JP3174527B2 - 廃棄物の焼却方法 - Google Patents
廃棄物の焼却方法Info
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Description
下水汚泥、産業廃棄物等の廃棄物の焼却方法に関するも
のである。
却炉を用いることは、従来から広く行われている。一般
に気泡流動焼却炉は、流動媒体として粒径が0.3〜0.9 m
m程度の珪砂、アルミナ等を用いて流動層を形成し、こ
の流動媒体を高温に保持した状態で廃棄物を投入し、流
動媒体の持つ熱容量と攪拌作用により難燃性の廃棄物を
も燃焼させる型式の炉である。また、排ガスをサイクロ
ンに導いて流動媒体を分離し、流動媒体を炉内に戻すよ
うにした循環流動式の焼却炉も用いられている。
焼却灰は、粒径が100 μm 以下の微粒子であって粉塵を
発生しやすく、嵩密度が0.5 〜0.8t/m3 と非常に小さい
ために処理容積が大きく、ハンドリングしにくい欠点を
有する。またこの焼却灰は、電気集塵機、バグフィルタ
等の集塵装置により捕集され、最終的に埋め立て処分さ
れているため、この焼却灰の処理のために多くの費用が
必要となる欠点を有する。
は高温の炉内で激しく流動されるため、流動媒体の摩耗
や破砕による微粒化が生じ、排ガスとともに炉外へ排出
されてしまうので、流動媒体を外部から多量に補充しな
ければならないという問題もある。
2に示すように廃棄物を流動焼却炉21により焼却し、そ
の排ガス中から集塵装置22で回収された焼却灰を造粒機
23により造粒し、得られた造粒灰を再び流動焼却炉21へ
投入して廃棄物の燃焼熱により焼結化して造粒焼結灰と
したうえ、流動焼却炉21の下部から抜き出して骨材とし
て有効利用できるようにする方法が考案されている。こ
の方法では、造粒焼結灰の小粒径のものおよび焼結の際
に造粒焼結灰の一部が分裂して生じた微細化造粒焼結灰
を、流動焼却炉21の流動媒体として活用することができ
る。
のために炉内下部の濃厚層24(気泡流動焼却炉の場合は
砂層)を通常の廃棄物の焼却温度である700 〜900 ℃よ
りも高温の800 〜1100℃にする必要があり、通常に廃棄
物を焼却する場合よりも余分に補助燃料を使用しなけれ
ばならないという問題があった。また、焼結物の特性を
上げるためには造粒灰の焼結を還元性雰囲気で行うこと
が好ましいのであるが、図2の従来の方法では還元性雰
囲気を形成するために空気比を落とすと炉内下部の濃厚
層24(気泡流動焼却炉では砂層)の温度が低下してしま
うため、温度維持のためにさらに補助燃料を多く必要と
するという問題があった。
発生するクロムを多く含む廃棄物を焼却する場合には、
廃棄物の焼却の際に発生した焼却灰は有害な六価クロム
を多く含んでおり、通常では焼結灰を有効利用すること
ができないことが多い。廃棄物中のクロムを無害化する
には一般的に廃棄物の焼却を還元性雰囲気で行い廃棄物
に含まれるクロムを三価クロムの形にすることが行われ
ているが、上記したような従来の造粒灰焼結方法では、
高温の酸化雰囲気において造粒灰を焼結することから再
び三価クロムを六価クロムへ変化させてしまう。従っ
て、クロムを含む廃棄物を焼却する場合には、炉の下部
の濃厚層24(または砂層)を還元性雰囲気にする必要が
あるが、空気比を低下させれば濃厚層24(または砂層)
の温度が低下するため、造粒灰の焼結に必要な温度に保
つためには更に余分に補助燃料が必要となるという問題
があった。
の問題点を解決して、多くの補助燃料を必要とせずに造
粒焼結灰を焼結させることができ、しかも焼結灰の強度
増加、溶出安定化および焼却灰中ダイオキシンの分解を
図ることができるうえ、焼却灰中の六価クロムを三価ク
ロムとして無害化させることもできる廃棄物の焼却方法
を提供するためになされたものである。
めになされた本発明の廃棄物の焼却方法は、廃棄物を流
動焼却炉により焼却し、その排ガス中から回収された焼
却灰を造粒機により造粒し、得られた造粒灰を前記流動
焼却炉に投入して廃棄物の燃焼熱により焼結し骨材化す
る廃棄物の焼却方法において、前記流動焼却炉の流動空
気供給部よりも下方に設けられた焼結灰排出口近傍に砂
層または濃厚層よりも高温の造粒灰焼結部を形成して、
前記造粒灰を該造粒灰焼結部を通過させ前記砂層または
濃厚層よりも高温で焼結することを特徴とするものであ
る。なお、クロムを多く含む廃棄物を焼却する場合に
は、焼結灰排出口近傍に形成された高温の造粒灰焼結部
を還元性雰囲気とし、焼却灰中の六価クロムを三価クロ
ムとして無害化させることが好ましい。
態を、図1を参照しつつ説明する。図1において、1は
循環式の流動焼却炉であり、下水汚泥等の廃棄物は焼却
物投入口2から炉内に投入され、炉内に予め投入されて
いる珪砂からなる流動媒体3との接触により炉下部の温
度が700 〜900 ℃で焼却される。排ガスは高温用のサイ
クロン4に導かれて粒子が分離され、排ガスおよび微粒
焼却灰は上方へ抜け、粗大焼却灰と流動媒体3は返送管
5を経て炉内に返送される。
加熱用熱交換器6を通過する間にブロワ8から供給され
る空気との間で熱交換を行い、更に集塵装置10に導かれ
て排ガス中の微粒焼却灰が回収される。回収された焼却
灰は20〜30%の水分及び0 〜10%の焼成助剤とともに造
粒機11に投入され、造粒されて粒径が0.1〜8mm の造粒
灰とされる。造粒機11としては転動造粒機や攪拌式造粒
機、圧縮造粒機、解砕造粒機等が用いられる。
口13から流動焼却炉1の下部の濃厚層に投入される。従
来はこの濃厚層の温度を造粒灰の焼結に必要な温度であ
る800 〜1100℃の高温にしていたのであるが、本発明で
はそれまで補助燃料を全量焼却炉へ供給していたガスガ
ンまたはオイルガン16の補助燃料を一部分岐して熱風発
生炉17で燃焼させ、発生する高温の熱風を吹き込むこと
で局部的に高温化した造粒灰焼結部18を流動焼却炉1の
焼結灰排出口近傍に形成し、この造粒灰焼結部18で造粒
灰を焼結させる。造粒灰焼結部18は流動焼却炉1の流動
空気供給部19よりも下方の焼結灰排出口近傍に形成さ
れ、焼結に必要な800 〜1100℃の温度に維持される。こ
のようにして炉内に投入された造粒灰は造粒灰焼結部18
において800 〜1100℃の高温で焼結され、一軸圧潰強度
が3kgf/ 粒子以上であり、粒径が0.1 〜8mm の造粒焼結
灰となる。
出機14を備えた焼結灰排出口15が設けられており、炉下
部に形成される粒子濃厚層のレベルが常に一定に保たれ
るように造粒焼結灰を抜き出す。排出口より排出する焼
結灰は必ず高温(800 〜1100℃)の造粒灰焼結部18を通
過するように考慮されているため、流動焼却炉1の内部
は廃棄物の焼却に必要な温度である700 〜900 ℃に設定
しても焼結が可能となる。得られる焼結灰は嵩密度が0.
8 〜1.2t/m3 と従来に比較して大きくなり、粉塵の発生
も皆無となる。また、骨材は圧潰強度が3kgf/ 粒子以上
で重金属等の溶出安定性が高いため、コンクリート用骨
材、雨水流出抑制用骨材等としてそのまま使用できるほ
か、透水性ブロック等の二次加工品の原料として使用す
ることができる。
炉1の焼結灰排出口近傍を部分的に焼結に必要な高温に
し、流動焼却炉1の燃焼温度は通常の廃棄物焼却に必要
な温度に設定できるため、廃棄物の焼却および造粒灰の
焼結のための燃料消費量を削減するとともに焼結灰の強
度増加、溶出安定化および焼却灰中ダイオキシンの分解
を行うことができる。この造粒灰焼結部18を800 〜1100
℃の高温に維持するための熱量は、最終的に流動焼却炉
1の内部に移行するため、炉全体としての燃料消費量の
削減が可能である。
して焼結する場合には、造粒灰焼結部18のみを還元性雰
囲気とすることによって、焼却灰中の六価クロムを三価
クロムとして無害化することができる。本発明では造粒
灰焼結部18を濃厚層の下部に形成したため、造粒灰焼結
部18を還元性雰囲気とするために生成した未燃ガスは最
終的に濃厚層で燃焼し、流動焼却炉1の濃厚層の温度が
低下することはない。なお、本発明は必ずしも循環式の
流動焼却炉に限定されるものではなく、通常の流動焼却
炉にも適用できることはいうまでもない。以下に本発明
の実施例を比較例とともに示す。
り水分約80%まで脱水したものを、図1に示した循環式
の流動焼却炉1に投入して焼却した。廃棄物は通常の
高分子薬注下水汚泥、廃棄物はクロムを多く含む汚泥
であり、これらの脱水汚泥の特性値は表1に示す通りで
ある。
2m の小型炉であり、空気比が1.3 程度となるように空
気量、汚泥焼却量、補助燃料使用量を制御した。補助燃
料はLNG(13A)である。排ガスは分離限界粒子径を約20μ
m に設定した高温用のサイクロンに導かれ、20μm 以上
の粗粒(流動媒体及び粗粒焼却灰)は分離されて炉内へ
循環された。サイクロンを通過した排ガス中の微粒焼却
灰はバグフィルタタイブの集塵装置により回収された。
回収された焼却灰は20〜30% の水分とともに造粒機に投
入され、造粒された。造粒機としてはブリケット径5mm
のブリケッティングマシン(圧縮式造粒機)を使用し
た。造粒灰は、流動焼却炉の焼結灰排出口近傍に形成し
た造粒灰焼結部で焼結され、骨材化された。
度、骨材の溶出試験、ダイオキシン濃度測定の結果を表
2に示す。また、比較例を表3に示す。何れも一軸圧潰
強度はランダムに20個を抽出し、圧潰強度を測定してそ
の平均値で示した。溶出試験は環境庁告示第46号法によ
り行った。実施例1〜3は何れも造粒灰焼結部を炉内の
濃厚部よりも100 ℃高温として造粒灰を焼結させたもの
で、実施例1と実施例3では一軸圧潰強度の大きい骨材
が得られた。特に実施例3ではクロムを多く含む廃棄物
を焼却したにもかかわらず、造粒灰焼結部を還元性雰
囲気としたことにより、六価クロムは基準値以下であっ
た。実施例2では骨材の一軸圧潰強度は比較例と同程度
であるが、トータルのLNG 使用量が大幅に削減された。
実施例2についてはダイオキシン濃度を測定し、後述の
比較例1の値と比較してダイオキシンが分解されてい
た。
させない従来の廃棄物の焼却方法を意味している。比較
例1では焼却灰の溶出試験の結果、砒素とセレンが基準
値を越えており、クロムを多く含む廃棄物を焼却した
比較例3では、六価クロムが基準値を越えている。ま
た、比較例1についてはダイオキシン濃度は0.28ng-TEQ
/gであった。比較例2と比較例4は造粒灰を炉内に投入
し、濃厚層の温度を高めて焼結させる図2の方法を意味
している。何れも骨材の一軸圧潰強度は実施例2と同レ
ベルにあるが、トータルのLNG 使用量がかなり増加して
いる。なお実施例1もトータルのLNG 使用量は比較例
2、比較例4と同等であるが、骨材の一軸圧潰強度がは
るかに大きく、本発明によれば少ない補助燃料で一軸圧
潰強度の大きい骨材が得られることが分かる。
の焼却方法は廃棄物を流動焼却炉により焼却し、その排
ガス中から回収された焼却灰を造粒機により造粒し、得
られた造粒灰を流動焼却炉に投入して廃棄物の燃焼熱に
より焼結し骨材化する廃棄物の焼却方法において、焼結
灰排出口近傍に砂層または濃厚層よりも高温の造粒灰焼
結部を形成したので、多くの補助燃料を必要とせずに強
度の高い骨材を得ることができる。また造粒灰焼結部を
還元性雰囲気とすれば、焼却灰中の六価クロムを三価ク
ロムとして無害化させることもできる。
である。
ある。
サイクロン、5 返送管、6 流動空気加熱用熱交換
器、8 ブロワ、10 集塵装置、11 造粒機、12 造粒
灰供給機、13 造粒灰投入口、14 焼結灰排出機、15
焼結灰排出口、16 ガスガンまたはオイルガン、17 熱
風発生炉、18 高温化した造粒灰焼結部、19 流動空気
供給部、21 従来の循環流動式の流動焼却炉、22 集塵
装置、23造粒機、24 濃厚層
Claims (2)
- 【請求項1】 廃棄物を流動焼却炉により焼却し、その
排ガス中から回収された焼却灰を造粒機により造粒し、
得られた造粒灰を前記流動焼却炉に投入して廃棄物の燃
焼熱により焼結し骨材化する廃棄物の焼却方法におい
て、前記流動焼却炉の流動空気供給部よりも下方に設け
られた焼結灰排出口近傍に砂層または濃厚層よりも高温
の造粒灰焼結部を形成して、前記造粒灰を該造粒灰焼結
部を通過させ前記砂層または濃厚層よりも高温で焼結す
ることを特徴とする廃棄物の焼却方法。 - 【請求項2】焼結灰排出口近傍に形成された高温の造粒
灰焼結部を還元性雰囲気とし、焼却灰中の六価クロムを
三価クロムとして無害化させる請求項1に記載の廃棄物
の焼却方法。
Priority Applications (1)
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JP05731097A JP3174527B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 廃棄物の焼却方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05731097A JP3174527B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 廃棄物の焼却方法 |
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JPH10249306A JPH10249306A (ja) | 1998-09-22 |
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ID=13051998
Family Applications (1)
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JP05731097A Expired - Fee Related JP3174527B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 廃棄物の焼却方法 |
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-
1997
- 1997-03-12 JP JP05731097A patent/JP3174527B2/ja not_active Expired - Fee Related
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