JP3172654B2 - 光ディスク再生装置のフォーカスサーボ回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク再生装置の
フォーカスサーボ回路に関し、特に光ピックアップのデ
ィスク半径方向への高速移送時の対物レンズの動作音を
低減する光ディスク再生装置のフォーカスサーボ回路に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光ディスク記録再生装置において
は、トラックジャンプを行う場合には、フォーカスサー
ボをかけた状態で、トラッキングサーボをＯＦＦとし、
光ピックアップのトラッキングアクチュエーターや光ピ
ックアップを送るモーター等を用いていた。しかしなが
ら、フォーカスサーボを非点収差検出方式でトラッキン
グサーボを３ビーム法を用いた光ピックアップを用いた
場合、光ピックアップ内の四分割ディテクター上のディ
スクトラックの接線方向で２等分した面積に当たる光量
のアンバランスによりディスクのピット列上とピット列
間上とでフォーカスエラー信号が変化するという現象を
生じる。この現象に起因して、トラックを高速で横切る
とピット列上とピット列間とでフォーカスエラーが変動
し、その結果、対物レンズが上下に揺れて異音を発生し
てしまうという問題を生じていた。

【０００３】そのため、トラックジャンプ時には、フォ
ーカスサーボの帯域を狭めたり（フォーカスサーボゲイ
ンを下げる）、トラッキングエラー信号をフォーカスエ
ラーの変動の逆相となる様に注入してキャンセルさせる
等の手法がとられていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フォー
カスゲインを下げる方法では、振動、ショック等に弱
く、トラッキングエラーを注入する方法では、傷による
フォーカス外れを生じることがあるという問題がある。

【０００５】そこで、本発明の目的は、上記欠点を解消
し、トラックジャンプ時の異音の発生を抑える光ディス
ク再生装置のフォーカスサーボ回路を実現することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに本発明の光ディスク再生装置のフォーカスサーボ回
路は、光ピックアップを介して得られるフォーカスエラ
ー信号に基づいてフォーカスサーボ動作させる光ディス
ク再生装置のフォーカスサーボ回路において、前記光ピ
ックアップを光ディスクの半径方向に予め定めた速度よ
り大きい速度で移動させるときは、前記光ピックアップ
を介して得られるＲＦ信号とトラッキングエラー信号に
基づいて前記光ディスクに形成されている情報が得られ
るタイミング信号を生成し、このタイミング信号で前記
フォーカスエラー信号をサンプリングして得られるエラ
ー信号に基づいて前記フォーカスサーボ動作させ、前記
予め定めた速度より小さい速度で移動させるときは、前
記フォーカスエラー信号をそのまま用いて前記フォーカ
スサーボ動作させるように構成される。

【０００７】

【０００８】

【作用】本発明では、光ピックアップを光ディスクの半
径方向に予め定めた速度より大きい速度で移動させると
きは、光ディスクに形成されている情報が得られるタイ
ミング信号によりフォーカスエラー信号をサンプリング
して得られるエラー信号に基づいてフォーカスサーボ動
作させることにより、トラックジャンプ時の異音の発生
を抑えている。

【０００９】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図１は本発明による光ディスク再生装置のフ
ォーカスサーボ回路の一実施例を示す概略構成ブロック
図である。

【００１０】光ディスク１は、ピットの有無に応じて情
報が書き込まれており、ディスクモータ２により回転駆
動される。光ピックアップ３は、ディスク１にレーザー
光を照射し、ピットの有無による戻り光の変化を電気信
号び変換してプリアンプ４に送出する。また、フォーカ
ス方向、トラッキング方向に対物レンズを駆動するトラ
ッキングアクチュエーターと光ピックアップをディスク
半径方向に移動させる駆動機構（図示せず）を備え、デ
ィスクの任意位置の情報が読み出せる。

【００１１】図２は、光ピックアップのフォーカスエラ
ー信号を生成するための四分割ディテクターＡ〜Ｄを示
しており、図中の｛（Ｉａ＋Ｉｃ）−（Ｉｂ＋Ｉｄ）｝
で表わされる光量差に対応する電流により、フォーカス
エラー信号ＦＥが生成される。プリアンプ４は、光ピッ
クアップ３から出力される信号を増幅し、マトリクス処
理を施し、ＲＦ信号、トラッキングエラー信号ＴＥ、フ
ォーカスエラー信号ＦＥを生成して出力する。サーボ回
路６は、コントロール回路７からの制御を受け、フォー
カス、トラッキング及びピックアップ機構送り部を制御
する。

【００１２】コントロール回路７は、サーボ回路６に制
御用の指令信号を出力するとともに、フォーカスエラー
生成回路５にトラックジャンプを行なわせる数に応じた
指令信号を出力する。

【００１３】フォーカスエラー生成回路５は、例えば、
図３に示すように構成され、また、図４には図３の回路
の各部信号波形とタイミングが示されている。以下、図
３と図４を参照してフォーカスエラー生成回路５の動作
を説明する。

【００１４】ピークエンベロープ検波回路５１は、ＲＦ
信号ａの全反射レベルを検波する。振幅分圧回路５２
は、ピークエンベロープ検波回路５１の出力信号ｂをレ
ベル分圧する。ボトムエンベロープ検波回路５４は、Ｒ
Ｆ信号ａのボトムエンベロープを検波して検波信号ｄを
出力する。コンパレータ５３は振幅分圧回路５２とボト
ムエンベロープ検波回路５４の出力信号ｃとｄのレベル
を比較し、出力信号ｃが信号ｄよりも高いとき出力が生
ずるような２値信号に変換した出力信号ｅを出力する。

【００１５】トラッキングゼロクロスコンパレータ５６
は、トラッキングエラー信号ＴＥ（ｆ）のレベルを予め
定めた制御基準レベルと比較して２値信号ｇに変換して
出力する。エッジ検出回路５７は、トラッキングゼロク
ロスコンパレータ５６の出力２値信号ｇの変化点を検出
して、出力パルスｈを出力する。

【００１６】サンプリングパルス生成回路５５は、コン
パレータ５３の出力信号ｅとエッジ検出回路５７のエッ
ジ検出出力ｈのＡＮＤ論理を取り、出力信号ｉを生成す
る。リトリガブルワンショットマルチバイブレータ５８
は、サンプリングパルス生成回路５５からの出力信号ｉ
が入力されると、パルス発生中であってもそこから所定
時間のパルス幅を延長した出力ｊを生成する。

【００１７】サンプルホールド回路５９は、入力される
信号ＦＥＩ（フォーカスエラー信号）ｋを入力信号パル
スｉのＨ（ハイレベル）でサンプルし、Ｌ（ローレベ
ル）でホールドする。切換回路６０は、サンプルホール
ド回路５９の出力ｍと、入力信号ＦＥＩ（ｋ）とを入力
とし、コントロール回路７からのコントロール指令信号
により、これら入力を選択、切換出力し、予め設定され
たマスク時間経過に、ＦＥＩ信号ｋからサンプルホール
ド回路５９の出力信号ｍへと切り換えて出力し、信号ｎ
を得る。その後、到来するリトリガブルワンショートマ
ルチバイブレータ５８の出力信号ｊがＬとなった時に、
再び、出力信号をＦＥＩ信号ｋに戻す。

【００１８】本発明の動作を構成に基づき説明する。先
ず、コントロール回路７により、サーボ回路６を介し
て、駆動機構を制御し、光ピックアップ３のディスク半
径方向への移動を、フォーカスサーボ制御するととも
に、その移動指示に応じたマスク時間信号をフォーカス
エラー生成回路５内の切換回路６０に出力する。サーボ
回路６は、切換回路６０からの出力信号を受け、フォー
カスサーボをかけた状態で、トラッキングサーボループ
を開くとともに、光ピックアップ３を指示された方向に
移動させる。フォーカスエラー生成回路５は、コントロ
ール回路７により設定された時間が経過すると、切換回
路６０の入力信号ＦＥＩをフォーカスエラー入力側よ
り、サンプルホールド回路５９のサンプルホールド出力
信号に切り換え出力する。

【００１９】フォーカスエラー生成回路５では、光ピッ
クアップ３のフォーカスサーボがかかり、トラッキング
サーボループが開いている状態で、ＲＦ信号のピークと
ボトムのエンベロープ波形をピークエンベロープ検波回
路５１及び振幅分圧回路５２で検出し、コンパレータ５
３でピークエンベロープレベルの分圧出力（振幅分圧回
路５２の出力ｃ）をボトムエンベロープ検波回路５４で
得られたボトム出力とをレベル比較する。このレベル比
較結果により、光ピックアップ３から照射されるレーザ
ースポットがピット列上に有るか、ピット列間上に有る
かの検出信号ｅがを生成される。出力信号ｅにおいて、
Ｈ（ハイレベル）がピット列上、Ｌ（ローレベル）がピ
ット列間上であることを示す。ピット列上にあるという
信号とトラッキングエラー信号ＴＥ（ｆ）をトラッキン
グゼロクロスコンパレーター５６で２値化し、その出力
ｇの両エッジをエッジ検出回路５７で検出する。

【００２０】サンプリングパルス生成回路５５は、検出
されたエッジで所定時間ハイレベルＨとなるパルスと、
コンパレータ５３の出力ｅとのＡＮＤ論理出力を、サン
プリングパルスｉ（ピット列上）としてサンプルホール
ド回路５９に送出し、レベルＨでサンプル、レベルＬで
ホールドして、サンプルホールドフォーカスエラー信号
ｍを生成し、切換回路６０に送出する。コントロール回
路７は、光ピックアップの移動速度が所定速度以上とな
る予め設定された所定時間ホールドしたコントロール
（マスキング）信号ｏを出力する。

【００２１】また、コントロール回路７が設定したトラ
ック数だけ光ピックアップ３を移動させた後に、移動を
停止する指示をサーボ回路６に送出すると、サーボ回路
６は、光ピックアップの移動を停止させ、トラッキング
ループを閉じる。フォーカスエラー生成回路５では光ピ
ックアップの移動速度が遅くなるとサンプリングパルス
発生回路５５のパルス発生間隔が長くなり、リトリガブ
ルワンショットマルチバイブレーター５８のトリガー入
力間隔も広がり、この出力パルス幅以上にトリガー入力
間隔が広がって、出力がＨよりＬに変化する。このＬの
出力により切換回路６０は、出力をリトリガブルワンシ
ョトマルチバイブレータ５９の出力側より、フォーカス
エラー入力側に切り換えて動作を終了する。

【００２２】以上のように、高速で光ピックアップを半
径方向に移動させているときには、フォーカスエラー信
号のオントラックポイントのフォーカスエラー信号レベ
ルのサンプルホールド信号でフォーカスサーボループを
形成し、それ以外では、通常のサンプルホールドをして
いないフォーカスエラー信号でのフォーカスサーボルー
プを形成している。また、コントロール回路７は、光ピ
ックアップの移動を止めさせると同時にフォーカスエラ
ー生成回路５に指示を与え、切換回路６０を強制的にフ
ォーカスエラー入力側に切り換える。

【００２３】上述の実施例によれば、フォーカスサーボ
をかけ、光ピックアップをデスク半径方向に高速で送っ
た時にフォーカスエラー信号のピット列上とピット列間
上とでの変化によるアクチュエーターノイズを取ること
ができることになる。また、送り中のサンプリングパル
ス間隔を監視することにより、偏芯等でサンプリングパ
ルスの間隔が広がりすぎ、フォーカスサーボループを不
安定にすることも防止でき、安定したフォーカスサーボ
ループを保つことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ディス
ク再生装置のフォーカスサーボ回路によれば、トラック
ジャンプ時の異音の発生が抑圧される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による光ディスク再生装置のフォーカス
サーボ回路の一実施例を示す概略構成ブロック図であ
る。

【図２】光ピックアップのフォーカスエラー生成マトリ
クスを示す図である。

【図３】図１のフォーカスエラー生成回路５の詳細ブロ
ック図である。

【図４】図３の各部の波形を示したものである。

【符号の説明】

１ 光ディスク ２ ディスクモータ ３ 光ピックアップ ４ プリアンプ ５ フォーカスエラー生成回路 ６ サーボ回路 ７ コントロール回路 ５１ ピークエンベロープ検波回路 ５２ 振幅分圧回路 ５３ コンパレータ ５４ ボトムエンベロープ検波回路 ５５ サンプリングパルス生成回路 ５６ トラッキングゼロクロスコンパレータ ５７ エッジ検出回路 ５８ リトリガブルワンショットマルチバイブレ
ータ ５９ サンプルホールド回路 ６０ 切換回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ピックアップを介して得られるフォーカ
   スエラー信号に基づいてフォーカスサーボ動作させる光
   ディスク再生装置のフォーカスサーボ回路において、 前記光ピックアップを光ディスクの半径方向に予め定め
   た速度より大きい速度で移動させるときは、前記光ピッ
   クアップを介して得られるＲＦ信号とトラッキングエラ
   ー信号に基づいて前記光ディスクに形成されている情報
   が得られるタイミング信号を生成し、このタイミング信
   号で前記フォーカスエラー信号をサンプリングして得ら
   れるエラー信号に基づいて前記フォーカスサーボ動作さ
   せ、前記予め定めた速度より小さい速度で移動させると
   きは、前記フォーカスエラー信号をそのまま用いて前記
   フォーカスサーボ動作させることを特徴とする光ディス
   ク再生装置のフォーカスサーボ回路。