JP2003235967A - 医療用の放射線照射ヘッド及びそれを用いた医療用の放射線照射装置 - Google Patents

医療用の放射線照射ヘッド及びそれを用いた医療用の放射線照射装置

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JP2003235967A
JP2003235967A JP2002039773A JP2002039773A JP2003235967A JP 2003235967 A JP2003235967 A JP 2003235967A JP 2002039773 A JP2002039773 A JP 2002039773A JP 2002039773 A JP2002039773 A JP 2002039773A JP 2003235967 A JP2003235967 A JP 2003235967A
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Tomoyuki Mizushina
知之 水品
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人の血液中に存在する細菌又はウイルス等を
失活又は低減させ、これにより血液中に存在する細菌又
はウイルス等によって生じる様々な疾患を治療する装置
に用いて好適であって、治療に当たって患者及び装置取
扱者等への放射線の被爆を簡単な構造で極力低減できる
上に、簡単な操作で人体から取り出した当該血液自体に
対してリアルタイム的に放射線を照射できる医療用の放
射線照射ヘッドを提供すること。 【解決手段】 医療用の放射線照射ヘッド1は、放射線
源2を収容する収容室3及び放射線源2からの放射線を
通過させるための窓4を有していると共にヒンジ機構5
を介して互いに相対的にA方向に回動自在に連結された
一対の放射線源収容体6及び7と、各放射線源収容体6
及び7の窓4を開閉できるように、放射線源収容体6及
び7の夫々に軸方向Xに摺動自在に設けられた窓蓋8及
び9並びに10及び11とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用の放射線照射ヘ
ッド、特に、人体から血液を取り出し、この取り出した
血液中に存在する細菌又はウイルス等を失活又は低減さ
せ、その後直ちに当該血液を再び人体に戻して、人の血
液に対してリアルタイム的処理を行うための医療用の放
射線照射ヘッド及びそれを用いた放射線照射装置に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】エイズの原因ウイルス
であるHIV(human immunodefici
ency virus:エイズウイルス)の感染に対す
る治療として、人体から血液を取り出して、この取り出
した血液中において、エイズウイルスが細胞膜内に侵入
したCD4陽性感染T細胞に、熱エネルギに相当するエ
ックス線、高エネルギ線、エックスガンマ線、重粒子
線、超音波、強磁場、紫外線、レーザ光線又は赤外線等
のエネルギを照射してCD4陽性感染T細胞を攻撃し
て、同時にエイズウイルスをリアルタイム的に失活させ
た後、取り出した血液を人体に戻すようにする装置が例
えば特開平8−47528号公報において提案されてい
る。
【0003】特開平8−47528号公報において提案
された装置は、エイズの感染に対する治療に好適である
が、斯かる装置では、治療に当たって患者及び装置取扱
者等に対するエックス線、ガンマ線、ベータ線等の放射
線の被爆の問題が生じ、これの対策のために大がかりな
遮蔽構造となる。
【0004】本発明は、上記諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、人の血液中に存在す
る細菌又はウイルス等、例えば人の免疫機能に関与する
血液内異物を、人体から取り出した当該血液自体に対し
てリアルタイム的処理を施して失活又は低減させ、これ
により血液中に存在する細菌又はウイルス等によって生
じる様々な疾患を治療する装置に用いて好適であって、
治療に当たって患者及び装置取扱者等へのエックス線、
ガンマ線、ベータ線等の放射線の被爆を簡単な構造で極
力低減できる上に、簡単な操作で人体から取り出した当
該血液自体に対してリアルタイム的に放射線を照射でき
る医療用の放射線照射ヘッド及びそれを用いた放射線照
射装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様の医
療用の放射線照射ヘッドは、放射線源を収容する収容室
及び放射線源からの放射線を通過させるための窓を有し
ていると共に互いに相対的に回動自在に連結された一対
の放射線源収容体と、この各放射線源収容体の窓を開閉
できるように、各放射線源収容体に軸方向に摺動自在に
設けられた窓蓋とを具備しており、ここで、各放射線源
収容体及び窓蓋は放射線遮蔽材からなり、一対の放射線
源収容体が回動されて夫々の窓が対面された場合に、当
該一対の放射線源収容体は、対面する窓間において互い
に協働して放射線源からの放射線の雰囲気下又は場であ
って人工血管装着用の空間を形成するようになってい
る。
【0006】本発明の第一の態様の医療用の放射線照射
ヘッドによれば、放射線遮蔽材からなって互いに回動自
在に連結された一対の放射線源収容体を具備しているた
めに、一対の放射線源収容体を回動させて一対の放射線
源収容体を閉じるだけで簡単に人工血管を挟んで当該人
工血管を放射線の雰囲気下又は場の空間に配置すること
ができる上に、患者及び装置取扱者等への放射線の被爆
を極力低減でき、しかも、放射線遮蔽材からなって各放
射線源収容体の窓を開閉できる窓蓋を具備しているため
に、人工血管の交換に際して窓を窓蓋で閉鎖することに
より一対の放射線源収容体を回動させて一対の放射線源
収容体を開いても、放射線源からの放射線の外部への照
射を阻止できて、患者及び装置取扱者等への放射線の被
爆を極力低減できる。
【0007】本発明の第二の態様の医療用の放射線照射
ヘッドでは、第一の態様の医療用の放射線照射ヘッドに
おいて、各放射線源収容体の窓には、放射線透過性の窓
板が嵌め込まれており、本発明の第三の態様の医療用の
放射線照射ヘッドでは、第一又は第二の態様の医療用の
放射線照射ヘッドにおいて、一対の放射線源収容体が回
動されて夫々の窓が対面される際に、各放射線源収容体
は、互いに対面する面に互いに嵌合する凹部及び突部を
有している。
【0008】第三の態様の医療用の放射線照射ヘッドに
よれば、両放射線源収容体の互いに対面する面間の隙間
からの放射線の漏出を互いに嵌合する凹部及び突部でも
って防ぐことができ、患者及び装置取扱者等への放射線
の被爆を更に低減できる。
【0009】本発明の第四の態様の医療用の放射線照射
ヘッドでは、第一から第三のいずれかの態様の医療用の
放射線照射ヘッドにおいて、各放射線源収容体は、軸方
向に伸びた一対の凹条又は突条を有しており、各窓蓋
は、放射線源収容体の凹条又は突条に摺動自在に嵌合す
る突条又は凹条を有しており、各窓蓋は、その突条又は
凹条が対応の放射線源収容体の凹条又は突条に嵌合し
て、両放射線源収容体の互いの相対的な回動と共に対応
の放射線源収容体に連れて回動されるようになってい
る。
【0010】第四の態様の医療用の放射線照射ヘッドに
よれば、各窓蓋が対応の放射線源収容体に連れて回動さ
れるようになっているために、操作性が極めてよいもの
とし得る。
【0011】本発明の第五の態様の医療用の放射線照射
ヘッドでは、第一から第四のいずれかの態様の医療用の
放射線照射ヘッドにおいて、各窓蓋は、窓を閉鎖する半
円筒部と、この半円筒部に一体的に形成された鍔部とを
有している。
【0012】第五の態様の医療用の放射線照射ヘッドに
よれば、窓蓋と放射線源収容体との間の隙間からの放射
線の漏出を鍔部でもって防ぐことができるので、これに
よっても患者及び装置取扱者等への放射線の被爆を更に
低減できる。
【0013】本発明の医療用の放射線照射ヘッドは、好
ましくは第六の態様の医療用の放射線照射ヘッドのよう
に、娘核種90Yと放射平衡になるβ線放出核種である
90Srを放射線源として用いるためのものであり、ま
た好ましくは第七の態様の医療用の放射線照射ヘッドの
ように、免疫機能に関与する血液内異物を失活させる程
度のエネルギを人工血管を流れる血液に与えるためのも
のであり、更には、好ましくは第八の態様の医療用の放
射線照射ヘッドのように、エイズウイルスを失活させる
程度のエネルギを人工血管を流れる血液に与えるための
ものであり、また、好ましくは第九の態様の医療用の放
射線照射ヘッドのように、赤血球に損傷を与えない程度
の放射線量であって、エイズウイルスの蛋白質溶液の分
子運動を激しくし、弱い共有結合を解消し、エイズウイ
ルスの蛋白質の立体構造を破壊してエイズウイルスを失
活させる程度の放射線エネルギを血液及び当該血液細胞
内のエイズウイルスの蛋白質溶液に与えるためのもので
ある。
【0014】本発明の医療用の放射線照射装置は、人の
血液を体内から体外へ取り出す手段と、取り出された血
液を放射線の雰囲気下に配する手段と、この放射線の雰
囲気下に配された血液を再び体内に戻す手段と、一端が
取り出す手段に連結されていると共に他端が戻す手段に
連結された人工血管とを具備しており、放射線の雰囲気
下に配する手段は、人工血管を挟んで人工血管内を流れ
る血液に放射線を照射する上記のいずれかの態様の医療
用の放射線照射ヘッドを具備している。
【0015】斯かる放射線照射装置によれば、上記のい
ずれかの態様の医療用の放射線照射ヘッドを具備してい
るために、治療に当たって患者及び装置取扱者等へのエ
ックス線、ガンマ線、ベータ線等の放射線の被爆を極力
低減できる上に、簡単な操作で人体から取り出した当該
血液自体に対してリアルタイム的に放射線を照射でき
る。
【0016】本発明の放射線照射装置では、好ましくは
取り出す手段は、戻す手段に人工血管内の血液を送る血
液ポンプを具備している。
【0017】本発明の放射線照射ヘッドの放射源からの
放射線によりエネルギが付与された血液において、例え
ば、エイズウイルスが細胞膜内に侵入したCD4陽性感
染T細胞は失活され、同時に当該エイズウイルスもまた
失活され、CD4陽性感染T細胞から分離される。失活
されたエイズウイルスは、新たなCD4陽性Tリンパ球
に取り込まれることはない。こうして失活されたエイズ
ウイルス及びCD4陽性感染T細胞は体内に戻されて、
肝臓等で処理され、これによりエイズへの感染に対する
治療を行い得る。
【0018】次に本発明の実施の形態を、図に示す好ま
しい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は
これら例に何等限定されないのである。
【0019】
【発明の実施の形態】図1から図4において、本例の医
療用の放射線照射ヘッド1は、娘核種90Yと放射平衡
になるβ線放出核種である90Srからなる放射線源2
を収容する収容室3及び放射線源2からの放射線を通過
させるための窓4を有していると共にヒンジ機構5を介
して互いに相対的にA方向に回動自在に連結された一対
の放射線源収容体6及び7と、各放射線源収容体6及び
7の窓4を開閉できるように、放射線源収容体6及び7
の夫々に軸方向Xに摺動自在に設けられた窓蓋8及び9
並びに10及び11とを具備している。
【0020】放射線源収容体6及び7は、互いに同様に
形成されているので、以下、放射線源収容体6について
詳細に説明し、放射線源収容体7については必要に応じ
て説明する。窓蓋8及び9並びに10及び11について
も同様であって、夫々は互いに同様に形成されているの
で、以下、窓蓋8について詳細に説明し、窓蓋9、10
及び11については必要に応じて説明する。
【0021】重コンクリート、重晶石、鉛等の放射線遮
蔽材からなる半円筒状の放射線源収容体6は、特に図3
に示すように、半円筒状の内周面21と、内周面21を
挟んで且つ軸方向Xに伸びた平坦な一対の面22及び2
3と、半円弧状の側面24及び25と、内周面21にお
いて軸方向Xに伸びた一対の凹条又は突条、本例では一
対の凹条26及び27とを具備しており、窓4は、内周
面21に形成されており、窓4には放射線透過性の材料
からなる断面円弧状の窓板28が嵌め込まれており、放
射線源2が収容された収容室3は、窓4で開口して放射
線源収容体6の内部に断面円弧状をもって軸方向Xに伸
びて形成されている。
【0022】一対の放射線源収容体6及び7が回動され
て夫々の窓4が対面された場合(図1、図2及び図5に
示す場合)に、一対の放射線源収容体6及び7は、対面
する窓4間において互いに協働して放射線源2からの放
射線の雰囲気下又は場であって人工血管装着用の円柱状
の空間29を形成するようになっている。
【0023】放射線源収容体6と同様に重コンクリー
ト、重晶石、鉛等の放射線遮蔽材からなる窓蓋8は、特
に図4に示すように、窓4を閉鎖する半円筒部41と、
半円筒部41に一体的に形成された鍔部42と、放射線
源収容体6の凹条26及び27の夫々に軸方向Xに摺動
自在に嵌合する突条又は凹条、本例では一対の突条43
及び44とを有しており、窓蓋8は、突条43及び44
が凹条26及び27の夫々に嵌合している結果、放射線
源収容体7に対する放射線源収容体6のA方向の回動と
共に放射線源収容体6に連れて回動されるようになって
いる。
【0024】以上の放射線照射ヘッド1により放射線透
過性の材料からなる人工血管51の内部を流れる血液に
対して放射線源2からの放射線を照射するには、先ず、
図6に示すように、放射線源収容体6及び7を互いにA
方向に回動させて放射線源収容体6及び7を開いて、放
射線源収容体6及び7の間に人工血管51を配し、その
後、一対の放射線源収容体6及び7をA方向において前
記と逆に回動させて人工血管51を挟むようにして一対
の放射線源収容体6及び7を閉じて図1及び図2に示す
ように空間29に人工血管51が配された後に、次に、
図5に示すように窓蓋8と窓蓋9とが互いに離反し且つ
窓蓋10と窓蓋11とが同じく互いに離反するように、
窓蓋8から11を軸方向Xに移動させ、人工血管51が
窓蓋8から11によって遮られることなしに直接に放射
線源2からの放射線に曝されるようにする。
【0025】治療後、人工血管51を交換する際には、
図1及び図2に示すように、窓蓋8から11の夫々の鍔
部42が対応の放射線源収容体6及び7の側面24及び
25にぴったりと当接するように、窓蓋8から11を軸
方向Xにおいて前記と逆に移動させ、窓蓋8から11に
よって各窓4の窓板28が覆われて、放射線源2からの
放射線の外部への照射が窓蓋8から11によって遮られ
るようにし、その後、放射線源収容体6及び7により人
工血管51が挟まれた状態を解除するべく、図6に示す
ように、放射線源収容体6及び7を互いにA方向に回動
させて放射線源収容体6及び7を開き、人工血管51が
露出した状態にして人工血管51を放射線照射ヘッド1
から除去できるようにする。
【0026】斯かる放射線照射ヘッド1によれば、放射
線遮蔽材からなって互いに回動自在に連結された一対の
放射線源収容体6及び7を具備しているために、一対の
放射線源収容体6及び7をA方向に回動させて一対の放
射線源収容体6及び7を閉じるだけで簡単に人工血管5
1を挟んで当該人工血管51を放射線の雰囲気下又は場
の空間に配置することができる上に、患者及び装置取扱
者等への放射線の被爆を極力低減でき、しかも、放射線
遮蔽材からなって各放射線源収容体6及び7の窓4を開
閉できる窓蓋8から11を具備しているために、人工血
管51の交換に際して窓4を窓蓋8から11で閉鎖する
ことにより、一対の放射線源収容体6及び7をA方向に
回動させて一対の放射線源収容体6及び7を開いても、
放射線源2からの放射線の外部への照射を阻止できて、
患者及び装置取扱者等への放射線の被爆を極力低減でき
る。
【0027】また放射線照射ヘッド1は、図7に示す医
療用の放射線照射装置55に用いることができる。放射
線照射装置55は、人56の血液を体内から体外へ取り
出す手段57と、取り出された血液を放射線の雰囲気下
に配する手段としての放射線照射ヘッド1と、放射線の
雰囲気下に配された血液を再び体内に戻す手段としての
針59と、一端が取り出す手段57の針60に連結され
ていると共に他端が針59に連結された人工血管51と
を具備しており、放射線照射ヘッド1は、上記のように
人工血管51を挟んで人工血管51内を流れる血液に放
射線を照射するようになっており、取り出す手段57
は、針60と、人工血管51内の血液を針59に送る血
液ポンプ61とを具備している。
【0028】放射線照射ヘッド1は、免疫機能に関与す
る血液内異物を失活させる程度のエネルギを人工血管5
1を流れる血液に与えるように、本例では、エイズウイ
ルスを失活させる程度のエネルギを人工血管51を流れ
る血液に与えるように、より具体的には、赤血球に損傷
を与えない程度の放射線量であって、エイズウイルスの
蛋白質溶液の分子運動を激しくし、弱い共有結合を解消
し、エイズウイルスの蛋白質の立体構造を破壊してエイ
ズウイルスを失活させる程度の放射線エネルギを人工血
管51を流れる血液及び当該血液細胞内のエイズウイル
スの蛋白質溶液に与えるように構成されている。
【0029】以上のような装置55の放射線照射ヘッド
1により人工血管51内の血液に放射線を照射すると、
人工血管51内の血液中の異物、例えばCD4陽性Tリ
ンパ球に侵入したエイズウイルスが失活される。エイズ
ウイルスの失活過程は、次のようにしてなされるものと
考えられる。エイズウイルスの基本構成は、核酸と、そ
れを取り巻く蛋白質(エンべロープ蛋白質)よりなり、
蛋白質溶液に放射線エネルギを与えると、蛋白質溶液の
分子運動が激しくなり、弱い共有結合が解消され、蛋白
質の立体構造が破壊され、而してエイズウイルスの失活
が生じる。CD4陽性Tリンパ球自体も失活される虞が
あるが、これは造血臓器での産生、白血球増殖剤の使用
等で正常なのものに回復し得る。エイズウイルスが失活
された血液は、針59を介して人体56の血管に戻され
るが、失活されたエイズウイルスは、新たなCD4陽性
Tリンパ球に取り込まれることなく、肝臓等を介して処
理される。
【0030】上記の放射線照射ヘッド1では、一対の放
射線源収容体6及び7がA方向に回動されて夫々の窓4
が対面される際に、互いに接触する放射線源収容体6及
び7の夫々の面22及び23を平坦にしたが、これに代
えて、図8から図10に示すように、放射線源収容体6
及び7の夫々に、当該一対の放射線源収容体6及び7が
A方向に回動されて夫々の窓4が対面される際に、互い
に対面する面22及び23に互いに嵌合する凹部71及
び及び突部72を設けてもよい。
【0031】なお、上記では血液中に存在する細菌又は
ウイルス等としてエイズウイルスに限って説明したが、
本発明は、このような実施例に限定されないのであっ
て、例えば人の免疫機能に関与する他の血液内異物を分
解、失活させるために用いてもよい。また、人工血管5
1内の血液成分をモニターする目的で、血液自動分析装
置等を並設しておいてもよいのである。
【0032】なお、前記例では、直線の人工血管51を
用いたものについて説明したが、照射時間との関連で、
スパイラル、U字形等の他の人工血管を用いてもよい。
また、必要に応じて、血液凝固防止剤を注入するように
してもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、人の血液中に存在する
細菌又はウイルス等、例えば人の免疫機能に関与する血
液内異物を、人体から取り出した当該血液自体に対して
リアルタイム的処理を施して失活又は低減させ、これに
より血液中に存在する細菌又はウイルス等によって生じ
る様々な疾患を治療する装置に用いて好適であって、治
療に当たって患者及び装置取扱者等へのエックス線、ガ
ンマ線、ベータ線等の放射線の被爆を簡単な構造で極力
低減できる上に、簡単な操作で人体から取り出した当該
血液自体に対してリアルタイム的に放射線を照射できる
医療用の放射線照射ヘッド及びそれを用いた放射線照射
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の好ましい一例の断面図で
ある。
【図2】図1に示す例におけるII−II線矢視断面図
である。
【図3】図1に示す例の放射線源収容体の斜視図であ
る。
【図4】図1に示す例の窓蓋の斜視図である。
【図5】図1に示す例の作用の説明図である。
【図6】図1に示す例の作用の説明図である。
【図7】図1に示す例を放射線照射装置に適用した本発
明の実施の形態の好ましい一例の説明図である。
【図8】一方の放射線源収容体の他の例の斜視図であ
る。
【図9】他方の放射線源収容体の他の例の斜視図であ
る。
【図10】図8及び図9の放射線源収容体を用いた放射
線照射ヘッドの例の断面図である。
【符号の説明】
1 放射線照射ヘッド 2 放射線源 3 収容室 4 窓 5 ヒンジ機構 6、7 放射線源収容体 8、9、10、11 窓蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水品 知之 神奈川県逗子市沼間3丁目22番14号 Fターム(参考) 4C077 AA11 BB10 EE01 KK09 KK27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線源を収容する収容室及び放射線源
    からの放射線を通過させるための窓を有していると共に
    互いに相対的に回動自在に連結された一対の放射線源収
    容体と、この各放射線源収容体の窓を開閉できるよう
    に、各放射線源収容体に軸方向に摺動自在に設けられた
    窓蓋とを具備しており、各放射線源収容体及び窓蓋は放
    射線遮蔽材からなり、一対の放射線源収容体が回動され
    て夫々の窓が対面された場合に、当該一対の放射線源収
    容体は、対面する窓間において互いに協働して放射線源
    からの放射線の雰囲気下又は場であって人工血管装着用
    の空間を形成するようになっている医療用の放射線照射
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 各放射線源収容体の窓には、放射線透過
    性の窓板が嵌め込まれている請求項1に記載の医療用の
    放射線照射ヘッド。
  3. 【請求項3】 一対の放射線源収容体が回動されて夫々
    の窓が対面される際に、各放射線源収容体は、互いに対
    面する面に互いに嵌合する凹部及び突部を有している請
    求項1又は2に記載の医療用の放射線照射ヘッド。
  4. 【請求項4】 各放射線源収容体は、軸方向に伸びた一
    対の凹条又は突条を有しており、各窓蓋は、放射線源収
    容体の凹条又は突条に摺動自在に嵌合する突条又は凹条
    を有しており、各窓蓋は、その突条又は凹条が対応の放
    射線源収容体の凹条又は突条に嵌合して、両放射線源収
    容体の互いの相対的な回動と共に対応の放射線源収容体
    に連れて回動されるようになっている請求項1から3の
    いずれか一項に記載の医療用の放射線照射ヘッド。
  5. 【請求項5】 各窓蓋は、窓を閉鎖する半円筒部と、こ
    の半円筒部に一体的に形成された鍔部とを有している請
    求項1から4のいずれか一項に記載の医療用の放射線照
    射ヘッド。
  6. 【請求項6】 娘核種90Yと放射平衡になるβ線放出
    核種である90Srを放射線源として用いるための請求
    項1から5のいずれか一項に記載の医療用の放射線照射
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 免疫機能に関与する血液内異物を失活さ
    せる程度のエネルギを人工血管を流れる血液に与えるた
    めの請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用の放
    射線照射ヘッド。
  8. 【請求項8】 エイズウイルスを失活させる程度のエネ
    ルギを人工血管を流れる血液に与えるための請求項1か
    ら7のいずれか一項に記載の医療用の放射線照射ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 赤血球に損傷を与えない程度の放射線量
    であって、エイズウイルスの蛋白質溶液の分子運動を激
    しくし、弱い共有結合を解消し、エイズウイルスの蛋白
    質の立体構造を破壊してエイズウイルスを失活させる程
    度の放射線エネルギを血液及び当該血液細胞内のエイズ
    ウイルスの蛋白質溶液に与えるための請求項1から8の
    いずれか一項に記載の医療用の放射線照射ヘッド。
  10. 【請求項10】 人の血液を体内から体外へ取り出す手
    段と、取り出された血液を放射線の雰囲気下に配する手
    段と、この放射線の雰囲気下に配された血液を再び体内
    に戻す手段と、一端が取り出す手段に連結されていると
    共に他端が戻す手段に連結された人工血管とを具備して
    おり、血液を放射線の雰囲気下に配する手段は、人工血
    管を挟んで人工血管内を流れる血液に放射線を照射する
    請求項1から9のいずれか一項に記載の医療用の放射線
    照射ヘッドを具備した医療用の放射線照射装置。
  11. 【請求項11】 取り出す手段は、戻す手段に人工血管
    内の血液を送る血液ポンプを具備している請求項9に記
    載の医療用の放射線照射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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