JP3174925B2 - 熱硬化性クロムめっき方法 - Google Patents
熱硬化性クロムめっき方法Info
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Description
っき浴から熱硬化性を有する硬質クロムを電着するため
の新規なクロムめっき方法に関する。
触媒としての硫酸やフッ素化合物の単独または両方を添
加した液を使用している。これらのめっき液から得られ
るクロムめっき層は他の金属材料に比べて硬度が高く、
マイクロビッカース硬度で、HV700ー1000の範囲
の硬さ値を有し、一般にはHV850前後のものが実用に
供されている。このようにクロムめっき層は高い硬さ値
を有するために、耐摩耗性を必要とする機械部品に多用
されている。しかしながら、従来のクロムめっきは使用
温度が400℃を越えるとその硬さが著しく低下すると
言う欠点がある。近年、各産業分野における技術の発展
により、これまでより更に耐摩耗性に優れたクロムめっ
きが要望されるようになった。このような要望には、上
記のクロムめっき液にギ酸やホルムアルデヒト、シュウ
酸などを添加した浴が一部で用いられている。この浴か
らのクロムめっき層はめっきのままでもHV1000前後
の硬さ値を有するが、このものを400−600℃で熱
処理すると更に硬度は増し、HV1400−1800にも
達するため極めて耐摩耗性に優れた被膜となる。
らのめっき浴では添加するギ酸などの有機物がクロム酸
によって酸化され分解して消耗することと、クロム酸は
還元されて3価のクロムイオンとなるため、浴の管理が
著しく困難となり、まためっきのコストも大幅に上昇す
ると言う欠点がある。
上記の欠点を改善することを目的とする。本発明者は研
究の結果、熱硬化性を有する硬質クロムめっきを電析さ
せるときに添加剤として酢酸、プロピオン酸、酪酸、シ
クロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸等を
使用すると、クロム酸に対して非常に安定であり、この
ためめっき浴組成が変化しないので、その管理が極めて
簡便となり、めっきのコストも著しく低下すること、一
方この方法によると素地金属が鉄系の場合には、クロム
めっき層との間の密着性がかなり低下するが、素地金属
上に銅めっきまたは無光沢クロムを下地めっきとして行
うと高い密着性が得られることを見出した。
として銅めっき又は無光沢クロムめっきを施した後に、
(イ)6価クロムイオンを生成する化合物、(ロ)硫酸
又はその塩又はフッ系化合物及び(ハ)次の一般式
(I) R − COOH (I) 〔この式で、Rは炭素原子1〜5個を有するアルキル基
又はシクロアルキル基である〕で表される化合物又はそ
の塩を含むクロムめっき浴を用いてクロムめっきを施
し、さらに熱処理することを特徴とする熱硬化性クロム
めっき方法を提供する。
酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、シクロプ
ロパンカルボン酸又はシクロブタンカルボン酸を用いる
ことは特に好ましい。
は、たとえば6価のクロムイオンをつくるすくなくとも
1つの化合物を50ー500g/l 含有する水溶液に、
硫酸またはその塩をクロムイオンと硫酸イオンの比(Cr
O3/SO4)において5ー200になる量及び酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロブ
タンカルボン酸又はその塩を3ー50g/l 添加するこ
とにより得られる。このめっき浴を用いてクロムめっき
を行うと下地金属が鉄系の場合にはめっきの密着性に乏
しいので、これを改善するために下地めっきを行う。下
地めっきとしては通常の銅めっきか、従来サージェント
浴として知られているクロム酸ー硫酸系浴からの、無光
沢クロムめっき層を利用するものである。この時、従来
の硬質クロムめっきとして用いられる光沢の有るクロム
めっきを下地めっきとして使用すると、良好な密着性を
得ることは困難となる。
る化合物としては無水クロム酸、クロム酸ソーダ、クロ
ム酸カリなどの6価クロムの化合物が用いられる。
物が使用できる。有機添加剤にはプロピオン酸ソーダ、
酢酸アンモン、酪酸カリなども使用可能である。
などはクロムめっきの添加剤として知られているが、そ
の主な目的は黒色クロムめっきを得るためのものであっ
た。また、非晶質クロムめっきを得るための添加剤とし
てギ酸などのカルボン酸系の有機物が有効なことは既に
明らかにされているが、前述のように、これらの添加物
はめっきの密着を著しく低下するため、実用的なめっき
層を得ることは極めて困難とされていた。本発明では素
地金属に通常の銅めっきまたは無光沢のクロムめっきを
下地めっきとして行うことにより、光沢があり、熱処理
により硬さが著しく増加する熱硬化性クロムめっきを行
うことに成功したものである。
酸浴からの銅めっきか次のような方法で得られるクロム
めっきが用いられる。すなわち、クロム酸50ー400
g/lに硫酸1ー20g/l を添加した浴を用い、浴温1
0ー40℃、電流密度10ー100A/dm2の範囲で得ら
れる無光沢クロムめっきを用いる。
℃、電流密度40A/dm2で1分間めっきを行った後、次
のクロムめっき浴で、30℃,40A/dm2で1時間めっ
きを行った。得られた電析物をJIS H 8504に
よる折り曲げ法により密着性試験を行ったところ、めっ
きは剥離せず、下地金属と良好な密着性を有することが
確認された。めっき層の硬さはめっきのままでHV950
ー1000の範囲であり、600℃、1時間の熱処理で
その硬さはHV1300ー1500に上昇した。
後、下記の硬質クロムめっきを行った。
で、HV950であり、これを500℃で1時間熱処理し
たところ、硬さはHV1400に上昇した。また、めっき
の密着性は良好であった。
った後、次のめっき浴でクロムめっきを行った。
は、HV940であったが、これを500℃で1時間熱処
理したところ、その硬度はHV1200に上昇した。この
ものを、JIS H 8504に従って折り曲げ法によ
り密着性の試験を行ったところ、めっきは剥離せず良好
な密着性を有することがわかった。
を行い、引き続き下記の浴でクロムめっきを施した。 クロム酸 150g/l 硫酸 7g/l 酢酸 20ml/l 浴温 30℃ 電流密度 35A/dm2 めっき時間 20分 得られたクロムめっきの硬さはHV880であったが50
0℃、1時間の熱処理によりその硬さはHV1570に達
し、密着性に異常は認められなかった。
っき浴で厚さ3ミクロンメータの銅めっきを施した後
に、実施例1に示したプロピオン酸添加浴で1時間めっ
きを行い約30ミクロンのクロム層を得た。このものの
硬さはHV980で有ったが、これを500℃で30分間
熱処理を行ったところ、その硬さはHV1500に上昇し
た。折り曲げ法(JIS H 8504)により密着性
を試験したところ、めっきの剥離は認められなかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 被めっき物に予め下地として銅めっき又
は無光沢クロムめっきを施した後に、(イ)6価クロム
イオンを生成する化合物、(ロ)硫酸又はその塩又はフ
ッ系化合物及び(ハ)次の一般式(I) R − COOH (I) 〔この式で、Rは炭素原子1〜5個を有するアルキル基
又はシクロアルキル基である〕で表される化合物又はそ
の塩を含むクロムめっき浴を用いてクロムめっきを施
し、さらに熱処理することを特徴とする熱硬化性クロム
めっき方法。 - 【請求項2】 一般式(I)で表される化合物として、
酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、シクロ
プロパンカルボン酸又はシクロブタンカルボン酸を用い
る請求項1に記載のクロムめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29816992A JP3174925B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 熱硬化性クロムめっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29816992A JP3174925B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 熱硬化性クロムめっき方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06122989A JPH06122989A (ja) | 1994-05-06 |
JP3174925B2 true JP3174925B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=17856097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29816992A Expired - Lifetime JP3174925B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 熱硬化性クロムめっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3174925B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-12 JP JP29816992A patent/JP3174925B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06122989A (ja) | 1994-05-06 |
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