JP3172665U - 据え付け基礎 - Google Patents

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Abstract

【課題】据え付けに要する労力やコストを低減することができるとともに、据え付けの工期を短縮することができる据え付け基礎を提供する。
【解決手段】据え付け基礎10は、コンクリート躯体12に固定された複数のアンカーボルト18と、それらアンカーボルト18の自由端部39に固定されてコンクリート躯体12の表面から上方へ離間する中空の鋼管15と、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材20と、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24との間の空間37に充填されたモルタル19と、鋼管15の頂部開口を塞ぐ蓋材16と、鋼管15の外面と枠材20の傾斜面46とに設置された防水層21とから形成されている。
【選択図】図2

Description

本考案は、新設または既設のコンクリート構造物にソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を設置するために使用する据付け基礎に関する。
新設または既設の鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造等のコンクリート構造物では、屋上や地下のスラブにソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の様々な機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の様々な建築物が設置される。通常、そのような機械器具や建築物は、その内部への水の侵入を防ぐ目的や機械器具や建築物の背面側のメンテナンスを可能にする目的からそれらがスラブの表面に直に設置されることはなく、それらがスラブに据え付けられた据え付け基礎の上に設置される。
そのような据え付け基礎の一例として、特許文献1は、太陽電池パネル据え付け構造を開示している。特許文献1において説明されている従来技術では、太陽電池パネルの施工現場の据え付け箇所において型枠を製作し、その型枠内にコンクリートを打設・養生することにより基礎を作り、搬送されてきた太陽電池パネルおよびその架台をその基礎の上に組み付ける構造である。そのような従来技術の据え付け基礎では、施工現場で型枠を製作しなければならないから、その分の手間がかかることはもちろん、型枠内に流し込んだコンクリートの養生に時間がかかり、短い工期で据え付け構造を作ることができない。
かかる従来技術の問題点を解決するために、特許文献1に開示の太陽電池パネル据え付け構造では、基礎部品製造工場においてコンクリート製または鉄筋コンクリート製の基礎をあらかじめ製造し、その基礎をコンクリート構造物の屋上や地下の施工現場に搬送する。その後、屋上や地下のスラブの据え付け箇所に薄いセメント層を形成し、そのセメント層を接着層としてその上に基礎を載せてスラブと一体化し、太陽電池パネルの設置用架台をそれらの基礎の上に備え付ける。特許文献1に開示された太陽電池パネル据え付け構造は、太陽電池パネルを備え付けるための基礎を形成する際に施工現場において型枠を製作する必要がないから、その分の手間が省け、施工現場における施工作業を簡略化することができるとともに、コンクリートを養生する時間を省くことができ、その分の工期を短縮することができる。
特開平9−070188号公報
前記特許文献1に開示の太陽電池パネル据え付け構造では、施工現場でコンクリートを養生する必要はないが、基礎部品製造工場においてコンクリートを養生して基礎を作らなければならず、基礎の製造にコンクリートの養生が必要であることに変わりはなく、基礎の製造に時間を要する。さらに、製造した基礎を工場から施工現場に搬送する必要があり、相当な重量を有する基礎を搬送する手間を要するから、基礎を施工する労力やコストを低減することができない。また、工場で製造された基礎をスラブに固定する場合、コンクリート層を接着層としてスラブに固定する方法や凹部をスラブに形成して基礎の下端をその凹部に嵌め込む方法しか採用できず、基礎をスラブに強固に据え付けることができない。
本考案の目的は、据え付けに要する労力やコストを低減することができるとともに、据え付けの工期を短縮することができる据え付け基礎を提供することにある。本考案の他の目的は、新設または既設のコンクリート構造物に強固に据え付けることができ、機械機器や建築物を強固に設置することができる据え付け基礎を提供することにある。
前記課題を解決するための本考案の前提は、新設または既設のコンクリート構造物の所定の据え付け箇所に据え付けられる据え付け基礎である。
前記前提における本考案の特徴は、据え付け基礎が、コンクリート構造物に固定された固定端部およびコンクリート構造物から上方へ立ち上がる自由端部を有する複数のアンカーボルトと、それらアンカーボルトの自由端部に支持されてコンクリート構造物の表面から上方へ所定寸法離間する中空の管材と、管材の底壁の外周縁とコンクリート構造物との間に設置されてコンクリート構造物の表面と底壁の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材と、コンクリート構造物の表面と管材の底壁との間の空間に充填されるセメント硬化物と、管材の周壁頂部に設置されて管材の頂部開口を塞ぐ蓋材とから形成され、据え付け基礎では、それらアンカーボルトの自由端部が管材の底壁に開口する挿通孔に挿通されて所定の固定手段を介して底壁に固定され、底壁に開口する充填孔からコンクリート構造物と底壁と枠材とに囲繞された空間にセメント硬化物を充填した直後であってセメント硬化物の養生期間の経過前に、蓋材によって管材の頂部開口が塞がれ、据え付け基礎では、蓋材によって管材の頂部開口が塞がれた直後において空間に充填されたセメント硬化物が未硬化状態にあり、蓋材によって管材の頂部開口が塞がれた後からセメント硬化物の養生期間が開始し、養生期間の経過後に、アンカーボルトの自由端部のうちのコンクリート構造物の表面と管材の底壁との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になることにある。
本考案の一例としては、管材の底壁が、管材の周壁の径方向内方へ延出する内側部分と、管材の周壁の径方向外方へ延出する外側部分とを有し、それらアンカーボルトの自由端部が外側部分に開口する挿通孔に挿通されて所定の固定手段を介して外側部分に固定され、充填孔が内側部分の中央に形成され、枠材が底壁の外側部分の外周縁とコンクリート構造物との間に設置されてコンクリート構造物の表面と外側部分の外周縁との間の空隙を塞いでいる。
本考案の他の一例としては、コンクリート構造物が、コンクリート躯体と、コンクリート躯体の上に施設された防水層と、防水層の上に施設されたコンクリート層とから形成され、アンカーボルトの固定端部がコンクリート構造物からコンクリート層と防水層とを取り除いたコンクリート躯体に固定され、管材がコンクリート躯体の表面から上方へ離間して設置されている。
本考案の他の一例としては、据え付け基礎が管材の外側と枠材の外側とに設置された防水層を含み、管材の底壁の側に延びる防水層がコンクリート構造物の防水層につながっている。
本考案の他の一例としては、据え付け基礎が底壁の外側部分に開口する螺着孔に螺着されて管材の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、高さ調節ボルトの底壁の外側部分に対する螺着位置を調節することによって空間の高さ寸法を調節可能かつコンクリート構造物の表面からの管材の高さ寸法を調節可能である。
本考案にかかる据え付け基礎によれば、それがコンクリート構造物に固定された複数のアンカーボルト、それらアンカーボルトに支持された管材、コンクリート構造物の表面と管材の底壁周縁との間の空隙を塞ぐ枠材、空間に充填されたセメント硬化物、管材の周壁頂部に設置された蓋材から形成され、それらがすべて汎用部品化され、施工現場(据え付け箇所)においてユニットとして組み立てられるから、基礎を作る際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎部品製造工場や施工現場において基礎を作るためにセメント硬化物を養生する必要はなく、コンクリート構造物に固定された複数のアンカーボルトに中空の軽量な管材を固定し、空間にモルタルを充填した後直ちにその鋼管に蓋材を固定するだけであり、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間や時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の工期を短縮することができる。据え付け基礎は、複数のアンカーボルトの固定端部がコンクリート構造物に固定され、それらアンカーボルトの自由端部が管材の底壁に固定されるとともに、セメント硬化物の養生期間が経過した後にアンカーボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とで分担するから、コンクリート構造物に強固に据え付けることができるのみならず、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に設置することができる。据え付け基礎は、コンクリート構造物の表面と管材の底壁と枠材とに囲繞された空間にセメント硬化物が充填され、基礎の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とで分担するから、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。据え付け基礎は、コンクリート構造物の表面と管材の底壁周縁との間の空隙が枠材によって塞がれ、セメント硬化物を前記空間に充填したとしても、そのセメント硬化物が空隙(空間)から漏れ出すことはなく、空間にセメント硬化物を充填した直後であってセメント硬化物の養生期間を待つことなく、蓋材によって管材の頂部開口を塞ぐことができ、セメント硬化物の養生期間を待つことなく次の基礎の据え付け作業を行うことができるから、セメント硬化物の養生期間の分の工期を短縮することができ、据え付け基礎の工期を大幅に短縮することができる。据え付け基礎は、底壁の周縁の外側近傍にセメント硬化物の養生ための型枠を設置する必要がなく、型枠を設置するための手間や時間、コストを省くことができる。
管材の底壁が内側部分と外側部分とを有し、それらアンカーボルトが外側部分に開口する挿通孔に挿通されて所定の固定手段を介して外側部分に固定され、充填孔が内側部分の中央に形成され、枠材がコンクリート構造物の表面と外側部分の外周縁との間の空隙を塞いでいる据え付け基礎は、複数のアンカーボルトの固定端部がコンクリート構造物に固定され、それらアンカーボルトの自由端部が管材の底壁の外側部分に固定されるとともに、セメント硬化物の養生期間が経過した後にアンカーボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎にかかる荷重をアンカーボルトとセメント硬化物とで分担するから、コンクリート構造物に強固に据え付けることができるのみならず、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に設置することができる。据え付け基礎は、管材の底壁を周壁の径方向外方へ延ばして外側部分を形成することで底壁の面積を確保し、その底壁によって基礎にかかる荷重を支え、代わりに管材の周壁の径方向の寸法を小さくして管材の重量を減少させることができるから、管材の重量を軽量化することができ、その結果として基礎の重量を軽量化することができる。据え付け基礎は、管材をアンカーボルトに固定した後に充填孔を利用して空間にセメント硬化物を充填することができ、空間にセメント硬化物を確実に充填することができることはもちろん、充填孔が底壁の内側部分の中央に形成されているから、セメント硬化物が空間に偏って充填されることはなく、セメント硬化物を空間全域に満遍なく充填することができる。
アンカーボルトの固定端部がコンクリート構造物からコンクリート層と防水層とを取り除いたコンクリート躯体に固定され、管材がコンクリート躯体の表面から上方へ離間して設置されている据え付け基礎は、機械機器や建築物を設置する据え付け箇所が既設のコンクリート構造物の屋上や地下に防水機能を施した防水処理層を備えたスラブである場合でも、据え付け箇所の防水処理層を取り除いた後の露出したコンクリート躯体に基礎を設置し、基礎を設置した直後に据え付け箇所近傍の防水処理層を補修する(新たな防水処理層を施す)ことができるから、基礎を迅速に設置することができ、基礎の設置に要する工期を短縮することができる。
管材の外側と枠材の外側とに設置された防水層を含み、管材の底壁の側に延びる防水層がコンクリート構造物の防水層につながっている据え付け基礎は、それがコンクリート構造物の屋上であってコンクリート躯体に設置された場合に防水層によって基礎の内部への水の侵入を防ぐことができることはもちろん、管材の外側と枠材の外側とに設置された防水層がコンクリート構造物の防水層につながっているから、コンクリート構造物への水の進入を防ぐことができ、水の進入による基礎の劣化やコンクリート構造物の劣化を防ぐことができる。
底壁の外側部分に開口する螺着孔に螺着されて管材の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、高さ調節ボルトの底壁の外側部分に対する螺着位置を調節することによって空間の高さ寸法を調節可能かつコンクリート構造物の表面からの管材の高さ寸法を調節可能な据え付け基礎は、高さ調節ボルトを利用することで基礎の施工中にその高さ寸法を自由に変えることができ、基礎の高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。据え付け基礎は、据え付け箇所の傾きに対して基礎を水平に保持することができるとともに、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎どうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎の高さ寸法を均一に揃えることができる。
一例として示す据え付け基礎の斜視図。 図1のA−A線矢視断面図。 蓋材を取り付けた状態で示す据え付け基礎の上面図。 枠材を設置する以前の状態の鋼管の斜視図。 枠材を設置した状態で示す鋼管の斜視図。 鋼管の上面図。 据え付け基礎の作成手順の一例を示す図。 図7から続く据え付け基礎の作成手順を示す図。 図8から続く据え付け基礎の作成手順を示す図。 図9から続く据え付け基礎の作成手順を示す図。 図10から続く据え付け基礎の作成手順を示す図。
一例として示す据え付け基礎10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本考案にかかる据え付け基礎の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1では、コンクリート構造物11に設置された1個の据え付け基礎10を図示しているが、基礎10の個数を図示のそれに限定するものではなく、通常は2個以上の基礎10がコンクリート構造物11に設置される。なお、図2は、図1のA−A線矢視断面図であり、図3は、蓋材16を取り付けた状態で示す据え付け基礎10の上面図である。図4は、枠材20を設置する以前の状態の鋼管15(管材)の斜視図であり、図5は、枠材20を設置した状態で示す鋼管15の斜視図である。図6は、鋼管15の上面図である。図1,2では、上下方向を矢印L、横方向を矢印Mで示し、前後方向を矢印N(図2を除く)で示す。図3では、枠材20や防水層21の図示を省略し、鋼管15を点線で示す。
据え付け基礎10は、新設または既設のコンクリート構造物11の屋上や地下のスラブの所定の据え付け箇所に据え付けられる。ここで、「スラブ」とは、厳密には「床版」を意味するが、この実施の形態では、コンクリート構造物11の地下の床のみならず屋上も含む意味で用いる。コンクリート構造物11は、コンクリート躯体12と、コンクリート躯体12の上に施設された防水層13と、防水層13の上に施設されたコンクリート層14とから形成されている。なお、コンクリート構造物11が地下に構築された場合、防水層13とコンクリート層14とが存在せず、コンクリート躯体12単独でコンクリート構造物11を形成する。
コンクリート躯体12の基礎10の据え付け箇所には、後記するアンカーボルト18の固定端部を挿入する複数のアンカーホール40が作られている。アンカーホール40には、樹脂接着剤(図示せず)が充填されている。据え付け基礎10は、それがコンクリート構造物11から防水層13とコンクリート層14とを取り除いたコンクリート躯体12の上に据え付けられる。
据え付け基礎10は、中空の鋼管15(管材)および蓋材16、複数本の高さ調節ボルト17および複数本のアンカーボルト18、モルタル19(セメント硬化物)、枠材20(面取材あるいはキャント)、防水層21の汎用化された各基礎部品を利用し、それら基礎部品を所定のマニュアル化された手順で、施工現場(据え付け箇所)においてユニットとして組み立てることから作られている。それら基礎部品(鋼管15(高さ調節ボルト17を含む)、蓋材16、アンカーボルト18、枠材20、防水層21)は、基礎部品製造工場で製造され、工場から施工現場に搬送される。
鋼管15は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。鋼管15は、上下方向へ延びる平面形状が略矩形の各側壁22(周壁)と、それら側壁22の底部23に位置する平面形状が略矩形の底壁24と、それら側壁22と底壁24とに取り付けられた複数個のリブ25とから作られ、底を有する角筒状に成型されている。それらリブ25は、鋼管15の各側壁22と底壁24との連結を補強し、鋼管15に作用する荷重によって側壁22と底壁24との連結が不用意に解除されることを防止する。なお、図2では各側壁22に2個のリブ25が並んでいるが、リブ25の個数は図示のそれに限定されず、鋼管15の強度に応じて3個以上のリブ25が取り付けられていてもよい。
底壁24は、側壁22(周壁)の径方向内方(側壁22の内面から内側)へ延出する内側部分26と、側壁22の径方向外方(側壁22の外面から外側)へ延出する外側部分27とを有する。鋼管15は、鋼材製の各側壁22の底部23に鋼材製の底壁24を溶接するとともに、リブ25の各辺を各側壁22の外面と底壁24の外側部分27の上面とに溶接することによって製造される。側壁22の頂部28(周壁頂部)には、それら側壁22によって囲繞された頂部開口29が形成されている。なお、管材は、鋼材の他に、アルミニウムや合金から作ることもできる。
鋼管15の側壁22の頂部29(周壁頂部)には、蓋固定ボルト30を螺着する複数の固定ボルト螺着孔31が作られている。固定ボルト螺着孔31には、蓋固定ボルト30が螺着する雌螺子(図示せず)が作られている。鋼管15の底壁24の外側部分27には、高さ調節ボルト17を螺着する複数の調節ボルト螺着孔32とアンカーボルト18を挿通する複数のアンカーボルト挿通孔33とが作られている。調節ボルト螺着孔32には、高さ調節ボルト17が螺着する雌螺子(図示せず)が作られている。なお、底壁24の外側部分27における調節ボルト螺着孔32やアンカーボルト挿通孔33の穿孔箇所に特に限定はなく、それら孔32,33を底壁24の外側部分27の任意の箇所に作ることができる。底壁24の内側部分26の中央には、モルタル19を充填するための円形の充填孔34が作られている。
蓋材16は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。蓋材16は、鋼材から作られ、その平面形状が略矩形に成型されている。蓋材16の裏面であって蓋材16の周縁の内側には、蓋材16を鋼管15の各側壁22に固定するためのアングル材35(鋼材)が溶接によって取り付けられている。アングル材35には、蓋固定ボルト30を挿通する蓋固定ボルト挿通孔(図示せず)が作られ、そのボルト挿通孔に六角ナット36が溶接によって取り付けられている。
蓋材16は、アングル材35に作られたボルト挿通孔に挿通された蓋固定ボルト30とアングル材35に取り付けられたナット36とによって各側壁22の頂部28に固定され、鋼管15の頂部開口29を水密に閉塞している。蓋材16の上面には、図示はしていないが、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を設置するための固定器具が取り付けられている。なお、蓋材16は、鋼材の他に、アルミニウムや合金から作ることもできる。
高さ調節ボルト17は、雄螺子(図示せず)が作られた軸とボルトヘッドとから形成された鋼材製の六角ボルトである。高さ調節ボルト17の軸は、底壁24の外側部分27に作られた調節ボルト螺着孔32に螺着されている。ボルトヘッドにおいて高さ調節ボルト17を反時計回りに回転させると、ボルト17の軸がボルト螺着孔32の下方へ次第に進むとともに、底壁24の下面から下方に延出し、ボルトヘッドがコンクリート躯体12の表面に当接する。それによって、鋼管15をコンクリート躯体12の表面から上方に離間させることができる。逆に、高さ調節ボルト17を時計回りに回転させると、ボルト17の軸がボルト螺着孔32の上方へ次第に進むとともに、底壁24の下面から上方へ延出する。それによって、鋼管15をコンクリート躯体12の表面に近づけることができる。
高さ調節ボルト17を調節ボルト螺着孔32において回転させることによって鋼管15の底壁24がコンクリート躯体12の表面から上方へ離間し、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24の下面(内側部分26と外側部分27との下面)との間に所定の高さ寸法の空間37が形成される。鋼管15の底壁24に対するそれら高さ調節ボルト17の螺着位置を調節することによって、空間37の高さ寸法を調節することができ、コンクリート躯体12の表面からの鋼管15の底壁24の下面までの高さ寸法を調節することができる。また、コンクリート躯体12が傾斜していたとしても、高さ調節ボルト17の螺着位置を調節することで、鋼管15(底壁24)を水平に修正することができる。
それらアンカーボルト18は、長さや直径が同一の規格化された汎用品であり、複数本のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。アンカーボルト18は、鋼材から作られ、コンクリート躯体12(コンクリート構造物11)に固定された固定端部38と、コンクリート躯体12(コンクリート構造物11)の表面から上方へ立ち上がる自由端部39とを有する。アンカーボルト18のそれら端部38,39には、雄螺子(図示せず)が作られている。
アンカーボルト18の固定端部38は、コンクリート躯体12に形成されたアンカーホール40に挿入され、その周面がアンカーホール40に樹脂接着剤を介して固定されている。アンカーボルト18の自由端部39は、鋼管15の底壁24の外側部分27に形成されたアンカーボルト挿通孔33に挿通されている。アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27の上面から上方へ露出する部分41には、六角二重ナット42が螺着されている。アンカーボルト18の自由端部39の部分41にナット42を螺着する場合、高さ調節ボルト17によってコンクリート躯体12の表面からの鋼管15(据え付け基礎10)の高さ寸法が既に調節されている。
なお、図示はしていないが、高さ調節ボルト17を利用せずにコンクリート躯体12の表面からの鋼管15の高さ寸法を調節することもできる。この場合は、アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27の下面から下方へ露出する部分43(コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁25との間に延びる部分43)に六角ナットを螺着する。そのナットを反時計回り回転させると、ナットがアンカーボルト18の自由端部39において下方へ移動し、鋼管15をコンクリート躯体12の表面に近づけることができる。逆に、ナットを時計回りに回転させると、ナットがアンカーボルト18の自由端部39において上方へ移動し、鋼管15をコンクリート躯体12の表面から上方に離間させることができる。
アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の下面から下方へ露出する部分43に螺着するナットの回転によって鋼管15の底壁24がコンクリート躯体12の表面から上方へ離間し、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24との間に所定の高さ寸法の空間37が形成される。アンカーボルト18の自由端部39の部分43に対するナットの螺着位置を調節することによって、空間37の高さ寸法を調節することができ、コンクリート躯体12の表面からの鋼管15の高さ寸法を調節することができる。ナットによって空間37の高さ寸法を調節した後、自由端部39のうちの底壁24の上面から上方へ露出する部分41に六角二重ナットを螺着し、六角二重ナットと六角ナットとによってアンカーボルト18の自由端部39に鋼管15を固定する。
モルタル19は、コンクリート躯体12の表面と鋼管14の底壁24(底壁24の内側部分26と外側部分27との下面)との間に形成された空間37に充填されている。モルタル19は、底壁24に形成された充填孔34から充填される。空間37では、そこに充填されたモルタル19が硬化することで、アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27の下面から下方へ露出する部分43がモルタル19と一体になっている。硬化したモルタル19は、基礎10の上(蓋材16の上)にソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を備え付けた場合の基礎10にかかる荷重をアンカーボルト18とともに分担する。なお、空間37に充填するセメント硬化物には、モルタル19の他に、コンクリートを利用することもできる。
枠材20は、底壁24の外側部分27の外周縁の近傍に設置され、底壁24の外側部分27の外周縁を囲繞する大きさに作られている。枠材20は、コンクリート躯体12の表面に当接する底面44と、底壁24の外側部分27の外周縁を囲繞する垂直面45と、底面44と垂直面45との間に延びる斜面46とを有する。枠材20の底面44は、コンクリート躯体12の表面に接着剤(図示せず)を介して固着されている。枠材20の垂直面45の一部は、底壁24の外側部分27の外周縁に接着剤(図示せず)を介して固着されている。枠材20の斜面46は、底壁24の外側部分27の上面とリブ25とを覆っている。枠材20は、コンクリート躯体12の表面と底壁24の外側部分27の外周縁との間に延びる所定高さの空隙(空間37の外周縁)を取り囲み、その空隙を塞いでいる。枠材20は、プラスチックから作られているが、発泡材や金属(鋼材、アルミニウム、合金)、木から作ることもできる。
防水層21は、鋼管15の側壁22の外面と枠材20の斜面46とに設置され、側壁22の外面全域と枠材20の斜面46全域とを覆っている。防水層21には、薄いアスファルトシートを複数重ね合わせて防水層21を作るアスファルト防水が利用されている。アスファルトシートは、その接着性によって鋼管25の側壁22の外面と枠材20の斜面46とに固着している。コンクリート躯体12の表面の側に延びる防水層21(枠材20の斜面46に固着されたアスファルトシート)は、コンクリート構造物11の防水層13につながっている。なお、防水層21として、アスファルト防水の他に、塩ビシート防水やゴムシート防水、ウレタン防水やエポキシ防水、FRP防水を利用することもできる。
図7は、据え付け基礎10の作成手順の一例を示す図であり、図8は、図7から続く据え付け基礎10の作成手順を示す図である。図9は、図8から続く据え付け基礎10の作成手順を示す図であり、図10は、図9から続く据え付け基礎10の作成手順を示す図である。図11は、図10から続く据え付け基礎10の作成手順を示す図である。図7〜図11では、コンクリート構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10の部品を断面として示す。据え付け基礎10をコンクリート構造物11の屋上に設置する場合を例として、基礎10の施工方法(据え付け手順)を説明すると、以下のとおりである。
基礎部品製造工場で製造された汎用部品化された各基礎部品(鋼管15(高さ調節ボルト17を含む)、蓋材16、アンカーボルト18、枠材20、防水層21(アスファルトシート))を工場から施工現場に搬送する。なお、工場からの搬送時では、鋼管15の底壁24の外側部分27に複数の調節ボルト螺着孔32が形成され、それら調節ボルト螺着孔32に高さ調節ボルト17が螺着されているが、底壁24の外側部分24にアンカーボルト挿通孔33は形成されていない。
コンクリート構造物11の屋上のスラブは、図7に示すように、コンクリート躯体12と、コンクリート躯体12の上に施設された防水層13と、防水層13の上に施設されたコンクリート層14とから形成されている。最初に、コンクリート構造物11の屋上における基礎10の据え付け箇所を位置決めし、その据え付け箇所にマーキングをするとともに、図7に示すように、その据え付け箇所において、コンクリート構造物11からコンクリート層14と防水層13とを取り除いてコンクリート躯体12を露出させる。
なお、図示のコンクリート構造物11は、コンクリート躯体12と防水層13とコンクリート層14とから形成されているが、コンクリート構造物11を図示のそれに限定するものではなく、現在使用されている他の構成のコンクリート構造物11すべてにこの据え付け基礎を使用することができる。たとえば、コンクリート層14の上にさらに合成樹脂を塗布して樹脂被膜を形成したコンクリート構造物11の場合、基礎10の据え付け箇所では、コンクリート構造物11から樹脂被膜とコンクリート層14と防水層13とを取り除いてコンクリート躯体12を露出させる。また、コンクリート構造物11が地下に構築された場合、コンクリート躯体12単独でコンクリート構造物11が形成される。さらに、コンクリート層14に代わりにモルタル層が防水層13の上に施設されている場合、コンクリート構造物11からモルタル層と防水層13とを取り除いてコンクリート躯体12を露出させる。
コンクリート躯体12を露出させた後、躯体12における基礎10の据え付け箇所にアンカーボルト18の固定端部38を挿入する複数のアンカーホール40を穿孔し、それらアンカーホール40に樹脂接着剤を注入する。アンカーホール40は、掘削機を利用し、コンクリート躯体12を所定の深さ掘削することから作られる。次に、図8に示すように、それらアンカーホール40にアンカーボルト18を挿入する(アンカーボルト設置工程)。
アンカーボルト設置工程では、アンカーボルト18の固定端部38をコンクリート躯体12に形成されたアンカーホール40に挿入し、アンカーボルト18の自由端部39をコンクリート躯体12(コンクリート構造物11)の表面から上方へ起立させる。アンカーボルト18の固定端部38は、その周面が樹脂接着剤を介してアンカーホール40に固定され、アンカーボルト18の自由端部39は、コンクリート躯体12の表面から上方へ立ち上がる。アンカーボルト18は、なお、鋼材から作られている。
アンカーボルト18をコンクリート躯体12に形成したアンカーホール40に設置した後、ドリルを利用し、アンカーホール40の位置(アンカーボルト18の位置)にあわせて鋼管15の底壁24の外側部分27にアンカーボルト挿通孔33を穿孔する。アンカーボルト挿通孔33を穿孔した後、鋼管15を据え付け箇所に移動させ、図9に示すように、底壁24の外側部分27に穿孔したアンカーボルト挿通孔33にアンカーボルト18の自由端部39を通し、高さ調節ボルト17のボルトヘッドをコンクリート躯体12の表面に当接させ、鋼管15を据え付け箇所に仮設置する(仮設置工程)。
鋼管15を仮設置した後、基礎10の据え付け箇所の傾斜に対して鋼管15の底壁24を水平に保持するためや複数の鋼管15の底壁24の高さ寸法を統一にするため、コンクリート躯体12の表面からの鋼管15の設置高さ(高さ寸法)を調節する(高さ寸法調節工程)。高さ寸法調節工程では、高さ調節ボルト17の説明において述べたように、ボルト17を時計回りと反時計回りとのいずれかに回転させ、鋼管15の底壁24に対するそれら高さ調節ボルト17の螺着位置を調節することによって、空間37の高さ寸法を調節し、コンクリート躯体12の表面からの鋼管15の底壁24の高さ寸法を調節する。
高さ寸法調節工程において高さ調節ボルト17のボルトヘッドがコンクリート躯体12の表面に当接し、鋼管15が躯体12の表面から上方へ離間する。空間37の高さ寸法を調節した後、アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27の上面から上方へ延びる部分41に二重ナット42を螺着し、高さ調節ボルト17とそれら二重ナット42と(固定手段)で鋼管15をアンカーボルト18の自由端部39に固定する(鋼管固定工程)。
なお、高さ調節ボルト17を利用せずにコンクリート躯体12の表面からの鋼管15の高さ寸法を調節する場合は、アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27から下方へ延びる部分43に六角ナットを螺着し、そのナットを時計回りと反時計回りとのいずれかに回転させ、空間37の高さ寸法を調節する。空間37の高さ寸法を調節した後、アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27から上方へ延びる部分41に六角二重ナット42を螺着し、六角二重ナット42と六角ナットと(固定手段)で鋼管15をアンカーボルト18の自由端部39に固定する(鋼管固定工程)。
次に、図10に示すように、鋼管15の側壁22の頂部28から枠材20を挿通し、枠材20を鋼管15の側壁22の底部23に移動させ、底壁24の外側部分27の外周縁近傍に設置する(枠材設置工程)。枠材20を設置すると、枠材20の底面44がコンクリート躯体12の表面に当接し、枠材20の垂直面45が底壁24の外側部分27の外周縁を囲繞するとともに、枠材20の斜面46が底壁24の外側部分27の上面全域とリブ25全域とを覆う。接着剤を介して枠材20の底面44をコンクリート躯体12の表面に固着し、接着剤を介して枠材20の垂直面45の一部を底壁24の外側部分27の外周縁に固着する。枠材20は、コンクリート躯体12の表面と底壁24の外側部分27の外周縁との間に延びる所定高さの空隙(空間37の外周縁)を取り囲み、その空隙を塞ぐ。
枠材20を設置した後、鋼管15の各側壁22(周壁)の外面と枠材20の斜面46とに防水層21を設置する(防水材設置工程)。防水材設置工程では、複数の薄いアスファルトシートを鋼管15の各側壁22の外面に固着して防水層21を作るとともに、アスファルトシートを枠材20の斜面46に固着して防水層21を作る。さらに、コンクリート躯体12の表面の側に延びる防水層21(枠材20の斜面46に固着されたアスファルトシート)をコンクリート構造物11の防水層13に水漏れがないように水密につなげる。
防水層21を設置した後、図11に示すように、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24(底壁24の内側部分26と外側部分27との下面)との間に形成された空間37(コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24の下面と枠材20の垂直面45とに囲繞された空間37)にモルタル19(セメント硬化物)を充填する(セメント硬化物充填工程)。空間37にモルタル19を充填した後、モルタル19の養生期間を待つことなく、直ちに鋼管15の側壁22の頂部28に蓋材16を嵌め込み(蓋材16を頂部28に固定)、鋼管15の頂部開口29を閉塞する(頂部閉塞工程)。以上の各工程が終了すると図1に示す据え付け基礎10が完成する。なお、防水材設置工程よりも先にセメント硬化物充填工程を行い、モルタル19を空間37に充填した後に、防水層21を設置してもよい。
空隙(空間37の外周縁)が枠材20の垂直面45によって塞がれているから、枠材20が硬化前(養生前)のモルタル19の空隙(空間37)からの漏出を防ぐ堤防となり、空間37に充填されたモルタル19が空隙(空間37)から漏れ出すことはなく、モルタル19の充填後に直ちに蓋材16で頂部開口29を閉塞することができる。据え付け基礎10では、鋼管15の頂部28に蓋材16を嵌め込んだ(固定した)直後において空間37に充填されたモルタル19が未硬化状態にあり、鋼管15の頂部28に蓋材16を固定した後からモルタル19の養生期間が開始する。
頂部閉塞工程では、鋼管15に蓋材16を嵌め込んだ後、鋼管15の側壁22の頂部26に作られた固定ボルト螺着孔31に蓋固定ボルト30を螺着するとともに、蓋材16のアングル材35の蓋固定ボルト挿通孔にボルト30を挿通し、蓋固定ボルト挿通孔に取り付けられた六角ナット36にボルト30を螺着して蓋材16を頂部28に固定する。鋼管15の頂部開口29は、蓋材16によって水密に閉塞される。
空間37では、モルタル19の養生期間が経過し、そこに充填されたモルタル19が硬化することで、アンカーボルト18の自由端部39のうちのコンクリート躯体12の表面と底壁24の外側部分27の下面との間に延びる部分43(アンカーボルト18の自由端部39のうちの底壁24の外側部分27の下面から下方へ露出する部分43)がモルタル19と一体になり、鉄筋モルタルを形成する。
据え付け基礎10は、それがコンクリート躯体12に固定された複数のアンカーボルト18、それらアンカーボルト18に固定された鋼管15、底壁24の外側部分27の外周縁とコンクリート躯体12との間に設置された枠材20、空間37に充填されたモルタル19、鋼管15の側壁22の頂部28に設置された蓋材16、防水層21から形成されているから、基礎10を作る際に施工現場(据え付け箇所)において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎部品製造工場や施工現場において基礎10を作るためにモルタル19を養生する必要はなく、コンクリート躯体12に固定された複数のアンカーボルト18に中空の軽量な鋼管15を固定し、空間37にモルタル19を充填した後直ちにその鋼管15に蓋材16を固定するとともに、鋼管15の外側に防水層21を固定するだけであり、それらがすべて汎用部品化されてユニットとして組み立てられるから、型枠の製作やモルタル19の養生にかかる手間や時間、コストを省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の工期を短縮することができる。
据え付け基礎10は、複数のアンカーボルト18の固定端部38がコンクリート躯体12に固定され、それらアンカーボルト18の自由端部39が鋼管15の底壁24に固定されるとともに、モルタル19の養生期間が経過した後にアンカーボルト18の部分43がモルタル19と一体になり、基礎10にかかる荷重をアンカーボルト18とモルタル19とで分担するから、それをコンクリート躯体12に強固に据え付けることができるのみならず、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。
据え付け基礎10は、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24の下面と枠材20の垂直面46との間の空間37にモルタル19が充填され、基礎10の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎10にかかる荷重をアンカーボルト18とモルタル19とで分担するから、基礎10にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎10が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。据え付け基礎10は、鋼管15の底壁24を側壁22(周壁)の径方向外方へ延ばして外側部分27を形成することで底壁24の面積を確保し、その底壁24によって基礎10にかかる荷重を支え、代わりに鋼管15の対向する側壁22間の径方向の寸法(周壁の径方向の寸法)を小さくして鋼管15の重量を減少させることができるから、鋼管15の重量を軽量化することができ、その結果として基礎10の重量を軽量化することができる。
据え付け基礎10は、それがコンクリート構造物11の屋上に設置された場合に防水層13につながる防水層21によって基礎10の内部への水の侵入を防ぐことができ、内部に水が進入することによる基礎10の劣化を防ぐことができる。また、コンクリート躯体12の表面の側に延びる防水層21(枠材20の斜面46に固着された防水層21)がコンクリート構造物11の防水層13につながっているから、それら防水層21,13によって基礎10の内部への水の侵入を防ぐことができることはもちろん、コンクリート構造物11への水の進入を防ぐことができ、水の進入によるコンクリート構造物11の劣化を防ぐことができる。
据え付け基礎10は、高さ調節ボルト17を利用することで基礎10の施工中(据え付け中)にその高さ寸法(コンクリート躯体12の表面に対する鋼管15の底壁24の高さ寸法)を自由に変えることができ、基礎10の高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。据え付け基礎10は、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎10どうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎10の高さ寸法を均一に揃えることができるとともに、基礎10を据え付けるコンクリート躯体12が傾斜していたとしても、基礎10を水平に修正することができる。
据え付け基礎10は、コンクリート躯体12の表面と鋼管15の底壁24の外側部分27の外周縁との間に延びる空隙(空間37)が枠材20の垂直面46によって塞がれ、モルタル19を空間37に充填したとしても、そのモルタル19が空隙(空間37)から漏れ出すことはなく、空間37にモルタル19を充填した直後であってモルタル19の養生期間を待つことなく、蓋材16によって鋼管15の頂部開口29を塞ぐことができ、モルタル19の養生期間を待つことなく次の基礎10の施工を行うことができるから、モルタル19の養生期間の分の工期を短縮することができ、据え付け基礎10の工期を大幅に短縮することができる。据え付け基礎10は、底壁24の外側部分27の外周縁の近傍にモルタル19の養生ための型枠を設置する必要がなく、型枠を設置するための手間や時間、コストを省くことができる。
10 据え付け基礎
11 コンクリート構造物
12 コンクリート躯体
13 防水層
14 コンクリート層
15 鋼管(管材)
16 蓋材
17 高さ調節ボルト
18 アンカーボルト
19 モルタル(セメント硬化物)
20 枠材
21 防水層
22 側壁(周壁)
24 底壁
26 内側部分
27 外側部分
29 頂部開口
30 蓋固定ボルト
31 固定ボルト螺着孔
32 調節ボルト螺着孔
33 アンカーボルト挿通孔
34 充填孔
37 空間
38 固定端部
39 自由端部
40 アンカーホール
41 部分
43 部分
44 底面
45 垂直面
46 斜面

Claims (5)

  1. 新設または既設のコンクリート構造物の所定の据え付け箇所に据え付けられる据え付け基礎において、
    前記据え付け基礎が、前記コンクリート構造物に固定された固定端部および該コンクリート構造物から上方へ立ち上がる自由端部を有する複数のアンカーボルトと、それらアンカーボルトの自由端部に支持されて前記コンクリート構造物の表面から上方へ所定寸法離間する中空の管材と、前記管材の底壁の外周縁と前記コンクリート構造物との間に設置されて該コンクリート構造物の表面と該底壁の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材と、前記コンクリート構造物の表面と前記管材の底壁との間の空間に充填されるセメント硬化物と、前記管材の周壁頂部に設置されて該管材の頂部開口を塞ぐ蓋材とから形成され、
    前記据え付け基礎では、それらアンカーボルトの自由端部が前記管材の底壁に開口する挿通孔に挿通されて所定の固定手段を介して該底壁に固定され、前記底壁に開口する充填孔から前記コンクリート構造物と該底壁と前記枠材とに囲繞された前記空間にセメント硬化物を充填した直後であって該セメント硬化物の養生期間の経過前に、前記蓋材によって前記管材の頂部開口が塞がれ、
    前記据え付け基礎では、前記蓋材によって前記管材の頂部開口が塞がれた直後において前記空間に充填されたセメント硬化物が未硬化状態にあり、前記蓋材によって前記管材の頂部開口が塞がれた後からセメント硬化物の養生期間が開始し、前記養生期間の経過後に、前記アンカーボルトの自由端部のうちの前記コンクリート構造物の表面と前記管材の底壁との間に延びる部分が前記空間に充填されたセメント硬化物と一体になることを特徴とする据え付け基礎。
  2. 前記管材の底壁が、該管材の周壁の径方向内方へ延出する内側部分と、該管材の周壁の径方向外方へ延出する外側部分とを有し、それらアンカーボルトの自由端部が、前記外側部分に開口する挿通孔に挿通されて所定の固定手段を介して該外側部分に固定され、前記充填孔が、前記内側部分の中央に形成され、前記枠材が、前記底壁の外側部分の外周縁と前記コンクリート構造物との間に設置されて該コンクリート構造物の表面と該外側部分の外周縁との間の空隙を塞いでいる請求項1に記載の据え付け基礎。
  3. 前記コンクリート構造物が、コンクリート躯体と、前記コンクリート躯体の上に施設された防水層と、前記防水層の上に施設されたコンクリート層とから形成され、前記アンカーボルトの固定端部が、前記コンクリート構造物から前記コンクリート層と前記防水層とを取り除いた前記コンクリート躯体に固定され、前記管材が、前記コンクリート躯体の表面から上方へ離間して設置されている請求項1または請求項2に記載の据え付け基礎。
  4. 前記据え付け基礎が、前記管材の外側と前記枠材の外側とに設置された防水層を含み、前記管材の底壁の側に延びる前記防水層が、前記コンクリート構造物の防水層につながっている請求項3に記載の据え付け基礎。
  5. 前記据え付け基礎が、前記底壁の外側部分に開口する螺着孔に螺着されて前記管材の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、前記高さ調節ボルトの前記底壁の外側部分に対する螺着位置を調節することによって前記空間の高さ寸法を調節可能かつ前記コンクリート構造物の表面からの前記管材の高さ寸法を調節可能である請求項1ないし請求項4いずれかに記載の据え付け基礎。
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