JP3171369U - ルアー - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性や使い勝手を実現しつつ、水に浮きながら水面付近を移動しやすいルアーを提供する。【解決手段】本考案のルアー1は、本体部2と、本体部2に接続される釣り針3と、本体部2と釣り糸6とを接続する接続部4と、を備え、本体部2の内部に、空気を収容する収容部材7を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、釣りに用いる疑似餌の一種であるルアーに関する。
我が国および諸外国において、昔よりスポーツフィッシングや釣りは、多くの愛好家を集める趣味である。スポーツフィッシングや釣りにおいては、生餌を用いる釣り、疑似餌(フライ)を用いる釣り、撒き餌を用いる釣り、ルアーを用いる釣りなど、様々な態様がある。
これらの態様における釣りの中でも、近年、ルアーを用いるルアーフィッシングが盛んである。過去においては、ルアーを用いたブラックバスやスズキなどの大型の魚を釣ることが流行していた。当然、これらは現在も流行している。ルアーを用いる釣りにおいては、ルアーを選択する選択眼やルアーと実際の仕掛けの作成における作成能力など、道具の選定における目利きが要求される。
このとき道具の選定のみならず、ルアーによる効率的な釣りのためには、使用者が、ルアーを最適に動作させることが必要である。ルアーは、疑似餌の一種である。フライが、例えば魚が食する虫やミミズなどを模擬している疑似餌であるのに対して、ルアーは、小魚や蛙など、魚が食する小動物を模擬している疑似餌である。このため、フライと異なり、ルアーは小動物らしい動作を示すことで、魚をひきつける。小動物らしい動作を示すルアーに対して、釣りの対象となる魚が飛びついて、使用者は魚を釣ることができる。
ここで、釣りの対象となる魚の種類によって、ルアーが示す動作や動作特性が定められることが好適である。例えば、海や川において、水中を移動したり水中に滞在したりしていることの多い魚に対してのルアーは、ある程度水中に沈んで、ルアーの糸が巻き取られる際に水中を移動することが求められる。この場合には、ルアーの素材や構造が、水中に沈む(すなわち、比重が1より大きく、水中を移動しやすい構造であること)ことが必要である。
あるいは、水中深くに滞在している魚を対象とするルアーは、より高い比重を有していたり、水中に滞在しやすい構造を有したりすることで、水中の深い部分を移動して魚を誘引する。
一方、釣りの対象となる魚においては、水面近くを回遊する魚も多い。海面近くを移動する鰯などの小魚を餌とする中型魚や大型魚は、水面近くを回遊することもある。あるいは回遊しなくとも、必要に応じて水面近くを移動することがある。このような水面近くを回遊したり移動したりする魚を釣るのには、水面に浮いて水面を移動できるルアーが求められる。
水面に浮くルアーが実現されるには、水に浮く比重を有する素材や構造でルアーが構成されることが求められる。あるいは、水面近くでの動作を生じさせやすい構造を有するルアーが求められている。このようなルアーに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開2006−6199号公報
特許文献1に開示されるルアーは、頭部側と尾側とに分割された構造を有することで、水面近辺を移動しやすくなる動作を示すことができる。
従来技術においては、水面近辺を移動しやすいルアーを実現するために、特許文献1に開示される技術のように、ルアーの本体を複数のユニットに分割することが行われる。分割された一部が水面に引っ掛かり、他の部分が水中に入ることで、ルアーは、水面近辺を移動しやすくなる。
しかしながら、このように本体部分が複数のユニットに分割されたルアーは、構造が複雑であるので、製造コストが高くなる問題がある。また、構造が複雑であることで、壊れたり故障したりすることも多い。例えば、水草に引っ掛かりやすくなり、これが元で紛失したり壊れたりすることもありえる。もちろん、保管や使用に慣れるまでに時間が掛かる問題もある。初級や中級の使用者にとっては、使い勝手が良いものではない。
また、水面付近を移動しやすいルアーを実現するために、スプーン形状を有する技術も存在する。スプーン形状によって、水面に浮きやすくなり、水面を移動することができるからである。
しかしながら、スプーン形状を有するルアーは、水面のみを移動して、水面および水中の境界にまたがる領域を移動することができない。このため、水面近辺を移動する魚を釣ることが簡単ではない問題がある。また、空気抵抗を受けやすくなるので、キャスティングの際に、遠くまで飛ばすことができない問題もある。
あるいは、水面付近を移動しやすいルアーを実現するために、樹脂などの比重の軽い素材を用いることも行われる。比重が軽いことで、ルアーが水に浮いて、水面付近を移動しやすくなるからである。
しかしながら、樹脂は、耐久性に劣り壊れやすい問題も有している。キャスティングの際に、障害物に衝突することで壊れたりしてしまう問題もある。釣りの最中に壊れてしまうと、使用者にとっての楽しみが台無しになる問題もある。もちろん、樹脂は比重が軽いので、遠くまで飛ばすことが難しい問題もある。
以上のように、従来技術のルアーは、耐久性、使い勝手、キャスティングの容易性を兼ね備えつつ、水に浮きやすく水面を移動しやすくなることが困難である問題があった。
本考案は、このような課題を解決することを目的とし、耐久性や使い勝手を実現しつつ、水に浮きながら水面付近を移動しやすいルアーを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本考案のルアーは、本体部と、本体部に接続される釣り針と、本体部と釣り糸とを接続する接続部と、を備え、本体部の内部に、空気を収容する収容部材を有する。
本考案のルアーは、水面に浮くことのできる比重を有しながらも、強度と耐久性のある素材と構造を有しているので、キャスティングが容易であって遠くの目標まで到達することができる。また、水面付近を移動する挙動を示すことができる。
加えて、ルアーの本体部の内部に空気を格納する部材を備えているので、本体部から空気が外に漏れてしまうこともない。このため、長期間にわたって使用が可能となる。
本考案の実施の形態1におけるルアーの正面図である。 本考案の実施の形態1における収容部材の内部模式図である。 本考案の実施の形態1におけるルアーの模式図である。 本考案の実施の形態1におけるルアーの移動を示す模式図である。 本考案の実施の形態1におけるルアーの正面図である。 本考案の実施の形態1におけるルアーの正面図である。 本考案の実施の形態1におけるルアーの挙動を示す模式図である。 本考案の実施の形態2におけるルアーの正面図である。
本考案の第1の考案に係るルアーは、本体部と、本体部に接続される釣り針と、本体部と釣り糸とを接続する接続部と、を備え、本体部の内部に、空気を収容する収容部材を有する。
この構成により、ルアーは、水に対する浮力を有するようになり、水面近くを移動する挙動を示すようになる。
本考案の第2の考案に係るルアーでは、第1の考案に加えて、本体部は、木材、竹材およびこれらと同等の人工素材で形成されている。
この構成により、ルアーは、本体部が生じさせる強度および耐久性と、収容部材が生じさせる浮力とのバランスを有することができる。
本考案の第3の考案に係るルアーでは、第1又は第2の考案に加えて、収容部材は、収容する空気によって、本体部へ浮力を与える。
この構成により、ルアーは、水面近くを移動する挙動を有する。
本考案の第4の考案に係るルアーでは、第1から第3のいずれかの考案に加えて、収容部材は、本体部の中央よりも接続部に近い側に設けられる。
この構成により、ルアーは、水面に対して上下に揺れる挙動で移動しやすくなる。
本考案の第5の考案に係るルアーでは、第1から第3のいずれかの考案に加えて、収容部材は、本体部の中央よりも接続部に遠い側に設けられる。
この構成により、ルアーは、水面に対して上下に揺れる挙動で移動しやすくなる。
本考案の第6の考案に係るルアーでは、第1から第5のいずれかの考案に加えて、収容部材は、空気を収容した袋状部材を有する。
この構成により、収容部材は、容易に浮力を生じさせることができる。
本考案の第7の考案に係るルアーでは、第1から第6のいずれかの考案に加えて、本体部は、紡錘形状を有している。
この構成により、ルアーは、水面や水中を容易に進むことができるようになる。また、小魚の外形を模しているので、魚の餌としての役割を果たしやすい。
本考案の第8の考案に係るルアーでは、第1から第7のいずれかの考案に加えて、本体部は、長手方向および短手方向を有している。
この構成により、ルアーは、水中や水面を移動しやすい。
本考案の第9の考案に係るルアーでは、第8の考案に加えて、本体部は、長手方向に分離および嵌合可能である第1部材と第2部材を有し、収容部材は、第1部材および第2部材の嵌合面に格納される。
この構成により、ルアーは、容易に製造できる。加えて、使用者にとっての使い勝手も良くなる。
本考案の第10の考案に係るルアーでは、第9の考案に加えて、収容部材は、本体部が第1部材および第2部材に分離される際に、取り外し可能である。
この構成により、ルアーは、使用者によるカスタマイズを受けることができる。
以下、図面を用いて、本考案の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
実施の形態について説明する。
(全体概要)
図1を用いて、実施の形態1におけるルアーの全体概要について説明する。図1は、本考案の実施の形態1におけるルアーの正面図である。図1は、本体部内部の収容部材を透視した状態で示している。
ルアー1は、本体部2と、釣り針3と、接続部4と、収容部材7とを備えている。本体部2は、ルアー1の外形を形成する。この本体部2の形状が、ルアー1の全体形状の大まかな外枠を生じさせる。本体部2は、固定部5を備えており、この固定部5は、釣り針3を接続する。固定部5による釣り針3の接続によって、ルアー1は、釣り針3を備えるようになる。
また、本体部2は、釣り糸6と本体部2とを接続する接続部4を備えている。接続部4は、例えば針金が輪の形状を有して接続部4となることで、釣り糸6が接続部4に結び付けられる。釣り糸6が結び付けられることで、使用者は、ルアー1を、釣竿を使って操作することができるようになる。
本体部2は、加えて、その内部に空気を収容する収容部材7を備えている。収容部材7は、空気を収容できる内部に空隙を有する部材である。空隙に空気を収容できることで、収容部材7は、水に対する浮力を生じさせる。
ルアー1は、本体部2に空気を収容する収容部材7が備わっていることで、水に対する浮力を有するようになる。ルアー1は、収容部材7の浮力および本体部2の比重との合計によって、その浮力が決定される。このため、収容部材7および本体部2が適切に調整されれば、ルアー1は、水に対して、(1)十分に浮く、(2)ある程度浮く、(3)ほとんど浮かない、というバリエーション豊かな浮力を有することができる。
このように、実施の形態1におけるルアー1は、収容部材7の働きによって、水に対する浮力を有することになる。この結果、ルアー1は、水面近くを移動する挙動を示すようになる。ルアー1が水面近くを移動することで、水面近くを回遊する回遊魚や、水面を泳ぐ小魚を餌とする魚類を、釣りやすくなる。
次に、各部の詳細について説明する。
(本体部)
本体部2は、上述の通り、ルアー1の外形を形成する。本体部2は、釣り糸に取り付けられた上で、使用者によって投げられてルアー釣りに使用される。本体部2が、河川、湖沼、海などの釣りを行う場所において、水面の特定の位置に投げられることで、釣りが行われる。
本体部2は、釣り糸の先に接続されて、使用者による釣竿の操作によって、目的の位置に投げられる。目的の位置に到達した本体部2は、その先端に釣り針3を有している。使用者が釣り糸につながるリールを巻き取る作業を行うことで、本体部2と釣り針3とが一緒になって、使用者の手元に戻ってくる。本体部2は、魚の餌となる小魚を模していることが多く、ルアー1が戻ってくる際に、本体部2を餌だと思った魚が、釣り針3に引っ掛かる。この結果、ルアー1は、魚を釣り上げることができる。
このため、本体部2は、釣りの対象となる魚の餌を模した形状や模様をしていることが好ましい。当然ながら、本体部2は、形状と模様(色味も含む)の両方において、釣りの対象となる魚の餌を模していても良いし、いずれか一つのみが、釣りの対象となる魚の餌を模していても良い。
例えば、本体部2は、小魚の外形を模した形状を有していることが好ましい。すなわち、紡錘形を有していてもよい。本体部2が紡錘形を有していることで、ルアー1は、遠くまで投擲されやすくなるし、水面付近を移動して戻ってくる際の動作もスムーズになる。もちろん、紡錘形であれば、小魚の外形に近いので、釣りの対象となる魚も狙うようになる。このように、本体部2が紡錘形を有していることで、動作のスムーズさと外形特徴が相まって、釣りの効果を高めることができる。
特に、本体部2は、収容部材7によって浮力を有する。このため、ルアー1は、水面付近を移動することになる。水面付近を移動することで、ルアー1は、水面付近を回遊する回遊魚や水面付近の小魚を狙う魚類をひきつける。この水面付近を移動するに際しても、本体部2が紡錘形を有していることは、好適である。動作がスムーズになるからである。
また、本体部2は、紡錘形以外の形状を有していてもよい。例えば、平たい形状であったり、複数の部位に分かれている形状であったりする。このような形状であっても、ルアー1は、水面近くを移動する挙動を生じさせやすくなる。もちろん、他の形状を有していてもよい。
本体部2は、木材、竹材およびこれらと同等の人工素材で形成されていることも好適である。
ルアー1は、水面近くを移動する挙動を示すことが求められる。本体部2は、空気を収容する収容部材7を備えているので、浮力を有する。しかしながら、本体部2が空気を有する収容部材7を内部に有するとしても、本体部2が比重の大きな素材で形成されていると、ルアー1は、水面付近を移動しにくくなる。このため、本体部2は、一定の浮力を生じさせる比重の素材で形成されることが好ましい。
木材や竹材は比重が軽く、収容部材7の浮力と相まって、本体部2は浮力を生じさせて水面付近を移動しやすくなる。また、天然の木材や竹材だけでなく、人工的に開発された木材や竹材と同等の素材であっても、本体部2は浮力を生じさせて水面付近を移動しやすくなる。また、木材や竹材は、軟質樹脂などと異なり、耐久性や耐水性を有している。ルアー1は、過酷な環境下で使用されるので、耐久性や耐水性を必要とする。本体部2が木材や竹材で形成されていることで、ルアー1が浮力を有するようになるだけでなく、ルアー1の耐久性や耐水性を向上させることができる。
もちろん、本体部2は、木材と竹材とが混合された素材で形成されても良いし、一部に金属や樹脂を含んでも良い。例えば、接続部4との取り付け部分は、構造や強度上の問題で、金属や樹脂で形成されても良い。すなわち、木材や竹材であることが好ましいということは、本体部2の大体の部分がこれ等の素材で形成されていることであり、本体部2の全てが木材や竹材で形成されていることに限定するものではない。もちろん、上述の通り、木材や竹材と同等の人工素材であってもよい。
このように、本体部2の素材が、浮力と共に耐久性や強度を有することで、使用者にとっては使い勝手のよいルアー1が実現される。また、浮力がある素材であるので、収容部材7の浮力と相まって、ルアー1が、水面付近を容易に移動するようになる。この結果、ルアー1の使用者は、水面付近の餌を狙う魚を釣り上げることができるようになる。
また、本体部2は、餌に模されるために、外部に餌を思わせる塗装や模様が配されていることも好適である。あるいは、餌を思わせる付属物が設けられても良い。小魚を思わせる背びれや腹びれなどである。
また、図1に示されるように、本体部2は、釣り針3が取り付けられている。ルアー1が水中や水面付近を移動する際に、釣りの対象となる魚は、この釣り針3によって釣られる。釣り針3は、本体部2に直接的に取り付けられていてもよいし、接続用の部材を介して間接的に取り付けられても良い。
また、上記では、本体部2が木材や竹材などの比重の小さい素材である場合を説明したが、金属などの比重の大きい素材であってもよい。例えば、金属のように比重が大きい素材で本体部2が形成される場合には、ルアー1は、投擲された後で水中に沈む。この場合のルアー1は、水中に沈んでから、釣り糸6の巻き取りによって、水中を移動する。すなわち、上述のように、水面付近を移動するのと異なる。
しかしながら、このようなルアー1であっても、本体部2内部に空気を収容する収容部材7を備えているので、水中を移動しながらも、この収容部材7の浮力の影響を受ける。すなわち、ルアー1は、水中を移動しながら、収容部材7から生じる浮力によって、水中で上下に揺れたり左右に揺れたりする挙動を示す。このような挙動は、釣りの対象となる魚をひきつける。結果として、水中を回遊したり、水中の餌を狙う魚を釣ることに適したルアー1となる。
(接続部)
接続部4は、本体部2を釣り糸6に接続する部材である。例えば、釣り糸6が結び付けられるように、接続部4は輪の形状を有していればよい。すなわち、接続部4は、リング状であればよい。
接続部4は、本体部2に取り付けられれば良く、接続部4がリング状である場合には、リング状の接続部4の一部が本体部2の端部に組み込まれていれば良い。あるいは、本体部2の一部に穴が設けられ、この穴が釣り糸6を結びつける接続部4の役割を果たすことでも良い。
これらのように、接続部4によって、本体部2(すなわちルアー1)は、釣り糸6に結び付けられて使用者によって使用されるようになる。
(収容部材)
次に、収容部材7について説明する。収容部材7は、本体部2の内部に備えられる。この収容部材7は、その内部に空気を収容して、本体部2に浮力を与える。なお、空気とはいわゆる大気中に存在する空気だけでなく、人工的に製造された空気や浮力の強い気体やガスを含むこともある。要は、収容部材7がその内部に含むのは、水に対する浮力を生じさせる気体であればよい。なお、製造の都合で混入する液体や固体を排除する趣旨ではない。
収容部材7は、内部に収容する空気によって、本体部2へ浮力を与える。本体部2は、その素材によっても当然浮力を有する。しかし、本体部2は、所定の強度や重量を必要とする。釣竿を介して、ルアー1は河川や海に投げ込まれるからである。このため、本体部2の素材だけでは、ルアー1の浮力を十分に生じさせることは難しい。特に、強度や耐久性を目的とする場合には、本体部2の素材は、それなりに重くなることもあるからである。木材や竹材であっても、本体部2は浮力を有するが、実際の水中での動作は、水中にもぐるようになってしまう。
本体部2は、この収容部材7を内部に備えることで、ルアー1に浮力を与えることができるようになる。すなわち、収容部材7は、本体部2の強度や耐久性を確保する際に減少する浮力を補う役割を有する。この役割によって、ルアー1は、水に対する浮力を有し、釣り糸の巻き取り時に、水面近くを移動する挙動を示すようになる。
収容部材7は、内部に空気を収容できると共に本体部2の内部に備わることができる様々な形状や構造を有する。例えば、収容部材7は、球形の形状を有している。球形であることで、内部に空気を収容しつつ、本体部2の内部に格納しやすいからである。
あるいは、収容部材7は、楕円形を有していてもよい。本体部2は、魚の餌を模した形状を有することが必要であり、紡錘形状を有していることが多い。収容部材7が楕円形を有していると、この紡錘形状に好適に格納できる。もちろん、球形であっても大きさが適切であれば好適に格納できる。
あるいは、収容部材7は、立方体や直方体のような多角形を有していてもよい。立方体や直方体であれば製造が容易であるからである。このような形状であっても、収容部材7は、本体部2に格納される。
ここで、収容部材7は、内部が発泡することで内部に空気を収容する部材となってもよいし、2つの部材が貼りあわされることで、内部に空気を収容することでも良い。あるいは、内部が空洞である球形や多角形の収容部材7が製造され、その後内部の空洞に空気が注入されることで、収容部材7は空気を収容することでも良い。例えば、収容部材7の外部に孔が空けられて、この孔を通じて空気が内部の空洞に注入されれば良い。
あるいは、収容部材7は、その内部に空気を収容する袋状部材を有することでもよい。図2は、本考案の実施の形態1における収容部材の内部模式図である。収容部材7は、外壁71によって形成される内部空間を有している。この内部空間に、袋状部材72が格納される。この袋状部材72は、その内部に空気を収容している。すなわち、袋状部材72は、風船のような構造を有する。
袋状部材72は、空気を収容することも空気を排出することも可能であると、収容部材7の浮力を加減することができる。特に、外部から袋状部材72の内部に空気を収容したり排出したりできることで、収容部材7すなわちルアー1の浮力を調整することができる。
なお、図1に示されるように、収容部材7は複数であっても良い。もちろん、単数であっても良い。
(収容部材の位置)
また、本体部2の内部での、収容部材7の配置位置が工夫されることも好適である。
収容部材7が、本体部2の略中央に配置されることも好適である。図3は、本考案の実施の形態1におけるルアーの模式図である。本体部2の内部に格納される収容部材7は、本体部2の略中央に配置されている。収容部材7が、本体部2の略中央に配置されることで、本体部2の浮力がルアー1のほぼ中央に生じる。このためルアー1は、バランスよく水面に浮くようになる。このように本体部2の略中央に収容部材7が配置される場合には、ルアー1は、水面に沿って浮きながら、移動するようになる。
図4は、本考案の実施の形態1におけるルアーの移動を示す模式図である。図4は、水面を上から見た状態を示している。ルアー1は、その本体部2の略中央に収容部材7を備えている(図3で示したような形態を、図4のルアー1は有している)。このため、ルアー1は、水面に沿った平面方向に対して、バランスよい浮力を有することになる。すなわち、ルアー1が釣り糸の巻上げによって移動する際に、水面に本体部2の一部がもぐったり浮いたりを繰り返すのではなく、本体部2全体が水面に浮いている(あるいは水面に沿っている)状態で、移動する。
このため、ルアー1は、図4に示されるように、水面に沿って左右にふれながら、移動する挙動を示す。釣りの対象となる魚の習性によっては、このように水面付近を左右にふれながら移動するルアー1を狙うこともある。このような魚については、図3に示されるように本体部2の略中央に収容部材7を備えるルアー1は、非常に適している。
また、収容部材7は、本体部2の略中央よりも接続部4に近い側に設けられることも好適である。図5は、本考案の実施の形態1におけるルアーの正面図である。本体部2内部の収容部材7が破線で示されている。
収容部材7は、本体部2の接続部4に近い側に設けられる。すなわち、収容部材7は、釣り糸によって巻き取られる側に偏っている。このような場合には、浮力が本体部2の長手方向においてアンバランスになるので、本体部2は、釣り糸の巻き取りにおける動作が、長手方向に沿ってアンバランスとなる。
すなわち、本体部2の前方(釣り糸から見て)が浮きやすく、後方が沈みやすいことになる。このような状態のルアー1を移動させると、前後にふれながら(すなわち、水面に先端や後端がもぐったり浮いたりする)移動するようになる。
あるいは、収容部材7は、本体部2の略中央よりも接続部4から遠い側に設けられることも好適である。図6は、本考案の実施の形態1におけるルアーの正面図である。
図6に示されるように、収容部材7は、本体部2の略中央よりも接続部4から遠い側に設けられる。すなわち、収容部材7は、本体部2の後端に設けられる。この結果、本体部2は、後端が浮きやすく、前端が沈みやすくなる。すなわち、本体部2の長手方向に沿って浮力がアンバランスとなる。この結果、本体部2は、釣り糸の巻取りにおける動作が、長手方向に沿ってアンバランスとなる。
図7は、本考案の実施の形態1におけるルアーの挙動を示す模式図である。
図5や図6に示されるように、本体部2の長手方向の前方もしくは後方に偏って収容部材7が設けられる場合には、ルアー1が釣り糸の巻取りによって移動する場合に、本体部2の前方が水面に沈んだり後方が水面に沈んだりする上下動作を繰り返すようになる。
図7では、水面を横から見た状態を示している。直線で示された水面に対して、本体部2の長手方向の前方が水中に沈んだり、長手方向の後方が水中に沈んだりを繰り返している状態がわかる。図7に示す通りの挙動を生じるルアー1に対して興味を示す魚にとっては、この挙動を行うルアー1を狙うようになる。このような魚を相手にする場合には、図5、図6に示されるように、本体部2の長手方向のいずれかに偏った位置に収容部材7が設けられることが好適である。
以上のように、実施の形態1におけるルアー1は、本体部2の素材および収容部材7とが相まって、強度や耐久性と水に対する浮力とをバランスよく実現できる。この結果、水面付近を移動する挙動を示すルアーが実現され、水面近くを移動するルアーを狙う魚を釣るのに最適となる。
また、本体部2の素材が、比重の高い素材である場合には、ルアー1は、図4や図7で説明した動作を、水面付近ではなく水中で行うようになる。すなわち、ルアー1は、水中に沈んだ後で釣り糸6の巻き取りによって水中を移動する。本体部2の比重が大きいことで、ルアー1は、水面付近ではなく水中を移動する。このとき、収容部材7は、浮力を生じさせるので、ルアー1の移動に対して、様々な挙動を与える。例えば、図4のように左右に本体部2を揺らしたり、図7のように本体部2を上下に揺らしたりする。
このような水中での左右や上下の揺れを生じさせることで、ルアー1は、水中を回遊したり水中の餌を狙ったりする魚を引き寄せる。この結果、水中での捕食が主な魚に対しても、ルアー1は適している。
以上のように、収容部材7は、空気を収容しているので、ルアー1に対して浮力を生じさせる。この浮力は、本体部2の素材による比重とのバランスで、ルアー1全体の水に対する浮力を決定できる。本体部2の素材の比重が小さければ、ルアー1は水面付近を移動する挙動を示し(しかも、収容部材7によって、左右や上下に揺れる餌を模した挙動を含む)、本体部2の素材の比重が大きければ、ルアー1は、水中を移動する挙動を示す(同様に、収容部材7によって、左右や上下に揺れる餌を模した挙動を含む)。これらの結果、ルアー1は、狙う魚に合わせて最適に使用される。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、収容部材の本体部への格納の特徴について説明する。
本体部2は、紡錘形状などのように、長手方向および短手方向を有していることが好ましい。このような特性であることで、左右にふれたり上下に触れたりするなどの、様々な挙動を示すようになるからである。
また、本体部2は、長手方向に分離および嵌合可能な第1部材および第2部材を有することも好ましい。図8は、本考案の実施の形態2におけるルアーの正面図である。図8は、ルアー1の本体部2が長手方向に分離している状態を示している。なお、図1等で説明した要素で特に説明の不要な要素は省略している。
本体部2は、第1部材21と第2部材22とに分離される。この第1部材21と第2部材22とは、嵌合可能であり、嵌合によって一体化されて本体部2が形成される。
第1部材21と第2部材22とは、本体部2の長手方向に沿って分離している。このため、嵌合した後でも、強度の問題が無い。第1部材21と第2部材22とによって形成されることで、本体部2の製造が容易である。
また、第1部材21と第2部材22の嵌合面(すなわち、合わせ面)において、収容部材7が格納される。第1部材21と第2部材22の嵌合面は、凹部24を有している。この凹部24は、第1部材21と第2部材22のそれぞれに設けられて、第1部材21と第2部材22とが勘合されることで、一体化する。一体化すると空隙が生じる。収容部材7は、この一体化して生じる空隙に格納される。
例えば、球形の収容部材7は、第1部材21の凹部24にその半分が挿入されて、その後第2部材22が第1部材21と嵌合されることで、収容部材7は、本体部2の内部に格納されるようになる。
このような工程によって収容部材7が格納されることで、収容部材7が、本体部2の内部に容易に格納されるようになる。すなわち、ルアー1の製造が容易となる。
また、第1部材21と第2部材22の嵌合面にバランスよく収容部材7が格納されることで、収容部材7の格納位置が、本体部2の短手方向におけるバランスの良い位置に配置されるようになる。本体部2の短手方向における左右均等な位置である。この結果、ルアー1の投擲などにおける不具合も生じない。もちろん、釣り糸の巻き取り時における挙動のアンバランスも生じにくい。
図8で示される第1部材21と第2部材22とが嵌合すると、図1で示されるような本体部2が完成し、必要な部材が取り付けられて、ルアー1が完成する。
また、第1部材21と第2部材22は、使用者によって分離および嵌合可能であることでもよい。この場合に、使用者は、第1部材21と第2部材22とを分離させると、内部に格納されている収容部材7を取り外し可能である。例えば、収容部材7の大きさ、形状、浮力などが様々に用意されていると、第1部材21と第2部材22とを分離することで、収容部材7が取替え可能となる。
取替え可能であれば、使用者は、ルアー1のメンテナンスや改良ができるようになり、自身に合ったルアー1を使用することができるようになる。釣りにおいては、使用者は、自身に合った道具を使いたがるので、この点からも好適である。
これらのルアー1を実現するために、バリエーション豊かな収容部材7が同時に販売されることもよい。
以上のように、実施の形態2におけるルアー1は、製造の容易性や使用時のフレキシビリティを高めるメリットがある。
以上、実施の形態で説明されたルアーは、本考案の趣旨を説明する一例であり、本考案の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 ルアー
2 本体部
3 釣り針
4 接続部
6 釣り糸
7 収容部材

Claims (10)

  1. 本体部と、
    前記本体部に接続される釣り針と、
    前記本体部と釣り糸とを接続する接続部と、を備え、
    前記本体部の内部に、空気を収容する収容部材を有するルアー。
  2. 前記本体部は、木材、竹材およびこれらと同等の人工素材で形成されている、請求項1記載のルアー。
  3. 前記収容部材は、収容する空気によって、前記本体部へ浮力を与える、請求項1又は2記載のルアー。
  4. 前記収容部材は、前記本体部の中央よりも前記接続部に近い側に設けられる、請求項1から3のいずれか記載のルアー。
  5. 前記収容部材は、前記本体部の中央よりも前記接続部に遠い側に設けられる、請求項1から3のいずれか記載のルアー。
  6. 前記収容部材は、空気を収容した袋状部材を有する、請求項1から5のいずれか記載のルアー。
  7. 前記本体部は、紡錘形状を有している、請求項1から6のいずれか記載のルアー。
  8. 前記本体部は、長手方向および短手方向を有している、請求項1から7のいずれか記載のルアー。
  9. 前記本体部は、前記長手方向に分離および嵌合可能である第1部材と第2部材を有し、前記収容部材は、前記第1部材および前記第2部材の嵌合面に格納される、請求項8記載のルアー。
  10. 前記収容部材は、前記本体部が前記第1部材および前記第2部材に分離される際に、取り外し可能である、請求項9記載のルアー。
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JP2022024663A (ja) * 2020-07-28 2022-02-09 Dranckrazy株式会社 ルアー及びルアーの製造方法

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