JP3173528B2 - 炭酸イオン又は重炭酸イオンの固定化方法 - Google Patents

炭酸イオン又は重炭酸イオンの固定化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸イオン又は重炭酸
イオンを、特定の無機イオン交換体を用いて固定化する
方法に関するものであり、炭酸イオン又は重炭酸イオン
を含有する液状または固体状の無機試薬或は無機工業薬
品の精製または廃水処理等の方法として有用である。
【0002】
【従来の技術】多くの無機試薬或は無機工業試薬(以
下、無機試薬等という)は、炭酸イオンまたは重炭酸イ
オン(以下、炭酸イオン等という)を含有することが知
られている。例えば、硫酸ナトリウム及び硝酸ナトリウ
ム等のナトリウム塩は、ソーダ灰を原料にして製造され
るため、炭酸イオン等を不純物として含有している。
又、原料に炭酸塩を用いなくても、空気中の炭酸ガスを
吸収するために、炭酸イオン等を不純物として含んでい
る無機試薬等もある。特に、燐酸三ナトリウム及び燐酸
水素二ナトリウム等の水溶液は、アルカリ性であるた
め、炭酸ガスの吸収が多い。しかしながら、近年種々の
分野において高純度な無機試薬等が望まれ、微量の炭酸
イオンまたは重炭酸イオンさえも含有しない無機試薬等
が要求されている。また、放射性を帯びた炭酸を含有す
る炭酸イオン等を用いる原子力発電、生化学分野或は分
析化学等の分野においては、放射性を帯びた炭酸を含有
する炭酸イオン等を除去し、安全な形で固定化すること
が要求されている。溶液から炭酸イオン等を除去する方
法の一つとして、その溶液を煮沸させる方法がある。し
かし、この方法は加熱のためのエネルギーが必要であ
り、また、加熱が許容されないものには適用できないと
いう問題がある。他の方法として、炭酸イオン等は弱酸
イオンであるので、溶液のpHを酸性にすると炭酸イオ
ン等を炭酸ガスとして除去できることを利用して、溶液
のpHを酸性に調整する方法がある。しかし、この方法
では、pHを再度調整して、元のpHに戻すという操作
が必要になり、pHを変えられないものには適用できな
いという問題がある。更に、放射性同位体炭素を含んだ
炭酸イオン等を、上記の煮沸やpH調整の方法で除去し
ようとすると、大気中に放出される炭酸ガスは放射性同
位体炭素を含んでいるため、大気中に放出される炭酸ガ
スを完全に捕捉する方法等を併用しなければならないと
いう問題もある。一方、炭酸イオン等を除去する方法と
して、イオン交換樹脂を用いることも考えられるが、無
機陰イオンが共存する水溶液に一般通常のイオン交換樹
脂を用いると、炭酸イオン等以外の共存無機陰イオンを
優先的に吸着してしまい、炭酸イオン等を優先的に吸着
することは殆ど不可能である。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、溶液を煮
沸したり、溶液のpHを変化させることなく、又、放射
性を帯びた炭酸を炭酸ガスとして大気中に放出させるこ
となく、溶液または固体から炭酸イオン等を優先的に固
定化する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、炭酸イオン又は重炭酸イオン及びこれらとは異
なる無機陰イオンが共存する溶液または固体を、特定の
無機イオン交換体を含有する固定化処理剤と接触させる
ことにより、炭酸イオン等を優先的に固定できることを
見出し、本発明を完成するに至った。。即ち、本発明は
酸イオン又は重炭酸イオンを含有する溶液又は固体を、
含水酸化ジルコニウム,含水酸化ビスマス(III)及
び下記組成式[1]で表される含水酸化硝酸ビスマス
(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種、ま
たは上記群より選ばれる少なくとも1種及び含水五酸化
アンチモンからなる固定化処理剤と接触させることを特
徴とする、炭酸イオン又は重炭酸イオンの固定化方法で
ある。 Bi66(OH)x(NO36-x・nH2O [1] (xは、3.5以上かつ5.5以下の数であり、nは0または
正数である。)
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。 ○固定化処理剤 本発明において用いる固定化処理剤は、含水酸化ジルコ
ニウム,含水酸化ビスマス(III)及び含水酸化硝酸
ビスマス(III)からなる群より選ばれる少なくとも
1種、または上記群より選ばれる少なくとも1種と含水
五酸化アンチモンからなるものである。含水酸化ジルコ
ニウム,含水酸化ビスマス(III)及び含水五酸化ア
ンチモンは、いずれも無機イオン交換体として知られて
おり、下記一般式で表される化合物である。 ・含水酸化ジルコニウム ZrO2・nH2O ・含水酸化ビスマス(III) Bi23・nH2O ・含水五酸化アンチモン Sb25・nH2
n:正の数 また、本発明において用いる含水酸化硝酸ビスマス(I
II)は、特開昭63−60112に記載されたもので
あり、下記組成式[1]で表される。 Bi66(OH)x(NO36-x・nH2O [1] (xは、3.5以上かつ5.5以下の数であり、nは0または
正数である。) 固定化処理剤として、含水酸化ジルコニウム,含水酸化
ビスマス(III)及び含水酸化硝酸ビスマス(II
I)からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用する
場合、中でも、含水酸化ジルコニウムは特に、炭酸イオ
ン等を選択的に固定する効果が優れているので好まし
い。また、固定化処理剤として、含水酸化ジルコニウ
ム,含水酸化ビスマス(III)及び含水酸化硝酸ビス
マス(III)からなる群より選ばれる少なくとも1種
と含水五酸化アンチモンを使用する場合、含水五酸化ア
ンチモンの割合は、固定化処理剤の全量100重量部
(以下単に部という)に対し3〜70部が好ましく、1
0〜60部が更に好ましい。本発明で用いる固定化処理
剤の形状には、特に限定はなく、粉末状であっても良い
が、本発明の炭酸イオン等の固定化方法における操作を
容易にするため、即ち炭酸イオン等を含有する溶液との
接触後の分離や、カラム通液をしやすくするため、結合
剤等を用いて粉末を粒状やペレット状に成形したもの、
あるいは粉末を担体に担持したものであっても良い。こ
の場合特に、結合剤として粘土鉱物を用いて粉末を粒状
に成形したものは、炭酸イオン等を固定する効果が優
れ、かつ、強度的に安定であるので好ましい。中でも、
粘土鉱物としてベントナイトまたはセピオライトを用い
て粉末を粒状に成形したものは特に好ましい。また、結
合剤として粘土鉱物と金属アルコキシド加水分解物を併
用して、粉末を粒状に成形しても、炭酸イオン等を固定
する効果が優れ、かつ、強度的に安定なものが得られ
る。この場合、使用する金属アルコキシド加水分解物と
しては、エチルシリケート加水分解物が好ましい。又、
炭酸イオン等を含有する物質が固体である場合は、固定
化処理剤の形状及び大きさを前記固体と異なるものとし
て、篩等の手段により処理後の両者の分離が容易となる
ようにすればよい。
【0006】○炭酸イオン等の固定化方法 本発明における固定化処理剤を用いることにより、炭酸
イオン等以外の無機陰イオンが共存する溶液中において
も、炭酸イオン等を優先的に固定化することができる。
共存無機系陰イオンとして、例えば水酸化物イオン、フ
ッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硝酸イオ
ン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、燐酸イ
オン、燐酸一水素イオン、燐酸二水素イオン、亜燐酸イ
オン、ヒ酸イオン、亜ヒ酸イオン、クロム酸イオン、ケ
イ酸イオン及びホウ酸イオン等が挙げられる。これら共
存無機陰イオンの対イオンは、場合によっては水素イオ
ンであり得るが、一般に酸性溶液では、炭酸イオン等が
殆ど存在しないので、アルカリ金属イオン、アルカリ土
類金属イオン、典型金属イオン及びその他の陽イオンで
ある場合が多く、例えばリチウムイオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウム
イオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バ
リウムイオン、アルミニウムイオン、鉛イオン及びアン
モニウムイオン等を対イオンとする無機陰イオンのいず
れが共存しても、本発明を適用することができる。上記
の他、硝酸塩等の、可溶性の塩の溶液の場合は、共存無
機陰イオンの対イオンとして、鉄イオン、コバルトイオ
ン、ニッケルイオン、チタニウムイオン、錫イオン、ジ
ルコニウムイオン、マンガンイオン等の遷移金属イオン
が共存するが、かかる場合にも上記と同様に本発明を適
用することができる。上記の共存無機陰イオンが硫酸イ
オンの場合、炭酸イオン等の選択的吸着率が高く、例え
ば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸アルミニウムまたは硫酸マンガン
等の水溶液中から、炭酸イオン等を高い選択率で吸着し
固定化することができる。
【0007】炭酸イオン等を固定化するには、本発明に
おける固定化処理剤を、炭酸イオン等を含有する溶液ま
たは固体と接触させなければならない。一般に、固体表
面上に極薄い付着水の層があるので、固体中の炭酸イオ
ン等はこの付着水の層へ溶出している。このため、溶液
の場合と同様に、固体の場合も、本発明における固定化
処理剤と接触させることにより、炭酸イオン等を固定化
することが可能である。本発明において、固定化処理剤
と炭酸イオン等を含有する溶液または固体とを接触させ
る好ましい時間は、処理すべき対象により一概には決め
られないが、数分から数時間、場合によっては数日であ
る。また、両者を接触させる温度は、溶液または固体に
炭酸イオン等が含有され、無機イオン交換体のイオン交
換特性が維持されるならば何度でもよいが、本発明の方
法を効率良く行うには10℃以上が好ましく、30℃以
上が更に好ましい。
【0008】炭酸イオン等を含有する溶液または固体
と、これに接触させる固定化処理剤の使用割合は、無機
イオン交換体の種類によっても異なるが、炭酸イオン等
の1meq当り、固定化処理剤を1.0g以上とするこ
とが好ましく、炭酸イオン等を固定化する条件、例えば
固定化処理剤と対象溶液または固体との接触時間、接触
方法または接触温度、あるいは対象液のpH、対イオン
種及び共存イオン種や量等によって適宜調整すれば良
い。
【0009】本発明の固定化方法によれば、無機陰イオ
ンと共存する炭酸イオン等を含有する液体または固体を
精製することができる。溶液を精製する方法の具体例と
しては、本発明における固定化処理剤を、炭酸イオン等
を含有する溶液に添加し撹拌することにより、炭酸イオ
ン等を含有する溶液と接触させた後、固定化処理剤を分
離する方法、及びカラム等に固定化処理剤を充填し、無
機陰イオンが共存する炭酸イオン等含有溶液を通液する
方法等がある。
【0010】本発明の固定化方法を利用して、放射性の
炭酸同位体を含む炭酸イオン等を、固定化処理剤に固定
化した後又は固定化と同時に、適当な固化剤を用いて固
化することにより、無機イオン交換体に基づく吸着特性
と固化剤に基づく固化特性を共に発揮させることができ
るため、極めて簡便に且つ安全に、放射性の炭素同位体
を含む炭酸イオン等が溶出しない固化物として処理する
ことができる。処理方法の具体例として、以下の方法が
ある。即ち、放射性の炭酸イオン等を含む廃水に、固定
化処理剤を添加、混合し、炭酸イオン等を固定化処理剤
に固定化した後、水分を蒸発等の手段により除去して濃
縮した廃水を、固化剤により固化する方法や、これとは
逆にまずあらかじめ水分を除去することにより濃縮した
廃水に、固定化処理剤を添加、混合し、炭酸イオン等を
固定化処理剤に固定化した後、固化剤により固化する方
法がある。また、あらかじめ固定化処理剤とセメント等
の固化剤とを混合したものを廃水に添加し、炭酸イオン
等を固定化処理剤に吸着し固定化させ、更に固化する方
法がある。
【0011】好ましい固化剤としては、セメント、アス
ファルト、プラスチック及びガラス等があり、これらの
粉末又は粒状体と本発明に用いる特定の無機イオン交換
体、及び所望により砂、砕石等の骨材、炭酸カルシウム
等の充填剤を混合して固定化処理剤として用いることが
できる。固化剤を含有する固定化処理剤における無機イ
オン交換体の好ましい配合割合は、固定化処理剤の全重
量100重量部当たり1〜30重量部であり、1重量部
未満では無機イオン交換体由来の吸着特性が不十分とな
る恐れがあり、30重量部を越えると充分な耐久性を有
する固化体を得ることが困難となる恐れがある。上記の
固化剤の中で、耐久性を有する固化体を安価に且つ容易
に得られることから、セメントか特に好ましい。好まし
いセメントとしては、ケイ酸カルシウム系であるポルト
ランドセメントおよびアルミン酸カルシウム系であるア
ルミナセメント等がある。これらの固化剤はいずれも既
に知られたものであり、固化方法は固化剤の種類に応じ
て常法に従えば良い。尚、言うまでもなく、放射性の炭
酸イオン等を含む固体を処理する場合も、廃水の場合と
同様にして処理することが出来る。
【0012】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。 実施例1 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、組成式ZrO2・2H2
で示される含水酸化ジルコニウム(以下、ZrOと略
す)1.0gと表1に示した条件で接触させた。1週間
後、ZrOを濾別し、濾液中の炭酸イオンの濃度をTO
C(トータルオーガニックカーボン、Total Organic Ca
rbon)計で測定し、その結果を表1に示した。
【0013】実施例2 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、組成式Bi23・H2
で示される含水酸化ビスマス(以下、BiOと略す)
1.0gと、表1に示した条件で接触させた。1週間
後、BiOを濾別し、濾液中の炭酸イオンの濃度をTO
C計で測定し、その結果を表1に示した。
【0014】実施例3 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、下記の組成を有する含水
酸化硝酸ビスマス(以下、BiNと略す)1.0gと、
表1に示した条件で接触させた。 Bi66(OH)4.2(NO31.8・H2O 1週間後、BiNを濾別し、濾液中の炭酸イオンの濃度
をTOC計で測定し、その結果を表1に示した。
【0015】実施例4 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、ZrO0.8gと、組成
式Sb25・2H2Oで示される含水五酸化アンチモン
(以下、SbOと略す)0.2gと表1に示した条件で
接触させた。1週間後、ZrO及びSbOを濾別し、濾
液中の炭酸イオンの濃度をTOC計で測定し、その結果
を表1に示した。
【0016】実施例5 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、BiN0.5gと、Sb
O0.5gと表1に示した条件で接触させた。1週間
後、BiN及びSbOを濾別し、濾液中の炭酸イオンの
濃度をTOC計で測定し、その結果を表1に示した。
【0017】実施例6 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、BiO0.7gと、Sb
O0.3gと表1に示した条件で接触させた。1週間
後、BiO及びSbOを濾別し、濾液中の炭酸イオンの
濃度をTOC計で測定し、その結果を表1に示した。
【0018】比較例1 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、強塩基性陰イオン交換樹
脂であるアンバーライトIRA-400(ロームアンドハース
社製商品名)1.0gと表1に示した条件で接触させ
た。1週間後、IRA-400を濾別し、濾液中の炭酸イオン
の濃度をTOC計で測定し、その結果を表1に示した。
【0019】比較例2 種々の陰イオンが共存する、濃度350mg/lの炭酸イオ
ンを含有する水溶液10mlを、下記の組成を有するアル
ミニウム−マグネシウム複合酸化物(以下、AlMgと
略す)1.0gと表1に示した条件で接触させた。 Mg0.7Al0.31.15・0.13H2O 1週間後、AlMgを濾別し、濾液中の炭酸イオンの濃
度をTOC計で測定し、その結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1及び表2から、含水酸化ジルコニウ
ム,含水酸化ビスマス(III)及び含水酸化硝酸ビス
マス(III)からなる群より選ばれる少なくとも1
種、または上記群より選ばれる少なくとも1種及び含水
五酸化アンチモンと炭酸イオンを含有する水溶液を接触
させた後において、水溶液中の炭酸イオンの濃度は、比
較例1,2に比較して、実施例1〜6の場合の方が減少
していることがわかる。また、水溶液中の炭酸イオンの
濃度は、共存する炭酸イオン以外の陰イオンの濃度に比
較して格段に小さいにもかかわらず減少していることか
ら、炭酸イオンが優先的に固定化されていることが分か
る。
【0023】実施例7 結合剤としてセピオライトを用いて、約0.5〜1.0
mmの粒径を有する粒状に成形したZrO100gを、直
径10mmのガラスカラムに充填し、濃度200g/lの硫
酸ナトリウムと濃度150mg/lの炭酸イオンを含有する
溶液を、SV=5H-1、温度30℃で通液した。カラム
出口液の炭酸イオン濃度を測定したところ、通液倍率2
50倍まで10mg/l以下であった。
【0024】実施例8 乾燥粉末として100gのセメント及び75gの砕骨材
(砂)に対し、10gのBiN及び10gのSbOを添
加、混合し、更にこの混合物を700mg/lの炭酸ナトリ
ウムを含有する水溶液40gを用いて固化物とした。こ
の固化物を1000gの水に添加し、2時間、80℃で
加熱した。固化物を濾過した後、水中の炭酸イオン濃度
を分析した結果、1mg/l以下であった。
【0025】比較例3 BiN及びSbOを添加しない以外は、実施例8と同様
に固化物を作製し、この固化物からの炭酸イオンの溶出
を測定した結果、水中の炭酸イオン濃度は10mg/lであ
った。
【0026】
【発明の効果】本発明による炭酸イオン等の固定化方法
は、従来の方法に比較し、対象溶液を加熱したり、pH
調整の必要がなく、しかも大気中に炭酸ガスを放出する
ことがなく、炭酸イオン等とこれ以外の無機陰イオンが
共存する溶液または固体からも炭酸イオン等を容易にか
つ効率的に固定化することができ、場合により放射性の
炭素原子を有する炭酸イオン等を優先的に固定化できる
優れた方法である。さらには、大気中の炭酸ガスを、例
えばアルカリ盛衰溶液に吸収させた後、この水溶液中の
炭酸イオン等を本発明により固定化することにより、現
在問題となっている大気中の炭酸ガスの固定化にも応用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 41/00 - 41/02 B01J 41/08 - 41/10 B01J 20/06 G21F 9/12 C02F 1/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸イオン又は重炭酸イオンを含有する溶
    液又は固体を、含水酸化ジルコニウム,含水酸化ビスマ
    ス(III)及び下記組成式[1]で表される含水酸化
    硝酸ビスマス(III)からなる群より選ばれる少なく
    とも1種、または上記群より選ばれる少なくとも1種及
    び含水五酸化アンチモンからなる固定化処理剤と接触さ
    せることを特徴とする炭酸イオン又は重炭酸イオンの固
    定化方法。 Bi66(OH)x(NO36-x・nH2O [1] (xは、3.5以上かつ5.5以下の数であり、nは0または
    正数である。)
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