JP3171651B2 - 高分子液晶ポリウレタン - Google Patents

高分子液晶ポリウレタン

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    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/30Low-molecular-weight compounds
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    • C08G18/3215Polyhydroxy compounds containing aromatic groups or benzoquinone groups

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なサーモトロピッ
クポリウレタン(以下液晶ポリウレタンと略す)に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶性高分子材料は、産業用材料として
さまざまな分野で使用できることから、近年、高強度高
弾性率などの高機能性を付与する試みが数多くなされて
いる。サーモトロピック液晶高分子は高度に配向しうる
材料として注目を浴びているが、大きく二つに分類する
ことができる。一つは高強度高弾性を目的とした主鎖型
液晶高分子であり、一つは記録材料への応用が考えられ
る側鎖型液晶高分子である。その多くはポリアミド、ポ
リエステル、ビニルポリマーに関するものであり、液晶
ポリウレタンについての研究は非常に少い。
【0003】主鎖型液晶ポリウレタンの製造法は、一般
に大きく2つに分類できる。一つは、液晶発現基(以下
メソゲンという)を有するジイソシアナート成分とアル
カンジオール成分との重付加による方法であり、もう一
つは通常のジイソシアナート成分とメソゲンを有するジ
オール成分との重付加による方法である。メソゲンを有
するジイソシアナートを使用する方法としては、特開昭
56-152830 にo−トルイジンジイソシアナートとアルカ
ンジオール(HO-(CH2)n -OH n≧5)の重付加物が液晶
性を有すると記載されている。また特開平1-129017には
有機ヒドロキシ化合物と少くとも2個のフェニレン基お
よび少くとも1個のエステル基を有するジイソシアナー
トとの重付加物が液晶性を示すと記載されている。具体
的には、特に適したメソゲンを有する芳香族ジイソシア
ナートとして、4−(4−イソシアナートフェノキシカ
ルボニル)フェニルイソシアナート、 1,4-ビス(4−
イソシアナートフェノキシカルボニル)ベンゼン、1,3-
ビス(4−イソシアナートフェノキシカルボニル)ベン
ゼン、および1,4-ビス(4−イソシアナートベンゾイル
オキシ)ベンゼンが挙げられる。有機ヒドロキシ化合物
の例としてはアルカンジオールの例が記載されている。
これらのポリウレタンはいずれも剛直な構造を持つメソ
ゲンと柔軟なスペーサーを主鎖に含む重付加型のポリマ
ーで、ジイソシアナートの構造がメソゲン、アルカンジ
オールのメチレン鎖がスペーサーの役割をすると考えら
れる。メソゲンを有するジオールを使用する方法として
は、ビフェノールを原料としたビス( ω−ヒドロキシア
ルキレンオキシ) ビフェニルと通常のジイソシアナー
ト、例えば2,4-トリレンジイソシアナート等からなる液
晶ポリウレタンの例が高分子論文集、Vol.43, 5, p311-
314(1986) や Macromolecules, 22,1467(1989)に記載さ
れている。これらの場合、ジオール成分のビフェニル基
がメソゲンの役割、アルキレン基の−(CH2)m−がス
ペーサーの役割をすると考えられる。又、特開昭63-514
13には、比較的高分子量の単数または複数のジヒドロキ
シ化合物、単数または複数のジイソシアナートおよびそ
れ以上の鎖延長剤から作られ、鎖延長剤のうちの少くと
も1個が液晶性を有する、本質的に線状のポリウレタン
および/またはポリウレタン尿素エラストマーの製造法
が記載されている。この中の特許請求項および明細書に
具体的なメソゲンを有するジイソシアナートおよびジオ
ールの構造が記載されている。例えば、メソゲンを有す
るジイソシアナートとして、前述の特開平1-129017に記
載のジイソシアナートの他にビフェニル基を有するジイ
ソシアナートの記載がある。また、メソゲンを有するジ
オールとしては、前述のビス( ω−ヒドロキシアルキレ
ンオキシ) ビフェニルの他に、少くとも2個のフェニレ
ン基を有するジオールの記載がある。
【0004】なお、ポリウレタンはウレタン結合 -NHCO
O-を繰り返し単位として含むポリマーで、一般的にはジ
オール成分とジイソシアネート成分との重付加反応によ
って生成し、フォーム、塗料、接着剤、エラストマー、
合成皮革などの材料として用いられる重要な工業材料で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
している課題は、従来液晶ポリウレタンの成分として必
須とされるメソゲンを有する公知の例えば、ビフェニル
基あるいは少くとも2個のフェニレン基を有するジイソ
シアナートおよびジオールのいずれの成分も使用しない
で液晶ポリウレタンを製造することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
達成するため、鋭意検討した結果、驚くべきことに、ビ
ス( ω−ヒドロキシアルキレンオキシ) ベンゼンおよび
/またはビス( ω−ヒドロキシアルキレンオキシ) ナフ
タレンとジイソシアナートとの重付加物であるポリマー
が液晶性を有することを見い出し、本発明を完成させる
にいたった。なお、ビス( ω−ヒドロキシアルキレンオ
キシ) ベンゼンとジイソシアナートとの重付加物である
ポリマーで液晶性を有する事実は今まで報告されたこと
が全く無く、既報の文献および特許からポリマーの液晶
性を推定することは極めて困難であった。特にビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンは前述の既報の液晶性
を有するジオールと異なり、工業的に入手容易な安価な
化合物で且つ融点も低いことから合成時の作業性が良い
特徴がある。すなわち、本発明は、下記一般式〔1〕
(化9)
【0007】
【化9】 (式中、Aは下記構造式(化10)
【0008】
【化10】 Bは下記構造式(化11)
【0009】
【化11】 を示し、R1,R2 及びR3 は、水素または炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコシル基、フェニル
基、F、Cl、Br、I、CNまたはCF3 基を示し、
これらは互いに同一であっても異なってもよい。mは2
〜20の整数を表す。)で表される繰り返し単位からな
る液晶性を示すポリウレタンに関し、特に、下記式
〔2〕(化12)
【0010】
【化12】 (式中、Aは下記構造式(化13)
【0011】
【化13】 を示し、RはHまたはCH3 を示し、mは2〜20の整
数を示す。)で表される繰り返し単位からなる液晶性を
示すポリウレタンに関するものである。更には、下記式
〔3〕(化14)
【0012】
【化14】 HO(CH2 )mO−A−O−(CH2 )mOH 〔3〕 (式中、Aは下記構造式(化15)
【0013】
【化15】 を示し、mは2〜20の整数を示す。)で表されるビス
(ω−ヒドロキシアルキレンオキシ)ベンゼン及び又は
ビス(ω−ヒドロキシアルキレンオキシ)ベンゼンと下
記式〔4〕 OCN−B−NCO 〔4〕 (式中、Bは下記構造式(化16)
【0014】
【化16】 を示し、R1,R2 及びR3 は、水素または炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコシル基、フェニル
基、F、Cl、Br、I、CNまたはCF3 基を示し、
これらは互いに同一であっても異なってもよい。mは2
〜20の整数を示す。)で表されるジイソシアナートを
反応させる式〔1〕で表される液晶性を有するポリウレ
タンの製造方法、特に式〔3〕のビス(ω−ヒドロキシ
アルキレンオキシ)ベンゼンおよび/またはビス(ω−
ヒドロキシアルキレンオキシ)ナフタレンと2,5-TDI
および/または1,4-PDIとを反応させる式〔2〕で表
される液晶性を有するポリウレタンの製造方法に関する
ものである。
【0015】本発明で使用するジオール成分は、式
〔4〕で表されるビス(ω−ヒドロキシアルキレンオキ
シ)ベンゼンおよびビス(ω−ヒドロキシアルキレンオ
キシ)ナフタレンで、p−ヒドロキシベンゼンまたはビ
スヒドロキシナフタレンとω−ブロモ−1−ヒドロキシ
アルカン等の反応によって得られる化合物である。式
〔4〕で表される化合物は、具体的にはメチレン鎖のm
が2〜20からなる化合物であり、ビス( 2−ヒドロキ
シエトキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシプロピル
オキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシブチルオキ
シ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシペンチルオキシ)
ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシヘキシルオキシ) ベン
ゼン、ビス( ω−ヒドロキシヘプチルオキシ) ベンゼ
ン、ビス(ω−ヒドロキシオクチルオキシ) ベンゼン、
ビス( ω−ヒドロキシノニルオキシ) ベンゼン、ビス(
ω−ヒドロキシデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒ
ドロキシウンデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒド
ロキシドデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキ
シトリデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシ
テトラデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシ
ペンタデシルオキシ)ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシ
ヘキサデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシ
ヘプタデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシ
オクタデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシ
ノナデシルオキシ) ベンゼン、ビス( ω−ヒドロキシエ
イコシルオキシ) ベンゼン、ビス( 2−ヒドロキシエト
キシ) ナフタレン、ビス( ω−ヒドロキシプロピルオキ
シ) ナフタレン、ビス( ω−ヒドロキシブチルオキシ)
ナフタレン、ビス( ω−ヒドロキシペンチルオキシ) ナ
フタレン、ビス( ω−ヒドロキシヘキシルオキシ) ナフ
タレン、ビス( ω−ヒドロキシヘプチルオキシ) ナフタ
レン、ビス( ω−ヒドロキシオクチルオキシ) ナフタレ
ン、ビス( ω−ヒドロキシノニルオキシ) ナフタレン、
ビス( ω−ヒドロキシデシルオキシ) ナフタレン、ビス
( ω−ヒドロキシウンデシルオキシ) ナフタレン、ビス
( ω−ヒドロキシドデシルオキシ) ナフタレン、ビス(
ω−ヒドロキシトリデシルオキシ) ナフタレン、ビス(
ω−ヒドロキシテトラデシルオキシ)ナフタレン、ビス
( ω−ヒドロキシペンタデシルオキシ) ナフタレン、ビ
ス( ω−ヒドロキシヘキサデシルオキシ) ナフタレン、
ビス( ω−ヒドロキシヘプタデシルオキシ) ナフタレ
ン、ビス( ω−ヒドロキシオクタデシルオキシ) ナフタ
レン、ビス( ω−ヒドロキシノナデシルオキシ) ナフタ
レン、ビス( ω−ヒドロキシエイコシルオキシ) ナフタ
レン、等が挙げられる。ビス( ω−ヒドロキシアルキル
オキシ) ベンゼンおよびビス( ω−ヒドロキシアルキル
オキシ) ナフタレン類の融点は、メチレン鎖の増加とと
もに低下するので実用的にはmが2 〜15、好ましくはm
が2 〜10、最も好ましくはmが2 〜6で示されるジオー
ルを液晶ウレタンの原料に使用することが好ましい。な
お、式〔4〕で示されるビス( ω−ヒドロキシアルキル
オキシ)ベンゼンおよびビス( ω−ヒドロキシアルキる
オキシ)ナフタレンは、必ずしも一種類のみで反応させ
るとは限らず、必要に応じ二種類以上のものを反応させ
てもよい。
【0016】また式〔5〕で表されるジイソシアナート
及びその置換体は、立体構造の観点から高配向性をとり
やすい化合物であり、耐熱性などの高機能性を付与でき
る化合物である。式〔5〕で示されるジイソシアナート
化合物として、具体的に例示すると、 1,4−フェニレン
ジイソシアナート、 2−メチル-1,4−フェニレンジイソ
シアナート、 2−エチル-1,4−フェニレンジイソシアナ
ート、 2−トリフロロメチル-1,4−フェニレンジイソシ
アナート、 2,5−ジメチル-1,4−フェニレンジイソシア
ナート、 2,6−ジメチル-1,4−フェニレンジイソシアナ
ート、 2,6−ジエチル-1,4−フェニレンジイソシアナー
ト、 2−メチル-6−ブロム-1,4−フェニレンジイソシア
ナート、 2,5−ジメトキシ-1,4−フェニレンジイソシア
ナート、2,5−ジエトキシ-1,4−フェニレンジイソシア
ナート、 2,6−ナフチレンジイソシアナート等がある。
これらの中で、特に好ましいものは、 1,4−フェニレン
ジイソシアナート( 以後1,4-PDIと略す) と2−メチ
ル− 1,4−フェニレンジイソシアナート(2,5-トルエン
ジイソシアナートとすることもある。以後2,5-TDIと
略す)である。これらの化合物は、Ann.,562,75(1948),
J.Appl.Polym.Sci.,8,533(1964)及び工業化学雑誌,68,
315(1965) に記載の方法に準じて製造することができ
る。
【0017】本発明者は、前記した液晶ポリウレタンの
問題点を解決する手段として、式〔4〕及び式〔5〕で
表される化合物を重付加反応することにより、液晶性を
示すポリウレタンの合成を可能にしたものである。本発
明の液晶ポリウレタンの合成法としては、式〔5〕で示
されるジイソシアナート成分と式〔4〕で表されるジオ
ール成分を 0.8:1ないし 1.2:1のNCO/OH当量比に相
当する割合で、好ましくは 0.9:1ないし 1.1:1のNC
O/OH当量比に相当する割合で、より好ましくは当量の出
発物を用いて反応させる。重付加反応の際には、必要に
応じて、ジブチルチンジラウレートなどの一般的なウレ
タン化触媒を添加することもできる。また、重合反応
は、適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル
尿素、アニソール、ジオキサンなどの極性溶媒又はこれ
らの溶媒の混合物の存在下で行うことが好ましい。反応
温度は20〜200 ℃、好ましくは60〜160 ℃の温度であ
る。反応は通常、4〜24時間程度で完結する。
【0018】反応終了後、反応物を冷却した後、例えば
アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエー
テル類、またはメタノールなどの希釈溶剤を添加する方
法により反応を停止させるとともに、反応生成物を析出
させ、これを回収、分離することにより目的の液晶ポリ
ウレタンが得られる。この液晶ポリウレタンは再沈澱法
やカラム分離などの精製法で精製することにより未反応
物などを分離する。その後、乾燥することにより本発明
の液晶ポリウレタンが得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を参考例、実施例により、更に
具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの具体例に
限定されるものではない。 参考例1 2,5-トルエンジイソシアナート( 以下、2,5-TDI と略称
する) の製造 2,5-トルエンジアミン 122.2 g(1.00 モル) 、酢酸イソ
ミル 450 g、及びオルソジクロロベンゼン 1800 g を2
lの四つ口フラスコに入れ、攪拌しながら、10℃〜30℃
の温度範囲で、塩化水素ガスを430 ml/minの割合
で、2時間吹き込みを続け、造塩反応を完結させた。こ
の造塩反応は、塩酸塩粒子の塊りが生成するようなこと
はなく、極めて円滑に進行し、均一なスラリーが得られ
た。造塩反応終了後、フラスコ内温を、25℃から160 ℃
まで約1時間で昇温しながら80℃の時点からホスゲンを
徐々に吹き込んでホスゲン化反応を開始した。内温を15
5〜160 ℃に調節しながらホスゲンの吹き込みを 50 〜6
0g/hの割合で6 時間続行した。使用したホスゲンガ
スは理論量の約1.7 倍であった。その後、フラスコ内反
応液に、窒素ガスを1.3 ml/minの割合で80分間、
吹き込み脱ガスを行った。この間、液温は 160±1 ℃と
した。脱ガスした反応液は、冷却してから、不溶解分を
除くため濾過した。この濾液を脱溶媒したのち、減圧
下、精留して120 〜122 ℃/4 Torr の留分97.8 gを得
た。得られた留分は、元素分析、質量分析、赤外スペク
トル、核磁気共鳴スペクトル等の結果により2,5-TDI で
あることを確認した。 NCO% 48.25%(理論値 48.25%) 参考例2 1,4-フェニレンジイソシアナート(以後1,4-PDIと略
す) デュポン社のp−フェニレンジイソシアナートの蒸留精
製品を使用した。
【0020】参考例3 ビス( ヒドロキシアルキレンオキシ)ベンゼンおよびビ
ス( ヒドロキシアルキレンオキシ)ナフタレンの合成 メチレン基を2、6個有するビス( ヒドロキシアルキレ
ンオキシ) ベンゼン(それぞれBHB2、BHB6と略す)およ
びビス( ヒドロキシアルキレンオキシ) ナフタレン(そ
れぞれBHN2、BHN6と略す)は、反応式(a)(化17)
に従って合成した。
【0021】
【化17】 代表的な合成例としてBHB6について説明する。水酸化ナ
トリウム( 7.3g、0.182 mol)をエタノール 100ml中に
溶解し、p−ジヒドロキシベンゼン( 5 g 、0.046 mol)
を攪拌しながら添加した。1時間還流後、滴下ロートよ
り6−クロロ−1−ヘキサノール (27.4 g、 0.220 mo
l) をゆっくり滴下し、反応混合物を24時間攪拌しつ
つ還流させた。反応終了後、内容物を冷却し水の中に入
れ、沈澱を生成させ、沈澱物を濾過し水洗した。粗生成
物はイソプロパノールから3回再結晶して精製した後、
80℃で24時間乾燥させた。合成結果を表1に示す。モノ
マーの構造は1H−NMR、IMRスペクトルおよび融
点で確認した。
【0022】
【表1】 ───────────────────────────────── モノマー アルキレン側鎖 融点 収率 の炭素数 m ℃ % ───────────────────────────────── BHB2 a) 2 103-104(105) 50 BHB6 6 90−91 87 BHN2 b) 2 187−189 64 BHN6 6 125−126 53 ───────────────────────────────── a)ビス(ヒドロキシアルキレンオキシ)ベンゼン誘導
体 b)ビス(ヒドロキシアルキレンオキシ)ナフタレン誘
導体
【0023】実施例1 還流管を備えた100 ml三つ口丸底フラスコに、BHB2 5
56mg(2.807 mmol)と2,5-TDI 489mg(2.807 mmol) および
溶媒として無水DMF10mlを入れ、窒素気流下、 90
℃で24時間反応を行った。反応後、生成物にDMF20m
lを加え、メタノール100 ml中へ投入し、沈澱物を得
た。得られた沈澱は、メタノールで充分に洗浄した後、
70℃で24時間減圧乾燥した。得られたポリマーの構造は
1H−NMR、赤外スペクトルで解析した結果、2,5-TD
I とBHB2の反応生成物としての化学構造を有することを
認めた。熱的性質及び液晶性はDSCおよび偏光顕微鏡
によって調べた結果、昇温過程におけるポリマーの融点
( 以下、Tmと略す) と等方性流動相への転移点( 以
下、Tiと略す) がそれぞれ 246℃と260 ℃とにあるこ
とがわかった。
【0024】実施例2〜4 実施例1と同様にして、ビス( ヒドロキシアルキレンオ
キシ)ベンゼン誘導体と2,5-TDIおよび1,4-PDIと
を反応させた。得られたポリウレタンについて、その合
成条件と液晶ポリウレタンの諸物性値をそれぞれ表2及
び表3に示した。
【0025】実施例1と同様にして、ビス( ヒドロキシ
アルキレンオキシ)ナフタレン誘導体と2,5-TDIおよ
び1,4-PDIとを反応させた。得られたポリウレタンに
ついて、その合成条件と液晶ポリウレタンの諸物性値を
それぞれ表2及び表3に示した。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明で得られるポリウレタンは、液晶
性を有するポリウレタンで、その特徴は従来のメソゲン
を使用しないでポリマーを製造することにある。本発明
で得られるポリウレタンは、ポリウレタン樹脂の改質材
料以外にも、単独または組成物として、フィルム、繊
維、薄膜など各種形態に成形、加工することも容易であ
る。また、共重合や他成分とのブレンドやアロイ化など
高分子物質に関する一般的な改質法を適用することによ
り巾広い改質も可能である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕(化1) 【化1】 (式中、Aは下記構造式(化2) 【化2】 を示し、Bは下記構造式(化3) 【化3】 を示し、R1,R2 及びR3 は、水素原子または炭素数1
    〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコシル基、フェ
    ニル基、F、Cl、Br、I、CNまたはCF3基を示
    し、これらは互いに同一であっても異なってもよい。m
    は2〜20の整数を示す。)で表される繰り返し単位か
    らなる液晶性を示すポリウレタン。
  2. 【請求項2】 下記式〔2〕(化4) 【化4】 (式中、Aは下記構造式(化5) 【化5】 を示し、RはHまたはCH3 を示し、mは2〜20の整
    数を示す。)で表される繰り返し単位からなる液晶性を
    有するポリウレタン。
  3. 【請求項3】 下記式〔3〕(化6) 【化6】 HO(CH2 )mO−A−O−(CH2 )mOH 〔3〕 (式中、Aは下記構造式(化7) 【化7】 を示し、mは2〜20の整数を示す。)で表されるビス
    (ω−ヒドロキシアルキレンオキシ)ベンゼンおよび/
    またはビス(ω−ヒドロキシアルキレンオキシ)ナフタ
    レン と下記式〔4〕 OCN−B−NCO 〔4〕 (式中、Bは下記構造式(化8) 【化8】 を示し、R1,R2 およびR3 は、水素原子または炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコシル基、フ
    ェニル基、F、Cl、Br、I、CNまたはCF 3 基を
    示し、これらは互いに同一であっても異なってもよい。
    mは2〜20の整数を示す。)で表されるジイソシアナ
    ートを反応させることを特徴とする請求項1記載の液晶
    性を有するポリウレタンの製造方法。
  4. 【請求項4】 ビス( ω−ヒドロキシアルキレンオキ
    シ) ベンゼンおよび/またはビス( ω−ヒドロキシアル
    キレンオキシ) ナフタレンと2,5-トルエンジイソシアナ
    ートを反応させることを特徴とする請求項2記載の液晶
    性を有するポリウレタンの製造方法。
  5. 【請求項5】 ビス( ω−ヒドロキシアルキレンオキ
    シ) ベンゼンおよび/またはビス( ω−ヒドロキシアル
    キレンオキシ) ナフタレンと1,4-フェニレンジイソシア
    ナートを反応させることを特徴とする請求項2記載の液
    晶性を有するポリウレタンの製造方法。
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