JP3172635U - 一斉開放弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】感知ラインの圧力を適性圧力に調整できると共に、圧力変動に対する追従性がよく、動作の安定性と信頼性に優れた一斉開放弁を提供する。
【解決手段】一次室7と二次室9を仕切る弁体5と、弁体5に設けられて制御室15と一次室7との間を連通させる2つの連通孔と、該連通孔に設けられて、制御室15の圧力を調整する導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25とを備えた一斉開放弁1であって、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25は、弁座に対して面接触し、軸部が軸受孔と横穴に支持され、弁体5は中央の突出部59の周縁に環状凹条部61を有し、横穴と環状凹条部61とが連通することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】一次室7と二次室9を仕切る弁体5と、弁体5に設けられて制御室15と一次室7との間を連通させる2つの連通孔と、該連通孔に設けられて、制御室15の圧力を調整する導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25とを備えた一斉開放弁1であって、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25は、弁座に対して面接触し、軸部が軸受孔と横穴に支持され、弁体5は中央の突出部59の周縁に環状凹条部61を有し、横穴と環状凹条部61とが連通することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本考案は、消火設備における消火液を供給する配管中に設置される減圧開型の一斉開放弁に関する。
泡消火設備で用いられる一斉開放弁として、弁体により区画形成された弁箱内部の圧力室(制御室)の圧力が低下したときに上記弁体が開動して一次側室(一次室)と二次側室(二次室)とが連通する減圧開型のものがある。
このような減圧開型の一斉開放弁においては、一般に、一次側室と圧力室との間に連通孔を設け、この連通孔に、一次側室から圧力室側への消火液の流入を許容する逆止弁が設置されている。
このような減圧開型の一斉開放弁においては、一般に、一次側室と圧力室との間に連通孔を設け、この連通孔に、一次側室から圧力室側への消火液の流入を許容する逆止弁が設置されている。
しかしながら、上記の逆止弁のみであると、圧力室に接続されている感知ラインの周辺温度が上昇すると、感知ラインに充填されている消火液が膨張し、その圧力が感知ラインの配管や機器類の設計圧力を超え、これらに損傷を与える危険がある。
このような危険を回避することを目的として、一斉開放弁における一次側室と圧力室との間の連通孔に、一次側室から圧力室側への消火液の通流を許容する第1逆止弁に加え、圧力室側から一次室側への消火液の通流を許容する第2逆止弁を設置し、第1逆止弁と第2逆止弁の作動圧力を適宜設定することによって、圧力室側の圧力の上昇を緩和するという技術が提案されている。
このような危険を回避することを目的として、一斉開放弁における一次側室と圧力室との間の連通孔に、一次側室から圧力室側への消火液の通流を許容する第1逆止弁に加え、圧力室側から一次室側への消火液の通流を許容する第2逆止弁を設置し、第1逆止弁と第2逆止弁の作動圧力を適宜設定することによって、圧力室側の圧力の上昇を緩和するという技術が提案されている。
図7はこのような機能を有する一斉開放弁の一例であって、特許文献1の図1に記載されたものである。
特許文献1に記載された一斉開放弁Aは、弁箱本体121とカバー体122とにより弁箱123が構成され、弁箱123の内部に弁体124が内蔵され、さらに弁箱123の内部に、弁体124の上下動により開閉される連通孔125を挾んで一次側室126と二次側室127が配置されている。そして、弁箱123の内部に、弁体124によって一次側室126および二次側室127に対して区画形成された圧力室128が配置されている。
また、弁体124の2箇所に一次側室126と圧力室128とを連通する通孔129a,129bが形成され、片側の通孔129aに第1チャッキ弁130が、他側の通孔129bに第2チャッキ弁131がそれぞれ介在されている。
特許文献1に記載された一斉開放弁Aは、弁箱本体121とカバー体122とにより弁箱123が構成され、弁箱123の内部に弁体124が内蔵され、さらに弁箱123の内部に、弁体124の上下動により開閉される連通孔125を挾んで一次側室126と二次側室127が配置されている。そして、弁箱123の内部に、弁体124によって一次側室126および二次側室127に対して区画形成された圧力室128が配置されている。
また、弁体124の2箇所に一次側室126と圧力室128とを連通する通孔129a,129bが形成され、片側の通孔129aに第1チャッキ弁130が、他側の通孔129bに第2チャッキ弁131がそれぞれ介在されている。
第1チャッキ弁130は、図8に示すように、弁体124に形成された凹所132に配置されたボール状の弁体133と、そのボール状の弁体133に対応して上記凹所132の段付部132aに配置されたOリングでなる弁座135と、ボール状の弁体133の上に配置されたばね136と、上記凹所132に螺着されたばね押え137とを備えている。
上記のように構成された第1チャッキ弁130においては、弁体124が連通孔125を閉じているときに、一次側室126の圧力が圧力室128の圧力よりも一定値以上高くなると、圧力差に応じた力で弁体133がばね136の弾発付勢力に抗して上方に押され、それによって弁体133が上昇して弁座135から離れると共に弁体133と凹所132の壁面との間に隙間が形成される。このため、一次側室126の消火液が通孔129aと上記隙間とばね押え137の孔137aを経て圧力室128側に送り込まれる。逆に、圧力室128の圧力が一次側室126の圧力と同等かそれより高いときには、ばね136の弾発付勢力で弁体133が弁座135に押し付けられて通孔129aを閉じた状態になる。
この第1チャッキ弁130は、感知ライン200を充液加圧して一斉開放弁Aをセットするときに開動作状態になるほか、セット後において感知ライン200に少量の圧力漏れが発生した場合に自動的に開動作して、一次側室126から圧力室128を経て感知ライン200に消火液の補填を行うことに役立つ。
この第1チャッキ弁130は、感知ライン200を充液加圧して一斉開放弁Aをセットするときに開動作状態になるほか、セット後において感知ライン200に少量の圧力漏れが発生した場合に自動的に開動作して、一次側室126から圧力室128を経て感知ライン200に消火液の補填を行うことに役立つ。
第2チャッキ弁131の構造も、第1チャッキ弁130の構造と基本的に同様の構造であって、弁体124に形成された凹所に配置されたボール状の弁体と、そのボール状の弁体と上記凹所の段付部との間に介在されたばねと、上記凹所に螺着されたばね押えと、ばね押えの内部に上記弁体に対応して配置されたOリングでなる弁座とを備えてなるものである。
この第2チャッキ弁131は、一斉開放弁Aがセットされた後において、感知ライン200の圧力が一定値以上に上昇したときに開動作状態になって、感知ライン200を充液加圧している消火液を圧力室128から一次側室126に逃がすことに役立つものである。
この第2チャッキ弁131は、一斉開放弁Aがセットされた後において、感知ライン200の圧力が一定値以上に上昇したときに開動作状態になって、感知ライン200を充液加圧している消火液を圧力室128から一次側室126に逃がすことに役立つものである。
特許文献1に開示された第1チャッキ弁130、及び第2チャッキ弁131は、その基本構造として、ボール状の弁体を用い、該ボール状の弁体を凹所に設置し、該ボール状の弁体の下側もしくは上側にOリングからなる弁座を設け、該弁座の反対側に配置したばねによってボール状の弁体を付勢するというものである。
このような構造の場合、以下のような問題点がある。
減圧開型の一斉開放弁においては、圧力室128の圧力が一次側室126の圧力に対して所定値よりも低くなったときに弁体124が開放するという機構である。このような機構の一斉開放弁において、特許文献1に記載のように、圧力室128の圧力が所定値を超えたときに圧力室128の消火液を一次側室126に通流させて圧力室128の圧力を低下させるというものである場合、その作動が安定して信頼性高く行われないと、弁体124が本来開放すべきでないときに開放してしまうという問題がある。つまり、この種のものにおいては、第1チャッキ弁130、第2チャッキ弁131の動作が圧力変動に対して追従性がよいと共にその作動に安定性と信頼性が要求され、それが一斉開放弁全体としての信頼性に大きく影響する。
ところが、特許文献1に記載のものにおいては、以下に示すように、その安定性と信頼性が十分とは言えない。
減圧開型の一斉開放弁においては、圧力室128の圧力が一次側室126の圧力に対して所定値よりも低くなったときに弁体124が開放するという機構である。このような機構の一斉開放弁において、特許文献1に記載のように、圧力室128の圧力が所定値を超えたときに圧力室128の消火液を一次側室126に通流させて圧力室128の圧力を低下させるというものである場合、その作動が安定して信頼性高く行われないと、弁体124が本来開放すべきでないときに開放してしまうという問題がある。つまり、この種のものにおいては、第1チャッキ弁130、第2チャッキ弁131の動作が圧力変動に対して追従性がよいと共にその作動に安定性と信頼性が要求され、それが一斉開放弁全体としての信頼性に大きく影響する。
ところが、特許文献1に記載のものにおいては、以下に示すように、その安定性と信頼性が十分とは言えない。
(a)第1チャッキ弁130及び第2チャッキ弁131を構成する弁体133がボール状であることから、弁座135との接触が線接触となり、接触面積が小さいので、消火液が漏れる可能性がある。消火液が漏れると、動作が安定せず、かつ追従性が悪くなる。
(b)ボール状の弁体133を支持するばね136は上下方向に伸縮することになるが、特にガイドが設けられているわけではないので、伸縮動作中において、横方向にずれることも考えられ、ばね136が横方向にずれると、ボール状の弁体133に対して鉛直方向に均等な力を作用させることができず、作動の安定性を欠き、消火液の漏れの原因ともなる。この場合も、結局、動作が安定せず、かつ追従性が悪くなる。
(c)ボール状の弁体133とばねの接触部は常時フリーな状態で接触しており、両者間の接触の繰り返しにより、ボール状の弁体133に傷が付くことも考えられる。傷が付くことで、漏れの原因となり、動作の安定性と信頼性に欠ける。
(d)ボール状の弁体133はばねと弁座135との間にフリーな状態で配置されているため、振動などによって容易に移動し易く、それ故、信頼性に欠ける。
(e)第1チャッキ弁130の孔137aは垂直方向に開いているため、圧力室128内にあるゴミ等の異物が孔137aから第1チャッキ弁130の内部に侵入しやすい。また、第2チャッキ弁131も第1チャッキ弁130と同様の構造のため、内部にゴミ等の異物が侵入しやすい。この場合も、動作が安定性と信頼性に欠ける。
以上のように、特許文献1に記載されたものは、第1チャッキ弁130及び第2チャッキ弁131の構造に起因して、動作の安定性と信頼性に欠けるという問題点がある。
(b)ボール状の弁体133を支持するばね136は上下方向に伸縮することになるが、特にガイドが設けられているわけではないので、伸縮動作中において、横方向にずれることも考えられ、ばね136が横方向にずれると、ボール状の弁体133に対して鉛直方向に均等な力を作用させることができず、作動の安定性を欠き、消火液の漏れの原因ともなる。この場合も、結局、動作が安定せず、かつ追従性が悪くなる。
(c)ボール状の弁体133とばねの接触部は常時フリーな状態で接触しており、両者間の接触の繰り返しにより、ボール状の弁体133に傷が付くことも考えられる。傷が付くことで、漏れの原因となり、動作の安定性と信頼性に欠ける。
(d)ボール状の弁体133はばねと弁座135との間にフリーな状態で配置されているため、振動などによって容易に移動し易く、それ故、信頼性に欠ける。
(e)第1チャッキ弁130の孔137aは垂直方向に開いているため、圧力室128内にあるゴミ等の異物が孔137aから第1チャッキ弁130の内部に侵入しやすい。また、第2チャッキ弁131も第1チャッキ弁130と同様の構造のため、内部にゴミ等の異物が侵入しやすい。この場合も、動作が安定性と信頼性に欠ける。
以上のように、特許文献1に記載されたものは、第1チャッキ弁130及び第2チャッキ弁131の構造に起因して、動作の安定性と信頼性に欠けるという問題点がある。
本考案はかかる課題を解決するためになされたものであり、感知ラインの圧力を適性圧力に調整できると共に、圧力変動に対する追従性がよく、またゴミ等の異物による影響を減少させ、動作の安定性と信頼性に優れた一斉開放弁を得ることを目的としている。
(1)一次室と、二次室と、感知ヘッドが設けられる感知用配管に連通する制御室と、該制御室に移動可能に設けられて一次室と二次室を仕切る弁体と、該弁体に設けられて制御室と一次室との間を連通させる2つの連通孔と、該連通孔の一方に設けられて一次室の圧力が制御室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動する導圧逆止弁と、連通孔の他方に設けられ制御室の圧力が一次室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動作する排圧逆止弁とを備えた一斉開放弁であって、導圧逆止弁及び排圧逆止弁は、
弁座に対して面接触する着座部と、水平方向に摺動する弁体の動作方向の両側に設けられた軸部と、一次室からの圧力を受ける軸部が支持され、水平方向に設けられる軸受孔及び制御室からの圧力を受ける軸部が支持され、水平方向に設けられる横孔とからなる支持部とをそれぞれ有すると共に、導圧逆止弁は、制御室からの圧力に付勢する方向に導圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、排圧逆止弁は、一次室からの圧力に付勢する方向に排圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、弁体は、内壁底面の中央部に位置する突出部と、該突出部の周縁に設けられた環状凹条部とを有し、各横穴と環状凹条部とが連通し、さらに環状凹条部の底面は横穴との接続位置よりも下方にあることを特徴とするものである。
弁座に対して面接触する着座部と、水平方向に摺動する弁体の動作方向の両側に設けられた軸部と、一次室からの圧力を受ける軸部が支持され、水平方向に設けられる軸受孔及び制御室からの圧力を受ける軸部が支持され、水平方向に設けられる横孔とからなる支持部とをそれぞれ有すると共に、導圧逆止弁は、制御室からの圧力に付勢する方向に導圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、排圧逆止弁は、一次室からの圧力に付勢する方向に排圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、弁体は、内壁底面の中央部に位置する突出部と、該突出部の周縁に設けられた環状凹条部とを有し、各横穴と環状凹条部とが連通し、さらに環状凹条部の底面は横穴との接続位置よりも下方にあることを特徴とするものである。
(2)一次室と、二次室と、感知ヘッドが設けられる感知用配管に連通する制御室と、該制御室に移動可能に設けられて一次室と二次室を仕切る弁体と、該弁体に設けられて制御室と一次室との間を連通させる2つの連通孔と、該連通孔の一方に設けられて一次室の圧力が制御室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動する導圧逆止弁と、連通孔の他方に設けられ制御室の圧力が一次室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動作する排圧逆止弁とを備えた一斉開放弁であって、導圧逆止弁及び排圧逆止弁は、弁座に対して面接触する着座部と、水平方向に摺動する弁体の動作方向の両側に設けられた軸部と、一次室からの圧力を受ける軸部が支持される軸受孔及び制御室からの圧力を受ける軸部が支持される横孔とからなる支持部とをそれぞれ有すると共に、導圧逆止弁は、制御室からの圧力に付勢する方向に導圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、排圧逆止弁は、一次室からの圧力に付勢する方向に排圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、弁体は、内壁底面の中央部に位置する突出部と、該突出部の周縁に設けられた2つの穴部とを有し、各横穴と2つの穴部とがそれぞれ連通し、さらに2つの穴部の底面は横穴との接続位置よりも下方にあることを特徴とするものである。
本考案においては、弁体の動作方向の両側に設けられた軸部と、該軸部をそれぞれ作動可能に支持する支持部とを備えているので、圧力変動に対する追従性がよく、安定した作動が実現されている。
また、弁座に対して面接触する着座部を備えてなる構造であるため、シール性に優れ、それ故に導圧逆止弁及び排圧逆止弁の動作の確実性が実現されている。
さらに、水平方向に設けられた横穴を、垂直方向に設けられる凹条部又は穴部を介して制御室と連通させたため、ゴミ等の異物が導圧逆止弁及び排圧逆止弁に侵入しづらくなる。
上記のことから、本考案の一斉開放弁は、圧力変動に対する追従性がよく、動作の安定性と信頼性に優れたものとなっている。
また、弁座に対して面接触する着座部を備えてなる構造であるため、シール性に優れ、それ故に導圧逆止弁及び排圧逆止弁の動作の確実性が実現されている。
さらに、水平方向に設けられた横穴を、垂直方向に設けられる凹条部又は穴部を介して制御室と連通させたため、ゴミ等の異物が導圧逆止弁及び排圧逆止弁に侵入しづらくなる。
上記のことから、本考案の一斉開放弁は、圧力変動に対する追従性がよく、動作の安定性と信頼性に優れたものとなっている。
実施の形態1.
図1は本考案の一実施の形態に係る一斉開放弁1の断面図を示している。本実施の形態に係る一斉開放弁1は、弁箱本体2とカバー体3からなる弁箱4の内部に弁体5を内蔵するものであって、弁箱4の内部には、一次側配管6に連通する一次室7と、二次側配管8に連通する二次室9と、感知ヘッド11が設けられる感知用配管13に連通する制御室15とが形成され、制御室15に移動可能に設けられた弁体5が一次室7と二次室9を仕切るように設置されている。そして、弁体5には制御室15と一次室7との間を連通させる第1連通孔19及び第2連通孔21(図2参照)が形成され、第1連通孔19には一次室7の圧力が制御室15の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動する導圧逆止弁23が設置され、第2連通孔21には制御室15の圧力が一次室7の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動作する排圧逆止弁25が設置されている。
以下、実施の形態1について、主な構成をさらに詳細に説明する。
図1は本考案の一実施の形態に係る一斉開放弁1の断面図を示している。本実施の形態に係る一斉開放弁1は、弁箱本体2とカバー体3からなる弁箱4の内部に弁体5を内蔵するものであって、弁箱4の内部には、一次側配管6に連通する一次室7と、二次側配管8に連通する二次室9と、感知ヘッド11が設けられる感知用配管13に連通する制御室15とが形成され、制御室15に移動可能に設けられた弁体5が一次室7と二次室9を仕切るように設置されている。そして、弁体5には制御室15と一次室7との間を連通させる第1連通孔19及び第2連通孔21(図2参照)が形成され、第1連通孔19には一次室7の圧力が制御室15の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動する導圧逆止弁23が設置され、第2連通孔21には制御室15の圧力が一次室7の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動作する排圧逆止弁25が設置されている。
以下、実施の形態1について、主な構成をさらに詳細に説明する。
<弁体>
図2は、図1に示した弁体5を拡大して示す拡大図である。弁体5は、図2に示すように、全体が厚底の有底円筒状のような形状からなり、上側の空洞部27が制御室15の一部を形成し、下側の厚底部29には第1連通孔19及び第2連通孔21が形成されている。弁体5の内壁底面の中央部、つまり厚底部29の中央には突出部59が設けられ、突出部59の周縁には環状に凹部がある環状凹条部61を有している。環状凹条部61の途中から左右2方向に向けて2つの横孔33、35が設けられており、環状凹条部61と横穴33、35は連通している。環状凹条部61は横穴33、35との接続位置よりも下方に底面がある。つまり環状凹条部61の深さは、横穴33、35の接続位置より深くなっている。そして、一方の横孔33(図中右側)の先には導圧逆止弁23を設置するための導圧逆止弁設置室37が形成されている。また、導圧逆止弁設置室37の上部の壁には空洞部27に貫通する貫通孔39が形成されている。貫通孔39は、初期の設置時や設置後において導圧逆止弁23が作動したときに一次室7側から感知用配管13に充水する際に、消火液を一次室7から制御室15に流すためのものである。
図2は、図1に示した弁体5を拡大して示す拡大図である。弁体5は、図2に示すように、全体が厚底の有底円筒状のような形状からなり、上側の空洞部27が制御室15の一部を形成し、下側の厚底部29には第1連通孔19及び第2連通孔21が形成されている。弁体5の内壁底面の中央部、つまり厚底部29の中央には突出部59が設けられ、突出部59の周縁には環状に凹部がある環状凹条部61を有している。環状凹条部61の途中から左右2方向に向けて2つの横孔33、35が設けられており、環状凹条部61と横穴33、35は連通している。環状凹条部61は横穴33、35との接続位置よりも下方に底面がある。つまり環状凹条部61の深さは、横穴33、35の接続位置より深くなっている。そして、一方の横孔33(図中右側)の先には導圧逆止弁23を設置するための導圧逆止弁設置室37が形成されている。また、導圧逆止弁設置室37の上部の壁には空洞部27に貫通する貫通孔39が形成されている。貫通孔39は、初期の設置時や設置後において導圧逆止弁23が作動したときに一次室7側から感知用配管13に充水する際に、消火液を一次室7から制御室15に流すためのものである。
また、導圧逆止弁設置室37の外側壁41の内面には導圧逆止弁23が着座する弁座43が形成されている。さらに、外側壁41の中央部には導圧逆止弁23の後述する軸部85を支持する軸受孔45が形成され、その上下に通流孔47が設けられている。
また、他方の横孔35(図中左側)の先には排圧逆止弁25を設置するための排圧逆止弁設置室49が形成されている。また、排圧逆止弁設置室49の内側壁51には排圧逆止弁25が着座する弁座53が形成されている。さらに、排圧逆止弁設置室49の外側壁41の中央部には排圧逆止弁25の後述する軸部101を支持する軸受孔55が形成され、その上下には通流孔57が設けられている。
厚底部29に形成される二つの横穴である、横孔33(図中右側)と横穴35(図中左側)を比較すると、導圧逆止弁23側の横孔33の径が排圧逆止弁25側の横孔35よりも大径になるように設定されている。
弁体5の外周壁には、図1に示されるように、Oリング65が設置されている。そして、弁体5は、弁箱4に挿入設置されている円筒状のシリンダ部71に挿入され、シリンダ部71を上下に摺動可能になっている。
また、弁体5の中央部には、弁体5を下方に付勢するバネ73が設置されている。バネ73は下端部が環状凹条部61に当接され、突出部59にガイドされて伸縮する。
また、弁体5の中央部には、弁体5を下方に付勢するバネ73が設置されている。バネ73は下端部が環状凹条部61に当接され、突出部59にガイドされて伸縮する。
<導圧逆止弁>
図3は、図1における丸で囲んだAを拡大して示す拡大図である。図3及び、図1、図2に基づいて導圧逆止弁23について説明する。
導圧逆止弁23は、図3に示すように、小径円柱部75と大径円柱部77が段部79を介して連続して形成された本体部81と、該本体部81の両側に延出する軸部83、85を有している。一方の軸部83(図中左側)は横孔33に挿入され、他方の軸部85(図中右側)は軸受孔45に挿入されている。このように、導圧逆止弁23は本体部81の両側に延出する軸部83、85をそれぞれ横孔33、軸受孔45に支持される構造であり、横孔33、軸受孔45が本考案の保持部を構成する。
そして、横孔33に挿入された軸部83の端面は制御室15からの圧力を受ける受圧面となり、軸受孔45に挿入された軸部85の端面は一次室7からの圧力を受ける受圧面となる。
図3は、図1における丸で囲んだAを拡大して示す拡大図である。図3及び、図1、図2に基づいて導圧逆止弁23について説明する。
導圧逆止弁23は、図3に示すように、小径円柱部75と大径円柱部77が段部79を介して連続して形成された本体部81と、該本体部81の両側に延出する軸部83、85を有している。一方の軸部83(図中左側)は横孔33に挿入され、他方の軸部85(図中右側)は軸受孔45に挿入されている。このように、導圧逆止弁23は本体部81の両側に延出する軸部83、85をそれぞれ横孔33、軸受孔45に支持される構造であり、横孔33、軸受孔45が本考案の保持部を構成する。
そして、横孔33に挿入された軸部83の端面は制御室15からの圧力を受ける受圧面となり、軸受孔45に挿入された軸部85の端面は一次室7からの圧力を受ける受圧面となる。
段部79には導圧逆止弁23を閉止方向に付勢するコイルバネ87が設置されている。コイルバネ87は、一端部を段部79に当接させ、その内周面が本体部81の小径円柱部75に挿入されている。これにより、コイルバネ87は伸縮時において、小径円柱部75にガイドされることになり、その伸縮動作を安定して行うことができるようになっている。
本体部81における大径円柱部77の外側端面にはゴムを焼き付けして形成した着座部89が形成されている。この着座部89が弁座43に着座することで流路が閉止する。
本体部81における大径円柱部77の外側端面にはゴムを焼き付けして形成した着座部89が形成されている。この着座部89が弁座43に着座することで流路が閉止する。
上記のように形成された導圧逆止弁23においては、一次側の圧力が軸部85の端面及び着座部89等に作用し、この力が導圧逆止弁23を開く方向に作用する。また、制御室15の圧力が、軸部83の端面及び段部79等に作用し、さらにコイルバネ87の付勢力が段部79に作用し、これらの力が導圧逆止弁23を閉じる方向に作用する。弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力を超えたときに導圧逆止弁23は、図中左に移動することにより開放して、一次室7側の消火液が通流孔47、導圧逆止弁設置室37、貫通孔39を通じて制御室15に通流する。
一次室7側の消火液が制御室15に通流することにより、弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力より小さくなると導圧逆止弁23は、図中右方向に移動して閉止する。なお、弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力を超えたときとは、制御室15の圧力と一次室7の圧力の圧力差が規定値を超えたときであり、弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力より小さくなったときとは、制御室15の圧力と一次室7の圧力の圧力差が規定値を下回るときである。
上記の弁開放、弁閉止における動作において、導圧逆止弁23はその両側の軸部83、85を支持されて移動するので、動作が安定して、かつ確実に行なわれる。また、横穴33は環状凹条部61の途中から接続されているため、言い換えると、横穴33と環状凹条部61との接続部は、環状凹条部61の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33と環状凹条部61との接続部より下の環状凹条部61の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
<排圧逆止弁>
図4は、図1における丸で囲んだBを拡大して示す拡大図である。図4及び、図1、図2に基づいて排圧逆止弁25について説明する。
排圧逆止弁25は、基本的に導圧逆止弁23と同様の形態をしており、図4に示すように、大径円柱部91と小径円柱部93が段部95を介して連続して形成された本体部97と、該本体部97の両側に延出する軸部99、101を有している。一方の軸部99(図中右側)は横孔35に挿入され、他方の軸部101(図中左側)は軸受孔55に挿入されている。このように、排圧逆止弁25は本体部97の両側に延出する軸部99、101をそれぞれ横孔35、軸受孔55に支持される構造であり、横孔35、軸受孔55が本考案の保持部を構成する。
そして、横孔35に挿入された軸部99の端面は制御室15からの圧力を受ける受圧面となり、軸受孔55に挿入された軸部101の端面は一次室7からの圧力を受ける受圧面となる。
段部95には排圧逆止弁25を閉止方向に付勢するコイルバネ103が設置されている。コイルバネ103は、一端部を段部95に当接させ、その内周面が本体部97の小径円柱部93に挿入されている。これにより、コイルバネ103は伸縮時において、小径円柱部93にガイドされることになり、その伸縮動作を安定して行うことができるようになっている。
本体部97における大径円柱部91の外側端面にはゴムを焼き付けして形成した着座部105が形成されている。この着座部105が弁座53に着座することで流路が閉止する。
図4は、図1における丸で囲んだBを拡大して示す拡大図である。図4及び、図1、図2に基づいて排圧逆止弁25について説明する。
排圧逆止弁25は、基本的に導圧逆止弁23と同様の形態をしており、図4に示すように、大径円柱部91と小径円柱部93が段部95を介して連続して形成された本体部97と、該本体部97の両側に延出する軸部99、101を有している。一方の軸部99(図中右側)は横孔35に挿入され、他方の軸部101(図中左側)は軸受孔55に挿入されている。このように、排圧逆止弁25は本体部97の両側に延出する軸部99、101をそれぞれ横孔35、軸受孔55に支持される構造であり、横孔35、軸受孔55が本考案の保持部を構成する。
そして、横孔35に挿入された軸部99の端面は制御室15からの圧力を受ける受圧面となり、軸受孔55に挿入された軸部101の端面は一次室7からの圧力を受ける受圧面となる。
段部95には排圧逆止弁25を閉止方向に付勢するコイルバネ103が設置されている。コイルバネ103は、一端部を段部95に当接させ、その内周面が本体部97の小径円柱部93に挿入されている。これにより、コイルバネ103は伸縮時において、小径円柱部93にガイドされることになり、その伸縮動作を安定して行うことができるようになっている。
本体部97における大径円柱部91の外側端面にはゴムを焼き付けして形成した着座部105が形成されている。この着座部105が弁座53に着座することで流路が閉止する。
上記のように形成された排圧逆止弁25においては、一次側の圧力が軸部101及び小径円柱部93の端面、段部95等に作用し、この力とコイルバネ103の付勢力が排圧逆止弁25を閉じる方向に作用する。また、制御室15の圧力が、軸部99の端面、着座部105に作用し、この力が排圧逆止弁25を開く方向に作用する。弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力を超えたときに排圧逆止弁25は、図中左方向に移動して開放し、制御室15側の消火液が横孔35、排圧逆止弁設置室49、通流孔57を通じて一次室7に通流する。制御室15側の消火液が一次室7に通流することにより、弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力より小さくなると排圧逆止弁25は、図中右方向に移動して閉止する。なお、弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力を超えたときとは、制御室15の圧力と一次室7の圧力の圧力差が規定値を超えたときであり、弁開放方向に作用する力が弁閉止方向に作用する力より小さくなったときとは、制御室15の圧力と一次室7の圧力の圧力差が規定値を下回るときである。
上記の弁開放、弁閉止における動作において、排圧逆止弁25はその両側の軸部99、101を支持されて移動するので、動作が安定して、かつ確実に行なわれる。また、横穴35は環状凹条部61の途中から接続されているため、言い換えると、横穴35と環状凹条部61との接続部は、環状凹条部61の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴35と環状凹条部61との接続部より下の環状凹条部61の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
なお、排圧逆止弁25の動作する制御室15内圧力と一次側圧力との差圧は導圧逆止弁23の動作する差圧よりも高く設定されている。具体的には、排圧逆止弁25が動作するのは約0.5MPaである。
<動作説明>
次に、上記のように構成された一斉開放弁1の動作を説明する。監視時においては、一斉開放弁1の制御室15及び感知用配管13には消火液が充填されている。この状態は、図示しない水槽の消火液を一斉開放弁1の一次室7に徐々に供給することにより、供給された消火液が一次室7、導圧逆止弁23を介して制御室15、感知用配管13に供給されることで作り出される。
この監視状態において、例えば感知用配管13からの微小な水漏れなどにより感知用配管13内の圧力が低下すると、制御室15の圧力が低下する。制御室15の圧力が低下し、制御室15の圧力と一次室7の圧力差が規定値を超えると、導圧逆止弁23が開放して、一次室7側の水が制御室15に供給され、さらに感知用配管13に供給される。
このとき、上述のように導圧逆止弁23が、その両側の軸部83、85を支持され、かつコイルバネ87が小径円柱部75でガイドされる構造であるため、安定した動作が行われる。
次に、上記のように構成された一斉開放弁1の動作を説明する。監視時においては、一斉開放弁1の制御室15及び感知用配管13には消火液が充填されている。この状態は、図示しない水槽の消火液を一斉開放弁1の一次室7に徐々に供給することにより、供給された消火液が一次室7、導圧逆止弁23を介して制御室15、感知用配管13に供給されることで作り出される。
この監視状態において、例えば感知用配管13からの微小な水漏れなどにより感知用配管13内の圧力が低下すると、制御室15の圧力が低下する。制御室15の圧力が低下し、制御室15の圧力と一次室7の圧力差が規定値を超えると、導圧逆止弁23が開放して、一次室7側の水が制御室15に供給され、さらに感知用配管13に供給される。
このとき、上述のように導圧逆止弁23が、その両側の軸部83、85を支持され、かつコイルバネ87が小径円柱部75でガイドされる構造であるため、安定した動作が行われる。
監視状態において、気温上昇などにより感知用配管13の消火液が膨張して、制御室15の圧力が上昇し、制御室15の圧力と一次室7の圧力の差が規定値を超えると、排圧逆止弁25が開放して制御室15の消火液が一次室7側に供給される。これにより、制御室15と一次室7の圧力差が規定値以下になると排圧逆止弁25が閉止する。このような排圧逆止弁25の作動すべき状況において、排圧逆止弁25の作動が安定していないと、制御室15の圧力が下がり過ぎることも考えられ、制御室15の圧力が下がりすぎると、一斉開放弁1の弁体5が開放するという緊急事態が生ずる危険がある。
この点、本考案の排圧逆止弁25は上述したように、その両側の軸部99、101を支持され、かつコイルバネ103が小径円柱部93でガイドされる構造であるため、作動が安定しているので、そのようなことはない。
この点、本考案の排圧逆止弁25は上述したように、その両側の軸部99、101を支持され、かつコイルバネ103が小径円柱部93でガイドされる構造であるため、作動が安定しているので、そのようなことはない。
監視状態において、一次室7側に接続される一次配管内の圧力が何らかの原因により低下する場合があり、このようなときには、ポンプが起動されて一次配管に消火液が充填される。このとき、一次室7の圧力が通常の監視状態よりも高くなることが考えられる。この場合に、仮に排圧逆止弁25の作動が不安定で、制御室15の圧力が規定値に保たれておらず、規定値よりも低くなっていたとすれば、一斉開放弁1が開放してしまうことが考えられる。この点、本考案の排圧逆止弁25は作動の安定性が確保されているので、制御室15の圧力を規定値に確実に保持することができ、一斉開放弁1が不用意に開放するような事態の発生を防止できる。
以上のように、本実施の形態によれば、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の両方の構造において、弁体の本体部81、97をその両側に延出する軸部83,85、99,101によって支持する構造であるため安定した作動が実現されている。
また、着座部89、105と弁座43、53を面接触としているので、着座部89、105が弁座43、53に当接したときのシール性に優れ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の動作の確実性が実現されている。
また、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25を動作させるコイルバネ87、103がそれぞれ小径円柱部75、93によってガイドされる構造であるため、コイルバネ87、103の力を弁閉及び弁開放向に正確に作用させることができ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の作動の安定性が実現されている。
さらに、横穴33、35と環状凹条部61との接続部は、環状凹条部61の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33、35と環状凹条部61との接続部より下の環状凹条部61の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
また、着座部89、105と弁座43、53を面接触としているので、着座部89、105が弁座43、53に当接したときのシール性に優れ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の動作の確実性が実現されている。
また、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25を動作させるコイルバネ87、103がそれぞれ小径円柱部75、93によってガイドされる構造であるため、コイルバネ87、103の力を弁閉及び弁開放向に正確に作用させることができ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の作動の安定性が実現されている。
さらに、横穴33、35と環状凹条部61との接続部は、環状凹条部61の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33、35と環状凹条部61との接続部より下の環状凹条部61の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
実施の形態2.
図5は本考案の実施の形態2に係る一斉開放弁1の断面構成図である。なお、実施の形態2では、上述の実施の形態1との相違点について詳細に説明するものとし、実施の形態1に対応している部材については同じ符号をつけて説明を省略する。さらに、動作説明は上述の実施の形態1と同様なので省略する。
図5は本考案の実施の形態2に係る一斉開放弁1の断面構成図である。なお、実施の形態2では、上述の実施の形態1との相違点について詳細に説明するものとし、実施の形態1に対応している部材については同じ符号をつけて説明を省略する。さらに、動作説明は上述の実施の形態1と同様なので省略する。
<弁体>
図6は、図5に示した弁体5を拡大して示す拡大図である。弁体5は、図6に示すように、全体が厚底の有底の形状からなり、上側の空洞部27が制御室15の一部を形成し、下側の厚底部29には第1連通孔19及び第2連通孔21が形成されている。弁体5の内壁底面の中央部、つまり厚底部29の中央には突出部59が設けられており、突出部59の水平断面は略矩形又は略楕円形をしている。突出部59の周縁には2箇所の穴部63を有している。2箇所の穴部63の途中から左右2方向に向けて2つの横孔33、35が設けられており、2箇所の穴部63と横穴33、35はそれぞれ連通している。2箇所の穴部63は横穴33、35との接続位置よりも下方にそれぞれ底面がある。つまり穴部63の深さは、横穴33、35の接続位置より深くなっている。
図6は、図5に示した弁体5を拡大して示す拡大図である。弁体5は、図6に示すように、全体が厚底の有底の形状からなり、上側の空洞部27が制御室15の一部を形成し、下側の厚底部29には第1連通孔19及び第2連通孔21が形成されている。弁体5の内壁底面の中央部、つまり厚底部29の中央には突出部59が設けられており、突出部59の水平断面は略矩形又は略楕円形をしている。突出部59の周縁には2箇所の穴部63を有している。2箇所の穴部63の途中から左右2方向に向けて2つの横孔33、35が設けられており、2箇所の穴部63と横穴33、35はそれぞれ連通している。2箇所の穴部63は横穴33、35との接続位置よりも下方にそれぞれ底面がある。つまり穴部63の深さは、横穴33、35の接続位置より深くなっている。
また、弁体5の中央部には、弁体5を下方に付勢するバネ73が設置されている。バネ73の下端部は、水平断面が略矩形状又は略楕円形の突出部59の短手方向端部に沿って、厚底部29に当接されており、突出部59の短手方向端部にガイドされて伸縮する。
<導圧逆止弁>
導圧逆止弁23は実施の形態1と同様の構造である。導圧逆止弁23は、上記の弁開放、弁閉止における動作において、導圧逆止弁23はその両側の軸部83、85を支持されて移動するので、動作が安定して、かつ確実に行なわれる。また、横穴33は1つの穴部63の途中から接続されているため、言い換えると、横穴33と穴部63との接続部は、穴部63の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33と穴部63との接続部より下の穴部63の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
導圧逆止弁23は実施の形態1と同様の構造である。導圧逆止弁23は、上記の弁開放、弁閉止における動作において、導圧逆止弁23はその両側の軸部83、85を支持されて移動するので、動作が安定して、かつ確実に行なわれる。また、横穴33は1つの穴部63の途中から接続されているため、言い換えると、横穴33と穴部63との接続部は、穴部63の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33と穴部63との接続部より下の穴部63の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
<排圧逆止弁>
排圧逆止弁25は実施の形態1と同様の構造である。上記の弁開放、弁閉止における動作において、排圧逆止弁25はその両側の軸部99、101を支持されて移動するので、動作が安定して、かつ確実に行なわれる。また、横穴35は、横穴33が接続していない方の穴部63の途中から接続されているため、言い換えると、横穴35と横穴33が接続していない方の穴部63との接続部は、穴部63の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴35と穴部63との接続部より下の穴部63の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
排圧逆止弁25は実施の形態1と同様の構造である。上記の弁開放、弁閉止における動作において、排圧逆止弁25はその両側の軸部99、101を支持されて移動するので、動作が安定して、かつ確実に行なわれる。また、横穴35は、横穴33が接続していない方の穴部63の途中から接続されているため、言い換えると、横穴35と横穴33が接続していない方の穴部63との接続部は、穴部63の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴35と穴部63との接続部より下の穴部63の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
以上のように、本実施の形態によれば、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の両方の構造において、弁体の本体部81、97をその両側に延出する軸部83,85、99,101によって支持する構造であるため安定した作動が実現されている。
また、着座部89、105と弁座43、53を面接触としているので、着座部89、105が弁座43、53に当接したときのシール性に優れ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の動作の確実性が実現されている。
また、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25を動作させるコイルバネ87、103がそれぞれ小径円柱部75、93によってガイドされる構造であるため、コイルバネ87、103の力を弁閉及び弁開放向に正確に作用させることができ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の作動の安定性が実現されている。
さらに、横穴33、35と2つの穴部63との接続部は、それぞれ穴部63の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33、35と穴部63との接続部より下の穴部63の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
また、着座部89、105と弁座43、53を面接触としているので、着座部89、105が弁座43、53に当接したときのシール性に優れ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の動作の確実性が実現されている。
また、導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25を動作させるコイルバネ87、103がそれぞれ小径円柱部75、93によってガイドされる構造であるため、コイルバネ87、103の力を弁閉及び弁開放向に正確に作用させることができ、それ故に導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25の作動の安定性が実現されている。
さらに、横穴33、35と2つの穴部63との接続部は、それぞれ穴部63の底面よりも上にあるため、制御室15のゴミ等の異物は横穴33、35と穴部63との接続部より下の穴部63の底面に溜まりやすくなる。従って、異物は導圧逆止弁23及び排圧逆止弁25内に侵入しづらくなっており、動作が安定して、かつ確実に行われる。
また、実施の形態1及び2は、上記のような効果があるが、その他にも弁体5の厚底部29を1つの部材で構成できる。つまり突出部59と環状凹条部61又は穴部63を1つの部材から製造できるため、コストダウン及び製造の効率性が良くなる。また、実施の形態1の環状凹条部61は、実施の形態2の穴部63に比べて凹部の体積が大きいため、材料費の低減にもつながる。
1 一斉開放弁、2 弁箱本体、3 カバー体、4 弁箱、5 弁体、6 一次側配管、7 一次室、8 二次側配管、9 二次室、11 感知ヘッド、13 感知用配管、 15 制御室、19 第1連通孔、21 第2連通孔、23 導圧逆止弁、25 排圧逆止弁、27 空洞部、29 厚底部、33 横孔、35 横孔、37 導圧逆止弁設置室、39 貫通孔、41 外側壁、43 弁座、45 軸受孔、47 通流孔、49 排圧逆止弁設置室、51 内側壁、53 弁座、55 軸受孔、57 通流孔、59 突出部、61 環状凹条部、63 穴部、65 Oリング、71 シリンダ部、73 バネ、75 小径円柱部、77 大径円柱部、79 段部、81 本体部、83 軸部(左)、85 軸部(右)、87 コイルバネ、89 着座部、91 大径円柱部、93 小径円柱部、95 段部、97 本体部、99 軸部(右)、101 軸部(左)、103 コイルバネ、105 着座部。
Claims (2)
- 一次室と、二次室と、感知ヘッドが設けられる感知用配管に連通する制御室と、該制御室に移動可能に設けられて前記一次室と前記二次室を仕切る弁体と、該弁体に設けられて前記制御室と前記一次室との間を連通させる2つの連通孔と、該連通孔の一方に設けられて前記一次室の圧力が前記制御室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動する導圧逆止弁と、前記連通孔の他方に設けられ前記制御室の圧力が前記一次室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動作する排圧逆止弁とを備えた一斉開放弁であって、
前記導圧逆止弁及び前記排圧逆止弁は、
弁座に対して面接触する着座部と、
水平方向に摺動する弁体の動作方向の両側に設けられた軸部と、
前記一次室からの圧力を受ける前記軸部が支持され、水平方向に設けられる軸受孔及び前記制御室からの圧力を受ける前記軸部が支持され、水平方向に設けられる横孔とからなる支持部とをそれぞれ有すると共に、
前記導圧逆止弁は、前記制御室からの圧力に付勢する方向に前記導圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、
前記排圧逆止弁は、前記一次室からの圧力に付勢する方向に前記排圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、
前記弁体は、
内壁底面の中央部に位置する突出部と、
該突出部の周縁に設けられた環状凹条部とを有し、
前記各横穴と前記環状凹条部とが連通し、さらに前記環状凹条部の底面は前記横穴との接続位置よりも下方にあることを特徴とする一斉開放弁。 - 一次室と、二次室と、感知ヘッドが設けられる感知用配管に連通する制御室と、該制御室に移動可能に設けられて前記一次室と前記二次室を仕切る弁体と、該弁体に設けられて前記制御室と前記一次室との間を連通させる2つの連通孔と、該連通孔の一方に設けられて前記一次室の圧力が前記制御室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動する導圧逆止弁と、前記連通孔の他方に設けられ前記制御室の圧力が前記一次室の圧力よりも規定値を超えて高くなったときに開動作する排圧逆止弁とを備えた一斉開放弁であって、
前記導圧逆止弁及び前記排圧逆止弁は、
弁座に対して面接触する着座部と、
水平方向に摺動する弁体の動作方向の両側に設けられた軸部と、
前記一次室からの圧力を受ける前記軸部が支持される軸受孔及び前記制御室からの圧力を受ける前記軸部が支持される横孔とからなる支持部とをそれぞれ有すると共に、
前記導圧逆止弁は、前記制御室からの圧力に付勢する方向に前記導圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、
前記排圧逆止弁は、前記一次室からの圧力に付勢する方向に前記排圧逆止弁の弁体を押圧する弁体を有し、
前記弁体は、
内壁底面の中央部に位置する突出部と、
該突出部の周縁に設けられた2つの穴部とを有し、
前記各横穴と前記2つの穴部とがそれぞれ連通し、さらに前記2つの穴部の底面は前記横穴との接続位置よりも下方にあることを特徴とする一斉開放弁。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7438524B2 (ja) | 2020-01-22 | 2024-02-27 | ヤマトプロテック株式会社 | 消火設備及び弁装置 |
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2011
- 2011-10-14 JP JP2011006006U patent/JP3172635U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7438524B2 (ja) | 2020-01-22 | 2024-02-27 | ヤマトプロテック株式会社 | 消火設備及び弁装置 |
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