレール16bによりX方向に移動自在に構成されている。これらの構成により供給ノズル15は、例えばホームポジション(図2に示すガイドレール16bの左端の位置)から移動してスピンチャック11に保持されたウエハWの表面の例えば中央部と対向し、その表面にレジスト液を吐出することができる。
リンスノズル17は、ウエハWに塗布されたレジスト膜の周縁部の剥がれ等を防止するため、レジスト膜を除去するリンス液をウエハW周縁部に供給する役割を果たす。リンスノズル17は、駆動部18に取り付けられており、鉛直方向に昇降自在、鉛直軸周りに回転自在に構成されている。リンスノズル17は例えば図2に示すように、供給ノズル15のホームポジションに対してスピンチャック11を挟んでX方向に反対側に設置されており、サイドリンスを行っていないときには、図中に二点鎖線で示したホームポジションにて待機し、サイドリンス中は駆動部18を駆動してスピンチャック11に保持されたウエハWの周縁部と対向する位置までリンスノズル17の先端部を移動させリンス液を吐出できるようになっている。
さらに、液処理装置1は各機器の動作を統括制御する役割を果たす制御部6を備えており、この制御部6にはスピンチャック11のスピンチャックモータ13や基台16a等が電気的に接続されている。なお制御部6は、本実施の形態に係る液処理装置1を塗布ユニットとして備える塗布、現像装置全体の動作を統括制御する機能も備えている。
次に、カップ体2について説明する。カップ体2は、スピンコーティング等の際にウエハWを回転させることによってウエハWから飛散したミストが処理空間10a内に飛び散るのを抑え、液処理装置1外にミストやドレインを排出する役割を果たす。カップ体2は、図1に示すように、レジスト液のドレインを受ける液受け部となるアンダーカップ2cと、レジスト液のドレインをこのアンダーカップ2cへ案内するためのインナーカップ2bと、このインナーカップ2bとの間に気流の流路を形成しカップ体2のカバーとなるアッパーカップ2aと、からなる3つのリング部材を下方からこの順番に重ね合わせてなり、組み立て後にはドーナツ状の円筒が形状されるように構成されている。
以下、組み立て後のカップ体2の構成について説明する。図1に示すように、アッパーカップ2aとインナーカップ2bとの間には開口部21aが形成されている。開口部21aはアッパーカップ2aとインナーカップ2bとの間に形成される流路にレジスト液のミストを含んだ気流(図1中に実線の矢印で示してある)を取り込む役割を果たす。カップ体2は、例えば図1に示すように、スピンチャック11に保持されたウエハWの周縁外側に開口部21aを位置させるように液処理装置1に装着される。
また、スピンチャック11に保持されたウエハWの周縁部下方には、断面が「への字」状のリング部材22を設けてあり、このリング部材22の外端面には、カップ体2底部の液受け部24に進入するように下方に延在する円筒壁23が設けられている。これによりウエハWから飛散したレジスト液の一部はドレインとしてリング部材22及び円筒壁23の表面を伝って液受け部24に案内されるようになっている。なお、これらリング部材22と円筒壁23とは、上述のインナーカップ2bにより構成されている。
カップ体2の下部側は、上述のアンダーカップ2cにより構成される液溜め部24となっており、その底部には液溜め部24に溜まったレジスト液のドレイン(廃液)を排出するための廃液孔であるドレインポート26と、カップ体2内を通流した気流を排気するための例えば2つの排気ポート25とが設けられている。
図1に示すように夫々のポート25,26は各々排気管51,ドレイン管52に接続され、レジスト液のドレイン及びミストを含む気流が液処理装置1から排出されるようになっている。ここで排気ポート25は、図1に示すように液溜め部24内の上方に延伸されており、液受け部24から排気管51へのドレインの溢流を防ぐための溢流防止壁24aを構成している。なお各ポート25,26は、夫々排気管51、ドレイン管52に嵌入可能な形状を有しており、位置合わせを行ってからカップ体2を押し込むだけで各ポート25,26と配管51,52とが嵌合して接続される構造となっている。また、各ポート25,26は、三角形の頂点を形成するようにカップ体2の底面に配置されているが(図6A,図6B参照)、図示の便宜上図1においてはこれらのポート25,26を直列に配置して示してある。
また、カップ体2と対向する筐体10の天井部にはフィルタユニット19が取り付けられており、フィルタユニット19から例えば清浄空気を所定流量で供給することにより、処理空間10a内に清浄空気のダウンフローが形成されるようになっている。清浄空気の一部は、処理空間10a内に設けられた図示しない排気部より排気されるが、残りの清浄空気は開口部21aからカップ体2内に取り込まれ、図1のカップ体2断面図内に矢印で示したような気流を形成して排気ポート25から排出されるようになっている。なお10cは、カップ体2を筐体10から搬出入する際に取り外される蓋体である。
以上の構成に基づいて液処理装置1による液処理の動作について簡単に説明する。外部
の搬送手段によって搬入出口10bより処理空間10a内に搬入されたウエハWは、昇降
ピン14により裏面側を支持され、搬送手段を処理空間10a外へ退避させて昇降ピン1
4を下降させることによりスピンチャック11に受け渡される。そして基台16aを移動
させ、スピンチャック11上に保持されたウエハWの中央部上方に供給ノズル15を位置
させてレジスト液を吐出する。
の搬送手段によって搬入出口10bより処理空間10a内に搬入されたウエハWは、昇降
ピン14により裏面側を支持され、搬送手段を処理空間10a外へ退避させて昇降ピン1
4を下降させることによりスピンチャック11に受け渡される。そして基台16aを移動
させ、スピンチャック11上に保持されたウエハWの中央部上方に供給ノズル15を位置
させてレジスト液を吐出する。
このようにしてウエハW表面にレジスト液を滴下した後、スピンチャック11を例えば1000rpmの回転数で例えば約2秒間回転させることによりウエハWの径方向に広げるスピンコーティングを行う。続けてスピンチャック11を例えば2500rpmの回転数で例えば30秒間回転させることによりコーティングしたレジスト液の振り切り乾燥を行う。しかる後、リンスノズル17よりウエハWの周縁部にリンス液を塗布し、スピンチャック11を例えば1500rpmの回転数で例えば8秒間回転させることで、ウエハW周縁部に塗布したレジスト膜を除去する。更にこの後、スピンチャック11を例えば2000rpmの回転数で例えば5秒間回転させることで、リンス液の振り切り乾燥を行って液処理を完了する。レジスト液の塗布されたウエハWは、ウエハWを搬入したときとは逆の順序で搬送手段に受け渡され液処理装置1から搬出される。
上述したスピンチャック11の回転によりウエハWから飛散したミストは、カップ体2内を流れる気流に乗って排気ポート25より排気管51へと排出される。また、ウエハWより振り切られたり、流路の壁面上でミストから成長したりした液滴はドレインとなってリング部材22や円筒壁23等を伝わり、液溜め部24内に溜まった後、ドレインポート26を介してドレイン管52へと排出される。
ここで本実施の形態に係るカップ体2は、図1,図2に示すように、その下面を支持するカップ体支持部材31と上面を押さえる押さえ部材32とからなるカップ保持部により保持されている。これらのカップ保持部を昇降及び水平移動させることにより、カップ体2を搬出入させることができるようになっている。以下、図3〜図5を用いてこれらカップ体保持部と昇降機構及び水平移動機構について詳述する。
図3はカップ体2をカップ保持部3に取り付けた状態を示す斜視図であり、図4はカップ体2をカップ体保持部3から取り外して搬出入する際の状態を示す斜視図である。また、図5は図3において実線の矢印I方向からカップ体保持部3を見た概略側面図である。さらに、図6Aはカップ体2を取り付けた状態のカップ体保持部3の底面図、図6Bはカップ体2を取り外した状態のカップ体保持部3の底面図である。なお図示の便宜上、図3以降の図においては、図1,図2にて説明したカップ体2の構成を簡略化して記載してある。
図3ないし図5に示すように、カップ体保持部3は、カップ体2の底面を支持するカップ体支持部材31と、このカップ体支持部材31に対向しカップ体2の上面を押さえる押さえ部材32とから構成され、カップ体2をこれらのカップ体支持部材31と押さえ部材32で挟持できるようになっている。
カップ体支持部材31及び押さえ部材32は各々平面形状が概ね円弧状を有する板材である。カップ体支持部材31は、左右の端部の一部がカップ体2の排気ポート25及びドレインポート26の外周面に対応する切り欠き部であるポート受け部31aを有している。また、カップ体支持部材31の下面には液受け機構の一部が備わるが、これについては後述する。
押さえ部材32はカップ体支持部材31上に載置されたカップ体2を上から押さえて固定する役割を果たす板材であって、カップ体2の開口縁の曲率に対応した曲率の円弧縁部として形成され、カップ体2の開口縁に沿った起立縁21bがこの円弧縁部に嵌合した状態で規制されるように構成されている。上述のようにカップ体2底面に設けられた各ポート25,26がカップ体支持部材31の円弧部分に夫々適合して規制されることによりカップ体2の位置決めがされ、カップ体2を下降したとき、各ポート25,26と排気管51、ドレイン管52とを嵌合させてカップ体2を正しい位置に装着できる。
また、図3、図4に示すように押さえ部材32の近傍にはカップ体2の上面を下方へ押さえつける方向へ付勢された弾性体である2つの板ばね32aが取り付けられており、カップ体支持部材31上に載置されたカップ体2を確実に固定することができるようになっている。なおこれらの板ばね32aは付勢力を調整してあり、アッパーカップ2a、インナーカップ2b等のいずれかの部材がカップ体2に正しく組み込まれていない場合には板ばね32aでカップ体を固定することができず、カップ体保持部3にカップ体2を保持できなくなってしまうようになっている。
押さえ部材32は、図4に矢印Aで示したカップ体2を搬出入する方向(以下メンテナンス方向)から見て左右両端部において連結部材33により支持されている。また、カップ体支持部材31は後述する水平移動機構により支持されている。これら押さえ部材32とカップ体支持部材31は略平行な状態で上下に対向し、この間にカップ体2を挟みこめるようになっている。ここで、カップ体支持部材31と押さえ部材32との対向する間隔は、例えばアッパーカップ2aとアンダーカップ2cとの予め定められた3つの部材が全て組み込まれている場合に限り安定してカップ体2を保持できるようになっている。すなわち、例えばアッパーカップ2aを組み込むのを忘れてしまった場合には、カップ体2の高さがカップ体支持部材31、押さえ部32の間隔よりも低くなってしまうため、板ばね32aによりカップ体2を押さえ付けることができず、カップ体2を安定に保持することができないようになっている。またカップ体2は、図5に示すように、その側方から見た投影面が四角形となっており、同じく側方から見た投影面がコの字形のカップ体保持部3にて固定し易い形状となっている。なお、連結部材33はカップ体支持部材31と押さえ部材32とによって挟持された状態のカップ体2と干渉しないような位置に取り付けられる。
ここで、押さえ部材32は、連結部材33及び後述する昇降ガイド部材43を介して一対の固定部材34に固定され、この固定部材34をビス等で筐体10の底面に締結することによりカップ体保持部3全体を液処理装置1(基体)に固定してある。図2に示すように、カップ体保持部3は、蓋体10cを取り外したオペレータがカップ体2をメンテナンス方向に対向してカップ体2を挟持する状態となるように液処理装置1に取り付けられている。
次に、このカップ体保持部3を昇降させる昇降機構について説明する。カップ体保持部3を昇降させるこの昇降機構は、カップ体保持部3の昇降動作をガイドする昇降ガイド部材43と、カップ体保持部3を昇降させる駆動機構としてのモータ・シリンダ機構4(以下、単にモータ・シリンダ4という)と、から構成されている。図4及び図5に示すように昇降ガイド部材43はカップ体支持部材31の移動方向をガイドできるようにカップ体支持部材31と固定部材34との間に一組ずつ介設されている。
モータ・シリンダ4は、図5に示すように、シリンダロッド42と、このシリンダロッド42を軸方向に往復運動させるモータを備えた筐体部41とから構成され、図示しない電源から供給される電力を利用してカップ体保持部3を昇降させるアクチュエータとしての役割を果たす。モータ・シリンダ4は、既述の昇降ガイド部材43の移動方向と、シリンダロッド42の移動方向とが平行となるように例えば固定部材34の一方側(本実施の形態では、図3の図面に向かって手前側)に設置されている。また、このモータ・シリンダ4の設置された他方側の固定部材34には、上述のモータ・シリンダ4の動作に従動するように構成されたシリンダロッド42とこれを収める筐体部41とが設置されている。各シリンダロッド42は連結部材33の下面にその頂部が固定されており、モータ・シリンダ4側のモータによる往復運動によって筐体部41に対して突没し、連結部材33を突き上げたり引き降ろしたりすることによって、液受け機構を含むカップ体保持部3全体を昇降させることができるようになっている。そして、シリンダロッド42が筐体部41内に没入した状態では、カップ体2を装着位置にて保持する「第1の位置」、シリンダロッド42が筐体部41より最も高くまで突き出た状態では、カップ体2を後述する「第3の位置」に移動可能な「第2の位置」に夫々カップ体保持部3を位置させるように、シリンダロッド42の長さやその往復距離を設定してある。また本実施の形態において「第2の位置」は、処理空間10a内の他の機器(例えばスピンチャック11等)と干渉せずにカップ体2を搬出入可能な高さ位置に設定されている。
さらに、カップ体2をカップ体保持部3の昇降方向と略直角に移動させる水平移動機構について説明する。水平移動機構43は、カップ体支持部材31を挟んで対向する位置にて連結部材33と連結されており、スライダ44とレール45とから構成される。この場合、水平移動機構43は、連結部材33に固定され、この連結部材33と直交する方向に延在するレール45と、カップ体支持部材31に固定され、レール45の案内溝45aに摺動自在に嵌合するスライダ44とで構成されている。
水平移動機構43はこれにより、記述の第1の位置と第2の位置との間でカップ体保持部3を昇降させることに加えて、当該第2の位置と、この第2の位置からカップ体2の横方向(オペレータによる引き出し方向に略水平)に移動した第3の位置との間でカップ体保持部3を移動させることができる。すなわち、水平移動機構43のレール45をスライドするスライダ44を、カップ体2やカップ体支持部材31と一緒にレール45から引き出すことによって、カップ体2を搬出できる構造となっている。
次に、液受け機構の構成ついて説明する。液受け機構は、液受け部材46、固定ピン47及び固定ピン支持部材48とを具備する。液受け部材46はドレインポート26から排出された薬液(廃液)を貯留する受け皿50と、受け皿50とカップ体支持部材32を連結するステー51で構成されている。図6A及び図6Bに示すように、ステー51はカップ体支持部材31の下面に設けられた回転軸31bに回転自在に枢着されると共に、回転軸31bとステー51に係止する捩りコイルばね49を介して取り付けられている。これにより、液受け部材46の受け皿50は常時液受け位置に弾性力が付勢された状態となっている。また、固定ピン47は、連結部材33にビス等で固定された固定ピン支持部材48の先端部に立設して取り付けられており、昇降ガイド部材43を介した連結部材の昇降に連動して昇降するようになっている。
ここで、図6Aはカップ体2が第1の位置もしくは第2の位置にあるときを示し、図6Bはカップ体2が第2の位置から第3の位置へ移動を開始した直後を示した図である。図6Aにおいて、液受け部材46はドレインポート26の直下から離れたドレインポート26とドレイン管52の接続の妨げにならない位置(以下、退避位置)に退避している。一方、図6Bにおいて、液受け部材46はドレインポート26の直下においてドレインポート26から排出された薬液を貯留できる位置(以下、液受け位置)に位置している。
次いで、退避位置と液受け位置の移動に際しての液受け機構の作用について説明する。ここで、第3の位置から第2の位置へカップ体2を移動させようとすると、その移動途中で固定ピン47と液受け部材46のステー51が当接する。さらに第2の位置の方向へカップ体2をスライドさせると、捩りコイルばね49によって液受け位置に位置しようとする力が加えられていながらも、捩りコイルばね49の付勢力に抗して液受け部材46は相対的に固定ピン47に押し込まれるようにして回転軸31bを中心に回動して退避位置に位置する。ここで、固定ピン47は液受け部材46を退避位置に係止させる役割を果たす。逆に、第2の位置から第3の位置へカップ体2を移動させる際は、液受け部材46は捩りコイルばね49の付勢力によって液受け位置へと回動する。
以上、本実施の形態によれば以下のような効果がある。定期的な洗浄や補修作業のためにカップ体2を第3の位置へ移動させる際に、カップ体2に残留している薬液(廃液)がドレインポート26から漏出することを防止することができる。一方、第1の位置へカップ体2を移動させる際は、上述の機構により液受け部材46は退避位置へ移動するためドレインポート26とドレイン管52との接続を液受け部材46が妨げることがない。
なお、受け皿50とステー51はビス等で締結されており、着脱可能となっている。この場合、図7に示すように、受け皿50に固定されたアングル状の取付ブラケット50aの水平部に設けられた取付孔50bを貫通する固定ボルト53を、ステー51に設けられたねじ孔51aにねじ結合して、受け皿50とステー51とを連結する。また、固定ボルト53とねじ孔51aとのねじ結合を解除することにより、受け皿50とステー51とを分解することができる。本構成により、受け皿50を洗浄することが容易になる。
また、固定ピン47及びステー51の少なくとも一方は、例えばPOM(ポリアセタール)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の合成樹脂で構成されているのが好ましい。本構成により、固定ピン47とステー51の双方が金属材料である場合に比べて、固定ピン47とステー51が当接した際のパーティクルの発生を軽減できる。
また、受け皿50の形状は、ドレインポート26の端部の投影領域を覆う形状が好ましい。本構成により、ドレインポート26から排出された薬液をもれなく貯留することができる。
また、受け皿50に、例えばスポンジ等の液吸収部材52を備えてもよい。本構成により、薬液を吸収している液吸収部材52を受け皿50から取り出し廃棄することによって、上述のように受け皿50を取り外さなくても薬液の廃棄が完了する。
また、図8に示すように、カップ体支持部材31に例えばフォトインタラプタなどの検知手段60を備えてもよい。検知手段60は発光部61と、受光部62と、図示しない送信部で構成される。発光部61から射出された光が受光部62にて受光するまでの光軸上に、液受け部材46が回動する経路が存在し、液受け部材46の回動によって光が遮断されることにより、液受け部材46が正しく動作していることを検知し、その結果を図示しない送信部が図示しない表示部へ送信する。本構成により、カップ体2を第3の位置へ移動させた際に液受け部材が液受け位置に位置しているか、または、カップ体2を第1もしくは第2の位置へ移動させた際に液受け部材が退避位置に位置しているかをオペレータが認識することができ、液受け機構の不具合による薬液の大量漏出を軽減させることができる。
なお、上記実施形態では本考案に係る液処理装置をレジスト液塗布ユニットに適用した場合について説明したが、上記の実施態様に限定されるものではなく、レジスト液塗布ユニット以外の液処理装置にも適用できる。
W ウエハ
1 液処理装置
2 カップ体
3 カップ体保持部
4 モータ・シリンダ(モータ・シリンダ機構)
6 制御部
11 スピンチャック(基板保持部)
13 スピンチャックモータ(駆動機構)
15 供給ノズル
26 ドレインポート(廃液孔)
31 カップ体支持部材
32 押さえ部材
43 水平移動機構
44 スライダ
45 レール
46 液受け部材
47 固定ピン
49 捩りコイルばね
50 受け皿
51 ステー
52 液吸収部材
53 固定ボルト
60 検知手段
61 発光部
62 受光部
1 液処理装置
2 カップ体
3 カップ体保持部
4 モータ・シリンダ(モータ・シリンダ機構)
6 制御部
11 スピンチャック(基板保持部)
13 スピンチャックモータ(駆動機構)
15 供給ノズル
26 ドレインポート(廃液孔)
31 カップ体支持部材
32 押さえ部材
43 水平移動機構
44 スライダ
45 レール
46 液受け部材
47 固定ピン
49 捩りコイルばね
50 受け皿
51 ステー
52 液吸収部材
53 固定ボルト
60 検知手段
61 発光部
62 受光部
Claims (7)
- 筐体内の基板保持部に略水平に保持された基板の表面に、供給ノズルから処理液を供給して、基板の表面を液処理する液処理装置において、
前記基板保持部に保持された基板の側方を囲むように設けられ、前記筐体内の基体に上方から着脱自在に装着されるカップ体と、
このカップ体を下面から支持するカップ体支持部材と、
前記カップ体が基体に装着される第1の位置と、この第1の位置よりも上方側の第2の位置と、の間で前記カップ体支持部材を移動させる昇降機構と、
前記第2の位置から水平方向に前記カップ体支持部を第3の位置まで移動させる水平移動機構と、
前記カップ体に設けられ処理液の廃液を排出する廃液孔の下方に移動自在に構成される液受け機構と、を備え、
前記液受け機構は、前記廃液孔から排出された廃液を貯留する受け皿と、この受け皿と前記カップ支持部材を連結するステーとで構成される液受け部材を備え、
前記カップ体支持部材を前記第2の位置から第3の位置まで移動させる間に前記液受け部材は廃液孔の直下である液受け位置に回動し、前記カップ体支持部材を前記第3の位置から第2の位置まで移動させる間に前記液受け部材は廃液孔の直下を避けた退避位置に回動する、ことを特徴とする液処理装置。 - 前記受け皿と前記ステーは着脱可能に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
- 前記液受け機構は、固定ピンと、ばね部材と、を備え、
前記固定ピンは、前記カップ体支持部材を第3の位置から第2の位置まで移動させる間に、前記ステーと当接しながら前記液受け部材を退避位置へ回動させた後、前記ステーを退避位置に固定し、
前記ばね部材は、前記カップ体支持部材を第2の位置から第3の位置まで移動させる間に、前記液受け部材が液受け位置へ回動するよう付勢力が調整されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液処理装置。 - 前記固定ピン及び前記ステーの少なくとも一方は合成樹脂で形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の液処理装置。
- 前記受け皿は、前記廃液孔の投影領域を覆う形状に形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液処理装置。
- 前記受け皿は、この受け皿に対して取り外し可能な液吸収部材を備える、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液処理装置。
- 前記液受け部材の液受け位置と退避位置との移動を検知する検知手段を備える、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012001290U JP3175726U (ja) | 2012-03-08 | 2012-03-08 | 液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012001290U JP3175726U (ja) | 2012-03-08 | 2012-03-08 | 液処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3175726U true JP3175726U (ja) | 2012-05-24 |
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ID=48002741
Family Applications (1)
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JP2012001290U Expired - Lifetime JP3175726U (ja) | 2012-03-08 | 2012-03-08 | 液処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3175726U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109092632A (zh) * | 2018-10-19 | 2018-12-28 | 广东标华科技有限公司 | 一种棉头自动贴片机 |
CN114797149A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-07-29 | 叶康 | 一种板式分馏塔 |
-
2012
- 2012-03-08 JP JP2012001290U patent/JP3175726U/ja not_active Expired - Lifetime
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