JP3172991U - 終端クランプ - Google Patents

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康次 青木
義憲 勝
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シーキューブ株式会社
株式会社三代川製作所
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Abstract

【課題】作業者の技量によって連結状態にバラツキが生じない連結が可能で、点検の際に確認が容易になる終端クランプを提供する。
【解決手段】支持線の長手方向に沿った両側面を挟み付ける一対の挟着体10を設ける。一方の挟着体10上端に設けられハンガ部材の端部側面を係止する左右一対の係止部14を設ける。他方の挟着体10上端に設けられ係止部14に係止されたハンガ部材の側面を押圧固定する圧着体16を設ける。左右の係止部14の間に挿入する位置決め突起13を圧着体16に設ける。
【選択図】図2

Description

本考案は、電柱間に張った電力線や架空通信線を一束化するコサインカーブハンガやスパイラルハンガの端部を、自己支持型架空ケーブル等に固定する際に使用する終端クランプに係り、特に、自己支持型架空ケーブルの支持線を分離せずに固定することができる終端クランプに関する。
電話線や電力線等のケーブル線を支持するときに使用されるコサインカーブハンガ(CCH)やスパイラルハンガ(SH)等のハンガ部材を、自己支持型架空ケーブル(SSケーブル)の支持線部に固定する場合、図5に示す如く、自己支持型架空ケーブルを構成するケーブルRと支持線Qとを分離し、ハンガ部材Pの端部を支持線Qに沿ってクランプ100で固定する。この自己支持型架空ケーブルとは、ケーブルRと支持線Qとが予め一体化するように構成されたケーブルである。
この際、支持線Qに固定したクランプ100がケーブルRに接触するので、このケーブルRの損傷を防止するために、ケーブルRの表面をスパイラルスリーブ200で保護し、このスパイラルスリーブ200の両端部をPVCテープ300で固定する作業が必要になる。更に、分離したケーブルRと支持線Qとをしばり紐400で再び固定するほう縛作業も行われる。このように、自己支持型架空ケーブルに、ハンガ部材の端部を固定する工事には極めて多くの作業が伴うものになっていた。
一方、特許文献1に、スパイラルハンガを支持線に固定するスパイラルハンガ固定金具が提案されている。この固定金具によると、ボルトからなる本体軸と、この本体軸で重合する二枚の挟持板を設けたものである。そして、支持線とスパイラルハンガとが交差する位置において、二枚の挟持板の間に支持線とスパイラルハンガとを挟み込み、本体軸を締付けることにより、二枚の挟持板によって支持線とスパイラルハンガとを挟持するというものである。
特許文献1に記載のスパイラルハンガ固定金具によると、支持線とスパイラルハンガとの交差部分を2枚の挟持板で挟着固定するものであるから、自己支持型架空ケーブルにスパイラルハンガ等を固定するには、ケーブル部から支持線部を切り離し、この切り離した支持線部にスパイラルハンガを交差させた状態で挟着固定する作業することになる。したがって、特許文献1の固定金具を使用しても、自己支持型架空ケーブルにスパイラルハンガ等を固定する場合は、図5で示す構成のごとく多くの作業が伴うことになる。
また、この固定金具の二枚の挟持板には、その対向面に支持線が配置される溝部と、スパイラルハンガの延在方向に沿って設けられたハンガ溝部とを備えることで、これら交差部の収まりを良好にしようとしている。ところが、現在の工事では、スパイラルハンガのほかに、コサインカーブハンガと称するハンガ部材も使用されている。
このコサインカーブハンガとは、ケーブルの横から着脱を可能にしたハンガ部材で、既存の螺旋状のハンガ部材とは異なり、S撚り部やZ撚り部と称する方向が異なった撚り部を有するハンガ部材である。そのため、特許文献1の固定金具に設けられたハンガ溝部にコサインカーブハンガの端部を固定しようとしても、位置によって方向が異なるS撚り部やZ撚り部にハンガ溝部が対応することはできない。
そこで、当考案者は、先に、コサインカーブハンガの撚り部の方向に対応して固定することができる終端クランプを提案している(特許文献2)。この終端クランプでは、コサインカーブハンガ等のハンガ部材を係止する係止部500と、ハンガ部材Pの端部側面を圧着する圧着体600とを備えたもので、ハンガ部材端部Pの撚り方向に沿って挟着することができる構造になっている。この結果、螺旋状のスパイラルハンガは勿論、S撚り部やZ撚り部と称する方向が異なった撚り部を有するコサインカーブハンガでも端部の撚り方向に対応して挟着することが可能になっている。
特開2000−139011号公報 実用新案登録第3168530号公報
ところが、特許文献2の終端クランプには、次のような課題があった。すなわち、係止部500と圧着体600との間にハンガ部材Pを挟着すると、係止部が端部の撚り方向に対応して挟着するので、スパイラルハンガやコサインカーブハンガを挟着で切る構造になっている。そのため、係止部500の位置に各種の撚り方向に対応する自由度がある。ところが、この自由度があるために、ハンガ挟着時に係止部500の位置が、圧着体600の位置に対して左右にずれる状態になる(図4参照)。このとき、作業者の技量によって連結状態にバラツキが生じる虞があり、圧着体600の位置に対して係止部500の位置がねじれた位置で連結される虞があった(図5参照)。このようなねじれが生じると、ハンガの締め付け作業が困難になるばかりか、点検の際に、正常な締め付けが行われているかどうかの確認が困難になるといった不都合が生じていた。
そこで、本考案は上述の課題を解消すべく案出されたもので、作業者の技量によって連結状態にバラツキが生じない連結が可能で、しかも、点検の際に、正常な締め付けが行われているかどうかの確認が容易になる終端クランプの提供を目的とするものである。
上述の目的を達成すべく本考案の第1の手段は、支持線Qの長手方向に沿った両側面を挟み付ける一対の挟着体10と、該挟着体10の中央部を貫通して挟着体10相互を緊締する固定ネジ体20とで構成され、各挟着体10の下端部に支持線Qの側面に沿って支持線Qを抱持する抱持部11を設け、各挟着体10の上端部に、コサインカーブハンガ及びスパイラルハンガを含んだ各種ハンガ部材Pの端部側面を挟着する挟着構造12を設けた終端クランプであって、
該挟着構造12は、一方の挟着体10上端に設けられハンガ部材Pの端部側面を係止する左右一対の係止部14と、他方の挟着体10上端に設けられ係止部14に係止されたハンガ部材Pの端部側面を押圧固定する圧着体16とで構成され、
一方の挟着体10の係止部14の間に挿入する位置決め突起13を他方の挟着体10に設け、係止部14に係止したハンガ部材Pの端部側面を圧着体16が挟着するときに、係止部14の間に位置決め突起13が挿入するように構成したことにある。
第2の手段は、前記係止部14の各上端部から前記圧着体16方向に屈曲延長される間隔保持部15が設けられ、前記圧着体16の前記位置決め突起13は、該間隔保持部15の間に挿入するように設けられたものである。
本考案の請求項1に記載のごとく、一方の挟着体10の係止部14の間に挿入する位置決め突起13を他方の挟着体10に設け、係止部14に係止したハンガ部材Pの端部側面を圧着体16が挟着するときに、係止部14の間に位置決め突起13が挿入するように構成したことにより、ハンガ挟着時に位置決め突起13が係止部14の位置を決めるガイドになる。この結果、係止部14の位置が、圧着体の位置に対して左右にずれるといった不都合は解消された。しかも、点検の際に、正常な締め付けが行われているかどうかの確認も容易になる。
請求項2のごとく、係止部14の各上端部から前記圧着体16方向に屈曲延長される間隔保持部15が設けられ、前記圧着体16の前記位置決め突起13は、該間隔保持部15の間に挿入するように設けられたものであるから、位置決め突起13は、間隔保持部15によって常に係止部14相互間に保持されるので、作業者の技量によってバラツキが生じるといった不都合も解消され、常に安定した状態で連結することができるものである。
本考案の使用状態を示す正面図である。 本考案の一実施例を示す分解斜視図である。 本考案の使用状態を示す平面図である。 従来の使用状態を示す平面図である。 従来の使用状態を示す正面図である。 従来の固定例を示す斜視図である。
本考案によると、作業者の技量によって連結状態にバラツキが生じない連結が可能で、しかも、点検の際に、正常な締め付けが行われているかどうかの確認が容易になる終端クランプを提供することに成功したものである。
以下、本考案を図示例に基づいて説明する。本考案の基本構成は、挟着体10と固定ネジ体20とで構成されている(図2参照)。挟着体10は、支持線Qの長手方向に沿った両側面を挟み付ける一対の部材であり、固定ネジ体20は、該挟着体10の中央部に形成した挿通孔17を貫通して挟着体10相互を緊締するボルト21とナット22で構成された部材である。
各挟着体10の下端部に、支持線の側面に沿って支持線を抱持する抱持部11を設けている。この抱持部11は、自己支持型架空ケーブルに固定する場合に、ケーブルRの上面に予め一体化されている支持線Qの側面を抱持して挟着するように構成している(図1参照)。このため、従来のように、自己支持型架空ケーブルの支持線QとケーブルRとを分離する必要がなく、支持線Qに直接取り付けることができる。
各挟着体10の上端部には、ハンガ部材Pの端部を挟着する挟着構造12を設けている。この挟着構造12は、更に、一方の挟着体10上端に設けられた左右一対の係止部14と、他方の挟着体10上端に設けられた圧着体16とで構成するものである。
すなわち、一方の挟着体10上端に一対の係止部14が設けられており、螺旋状のスパイラルハンガや、S撚り部やZ撚り部と称する方向が異なった撚り部を有するコサインカーブハンガの端部側面を係止部14のいずれかを選択して係止するものである。
他方の挟着体10上端に設けられた圧着体16は、係止部14に係止したハンガ部材Pの端部側面を押圧固定する部材である。この他方の挟着体10には、左右の係止部14の間に挿入する位置決め突起13も設けられている(図2参照)。そして、圧着体16がハンガ部材Pの端部側面を押圧してハンガ部材Pを挟着するときに、左右の係止部14の間に位置決め突起13が挿入するように設けている。
図示例の位置決め突起13は、圧着体16の上面に設けているが、位置決め突起13の位置は図示例に限られるものではなく、係止部14に係止したハンガ部材Pの端部側面を圧着体16が挟着するときに、係止部14の間に位置決め突起13が挿入する位置であればよい。
また、位置決め突起13は、係止部14の上端部に設けられた当接部15の間に挿入するように設けている。この間隔保持部15は、係止部14の各上端部から圧着体16方向に屈曲延長された部材で、圧着体16の位置決め突起13は、この間隔保持部15の間に挿入するように設けられたものである(図3参照)。このとき、ハンガ部材Pに当接する圧着体16にハンガ部材Pの側面に沿った凹部16Aを形成することで、圧着体16の圧着力をハンガ部材Pに確実に伝えることができる(図2参照)。
尚、本考案における位置決め突起13や位置決め突起13、あるいは間隔保持部15や圧着体16等の形状や構成は図示例に限られるものではない。また、図示例では各部材をダイキャストにより形成された状態を示しているが、この形状に限られるものではなく、鍛造により各部材を形成することも可能である。したがって、製造手段により各部材の形状に変更が生じるとしても、本考案の要旨を変更しない範囲の設計変更は自由である。
本考案において、自己支持型架空ケーブルの支持線Qに、スパイラルハンガや、コサインカーブハンガ等のハンガ部材Pを固定する例として説明しているが、このほか、単独の支持線Qに取り付けることができることは勿論、ハンガ部材Pの種類もこの例に限られるものではない。
P ハンガ部材
Q 支持線
R ケーブル
10 挟着体
11 抱持部
12 挟着構造
13 位置決め突起
14 係止部
15 間隔保持部
16 圧着体
16A 凹部
17 挿通孔
20 固定ネジ体
21 ボルト
22 ナット
100 クランプ
200 スパイラルスリーブ
300 PVCテープ
400 しばり紐
500 係止部
600 圧着体

Claims (2)

  1. 支持線の長手方向に沿った両側面を挟み付ける一対の挟着体と、該挟着体の中央部を貫通して挟着体相互を緊締する固定ネジ体とで構成され、各挟着体の下端部に支持線の側面に沿って支持線を抱持する抱持部を設け、各挟着体の上端部に、コサインカーブハンガ及びスパイラルハンガを含んだ各種ハンガ部材の端部側面を挟着する挟着構造を設けた終端クランプであって、
    該挟着構造は、一方の挟着体上端に設けられハンガ部材の端部側面を係止する左右一対の係止部と、他方の挟着体上端に設けられ係止部に係止されたハンガ部材の端部側面を押圧固定する圧着体とで構成され、
    一方の挟着体の係止部の間に挿入する位置決め突起を他方の挟着体に設け、係止部に係止したハンガ部材の端部側面を圧着体が挟着するときに、係止部の間に位置決め突起が挿入するように構成したことを特徴とする終端クランプ。
  2. 前記係止部の各上端部から前記圧着体方向に屈曲延長される間隔保持部が設けられ、前記圧着体の前記位置決め突起は、該間隔保持部の間に挿入するように設けられた請求項1記載の終端クランプ。
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