JP3173321U - 電気集塵機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気集塵機からの集塵極を洗浄する散水の飛沫や電気集塵機の電場を通過した微粒子が電気集塵機から排出されるのをより有効に阻止する優れた機能を有する電気集塵機を提供する。
【解決手段】本電気集塵機は、集塵機の排ガス出口近傍に、排ガス出口側に凸の導電性板材からなる衝突板を配置し、集塵機能を向上させたものである。前記衝突板は導電性板材を排ガス出口側に凸となるように形成することが好ましく、このように形成された衝突板複数枚を排ガス出口近傍に千鳥状に配置することが望ましい。
【選択図】図1

Description

本考案は、電気集塵機の洗浄水スプレーの水滴除去、排ガス中に含まれる水分の凝縮水による水滴の除去及び電気集塵機から排出される排ガス中に含まれるダストの除去を有効に処理する電気集塵機に関するものである。
近代社会においては、都市ごみ等の廃棄物を焼却するごみ焼却炉、産業廃棄物を焼却する産廃焼却炉、下水汚泥の焼却炉、金属精錬やガラス溶解の工業用炉等から排出されるガス中の煤塵を除去し、快適な生活環境を構築することが望まれている。
これらの炉において、炉から排出される排ガス中には多量のダストが含まれている。排ガス中に含まれるダストを捕集するのに電気集塵機が採用される。電気集塵機では、集塵機内を通過する排ガス中の微粒子(ダスト)に放電電極から放電して帯電させ、煤塵、有害ガス等を含んだ大部分の微粒子を集塵極で集塵する。
湿式電気集塵機においては集塵極に捕集されたダストを洗浄する方法としてスプレーによる散水方式が採られている。この散水方式ではスプレーされた水滴の細かい飛沫が排ガス中の水分の凝縮水と共に湿式電気集塵機から排出されることがあり、排出された水滴が地上に落ちる不具合が発生することがあった。
本考案は上記の問題点を解消し、集塵極を洗浄した散水の飛沫が排ガス中に含まれる水分の凝縮水と共に集塵機から排出されるのをより有効に阻止した電気集塵機を提供することを目的とするものである。
本考案の電気集塵機は、集塵機の排ガス出口近傍に、排ガス出口側に凸の導電性板材からなる衝突板を配置したことを特徴とする。
前記衝突板は、導電性板材を排ガス出口側に凸となるようにチャンネル状に、山形に、半円状に、半楕円状に、あるいはへの字状に形成することが好ましく、このように形成された衝突板複数枚を排ガス出口近傍に千鳥状に配置することが望ましい。
本考案は、電気集塵機の排ガス出口近傍に、排ガス出口側に凸の導電性板材からなる衝突板を配置したことにより、集塵極を洗浄する散水の飛沫や排ガス中に含まれる微粒子が
排ガス出口(煙道)から大気中に排出されるのを有効に阻止することができる。特に、排ガス出口側に凸となるようにチャンネル状に、山形に、半円状に、半楕円状に、あるいはへの字状に形成した複数枚の導電性板材からなる衝突板を千鳥状に配置することにより、集塵極を洗浄する散水の飛沫や電気集塵機の電場を通過した排ガス中に含まれる微粒子を排ガス出口(煙道)から大気中に排出されるのをより有効に阻止することができる。
本考案の電気集塵機は、集塵極を洗浄する散水の飛沫や排ガス中に含まれる微粒子が集塵機から排出されるのを極力減少することができる優れた効果を有するものである。
図1は湿式電気集塵幾の概要を示す一部欠裁正面図である。 図2は衝突板の一実施形態を示す斜視図である。 図3は衝突板の一実施形態を示す拡大側面図である。
以下本考案を実施形態により詳細に説明する。
図1は本考案の一実施形態を示す湿式電気集塵機1で、集塵室11内には集塵電極板12、放電線13、集塵極枠組14、放電電極枠組15、上部洗浄スプレー(散水機)16、活線スプレー(散水機)17、出口煙道18、衝突板10で構成されている。
前記衝突板10は、導電性の板材を、排ガス出口側に凸となるようにチャンネル状に成形され、集塵機1の排ガス出口近傍に複数枚が千鳥状に配設されている。
衝突板10は図2、図3に示すようにチャンネル状に成形した導電性板材20を複数枚、千鳥状に配置する。
衝突板10を導電性板材20で成形するのは、電機集塵機の電場を通過した微粒子が帯電しているためで、衝突板10で捕集した微粒子3の電荷を放電させるためである。また、衝突板10を千鳥状に配置するのは、図3に点線で示すように排ガスに含まれる飛沫や微粒子が衝突板10に当たらないで放出されるのを有効に防止するためである。
また、導電性板材20を排ガス出口側に凸となるように成形するのは、排ガス中の微粒子3や上部洗浄スプレー16や活線スプレー17からの水滴(飛沫)が排ガスに同伴されて放出されるのを抑えるためである。なお、導電性板材20を千鳥状に配列して衝突板10とするのは、電気集塵機1の圧力損失の増加をできるだけ抑えるためである。
電気集塵機1内のスプレー16,17から散水される飛沫の一部は排ガス中の微粒子3を取り込んで出口煙道18に向かって流れる排ガス流に乗って衝突板10に衝突する。
衝突板10に衝突した水滴(飛沫)は排ガス出口側に凸となるように成形された衝突板に衝突することで衝突板10表面に水滴として付着し、続いて飛来する飛沫によって水滴が成長して、電気集塵機1内に落下する。このため、飛沫が排ガスの流れに乗って外部に放出されることはない。
また、出口煙道18の下部には衝突板10が千鳥状に配置されているために、出口煙道18に向かって流れる排ガスは衝突板10の形状により部分的に旋回流となり、旋回流に巻き込まれた微粒子3はその遠心力によって排ガスから分離され、また、衝突板10に衝突した微粒子3は慣性衝突により排ガスから分離され、衝突板10に捕集される。
また、電気集塵機1内に供給された排ガスに含まれる塵埃(ダスト)の多くは集塵機の機能により捕集されるが、電気集塵機の集塵効率範囲外で補集されなかった粒子3は排ガスの流れに乗って出口煙道18に向かって進むが、電気集塵室11を通過して帯電した微粒子3は電気的に接地されている衝突板10との間に作用する静電気力により衝突板10に吸い寄せられて排ガス中から分離捕集される。
上述したように、散水による飛沫は衝突板10に付着して水滴となり、電気集塵機内に落下し、外部への排出を有効に防止することができる。
電気集塵機の電場を通過した微粒子はスプレー水や排ガス中の水分の凝縮水による水滴に衝突し、水滴と共に衝突板に捕集される効果もある。
本実施形態において、導電性板材からなる衝突板をチャンネル状に成形する寸法は図3に示すように、幅Wが100〜200mm、折り曲げ部の長さLが30〜70mm、千鳥状の配置は板材の左右の間隔Pが前記幅W+100mm、上下の間隔Dが30〜200mmである。しかし、この形状と配置は電気集塵機の大きさ、容量等により任意に変更可能である。
図示した衝突板10は導電性板材20を2層に配置したが、3層以上に配置することも可能であり、散水による飛沫の量が多いような場合には多層配置とすることにより集塵効果を挙げることができる。なお、多層配置とするときには電気集塵機の圧力損失が高くなることに対する配慮を要する。
上記実施形態では衝突板10を構成する導電性板材20をチャンネル状に成形したが、成形する形状は排ガス出口側に凸となるように形成すればよく、図示しないが、山形に、半円状に、半楕円状に、あるいはへの字状等に形成して配置することができ、このような形状に形成してもチャンネル状に成形したのと同等の効果を得ることができる。したがって、導電性板材20の成形は、電気集塵機の大きさ、排ガスの処理量等々を配慮して最適な形状を選択することができる。
導電性板材20としては、電気集塵機で処理する排ガス中に金属を腐食する酸性のガスやアルカリ性のガスが含まれていない集塵機では金属製の板材、たとえばステンレス板、鋼板等が採用できる。一方、金属を腐食するような排ガスを処理する場合は、たとえばカーボン繊維を練り込んだプラスチックの板材、強度を要求されるような場合にはカーボン繊維とガラス繊維を練り込んだ導電性FRPの板材を使用することができる。
上述したように本考案の電気集塵機は、集塵極を洗浄する散水の飛沫や電気集塵機の電場を通過した排ガス中に含まれる微粒子を集塵機から大気中に排出されるのを有効に防止することができる優れた効果を有するものである。
以上は湿式電気集塵機の集塵につき説明したが、本考案は乾式電気集塵機における集塵極に付着したダストを鎚打による払い落としをしたときに飛散するダストに対する捕集にも適用できる。
本考案は、電気集塵機に適用可能である。
1 電気集塵機
10 衝突板
16 上部洗浄スプレー
17 活線スプレー
18 出口煙道
20 導電性板材

Claims (2)

  1. 電気集塵機の排ガス出口近傍に、排ガス出口側に凸の導電性板材からなる衝突板を配置し、
    前記衝突板は、導電性板材を排ガス出口側に凸となるようにチャンネル状に、山形に、半円状に、半楕円状に、あるいはへの字状に成形し、前記成形した導電性板材が複数枚で構成されており、
    前記衝突板は電気的に接地されている
    電気集塵機。
  2. 前記衝突板は、導電性板材が排ガス出口側に凸となるようにチャンネル状に、山形に、半円状に、半楕円状に、あるいはへの字状に成形され、該成形した導電性板材複数枚を千鳥状に配置した
    請求項1に記載の電気集塵機。
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