JP3173616U - 鍬 - Google Patents

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Abstract

【課題】刃先に対して斜めに柄を回転させた状態に固定できる連結構造を有する鍬において、土を耕しても連結構造部分が地面に触れないようにする鍬を提供する。
【解決手段】鍬の刃床1上面に偏平な円柱体からなり、内側に一以上の突起又は窪みが設けられた凹部12を上面に有するとともに、外周に雄ねじ11が形成された刃床側係合部10を設け、鍬の柄2部先端に前記凹部に係合する凸部であって、前記刃床面に略垂直な回転軸回りに関して二以上の回転位置のそれぞれにおいて、前記突起に嵌る凹み又は前記窪みに嵌る出っ張りが外面に設けられた凸部を有する柄側係合部20を設け、前記刃側係合部に係合する雌ねじ31が内周に形成された偏平な円筒体であって、上面に前記柄部を通す開口を有するとともに、前記柄側係合部を上方から押し付ける張り出し部32が形成された押さえ部30により刃床側係合部と柄側係合部を固定する。
【選択図】図3

Description

本考案は刃床に略垂直な回転軸回りに関する柄の回転位置を変更することがきる鍬に関する。
従来、鍬の柄は刃先に直角な方向に真っ直ぐ傾斜して設けられている。一方、鍬を地面に振り下ろした状態から鍬を大きく引く場合、柄は側方に沿って斜めに引かれることになり、刃先も斜めに傾いた状態で地面を耕すことになってしまう。
これに対して、下記特許文献には柄と刃床との取り付け角度を自在に変えることができる草刈鎌が示されており、このような構造を鍬に採用すれば、柄を刃先に直角な方向からやや傾いた位置に適当に傾斜させることで、柄が斜めに引かれても刃先を使用者の方へ真っ直ぐに向いた状態を保持するようにすることが可能である。
特開2011-78369号公報
ところで、上記特許文献に記載の考案は、刃床と柄とを刃床の下面からボルトにより固定する構造を有している。しかし、刃床の下面は作業中に頻繁に地面に当たる部分であり、ネジ溝に土が付いてボルトが回りにくくなったり、作業中にボルトヘッドに衝撃が加わる結果としてボルトが緩くなったりする恐れがある。
本考案は、このような問題に鑑みて、刃先に対して斜めに柄を回転させた状態に固定できる連結構造を有する鍬において、土を耕しても連結構造部分が地面に触れないようにすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本考案は次のような構成を有する。
請求項1に記載の考案は、刃床上面に設けられる偏平な円柱体からなり、内側に一以上の突起又は窪みが設けられた凹部を上面に有するとともに、外周に雄ねじが形成された刃側係合部と、柄部先端に設けられる前記凹部に係合する凸部であって、前記刃床面に略垂直な回転軸回りに関して二以上の回転位置のそれぞれにおいて、前記突起に嵌る凹み又は前記窪みに嵌る出っ張りが外面に設けられた凸部を有する柄側係合部と、前記刃側係合部に係合する雌ねじが内周に形成された偏平な円筒体であって、上面に前記柄部を通す開口を有するとともに、前記柄側係合部を上方から押し付ける張り出し部が形成された押さえ部とを有する鍬である。
請求項2に記載の考案は、前記鍬において、前記凸部は下方に向かって細くなる傘歯車状に形成されるとともに、前記凹部は当該凸部が嵌る形状に形成されるものである。
請求項3に記載の考案は、前記鍬において、前記押さえ部が前記柄側係合部を押さえつけた状態において、前記押さえ部と、前記刃床側係合部又は刃床上面とを、互いに連結固定する押さえ部固定部をさらに有するものである。
請求項1に記載の考案は、刃床側係合部と柄側係合部とを所望の回転位置で係合させた後に、押さえ部の雌ねじを刃床側係合部の雄ねじに係合させて締め付けることで、刃床側係合部と柄側係合部とを係合状態で固定することができ、これにより刃床に柄を所望の回転位置で固定することができる。そして、刃床の上面に刃床と柄との係合部が設けられることで、作業時に係合部分が地面に触れることがないので、係合部に土が触れることが少なく、また、地面に当たって係合部に衝撃が直接加わることがない。
請求項2に記載の考案は、柄側係合部の凸部を下方に向かって細くなる傘歯車状とすることで、多数の回転位置で刃床側係合部の凹部に係合させることができ、下方に向かって細くなる形状により上方から凹部に挿入しやすい。
請求項3に記載の考案は、押さえ部が柄側係合部を押さえつけた状態で、押さえ部固定部により押さえ部が柄側係合部又は刃床上面に連結固定されるので、押さえ部と刃床側係合部とのねじによる締結が緩むことを防止することができる。
実施形態に係る鍬の斜視図である。 実施形態に係る鍬の部分拡大斜視図である。 実施形態に係る鍬の部分分解拡大斜視図である。 (a)は押さえ部を固定した状態を示す実施形態に係る鍬の部分縦断面図であり、(b)は押さえ部の固定を外した状態を示す実施形態に係る鍬の部分縦断面図である。 (a)は柄を真っ直ぐに固定した状態を示す実施形態に係る鍬の平面図であり、(b)は鍬を左側に回転させて固定した状態を示す実施形態に係る鍬の平面図であり、(c)は鍬を右側に回転させて固定した状態を示す実施形態に係る鍬の平面図である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に本実施形態に係る鍬Xの斜視図を示す。鍬Xは刃床1、柄2からなる。刃床1と柄2とは連結構造3により連結されている。図2に連結構造3部分近傍の拡大斜視図を示し、図3に連結構造3部分の分解斜視図を示し、図4(a)に連結構造3部分の縦断面図を示す。なお、図4(a)において、便宜上後述する板体34、丸棒35、36、薄板ばね37部分は断面として表していない。連結構造3は、刃床側係合部10、柄側係合部20、押さえ部30とから構成される。
柄側係合部20は、下方に突出する凸体であり、全体として下方向かって細くなる傘歯車状の形状を有する。柄側係合部20の上面には柄2を嵌めて固定する円筒体からなるヒツ21が斜めに固定されている。また、柄側係合部20はヒツ21に連続するように円筒状の穴が内部に設けられている。
刃床側係合部10は、刃床1上面に溶接固定される偏平な円柱体であり、外周面には雄ねじ11が形成されている。刃床側係合部10の上面には柄側係合部20にほぼ合致する空間を形成する凹部12が設けられている。
押さえ部30は、刃床側係合部10の雄ねじ11に係合する雌ねじ31が内周に設けられた偏平な円筒体であり、中央にヒツ21が通る大きさの穴が設けられた円板体からなる張り出し部32が上面に設けられている。また押さえ部30の側面には平行な2枚の板体33、34が固定される。板体33、34には貫通孔33a、34aが設けられ、図4(a)に示すように各貫通孔に丸棒35、36が通される。そして、各丸棒35、36が向かい合う各面は、U字状に形成された薄板ばね37の両端部に固定されている。また、丸棒35の上部側面には貫通孔が設けられるとともに、板体33上面で当該貫通孔に割りピン35aが通されることで丸棒35は下方に移動しないように規制されている。さらに、板体34には側面から貫通孔34aに至る切り込み34bが形成され、図4(a)に示す状態において、丸棒36の当該切り込み34bに並ぶ位置にピン36aが設けられている。そして、押さえ部30が十分締まった位置にある状態における丸棒36の真下位置には、丸棒36が嵌る穴が設けられた固定ブロック40が刃床1上面に溶接固定されている。図4(a)に示すように丸棒36が固定ブロック40の穴に嵌った状態になると、押さえ部30は回転できなくなるので、押さえ部30の雌ねじ31と刃床側係合部10の雄ねじ11との係合が緩まない。一方、薄板ばね37をつぶして丸棒36を上方に上げ、丸棒36のピン36aを切り込み34bから板体34の上部に位置づけ、この状態で図4(a)の薄板ばね37を矢印Aの方向に回転させると、丸棒36とこれに固定されるピン36aも回転し、ピン36aが板体34の上面に引っ掛かる。これにより丸棒36は図4(b)に示すように上がった状態に保持され、丸棒36は固定ブロック40の穴からを抜き出されることになるので、押さえ部30は刃床側係合部10に対して自由に回転できるようになる。板体33、34、丸棒35、36、薄板ばね37、固定ブロック40は、押さえ部30が前記柄側係合部20を押さえつけた状態において、押さえ部30と刃床1上面と互いに連結固定する押さえ部固定部を構成する。
次に、以上のような構成を有する鍬Xの使用方法について説明する。鍬Xは収納に際しては、押さえ部30を外して刃床側係合部10と柄側係合部20とを分離することで、刃床10と柄20を分解して収納することができる。そして、使用に際しては、刃床側係合部10の凹部12に柄側係合部20の凸体を嵌め込む、この際、柄側係合部20を形成する凸体は複数の回転位置に関して刃床側係合部10の凹部12に嵌め込むことができるので、使用者は使用目的に応じて、柄2が刃床1に対して所望の角度を形成するようにする。その後、押さえ部30を図4(b)のように丸棒36を上げた状態として、雌ねじ31を刃床側係合部10の雄ねじ11に係合させて押さえ部30を締めて、押さえ部30の張り出し部31の下面で柄側係合部20の上面を押さえつけることで、柄側係合部20の凸体が刃床側係合部10の凹部12に係合した状態で抜けないようにする。その後、薄板ばね37を回転させてピン36を切り込み34bの位置に合わせて丸棒36を下げ、丸棒36が固定ブロック40の穴に嵌った状態で図4(a)のような状態となり、連結構造3による刃床1と柄2との連結が完了するので、この状態で使用者は作業を行なう。
以上のような構成により、本実施形態に係る鍬Xは、図5(a)に示すように従来のような柄2が刃先に対して真っ直ぐに傾斜するように固定したり、図5(b)に示すように柄2が刃先に対して左側に傾いて傾斜するように固定したり、図5(c)に示すように柄2が刃先に対して右側に傾いて傾斜するように固定したりすることが可能となる。そして、連結構造3が、刃床1の上面のみに存し、鍬Xによって土を耕したりする場合に連結構造3部分に直接地面が当たることがないので、連結構造3が破損しにくく、また、土がねじ内や係合部に入り難いので、組み立て時や分解時に土が詰まる不都合が起こることを抑制することができる。
なお、上記実施形態では、柄側係合部20を傘歯車状として、刃床側係合部10の凹部をこれに合致する空間としたが、互いに嵌り合う形状は、一方側に突起又は窪みが形成され、他方側にこれに対して2以上の回転位置で嵌る凹み又は出っ張りが形成されることで、両者が係合した状態で互いに回転不能とできればよいので、種々の変更が可能である。
また、上記実施形態では押さえ部30と刃床1の上面とを連結することで押さえ部30を回転しないようにしたが、例えば、張り出し部31の刃床側係合部20上部に貫通孔を設けるとともに、押さえ部30が十分に締まった状態における当該貫通孔の真下に存する刃床側係合部20の位置にねじ穴を設け、当該貫通孔とねじ穴とをボルトで連結するといったように、押さえ部30と刃床側係合部20とを連結することで、押さえ部30を回転しないようにすることもできる。
さらに、上記実施形態では、柄2の断面が円形のものを示したが、柄側係合部2のヒツ21の形状を長方形状とし、長方形断面の柄2用いてもよいことはいうまでもない。
また、上記実施形態では、刃床の形状を平鍬の形状としているが、備中鍬のように刃先を分岐させる等、刃床の形状は適宜変更が可能である。
X 鍬
1 刃床
2 柄
3 連結構造
10 刃床側係合部
11 雄ねじ
12 凹部
20 柄側係合部
21 ヒツ
30 押さえ部
31 雌ねじ
32 張り出し部
33、34 板体
35、36 丸棒
37 薄板ばね
40 固定ブロック

Claims (3)

  1. 刃床上面に設けられる偏平な円柱体からなり、内側に一以上の突起又は窪みが設けられた凹部を上面に有するとともに、外周に雄ねじが形成された刃側係合部と、
    柄部先端に設けられる前記凹部に係合する凸部であって、前記刃床面に略垂直な回転軸回りに関して二以上の回転位置のそれぞれにおいて、前記突起に嵌る凹み又は前記窪みに嵌る出っ張りが外面に設けられた凸部を有する柄側係合部と、
    前記刃側係合部に係合する雌ねじが内周に形成された偏平な円筒体であって、上面に前記柄部を通す開口を有するとともに、前記柄側係合部を上方から押し付ける張り出し部が形成された押さえ部と
    を有する鍬。
  2. 前記凸部は下方に向かって細くなる傘歯車状に形成されるとともに、前記凹部は当該凸部が嵌る形状に形成されるものである請求項1に記載の鍬。
  3. 前記押さえ部が、前記柄側係合部を押さえつけた状態において、前記押さえ部と前記柄側係合部又は刃床上面とを、互いに連結固定する押さえ部固定部をさらに有する請求項1又は2に記載の鍬。
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