JP3171951U - 押し出し装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者の負担を削減すると共に作業時間の短縮を図ることができる押し出し装置を提供する。【解決手段】押し出し装置1は、袋状のエアバッグ2と、エア供給部材4とを備える。エアバッグ2は、エアが供給され膨らむことで、液状物が充填された袋状容器を押圧することができる可撓性を有する。エア供給部材4は、エアバッグ2の内部に連通するチューブ41と、その一端がチューブ41に連通するシリンダ42と、シリンダ42の内部に摺動可能に設けられたピストン43と、ピストン43に接続されると共にシリンダ42の他端から突出するハンドル44とを有し、エアバッグ2にエアを供給する。【選択図】図1
Description
本考案は、口部を有する袋状容器内に充填された半固形栄養剤や流動食等の液状物を押し出すための押し出し装置に関するものである。
従来から、食道や口腔の外傷、疾患、又は手術等により食物を口腔から胃に送り込むことが困難になった患者に栄養剤、流動食又は薬剤などの液状物を投与するPEG(PercutaneousEndoscopic Gastrostomy)療法が行われている。
PEG療法に用いる液状物は、一般的に、口部を有する袋状容器に充填されている。この液状物の粘度が低い場合は、胃内の液状物が食道に逆流したり、液状物の水分が体内で吸収しきれずに下痢したりする等の問題が生じる。そのため、PEG療法に用いる液状物は、半固形化したり、トロミ剤や増粘剤を加えたりすることで粘度を高めている。
医療現場では、例えば、袋状容器を手で押して圧迫することにより、開栓された口部を通じて液状物を押し出していた。しかし、袋状容器を手で押して液状物を押し出す場合は、袋状容器全体を一度に圧迫できないため、液状物のほぼ全量を押し出すことが難しく、袋状容器内に液状物が残ってしまうことがある。
また、液状物を胃に送り込む場合は、液状物を略一定の速度で袋状容器から押し出すことが好ましい。しかし、袋状容器を直接手で押す方法は、液状物の押し出し速度にバラツキが生じ易いため、不向きである。
さらに、袋状容器を直接手で押す方法は、袋状容器に常に押圧力を加えていなければならないため、手間がかかると共に作業時間が長くなる。
さらに、袋状容器を直接手で押す方法は、袋状容器に常に押圧力を加えていなければならないため、手間がかかると共に作業時間が長くなる。
そこで、特許文献1及び2には、エアバッグを用いた押し出し装置が開示されている。特許文献1及び2に開示された押し出し装置は、可撓性を有する袋状のエアバッグと、エアバッグの離間した二辺に取り付けられた保持シートと、エアバッグに空気を供給する送気球(手動ポンプ)とを備えている。
この押し出し装置を用いて袋状容器から液状物を押し出す場合は、まず、エアバッグと保持シートとの間に、液状物が充填された袋状容器を挿入する。次に、送気球でエアバッグに空気を供給してエアバッグを膨らませる。これにより、膨らんだエアバッグと保持シートとの間に配された袋状容器が押圧されて、袋状容器内の液状物が押し出される。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された押し出し装置では、握力によって操作する送気球を用いてエアバッグに気体を供給していた。そのため、使用者に疲労感を与え易く、作業が煩わしいものになってしまう。
また、送気球は、1回の圧縮操作によって供給できる気体の量がすくないため、エアバッグ内が所定の気圧になるまでに時間を要してしまう。
また、送気球は、1回の圧縮操作によって供給できる気体の量がすくないため、エアバッグ内が所定の気圧になるまでに時間を要してしまう。
本考案の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、使用者の負担を削減すると共に作業時間の短縮を図ることができる押し出し装置を提供することにある。
上記課題を解決し、本考案の目的を達成するため、本考案の押し出し装置は、袋状のバッグと、エア供給部材とを備える。
バッグは、エアが供給され膨らむことで、液状物が充填された袋状容器を押圧することができる可撓性を有する。
エア供給部材は、バッグの内部に連通するチューブと、その一端がチューブに連通するシリンダと、シリンダの内部に摺動可能に設けられたピストンと、ピストンに接続されると共にシリンダの他端から突出するハンドルとを有し、バッグにエアを供給する。
バッグは、エアが供給され膨らむことで、液状物が充填された袋状容器を押圧することができる可撓性を有する。
エア供給部材は、バッグの内部に連通するチューブと、その一端がチューブに連通するシリンダと、シリンダの内部に摺動可能に設けられたピストンと、ピストンに接続されると共にシリンダの他端から突出するハンドルとを有し、バッグにエアを供給する。
本考案の押し出し装置では、エア供給部材のハンドルを把持して、シリンダの軸方向に沿って往復動作させることによりバッグの内部に気体を供給する。これにより、使用者は、腕の力を使ってバッグ内に気体を供給することができる。その結果、握力によって操作する送気球を用いてエアバッグに気体を供給する場合よりも使用者の負担を軽減することができると共に、作業時間の短縮を図ることができる。
本考案の押し出し装置によれば、使用者の負担を削減すると共に作業時間の短縮を図ることができる。
以下、本考案の押し出し装置の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本考案は、以下の形態に限定されるものではない。
<押し出し装置の構成>
まず、本考案の押し出し装置の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本考案の押し出し装置の平面図である。
まず、本考案の押し出し装置の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本考案の押し出し装置の平面図である。
押し出し装置1は、袋状容器Pを押圧して、袋状容器Pに充填された液状物を押し出す装置である。
[袋状容器]
袋状容器Pは、容器本体101と、この容器本体101に取り付けられた口部102とを備えている。容器本体101は、可撓性を有する2枚のシートを重ね合わせて、互いの周辺部をシールすることで略長方形の袋状に形成されている。したがって、容器本体101は、押圧されると、その内容積が減少する。
袋状容器Pは、容器本体101と、この容器本体101に取り付けられた口部102とを備えている。容器本体101は、可撓性を有する2枚のシートを重ね合わせて、互いの周辺部をシールすることで略長方形の袋状に形成されている。したがって、容器本体101は、押圧されると、その内容積が減少する。
容器本体101(袋状容器P)内には、半固形栄養剤や流動食等の液状物が充填されている。この液状物の粘度は、例えば、1000〜50000Cp(1〜50Pa/s)とされる。このような粘度の液状物は、PEG療法等により患者に投与した際に、体内での逆流を好適に防止することができる。
口部102は、容器本体101の一方の短辺に設けられており、容器本体101内に連通している。袋状容器P内に充填された液状物は、口部102から排出される。口部102には、例えば、胃や腸等の体内に挿入されるチューブ103が連結される。
[押し出し装置]
図1に示すように、押し出し装置1は、袋状容器Pを押圧するエアバッグ2と、エアバッグ2に設けられた受け部材3と、エアバッグ2にエア(気体)を供給するエア供給部材4とを備えている。
図1に示すように、押し出し装置1は、袋状容器Pを押圧するエアバッグ2と、エアバッグ2に設けられた受け部材3と、エアバッグ2にエア(気体)を供給するエア供給部材4とを備えている。
エアバッグ2は、可撓性を有する袋状に形成されたバッグ本体21と、バッグ本体21内の圧力を検出する圧力検出部22と、接続部材23とを有している。
バッグ本体21は、その平面視形状が略長方形の袋状に形成されている。このバッグ本体21の平面視の大きさは、袋状容器Pの平面視での大きさよりも大きい。このバッグ本体21の一方の短辺には、取手部21aが形成されている。
バッグ本体21の構成材料としては、可撓性を有しているものであれば、特に限定されず、各種樹脂材料や各種ゴム材料などを用いることができる。可撓性を有するバッグ本体21は、エアを供給された時に、受け部材3の形状や袋状容器Pの凹凸(例えば口部による凹凸)に追従して変形し、袋状容器P全体を押圧することができる。
袋状容器Pを押圧する観点から、バッグ本体21は、フィルム状の部材で構成されているのが好ましい。このフィルム状の部材としては、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンとポリ塩化ビニルとのラミネートフィルム、ナイロンとポリエステルのラミネートフィルム等が好適に使用される。
また、バッグ本体21は伸縮性を有する材料で構成されていることが好ましい。これにより、バッグ本体21内のエアを抜いた際に、受け部材3との間に生じる容器収容部31(図4A参照)を大きくすることができるため、袋状容器Pの取り出しおよび装着が容易になる。
また、バッグ本体21は、最大70kPa以上の内圧に耐え得るように構成されていることが好ましい。これにより、袋状容器Pから液状物を押し出すために必要な圧力でバッグ本体21を膨らますことができる。
なお、バッグ本体21の形状は、平面視形状が略長方形の袋状のものに限定されず、例えば、平面視形状が正方形などの多角形、円形、楕円形の袋状であってもよい。また、バッグ本体21は、2枚のフィルムを互いの周縁部で溶着して形成してもよいし、ブロー成形などにより一体的に形成してもよい。
圧力検出部22と接続部材23は、バッグ本体21の他方(取手部21aとは反対側)の短辺に適当な間隔をあけて取り付けられている。圧力検出部22及び接続部材23と、バッグ本体21との接合方法としては、例えば、接着、溶着等が挙げられる。
圧力検出部22としては、例えば、圧力センサ(圧力ゲージ)を適用することができる。使用者は、圧力検出部22によってバッグ本体21内の圧力を認識することができる。そのため、使用者は、バッグ本体21内の圧力を袋状容器Pに充填された液状物の粘度に応じて正確に調節することができる。
接続部材23は、円筒状に形成されている。この接続部材23の一端部は、バッグ本体21内に配置され、他端部は、バッグ本体21から突出している。接続部材23の他端部には、エア供給部材4の後述するチューブ41が接続される。
接続部材23の構成材料としては、バッグ本体21と同じ材料を用いるのが好ましい。なお、本考案の押し出し装置としては、接続部材23の構成材料をバッグ本体21とは異なる材料にしてもよい。この場合においても、両者を接着、溶着等によって接合することができる。
受け部材3は、バッグ本体21の一方の平面部に取り付けられており、膨らんだエアバッグ2の圧力を受ける。この受け部材3は、袋状容器Pよりも大きい略長方形のシート状に形成されている。受け部材3の2つの長辺部は、バッグ本体21の2つの長辺部に沿うように配置されており、バッグ本体21の一方の平面部に接合されている。受け部材3とバッグ本体21(エアバッグ2)との接合方法は、特に限定されないが、例えば、接着、融着、縫合などが挙げられる。
バッグ本体21(エアバッグ2)と受け部材3との間には、袋状容器Pを収容する容器収容部31が形成される。この容器収容部31は、バッグ本体21の2つの短辺側に開口されている。したがって、袋状容器Pは、容器収容部31の両方の開口から容器収容部31に対して出し入れ可能である。なお、バッグ本体21の他方の短辺には、圧力検出部22と接続部材23が設けられているため、袋状容器Pは、容器収容部31におけるバッグ本体21の一方の短辺側の開口から出し入れするとよい。
バッグ本体21を膨らませる前の容器収容部31は、袋状容器Pの大きさよりも十分に大きい。これにより、容器収容部31に対する袋状容器Pの出し入れを容易に行うことができる。
また、受け部材3の構成材料としては、十分な強度を有し、受け部材3とエアバッグ2との協働により袋状容器Pを押圧可能なものであれば、特に限定されないが、実質的に伸縮しない材料、例えば、ポリエステル、ナイロンなどを採用することが好ましい。これにより、受け部材3とエアバッグ2との協働による押圧力を効率よく袋状容器Pに伝えることができる。
なお、受け部材3は、メッシュ状に形成さている。メッシュの目の大きさは、受け部材3が実質的に伸縮しないようにして、且つ、袋状容器P全体を押圧することを考慮すると、細かい方が好ましい。受け部材3をメッシュ状に形成することにより、押し出し装置1の軽量化を図ることができる。
エア供給部材4は、いわゆるレシプロ式のポンプ(Reciprocating Pump)である。このエア供給部材4は、バッグ本体21内に連通するチューブ41と、チューブ41に連通するシリンダ42と、シリンダ42の内部に配置されたピストン43と、ピストン43に接続されたハンドル44とを有する。さらに、エア供給部材4は、チューブ41に取り付けられた弁部45を有する。
チューブ41の一端部は、エアバッグ2の接続部材23に接続されており、他端部は、シリンダ42の一端部に接続されている。これにより、エアバッグ2(バッグ本体21)の内部とシリンダ42の内部は、チューブ41を介して連通される。チューブ41と接続部材23との接続方法としては、特に限定されないが、例えば、接着、融着、嵌合などが挙げられる。
チューブ41は、シリンダ42から送られるエアの圧力に対し耐圧性を有すると共に、ある程度の可撓性を有するものが好ましい。チューブ41の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどが好適である。
シリンダ42の一端部には、吐出口42aが設けられている。この吐出口42aには、チューブ41の他端部が接続されている。また、シリンダ42の他端部には、後述するピストンロッド48が貫通する貫通孔が設けられている。
シリンダ42の軸方向の長さは、バッグ本体21の長辺(全長)の長さよりも短く、容器収容部31の全長よりも短い方が好ましい。このシリンダ42の軸方向の長さは、10〜35cm程度が好ましい。
そして、シリンダ42の外径は、1.5〜4cm程度が好ましい。これにより、押し出し装置を持ち運ぶ際に、エア供給部材4のシリンダ42を容器収容部31に収容することができるため、携帯性に優れた押し出し装置を提供することができる。
そして、シリンダ42の外径は、1.5〜4cm程度が好ましい。これにより、押し出し装置を持ち運ぶ際に、エア供給部材4のシリンダ42を容器収容部31に収容することができるため、携帯性に優れた押し出し装置を提供することができる。
ピストン43は、ピストンロッド48によってハンドル44に連結されている。したがって、ハンドル44を操作することにより、ピストン43は、シリンダ42内を往復移動する。このとき、シリンダ42内に吸入したエアが吐出口42aから吐き出される。
本実施の形態のシリンダ42は、ピストン43の往動時にシリンダ42内のエアを吐出口42aに導く往動用排気路と、ピストン43の復動時にシリンダ42内のエアを吐出口42aに導く復動用排気路とを備えている。したがって、エア供給部材4は、ピストン43の往動時と復動時にバッグ本体21内にエアを供給する。その結果、効率よくエアの供給を行うことができる。
このようなシリンダを用いたエア供給部材としては、例えば、ボール用ダブルアクションポンプ(株式会社ジャパーナ製)、空気入れ・ハンドポンプダブルアクション式ボール空気入れ(株式会社モルテン製)、HVP ハイボリュームポンプ(株式会社モルテン製)等を挙げることができる。
このようなシリンダを用いたエア供給部材としては、例えば、ボール用ダブルアクションポンプ(株式会社ジャパーナ製)、空気入れ・ハンドポンプダブルアクション式ボール空気入れ(株式会社モルテン製)、HVP ハイボリュームポンプ(株式会社モルテン製)等を挙げることができる。
ハンドル44は、エア供給部材4によってバッグ本体21にエアを供給する場合に、手で把持する部分である。このハンドル44のストロークは、5〜20cmが好ましく、7〜15cmがより好ましい。なお、シリンダ42の内径は、ピストン43の往復移動によるエアの吐き出し量を考慮すると、1〜3.5cm程度が好ましい。
次に、弁部45について、図2を参照して説明する。
図2は本考案の押し出し装置における弁部材を説明する説明図である。
図2は本考案の押し出し装置における弁部材を説明する説明図である。
弁部45は、例えば三方活栓であり、エア供給部材4の状態を切り替える。本実施の形態のエア供給部材4は、図2Aに示す送気状態と、図2Bに示す圧力維持状態と、図2Cに示す脱気状態のいずれかの状態に切り替えられる。
エア供給部材4を送気状態にすると、弁部45がチューブ41を開いて、シリンダ42がチューブ41を介してバッグ本体21に連通される。これにより、バッグ本体21内にエアを送ることが可能になる。
エア供給部材4を圧力維持状態にすると、弁部45がチューブ41を閉じて、シリンダ42とバッグ本体21の連通を遮断する。これにより、バッグ本体21内の圧力(気圧)が維持される。
エア供給部材4を脱気状態にすると、弁部45がチューブ41を閉じると共にチューブ41のバッグ本体21側を脱気口45aに連通させる。これにより、バッグ本体21内のエアがチューブ41及び脱気口45aを通って外部に排出される。
本実施形態では、弁部材33として、三方活栓を用いているが、弁としての機能を有するものであれば、これに限定されず、各種弁を用いることができる。なお、このような弁は、チューブ41の途中に設けることに限定されず、例えば、エアバッグ2の接続部材23に設けることもできる。
次に、押し出し装置1の使用方法について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、押し出し装置1に液状物が充填された袋状容器Pを挿入した状態を示す説明図である。図4は、押し出し装置1の作用を説明する説明図である。
図3は、押し出し装置1に液状物が充填された袋状容器Pを挿入した状態を示す説明図である。図4は、押し出し装置1の作用を説明する説明図である。
押し出し装置1を使用する場合は、まず、弁部45を操作してエア供給部材4を脱気状態にする(図2C参照)。そして、バッグ本体21内にエアが収容されている場合は、そのエアを外部に排出する。これにより、バッグ本体21と受け部材3との間に形成された容器収容部31が広がった状態になる。
次に、図3及び図4Aに示すように、押し出し装置1の容器収容部31に、液状物が充填された袋状容器Pを挿入する。このとき、容器収容部31が広がった状態であるため、袋状容器Pを容器収容部31に簡単に挿入することができる。なお、袋状容器Pの口部102には、予め、チューブ103を連結しておく。
容器収容部31は、バッグ本体21の両方の短辺側に開口されている。したがって、袋状容器Pは、容器収容部31のいずれの開口からも挿入できる。なお、バッグ本体21の圧力検出部22が設けられた短辺側の開口よりも、取手部21aが設けられた短辺側の開口の方が干渉する部品(圧力検出部22やチューブ41)が無いため、袋状容器Pを挿入し易い。
次に、弁部45を操作してエア供給部材4を送気状態にする(図2A参照)。そして、エア供給部材4を操作して、エアバッグ2のバッグ本体21内にエアを供給する(図4B参照)。
このとき、使用者は、エア供給部材4のハンドル44を把持して、シリンダ42の軸方向に沿って往復動作させることにより、バッグ本体21内にエアを供給する。したがって、使用者は、腕の力を使ってバッグ本体21内にエアを供給することができる。その結果、バッグ本体21内にエアを供給する操作を容易且つ迅速に行うことができる。
つまり、握力によって操作する送気球を用いてバッグ本体21にエアを供給する場合よりも、使用者の負担を軽減することができると共に、作業時間の短縮を図ることができる。
つまり、握力によって操作する送気球を用いてバッグ本体21にエアを供給する場合よりも、使用者の負担を軽減することができると共に、作業時間の短縮を図ることができる。
バッグ本体21内にエアが供給されると、バッグ本体21が膨らんでバッグ本体21内の圧力(気圧)が上昇する。その後、圧力検出部22の検出結果を確認して、バッグ本体21内の圧力が設定値に達したら、弁部45を操作してエア供給部材4を圧力維持状態にする(図2B参照)。
なお、バッグ本体21内の圧力の設定値は、袋状容器P内に充填された液状物の粘度に応じて適宜決定される。例えば、液状物が半固形栄養剤であった場合は、バッグ本体21内の圧力の設定値を30kPa〜70kPaに設定することが好ましい。
エアが供給されて膨らんだバッグ本体21は、袋状容器Pを受け部材3側に押圧する。これにより、袋状容器P内の液状物が口部102から押し出される。そして、バッグ本体21が膨らむことで容器収容部31が徐々に小さくなり、袋状容器Pは、受け部材3とバッグ本体21との間で平らなシート状に変形する。これにより、袋状容器P内の液状物の略全量が口部102から押し出される(図4C参照)。
可撓性を有するバッグ本体21は、受け部材3及び袋状容器Pの形状に追従しながら袋状容器Pを押圧する。そのため、袋状容器Pを平らになるまで押圧することができ、袋状容器P内の液状物の略全量を口部102から押し出すことができる。また、バッグ本体21内の圧力が設定値で維持されるため、袋状容器P内の液状物を略一定の速度で口部102から押し出すことができる。
<ユーザビリティ評価>
次に、本考案の押し出し装置1と、送気球を用いた従来の押し出し装置のユーザビリティ評価について、図5〜図7を参照して説明する。
次に、本考案の押し出し装置1と、送気球を用いた従来の押し出し装置のユーザビリティ評価について、図5〜図7を参照して説明する。
[作業時間]
図5は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置の作業時間を比較したグラフである。
図5に示す作業時間は、押し出し装置1と従来の押し出し装置において、バッグ本体21内の気圧を設定値に上昇させるまでに要した時間である。この作業時間を、20〜40代の女性8人について測定し、その平均値を算出した。
図5は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置の作業時間を比較したグラフである。
図5に示す作業時間は、押し出し装置1と従来の押し出し装置において、バッグ本体21内の気圧を設定値に上昇させるまでに要した時間である。この作業時間を、20〜40代の女性8人について測定し、その平均値を算出した。
図5に示すように、送気球を用いた従来の押し出し装置では、バッグ本体21内の気圧を設定値に上昇させるまでに40秒以上かかってしまった。一方、本考案の押し出し装置1では、約20秒でバッグ本体21内の気圧を設定値に上昇させることができた。これにより、本考案の押し出し装置1は、作業時間の短縮を図れることが確認できた。
[疲労感]
図6は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合の疲労感を比較したグラフである。
疲労感は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置をそれぞれ使用した後に、どのくらい疲労したかを20〜40代の女性8人について調査し、その平均を算出した。
図6は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合の疲労感を比較したグラフである。
疲労感は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置をそれぞれ使用した後に、どのくらい疲労したかを20〜40代の女性8人について調査し、その平均を算出した。
疲労感は、VAS法を用いて定量化した。このVAS法では、左端を疲労感無しとして、右端を疲労感が多いとした直線を用意し、その直線状の疲労の度合いに見合った箇所に印を付けてもらう。そして、直線の左端からの距離により疲労感を定量化する。
図6に示すグラフの縦軸は疲労感を0〜100で示したものであり、疲労感が無い場合を0とする。一方、疲労感が多い場合を100とする。
図6に示すように、本考案の押し出し装置1を使用した場合は、送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合よりも、疲労感が少なかった。これにより、本考案の押し出し装置1は、使用者の負担を削減できることが確認できた。
図6に示すように、本考案の押し出し装置1を使用した場合は、送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合よりも、疲労感が少なかった。これにより、本考案の押し出し装置1は、使用者の負担を削減できることが確認できた。
[煩わしさ]
図7は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合の煩わしさを比較したグラフである。
煩わしさは、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置をそれぞれ使用した後に、どのくらい面倒であったかを20〜40代の女性8人について調査し、その平均を算出した。なお、煩わしさにおいても、VAS法を用いて定量化した。
図7は、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合の煩わしさを比較したグラフである。
煩わしさは、本考案の押し出し装置1と送気球を用いた従来の押し出し装置をそれぞれ使用した後に、どのくらい面倒であったかを20〜40代の女性8人について調査し、その平均を算出した。なお、煩わしさにおいても、VAS法を用いて定量化した。
図7に示すグラフの縦軸は煩わしさを0〜100で示したものであり、面倒でない場合を0とする。一方、面倒である場合を100とする。
図7に示すように、本考案の押し出し装置1を使用した場合は、送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合よりも、煩わしさが少なかった。これにより、本考案の押し出し装置1は、使用者の負担を削減できることが確認できた。
図7に示すように、本考案の押し出し装置1を使用した場合は、送気球を用いた従来の押し出し装置を使用した場合よりも、煩わしさが少なかった。これにより、本考案の押し出し装置1は、使用者の負担を削減できることが確認できた。
本考案は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態では、エア供給部材4がピストン43の往動時と復動時にバッグ本体21内にエアを供給する。しかし、本考案に係るエア供給部材4としては、ピストン43の往動時(シリンダ42の吐出口42a側への移動時)のみにバッグ本体21内にエアを供給するものであってもよい。
例えば、上述した実施の形態では、エア供給部材4がピストン43の往動時と復動時にバッグ本体21内にエアを供給する。しかし、本考案に係るエア供給部材4としては、ピストン43の往動時(シリンダ42の吐出口42a側への移動時)のみにバッグ本体21内にエアを供給するものであってもよい。
また、上述した実施の形態では、容器収容部31が2つの開口を有しているが、本考案に係る容器収容部としては、袋状容器Pを出し入れするための開口を少なくとも1つ有していればよい。
また、上述した実施の形態では、エアバッグ2と受け部材3との間に容器収容部31を形成する構成とした。しかし、本考案の押し出し装置としては、受け部材を有していなくてもよく、例えば、エアバッグが2つのバッグ本体を有するものであってもよい。この場合は、2つのバック本体間に袋状容器Pを配置し、2つのバック本体が膨らむことにより袋状容器Pを押圧する。
また、本考案のエアバッグとしては、略筒状に形成され、エアが供給されることで筒孔を狭くするように膨らむバック本体を有するものであってもよい。この場合は、バック本体の筒孔内に袋状容器Pを配置し、バック本体が膨らむことにより袋状容器Pを押圧する。
また、本考案のエアバッグとしては、略筒状に形成され、エアが供給されることで筒孔を狭くするように膨らむバック本体を有するものであってもよい。この場合は、バック本体の筒孔内に袋状容器Pを配置し、バック本体が膨らむことにより袋状容器Pを押圧する。
1…押し出し装置、 2…エアバッグ、 3…受け部材、 4…エア供給部材、 21…バッグ本体、 21a…取手部、 22…圧力検出部、 23…接続部材、 31…容器収容部、 33…弁部材、 41…チューブ、 42…シリンダ、 42a…吐出口、 43…ピストン、 44…ハンドル、 45…弁部、 45a…脱気口、 48…ピストロッド、 101…容器本体、 102…口部
Claims (9)
- エアが供給され膨らむことで、液状物が充填された袋状容器を押圧することができる可撓性を有する袋状のバッグと、
前記バッグの内部に連通するチューブと、その一端が前記チューブに連通するシリンダと、前記シリンダの内部に摺動可能に設けられたピストンと、前記ピストンに接続されて前記シリンダの他端から突出するハンドルとを有し、前記バッグにエアを供給するエア供給部材と、
を備える押し出し装置。 - 前記バッグに対向して設けられる受け部材と、
前記バッグと前記受け部材との間に形成され、液状物が充填された袋状容器を収容する容器収容部と、
を備える請求項1に記載の押し出し装置。 - 前記エア供給部材における前記シリンダの軸方向の長さは、前記バッグの全長よりも短い
請求項1又は2に記載の押し出し装置。 - 前記エア供給部材における前記シリンダの軸方向の長さは、前記容器収容部の全長よりも短い
請求項1〜3のいずれかに記載の押し出し装置。 - 前記エア供給部材は、前記ピストンの往動時と復動時に前記バッグへ空気を送る
請求項1〜4のいずれかに記載の押し出し装置。 - 前記バッグに取り付けられ、前記バッグの内部の圧力を検出する検出部を備える
請求項1〜5のいずれかに記載の押し出し装置。 - 前記エア供給部材の前記チューブに取り付けられた弁部材を備え、
前記弁部材は、前記バッグの内部の圧力を維持する圧力維持状態と、前記エア供給部材から提供される気体を通過させる送気状態と、前記バッグの内部の気体を排出する脱気状態のいずれかにする
請求項1〜6のいずれかに記載の押し出し装置。 - 液状物が充填された袋状容器と、
エアが供給され膨らむことで、前記袋状容器を押圧することができる可撓性を有する袋状のバッグと、
前記バッグの内部に連通するチューブと、その一端が前記チューブに連通するシリンダと、前記シリンダの内部に摺動可能に設けられたピストンと、前記ピストンに接続されて前記シリンダの他端から突出するハンドルとを有し、前記バッグにエアを供給するエア供給部材と、
を備える押し出し装置。 - 前記バッグに対向して設けられる受け部材と、
前記バッグと前記受け部材との間に形成される容器収容部と、
を備える請求項8に記載の押し出し装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011005366U JP3171951U (ja) | 2011-09-13 | 2011-09-13 | 押し出し装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011005366U JP3171951U (ja) | 2011-09-13 | 2011-09-13 | 押し出し装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3171951U true JP3171951U (ja) | 2011-11-24 |
Family
ID=54882217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011005366U Expired - Lifetime JP3171951U (ja) | 2011-09-13 | 2011-09-13 | 押し出し装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3171951U (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6358515A (ja) * | 1986-08-29 | 1988-03-14 | Canon Inc | 電源装置 |
JP2014236925A (ja) * | 2013-06-10 | 2014-12-18 | 独立行政法人国立循環器病研究センター | 多用途型加圧バッグ |
RU167674U1 (ru) * | 2016-04-22 | 2017-01-10 | Борис Семёнович Суковатых | Устройство для определения пропускной способности аутовенозного трансплантата |
CN114176553A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-03-15 | 中国人民解放军陆军特色医学中心 | 一种按压式腹腔压力测量装置 |
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2011
- 2011-09-13 JP JP2011005366U patent/JP3171951U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6358515A (ja) * | 1986-08-29 | 1988-03-14 | Canon Inc | 電源装置 |
JP2014236925A (ja) * | 2013-06-10 | 2014-12-18 | 独立行政法人国立循環器病研究センター | 多用途型加圧バッグ |
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