JP3175292B2 - スキャナプリンタ装置 - Google Patents

スキャナプリンタ装置

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JP3175292B2 JP11117992A JP11117992A JP3175292B2 JP 3175292 B2 JP3175292 B2 JP 3175292B2 JP 11117992 A JP11117992 A JP 11117992A JP 11117992 A JP11117992 A JP 11117992A JP 3175292 B2 JP3175292 B2 JP 3175292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンパクトに形成でき
るようにしたスキャナプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、文書ファイリングシステムなど
の情報処理装置の周辺機器として、読取対象をこの情報
処理装置へ取り込むスキャナ装置や、この情報処理装置
内の情報を用紙に出力するプリンタ装置が多用されてい
る。
【0003】ここで、上記情報処理装置が設置されるオ
フィスなどでは、様々な機器が設置されており、この情
報処理装置が占める設置スペースをできるだけ小さくす
ることが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のスキャナ
装置は、読取対象をスキャナ装置自体に対して搬送する
手段を持たないものが一般的であり、プリンタ装置と別
体に構成されていた。また、読取対象をスキャナ装置自
体に対して搬送する手段を有するものも少数存在する
が、このものは、スキャナ装置の正面から読取対象を供
給し、上方へ排出するL字状の搬送路に沿って搬送する
ようになっていた。したがって、スキャナ装置の上方を
読取対象の排出のために用いざるを得ず、スキャナ装置
とプリンタ装置とを上下にしかも一体的に構成すること
が困難であるという問題点があった。
【0005】また従来のスキャナ装置において、読取対
象排出トレイは、本体ボックスの外側においてのみ、排
出された読取対象を受けることができるようになってい
た。したがって、この読取対象排出トレイが本体ボック
スの外側に長く突出し、広い設置スペースを要するばか
りでなく、ユーザが読取対象供給トレイへ読取対象を供
給する際や、読取対象供給トレイに供給された読取対象
を目視して読取作業の進捗状況を確認する際などに、長
く突出した読取対象排出トレイが邪魔になるという問題
点があった。
【0006】そこで本発明は、上述の問題点に鑑み、コ
ンパクトなスキャナプリンタ装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、起立状態に設置されるべく縦長に形成さ
れた本体ボックス内に、プリンタ部とスキャナ部とを上
下に配設し、この本体ボックスの前面下方に、読取対象
の供給部を設け、この本体ボックスの前面上方に、読取
対象の排出部を設け、この供給部からこの排出部へ向か
う読取対象の搬送路をコ字状に形成し、この搬送路を通
過する読取対象をスキャンニングする光学ユニットを、
この搬送路に囲まれるように配設し、前記搬送路と前記
排出部との間に、前記本体ボックス内部において、読取
済の読取対象を下受けする下受け部材を介設し、前記供
給部に装着される読取対象供給トレイよりも、前記排出
部に装着される読取対象排出トレイが、前記本体ボック
スの前面から、より短く突出するようにしている。
【0008】
【作用】上記した構成により、スキャナ部とプリンタ部
とが一体的しかも上下縦長に形成され、床面積を小さく
することができる。また本体ボックスの前面下方の供給
部に読取対象が供給されると、読取対象は本体ボックス
内部で光学ユニットのスキャンニングを受け、本体ボッ
クスの前面上方の排出部に排出される。このように、ユ
ーザは、本体ボックスの前面に対してのみ、読取対象の
出し入れを行えば足り、本体ボックスの背面側を壁など
のデットスペース側へ向けて設置することができ、一層
スペースを有効に使うことができる。
【0009】さらに、本体ボックス内部に下受け部材が
設けられ、この下受け部材と読取対象排出トレイとによ
り、読取済の読取対象が支持される。そして、この読取
対象排出トレイの先端部は、読取対象供給トレイの先端
部よりも、本体ボックス側へ位置する。したがってユー
ザは、本体ボックスの前面やや上方から、読取対象排出
トレイ上の読取済の読取対象のみならず、読取対象供給
トレイ上の未だスキャンニングされてない読取対象を
も、目視により確認することができ、容易に読取作業の
進抄状況を把握することができる。
【0010】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施例に係るスキャナ
プリンタ装置の使用状態を示す斜視図、図2はこのスキ
ャナプリンタ装置の機能ブロック図、図3はスキャナプ
リンタ装置の縦断面図、図4はこのスキャナプリンタ装
置のプリンタ部における蓋開閉動作説明図、図5〜図1
0は同プリンタ部の動作説明図、図11は同スキャナ部
におけるローラ群駆動機構の要部斜視図、図12はリタ
ードローラと分離ローラの動作説明図、図13は読取対
象供給部の要部断面図、図14〜図26はこのスキャナ
部の動作説明図である。
【0012】さて、図1において、Aはスキャナプリン
タ装置、Bは情報処置装置本体、Cは液晶ディスプレイ
などの表示装置、Dはキーボード、Eはマウスである。
【0013】また、Rは読取対象、T1は読取対象供給
トレイ、T2は読取対象排出トレイであり、この読取対
象排出トレイT2は、印刷済の用紙Wを受けることもで
き、この読取対象排出トレイT2の角隅部T2aは切欠
かれて、ユーザが排出された読取対象R及び用紙Wを簡
単に取り出せるようになっている。
【0014】次に、図2において、1はスキャナプリン
タ装置A内のCPUであり、このCPU1は、バス2及
びインターフェイス3を介して、情報処理装置本体Bと
接続されており、CPU1は、この情報処理装置本体B
からの指令に応じてスキャナ部S及びプリンタ部Pの動
作を制御するようになっている。
【0015】さて、図3,図14も参照しながら説明す
るに、スキャナ部Sおいて、S1は、モータMR、第1
の電磁クラッチCL1、第2の電磁クラッチCL2、ソ
レノイドSLなどの駆動系、S2は読取対象有無センサ
SA、読取対象終端センサSB、読取対象始端センサS
C、読取対象排出センサSDなどの読取対象センサ、S
3は読取センサSR、S4はこの読取センサSRにより
読取られた情報に基づいて読取対象Rについての画像情
報を生成する画像処理部である。
【0016】またプリンタ部Pにおいて、P1はサーマ
ルヘッドTHなどのデータ出力部、P2はプラテンRP
の駆動用モータMPや、カッタCTなどの駆動系、P3
は用紙有無センサSX、用紙終端部センサSYなどの用
紙センサである。
【0017】上記各要素は、いずれもCPU1の指令下
において動作するようになっている。尚、これら各要素
の詳細な構成は、後述する。
【0018】さて、図3を参照しながら、スキャナプリ
ンタ装置Aの全体構成を説明する。ABは本体ボックス
であり、この本体ボックスABの内部空間において、上
方約4分の1の高さに隔壁WLが設けられており、この
隔壁WLの上部にプリンタ部Pが、下部にスキャナ部S
が、それぞれ配設されている。すなわち、このスキャナ
プリンタ装置Aは、その本体ボックスABが、起立状態
に設置されるべく、縦長に形成され、プリンタPとスキ
ャナ部Sがそれぞれ上下にしかも一体的に設けられてな
るものである。したがって、スキャナプリンタ装置Aの
全体の底面積は、従来のスキャナ装置単体の底面積とプ
リンタ装置単体の底面積の和の、数分の一であり、非常
にコンパクトに形成することができる。
【0019】また、WOはプリンタ部Pの排紙部、RI
はスキャナ部Sの読取対象Rの供給部、ROは読取対象
Rの排出部である。これら排紙部WO,供給部RI,排
出部ROはいずれも本体ボックスABの全面FF(図3
右側)に上下に設けられており、ユーザは通常本体ボッ
クスABの背面RF(図3左側)に触れる必要がない。
したがって、この背面RFが、例えば設置場所の壁(図
示せず)などデッドスペースに近接するように、このス
キャナプリンタ装置Aを設置することができ、一層実質
的な設置スペースを少なくすることができる。
【0020】また、Pxは、上記排紙部WOのすぐ下方
(本体ボックスABの前面FF)に凹設された用紙受け
専用トレイ(図外)のための凹部であり、この凹部Px
に、上記用紙受け専用トレイを着脱自在に装着できるよ
うになっている。しかし、本実施例のスキャナプリンタ
装置では、読取対象排出トレイT2が、印字済の用紙W
をも受けることができるようになっているので、この凹
部Pxに用紙受け専用トレイを装着しなくともよいもの
である。
【0021】次にプリンタ部Pの筐体について説明す
る。図4において、10はプリンタ部Pの上方を開閉す
る蓋体であり、後述するようにこの蓋体10を上方に開
く(2点鎖線参照)と、用紙ロール18(図3)をプリ
ンタ部Pの上方から容易に交換できるようになってい
る。
【0022】さて、12は上部12aが、蓋体10の下
面10aに固定され、左端部12bが軸11により本体
ボックスABに、回動自在に軸支される回動板である。
またこの回動板12の下部12cは下方に延長され、こ
の下部12cには図4の紙面垂直方向に突起12dが突
設されている。13は左端部13aが軸14により本体
ボックスABに、回動自在に軸支される作動板であり、
この作動板13の上端部は、蓋体10に開設された長孔
10bから上方に突出して、押下ボタンBTとなってい
る。またこの作動板13の下部は、下方に延長され、そ
の下端面13aは、係止板14から突出する突部14b
に接している。この係止板14は、軸15により本体ボ
ックスABに揺動可能に軸支され、その上部14aはカ
ギ状に形成されると共に、回動板12aの突起12dに
着脱可能に係合している。
【0023】また17は、ばねであり、このばね17の
左端部は係止板14に連結され、右端部は、隔壁WLに
固定された支持杆16に、連結されている。また、この
ばね17は、常時係止板14を図4右側へ付勢して、係
止板14の上部14aと回動板12の突起12dを係止
させることにより、蓋体10がプリンタ部Pを閉鎖する
状態を保持するようになっている。
【0024】したがって、図4実線で示す閉鎖状態か
ら、押下ボタンBTを矢印N1方向に押下げると、作動
板13が軸14を中心に鎖線位置まで回動する。これに
より、作動板13の下端面13aが、係止板14の突部
14bを押下げる。したがって、係止板14は、ばね1
7のばね力に抗して、矢印N2方向に回動し、係止部1
4の上部14aが突起12dから離脱し、蓋体10が、
軸11を中心に矢印N3方向に回動する(1点鎖線位
置)。そして、ユーザは、蓋体10を2点鎖線位置まで
開け、用紙ロール18(図3)をプリンタ部Pの上方か
ら交換するなどのメンテナンスを行うことができる。こ
のように、プリンタ部Pの上方を開放できるようになっ
ているので、ユーザは容易にメンテナンスを行うことが
できる。
【0025】次に、プリンタ部Pの内部構造について説
明する。図3において、18は感熱紙からなる用紙Wを
巻回した用紙ロールであり、この用紙ロール18はプリ
ンタ部Pの背面RF側の凹部に着脱自在に軸架される。
この用紙ロール18から導出される用紙Wは、図3一部
拡大図に示すように、図3上方の表面Waに印字される
ものであり、その裏面Wbの用紙終端部には、用紙終端
マーク(図示せず)が付されている。また、RPは用紙
Wの裏面Wbに周接するように、プリンタ部Pの中程に
軸架されるプラテン、MPはこのプラテンRPを駆動す
る正逆モータ、19a,19bはこれらプラテンRP,
モータMPのそれぞれの回転軸に軸着されるプーリ、T
Bはこれらのプーリ19a,19bに巻装される無端ベ
ルトである。
【0026】したがって、正逆モータMPを正方向に駆
動すると、用紙Wを送り方向(図3右側)へ送ることが
できる。また、正逆モータMPを逆方向に駆動すると、
用紙Wを送り方向と逆方向(図3左側)へ戻すこともで
きる。
【0027】CTは、プラテンRPと排紙部WOとの間
に配設され、用紙Wの両側に相対向する切刃を備えたカ
ッタである。また、SXは用紙ロール18とプラテンR
Pの間に配設される用紙有無センサ、THはプラテンR
Pと用紙Wを挟んで対向し、用紙Wの表面Waに印字す
るサーマルヘッドであり、SYはプラテンRPとカッタ
CTの間に配設され、用紙Wの裏面Wbに付された用紙
終端マークを検知する用紙終端部センサである。
【0028】次に図5〜図10を参照しながら、プリン
タ部Pの内部構造の動作について説明する。
【0029】図5は、印字待機状態を示している。即
ち、用紙ロール18から導出された用紙W(もちろん未
だ印字されていない)の前縁は、サーマルヘッドTHと
プラテンRPとに挟まれた状態で停止している。
【0030】次にCPU1から印字指令が下されると、
図6に示すように、正逆モータMP(図3)が正転し、
プラテンRPが正転(図6矢印方向)しながら、サーマ
ルヘッドTHが、用紙Wの表面Waに印字を行なう。
【0031】そして、印字が終了すると、用紙Wの表面
Waの印字終了位置ED(図7)以後について、サーマ
ルヘッドTHは印字を行わない。しかし、図8に示すよ
うに、プラテンRPはしばらくの間正転(矢印)を続
け、用紙ロール18から用紙Wが導出され続ける。
【0032】そして、上記印字終了位置EDが、カッタ
CTより排紙部WO側へ至る。すると、CPU1より正
逆モータMPへ停止指令が下され、プラテンRPが停止
する。これとほぼ同時に、図9に示すように、カッタC
Tが駆動され、カッタCTは印字終了位置EDよりも用
紙ローラ18側の位置において、用紙Wを切断する。そ
して、切断された印字済の用紙W1は、排紙部WOか
ら、外部へ移動し、読取対象排出トレイT2に受けられ
る(図3)。本実施例では、図示しているように、カッ
タCT近傍における用紙Wの搬送路を送り方向に向って
下方へ傾斜させるようにしたので、読取対象排出トレイ
T2が印字済の用紙W1の受けも兼ねることができる。
したがって、上述したように、印字済の用紙W1の受け
専用トレイの装着を、省略することができ、それだけス
キャナプリンタ装置全体のサイズ(図3左右方向幅)を
小さくすることができる。
【0033】さて、上記用紙Wの切断が終了すると、C
PU1から正逆モータMPに逆転指令が下される。する
と図10に示すように、プラテンRPが逆転し(図10
矢印方向)、カッタCTによる切断縁(新たな用紙Wの
前縁)が、用紙ロール18側へ移動し、図5に示す待機
状態に戻る。このように、カッタCTによる切断の後、
切断縁をサーマルヘッドTHまで戻すようにしたので、
用紙Wの無駄(カッタCT〜サーマルヘッドTH間)を
極力少なくすることができる。
【0034】次に図3、図11〜図13を参照しなが
ら、スキャナ部Sの構成を説明する。まず概略から説明
するに、G1,G2,G3,G4,G5は、読取対象R
の略コ字状の搬送路を形成するガイド群であり、R1,
R2,R3,R4,R5,R6,R7は、上記搬送路に
おいて読取対象Rの表面Ra(光学ユニットOUによる
読取を受ける面)に周接しながら、読取対象Rを送るロ
ーラ群である。また、RX,RY,RZ,RWは、読取
対象Rの裏面Rbを受ける従動ローラ群である。SPは
光学ユニットOUによる読取位置である。
【0035】したがって、供給部RIの読取対象トレイ
T1に載置された読取対象Rは、ガイド群G1,G2,
G4,G5に案内されると共に、ローラ群R1,R2,
R3,R4,R5,R6,R7に等速度で送られ、読取
位置SPで光学ユニットOUによるスキャニングを受け
ながら、コ字状の搬送路を経由して、供給部RIよりも
上方の排出部ROに装着された、読取対象排出トレイT
2に受けられるものである。
【0036】すなわち、スキャナプリンタ装置Aの外部
から見るユーザの立場からいえば、本体ボックスABの
前面FFの下部(供給部RI)に、読取対象Rを載置す
れば、この前面FFの上部(排出部RO)において、ス
キャンニング済の読取対象Rを取出すことができる。こ
のように、ユーザはスキャナプリンタ装置Aの前面FF
に対してのみ、読取対象Rの出し入れを行えばよく、ス
キャンニング作業の進抄状況を一見で把握でき、極めて
容易に操作することができる。
【0037】さて次に、図3を参照しながら、光学ユニ
ットOUなどの詳細な構成を説明する。この光学ユニッ
トOUは、略逆L字状をなし、コ字状の上記搬送路に囲
まれた空間に配設され、スキャナ部Sの内部空間が、有
効に利用されている。さて、Lは螢光管などの光源であ
り、この光源Lから発せられた光aは、読取位置SPで
読取対象Rの表面Raにより反射され、反射鏡M1,M
2,M3により光路を変更しながら、レンズLSを通過
し、CCDセンサからなる読取センサSRに結像し、読
取られる。
【0038】次に上記ガイド群や、供給部、排出部など
について説明する。G1,G2は供給部RI側に設けら
れる一対のガイドであり、これらのガイドG1,G2は
略逆J字状をなし、上方のガイドG1は読取対象Rの表
面Raを規制し、下方のガイドG2は裏面Rbを規制す
る。さて、図13を参照しながら説明するに、上方のガ
イドG1の供給部RI側は、上方に折曲った傾斜部G1
aとなっており、下方のガイドG2の供給部RI側は、
下方にカギ状に折曲った段差部G2aとなっている。2
1は基端部が軸22により、本体ボックスABに軸支さ
れることにより、先端部が上方のガイドG1と段差部G
2aの間を回動可能に支持されたホッパである。またこ
のホッパ21の下部には、ソレノイドSLのプランジャ
23が連結されている。そしてプランジヤ23を没入さ
せた状態(1点鎖線位置)において、読取対象供給トレ
イT1に、単数あるいは複数枚の読取対象Rが供給され
ると、この読取対象Rは、この読取対象供給トレイT1
に沿ってホッパ21上に載り、読取対象Rの前端部が、
この段差部G2aに当接する。
【0039】この状態において、ユーザがキーボードD
から読取開始を指示すると、CPU1によりソレノイド
SLが駆動され、プランジャ23が突出し、ホッパ21
が上昇することにより、読取対象RがガイドG1及び後
述する給紙ローラR1に押付けられ、読取対象Rが読取
位置SP側へ送られるようになっている。
【0040】また、上記傾斜部G1aは、図13の2点
鎖線で示すように、読取対象Rが過剰に供給された際
に、過剰な読取対象Rの前端部に傾斜部G1aが当接
し、この過剰な読取対象Rが給紙ローラR1側へ至らな
いようにするものである。
【0041】なお、多数枚の読取対象R、R、が読取対
象供給トレイT1に積載されると、一般に給紙ローラR
1により、複数枚の読取対象Rが送られるおそれがあ
る。しかし、本実施例では、分離ローラR2が給紙ロー
ラR1と同様、送り方向に回転し、この分離ローラR2
に対面するリタードローラR3が逆送り方向に回転し、
しかも分離ローラR2の周面の摩擦係数は、リタードロ
ーラR3のそれよりも大になっているので、読取対象R
は1枚ずつ読取位置SP側へ送られるようになってい
る。因みに、図12に示すように、分離ローラR2とリ
タードローラR3は千鳥状に配設されている。
【0042】また、図3において、G3、G4は読取位
置SPを通過した読取対象Rを、排出部RO側へ向かわ
せるように案内する一対のガイドである。そして、排出
部ROに着脱自在に装着される読取対象排出トレイT2
と、これらのガイドG3、G4の間に、下受部材として
の下受けガイドG5が介設されている。
【0043】この下受けガイドG5は断面L字状をな
し、その上面は読取対象排出トレイT2の上面とほぼ面
一になっており、その起立部に読取済の読取対象REの
後端部が当接して、本体ボックスAB内部において、読
取済の読取対象REを下受けするようになっている。し
かも、この下受けガイドG5の上面よりも、ガイドG
3,G4の送り方向終端部は、高く配置されている。
【0044】したがって、読取済の読取対象REは、ガ
イドG3,G4に案内されながら排出された後、小距離
落下して、読取対象排出トレイT2及び下受けガイドG
5上に載置されたようになる。しかも、読取済の読取対
象REの後端部が下受けガイドG5の起立部に当接する
とともに、この後端部の近傍(読取対象REの長さ方向
の数十パーセント)が、下受けガイドG5、すなわち本
体ボックスAB内部にあることになる。よって、最大サ
イズの読取対象Rについても、かなりの部分が本体ボッ
クスAB内にあり、読取対象排出トレイT2が、本体ボ
ックスABの前面FFから突出する長さL2を小さくし
て、読取対象供給トレイT1がこの前面FFより突出す
る長さL3よりも、上記長さL2を容易に小さくするこ
とができる。
【0045】このようにすると、ユーザがこの前面FF
上方からスキャナプリンタ装置Bを見れば、読取対象排
出トレイT2に排出された読取済の読取対象REのみな
らず、読取対象供給トレイT1に供給され、未だ読取位
置SP側へ送られていない読取対象Rをも、一見で視認
することができ、ユーザはスキャニング作業の進捗状況
を容易に把握することができる。
【0046】次に、読取対象Rを送るローラ群R1,R
2,R3,R4,R5,R6,R7などについて詳細に
説明する。
【0047】まず、MRは上記全ローラ群R1,R2,
R3,R4,R5,R6,R7の駆動源であるモータで
あり、R5,R6は読取位置SPを挟んで垂直に配設さ
れる駆動ローラである。読取対象Rは、読取位置SPに
おいて、これらの駆動ローラR5,R6及び従動ローラ
RY,RZにより、テンションを張った状態で垂直に送
られる。
【0048】したがって、読取対象Rはその自重によ
り、読取位置SPに対しほとんどたわまない。よって、
読取対象Rの送り速度、すなわち読取速度を上昇させて
も、読取ミスのような不都合を生じにくい。その結果、
読取対象Rの読取速度を支障無く上昇させて、読取時間
を短縮することができる。
【0049】また、R7は読取が済んだ読取対象Rを、
下受けガイドG5側へ送る排出ローラである。これらの
駆動ローラR5,R6,R7のそれぞれには、プーリが
軸着され、これらのプーリとモータMPの出力軸に軸着
されたプーリ31には、無端ベルトTBが巻装されてい
る。そして、このモータMPは、読取対象Rの読取が行
われている間、常に正転し、これらローラR5,R6,
R7は、絶えず送り方向に回転する。
【0050】また、他のローラ群R1,R2,R3,R
4などの構成について、説明する。まずR1は給紙ロー
ラ、R2は分離ローラ、R3はリタードローラである。
またR4は、補助送りローラであり、分離ローラR2と
駆動ローラR5の間に配設され、現在読取位置SPでス
キャンニングされている読取対象Rの次にスキャンニン
グされるべき読取対象を、読取対象SPの送り方向手前
近傍で待機させ、現在スキャンニングされている読取対
象Rのスキャンニングがすみ次第、即座に待機中の読取
対象を読取位置SPへ送るためのものである。
【0051】本実施例では、この補助送りローラR4を
設けたので、スキャンニング終了後次の読取対象Rがス
キャンニングされ始めるまでのロスタイムを極めて小さ
くすることができ、読取時間を短縮することができる。
【0052】さて、これらのローラR1,R2,R3,
R4の駆動機構を、図11により説明する。
【0053】図11において、31は上述したようにモ
ータMRの出力軸に軸着されたプーリ、32は駆動ロー
ラR5に軸着されるプーリであり、これらのプーリ3
1,32間には無端ベルトTB1が巻装されている。ま
たCL1は第1の電磁クラッチ、CL2は第2の電磁ク
ラッチである。第1の電磁クラッチCL1の被動軸52
は、給紙ローラR1に軸着され、駆動軸51はプーリ3
3に軸着され、このプーリ33とモータMR側のプーリ
31には無端ベルトTB2が巻装されている。また、こ
の被動軸52には、ギヤ41が設けられ、このギヤ41
は、中間ギヤ42を介して、分離ローラR2に軸着され
たギヤ43に歯合している。
【0054】また、第2の電磁クラッチCL2の被動軸
54にはプーリ34が軸着され、このプーリ34、中継
プーリ35及びリタードローラR3に軸着されたプーリ
36には、無端ベルトTB3及びTB4が巻装されてい
る。一方、第2の電磁クラッチCL2の駆動軸53に
は、ギヤ44が設けられ、このギヤ44は、中間ギヤ4
5を介して、駆動ローラR5に軸着されるギヤ46に、
歯合している。
【0055】したがって、プーリ31,32,33及び
ギヤ44,45,46は、モータMRと共に常時実線矢
印方向に回転している。ここで、第1の電磁クラッチC
L1を継ぐと、ギヤ41,42,43が破線矢印方向に
回転し、これにより給紙ローラR1及び分離ローラR2
が、送り方向に回転する。一方、第2の電磁クラッチC
L2を継ぐと、プーリ34,35,36が鎖線矢印方向
に回転し、補助送りローラR4が送り方向へ回転すると
共に、リタードローラR3が逆送り方向に回転する。
【0056】次に、以上のように構成されたスキャナ部
Sについて、動作を説明する。まず、読取対象Rが供給
され、読取対象有無センサSAが、この読取対象Rを検
知すると、両電極クラッチCL1,CL2が継がれる。
すると給紙ローラR1、分離ローラR2、リタードロー
ラR3、補助送りローラR4のそれぞれが、図14の矢
印方向に回転し、読取対象Rが読取位置SP側へ送られ
る。
【0057】次に、図15に示すように、読取対象Rの
前端部が、読取対象始端センサSCに検知されると、第
1の電磁クラッチCL1が解放され、給紙ローラR1、
分離ローラR2が停止するが、第2の電磁クラッチCL
2は継がれたままであり、リタードローラR3は、逆送
り方向に回転し続ける。このようにしたので、1枚の読
取対象Rのみが送られ、後続する読取対象RNが搬送路
内に入れず、確実な送り動作を得ることができる。
【0058】次に、図16に示すように、読取対象Rの
前端部が読取位置SPまで至ると、読取センサSRによ
るスキャンニングが開始され、その結果を画像処理部S
4が処理する。なお、このスキャンニングの開始時は、
読取対象始端センサSCが読取対象Rの前端部を検知し
て一定時間を経過した時である。この一定時間は、読取
対象始端センサSCと読取位置SPとの距離及び送り速
度から簡単に計算で求めることができる。
【0059】次に図17に示すように、読取対象Rのス
キャンニングが進み、読取対象終端センサSBが読取対
象Rの後端部を検知し、かつ読取対象排出センサSDが
読取対象Rを検知し、かつ読取対象有無センサSAが後
続する読取対象RNを検知すると、第1の電磁クラッチ
CL1が継がれる。すると、後続する読取対象RNが、
送られる。なお、読取対象Rのサイズにより、読取対象
終端センサSBが読取対象Rの後端部を検知する時点
(第1時点)と読取対象排出センサSDが読取対象Rを
検知する時点(第2時点)の順序が異なる。すなわち、
読取対象Rのサイズ(送り方向の長さ)が大きければ、
第2時点が先で第1時点が後となる。一方、このサイズ
が小さければ、その逆となる。いずれにしても、本実施
例では、上記条件の双方が満たされた場合にのみ、第1
の電磁クラッチCL1を継ぐようにしているので、送り
速度を大としても、読取対象Rと後続する読取対象RN
が重合したりすることはない。
【0060】次に、図18に示すように、読取対象Rの
スキャンニングが終了に近づくと共に、後続する読取対
象RNが送られ、読取対象終端センサSBが後続する読
取対象RNを検知すると、あとわずかこの後続する読取
対象RNを送った時点で第1,第2の電磁クラッチCL
1,CL2の双方が解除され、補助ローラR1,分離ロ
ーラR2,リタードローラR3,補助送りローラR4が
停止する。すなわち、この状態において、後続する読取
対象RNは待機状態となり、上述の重合が回避される。
【0061】次に図19に示すように、読取対象Rのス
キャンニングが終了すると、図20に示すように第2の
電磁クラッチCL2が継がれる。すると読取対象Rの後
端部と、後続する読取対象RNの前端部は、小距離eだ
け隔てて、等速度で送られることになる。この状態で
は、第1の電磁クラッチCL1は解放されたままであ
り、後続する読取対象RNが、そのさらに後続する読取
対象(図示せず)と重合しないようになっている。
【0062】さて、図21〜図26は、この後の動作を
順次図示したものであるが、読取対象Rと後続する読取
対象RNが、小距離eを隔てて等速度で送られる点を除
けば、読取対象Rについての動作とほぼ同様であるの
で、説明を省略する。なお、図25において、後続する
読取対象RNの後端部が、読取対象終端センサSBで検
知され、かつ読取対象有無センサSAにより、さらに後
続する読取対象がないことが確認された際には、第1,
第2の電磁クラッチCL1,CL2はもちろん、モータ
MPも停止させることはいうまでもない。
【0063】なお、図27に上記スキャナ部Sの動作フ
ローチャートを示している。
【0064】
【発明の効果】本発明は、起立状態に設置されるべく縦
長に形成された本体ボックス内に、プリンタ部とスキャ
ナ部とを上下に配設し、この本体ボックスの前面下方
に、読取対象の供給部を設け、この本体ボックスの前面
上方に、読取対象の排出部を設け、この供給部からこの
排出部へ向かう読取対象の搬送路をコ字状に形成し、こ
の搬送路を通過する読取対象をスキャンニングする光学
ユニットを、この搬送路に囲まれるように配設し、前記
搬送路と前記排出部との間に、前記本体ボックス内部に
おいて、読取済の読取対象を下受けする下受け部材を介
設し、前記供給部に装着される読取対象供給トレイより
も、前記排出部に装着される読取対象排出トレイが、前
記本体ボックスの前面から、より短く突出するようにし
て、スキャナプリンタ装置を構成している。したがっ
て、コンパクトで、しかも読取作業及びその確認が容易
なスキャナプリンタ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
を用いた情報処理装置の斜視図
【図2】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
の機能ブロック図
【図3】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
の縦断面図
【図4】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
のプリンタ部の蓋体開閉状態を示す縦断面図
【図5】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
のプリンタ部の動作説明図
【図6】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
のプリンタ部の動作説明図
【図7】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
のプリンタ部の動作説明図
【図8】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
のプリンタ部の動作説明図
【図9】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装置
のプリンタ部の動作説明図
【図10】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のプリンタ部の動作説明図
【図11】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の駆動系の説明図
【図12】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の駆動系の説明図
【図13】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の駆動系の説明図
【図14】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図15】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図16】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図17】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図18】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図19】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図20】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図21】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図22】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図23】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図24】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図25】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図26】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作説明図
【図27】本発明の一実施例に係るスキャナプリンタ装
置のスキャナ部の動作フローチャート
【符号の説明】
AB 本体ボックス P プリンタ部 S スキャナ部 R 読取対象 RI 供給部 RO 排出部 OU 光学ユニット G5 下受け部材 T1 読取対象供給トレイ T2 読取対象排出トレイ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−120125(JP,A) 特開 平4−308129(JP,A) 実開 昭61−103956(JP,U) 実開 昭63−131449(JP,U) 特公 昭63−40514(JP,B2) 特公 昭63−60949(JP,B2) 特公 平1−52298(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/00 - 1/00 108 H04N 1/04 - 1/207

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】起立状態に設置されるべく縦長に形成され
    た本体ボックス内に、プリンタ部とスキャナ部とを上下
    に配設し、この本体ボックスの前面下方に、読取対象の
    供給部を設け、この本体ボックスの前面上方に、読取対
    象の排出部を設け、この供給部からこの排出部へ向かう
    読取対象の搬送路をコ字状に形成し、この搬送路を通過
    する読取対象をスキャンニングする光学ユニットを、こ
    の搬送路に囲まれるように配設し、前記搬送路と前記排
    出部との間に、前記本体ボックス内部において、読取済
    の読取対象を下受けする下受け部材を介設し、前記供給
    部に装着される読取対象供給トレイよりも、前記排出部
    に装着される読取対象排出トレイが、前記本体ボックス
    の前面から、より短く突出するようにしたことを特徴と
    するスキャナプリンタ装置。
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