JP3172861B2 - 精米機における横型精穀装置 - Google Patents

精米機における横型精穀装置

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JP3172861B2 JP22841496A JP22841496A JP3172861B2 JP 3172861 B2 JP3172861 B2 JP 3172861B2 JP 22841496 A JP22841496 A JP 22841496A JP 22841496 A JP22841496 A JP 22841496A JP 3172861 B2 JP3172861 B2 JP 3172861B2
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正道 池田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所謂精米機の心臓
部であって、玄米を白米にする搗精(精米)機能を果た
す精穀装置に関し、特に各部が水平状に配置される横型
精穀装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】玄米を白米にするための精米機は、米穀
専門販売店が使用する大型のものから、家庭において使
用する小型のものまで、種々なものが既に提案されてき
ている。中でも、小型の精米機では、その心臓部である
精穀装置を水平状に配置して、剥離された米糠を自然落
下を利用して分離することにより、大型機におけるブロ
ア等の強制吸引・分離装置を要しないものとすることが
できることから、数多くの提案がなされてきている。
【0003】このような小型の精米機において採用され
ている精穀装置は、例えば実公平1−9627号公報に
て説明されているような基本構造を備えているものであ
る。すなわち、この種の精穀装置は、上記公報中に使用
されている符号をそのまま使用して説明すると、図9及
び図10に示すように、「玄米タンク1の受け口と送り
ロール室3への流入口4との間にはシャッター5が開閉
可能に設けられており、6はシャッター5の操作ハンド
ルである。送りロール室3は精米機本体後部7と一体の
外筒8に円筒9を嵌めて構成され、外筒8の内周面には
円筒9が掛かる段部10を設け、送りロール室3に続く
除糠筒11に対する円筒9の接合が保持されている。円
筒9は、その内周面に軸線に沿って複数条の溝14を設
け、内周面の端部に内径が拡大する方向に斜面15を形
成し、そして全体を鋳物で成形してある。次に除糠筒1
1は、六角形の筒網18を外枠で保持したもので、筒網
18の入口側端に円筒9の出口側端を合致させてある。
26は精白ロールであって、送りロール12に同回転す
るように連結されている。除糠筒11の出口端には排出
板19が固着され、排出板19に設けられている排出口
20には抵抗蓋21が当てられ、バネ22の弾発力でそ
の出口20に附勢されている。その弾発力はハンドル2
3によって調節できるようになっており、24はその調
節カム、25はバネ22弾発力を伝達する連杵である。
上記構成の精米機を使用して精米するときは、玄米タン
ク1に玄米を投入して精米機を作動させシャッター5を
開いて玄米を送りロール室3に供給する。そうすると送
りロール12の螺旋突条27の回転によって玄米がロー
ル室3の中を円筒9の内周面に沿って回動し、その面と
の擦り合いと、溝14との絡みとによって非常に激しく
揉まれ、表面の糠が削り取られながら除糠筒11に圧送
される。そして除糠筒11では精白ロール26の羽根2
9で激しく撹伴されて網目から糠が煽り出され、除糠さ
れた白米が排出口20より抵抗蓋21の押圧力に抗して
吐出される」ものとしたものである。
【0004】特に、上記実公平1−9627号公報に示
されている「横型精米機」は、砕米の発生率の改善に着
目してなされたもので、「玄米タンクの下の送りロール
室が円筒で構成され、円筒の前端に除糠筒が直列に接続
された横型精米機において、上記円筒の内周面に複数条
の溝を前後方向に設けると共に、円筒の前端部内周には
その前端口を徐々に拡大させる斜面を設け、この斜面の
部分では上記溝の前端部が少しずつ無くなるように溝を
徐々に巾狭く且浅く形成したことを特徴とする横型精米
機」という構成を有するものであるが、この種の精米機
において要求されることは、「砕米の発生率」だけでは
ない。
【0005】すなわち、この種の小型あるいは中型の精
米機は、米の販売自由化に伴って、最近は家庭は勿論、
他の商品も一緒に陳列されているスーパーやコンビニエ
ンスストアにおいても使用可能なように構成されている
ことが要求され、殊にスーパーやコンビニエンスストア
において使用されるときには、まずこの種の精米機から
粉塵や騒音が生じるようなことがあってはならない。ス
ーパーやコンビニエンスストアにおいては、お米を買わ
ない人も来ているのであり、この人達に精米による騒音
公害を被らせることになるのは都合が悪いからである。
【0006】また、この種の小型または中型の精米機
は、これが家庭においてであれ、スーパーやコンビニエ
ンスストアにおいてであれ、精米作業中の発熱により白
米に変質を起こさせるようであってはならない。精米作
業をすれば摩擦による熱の発生は避けられないのである
が、熱の発生が余り多いと、白米自体を加熱することに
なり、その味を低下させてしまうから、熱の発生による
高温化はできるだけ少なくなるようにしなければならな
い。
【0007】特に、図9及び図10に示した一般的な構
成を有する横型精米機においては、図11として示した
特開平3−178344号公報の第3図中のグラフPに
て示されているように、送りロール5の終端近傍で最も
搗精圧力が高くなり、この圧力の高い状態が精米ロール
4の出口側に向けてなだらかに緩和されるため、精米ロ
ール4による熱の発生を余り抑制できないのである。熱
の発生が十分抑えられないということは、騒音も相当あ
るということをも示している。なお、この説明及び図1
1にても、上記特開平3−178344号公報において
使用されている符号をそのまま使用している。
【0008】以上の従来技術に係る精米機において、熱
や騒音が何故発生するかを、本発明者等が種々検討して
みたところ、どうやら、次の点に原因があると考えられ
る。15cm〜20cmという比較的短い精米ロール
(図9では符号26で、図11では符号4で示されてい
るもの)上で米糠の剥離と白米の磨きという搗精作用に
よる精米を完成しなければならない必要性があること。
この短い精米ロール上で精米を行うためには、精米ロ
ール上の除糠突条(図9及び図10では符号29で、図
11では符号8で示されているもの)を精米ロールの全
長にわたって傾斜させておき、精米ロール上にある玄米
または白米に、常に送りロールとは逆の方向の戻し力を
与えて強い摩擦力が加わるようにしている点精米ロー
ルの外側に位置する除糠筒(図10では符号18で、図
11では符号1で示されているもの)に形成してある各
除糠長穴(図11では符号2及び3に示されているも
の)の全てを、で述べた除糠突条と交差状態に傾斜さ
せて搗精圧力が大きくなるように構成してある点
【0009】換言すれば、玄米は、精米ロール上に送り
込まれた時点でその殆どが米糠の剥離が行われているも
のであり、例えば精米ロールの出口側端部に近い部分お
いてはほとんどが白米化されていて、玄米の搗精(精
米)作用における米糠の剥離作用を行う必要性は殆どな
いことに気付いたのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の横型
精穀装置における実状に鑑みてなされたもので、その解
決しようとする課題は、横型精穀装置における発熱によ
る白米の高温化や騒音の発生の抑制である。
【0011】すなわち、本発明の目的とするところは、
精米を行う従来の横型精穀装置の基本構造の長所を生か
しながら、その各部の構成をより具体的に改良すること
によって、精米時における熱の発生を抑制して白米の品
質を変えることなく本来のおいしさを維持することがで
き、しかもスーパーやコンビニエンスストアに設置した
としても、大きな騒音を発生させることがなく、かつ粉
塵等の発生をも防止できて、精米中に無関係な他の顧客
に迷惑をかけないものとすることのできる、精米機のた
めの精穀装置を簡単な構成によって提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
に、本発明の採った手段は、以下に述べる実施の形態
説明中において使用する符号を付して説明すると、「玄
米ホッパ10の下端開口11に連通する水平送りロール
室20と、この水平送りロール室20内に収納した送り
ロール21と、水平送りロール室20の出口側端に連設
した除糠筒30と、この除糠筒30内に収納されて送り
ロール21の前端に水平状に連結した精米ロール40
と、除糠筒30の出口側端に配置した圧力調整器50と
を備えた横型精穀装置100において、精米ロールの表
面40に、送りロール21との連結端側から当該精米ロ
ール40の約1/3〜1/5程度の長さを有し、かつ精
米ロール40の軸線に対して送りロール21とは逆方向
に30゜〜45゜程度で傾斜する第1精米突条41と、
この第1精米突条41に連続するようにその先端近傍か
ら始まって精米ロール40の軸線と略平行な第2精米突
条42とを設け、 さらに、除糠筒30の断面形状を正六
角形にするとともに、その各側面の水平送りロール室2
0側の約2/3部分に、当該除糠筒30の軸線に対して
傾斜する第1除糠長穴31を形成し、各側面の残り約1
/3部分に、当該除糠筒30の軸線と平行な第2除糠長
穴32を形成したことを特徴とする横型精穀装置10
0」である。
【0013】すなわち、この精穀装置100では、図9
あるいは図11に示したような従来の横型精穀装置の基
本的構成を採用しながらその長所を生かすとともに、特
に精米時の熱や騒音の発生を、精米ロール40上の突条
にあるととらえて、これらの第1精米突条41及び第2
精米突条42を上記のように構成したことを特徴とする
ものである。
【0014】以上のように構成したことにより、この精
穀装置100では、次のような状態で精米がなされる。
玄米ホッパ10内に玄米を投入して精米機200の駆動
モータ210により精穀装置100を駆動させれば、玄
米は、水平送りロール室20内に落下していき、この水
平送りロール室20内にて回転軸60と一体的に回転し
ている送りロール21上の送り突条22によって、除糠
筒30とその中に収納してある精米ロール40との間に
強制的に送り込まれる。このとき、水平送りロール室2
0内の送りロール21は、図5及び図8の(ロ)に示す
ように、その送り突条22が水平送りロール室20を構
成している筒内面に近接した状態にしてあるため、玄米
の送りを行うのみで精米は行っていない。つまり、この
送りロール21では、熱や騒音の発生は殆どない。
【0015】この送りロール21の出口側端には、その
係合凹部23にて精米ロール40の係合凸部43が係合
させてあって、両者は回転軸60と同一軸円上で一体と
なるよう組付けてあるから、送りロール21の回転とと
もに精米ロール40も回転している。依って、送りロー
ル21によって精米ロール40側に送り込まれた玄米
は、図5に示すように、送りロール21上の送り突条2
2の前端部と、精米ロール40上の第1精米突条41と
によって囲まれながら除糠筒30の内側にて回転移動す
ることになる。
【0016】この精米ロール40上の第1精米突条41
は、図5にも示したように、精米ロール40の軸線に対
して30°〜45°程度の角度で送りロール21の突条
22の向きとは逆に傾斜させたものであるから、玄米の
回転移動方向に関して、第1精米突条41と送りロール
21上の送り突条22との間に、環状のあい路44が形
成されていて、より多くの玄米を受け取る状態になって
いるのである。そして、このあい路44の周囲には除糠
筒30の一部が常に存在していることになるから、玄米
には、送りロール21の送り突条22による送り力と精
米ロール40の第一精米突条41による送り力とは逆の
戻し力が作用することになり、このあい路44にてその
米糠を剥離するための最大の搗精力が加わることにな
り、このあい路44近傍で精米の殆どがなされるのであ
る。
【0017】何故なら、このあい路44の外側に位置し
ている除糠筒30には、図7に示したように多数の第1
除糠長穴31が形成してあるから、この第1除糠長穴3
1上に対して、送り突条22と第1精米突条41との送
り・戻し作用により、玄米が隅々に送られ、圧接されな
がら通過していくことにより、玄米が回転させられ、玄
米同志が互いに擦り合うことによって、玄米表面の米糠
が相互に剥離されるからである。勿論、当該第1精米突
条41近傍の玄米には前述したような力が加わっている
ため、当該第1精米突条41の傾斜方向と対向する方向
に各第1除糠長穴31が明けられているので、精米作用
をしっかり発揮するのである。そして、各第1精米突条
41は、精米ロール40全長の1/3〜1/5程度の短
いものとしてあるから、各第1精米突条41による精米
作業時間も、図9や図11に示した従来のもののような
精米ロール40の全長にわたって形成したものに比較す
れば、短いものとなっており、いたずらに戻し力を発生
させて精米作業を長びかせたり、精米作用による過度な
熱の発生は勿論、騒音の発生も抑えられているのであ
る。
【0018】なお、以下の実施形態に係る精穀装置10
0では、第1精米突条41を2本としており、環状のあ
い路44から抜け出た玄米または白米の一部を次の第1
精米突条41にて再度受け取るようにしている。勿論、
第1精米突条41が1本であってもこれは回転している
のであるから、玄米または白米は、第1精米突条41か
ら図示左方へ移動しない限り再度受け止められないので
あるが、その受け止め回数は余り少ないと精米は十分行
えないし、また図10にて示した従来のもののように、
3本以上あっても玄米等を過度に撹伴することになって
割れ米を生じさせるだけとなる。結局、2本の第1精米
突条41を有した精米ロール40とするのが、この種の
中型の精米機200において採用する精穀装置100と
しては最適のようである。
【0019】さて、各第1精米突条41の出口側(図示
左側)には、その近傍から連続的に始まり精米ロール4
0の軸線と平行な第2精米突条42が存在している。す
なわち、この第2精米突条42は、前述した第1精米突
条41のように玄米に対して戻し力を付与するために形
成したものではないから、当該第2精米突条42上に押
し出されてきた白米等を、当該精米ロール40の回転力
によって除糠筒30内にて単に回転させるだけのものと
なっている。従って、この第2精米突条42上において
は、第1精米突条41上におけるような積極的な搗精力
が加えられることがないのであり、熱や騒音の発生も少
ないのである。
【0020】以上のように、これら各第2精米突条42
は、積極的な精米作業を行わないのであるが、白米等を
除糠筒30内にて回転させることにより、次の2つの重
要な作用を発揮することになる。すなわち、まず第1に
は、僅かに残っている米糠の完全除去を行なうことであ
る。この第2精米突条42上にきている白米等の表面に
は米糠が残存していることがあるが、これらの残存米糠
は、精米ロール40の2/3〜4/5程度の長さを有す
る第2精米突条42によって除糠筒30内にて回転され
ることにより、除糠筒30の各第1除糠長穴31または
第2除糠長穴32により相互に擦り合わされて剥離され
ることになるのである。
【0021】第2には、白米とされたものの「つや出
し」を行うことである。つまり、米糠が除去された白米
は、当該第2精米突条42によって回転しながら圧力調
整器50から押し出されるまでの間に互いにこすり合わ
されることになるため、これにより相互に磨きがかか
り、見た目に美しいつやを有したものとなるのである。
つやのある白米は、炊飯前の洗浄をそれ程強く行なう必
要がないものであり、ご飯としても味のよいものとなっ
て、スーパーやコンビニエンスストア等において当該精
米機200を利用する人にとっては重要なことである。
【0022】精米ロール40の出口側端には圧力調整器
50が配置してあるが、この圧力調整器50は、従来の
ものにおけるように、除糠筒30の開口を弾力的に覆蓋
して、当該除糠筒30内を送られてくる玄米または白米
にある程度の圧力を付与するものであり、前述した精米
作業やつや出し作業を確実にするものである。この圧力
調整器50による圧力は、その弾性力を変化させること
により自由に変えられることは、従来におけるそれと同
様である。
【0023】(削除)
【0024】(削除)
【0025】また、この精穀装置100では、精米時の
熱や騒音の発生原因を、除糠筒30上に形成してある各
除糠長穴にあるととらえて、これらの第1除糠長穴31
及び第2除糠長穴32を上記のように構成したものであ
る。そして、この精穀装置100においては、その精米
ロール40上に、前述した第1精米突条41及び第2精
米突条42を設けなければならないものではなく、図9
または図11に示した従来形式の精米ロールを採用して
も構わないのである。
【0026】(削除)
【0027】さて、各第1除糠長穴31は、図7に示す
ように、断面六角形に形成した除糠筒30の各側面に、
水平送りロール室20側、つまり図7の図示右側であっ
て、除糠筒30の約2/3部分に、当該除糠筒30の軸
線に対して傾斜するものとして形成してあるから、精米
ロール40の回転によって除糠筒30内を回転しながら
かつ出口方向へ搬送されている玄米に対して、長く存在
したものとなっている。
【0028】従って、各第1除糠長穴31は、玄米に対
し回転作用を与えると共に、玄米表面の米糠を剥離する
機能を比較的長い時間発揮することになり、しかもこれ
ら各第1除糠長穴31が除糠筒30の約2/3部分に形
成してあるから、玄米からの米糠の剥離、つまり精米を
確実に行なうのである。そして、第1除長穴31の傾斜
方向は、精米ロール40の第1精米突条41の傾斜方向
と逆にされ、玄米に対する引掛り回転付与作用が強く行
えるようになっている。このことは、図9等に示した従
来の精米機と逆である。
【0029】ところが、この精穀装置100において
は、その除糠筒30の前端側約1/3部分に、除糠筒3
0の軸線と平行な第2除糠長穴32が形成してあり、各
第2除糠長穴32に対しては、第1除糠長穴31側で白
米化された米粒が第2除糠長穴32の短軸方向にしか接
触しないので、回転付与作用は少なくされている。ま
た、各第2除糠長穴32の溝の幅は、玄米の幅の約1/
2以下としてあるから、これら各第2除糠長穴32は白
米に対して大きな抵抗となることはない。従って、各第
2除糠長穴32においては、白米に対して大きな摩擦力
が加えられることがないのであり、熱や騒音の発生は殆
どない。
【0030】各第2除糠長穴32が白米の粒に対する抵
抗となるのがゼロではないことは、次の重要な意味を有
する。つまり、これら各第2除糠長穴32の上流側での
第1除糠長穴31によって除糠された白米に対して、各
第2除糠長穴32による僅かな抵抗によって、当該白米
に対する「つや出し」がなされると共に、白米の砕米損
傷を防止することができるのである。白米につやがある
ことが、スーパーやコンビニエンスストア等において当
該精米機200を利用する人にとって重要なことは、前
述した通りである。
【0031】以上の通り、この精穀装置100は、そ
精米ロール40側または除糠筒30側において、熱や騒
音が発生するのを抑制できるため、これらの精穀装置1
00を適用した精米機200によって生成された白米の
品質を損なうことがなく、炊飯具合もよくて食べておい
しいものとなる。そして、この精米機200をスーパー
やコンビニエンスストア等に設置した際にも騒音が少な
いと共に、周囲の人に迷惑をかけることもないのであ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る精穀装置10
0を、図面に示した実施の形態について説明すると、次
の通りである。
【0033】この実施形態の精穀装置100は、その基
本構成については、図9あるいは図11に示した従来の
それと略同様なものであるが、この精穀装置100は、
スーパーやコンビニエンスストア等に設置されるのに適
した言わば中型の精米機200内に横置きにして組み込
まれるものである。また、この精穀装置100は、精米
機200内の上端部に配置した玄米ホッパ10の下端開
口11に接続されて、その圧力調整器50の前端側に配
置した白米シュート51、及びこれに連続させた取出口
52から、図1に示したように、白米を排出するように
したものである。
【0034】精米機200は、図1及び図2に示すよう
に、人がその前に立って作業を行なうのに適した大きさ
のものであり、その中段には、図2に示したように、精
穀装置100によって成生された米糠を自然落下により
受け止める米糠容器220が配置してある。この米糠容
器220の下段には、精穀装置100を構成している回
転軸60のプーリ61に掛装したベルト62を介して、
精穀装置100の稼働を行なうための駆動モータ210
が配置してあって、以上のことにより、当該米糠容器2
20の内部は、玄米ホッパ10が接続された精穀装置1
00と、これから出た米糠を収納する米糠容器220
と、精穀装置100の駆動を行なう駆動モータ210と
の言わば三層構造のものとしてあるのである。この精米
機200が三層構造のものであるということは、米糠容
器220の容積を十分大きなものとすることができるこ
とを意味しており、不特定多数の人が利用することにな
る、スーパーやコンビニエンスストア等に設置されるべ
き精米機200として重要な構造である。
【0035】この精米機200の上端に位置する玄米ホ
ッパ10の上面は、図1に示したようにカバー12によ
って覆蓋するようにしてあり、このカバー12を開ける
ことにより、スーパーやコンビニエンスストア等で玄米
を購入した消費者がこれをそのまま玄米ホッパ10内に
入れて、当該精米機200によって白米とし得るのであ
る。なお、本実施形態の精穀装置100では、このカバ
ー12を閉じないと、その精穀装置100を作動させる
ことができないようにしてある。
【0036】精穀装置100は、図2及び図3に示した
ように、玄米ホッパ10の下端開口11に連通する水平
送りロール室20と、この水平送りロール室20内に収
納した送りロール21と、水平送りロール室20の出口
側端に連設した除糠筒30と、この除糠筒30内に収納
されて送りロール21の一端に水平状に連結した精米ロ
ール40と、除糠筒30の出口側端に配置した圧力調整
器50とを備えたものであり、図9あるいは図11に示
した従来のそれと、その基本的構造を同じくしたもので
ある。
【0037】除糠筒30は、図4に示したように、断面
正六角形のものであり、この除糠筒30は、図3等に示
したように、玄米ホッパ10の下端開口11が接続され
ている水平送りロール室20の出口側端(図3では図示
左端)に、その軸線が水平方向となるように連結したも
のである。この除糠筒30内には、図4に示したように
回転軸60と一体化される精米ロール40が収納される
のである。
【0038】なお、水平送りロール室20内には、従来
のと同様な構成の送りロール21が収納してあり、この
送りロール21上の送り突条22によって、図8の
(ロ)に示したように、玄米ホッパ10から投入されて
きた玄米を、図4に示した除糠筒30と精米ロール40
とによって形成される室間内に送り込むようにしてあ
る。勿論、この送りロール21も回転軸60に一体化さ
れたものであり、送りロール21の出口側に形成した図
8の(イ)に示した係合凹部23と、精米ロール40側
の係合凸部43とを嵌合させることにより、図5に示し
たように、当該送りロール21は精米ロール40と一体
的に回転するものとしてある。
【0039】除糠筒30の各側面には、図7に示したよ
うに、第1除糠長穴31と第2除糠長穴32が形成して
ある。各第1除糠長穴31の除糠筒30の軸線に対する
傾斜角度は45°であり、その半径方向に対する長さは
約9.2mmであって、長穴の幅は約1.2mmであ
る。また、各第1除糠長穴31の形成密度は、除糠筒3
0の各側面に対して2列であり、図7の横方向の長さ約
90mmの間に21個となるようにしてある。
【0040】一方、各第2除糠長穴32は、長さが約1
4mmで、幅が1.2mmであり、各側面に沿って3列
となるようにしてある。また、各第2除糠長穴32間の
ピッチは、本実施形態の場合、約2.7mmとなるよう
にしてある。
【0041】以上の除糠筒30の内側になる精米ロール
40は、図5及び図6に示したように形成してある。こ
の精米ロール40は、図6にも示したように、回転軸6
0と一体化するために、係合凸部43を有する円筒状の
ものとして形成したものであるが、その表面には、図5
及び図6に示したように、それぞれ2本づつの第1精米
突条41及び第2精米突条42が一体的に形成してあ
る。なお、この精米ロール40と送りロール21とは、
その各突条41、42及び22の加工上別体に構成して
あり、また送りロール21と回転軸60についても、送
り突条22の加工上別々に構成されているが、加工上の
問題がなければ、これらを一体化してもよい。
【0042】精米ロール40上の各第1精米突条41
は、図5にも示したように、精米ロール40の軸線に対
して、送りロール21の送り突条22の傾斜方向と逆に
傾斜させたものであり、更に、第1精米突条41の右端
と、送りロール21上の送り突条22の出口側端との間
に環状のあい路44を形成するものである。なお、本実
施形態の第1精米突条41では、図5の上側に示した第
1精米突条41の端部で示したように、約45゜の角度
で傾斜する端部を有したものとしてあり、あい路44を
極端に狭くすることがないようにしている。本実施形態
のlは、長さが約100mmの精米ロール40に対して
約15mmの長さ(軸線長さ)のものとしてあるが、3
0mm程度の長さのものとして実施しても構わない。
【0043】一方、精米ロール40上の各第2精米突条
42は、図5に示したように、精米ロール40の軸線と
平行となるものであり、本実施形態では長さ100mm
の精米ロール40に対して約70mmのものとしてあ
る。また、第2精米突条42は、図6の(イ)に示した
ように、断面が台形となる形状のものとしてあるが、精
米ロール40上に垂直面を有する四角形のものとして実
施してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、上
記実施形態において例示した如く、「玄米ホッパ10の
下端開口11に連通する水平送りロール室20と、この
水平送りロール室20内に収納した送りロール21と、
水平送りロール室20の出口側端に連設した除糠筒30
と、この除糠筒30内に収納されて送りロール21の一
端に水平状に連結した精米ロール40と、除糠筒30の
出口側端に配置した圧力調整器50とを備えた横型精穀
装置100において、精米ロールの表面40に、送りロ
ール21との連結端側から当該精米ロール40の約1/
3〜1/5程度の長さを有し、かつ精米ロール40の軸
線に対して送りロール21とは逆方向30゜〜45゜程
度で傾斜する第1精米突条41と、この第1精米突条4
1に連続するようにその先端近傍から始まって精米ロー
ル40の軸線と略平行な第2精米突条42とを設け、
らに、除糠筒30の断面形状を正六角形にするととも
に、その各側面の水平送りロール室20側の約2/3部
分に、当該除糠筒30の軸線に対して傾斜する第1除糠
長穴31を形成し、各側面の残り約1/3部分に、当該
除糠筒30の軸線と平行な第2除糠長穴32を形成した
たこと」にその構成上の特徴があり、これにより、精米
を行う従来の横型精穀装置の基本構造の長所を生かしな
がら、精米時における熱の過度な発生を抑制して白米の
変質を防ぎ、本来のおいしさを維持することができ、し
かもスーパーやコンビニエンスストアに設置したとして
も、大きな騒音を発生させなくて、精米中に無関係な他
の顧客に迷惑をかけないものとすることができるのであ
る。
【0045】(削除)
【0046】(削除)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精穀装置を適用した精米機の斜視図で
ある。
【図2】同精米機の側面カバーを外したときの側面図で
ある。
【図3】本発明の精穀装置の拡大側面図である。
【図4】同精穀装置の圧力調整器を外したときの正面図
である。
【図5】本発明の除糠筒内の精米ロール及びこれが連結
される送りロールの拡大側面図である。
【図6】同精米ロールの背面図(イ)と正面図(ロ)で
ある。
【図7】同除糠筒の拡大側面図である。
【図8】送りロールを示すもので、(イ)は正面図、
(ロ)は図5中の1−1線部の部分拡大断面図である。
【図9】従来の精穀装置の縦断側面図である。
【図10】図9に示した精穀装置の縦断正面図である。
【図11】従来の他の精穀装置の部分破断側面図であ
る。
【符号の説明】 100 精穀装置 10 玄米ホッパ 11 下端開口 20 水平送りロール室 21 送りロール 22 送り突条 23 係合凹部 30 除糠筒 31 第1除糠長穴 32 第2除糠長穴 40 精米ロール 41 第1精米突条 42 第2精米突条 43 係合凸部 44 あい路 50 圧力調整器 51 白米シュート 52 取出口 60 回転軸 61 プーリ 62 ベルト 200 精米機 210 駆動モータ 220 米糠容器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】玄米ホッパの下端開口に連通する水平送り
    ロール室と、この水平送りロール室内に収納した送りロ
    ールと、前記水平送りロール室の出口側端に連設した除
    糠筒と、この除糠筒内に収納されて前記送りロールの一
    端に水平状に連結した精米ロールと、前記除糠筒の出口
    側端に配置した圧力調整器とを備えた横型精穀装置にお
    いて、 前記精米ロールの表面に、前記送りロールとの連結端側
    から当該精米ロールの約1/3〜1/5程度の長さを有
    し、かつ前記精米ロールの軸線に対して送りロールとは
    逆方向に30°〜45°程度で傾斜する第1精米突条
    と、この第1精米突条に連なるようにその先端近傍から
    始まって前記精米ロールの軸線と略平行な第2精米突条
    とを設け、 さらに、前 記除糠筒の断面形状を正六角形にするととも
    に、その各側面の前記水平送りロール室側の約2/3部
    分に、当該除糠筒の軸線に対して傾斜する第1除糠長穴
    を形成し、各側面の残り約1/3部分に、当該除糠筒の
    軸線と平行な第2除糠長穴を形成したことを特徴とする
    横型精穀装置。
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