JP3172781U - 水車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの低減及び採算性の高いFRP製水車システムを提供する。
【解決手段】水車41は、内側面において外縁から軸心に向けて延設する凹溝42が円周方向に間隔を空け複数形成された一対の輪板43と、両側に取付フランジ44が一体に成形され、取付フランジ44が凹溝42の溝内面に取り付けられることにより輪板43間に固定される水受けバケット45とを備える。輪板43および水受けバケット45はFRP製からなる。また、FRP製の水車とこの水車を軸支するFRP製のフレームとを備えた水車装置として、フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成される。
【選択図】図1
【解決手段】水車41は、内側面において外縁から軸心に向けて延設する凹溝42が円周方向に間隔を空け複数形成された一対の輪板43と、両側に取付フランジ44が一体に成形され、取付フランジ44が凹溝42の溝内面に取り付けられることにより輪板43間に固定される水受けバケット45とを備える。輪板43および水受けバケット45はFRP製からなる。また、FRP製の水車とこの水車を軸支するFRP製のフレームとを備えた水車装置として、フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成される。
【選択図】図1
Description
本考案は、水車および水車装置に関する。
FRPの成形品からなる河川設置用の水車の従来構造として特許文献1に記載のものが挙げられる。同文献の図1および図2には、小径の胴体を有する本体と、円形側板と、多数の羽根とを組み付けて水車を構成する技術が記載されている。
特許文献1の技術では、水車を本体と円形側板と多数の羽根とから分割構成しており、多数の羽根を胴体に組み付ける工程を要することから製造コストが嵩みやすいという問題がある。特許文献1の図3および図4には羽根を一体に形成した実施例が記載されているものの、小径の胴体を有する本体と円形側板とを有する構造、つまり形状の異なる2つの部材を有する構造のため、金型も2種類用意しなければならず、その分、製造コストがかかるという問題がある。
本考案は以上のような課題を解決するために創作されたものであり、製造コストの低減が可能な水車および水路の確保が容易な水車装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本考案の水車は、内側面において外縁から軸心に向けて延設する凹溝が円周方向に間隔を空け複数形成された一対の輪板と、両側に取付フランジが一体に成形され、該取付フランジが前記凹溝の溝内面に取り付けられることにより輪板間に固定される水受けバケットと、を備えることを特徴とする。
当該水車によれば、製造コストを低減することが可能となる。
また、本考案の水車装置は、前記水車と、前記水車を軸支するFRP製のフレームと、を備えたことを特徴とする。
また、前記フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成されていることを特徴とする。
さらに、前記フレームには前記水車の上部に配される漏斗が固定され、前記フレームの上部から落下した水が前記漏斗を介して前記水車に供給されることを特徴とする。
また、前記フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成されていることを特徴とする。
さらに、前記フレームには前記水車の上部に配される漏斗が固定され、前記フレームの上部から落下した水が前記漏斗を介して前記水車に供給されることを特徴とする。
以上の水車装置によれば、水路の確保が容易で大きな電力を得ることが可能な水車装置となる。
以上の水車装置は、その前施設として水流定量装置を備えるものとすれば、水流の確保およびロス無く、容易に大きな電力を得ることが可能な採算性の高い水車装置となる。水流定量装置としては定量フローティングスキマーから構成することが経済性の点から有利である。
本考案によれば、製造コストの低減が可能な水車および水路の確保が容易な水車装置となる。
図1、図2に示すように、水車41は、内側面において外縁から軸心に向けて延設する凹溝42が円周方向に間隔を空け複数形成された一対の輪板43と、両側に取付フランジ44が一体に成形され、この取付フランジ44が凹溝42の溝内面に取り付けられることにより輪板43間に固定される水受けバケット45とを備える。
輪板43はFRP製であり、ガラスマットを含む樹脂の他、炭素繊維を含んだ樹脂でも製作可能である。輪板43は例えばFRPの吹き付け工法により製作される。図5(a)において、円形の成形型52の縁部には、複数の成形凸部材(以降、モタイという)53が放射状に取り付けられる。モタイ53は、FRPの抜きテーパが形成された断面台形の長尺部材であり、図示しないボルト等により成形型52に着脱自在に取り付けられる。図5(a)に示すように成形型52にFRPを吹き付けて輪板43を成形し、輪板43が固化したら図5(b)に示すように成形型52から離型する。その後、モタイ53によって形成された凹部の外側にかかるようにして輪板43の全周縁をカットする。これにより、輪板43の周縁において開口した凹溝42が形成される。
このように、凹溝42の形成として使用するモタイ53を成形型52に着脱自在に取り付ける構造とすれば、径の異なる輪板43を製作する場合、各輪板43に合わせて径方向のモタイ53の取付位置を変更するのみで対応できる。つまり1つの成形型52をそのまま利用できるため、成形型52のコストを抑えることができる。
水受けバケット45も例えばFRPにより成形されている。水受けバケット45は1面が開口した六面体形状の筐体部材であり、その開口部の両側に矩形板状の取付フランジ44が一体に成形されている。水受けバケット45は例えば図2に示すように取付フランジ44が凹溝42の溝内面にあてがわれたうえで、ボルト46およびナット47で締結されることにより輪板43間において取り付け固定される。隣接し合う水受けバケット45間は水が通過可能な空間が形成される。
輪板43および水受けバケット45をFRP製とすることにより、木製や金属製の水車に比べて耐久性や耐衝撃性、経済性、軽量化に優れた水車41となる。
図3、図4に示すように軸48には一対の矩形補強板49が溶接等により固定されている。そして、この矩形補強板49が輪板43の中央に形成された嵌め込み部に嵌め込まれてボルト50およびナット51により締結されることで輪板43が軸48と一体に回転する。ナット51は例えば溶接等により予め矩形補強板49に取り付けられている。
以上の水車41によれば、同一形状の一対の輪板43を利用でき、水受けバケット45の組み付けも簡単となって、水車41の製造コストを低減することができる。
図7に示すように、水車41の回転力は例えばオルタネータ60により電力に変換することができる。オルタネータ60は例えば自動車に搭載されているものを利用できる。図7は矩形断面の水路を構成するフレーム54に水車41を配した例を示しており、軸48はフレーム54の側面を貫通したうえで適宜に配された軸受55により支承される。フレーム54も例えばFRP製であり、水路を設ける地面等に埋設、あるいはもともと形成された凹部に設置される。上縁には固定用としての固定フランジ54Aが一体に成形されている。
軸48の一端には駆動プーリ56が軸着されている。この駆動プーリ56と、増速機59を介してのオルタネータ60の入力軸側の従動プーリ58とにタイミングベルト57を掛け回す構造により、水車1の回転力をオルタネータ60により電力に変換できる。駆動プーリ56、タイミングベルト57、従動プーリ58、増速機59、オルタネータ60は例えばFRP製の防雨用のカバー(図示せず)により覆われる。
図8は、水車41の下部に用水を流して回すいわゆる下掛式として水車41を配した場合を示す。下掛式は、一般に水の落差が小さいが流量の多い所に用いられることが多い。図8(a)はフレーム54の底面を流路方向に関して傾斜状に形成して水の落差をかせいだ形態を示しており、水車41を傾斜方向に沿って複数配している。これにより、水の流速が増して水車41の回転トルクが上がり、大きな電力を得ることができる。このような傾斜形状を伴う場合であってもFRP製であればフレーム54の成形は容易である。またフレーム54は分割構成してもよく、例えば流路方向の寸法が長い場合、フレーム54を流路方向に分割して成形し、現地で組み付ける等の措置が採られる。また、アジャスターにより現場斜面角度に合わせた設置ができる。
図9、図10は用水を水車41の上部から落として回すいわゆる上掛式として水車411を配した場合を示しており、図9は上面図、図10は図9におけるB−B断面図である。上掛式は一般に流量は少ないが落差のとりやすい場所に用いられる方式である。図9、図10では、平面視して十字形をなすフレーム61を設け、各延設部の内部に水車41を図10に示すように上下方向に複数配した例を示している。フレーム61には各水車41の上部に配される漏斗63が固定される。フレーム61の上部に位置した用水管62から落下した水は漏斗63により集められて漏斗口64から水車41に供給される。水車41から落下した水はその下方に位置する漏斗63により集められ、順次、下段の水車41に供給される。漏斗63も例えばFRPにより成形される。
この構造によれば、水の落差を利用して比較的大きな電力を得ることができる上掛式の水車装置において、漏斗63により水を効率的に集めることができ、水車41の回転トルクを上げて大きな電力を得ることができる。本構造においてもFRP製であればフレーム61の成形は容易である。フレーム61は適宜に分割構成することが可能である。
上掛式の水車装置の場合、渇水時期は発電した電気で夜間揚水作業(図12のポンプ96等による揚水作業)を行うことにより水量を確保することができる。
上掛式の水車装置の場合、渇水時期は発電した電気で夜間揚水作業(図12のポンプ96等による揚水作業)を行うことにより水量を確保することができる。
図8〜図10に示した水車装置では水車自体の構造は特に限定されるものではなく、例えば図11に示す水車90を用いることもできる。図11において、各輪板90A、90Bの外側面には、外縁から軸心に向けて延設する凹溝が円周方向に間隔を空け複数、一体に形成されている。つまり、各輪板90A、90Bの内側面側において前記凹溝を構成する羽根凸部90Cが突設されることとなり、各輪板90A、90Bの羽根凸部90Cの先端同士が突き合わさって図示しないボルト等の締結手段により組み付けられる。この水車90もFRP製であり、FRPの吹き付け工法により容易に製作可能である。
また、図12に示すように上掛式水車装置と下掛式水車装置を組み合わせることができる。さらに下掛式水車装置を並列に、或いは直列に並べて多重水路方式にすることも可能である。
また、フローティングスキマーを設置することにより水車への一定水流の供給が可能である。例えば図12における池、貯水池、溜池等の貯水場所91に設置したり、図13に示すように水路または河川101に、FRP製水路またはFRP製貯留槽104を設け、ゲート102によりFRP製貯留槽104に流入させる。内部に浮き子(ポリタンクなど)93の付いた水流吸い込み口92を設置し、移流配管部をジャバラ状配管94にすることで、水位の上げ下げに合わせて吸い込み口は上下し、増水時や渇水時にでも一定量の水流となる。水路や貯水池の水量に関係なく、一定の水流を保つことが可能となり、安定した電力を供給できる。水流吸い込み口は複数設置105もでき、水車の規模に合わせた送水ができる。
多重水路方式の場合は、ゲート調整(タイマー制御も可能)などをすることにより、より効率のよい水車制御が可能となる。
以上の水車41で得た電力は例えば畜舎の換気装置や照明装置等に利用することができる。
図14および図15はそれぞれ畜舎の一例を示す外観斜視図、側断面図である。畜舎1は、筒軸方向が横方向となるように設置された、閉断面で一定形状断面の筒状筐体2を主な外郭部材として構成されており、両端は円板形状の側壁3によって閉塞されている。畜舎1内には子豚などが収容される。筒状筐体2は例えば断面円形を呈した円筒部材として構成される。断面円形の筒状筐体2を地面に載置するに当たっては、下部周りを地中に埋めてもよいし、筒状筐体2の下部外面側に、筒状筐体2の姿勢を維持する取り付け台座4を形成してもよい。
筒状筐体2の寸法は、収容する家畜数にもよるが、例えば子豚50〜100頭程度を収容する場合、外径約2.5メートル、長さ最長で約10メートル程度とする。筒状筐体2は樹脂製であり、その板厚としては、例えば数ミリメートル〜十数センチメートル程度である。また、筒状筐体2の内壁面は特に、糞尿がこびり付きにくいように鏡面状に形成されている。
樹脂製の筒状筐体2の具体例としては、FRP(繊維強化プラスチック)パイプが好適である。FRPパイプとしては、ガラスロービングに樹脂を浸透させながら型に巻きつけて成形する、いわゆるフィラメントワインディング製法で製造したものを用いることができる。この場合、いわゆる型の外側に巻きつける外巻き式で製造されたものでもよいし、型の内側に巻きつける内巻き式で製造されたものでもよい。また、筒状筐体をFRPパイプから構成する場合、前記したフィラメントワインディング製法によるものの他に、金型に半硬化状態のFRPシートを巻きつけてパイプ状に成形する、いわゆるシートワインディング製法で製造されたものを使用することもできる。側壁3もFRP等の樹脂材から構成することが望ましい。筒状筐体2をFRPパイプから構成することで安価で高強度の筐体となる。
筒状筐体2の内部の下方には家畜載置用の床材5が水平状に設置され、例えば、筒状筐体2の内壁面下端から50〜80センチメートル程度上方に設置される。床材5は、概ね筒状筐体2の内部全長にわたって設置されており、筒状筐体2の内部空間を上方の家畜収容空間6と下方の糞尿溜め空間7とに区画する。床材5には、家畜の糞尿を糞尿溜め空間7に落下させるために落下孔が全面にわたって形成されている。床材5の具体例としてはスノコや打抜き金網等であり、そのスリットや網目が前記落下孔に相当する。家畜収容空間6には清掃時やワクチン接種の際に人が入るので、床材5から筒状筐体2の断面中央上端までの室内高さは1.7メートル以上であることが好ましく、1.8メートル程度以上であることがより好ましい。これにより、腰をかがめることなく清掃等を行えるので、畜舎1内における諸作業の利便性が向上する。
各側壁3には開閉ドア8Aが取り付けられた人の出入り口8が形成され、一方の側壁3における開閉ドア8Aの上方には排気ファン9が取り付けられている。この排気ファン9は温度感知により間欠自動運転または手動による連続運転を行う。換気ファン9には例えば防雨ルーバー10が取り付けられる。給気口11は筒状筐体2の上部の内壁面に臨むように穿たれており、これにより風は寒気に弱い子豚に直接送風されることなく、一旦筒状筐体2の上部に送風されたうえで曲面からなる内壁面に沿って下方に送られる。また、側壁3には畜舎1内の糞尿を集めて汚水処理施設などに排出する集尿ピット18が設けられている。
集尿ピット18は、図22に示すように内部配管のオーバーフロー位置37の調整が可能であり、糞尿溜量調整ができる。取り出し配管38は角度調整が可能で、筒状筐体2の複数の排水管を繋げた場合などの高低差に対応できる。
畜舎1内に冷風を供給する場合、図14および図15において給気側の側壁3の上部にミストノズル73を取り付け、このミストノズル73から水のミストを舎内に噴霧し、気化熱により夏季の舎内の暑気を下げることができる。
図23に示すように、筒状筐体2の断面構造は筐体の外側から順にFRP壁74、アルミ蒸着フィルム74A、断熱発泡ポリエチレン層75、黒マルチシート74B、FRP壁74からなり、断熱効率が高められている。また、側壁3(図14)は断熱効率および面押強度を保つため、木板を壁内部に埋め込む場合がある。
図14において、筒状筐体2の強度を上げる目的で、筒状筐体2には上下方向に延設され、具体的には円周方向に延設されて内壁面を支持する補強部材13が内嵌されている。補強部材13の数は適宜に決定される。補強部材13は例えばFRPなどの樹脂部材からなり、内部がダクトの役割も果たす。
図16(a)は筒状筐体2の正断面図であり、図16(b)は補強部材13の断面図である。補強部材13は、内部に延設方向(筒状筐体2の円周方向)に沿う中空閉断面のダクト空間14を有するように形成される。糞尿から発生して筒状筐体2内の下方(糞尿溜め空間7)に淀みやすい硫化水素ガスやアンモニアガスなどはこの補強部材13のダクト空間14を介して外部に排気される。筒状筐体2の内壁面を支持する補強部材13が換気ダクトの機能も兼ねるため、部品点数の低減が図られ、換気専用の部材を組み付ける必要がなくなるので、畜舎1の組み付け工数が簡略化される。
ダクト空間14は排気部15を通して筒状筐体2の外部に連通するとともに下部開口16を通して筒状筐体2の内部に連通する。特に、下部開口16を床材5よりも下方に位置させることで、硫化水素ガスやアンモニアガスなどが特に溜まりやすい床材5よりも下方(糞尿溜め空間7)の換気を効率的に行うことができる。
図14に示すように、補強部材13の頂上部に設けられる排気部15の排気口15Aには、L字排気パイプやトイレ用ファン、ベンチレータ等の排気部材15Bを取り付けることができる。また、排気部15にはスライドゲート15Cを取り付けることができ、これにより換気量を調整できる。排気部15は筒状筐体2内にも連通しており、図15に示すように筒状筐体2の内部側において排気口キャップ15Dが設けられ、夏場は排気口キャップ15Dを外すことで排気部15から舎内の暑気抜きができる。
なお、補強部材13の断面形状は図16(b)に示すように角型部材13Aや丸型部材13Bなどがある。
なお、補強部材13の断面形状は図16(b)に示すように角型部材13Aや丸型部材13Bなどがある。
筒状筐体を補強する補強部材としては筒状筐体2の外側に取り付ける外付けタイプを採用することもできる。図24は、外付けタイプとして円周方向に延設されて外壁面を支持する補強部材76を取り付けた例を示している。補強部材76の材質はFRPなどの樹脂部材からなり、内部78はダクトの役割も果たす。補強部材76は一対のパーツから構成され、筒状筐体2を挟むように外嵌され、接合フランジ77にてボルト締め等により結合される。このように補強部材を筒状筐体2の外部に取り付けることにより、筒状筐体2の内部により広い空間を確保できる。
次に、床材5を支持する床材支持フレーム21について説明する。図17において、(a)は筒状筐体2の正断面図、(b)は床材5周りの断面図である。図18は床材5と床材支持フレーム21の分解斜視図である。
床材支持フレーム21は、筒状筐体2の筒軸方向に間隔を空けて並設され、前記筒軸方向と直交する方向に延設される第1床材支持フレーム22と、この第1床材支持フレーム22と直交するように並設され、前記筒軸方向に延設される第2床材支持フレーム23とから構成される。第1床材支持フレーム22と第2床材支持フレーム23とは例えばFRPなどの樹脂板から構成される。
第1床材支持フレーム22は、上部に複数のスリット22aが切り欠き形成され、その両端部が筒状筐体2の内周壁面に固定される。第1床材支持フレーム22の両端部には、筒状筐体2の内周壁面に沿う円弧状のフランジ22cが形成されており、このフランジ22cが筒状筐体2の内周壁面にあてがわれ、第1床材支持フレーム22が筒状筐体2の内部下方において水平状に取り付けられる。
そして、第2床材支持フレーム23がその板面を鉛直としてスリット22aに落とし込まれることにより、第1床材支持フレーム22に載置される。床材5の縁部には下方に屈曲した折り返し部5aが形成されており、第2床材支持フレーム23の上部に切り欠き形成された凹部23aに折り返し部5aが落とし込まれたうえで、床材5が第2床材支持フレーム23に載置される。
このように、第1床材支持フレーム22の両端部を筒状筐体2の内周壁面に固定し、第1床材支持フレーム22のスリット22aに第2床材支持フレーム23と落とし込む構造の床材支持フレーム21とすることで、筒状筐体2に対する床材支持フレーム21の組み付けを迅速かつ簡易に行えるため、畜舎1の製作コストの低減が図れる。
また、第1床材支持フレーム22として、鉛直の平板に対して膨出部22bを有する形状とし、この膨出部22bの内部において、図17(b)に示すように、すなわち筒状筐体2の筒軸方向と直交する水平方向から見た断面形状として中空閉断面部26を有する構成とすれば、床材支持フレーム21全体の強度を簡易な構造で高めることが可能となる。
次に、図19に示す柵部材27について説明する。図19は出入り口8周りの外観斜視図である。出入り口8には、開閉ドア8A(図14)とは別に、出入り口8の下部のみ閉塞して家畜の逃げを防止する柵部材27がスライド着脱自在に設けられる。側壁3の舎内側において、出入り口8の両縁下部には平断面L字状のガイド部材28が鉛直状に取り付けられている。柵部材27は例えば矩形状の樹脂板からなり、上方からガイド部材28に差し込まれることで、出入り口8を閉塞する。
このような柵部材27を設ければ、柵部材27により家畜の逃げを防止できるので、夏季など、畜舎1内の温度が上昇したときには人の出入り口8の開閉ドア8Aを開放して通気を行うことができる。柵部材27はスライド着脱自在なので、取り付けや取り外しが簡単である。また開閉ドア8Aは図21に示すように重量用の抜き差し蝶番36により取り外すことができる。開閉ドア8Aには内部確認窓8Bが設けられており、容易に舎内の様子を確認できる。
また、柵部材27をFRPなどの樹脂板とした場合、標準補強29Aの他に強鉄棒29Bを埋め込んだ構造とすれば、柵部材27の剛性を容易に高めることができる。既述したように、家畜が豚である場合、豚は勢いを付けて柵部材27に衝突することがあるので、大型豚の場合など、鉄棒を埋め込んだ樹脂板とすることで柵部材27の剛性を容易に高めることができ、柵部材27の損傷を防止できる。
次に、非常換気装置31について説明する。図20に示すように非常換気装置31は側壁3に設置される。非常換気装置31は、通常時は開閉板31Bにより非常換気口31Aを閉じており、停電などにより排気ファン9(図14)が停止したときには非常換気口31Aを開いて舎内の酸欠を防止する。非常換気装置31は、通常時に一定水位が保たれる水タンク31Cと、開閉板31B自体或いは開閉板31Bに係止する開閉用受け板35Bと連結し、水タンク31C内に浮く浮き子32とを備える。開閉板31Bは、通常時は浮き子32が一定水位の水タンク31Cに浮くことにより非常換気口31Aを閉じ、非常時は水タンク31Cから水が抜かれて浮き子32が下降することによりその下降動作に連動して非常換気口31Aを開く。
水タンク31Cは非常換気口31Aの下方に位置して側壁3に取り付けられる。水タンク31Cは樹脂製のタンクが好ましい。浮き子32としてはポリタンクが好ましく、経済性や入手のしやすさの点から市販の灯油用ポリタンクが好適であり、内部に水を入れて姿勢を安定させたうえで水タンク31C内に浮かせるようにする。このポリタンクの取っ手には耐食性に優れた金属棒状の係止金具35Aが取り付けられる。
水タンク31Cに連通する給水管には、通常時は開いて給水を可能とし、停電時に閉じて給水を遮断する第1弁(第1電磁弁34A)が設けられ、水タンク31Cに連通する排水路側には、通常時は閉じて排水を遮断し、停電時に開いて排水を行う第2弁(第2電磁弁34B)が設けられている。第2弁は場合によって複数設けてもよい。
水タンク31C内には、通常時の水タンク31Cの水位を一定に保つように、給水管に接続するボールタップ33が設けられる。このボールタップ33としては、トイレのロータンクなどで用いられる公知構造のものを利用でき、ボールタップ33が一定の水位で浮いているときは給水を遮断し、水位が低下してボールタップ33が下がると給水管から給水し、水位が元に戻ってボールタップ33が上昇すると再び給水を遮断する機能を有する。
以上により、通常時は、第1電磁弁34Aが通電により開状態、第2電磁弁34Bが通電により閉状態となっており、ボールタップ33の機能により水タンク31Cの水位が一定位置に保たれている。このとき、浮き子32としてのポリタンクは上昇位置にあり、係止金具35Aの先端が開閉用受け板35Bに差し込まれた状態が維持され、開閉板31Bが非常換気口31Aを閉じている。
そして、停電になると、通電が切れることにより第1電磁弁34Aが閉状態、第2電磁弁34Bが開状態となり、水タンク31Cの水が排水管から排水される。これによりポリタンクに取り付けた係止金具35Aが下降し、開閉用受け板35Bから外れ、耐食ばね蝶番の取り付けられた開閉板31Bが開いて非常換気口31Aが開放され、畜舎内外の換気が行われる。
やがて停電が終わり、通電が始まると第1電磁弁34A、第2電磁弁34Bが作動して給水が始まり、通常位置まで水位が上がる。
やがて停電が終わり、通電が始まると第1電磁弁34A、第2電磁弁34Bが作動して給水が始まり、通常位置まで水位が上がる。
以上のように、開閉板31Bは、通常時は浮き子32が一定水位の水タンク31Cに浮くことにより非常換気口31Aを閉じ、非常時は水タンク31Cから水が抜かれて浮き子32が下降することによりその下降動作に連動して非常換気口31Aを開く構成とすれば、開閉板31Bの開閉機構として水を介在させたことにより、家畜の糞尿から発生する硫化水素ガスやアンモニアガスによる腐食の影響を何ら受けることなく、長期にわたり非常時における開閉板31Bの開動作を確実に行うことができる。水の配管路は自由に設定できることから、排水管などの配管を延設させることができ、排水動作を行う制御機器(電磁弁)を畜舎1から容易に遠ざけたり、防護ボックスの取り付け、ブロワエアによる腐食防止等、多用な腐食防止対策が可能である。
また、浮き子32に耐食性に優れた金属棒状の係止金具35Aを取り付ける構造とすれば、簡易な構造で組み付けの容易な非常換気装置31となる。
さらに、通常時の水タンク31Cの水位を一定に保つボールタップ33を設けることで、通常時に余計な給水を回避できる。またこの給水を他の水系施設に利用することも可能である。
さらに、通常時の水タンク31Cの水位を一定に保つボールタップ33を設けることで、通常時に余計な給水を回避できる。またこの給水を他の水系施設に利用することも可能である。
次に、筒状筐体2の変形例を図25に示す。本考案において筒状筐体とは、その断面形状が一体成形のものに限られず、閉断面を呈することになれば図25に示すように分割式のものも含まれる。左右の各分割筐体81は互いに同じ形状であり、1つの成形型により製作可能である。分割筐体81は鉛直面に沿った開口部82を有する。開口部82周りにはフランジ83が形成されており、互いの開口部82が合わさった状態でフランジ83においてボルト締め等がなされることで1つの筒状筐体2が形成される。
図25(a)は、各分割筐体81の内底面が開口部82に向かうにしたがい下方に傾斜する傾斜面84として形成された場合を示している。傾斜面84には、複数の山形突部85が形成されている。この山形突部85は、開口部82と対向する壁部86から開口部82に向けて裾部が広がるように形成され、頂上の稜線部87は水平に形成されている。これにより、床材5(図14)を単に稜線部87に載せるだけで床材5の水平姿勢が保たれる。また、床材5上の家畜からの糞尿は、傾斜面84に直接落ちた糞尿はそのまま傾斜面84に沿って流れ落ち、山形突部85に落ちた糞尿はその山斜面88に沿って流れ落ち、次いで傾斜面84に沿って流れ落ちる。流れ落ちて寄り集まった糞尿は筒状筐体2の端部に設けた集尿ピット18(図25では図示せず、図22参照)へと流される。
図25(b)は、各分割筐体81の内底面を、開口部82から壁部86に向かうにしたがい下方に傾斜する傾斜面84として形成した場合を示している。山形突部85は、開口部82から壁部86に向けて裾部が広がるように形成され、頂上の稜線部87は水平に形成されている。これによっても、床材5(図14)を単に稜線部87に載せるだけで床材5の水平姿勢が保たれる。また、床材5上の家畜からの糞尿は、傾斜面84に直接落ちた糞尿はそのまま傾斜面84に沿って流れ落ち、山形突部85に落ちた糞尿はその山斜面88に沿って流れ落ち、次いで傾斜面84に沿って流れ落ちる。流れ落ちて寄り集まった糞尿は適宜に処理される。
また各分割筐体は床面積が40m2にも及ぶ大型方式も可能であり、その場合は図26に示すように例えば上部パーツ98は4分割、下部パーツ100は2分割となる。
筒状筐体及び各分割筐体97は、床材99を変更する事により多用途でも使用でき、例えば農作業休憩所・避難小屋・仮設居間等、人が内部を利用することも可能である。図24に示すように、円筒形状の筒状筐体2Aの場合でも、床材80を変更することにより多用途に使用できる。
41 水車
42 凹溝
43 輪板
44 取付フランジ
45 水受けバケット
54、61 フレーム
63 漏斗
42 凹溝
43 輪板
44 取付フランジ
45 水受けバケット
54、61 フレーム
63 漏斗
本考案は、水車装置に関する。
本考案は以上のような課題を解決するために創作されたものであり、製造コストの低減が可能で水路の確保が容易な水車装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本考案の水車装置は、FRP製の水車と、前記水車を軸支するFRP製のフレームと、を備えたことを特徴とする。
また、前記フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成されていることを特徴とする。
さらに、前記フレームには前記水車の上部に配される漏斗が固定され、前記フレームの上部から落下した水が前記漏斗を介して前記水車に供給されることを特徴とする。
また、前記フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成されていることを特徴とする。
さらに、前記フレームには前記水車の上部に配される漏斗が固定され、前記フレームの上部から落下した水が前記漏斗を介して前記水車に供給されることを特徴とする。
以上の水車装置によれば、水路の確保が容易で大きな電力を得ることが可能な水車装置となる。
以上の水車装置は、その前施設として水流定量装置を備えるものとすれば、水流の確保およびロス無く、容易に大きな電力を得ることが可能な採算性の高い水車装置となる。水流定量装置としては定量フローティングスキマーから構成することが経済性の点から有利である。
また、本考案の水車装置は、前記水車は、内側面において外縁から軸心に向けて延設する凹溝が円周方向に間隔を空け複数形成された一対の輪板と、両側に取付フランジが一体に成形され、該取付フランジが前記凹溝の溝内面に取り付けられることにより輪板間に固定される水受けバケットと、を備えることを特徴とする。
当該水車装置によれば、製造コストを低減することが可能となる。
本考案によれば、製造コストの低減が可能で水路の確保が容易な水車装置となる。
Claims (5)
- 内側面において外縁から軸心に向けて延設する凹溝が円周方向に間隔を空け複数形成された一対の輪板と、
両側に取付フランジが一体に成形され、該取付フランジが前記凹溝の溝内面に取り付けられることにより輪板間に固定される水受けバケットと、
を備えることを特徴とする水車。 - FRP製の水車と、
前記水車を軸支するFRP製のフレームと、
を備えたことを特徴とする水車装置。 - 前記フレームは、前記水車の下部に用水を流して回す水路を構成し、水の落差が生ずるように底面が流路方向に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の水車装置。
- 前記フレームには前記水車の上部に配される漏斗が固定され、
前記フレームの上部から落下した水が前記漏斗を介して前記水車に供給されることを特徴とする請求項2に記載の水車装置。 - 水車前施設として、定量フローティングスキマーを備えることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の水車装置。
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