JP3172373B2 - 人の血液中に存在する細菌又はウイルス等を失活又は低減させる装置 - Google Patents

人の血液中に存在する細菌又はウイルス等を失活又は低減させる装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人の血液中に存在する
細菌又はウイルス等を失活又は低減させる装置、特に、
人体から血液を取りだし、これを放射線等の雰囲気下に
配して、又は放射線等が存在する場に配して、人の血液
中に存在する細菌又はウイルス等を失活又は低減させ、
その後直ちに当該血液を再び人体に戻して、人の血液に
対してリアルタイム的処理を行うようにした装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】人の免疫機能に関与する血液内異物の失
活又は低減の処理方法、例えば、エイズに対する治療方
法としては、抗ウイルス剤、免疫増強剤、ワクチンの使
用等が従来考えられ、また、最近では、エイズの原因ウ
イルスであるHIV(human immunodef
iciency virus)そのものの増殖・複製を
抑えるAZT、ddi、IFNα−βなどがエイズ治療
薬として使用されており、更には、遺伝子的治療方法も
提案されている。また、輸血による移植片対宿主病(G
VHD)に対しては、輸血用血液への放射線照射が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エイズに対する治療に
おいて、抗ウイルス剤の使用等の化学的療法は、耐性ウ
イルスの出現、副作用等のいくつかの問題点が残されて
おり、いまだ満足し得るものではない。また、悪性腫
瘍、自己免疫疾患において使用されている薬剤を用いた
り、プラズマフェーレーンス、白血球輪注、骨髄移植を
行う免疫増強手段は、エイズウイルス感染者に対して行
うものであり、対症療法にすぎず、エイズ治療ための特
効薬とはいい難い。更に、ワクチンの使用は、HIVの
ゲノムが激しく変異を繰り返すため、その有効性に問題
があることが知られている。
【0004】ところで、エイズウイルスの主な標的細胞
はCD4陽性Tリンパ球であり、HIVへの感染は、ウ
イルスエンべロープgp120とヘルパーT細胞表面レ
セプターの一つであるCD4との結合により始まり、ウ
イルス糖蛋白gp41が宿主細胞の細胞膜に挿入して一
体化することにある。そして、ウイルスの増殖が活発と
なりCD4陽性感染T細胞を中心とした細胞の破壊へと
進行して、生体内免疫機構において中枢的な役割を担っ
ているCD4陽性Tリンパ球が大きく減少し、細胞免疫
機構の低下に基づく重篤な全身性の免疫不全がひきおこ
されることにある。
【0005】一方、WHOにおいても認定されているよ
うに、HIVウイルスは、54℃、20分間加熱すれば
失活することが知られているが、このような状態下に人
体全体を晒すことはできず、したがって人の血液中に存
在する細菌又はウイルス等を失活又は低減させるため
に、前記のような人体全体の加熱方法は採用し難い。
【0006】放射線を癌細胞に特定的に照射して癌治療
が行われているが、血液中に存在する細菌又はウイルス
等を失活又は低減させるためにこれを用いるには、対象
が血液であるため、人体全体に高エネルギの放射線を照
射する必要があり、このような放射線の全身照射は人を
死亡に至らしめ、前記の全身加熱と同様に、この手段も
採用し難い。
【0007】そこで、HIVへの感染に対する治療とし
て、人体から血液のみを取り出して、血液中において、
HIVウイルスが細胞膜内に侵入したCD4陽性感染T
細胞に、上記の熱エネルギに相当するエネルギを照射し
てCD4陽性感染T細胞を攻撃して、同時にHIVウイ
ルスを失活させればよいことが考えられる。
【0008】なお、以上は血液中のエイズウイルスに対
するものであるが、輸血による移植片対宿主病(GVH
D)の原因である、血液中の他の異物に対しても同様に
考えられる。
【0009】本発明は、上記諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、人の血液中に存在す
る細菌又はウイルス等、例えば人の免疫機能に関与する
血液内異物を、人体から取り出した当該血液自体に対し
てリアルタイム的処理を施して失活又は低減させ、これ
により血液中に存在する細菌又はウイルス等によって生
じる様々な疾患を治療する装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、人の血液を体内から体外へ取り出す手段と、この取
り出された血液中に存在する細菌又はウイルス等の免疫
機能に関与する血液内異物を失活又は低減させるべく、
取り出された血液を放射線等が存在する場に配する手段
と、この放射線等が存在する場に配された血液を再び体
内に戻す手段とを具備しており、放射線等が存在する場
に配する手段は、免疫機能に関与する血液内異物を失活
させる程度のエネルギを血液に与えるように、構成され
ている、人の血液中に存在する細菌又はウイルス等を失
活又は低減させる装置によって達成される。
【0011】また本発明によれば前記目的は、人の血液
を体内から体外へ取り出す手段と、この取り出された血
液中に存在する細菌又はウイルス等の免疫機能に関与す
る血液内異物を失活又は低減させるべく、取り出された
血液を放射線等の雰囲気下に配する手段と、この放射線
等の雰囲気下に配された血液を再び体内に戻す手段とを
具備しており、放射線等の雰囲気下に配する手段は、免
疫機能に関与する血液内異物を失活させる程度のエネル
ギを血液に与えるように、構成されている、人の血液中
に存在する細菌又はウイルス等を失活又は低減させる装
置によっても達成される。
【0012】本発明において放射線等の雰囲気下に配す
る手段としては、取り出された血液を、エックス線、高
エネルギ線、エックスガンマ線、重粒子線、超音波、強
磁場、紫外線、レーザ光線又は赤外線の雰囲気下に配す
るように、構成されていてもよく、また、免疫機能に関
与する血液内異物を失活させる程度のエネルギを血液に
与えるように、構成されていても、更には、エイズウィ
ルスを失活させる程度のエネルギを血液に与えるよう
に、構成されていてもよい。
【0013】
【作用】本発明に従う人の血液中に存在する細菌又はウ
イルス等を失活又は低減させる装置においては、放射線
等が存在する場に配する手段又は放射線等の雰囲気下に
配する手段により、体内から体外へ取り出された血液を
放射線等の雰囲気下又は場に配して、当該血液中の細菌
又はウイルス等をリアルタイム的に失活又は低減させ
る。放射線等によりエネルギが付与された血液におい
て、例えば、HIVウイルスが細胞膜内に侵入したCD
4陽性感染T細胞は失活され、同時に当該HIVウイル
スもまた失活され、CD4陽性感染T細胞から分離され
る。失活されたHIVウイルスは、新たなCD4陽性T
リンパ球に取り込まれることはない。こうして失活され
たHIVウイルス及びCD4陽性感染T細胞は体内に戻
されて、肝臓等で処理され、これによりHIVへの感染
に対する治療を行い得る。
【0014】次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明する。なお本発明はこれら実施例に何等限定されな
いのである。
【0015】
【実施例】図において、人の血液中に存在する細菌又は
ウイルス等を失活又は低減させる装置1は、血液を体内
から体外へ取り出す手段2と、取り出した血液を放射線
等の雰囲気下に配する手段、本例では放射線を血液に照
射する装置3と、放射線等の雰囲気下に配された血液を
再び体内に戻す4とを具備している。
【0016】取り出す手段2及び戻す手段4は、人体1
0の血管に突き刺す交換自在な針11及び12等からな
り、針11及び12は、血液循環手段であるチューブ1
3の両端にそれぞれ接続されている。チューブ13は、
用いる放射線等を透過するものから選択され、針11及
び12並びにチューブ13は交換自在となっている。
【0017】放射線を血液に照射する装置3は、本例で
は、チューブ13内の赤血球に損傷を与えないで、エイ
ズウィルスを失活させる程度の放射線量をチューブ13
内の血液に照射するように、構成されており、遮蔽囲い
21及び放射線源22からなる。
【0018】以上のような装置3によりチューブ13内
の血液に放射線を照射すると、チューブ13内の血液中
の異物、例えばCD4陽性Tリンパ球に侵入したHIV
ウイルスが失活される。HIVウイルスの失活過程は、
次のようにしてなされるものと考えられる。HIVウイ
ルスの基本構成は、核散と、それを取り巻く蛋白質(エ
ンべロープ蛋白質)よりなり、蛋白質溶液に放射線エネ
ルギを与えると、蛋白質溶液の分子運動が激しくなり、
弱い共有結合が解消され、蛋白質の立体構造が破壊さ
れ、而してHIVウイルスの失活が生じる。CD4陽性
Tリンパ球自体も失活される虞があるが、これは造血臓
器での産生、白血球増殖剤の使用等で正常なのものに回
復し得る。HIVウイルスが失活された血液は、針12
を介して人体10の血管に戻されるが、失活されたHI
Vウイルスは、新たなCD4陽性Tリンパ球に取り込ま
れることなく、肝臓等を介して処理される。
【0019】なお、上記では血液中に存在する細菌又は
ウイルス等としてHIVウイルスに限って説明したが、
本発明は、このような実施例に限定されないのであっ
て、例えば人の免疫機能に関与する他の血液内異物を分
解、失活させるために用いてもよい。また、チューブ1
3内の血液成分をモニターする目的で、血液自動分析装
置31等、更には血液ポンプ等を並設しておいてもよい
のである。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、人の血液
中に存在する細菌又はウイルス等をリアルタイム的処理
により失活又は低減させ、これにより血液内異物によっ
て生じる様々な疾患を治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施例の概略説明図であ
る。
【符号の説明】
1 人の血液中に存在する細菌又はウイルス等を失活又
は低減させる装置 2 取り出す手段 3 放射線を照射する装置 4 戻す手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−242069(JP,A) 特開 昭62−227366(JP,A) 特開 平6−142197(JP,A) 特表 平5−505129(JP,A) 特表 平3−500531(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人の血液を体内から体外へ取り出す手段
    と、この取り出された血液中に存在するHIVウイルス
    を失活又は低減させるべく、取り出された血液を放射線
    等が存在する場又は放射線等の雰囲気下に配する手段
    と、この放射線等が存在する場又は放射線等の雰囲気下
    に配された血液を再び体内に戻す手段とを具備してお
    り、放射線等が存在する場又は放射線等の雰囲気下に配
    する手段は、赤血球に損傷を与えない程度の放射線量で
    あって、HIVウイルスの蛋白質溶液の分子運動を激し
    くし、弱い共有結合を解消し、HIVウイルスの蛋白質
    の立体構造を破壊してHIVウイルスを失活させる程
    の放射線エネルギを血液及び当該血液細胞内中のHIV
    ウイルスの蛋白質溶液に与えるように、構成されてい
    る、人の血液中に存在するHIVウイルスをリアルタイ
    ム的に失活又は低減させる装置。
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