JP3173809B2 - テレビジョン会議システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は遠隔地を映像および音声
通信で結ぶテレビジョン会議システムに関し、特に画像
信号が符合化されデジタル伝送路を通じて伝送されるテ
レビジョン会議システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】テレビジョン会議システムは遠隔地を映
像および音声通信で結び、相手画面を見ながら全員があ
たかも同一の場所で会議を行っているような雰囲気で会
議を行うことを可能とするシステムである。このシステ
ムの効果として離れた出席者の移動時間と移動費用、宿
泊費用などを節約できることがあげられる。

【０００３】テレビジョン会議システムは主に、図２に
示すように異なる箇所に分散した複数のテレビジョン会
議端末装置１と回線終端装置２と伝送路３により構成さ
れる。テレビジョン会議端末装置１はテレビカメラ11、
モニター12、マイクロフォン13、スピーカ14などから構
成されている。テレビジョン会議端末装置１の構成要素
は上記のもの以外にはファクシミリ入出力装置、静止画
入出力装置、文字入出力装置、手書き文字入出力装置な
どを有する場合もある。回線終端装置２はテレビジョン
会議端末装置１と伝送路３とのインターフェースを整合
する装置である。伝送路３は各々の回線終端装置２間を
結ぶデータ通信用の双方向伝送路である。画像情報は一
般に極めて膨大な情報量を持つ反面、冗長成分がかなり
含まれているため、原画像信号の冗長成分を取り除くた
め、テレビジョン会議端末装置１と回線終端装置２の間
に符合化／復号化装置４を介し、入力信号をデジタル化
して圧縮符合化処理を行う場合が現在では一般的であ
る。この符合化／復号化装置４は画像を符合化する画像
符合化装置41、符合化された画像データを復号化する画
像復号化装置42、音声信号を符合化する音声符合化装置
43、符合化された音声データを復号化する音声復号化装
置44により構成されている。

【０００４】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。まず、テレビカメラ11により入力された画像信号は
画像符合化装置41によりアナログ信号からデジタル信号
化され、さらにフレーム間予測あるいは動き補償フレー
ム間予測などの予測符合化方法や離散コサイン変換など
の変換符合化方法を用いて圧縮される。圧縮された画像
データは、同様にマイクロフォン13により得られた音声
信号を音声符合化装置43により符合化された音声データ
とともに回線終端装置２に送られ、伝送路３の伝送速度
に応じた伝送フレームに組み立てられて伝送路３を通じ
て他の回線終端装置２’に送られる。

【０００５】次に、他の回線終端装置２’より送られて
きた映像データと音声データはそれぞれ画像復号化装置
42と音声復号化装置44によりそれぞれ復号化されて、そ
れぞれモニター12やスピーカ14に送られる。テレビジョ
ン会議システムは映像や音声を実時間処理する必要があ
るため、１伝送フレームあたりの伝送データ量は固定と
され、伝送は一定のデータ量の確保できるテレビジョン
会議システム用の専用回線か回線交換方式の公衆通信網
が伝送路として使われている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のテレビジョ
ン会議システムでは、画像データは、たとえ圧縮したと
しても音声データに比べてはるかに大きいため、会議を
している間中映像データの通信のため高速の伝送路を確
保し続ける必要がある。しかし、会議の特徴として全参
加者に同じだけ注目する必要はないように考えられる。
すなわち、注目する必要性が高いのは発言中の参加者
か、あるいは、小数のある特別な参加者に限られる場合
が多い。そのような会議の特徴を考えると、全参加者の
画像を伝送するために同一の高速な伝送路を確保するこ
とは効果に比べて割高であった。

【０００７】本発明は上記の問題を解決するもので、テ
レビジョン会議に参加している参加者の画像伝送量を必
要に応じて変化させることにより、テレビジョン会議シ
ステム全体で使用するデータ伝送費用を削減することが
できるテレビジョン会議システムを提供することを目的
とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のテレビジョン会議システムは、画像や音声の
入出力を行うテレビジョン会議端末からの画像信号の圧
縮率が可変である画像符合化手段と、データ伝送量が異
なる伝送路が確保可能な回線終端手段と、音量を監視し
伝送する画像データの重要度を評価するデータ評価手段
と、前記データ評価手段による評価結果により前記回線
終端手段に対して新たな伝送路を確保するように制御可
能で、さらに、前記新たな伝送路のデータ量に対応する
ように前記画像符合化手段の画像圧縮率を制御する制御
手段とを備えたものである。

【０００９】

【作用】上記構成により、データ評価手段により音量を
監視して、伝送する画像データの重要度を評価し、もし
伝送路を変更する必要があれば、制御手段により新たな
伝送路を確保するように回線終端手段を制御し、さら
に、制御手段は画像符合化手段に対して新たな伝送路の
データ量に対応する画像圧縮率に制御するので、テレビ
ジョン会議に参加している参加者の画像伝送量が必要に
応じて変化されて、テレビジョン会議システム全体で使
用するデータ伝送費用が削減可能となる。たとえば、画
像データ量が少ないときは低速の伝送路が選択されてテ
レビジョン会議システム全体でのデータ伝送費用が削減
可能となる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。なお、従来例と同一の作用効果を奏す
るものには同一の符号を付してその説明を省略する。

【００１１】図１は本発明の実施例を示すテレビジョン
会議システムのブロック図である。図１において、伝送
路３にはデータ伝送速度の異なるチャネル31とこのチャ
ネル31よりデータ伝送速度が低速なチャネル32が存在す
る。符合化／復号化装置４ａは画像信号の圧縮率が可変
である画像符合化装置41ａ、画像復号化装置42、音声符
合化装置43ａ、そして、音声復号化装置44により構成さ
れている。音声符合化装置43ａに接続される音声データ
計測部51ａは音声符合化装置43ａからの音声データを入
力とし、入力した音声データの音量を計測する。音声デ
ータ計測部51ａに接続される判定部52ａは音声データ計
測部51ａにより計測された音量からそのテレビジョン会
議システムを利用中の会議参加者が発言中か否かを判定
する。以上の音声データ計測部51ａおよび判定部52ａに
より音声データ評価装置５ａが構成されている。回線終
端装置２に接続される伝送状態保持部61は伝送状態を保
持する。伝送状態保持部61および判定部52ａに接続され
る判定部62はチャネル制御部63および圧縮率制御部64に
接続され、判定部52ａからの判定結果である重要度の情
報により保持された伝送状態に対して伝送路のチャネル
を変更する必要があればチャネル制御部63に新たなチャ
ネルを確保するように指示した後、圧縮率制御部64に対
して変更するチャネルの伝達速度に対応した圧縮率に変
更するように指示する。チャネル制御部63は回線終端装
置２に接続され、チャネル制御部63からの指示により回
線終端装置２に対して新たなチャネルを確保するように
制御する。圧縮率制御部64は画像符合化装置41ａに接続
され、圧縮率制御部64からの指示により新たなチャネル
のデータ量に対応するように画像符合化装置41ａの画像
信号の圧縮率を制御する。以上の伝送状態保持部61、判
定部62、チャネル制御部63および圧縮率制御部64により
制御装置６が構成されている。

【００１２】上記構成により、以下その動作を説明す
る。まず、テレビカメラ11より入力された画像信号は画
像符合化装置41ａにより符合化されるとともにデータ圧
縮され回線終端装置２へ送られる。また、マイクロフォ
ン13より入力された音声信号は音声符合化装置43ａへ送
られて符合化されるとともに、音声データ計測部51ａへ
送られて音量が計測される。この音声データ計測部51ａ
で計測された結果は判定部52ａに送られる。この判定部
52ａは送られてきた値を一定時間累積し、その累積値が
ある基準値より大きければテレビカメラ11より入力され
た映像信号の重要度が高いとみなす。制御装置６の判定
部62は、伝送路状態保持部61で保持している値と判定部
52ａからの重要度の情報とを比較し、伝送路のチャネル
を変更する必要があれがチャネル制御部63に指示する。
これを受けてチャネル制御部63は回線終端装置２へ新た
なチャネルに変更するように指示する。チャネル制御部
63の指示により回線終端装置２は、たとえばチャネル31
が確保されているとするとチャネル32の確保を行う。回
線終端装置２はチャネル32の確保に成功すると判定部62
を介して圧縮率制御部64に知らせ、伝送状態保持部61の
内容も変更される。圧縮率制御部64は画像符合化装置41
ａに対して圧縮率をチャネル32の伝達速度に対応した圧
縮率に変更するように指示する。そして、画像符合化装
置41ａは新たなチャネル32のデータ量に対応する画像圧
縮率に変更する。そして、回線終端装置２は画像符合化
装置41ａから送られてくるデータ量が変化すると新たに
確保したチャネル32へのデータの伝送を開始し、同時に
他方のチャネル31の接続を終了する。すなわち、圧縮率
が変更された後のデータを受けとった回線終端装置２は
このデータをチャネル32に送り、チャネル31の接続を終
了する。

【００１３】このように本発明の実施例のテレビジョン
会議システムによれば、入力される音声信号を監視して
入力音声が少ないときは画像データの圧縮率をあげるこ
とにより低速の伝送チャネルを使用できる。

【００１４】したがって、テレビ会議に参加中の参加者
すべての画像を同等に高速な伝送路を用いて伝送するの
ではなく、発言者等の注目に値する画像のみをを高速な
伝送路を用いて送ることにより、テレビ会議システムで
用いる伝送費用を節約することができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、音声デー
タ評価装置により伝送する画像データの重要度を判定
し、重要度に応じて画像符合化装置の圧縮率を変更し、
重要度の低い画像データは低速のチャネルを利用してデ
ータを伝送することによりテレビジョン会議に使用され
る通信費用を大幅に削減することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示すテレビジョン会議
システムのブロック図である。

【図２】本発明の従来のテレビジョン会議システムのブ
ロック図である。

【符号の説明】

１ テレビジョン会議端末装置 ２ 回線終端装置 ３ 伝送路 ４ａ 符合化／復号化装置 ５ａ 音声データ評価装置 ６ 制御装置 31、32 チャネル 42 画像復号化装置 4 3ａ 音声符合化装置 51ａ 音声データ計測部 52ａ 判 定部 53 要求部 54 変更量選択部 61 伝送状態保持部 62 判定部 63 チャネル制御部 64 圧縮率制御部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画像や音声の入出力を行うテレビジョン会
   議端末からの画像信号の圧縮率が可変である画像符合化
   手段と、データ伝送量が異なる伝送路が確保可能な回線
   終端手段と、音量を監視し伝送する画像データの重要度
   を評価するデータ評価手段と、前記データ評価手段によ
   る評価結果により前記回線終端手段に対して新たな伝送
   路を確保するように制御可能で、さらに、前記新たな伝
   送路のデータ量に対応するように前記画像符合化手段の
   画像圧縮率を制御する制御手段とを備えたテレビジョン
   会議システム。