JP3175644B2 - プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法 - Google Patents

プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法

Info

Publication number
JP3175644B2
JP3175644B2 JP16989397A JP16989397A JP3175644B2 JP 3175644 B2 JP3175644 B2 JP 3175644B2 JP 16989397 A JP16989397 A JP 16989397A JP 16989397 A JP16989397 A JP 16989397A JP 3175644 B2 JP3175644 B2 JP 3175644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
image forming
image
voltage
bias voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16989397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1115352A (ja
Inventor
真樹 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP16989397A priority Critical patent/JP3175644B2/ja
Publication of JPH1115352A publication Critical patent/JPH1115352A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3175644B2 publication Critical patent/JP3175644B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロセスカートリ
ッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条
件決定方法に係り、より詳しくは、少なくとも像担持体
を含んで構成されたプロセスカートリッジが所定の位置
に装着されているか否かを判定するプロセスカートリッ
ジの装着判定方法、像担持体上にトナー像を形成し、転
写手段と像担持体とで記録媒体を挟持搬送してトナー像
を記録媒体に転写すると共に転写後の記録媒体の除電を
行う画像形成装置、及び画像形成装置における画像形成
処理条件を決定する画像形成処理条件決定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真方式を用いた画像形成装
置は高品位な画像を高速に出力することができ、電子写
真複写機やプリンタ等の各種画像形成装置に広く使用さ
れている。このような画像形成装置では、まず感光体ド
ラムや感光体ベルトに代表される像担持体(以下、単に
感光体と称する)の表面を帯電させ、レーザビーム等の
光を用いて前記帯電した感光体表面を露光することで感
光体上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像に
対しトナーを選択的に吸着させることによって現像し、
トナー像を形成する。さらに、このトナー像を感光体か
ら普通紙等の記録媒体(以下、特別の場合を除き用紙と
称する)に転写し、その後、熱または圧力によって定着
することで、用紙上に画像を形成する。
【0003】従来からこのような画像形成装置では、感
光体、帯電ロール、現像器等を一体的に収容したプロセ
スカートリッジを、本体部の所定位置に装着して画像形
成処理を行うものが多く用いられている。このように一
部の機器をプロセスカートリッジとして本体部とは別に
し、このプロセスカートリッジを本体部に着脱自在に構
成することにより、内部の機器(上記感光体、帯電ロー
ル、現像器等)が寿命に達した場合にプロセスカートリ
ッジ全体を交換することによって機器の交換作業を容易
にし、且つ紙づまり等が発生した場合にプロセスカート
リッジを本体部から一時的に取り外すことで詰まってい
る紙を本体部の内部から取り出し易くなり紙づまりの復
旧処理の実行を容易にしている。上記のような機器の交
換作業や紙づまり等の復旧作業を実行する際には、ほぼ
毎回プロセスカートリッジの着脱が行われるので、プロ
セスカートリッジの着脱回数はかなり多くなる。
【0004】従って、画像形成処理の実行に先立ち、画
像形成装置本体部にプロセスカートリッジが装着されて
いることを確認し、もし装着されていない場合には直ち
に装着することが望ましい。
【0005】従来は、プロセスカートリッジを本体部に
装着するときに該プロセスカートリッジの筐体の一部
が、本体部に設置されたスイッチを切り替え、そのオン
/オフ信号からプロセスカートリッジが装着されている
か否かを判定していた。このような構成を採用する場
合、スイッチや信号伝達用の配線部材を本体部に設置す
る必要があるので、これらの部材コストがかかる上、プ
ロセスカートリッジの装着の妨げとならないように前記
スイッチの形状や設置位置を考慮する必要が生じる。こ
れに伴い、画像形成装置本体部のレイアウトの自由度に
も制限を与えてしまうおそれがある。
【0006】そこで、特開平5−107834号公報や
特公平7−60288号公報には、画像形成装置に設け
られた転写ロールにバイアス電圧を印加して該転写ロー
ルから出力される電流値を検出し、該電流値の大きさに
基づいてプロセスカートリッジが装着されているか否か
を判定する方法が提案されている。
【0007】このような転写ロールにバイアス電圧を印
加して転写ロールから出力される電流値を検出する機構
は、主に画像形成処理時に転写ロールに印加するバイア
ス電圧値を決定する目的で画像形成装置本体に設けられ
たものである。即ち、上記機構は、所定のバイアス電圧
を転写ロールに印加することにより得られた電流値の双
方の値よりインピーダンスを算出し、予め記憶されたイ
ンピーダンス−電圧テーブルを参照して転写バイアス電
圧を決定する所謂PTVC(プログラマブル・トランス
ファー・ボルテージ・コントロール)と呼ばれる転写バ
イアス制御方式に用いられるものである。このような転
写バイアス制御方式に関する技術は、特開平3−252
688号公報や特開平6−186867号公報に開示さ
れている。
【0008】現在の主流となっている反転現像方式を行
う画像形成装置においては、帯電ロールと転写ロールと
で印加するバイアス電圧の極性が異なることが知られて
いる。反転現像方式では潜像を顕像化するトナーも感光
体と同極性(一般的には感光体が負帯電なのでトナーも
負極性)に帯電するトナーを用いる為、像担持体である
感光体を負極性に帯電させるように帯電装置には負極性
のバイアス電圧を印加する。従って、転写ロールでは感
光体表面上の負帯電トナーを用紙上に引き寄せるために
感光体表面とは逆極性(一般的には正極性)のバイアス
電圧を印加する。
【0009】しかしながら、上記のように転写ロールに
バイアス電圧を印加してプロセスカートリッジの装着有
無を判定する場合、以下のような問題点がある。
【0010】(1)画像形成装置の使用環境が低温低湿
環境である場合、転写ロール自身の抵抗値が上昇するた
め、所定のバイアス電圧を印加した場合に転写ロールか
ら流出する流出電流値が非常に小さくなり、該流出電流
値に基づくプロセスカートリッジの装着判定を正確に行
うことが困難になってしまう。
【0011】(2)画像形成装置の使用環境が逆に高温
高湿環境である場合、転写ロール自身の抵抗値が低下す
るばかりでなく、隣接する除電部材とのリーク放電や縁
面伝導を起こしやすくなるため、それほど高くないバイ
アス電圧(約1000V程度)を転写ロールに印加して
も転写ロールからかなりの電流が流出してしまうので、
プロセスカートリッジが装着されていない状態でも「装
着状態」と誤って判定してしまうおそれがある。このよ
うな場合にはプロセスカートリッジが所定位置ヘ装着さ
れていないのにも関わらず、画像形成装置では画像形成
処理が開始されてしまう等の誤動作を起こすおそれがあ
る。
【0012】(3)プロセスカートリッジの装着判定の
ために転写ロールに印加する所定のバイアス電圧値を大
きく設定すると、前述したように感光体表面の帯電極性
とは逆極性の高電圧が転写ロールに印加されてしまうた
め、該転写ロールに接触する感光体において感光性能の
低下や逆極性電荷のトラップによる帯電性の不均一化等
の感光体障害が発生するおそれがある。
【0013】一方、従来より、画像形成装置の使用環境
を推定し、この画像形成装置の使用環境に基づいて、画
像形成の実行条件(例えば、静電潜像形成を行う露光条
件、転写時に印加するバイアス電圧、画像形成終了後等
に行われる転写ロールのクリーニング用のバイアス電圧
等)を決定し、決定した実行条件に従って画像形成を行
う画像形成装置が提案されている。
【0014】ところが、このような画像形成装置におけ
る環境判断手段としては、専用の温湿度検出素子を画像
形成装置内/外に設置したものが大型画像形成装置で広
く用いられているが、装置コストがかかり、温湿度検出
素子や検出信号伝達のための配線などを装置内に配置す
るため、装置内のレイアウトが複雑になり装置の組立性
が悪化する、といった問題があった。
【0015】また、転写ロールに所定のバイアス電圧を
印加した際に転写ロールから流出する流出電流値を検出
し、該流出電流値により画像形成装置の使用環境を判定
し最適な画像形成の実行条件を決定する技術も、その低
コスト性や簡便性から多く提案されている。この場合、
転写ロールと感光体とを含んだプロセスカートリッジの
総合インピーダンスにより上記流出電流値が決定される
が、転写ロールや感光体の製造時のバラツキや画像形成
装置の使用履歴によって上記総合インピーダンスが変化
してしまい、画像形成装置の使用環境を誤って判定する
おそれがあった。
【0016】ところで、従来より画像形成処理の開始直
後や終了直後の用紙不在のタイミングに、転写極性側の
バイアス電圧と逆極性側のバイアス電圧とを転写ロール
に交互に印加することにより、転写ロールに付着したト
ナーを、感光体上へ静電的に逆飛翔させることで転写ロ
ールから除去する方法が用いられている。
【0017】ところが、この技術では、画像形成装置の
使用環境が変化すると、一組のバイアス電圧(転写極性
側のバイアス電圧と逆極性側のバイアス電圧)だけで
は、転写性能と同様に全ての使用環境において十分なト
ナー除去性能を維持することが困難である。即ち、高温
高湿環境下では転写ロールから感光体への流出電流値が
過大となり感光体へのダメージを誘発したり、逆に低温
低湿環境下では転写ロール表面からトナーをほとんど除
去できない、といった不都合を生じるおそれがあった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消するために成されたものであり、画像形成装置の
使用環境が変化しても、何ら不具合を起こすことなくプ
ロセスカートリッジが装着されているか否かを正確に判
定することができるプロセスカートリッジの装着判定方
法、及び画像形成装置を提供することを第1の目的と
し、使用環境を正確に判定して画像形成処理条件を精度
良く決定することができる画像形成処理条件決定方法、
及び画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、第1の発明に係るプロセスカートリッジの
装着判定方法は、少なくとも像担持体を含んで構成され
たプロセスカートリッジが所定の位置に装着された状態
で前記像担持体上にトナー像を形成し、前記像担持体に
接触するよう配置された転写手段と前記像担持体とで記
録媒体を挟持搬送しつつ前記転写手段に転写バイアス電
圧を印加することで前記トナー像を前記記録媒体に転写
し、前記転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録
媒体の搬送方向下流近傍部に配置された除電手段に除電
バイアス電圧を印加することで前記記録媒体の除電を行
う画像形成装置におけるプロセスカートリッジの装着判
定方法であって、前記除電手段に所定の電圧を印加した
場合に前記転写手段に流れ込む電流値に基づいて、前記
画像形成装置の使用環境を判定し、該使用環境に応じ
て、前記転写手段に所定の判定用バイアス電圧を印加し
た場合に前記転写手段から流れ出す電流値に基づく、前
記プロセスカートリッジが前記所定の位置に装着されて
いるか否かの判定を行う、ことを特徴とする。
【0020】上記第1の発明に係るプロセスカートリッ
ジの装着判定方法が適用される画像形成装置では、少な
くとも像担持体を含んで構成されたプロセスカートリッ
ジが所定の位置に装着された状態で像担持体上にトナー
像を形成し、像担持体に接触するよう配置された転写手
段と前記像担持体とで記録媒体を挟持搬送しつつ転写手
段に転写バイアス電圧を印加することによりトナー像を
記録媒体に転写し、転写手段と像担持体との接触部に対
し記録媒体の搬送方向下流近傍部に配置された除電手段
に除電バイアス電圧を印加することにより、前記トナー
像が転写された記録媒体の除電を行う。
【0021】このような画像形成装置では、除電手段に
所定の電圧を印加した場合、プロセスカートリッジの所
定位置への装着有無に関わらず、転写手段に電流が流れ
込む。しかも、この転写手段への流入電流値は画像形成
装置の使用環境(例えば、低温低湿環境、常温常湿環境
あるいは高温高湿環境の何れであるか)に応じて変化す
る。具体的には、使用環境が低温低湿環境の場合、転写
手段への流入電流値は低く、高温高湿環境に近づくにつ
れて流入電流値は高くなる。
【0022】一方、プロセスカートリッジが所定位置に
装着された状態で転写手段に所定の判定用バイアス電圧
を印加した場合、プロセスカートリッジ内の像担持体と
転写手段とが接触するため、転写手段から像担持体へか
なりの電流が流出するのに対し、プロセスカートリッジ
が所定位置に装着されていない状態で転写手段に所定の
判定用バイアス電圧を印加した場合、転写手段は像担持
体に接触しないので、転写手段から電流はほとんど流出
しない(漏れ電流のみとなる)。そこで、従来より、所
定の判定用バイアス電圧を転写手段に印加した場合の転
写手段からの流出電流値に基づいて(例えば、転写手段
からの流出電流値と所定の比較用しきい値とを比較する
ことで)、プロセスカートリッジの所定位置への装着有
無を判定する技術が提案されている。
【0023】本第1の発明は、従来の技術で述べたよう
に所定の判定用バイアス電圧を転写手段に印加した場合
の転写手段からの流出電流値が、画像形成装置の使用環
境(例えば、低温低湿環境、常温常湿環境あるいは高温
高湿環境の何れであるか)に応じて変化してしまうこと
を考慮したものである。
【0024】本第1の発明では、まず、前述した除電手
段に所定の電圧を印加した場合の転写手段への流入電流
値より画像形成装置の使用環境を判定する。
【0025】前述したように、使用環境が低温低湿環境
の場合、転写手段への流入電流値は低く、高温高湿環境
に近づくにつれて流入電流値は高くなるので、例えば、
低温低湿環境、常温常湿環境の境界に対応するしきい値
(第1しきい値)と、常温常湿環境、高温高湿環境の境
界に対応するしきい値(第2しきい値)とを予め定めて
おき、転写手段への流入電流値が第1しきい値以下の場
合、使用環境は低温低湿環境と判定し、流入電流値が第
2しきい値以上の場合、使用環境は高温高湿環境と判定
し、流入電流値が第1しきい値より高く第2しきい値未
満の場合、使用環境は常温常湿環境と判定することがで
きる。
【0026】そして、該使用環境に応じて、転写手段に
所定の判定用バイアス電圧を印加した場合に転写手段か
ら流出する流出電流値に基づく、プロセスカートリッジ
の所定位置への装着有無判定を行う。
【0027】例えば、上記転写手段への流入電流値より
画像形成装置の使用環境が、低温低湿環境、常温常湿環
境あるいは高温高湿環境の何れであるかを判定し、該使
用環境に応じて比較用しきい値を決定し、決定した比較
用しきい値と上記転写手段からの流出電流値とを比較
し、転写手段からの流出電流値が比較用しきい値以上の
場合にプロセスカートリッジが所定位置へ装着されてい
ると判断し、転写手段からの流出電流値が比較用しきい
値未満の場合にプロセスカートリッジが所定位置へ装着
されていないと判断することができる。
【0028】このように、除電手段に所定の電圧を印加
した場合の転写手段への流入電流値に基づいて画像形成
装置の使用環境を正確に判定した上で、該使用環境に応
じて、転写手段に所定の判定用バイアス電圧を印加した
場合の転写手段からの流出電流値に基づくプロセスカー
トリッジの装着有無判定を行うので、使用環境の影響を
受けることなく正確な装着有無判定を行うことができ
る。
【0029】なお、上記のような第1の発明では、判定
結果として得た画像形成装置の使用環境に応じて、判定
用バイアス電圧及び比較用しきい値を決定しても良く、
この場合、決定した判定用バイアス電圧を転写手段に印
加した場合の転写手段からの流出電流値と、前記決定し
た比較用しきい値とを比較し、転写手段からの流出電流
値が比較用しきい値以上の場合にプロセスカートリッジ
が所定位置へ装着されていると判断し、転写手段からの
流出電流値が比較用しきい値未満の場合にプロセスカー
トリッジが所定位置へ装着されていないと判断すること
ができる。
【0030】このように、画像形成装置の使用環境に応
じて判定用バイアス電圧を決定することで、プロセスカ
ートリッジの装着判定時に、転写手段に不用意に高い判
定用バイアス電圧を印加してしまうことを回避できる。
これに伴い、プロセスカートリッジを装着していた場合
に、転写手段に接触している像担持体に不用意に高い電
流が出力され、像担持体がダメージを受けることを回避
できる。例えば、像担持体を感光体で構成した場合、該
感光体における感光性能の低下や逆極性電荷のトラップ
による帯電性の不均一化等の感光体障害を未然に防ぐこ
とができる。
【0031】また、判定用バイアス電圧は単一値でも良
く、該判定用バイアス電圧の印加時間も短時間で良いの
で、装着判定を高速に行うことができる。
【0032】なお、上記では、除電手段に1つの電圧を
印加した場合の転写手段への流入電流値に基づいて、画
像形成装置の使用環境を判定しても良いが、除電手段に
異なる複数の電圧を印加した場合の各々での転写手段へ
の流入電流値に基づいて、画像形成装置の使用環境を判
定した方が、流入電流値の検出誤差、ばらつき等による
影響を低減し、画像形成装置の使用環境を精度良く判定
することができる。
【0033】以上のような第1の発明に係るプロセスカ
ートリッジの装着判定方法に基づく装着判定処理を実行
可能な画像形成装置として、以下の第2の発明に係る画
像形成装置を挙げることができる。
【0034】上記の第1の目的を達成するために、第2
の発明に係る画像形成装置は、少なくとも像担持体を含
んで構成されたプロセスカートリッジが所定の位置に装
着された状態で前記像担持体上にトナー像を形成するト
ナー像形成手段と、前記プロセスカートリッジが所定の
位置に装着された場合に前記像担持体と接触するよう配
置され、記録媒体を前記像担持体と挟持搬送し該挟持搬
送状態で転写バイアス電圧が印加されることにより、前
記トナー像を前記記録媒体に転写する転写手段と、前記
転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録媒体の搬
送方向下流近傍部に配置され、所定の除電バイアス電圧
が印加されることにより、記録媒体の除電を行う除電手
段と、前記転写手段及び前記除電手段の各々に電圧を印
加する電圧印加手段と、前記転写手段に流れる電流値を
検出する検出手段と、前記電圧印加手段により前記除電
手段に所定の電圧が印加された場合に前記検出手段によ
り検出される前記転写手段への流入電流値に基づいて使
用環境を判定する使用環境判定手段と、前記使用環境判
定手段による判定で得られた使用環境に応じて、前記電
圧印加手段により前記転写手段に所定の判定用バイアス
電圧が印加された場合に前記検出手段により検出される
前記転写手段からの流出電流値に基づく、前記プロセス
カートリッジが前記所定の位置に装着されているか否か
の判定を行う判定制御手段と、を有することを特徴とす
る。
【0035】この第2の発明に係る画像形成装置では、
プロセスカートリッジが所定の位置に装着された状態で
トナー像形成手段によって像担持体上にトナー像を形成
する。また、プロセスカートリッジが所定の位置に装着
されたことで、転写手段はプロセスカートリッジ内の像
担持体に接触することになる。ここで、転写手段は、記
録媒体を像担持体と挟持搬送し、該挟持搬送状態で電圧
印加手段により転写バイアス電圧が印加されることによ
り、像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写
する。
【0036】また、転写手段と像担持体との接触部に対
し記録媒体の搬送方向下流近傍部には除電手段が配置さ
れており、この除電手段は、電圧印加手段により所定の
除電バイアス電圧が印加されることにより、トナー像が
転写された記録媒体の除電を行う。
【0037】このような画像形成装置において、除電手
段に所定の電圧が印加された場合に転写手段に流れ込む
流入電流値を検出手段によって検出し、使用環境判定手
段は、該検出した流入電流値より、前記第1の発明と同
様に、画像形成装置の使用環境を判定する。そして、転
写手段に所定の判定用バイアス電圧が印加された場合に
転写手段から流出する流出電流値を検出手段によって検
出し、判定制御手段は、画像形成装置の使用環境に応じ
て、前記検出した流出電流値に基づく、プロセスカート
リッジの所定位置への装着有無判定を行う。
【0038】例えば、使用環境判定手段は、検出された
流入電流値より画像形成装置の使用環境が、低温低湿環
境、常温常湿環境あるいは高温高湿環境の何れであるか
を判定する。そして、判定制御手段は、使用環境に応じ
て所定の比較用しきい値を決定し、決定した比較用しき
い値と前記検出された転写手段からの流出電流値とを比
較し、転写手段からの流出電流値が比較用しきい値以上
の場合にプロセスカートリッジが所定位置へ装着されて
いると判断し、転写手段からの流出電流値が比較用しき
い値未満の場合にプロセスカートリッジが所定位置へ装
着されていないと判断することができる。
【0039】また、上記において、判定制御手段は、使
用環境に応じて判定用バイアス電圧及び比較用しきい値
を決定し、決定した判定用バイアス電圧を転写手段に印
加した場合の転写手段からの流出電流値と前記決定した
比較用しきい値とを比較しても良い。そして、この比較
結果により、検出される流出電流値が比較用しきい値以
上の場合にプロセスカートリッジが所定の位置に装着さ
れていると判定し、検出される流出電流値が比較用しき
い値未満の場合にプロセスカートリッジが所定の位置に
装着されていないと判定しても良い。
【0040】このように、画像形成装置の使用環境に応
じて判定用バイアス電圧を決定することで、プロセスカ
ートリッジの装着判定時に、転写手段に不用意に高い判
定用バイアス電圧を印加してしまうことを回避できる。
これに伴い、プロセスカートリッジを装着していた場合
に、転写手段に接触している像担持体に不用意に高い電
流が出力され、像担持体がダメージを受けることを回避
できる。また、判定用バイアス電圧は単一値でも良く、
該判定用バイアス電圧の印加時間も短時間で良いので、
装着判定を高速に行うことができる。
【0041】次に、上記の第2の目的を達成するため
に、第3の発明に係る画像形成処理条件決定方法は、像
担持体を所定の帯電電位に帯電させ、帯電した像担持体
上に所定の潜像形成条件に基づいて潜像を形成し、所定
の現像バイアス電圧が印加された現像手段により前記形
成された潜像を現像して前記像担持体上にトナー像を形
成し、前記像担持体に接触するよう配置された転写手段
と前記像担持体とで記録媒体を挟持搬送しつつ前記転写
手段に所定の転写バイアス電圧を印加することで前記ト
ナー像を前記記録媒体に転写し、前記転写手段と前記像
担持体との接触部に対し記録媒体の搬送方向下流近傍部
に配置された除電手段に所定の除電バイアス電圧を印加
することで前記記録媒体の除電を行う画像形成装置にお
ける画像形成処理条件決定方法であって、前記除電手段
に所定の電圧を印加した場合に、前記転写手段に流れ込
む電流値に基づいて、前記画像形成装置の使用環境を判
定し、該使用環境に応じて少なくとも1つの画像形成処
理条件を決定する、ことを特徴とする。
【0042】上記第3の発明に係る画像形成処理条件決
定方法が適用される画像形成装置では、像担持体を所定
の帯電電位に帯電させ、帯電した像担持体上に所定の潜
像形成条件に基づいて潜像を形成し、所定の現像バイア
ス電圧が印加された現像手段により前記形成された潜像
を現像して前記像担持体上にトナー像を形成し、前記像
担持体に接触するよう配置された転写手段と前記像担持
体とで記録媒体を挟持搬送しつつ前記転写手段に所定の
転写バイアス電圧を印加することで前記トナー像を前記
記録媒体に転写し、前記転写手段と前記像担持体との接
触部に対し記録媒体の搬送方向下流近傍部に配置された
除電手段に所定の除電バイアス電圧を印加することで前
記記録媒体の除電を行う。
【0043】このような画像形成装置において、除電手
段に所定の電圧が印加された場合に、転写手段に流れ込
む流入電流値より、前記第1、第2の発明と同様に、
像形成装置の使用環境(例えば、低温低湿環境、常温常
湿環境あるいは高温高湿環境の何れであるか)を正確に
判定する。そして、正確に判定して得た使用環境に応じ
て、少なくとも1つの画像形成処理条件を精度良く決定
する。
【0044】なお、画像形成処理条件としては、転写工
程時に転写手段に印加する転写バイアス電圧、帯電手段
の帯電電位、潜像形成手段による潜像形成のための潜像
形成条件(例えば、光ビームの走査露光を行う走査露光
系により潜像形成手段を構成した場合の光ビームの強度
又は射出時間等の露光条件)、現像工程時に現像手段に
印加する現像バイアス電圧、転写手段の表面に付着した
トナーを除去するために転写手段に印加する清掃用バイ
アス電圧等が該当する。
【0045】本第3の発明は、従来のように転写手段で
なく除電手段に所定の電圧を印加した場合に転写手段に
流れ込む流入電流値に基づいて画像形成装置の使用環境
を判定し、該使用環境に応じて画像形成処理条件を決定
することに特徴がある。
【0046】上記除電手段は、転写手段と像担持体との
接触部に対し記録媒体の搬送方向下流近傍部に配置され
他の部材とは非接触な構成部材であり、且つこの除電手
段に印加される除電バイアス電圧は一般に像担持体の帯
電極性と同一であるため、像担持体の表面(例えば、像
担持体を感光体で構成した場合の感光素子)にダメージ
を与えることなく、画像形成工程の開始前及び画像形成
工程の開始後の像担持体や帯電手段が動作していないタ
イミングであればいつでも、除電手段に除電バイアス電
圧を印加して転写手段に流れ込む流入電流値より画像形
成装置の使用環境を判定し、画像形成処理条件を決定す
ることができる。即ち、画像形成装置の使用環境の判定
や画像形成処理条件の決定を行うタイミングについての
制約が少ない、という利点がある。
【0047】また、除電手段に除電バイアス電圧を印加
して転写手段に流れ込む流入電流値を検出する際には、
転写バイアス電圧の制御には不可欠な転写流出電流検出
回路を流用できるため、電流検出回路の増設が不要であ
り、構成が複雑になることを回避できる。
【0048】また、純粋に除電手段とこれに隣接する転
写手段との間の空間誘電率のみに応じて画像形成装置の
使用環境を判定できるので、画像形成装置の使用状態に
左右されずに精度良く使用環境を判定でき、該使用環境
に適した画像形成処理条件を決定することができる。こ
のようにして決定した画像形成処理条件に基づいて画像
形成を行うことにより、良好かつ安定した画像品質を得
ることができる。
【0049】なお、上記のような第3の発明では、除電
手段に1つの電圧を印加した場合の転写手段への流入電
流値に基づいて画像形成装置の使用環境を判定しても良
いが、除電手段に異なる複数の電圧を印加した場合の各
々での転写手段への流入電流値に基づいて、画像形成装
置の使用環境を判定した方が、流入電流値の検出誤差、
ばらつき等による影響を低減し、画像形成装置の使用環
境を精度良く判定することができる。
【0050】以上のような第3の発明に係る画像形成処
理条件決定方法に基づく処理条件決定処理を実行可能な
画像形成装置として、以下の第4の発明に係る画像形成
装置を挙げることができる。
【0051】上記の第2の目的を達成するために、第4
の発明に係る画像形成装置は、像担持体と、前記像担持
体を所定の帯電電位に帯電させる帯電手段と、前記帯電
手段により帯電した像担持体上に所定の潜像形成条件に
基づいて潜像を形成する潜像形成手段と、所定の現像バ
イアス電圧が印加されることにより、前記潜像形成手段
により形成された潜像を現像して前記像担持体上にトナ
ー像を形成する現像手段と、前記像担持体に接触して配
置され、記録媒体を前記像担持体と挟持搬送し該挟持搬
送状態で所定の転写バイアス電圧が印加されることによ
り前記トナー像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録媒体
の搬送方向下流近傍部に配置され、所定の除電バイアス
電圧が印加されることにより、記録媒体の除電を行う除
電手段と、前記現像手段、前記転写手段及び前記除電手
段の各々に電圧を印加する電圧印加手段と、前記転写手
段に流れる電流値を検出する検出手段と、前記電圧印加
手段により前記除電手段に所定の電圧が印加された場合
に、前記検出手段により検出される前記転写手段への流
入電流値に基づいて、前記画像形成装置の使用環境を判
定する使用環境判定手段と、前記使用環境判定手段によ
る判定で得られた使用環境に応じて少なくとも1つの画
像形成処理条件を決定する処理条件決定手段と、を有す
ることを特徴とする。
【0052】この第4の発明に係る画像形成装置では、
帯電手段によって像担持体を所定の帯電電位に帯電さ
せ、潜像形成手段によって、該帯電した像担持体上に所
定の潜像形成条件に基づいて潜像を形成する。そして、
電圧印加手段により現像手段に所定の現像バイアス電圧
が印加され、前記形成された潜像を現像して像担持体上
にトナー像を形成する。さらに、転写手段は、上記トナ
ー像が形成された像担持体との間で記録媒体を挟持搬送
し、電圧印加手段により該挟持搬送状態で所定の転写バ
イアス電圧が印加され、像担持体上のトナー像を記録媒
体に転写する。
【0053】また、転写手段と像担持体との接触部に対
し記録媒体の搬送方向下流近傍部には除電手段が配置さ
れており、この除電手段は、電圧印加手段により所定の
除電バイアス電圧が印加されることにより、トナー像が
転写された記録媒体の除電を行う。
【0054】このような画像形成装置において、検出手
段は、所定の電圧が除電手段に印加された場合に、転写
手段に流れ込む流入電流値を検出し、使用環境判定手段
は、検出された流入電流値より、前記第1、第2、第3
の発明と同様に、画像形成装置の使用環境(例えば、低
温低湿環境、常温常湿環境あるいは高温高湿環境の何れ
であるか)を正確に判定する。そして、処理条件決定手
段は、正確に判定して得た使用環境に応じて、少なくと
も1つの画像形成処理条件を精度良く決定する。
【0055】例えば、除電手段に所定の電圧を印加した
際に転写手段に流れ込む流入電流値を検出し、この流入
電流値より画像形成装置の使用環境を判定し、該使用環
境に応じて転写工程時の転写バイアス電圧を予め決定す
ることができる。そして、像担持体と転写手段とが記録
媒体を挟持搬送しているときに該転写バイアス電圧を転
写手段に印加することにより、良好かつ安定した転写性
能を得ることができる。
【0056】また、除電手段に所定の電圧を印加した際
に転写手段に流れ込む流入電流値を検出し、この流入電
流値より画像形成装置の使用環境を判定し、該使用環境
に応じて潜像形成手段による潜像形成条件を決定しても
良い。
【0057】例えば、光ビームの走査露光を行う走査露
光系により潜像形成手段を構成した場合、光ビームの強
度や射出時間等の露光条件を決定し、潜像形成時に予め
決められた露光条件で像担持体表面上に潜像を形成する
ことにより使用環境によらない良好かつ安定した画像を
得ることができる。即ち、高温高湿環境下では像担持体
への露光条件を弱くし、逆に低温低湿渡境下では露光条
件を強くして、潜像を形成することにより、使用環境に
左右されずに記録媒体上に均一線幅な線画像を再現する
ことが可能となり、線画像のみでなく網点によるハーフ
トーン画像や塗りつぶした黒ベタ画像においてもムラの
無い良好な画像を得ることができる(従来のような低温
低湿環境下での「細線かすれ」や高温高湿環境下での
「線の太り」の発生といった環境別の画像再現性不均一
現象を防止できる)。
【0058】また、除電手段に所定の電圧を印加した際
に転写手段に流れ込む流入電流値を検出し、この流入電
流値より画像形成装置の使用環境を判定し、該使用環境
に応じて、帯電手段の帯電電位や現像工程時に現像手段
に印加する現像バイアス電圧を決定しても良い。このよ
うに使用環境に適した画像形成処理条件を決定でき、該
画像形成処理条件に基づく画像形成処理により、良好か
つ安定した画像品質を得ることができる。
【0059】ところで、転写手段を、所定の清掃用バイ
アス電圧が印加されることにより該転写手段の表面から
トナーが除去されるように構成した画像形成装置が知ら
れている。
【0060】上記清掃用バイアス電圧には一般に、転写
極性側のバイアス電圧と逆極性側のバイアス電圧の2つ
の電圧値があり、上記のような画像形成装置では、画像
形成処理の開始直後や終了直後の記録媒体不在のタイミ
ング(像担持体と転写手段とで記録媒体を挟持搬送して
いない時)に、転写極性側のバイアス電圧と逆極性側の
バイアス電圧とを交互に転写手段に印加することによ
り、転写手段の表面から像担持体表面上へ静電的にトナ
ーを逆飛翔させ除去する。
【0061】このような画像形成装置では、例えば、除
電手段に所定の電圧を印加した際の転写手段への流入電
流値より使用環境を判定し、該使用環境に応じて転写極
性側のバイアス電圧及び逆極性側のバイアス電圧の少な
くとも一方を決定する。具体的には、低温低湿環境下で
は高いバイアス電圧(絶対値が大きいバイアス電圧)を
決定し、高温高湿環境下では低いバイアス電圧(絶対値
が小さいバイアス電圧)を決定することで、いかなる場
合においても均一且つ十分なトナーの除去を行うことが
できる。即ち、トナーによる転写手段表面の汚染を回避
し、長期に渡って良好かつ安定した転写性能を得ること
ができる。
【0062】なお、上記の各発明に係る除電手段は、記
録媒体の搬送路に近い方の端部以外が絶縁材料で被覆さ
れた針状部材で構成することができる。このような針状
部材を採用すれば、除電手段に所定の除電バイアス電圧
を印加した場合に、除電手段からの電流の流出部を、記
録媒体の搬送路に近い方の端部に限定でき、電流が除電
手段のあらゆる部分から転写手段へ流出することを防止
できるので、流出電流値が検出の度に大きくばらつくこ
とを防止できる。
【0063】また、上記の各発明に係る転写手段は、導
電物質を含有した転写ロールで構成することができる。
このとき、導電物質の量は、該転写手段の体積抵抗が記
録媒体の体積抵抗と同等な変化を生じるように、調整す
ることが望ましい。即ち、画像形成装置の使用環境がい
かなる環境であっても、転写手段と記録媒体との相対的
な抵抗差を略一定に保つことができ、転写手段に転写バ
イアス電圧を印加したときに転写手段から記録媒体の用
紙外領域へ過大な電流が流出してしまうことを抑制でき
る。
【0064】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]
【0065】以下、第1、第2の発明に係る第1実施形
態を詳細に説明する。
【0066】[画像形成装置の全体構成]
【0067】図1には、本発明の画像形成装置の一例と
してのレーザビームプリンタ1の概略構成を示す。この
図1に示すように、レーザビームプリンタ1には、後述
する像担持体としての感光体ドラム9にレーザビームを
照射するためのレーザ走査装置5が設けられており、こ
のレーザ走査装置5には図示しない半導体レーザが設置
されている。半導体レーザは、このレーザビームプリン
タ1に直接接続された図示しない情報処理装置やLAN
(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークを介
して接続された情報処理装置等から送られてくるプリン
トデータに基づいて変調されたレーザビームを出力す
る。出力されたレーザビームは、所定方向に回転するポ
リゴンミラー15で偏向され、fθレンズ16に入射す
る。このfθレンズ16から出射するレーザビームは、
第一のミラー17及び第二のミラー18で順次反射され
て、後述する感光体ドラム9の表面(以下、ドラム表面
と称する)の露光位置19に照射される。なお、レーザ
ビームの光路は点線20で示している。
【0068】筒状の感光体ドラム9は図示しないメイン
モータによって矢印Qで示す所定の回転方向に一定角速
度で回転し、レーザビームは上記回転するポリゴンミラ
ー15で偏向されているため、ドラム表面を感光体ドラ
ム9の軸方向(主走査方向)に繰り返し走査する。この
レーザビームは、上記fθレンズ16の作用により、ド
ラム表面を等速度で走査することになる。矢印Qのドラ
ム回転方向に沿って露光位置19のわずか上流側には、
帯電ロール11がドラム表面に転接しており、ドラム表
面を一様に帯電させるようになっている。本実施形態の
感光体ドラム9は、有機感光体を使用しており、静電潜
像を形成するためにはマイナスに帯電させるべき特性を
有するので、帯電ロール11には交流電圧にマイナスの
直流バイアス電圧を重畳させたマイナスの電圧を印加し
ている。
【0069】一様にマイナス帯電が行われたドラム表面
は、露光位置19でプリントデータに対応した静電潜像
が形成される。この静電潜像は、矢印Qのドラム回転方
向に沿って露光位置19の下流側に配置されたカートリ
ッジ形式の現像装置13によって現像される。
【0070】現像装置13内には現像ロール10及びト
ナー供給機構12が配置されている。トナー供給機構1
2は、現像装置13内のトナーを順次現像ロール10に
供給するための機構であり、現像ロール10はトナーを
磁気的に穂立ちさせて該トナーをドラム表面の静電潜像
形成領域に近接または接触させて、静電潜像に対応した
トナー像を形成するためのロールである。現像装置13
には、交流電圧にマイナスの直流バイアス電圧を重畳さ
せたマイナスの現像バイアス電圧が印加されている。
【0071】本実施形態では、マイナス帯電したドラム
表面に静電潜像を形成しており、該静電潜像の形成領域
の電位は0ボルトに近くなっている。一方、現像装置1
3にはマイナスの現像バイアス電圧が印加されているの
で、現像装置13のマイナスに荷電したトナーとドラム
表面との電位差は、静電潜像の未形成領域では小さいの
に対し、静電潜像の形成領域では大きくなる。このた
め、静電潜像の形成領域のみトナーが吸着することにな
る。
【0072】現像装置13によってドラム表面に形成さ
れたトナー像は、感光体ドラム9の回転によって転写バ
イアスロール29がドラム表面と転接している位置まで
移動する。ここでレジストロール24を介して送られて
きた用紙35に対してトナー像の転写が行われることに
なる。なお、図1では用紙35の搬送路を点線32で示
している。
【0073】なお、レーザビームプリンタ1には、レー
ザビームプリンタ1内の各装置に電力を供給する高電圧
電源7と、図示しないCPUを含んで構成されレーザビ
ームプリンタ1内の各装置の動作を制御する制御装置8
と、が設けられている。
【0074】次に、レーザビームプリンタ1の用紙搬送
経路について説明する。装置本体2の底部にはカセット
トレイ6が着脱自在に配置されている。カセットトレイ
6には、所定のサイズに裁断された用紙35が積層され
ている。積層された用紙35は、半月ロール21の間欠
的な回転によって一枚ずつ図1において右方向に送り出
される。半月ロール21の他にリタードロール等の他の
ロールあるいは用紙35を吸着して送りだす機構を用い
てもよい。
【0075】カセットトレイ6から送りだされた用紙3
5は搬送ロール22、23を順に経てレジストロール2
4まで搬送され、ここで一旦停止された後、感光体ドラ
ム9の回転と同期をとって図1において左方向に搬送さ
れる。用紙35が感光体ドラム9と転写バイアスロール
29との間を通過する時点だけ転写バイアスロール29
に所定のプラスの直流バイアス電圧が印加される。これ
によって感光体ドラム9上のマイナスに帯電したトナー
粒子からなるトナー像が転写バイアスロール29に静電
的に吸引され、用紙35にトナー像が転写される。
【0076】トナー像が転写された用紙35は、転写バ
イアスロール29の出口側に隣接して配置された除電針
37によって背後から(上記でトナー像が転写された側
と反対側から)除電される。除電された用紙35はドラ
ム表面から剥離され、搬送路32に沿って図1において
左方向に進行し、定着装置59を構成するヒートロール
25とプレッシャロール26との転接位置に進行する。
ヒートロール25は一定した高温に保たれており、プレ
ッシャロール26は用紙35をヒートロール25に押し
付けて、両者のニップしている領域で効率的な熱伝達が
行われてトナー像が用紙35上に定着される。定着後の
用紙35は、搬送ロール27を経た後、切替片28が図
1において左上方を向いた状態(図1における切替片2
8の状態)で搬送路32を上向きに搬送される。そし
て、搬送ロール30、排出ロール31を順に経て装置本
体2の上部に設けられた排出トレイ3に排出される。こ
れが用紙35の片面に印字を行う際の搬送経路である。
なお、用紙35の両面に印字を行う際には、切替片28
が図1において上方を向いた状態(図1における切替片
28Aの状態)に切り替わり、搬送ロール30、33、
34によって用紙35は搬送路38を下向きに搬送され
る。その後、用紙35は半月ロール21、搬送ロール2
2、23等によって、片面印字時と同じ搬送経路を搬送
される。
【0077】また、用紙35が感光体ドラム9と転写バ
イアスロール29との間に存在しない状態で、感光体ド
ラム9と転写バイアスロール29とが回転動作を行って
いる間(少なくとも転写バイアスロール29が1周する
間)、転写時と同極性のクリーニングバイアス電圧が転
写バイアスロール29に印加され、転写バイアス極性側
に帯電し転写バイアスロール29表面に付着した汚染ト
ナーを感光体ドラム9側へ移行させる。さらに、再度少
なくとも転写バイアスロール29が1周する間、転写と
逆極性のクリーニングバイアス電圧が転写バイアスロー
ル29に印加され、転写バイアスロール29表面に付着
した正極性(転写バイアスとは逆極性側)トナーを感光
体ドラム9側へ移行させる。このようにして転写バイア
スロール29表面のクリーニングを行う。
【0078】このクリーニング工程により感光体ドラム
9側へ移行したトナーは、転写バイアスロール29と帯
電ロール11との間に配置されたクリーニング装置14
によって、ドラム表面から掻き取られるようにして除去
される。清掃された感光体ドラム9は再び帯電ロール1
1によって一様に帯電され、次の画像形成プロセスに備
えることになる。
【0079】[要部の説明]
【0080】図2には、以上説明したレーザプリンタ1
の要部としての転写バイアスロール29近辺の装置構成
を示している。
【0081】本実施形態で感光体ドラム9に転接する転
写バイアスロール29のロール部分は、ウレタン、EP
DM(ポリイソピレン・ブレンドエストラマ)、CR
(クロロプレンゴム)、シリコーンゴム等のゴム材ある
いはこれらの材料の発泡スポンジから構成されている。
このロール部分の硬度はJIS規格としてアスカー(A
SKER)Cの500グラム(以下、gと略記する)荷
重で40度近辺のものが使用されている。この硬度が、
用紙35の搬送性能を安定させるばかりでなく、トナー
像の転写時における文字の中ぬけ現象を防止したり、感
光体ドラム9の削れを防止するために有効である。転写
バイアスロール29の体積抵抗値は、次に説明する測定
法で107 〜1010程度に設定されている。
【0082】転写バイアスロールの体積抵抗値を測定す
る方法としては、図3に示すように、測定の対象となる
転写バイアスロール29を導電体としての板金61の上
に載置して、その回転軸62に前記したように500g
荷重の力をそれぞれ下向きにかける。この状態で回転軸
62の一端に1000Vの直流電圧を印加する。そして
このときに板金61に出力される電流を電流計64によ
って測定し、電圧と測定電流から転写バイアスロール2
9の体積抵抗値を算出する。
【0083】用紙35が高抵抗の場合にも低抵抗の場合
にも良好な転写性を得るためには、転写バイアスロール
29の抵抗値として107 〜1010程度の抵抗値が好ま
しいとされている。また、転写バイアスロール29の抵
抗値が上記範囲内にある場合、転写バイアスロール29
に印加する電圧(以下、転写バイアス電圧と称する)は
400V〜5kV程度の範囲が最適とされている。な
お、高抵抗の用紙とは、例えばOHP(オーバーヘッド
プロジェクター)用の高抵抗の樹脂フィルムや、低温低
湿環境の下で放置されている用紙や、両面印刷を行う際
の第一面トナー像転写後に熱定着を行って含水率が低下
して高抵抗化した用紙等が該当する。
【0084】また、転写バイアスロール29の搬送方向
下流には除電針37が配置される。除電針37は、厚み
0.05〜0.5mm程度のステンレス鋼等の薄板にお
ける用紙35に対向する先端部を鋸歯形状に構成したも
のが一般的に用いられており、先端部の用紙搬送路方向
以外は絶縁樹脂により被覆されている。この絶縁樹脂に
よる被覆により、除電針37、転写バイアスロール29
間の電気的リークを防止している。除電針37は、その
先端部が用紙搬送経路より1〜3mm程度離間して設置
されており、画像形成時の用紙35が除電針37の上部
に存在するタイミングで、転写バイアスとは逆極性1.
5〜2.5kVの電圧が除電針37に印加され、コロナ
放電を起こすことで転写直後の用紙35の転写バイアス
の除電を行う。
【0085】ところで、感光体ドラム9上に形成された
トナー像を用紙35へ転写する際の転写バイアスロール
29から用紙35への電荷の移動は、転写バイアスロー
ル29のニップしている領域で行われる場合は少なく、
用紙35がニップ近傍の両側にわずかに離間している領
域で移動するのがほとんどである。すなわち、パッシェ
ン(Paschen)則に従って、空気の絶縁破壊によ
る放電によって電荷が移動することが主体となってい
る。このような原理の故に、転写バイアスロール29に
約1kVの電圧を印加することで十分な転写用の電荷を
得ることができる。
【0086】感光体ドラム9と転写バイアスロール29
の間に用紙35が存在する転写状態で転写バイアスロー
ル29の抵抗値が低すぎると、転写に必要な転写バイア
ス電圧を印加したときに感光体ドラム9と転写バイアス
ロール29が直接ニップしている用紙外領域では多量の
転写電流がドラム表面に流れ込むという事態が発生す
る。これにより、感光体ドラム9の感光槽にダメージを
与えてしまう。このようなダメージが発生すると、用紙
35の側部、すなわち感光体ドラム9と転写バイアスロ
ール29が直接接触している領域の境界部で、次の現像
の際にトナーがドラム表面に付着する。これにより、用
紙35の側部がトナーによって汚れてしまうといった不
具合が発生する。また感光槽の感光素子が転写電荷によ
ってダメージを受け、その影響で画像の濃度ムラが発生
するといった不都合も発生してしまう。
【0087】一方、転写バイアスロール29の抵抗値が
高すぎると、前記した約1kvの電圧の印加では転写に
必要とされる十分な電流が流れなくなり、転写不良を発
生させてしまう。
【0088】従って、転写バイアスロール29の抵抗値
には最適値が存在し、これが107〜1010Ω程度の抵
抗値となる。この範囲のときの転写バイアスロール29
に印加する電圧は、抵抗値によって多少異なるが、40
0V〜5kV程度の範囲が最適である。このように転写
バイアスロール29の体積抵抗や印加電圧に最適な範囲
が存在するのは、図4に示す如く画像形成装置の使用環
境により転写バイアスロールの体積抵抗値が変化を生じ
てしまう為である。
【0089】なお、図4で略記した環境名のL/L環境
とは低温低湿環境のことで10℃/15%RH程度の温
湿度環境を意味している。また、同様にN/N環境とは
通常環境(常温常湿環境)のことで20℃/50%RH
程度の温湿度環境を、H/H環境とは高温高湿環境のこ
とで28℃/85%RH程度の温湿度環境を、それぞれ
意味しており、以下これら各々に対してL/L環境、N
/N環境、H/H環境の呼称を用いる。
【0090】上述した環境変化によって用紙35も、そ
の含水率の変化により抵抗値が変化する為、転写バイア
スロール29の体積抵抗も用紙35の抵抗値と同等な変
化を生じるように、転写バイアスロール29に含まれる
導電物質を調整している。
【0091】このようにすることで各環境での転写バイ
アスロール29と用紙35の相対的な抵抗差を略一定に
保ち、前述した用紙外領域への転写バイアス電流の過電
流流出を抑制している。
【0092】また、図5には、各環境下において同一の
画像形成装置を用いて印字を行った場合について、数種
類の印加転写バイアス電圧とその時に流出した転写電
流、及び用紙上の画像不具合の有無を確認した結果を示
す。この図5から明らかなように、環境によって転写バ
イアスロール29及び用紙35の体積抵抗は変化するの
で同一の転写バイアス電圧値を印加しても環境毎に流出
する転写電流は異なってしまうことがわかる。また、転
写性能は転写用電荷量即ち転写電流に依存しており、最
適な電流範囲が存在することもわかる。
【0093】[制御系の装置構成の説明]
【0094】次に、図6を用いて制御系の装置構成を説
明する。
【0095】高電圧電源7(図1参照)には、図6に示
すように、帯電ロール11に帯電用の電圧を印加する帯
電電源40、現像ロール10に現像用の電圧を印加する
現像電源41、転写ロール29に転写用の電圧を印加す
る転写電源42、及び除電針37に除電用の電圧を印加
する除電電源43が内蔵されており、これら帯電電源4
0、現像電源41、転写電源42、除電電源43の各々
による電圧印加動作は制御装置8によって制御される。
制御装置8はCPU44、デジタル−アナログ変換器
(以下、D/A変換器と称する)45、アナログ−デジ
タル変換器(以下、A/D変換器と称する)46及び電
流検出回路47を含んで構成されている。
【0096】例えば、制御装置8による制御で転写バイ
アスロール29に転写用の電圧を印加する場合、印加す
べき電圧に応じたデジタル信号がCPU44からD/A
変換器45へ出力され、D/A変換器45でアナログ信
号に変換された後、転写電源42に入力される。転写電
源42はこのアナログ信号に応じた転写用の転写バイア
ス電圧を転写バイアスロール29に印加する。
【0097】転写電源42には、転写電源42が転写バ
イアスロール29に電圧を印加した時に転写バイアスロ
ール29、感光ドラム9を通して流れた電流等の、転写
バイアスロール29から流出する電流を検出する電流検
出回路47が、電気的に接続されており、この電流検出
回路47による検出信号はA/D変換器46を介してC
PU44へ入力される。
【0098】CPU44には、矢印P方向に開閉する本
体カバー57の開閉状態を検出するインターロックスイ
ッチ50、及び紙づまりを起こしたときに他の本体カバ
ー(不図示)の開閉状態を検出する図示しないカバー開
開スイッチが接続されており、これら各スイッチからの
開閉状態情報がCPU44に入力される。また、CPU
44には、キーボード、ディスプレイ等で構成された操
作部49が接続されている。
【0099】また、制御装置8には不揮発性メモリ48
が設けられており、この不揮発性メモリ48はCPU4
4に接続されている。この不揮発性メモリ48には、後
述するプロセスカートリッジの装着判定処理に係る各種
制御情報として、使用環境判定用しきい値(H/H環境
とN/N環境の境界に対応するしきい値(3.0μ
A)、L/L環境とN/N環境の境界に対応するしきい
値(1.5μA))、並びに使用環境別の判定電圧V及
びしきい値Dが予め記憶されている。
【0100】なお、使用環境判定用しきい値は、転写バ
イアスロール29と除電針37の構成により異なるが、
発明者の実施した実験では、転写バイアスロール29と
除電針37の離間距離が2.0mm、除電針37への印
加電圧が−2.0kVの場合に上記転写バイアスロール
29への電子の流入により生じた電流(流入電流)は、
L/L(10℃/15%RH)環境で0.1〜0.4μ
A、N/N(22℃/55%RH)環境で2.2〜2.
9μA、H/H(28℃/85%RH)環境で3.2〜
4.2μAが実際に得られたアナログ電流値であり、各
々の環境の中間でも線形性を保った流入電流値が得られ
ることから、使用環境判定用しきい値は1.5μA、
3.0μAとする。即ち、流入電流値が1.5μA以下
でL/L環境と判定し、流入電流値が1.5〜3.0μ
AでN/N環境と判定し、流入電流値が3.0μA以上
でH/H環境と判定する。
【0101】[第1実施形態の作用]
【0102】次に、本第1実施形態の作用として、画像
形成装置本体1にプロセスカートリッジ4が装着されて
いるか否かを判定するプロセスカートリッジ装着判定処
理を、図7、図8を用いて説明する。
【0103】画像形成装置1の本体カバー57の開閉に
応じてオン/オフする開閉スイッチ50により本体カバ
ー57の開から閉への移行が検出された場合、前述した
カバー開閉スイッチの何れかで開から閉への移行が検出
された場合、及び画像形成装置1の図示しない電源スイ
ッチがオンされた場合、制御装置8内のCPU44によ
って図7に示すプロセスカートリッジ装着判定処理が実
行開始される。
【0104】次のステップ256、258では上記検出
された流入電流値Iを、不揮発性メモリ48に予め記憶
された使用環境判定用しきい値(前述した3.0μA、
1.5μA)と比較する。即ち、ステップ256では流
入電流値Iが3.0μA以上であるか否かを判定し、流
入電流値Iが3.0μA以上である場合はステップ26
0へ進み、H/H環境であると判定する。
【0105】一方、ステップ256で流入電流値Iが
3.0μA未満である場合はステップ258へ進み、流
入電流値Iが1.5μA以下であるか否かを判定する。
流入電流値Iが1.5μA以下である場合はステップ2
64へ進み、L/L環境であると判定する。
【0106】一方、ステップ258で否定判定された場
合は、流入電流値Iが1.5μAより大きく3.0μA
未満であると判断できるので、ステップ262へ進み、
N/N環境であると判定する。
【0107】このようにして環境モニタ用の除電電圧を
除電針37に印加した場合に転写バイアスロール29へ
流入する流入電流値Iに基づいて、使用環境を判定す
る。上記除電針37と転写バイアスロール29とは先述
したごとく離間して構成されており、転写バイアスロー
ル29への流入電流量Iは、除電針37、転写バイアス
ロール29間の空間誘電率によって決定されるため、画
像形成装置1へのプロセスカートリッジ4の装着有無に
関わらず、画像形成装置1の使用環境を精度良く検出す
ることができる。
【0108】以上のような使用環境の判定処理を実行完
了したら、図7の主ルーチンへリターンしステップ20
4へ進む。ステップ204と次のステップ206では、
ステップ202の使用環境の判定処理結果より使用環境
がH/H環境、N/N環境、L/L環境の何れであるか
を判定する。
【0109】ここで、使用環境がH/H環境であればス
テップ208へ進み、H/H環境用判定電圧VH 及びH
/H環境用しきい値DH を不揮発性メモリ48から読み
出し、次のステップ210でH/H環境用判定電圧VH
の出力命令をD/A変換器45を介して転写電源42に
送信し、転写電源42によってH/H環境用判定電圧V
H を転写バイアスロール29へ印加する。
【0110】このときプロセスカートリッジ4が装着さ
れていればプロセスカートリッジ4内の感光体ドラム9
と転写バイアスロール29とが接触しているので、転写
バイアスロール29から感光体ドラム9へ電流が流出す
る。一方、プロセスカートリッジ4が装着されていなけ
れば転写バイアスロール29は他の部材に接触していな
いので、転写バイアスロール29から電流はほとんど流
出しない(近辺の部材へ若干の電流が漏れるだけであ
る)。
【0111】そこで、次のステップ212では転写バイ
アスロール29からの流出電流値IH を転写電流検出回
路47によって検出し、次のステップ214で上記検出
された流出電流値IH がH/H環境用しきい値DH より
大きいか否かを判定する。ここで、流出電流値IH がH
/H環境用しきい値DH より大きければ、ステップ23
2へ進み、プロセスカートリッジ4が装着されていると
判断し、画像形成工程準備のためのウォーミングアップ
工程へ速やかに移行する。
【0112】一方、ステップ214で流出電流値IH が
H/H環境用しきい値DH 以下であれば、ステップ23
4へ進み、プロセスカートリッジ4が装着されていない
と判断し、プロセスカートリッジ4が装着されていない
旨のメッセージを操作部49のディスプレイに表示す
る。画像形成装置1のオペレータはこのメッセージを見
て、プロセスカートリッジ4が装着されていないことを
速やかに認識でき、プロセスカートリッジ4を装着す
る。
【0113】ところで、使用環境がN/N環境やL/L
環境である場合も、上記H/H環境の場合と同様の以下
の手順でプロセスカートリッジ4の装着有無を判定す
る。
【0114】使用環境がN/N環境であればステップ2
16へ進み、N/N環境用判定電圧VN 及びN/N環境
用しきい値DN を不揮発性メモリ48から読み出し、転
写電源42によってN/N環境用判定電圧VN を転写バ
イアスロール29へ印加する(ステップ218)。そし
て、転写バイアスロール29からの流出電流値IN を転
写電流検出回路47によって検出し(ステップ22
0)、検出された流出電流値IN がN/N環境用しきい
値DN より大きいか否かを判定する(ステップ22
2)。ここで、流出電流値IN がN/N環境用しきい値
DN より大きければ、プロセスカートリッジ4が装着さ
れていると判断し、画像形成工程準備のためのウォーミ
ングアップ工程へ速やかに移行する(ステップ23
2)。一方、流出電流値IN がN/N環境用しきい値D
N 以下であれば、プロセスカートリッジ4が装着されて
いないと判断し、プロセスカートリッジ4が装着されて
いない旨のメッセージを操作部49のディスプレイに表
示する(ステップ234)。
【0115】一方、使用環境がL/L環境であればステ
ップ224へ進み、L/L環境用判定電圧VL 及びL/
L環境用しきい値DL を不揮発性メモリ48から読み出
し、転写電源42によってL/L環境用判定電圧VL を
転写バイアスロール29へ印加する(ステップ22
6)。そして、転写バイアスロール29からの流出電流
値IL を転写電流検出回路47によって検出し(ステッ
プ228)、検出された流出電流値IL がL/L環境用
しきい値DL より大きいか否かを判定する(ステップ2
30)。ここで、流出電流値IL がL/L環境用しきい
値DL より大きければ、プロセスカートリッジ4が装着
されていると判断し、画像形成工程準備のためのウォー
ミングアップ工程へ速やかに移行する(ステップ23
2)。一方、流出電流値IL がL/L環境用しきい値D
L 以下であれば、プロセスカートリッジ4が装着されて
いないと判断し、プロセスカートリッジ4が装着されて
いない旨のメッセージを操作部49のディスプレイに表
示する(ステップ234)。
【0116】以上説明したプロセスカートリッジ装着判
定処理によれば、環境モニタ用の電圧を除電針37に印
加した場合に転写バイアスロール29へ流入する流入電
流値Iに基づいて画像形成装置1の使用環境を正確に判
定した上で、該使用環境に応じて設定した判定電圧を転
写バイアスロール29に印加した場合の転写バイアスロ
ール29からの流出電流値と、同じく使用環境に応じて
設定したしきい値とを比較することで、プロセスカート
リッジの装着有無を判定するので、使用環境の影響を受
けることなくプロセスカートリッジの装着有無を正確に
判定することができる。
【0117】また、転写バイアスロール29への印加電
圧を使用環境に応じて設定することにより、プロセスカ
ートリッジ4が装着されている場合に過大な転写バイア
ス電圧(感光体ドラム9の帯電極性と逆極性の電圧)が
転写バイアスロール29に印加されることを防止でき
る。これに伴い、転写バイアスロール29に接触してい
る感光体9の感光素子にダメージを与え画像形成時にか
ぶり等の画質不具合が発生することを防止することがで
きる。
【0118】なお、上記プロセスカートリッジ装着判定
処理では、画像形成装置の使用環境をH/H環境、N/
N環境、L/L環境の3環境に分類した例を挙げたが、
使用環境の分類数は2つでも良いし、4つ以上でも良い
ことは言うまでもない。
【0119】また、上記プロセスカートリッジ装着判定
処理では、判定電圧としきい値の両方を画像形成装置の
使用環境に応じて設定する例を示したが、判定電圧は使
用環境によらず一定とし(但し、転写バイアスロール2
9から過大な流出電流が流出しない範囲で)、しきい値
のみを画像形成装置の使用環境に応じて設定しても良
い。
【0120】また、制御系の装置構成(図6)では、図
12に示すように、制御装置8、除電電源43及び除電
針37を除電装置90として一体的に構成しても良い。
この場合、除電装置90において、除電針37に所定電
圧を印加した場合の除電針37からの流出電流値(ここ
では一例として転写バイアスロール29への流入電流
値)を検出し、該検出値より画像形成装置の使用環境を
判定し、さらに使用環境に応じて、図7の制御ルーチン
に沿ってプロセスカートリッジの装着判定を行うことが
できる。
【0121】[第2実施形態]
【0122】次に、第2実施形態を説明する。第2実施
形態は第1実施形態を一部改良したものであり、この第
2実施形態では、プロセスカートリッジ装着判定処理の
中で、複数の環境モニタ用の電圧を除電針37に印加し
た場合の各々で転写バイアスロール29へ流入する流入
電流値Iに基づいて画像形成装置1の使用環境を判定す
る例について説明する。
【0123】この第2実施形態における画像形成装置1
の構成は、第1実施形態とほぼ同様である。但し、高電
圧電源7の構成が異なるので、以下に、図9を用いて、
高電圧電源7の構成を説明する。
【0124】図9に示すように、第2実施形態における
高電圧電源7は、転写バイアス電圧印加回路180及び
除電バイアス電圧印加回路160により構成される。
【0125】転写バイアス電圧印加回路180には駆動
電流制御回路184及び出力電圧制御回路186が設け
られており、これらは転写電圧出力オンオフ回路182
によって動作が制御される。この転写電圧出力オンオフ
回路182は制御装置8のCPU44からの制御信号に
よって動作が制御される。転写バイアス電圧は、転写バ
イアス電圧印加回路180において変圧器188により
変圧された後、転写電圧出力端子190から出力され
る。
【0126】また、転写バイアス電圧印加回路180に
は、転写バイアスロール29から感光体ドラム9へ出力
された転写電流を検知する出力電流検知回路192が設
けられている。この出力電流検知回路192で検知され
た転写電流の情報はCPU44へ通知され、CPU44
によって適正な転写バイアス電圧が設定され上記駆動電
流制御回路184及び出力電圧制御回路186の制御に
フィードバックされる。
【0127】一方、除電バイアス電圧印加回路160も
同様に、駆動電流制御回路164及び出力電圧制御回路
166が設けられており、これらは除電電圧出力オンオ
フ回路162によって動作が制御される。この除電電圧
出力オンオフ回路162は制御装置8のCPU44から
の制御信号によって動作が制御される。除電バイアス電
圧は、除電バイアス電圧印加回路160において変圧器
168により変圧された後、除電電圧出力端子170か
ら出力される。
【0128】なお、制御装置8の構成は図6に示す第1
実施形態の構成と同様である(図9では便宜上CPU4
4のみを示している)。
【0129】また、不揮発性メモリ48には、環境モニ
タ用の第1の電圧V1、第2の電圧V2、第1の電圧V
1を印加した場合の使用環境判定用のしきい値A、しき
い値B、及び第2の電圧V2を印加した場合の使用環境
判定用のしきい値C、しきい値Dが予め記憶されてい
る。なお、しきい値A、CはN/N環境とH/H環境の
境界に対応するしきい値であり、しきい値B、DはL/
L環境とN/N環境の境界に対応するしきい値である。
【0130】次に、第2実施形態の作用として、図10
に示す使用環境の判定処理のサブルーチンを説明する。
このサブルーチンは、第1実施形態で説明した図7のプ
ロセスカートリッジ装着判定処理のステップ202で実
行される。
【0131】図10のステップ302では前記環境モニ
タ用の第1の電圧V1を除電針37に印加する。これに
より、除電針37の先端部ではコロナ放電が発生し、放
出された電子は隣接する転写バイアスロール29へ流入
する。次のステップ304では転写バイアスロール29
へ流入した流入電流値I1を転写電流検出回路47によ
って検出する。
【0132】次のステップ306では上記検出された流
入電流値I1が使用環境判定用のしきい値A以上である
か否かを判定する。
【0133】ここで、流入電流値I1がしきい値A以上
であれば、ステップ310へ進み使用環境はH/H環境
であると一次判定する。そして、次のステップ312で
前記環境モニタ用の第2の電圧V2を除電針37に印加
し、次のステップ314で転写バイアスロール29へ流
入した流入電流値I2を転写電流検出回路47によって
検出する。さらに、次のステップ316で上記検出され
た流入電流値I2が使用環境判定用のしきい値C以上で
あるか否かを判定する。ここで、流入電流値I2がしき
い値C以上であれば、ステップ312〜316の二次判
定でも使用環境はH/H環境と判定されるので、一次判
定結果と二次判定結果とはH/H環境で一致する。これ
により、ステップ318へ進み、使用環境はH/H環境
であると最終的に判定する。一方、ステップ316で流
入電流値I2がしきい値C未満であれば、ステップ31
2〜316の二次判定ではH/H環境と判定されないの
で、一次判定結果と二次判定結果とが一致しなくなる。
この場合はステップ302へ戻り、一次判定から再実行
する。
【0134】一方、ステップ306で流入電流値I1が
しきい値A未満であれば、ステップ308へ進み流入電
流値I1が使用環境判定用のしきい値B以下であるか否
かを判定する。
【0135】ここで、流入電流値I1がしきい値B以下
であれば、ステップ330へ進み使用環境はL/L環境
であると一次判定する。そして、次のステップ332で
前記環境モニタ用の第2の電圧V2を除電針37に印加
し、次のステップ334で転写バイアスロール29へ流
入した流入電流値I2を転写電流検出回路47によって
検出する。さらに、次のステップ336で上記検出され
た流入電流値I2が使用環境判定用のしきい値D以下で
あるか否かを判定する。ここで、流入電流値I2がしき
い値D以下であれば、ステップ332〜336の二次判
定でも使用環境はL/L環境と判定されるので、一次判
定結果と二次判定結果とはL/L環境で一致する。これ
により、ステップ338へ進み、使用環境はL/L環境
であると最終的に判定する。一方、ステップ336で流
入電流値I2がしきい値Dより大きい場合は、ステップ
332〜336の二次判定ではL/L環境と判定されな
いので、一次判定結果と二次判定結果とが一致しなくな
る。この場合はステップ302へ戻り、一次判定から再
実行する。
【0136】一方、ステップ308で流入電流値I1が
しきい値Bより大きい場合は、ステップ320へ進み使
用環境はN/N環境であると一次判定する。そして、次
のステップ322で前記環境モニタ用の第2の電圧V2
を除電針37に印加し、次のステップ324で転写バイ
アスロール29へ流入した流入電流値I2を転写電流検
出回路47によって検出する。さらに、次のステップ3
26で上記検出された流入電流値I2が使用環境判定用
のしきい値C未満であり且つしきい値Dより大きいか否
かを判定する。ここで、流入電流値I2がしきい値C未
満であり且つしきい値Dより大きければ、ステップ32
2〜326の二次判定でも使用環境はN/N環境と判定
されるので、一次判定結果と二次判定結果とはN/N環
境で一致する。これにより、ステップ328へ進み、使
用環境はN/N環境であると最終的に判定する。一方、
ステップ326で流入電流値I2がしきい値C以上であ
るか又はしきい値D以下である場合は、ステップ322
〜326の二次判定ではN/N環境と判定されないの
で、一次判定結果と二次判定結果とが一致しなくなる。
この場合はステップ302へ戻り、一次判定から再実行
する。
【0137】以上説明した図10の使用環境判定処理に
よれば、異なる2つの電圧を除電針37に印加した場合
の各々において転写バイアスロール29への流入電流値
に基づく使用環境判定を行い、2回の判定結果が一致し
た場合のみ該判定結果を採用するように制御するので、
流入電流値の検出誤差、ばらつき等による影響を低減
し、画像形成装置の使用環境を精度良く判定することが
できる。
【0138】なお、上記では異なる2つの電圧を除電針
37に印加した場合を例示したが、異なる3つ以上の電
圧を除電針37に印加した場合の各々において転写バイ
アスロール29への流入電流値に基づく使用環境判定を
行い、各回の判定結果が一致した場合のみ該判定結果を
採用するように制御しても良い。
【0139】また、図9の転写バイアス電圧印加回路1
80は異なる複数の電圧を転写バイアスロール29に印
加可能であるので、図7のプロセスカートリッジの装着
判定処理において、判定された使用環境毎に判定電圧及
びしきい値を複数組設定し、使用環境に応じて図7のス
テップ208〜214(H/H環境の場合)、ステップ
216〜222(N/N環境の場合)、ステップ224
〜230(L/L環境の場合)の何れかを、複数組の判
定電圧及びしきい値を用いて、複数回実行し、各回にお
ける装着判定結果が一致した場合のみ該装着判定結果を
採用するように制御しても良い。
【0140】[第3実施形態]
【0141】次に、第3、第4の発明に係る第3実施形
態を説明する。この第3実施形態では、除電針に所定の
電圧が印加された場合の転写バイアスロールへの流入電
流値より画像形成装置の使用環境を判定し、該使用環境
に応じて各種の画像形成処理条件を設定する例について
説明する。なお、第3実施形態における画像形成装置1
の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略
する。
【0142】但し、不揮発性メモリ48には、H/H環
境、N/N環境、L/L環境の各々に関する画像形成処
理条件として、後述する転写バイアス電圧、露光強度、
帯電電位、現像バイアス電圧、清掃用バイアス電圧の5
つの条件が予め記憶されている。
【0143】前述したように除電針37への電圧印加時
の転写バイアスロール29への流入電流値より、カート
リッジ4の装着有無に関わらず、画像形成装置1の使用
環境を精度良く判定することができる。そこで、この判
定結果(画像形成装置1の使用環境)を用いて、画像形
成処理条件として、画像形成処理時に転写バイアスロー
ル29に印加する転写バイアス電圧、図1のレーザ走査
装置5による露光強度、感光体ドラム9の帯電電位、現
像処理時に現像ロール10に印加する現像バイアス電
圧、クリーニング処理時に転写バイアスロール29に印
加する清掃用バイアス電圧の5つの条件を以下のように
して設定する。なお、清掃用バイアス電圧は転写極性側
のバイアス電圧及び逆極性側のバイアス電圧を含むもの
とする。
【0144】そこで、図11を用いて、第3実施形態に
おける画像形成処理条件決定処理を説明する。
【0145】画像形成装置1の図示しない電源をオンに
した時、画像形成装置1の始業点検時、オペレータが操
作部49のキーボードにより画像形成処理条件決定処理
の実行を指示した時などに、図11に示す画像形成処理
条件決定処理が制御装置8のCPU44によって実行開
始される。
【0146】図11のステップ202では、第1実施形
態で説明した図8の使用環境の判定処理のサブルーチン
を実行して当該時点での使用環境を判定する。この使用
環境の判定処理を実行完了したら、図11の主ルーチン
のステップ204へ進む。ステップ204と次のステッ
プ206では、ステップ202の使用環境の判定処理結
果より使用環境がH/H環境、N/N環境、L/L環境
の何れであるかを判定する。
【0147】ここで、使用環境がH/H環境であればス
テップ209へ進み、H/H環境用画像形成処理条件、
例えば、H/H環境用の転写バイアス電圧、露光強度、
帯電電位、現像バイアス電圧、清掃用バイアス電圧の5
つの条件を不揮発性メモリ48から読み出し、次のステ
ップ211でこれら5つの条件を新たな画像形成処理条
件として設定する。
【0148】以上説明した画像形成処理条件決定処理で
は、まず、除電針37に所定の電圧が印加された場合の
転写バイアスロール29への流入電流値より画像形成装
置1の使用環境を判定するので、純粋に除電針37とこ
れに隣接する転写バイアスロール29との間の空間誘電
率のみに応じて精度良く使用環境を判定することができ
る。そして、このように精度良く判定された使用環境に
適した画像形成処理条件を決定することができるので、
該画像形成処理条件に基づいて画像形成を行うことによ
り、良好かつ安定した画像品質を得ることができる。
【0149】例えば、使用環境に応じて、適正な転写バ
イアス電圧、帯電電位及び現像バイアス電圧を決定する
ことができ、これら処理条件に基づく画像形成処理によ
り、良好かつ安定した画像品質を得ることができる。
【0150】また、使用環境に応じて、適正な露光強度
を決定することができ、使用環境によらない良好かつ安
定した画像を得ることができる。即ち、高温高湿環境下
では露光強度を弱くし、逆に低温低湿渡境下では露光強
度を強くして、感光体ドラム9上に潜像を形成すること
により、使用環境に左右されずに用紙上に均一線幅な線
画像を再現することが可能となる。また、線画像のみで
なく網点によるハーフトーン画像や塗りつぶした黒ベタ
画像においてもムラの無い良好な画像を得ることができ
る。即ち、従来のような低温低湿環境下での「細線かす
れ」や高温高湿環境下での「線の太り」の発生といった
環境別の画像再現性不均一現象を防止できる。なお、図
1のレーザ走査装置5による露光強度に代わり、露光時
間を使用環境に応じて決定し、決定した露光時間に基づ
く露光を行っても同様の効果を得ることができる。
【0151】さらに、使用環境に応じて、適正な清掃用
バイアス電圧(転写極性側のバイアス電圧及び逆極性側
のバイアス電圧)を決定することができる。具体的に
は、低温低湿環境下では高いバイアス電圧(絶対値が大
きいバイアス電圧)を決定し、高温高湿環境下では低い
バイアス電圧(絶対値が小さいバイアス電圧)を決定す
ることで、いかなる場合においても均一且つ十分なトナ
ーの除去を行うことができる。即ち、トナーによる転写
バイアスロール29の表面のトナー汚染を回避し、長期
に渡って良好かつ安定した転写性能を得ることができ
る。
【0152】なお、制御系の装置構成(図6)では、図
12に示すように、制御装置8、除電電源43及び除電
針37を除電装置90として一体的に構成しても良い。
この場合、除電装置90において、除電針37に所定電
圧を印加した場合の除電針37からの流出電流値(ここ
では一例として転写バイアスロール29への流入電流
値)を検出し、該検出値より画像形成装置の使用環境を
判定し、さらに使用環境に応じて、図11の制御ルーチ
ンに沿って各種の画像形成処理条件を決定することがで
きる。
【0153】
【発明の効果】上記第1、第2の発明によれば、除電手
段に所定の電圧が印加された場合の転写手段への流入電
流値より画像形成装置の使用環境を正確に判定し、該使
用環境に応じて、転写手段に所定の判定用バイアス電圧
を印加した場合の転写手段からの流出電流値に基づくプ
ロセスカートリッジの装着有無判定を行うので、使用環
境の影響を受けることなくプロセスカートリッジの装着
有無を正確に判定することができる。
【0154】また、第3、第4の発明によれば、除電手
段に所定の電圧が印加された場合に転写手段に流れ込む
流入電流値より画像形成装置の使用環境を正確に判定
し、該使用環境に応じて画像形成処理条件を決定するの
で、使用環境の影響を受けることなく画像形成処理条件
を精度良く決定し、該画像形成処理条件に基づく画像形
成処理により良好かつ安定した画像品質を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第3実施形態における画像形成装置の概
略構成図である。
【図2】画像形成装置の要部の構成図である。
【図3】転写バイアスロールの体積抵抗値の測定に係る
構成を示す図である。
【図4】転写バイアスロールの体積抵抗値の環境に応じ
た変化を示すグラフである。
【図5】転写バイアスロールの環境別転写電流特性を示
すグラフである。
【図6】プロセスカートリッジ装着判定処理や画像形成
処理条件決定処理に係る制御系の装置構成を示す図であ
る。
【図7】プロセスカートリッジ装着判定処理の制御ルー
チンを示す流れ図である。
【図8】第1実施形態における使用環境の判定処理のサ
ブルーチンを示す流れ図である。
【図9】第2実施形態における高電圧電源の構成を示す
図である。
【図10】第2実施形態における使用環境の判定処理の
サブルーチンを示す流れ図である。
【図11】画像形成処理条件決定処理の制御ルーチンを
示す流れ図である。
【図12】プロセスカートリッジ装着判定処理や画像形
成処理条件決定処理に係る制御系の他の装置構成例を示
す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 4 プロセスカートリッジ 8 制御装置 9 感光体ドラム 10 現像ロール 11 帯電ロール 35 記録用紙 37 除電針 44 CPU 47 電流検出回路 48 不揮発性メモリ 90 除電装置

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも像担持体を含んで構成された
    プロセスカートリッジが所定の位置に装着された状態で
    前記像担持体上にトナー像を形成し、前記像担持体に接
    触するよう配置された転写手段と前記像担持体とで記録
    媒体を挟持搬送しつつ前記転写手段に転写バイアス電圧
    を印加することで前記トナー像を前記記録媒体に転写
    し、前記転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録
    媒体の搬送方向下流近傍部に配置された除電手段に除電
    バイアス電圧を印加することで前記記録媒体の除電を行
    う画像形成装置におけるプロセスカートリッジの装着判
    定方法であって、 前記除電手段に所定の電圧を印加した場合に前記転写手
    段に流れ込む電流値に基づいて、前記画像形成装置の使
    用環境を判定し、 該使用環境に応じて、前記転写手段に所定の判定用バイ
    アス電圧を印加した場合に前記転写手段から流れ出す電
    流値に基づく、前記プロセスカートリッジが前記所定の
    位置に装着されているか否かの判定を行う、 プロセスカートリッジの装着判定方法。
  2. 【請求項2】 前記画像形成装置の使用環境に応じて、
    前記判定用バイアス電圧、及び該判定用バイアス電圧を
    前記転写手段に印加した場合に該転写手段から流れ出す
    電流値と比較することで装着判定するための比較用しき
    い値を決定し、 決定された判定用バイアス電圧を印加した場合に前記転
    写手段から流れ出す電流値と前記比較用しきい値とを比
    較し、 該比較結果に基づいて、前記プロセスカートリッジが前
    記所定の位置に装着されているか否かを判定する、 ことを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ
    の装着判定方法。
  3. 【請求項3】 前記除電手段に異なる複数の電圧を印加
    した場合の各々で前記転写手段に流れ込む電流値に基づ
    いて、前記画像形成装置の使用環境を判定する、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセ
    スカートリッジの装着判定方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも像担持体を含んで構成された
    プロセスカートリッジが所定の位置に装着された状態で
    前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段
    と、 前記プロセスカートリッジが所定の位置に装着された場
    合に前記像担持体と接触するよう配置され、記録媒体を
    前記像担持体と挟持搬送し該挟持搬送状態で転写バイア
    ス電圧が印加されることにより、前記トナー像を前記記
    録媒体に転写する転写手段と、 前記転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録媒体
    の搬送方向下流近傍部に配置され、所定の除電バイアス
    電圧が印加されることにより、記録媒体の除電を行う除
    電手段と、 前記転写手段及び前記除電手段の各々に電圧を印加する
    電圧印加手段と、 前記転写手段に流れる電流値を検出する検出手段と、 前記電圧印加手段により前記除電手段に所定の電圧が印
    加された場合に前記検出手段により検出される前記転写
    手段への流入電流値に基づいて使用環境を判定する使用
    環境判定手段と、 前記使用環境判定手段による判定で得られた使用環境に
    応じて、前記電圧印加手段により前記転写手段に所定の
    判定用バイアス電圧が印加された場合に前記検出手段に
    より検出される前記転写手段からの流出電流値に基づ
    く、前記プロセスカートリッジが前記所定の位置に装着
    されているか否かの判定を行う判定制御手段と、 を有する画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記判定制御手段は、前記使用環境に応
    じて、前記判定用バイアス電圧、及び該判定用バイアス
    電圧を前記転写手段に印加した場合に検出される前記転
    写手段からの流出電流値と比較することで装着判定する
    ための比較用しきい値を決定し、 決定された判定用バイアス電圧を印加した場合に検出さ
    れる前記転写手段からの流出電流値と前記比較用しきい
    値とを比較し、 該比較結果に基づいて、前記プロセスカートリッジが前
    記所定の位置に装着されているか否かを判定する、 ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 像担持体を所定の帯電電位に帯電させ、
    帯電した像担持体上に所定の潜像形成条件に基づいて潜
    像を形成し、所定の現像バイアス電圧が印加された現像
    手段により前記形成された潜像を現像して前記像担持体
    上にトナー像を形成し、前記像担持体に接触するよう配
    置された転写手段と前記像担持体とで記録媒体を挟持搬
    送しつつ前記転写手段に所定の転写バイアス電圧を印加
    することで前記トナー像を前記記録媒体に転写し、前記
    転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録媒体の搬
    送方向下流近傍部に配置された除電手段に所定の除電バ
    イアス電圧を印加することで前記記録媒体の除電を行う
    画像形成装置における画像形成処理条件決定方法であっ
    て、 前記除電手段に所定の電圧を印加した場合に、前記転写
    手段に流れ込む電流値に基づいて、前記画像形成装置の
    使用環境を判定し、 該使用環境に応じて少なくとも1つの画像形成処理条件
    を決定する、 画像形成処理条件決定方法。
  7. 【請求項7】 前記除電手段に異なる複数の電圧を印加
    した場合の各々で前記転写手段に流れ込む電流値に基づ
    いて、前記画像形成装置の使用環境を判定する、 ことを特徴とする請求項6記載の画像形成処理条件決定
    方法。
  8. 【請求項8】 像担持体と、 前記像担持体を所定の帯電電位に帯電させる帯電手段
    と、 前記帯電手段により帯電した像担持体上に所定の潜像形
    成条件に基づいて潜像を形成する潜像形成手段と、 所定の現像バイアス電圧が印加されることにより、前記
    潜像形成手段により形成された潜像を現像して前記像担
    持体上にトナー像を形成する現像手段と、 前記像担持体に接触して配置され、記録媒体を前記像担
    持体と挟持搬送し該挟持搬送状態で所定の転写バイアス
    電圧が印加されることにより前記トナー像を前 記記録媒
    体に転写する転写手段と、 前記転写手段と前記像担持体との接触部に対し記録媒体
    の搬送方向下流近傍部に配置され、所定の除電バイアス
    電圧が印加されることにより、記録媒体の除電を行う除
    電手段と、 前記現像手段、前記転写手段及び前記除電手段の各々に
    電圧を印加する電圧印加手段と、 前記転写手段に流れる電流値を検出する検出手段と、 前記電圧印加手段により前記除電手段に所定の電圧が印
    加された場合に、前記検出手段により検出される前記転
    写手段への流入電流値に基づいて、前記画像形成装置の
    使用環境を判定する使用環境判定手段と、 前記使用環境判定手段による判定で得られた使用環境に
    応じて少なくとも1つの画像形成処理条件を決定する処
    理条件決定手段と、 を有する画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記処理条件決定手段は、前記使用環境
    に応じて、前記転写バイアス電圧を決定することを特徴
    とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記処理条件決定手段は、前記使用環
    境に応じて、前記帯電電位を決定することを特徴とする
    請求項8記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記処理条件決定手段は、前記使用環
    境に応じて、前記潜像形成条件を決定することを特徴と
    する請求項8記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記処理条件決定手段は、前記使用環
    境に応じて、前記現像バイアス電圧を決定することを特
    徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記転写手段は、所定の清掃用バイア
    ス電圧が印加されることにより該転写手段の表面からト
    ナーが除去されるよう構成され、 前記処理条件決定手段は、前記使用環境に応じて、前記
    清掃用バイアス電圧を決定することを特徴とする請求項
    8記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記除電手段は、記録媒体の搬送路に
    近い方の端部以外が絶縁材料で被覆された針状部材であ
    ることを特徴とする請求項4、5、8乃至13の何れか
    一項に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記転写手段は、導電物質を含有した
    転写ロールで構成さ れ、前記導電物質の量は、該転写手
    段の体積抵抗が記録媒体の体積抵抗と同等な変化を生じ
    るように、調整されていることを特徴とする請求項4、
    5、8乃至13の何れか一項に記載の画像形成装置。
JP16989397A 1997-06-26 1997-06-26 プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法 Expired - Fee Related JP3175644B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16989397A JP3175644B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16989397A JP3175644B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1115352A JPH1115352A (ja) 1999-01-22
JP3175644B2 true JP3175644B2 (ja) 2001-06-11

Family

ID=15894925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16989397A Expired - Fee Related JP3175644B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3175644B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4763895B2 (ja) * 2001-01-04 2011-08-31 株式会社リコー カラー画像形成装置
KR100677590B1 (ko) 2005-05-26 2007-02-02 삼성전자주식회사 광주사기 제어장치 및 방법
JP6273912B2 (ja) * 2014-03-06 2018-02-07 株式会社リコー 画像検査装置、画像検査システム及び画像検査プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1115352A (ja) 1999-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100904782B1 (ko) 부착 부재에 대한 전압 인가를 제어할 수 있는 화상 형성장치
JP2001282012A (ja) 画像形成装置
JP4280079B2 (ja) 画像形成装置
JP3175644B2 (ja) プロセスカートリッジの装着判定方法、画像形成装置及び画像形成処理条件決定方法
US20110116846A1 (en) Image forming apparatus
JP2000293019A (ja) 画像形成装置
JP3605961B2 (ja) 画像形成装置
JP2004294889A (ja) 画像形成装置
JP2002182491A (ja) 転写搬送ベルト装置及び画像形成装置
JP2008180858A (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP4763988B2 (ja) 画像形成装置
JPH11272090A (ja) 画像形成装置
JP2000206741A (ja) 画像補正方法および画像形成装置
US20130028627A1 (en) Image forming apparatus
JP2002365937A (ja) 画像形成装置
JP3454982B2 (ja) 画像形成装置
JPH09160400A (ja) 画像形成装置
JP2008145827A (ja) 画像形成装置
JP2002091182A (ja) 画像形成装置
JP2002365984A (ja) 画像形成装置
JP2002091183A (ja) 画像形成装置
JP2023019454A (ja) 画像形成装置
JP2002049252A (ja) 画像形成装置
JP2004085753A (ja) 画像形成方法、及び画像形成装置
JPH09114337A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees