JP3170753U - 貯水型電池作用水生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源を全く使用することなく、貯水環境中に異種金属を浸漬配置するだけで、長期にわたって安定して還元水素水等の電池作用水を生成することができる貯水電池作用水生成装置を提供する。【解決手段】水環境電池ユニットBUの上側部分が、容器10の内部空間の最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置されるようにし、容器10内に原水を貯留することで水環境電池ユニットBUを原水中に浸漬し、当該原水を水環境電池ユニットBUにより電池作用水へと変性すると共に、容器10の内部空間において水環境電池ユニットBUの上側部分よりも下側の空間に、電池作用水を最も濃度高く含有する機能水を貯留し、当該電池作用水を最も濃度高く含有する機能水から順番に給水口を介して外部に供給する。【選択図】図1

Description

本考案は、水サーバー内や水タンク内等の貯水環境中において還元水素水を生成する貯水型電池作用水生成装置に関し、特に、電源を必要とすることなく、水及び溶存酸素を媒介とした異種金属間の電池反応によって還元水素水を生成する貯水型電池作用水生成装置に関する。
従来、貯水容器内において還元水素水を生成する電池作用水生成装置の発明として、例えば、特許文献1〜2に記載のものがある。
特許文献1に開示の電池作用水生成装置は、水道蛇口と連通する注水口を備え、装置本体の内部で水道水を電解して還元水素水を生成する。この電池作用水生成装置は、水を電解して還元水素水を作る電解槽ユニットと、電解槽ユニットに流入する水の流水量を検知する流量センサと、水質等の環境に見合った還元時間を設定するためのロータリスイッチと、ロータリスイッチの設定値および流量センサにより検知された流水量に基づいて電解槽ユニットおける還元時間を制御する制御部とを有する。特許文献1によれば、この電池作用水生成装置は、水質,流水量等の条件に応じて還元時間を制御するようにしたので、安定した酸化還元電位の還元水素水を生成できる等の効果を備えるとされている。なお、特許文献2に開示の電池作用水生成装置は、特許文献1に開示の電池作用水生成装置と同様の基本構成であり、特許文献1及び2のいずれも、電源を使用した水の電気分解反応により、還元水素水を生成するものである。
特許第4086311号公報 特許第4010453号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の発明は、いずれも、水の電気分解により還元水素水を生成する構成であるため、必然的に、電気分解のための電解槽や電源等の電気的構成を必要とする。したがって、特許文献1及び2に記載の発明は、装置の構成が複雑化することになり、安定した品質の確保や使用に伴う保守等のために相応の労力や手間やコストを必要とし、かつ、電力使用によるコストも相応にかかることになる。
そこで、本考案は、電源を全く使用することなく、貯水環境中に異種金属を浸漬配置するだけで、長期にわたって安定して還元水素水等の電池作用水を生成することができ、装置の構成を非常にシンプルなものとして、安定した品質の確保や使用に伴う保守等を容易に行うことができ、そのための労力や手間やコストを必要とせず、かつ、電力使用によるコストも完全に削減することができる貯水型電池作用水生成装置の提供を課題とする。
本考案に係る貯水型電池作用水生成装置は、内部空間に水を貯留すると共に、前記内部空間の最下方部分と連通する外部への給水口を設けた容器と、前記容器の内部空間における最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置される電池支持部と、前記電池支持部に配設(装着等して支持等)される水環境電池部材とを備える。なお、本考案に係る貯水型電池作用水生成装置の電池支持部は、通常は平坦な底面位置から第1の所定高さだけ上方となる第1の所定高さ位置に配置されるが、異形状の底壁内面の場合は容積を考慮した平均高さ位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置されるようにすることもできる。本考案に係る貯水型電池作用水生成装置は、前記水環境電池部材を、少なくとも、マグネシウム単体またはマグネシウム合金からなるマグネシウム体より構成する。なお、本考案に係る貯水型電池作用水生成装置は、更に、前記マグネシウム体と所定の隙間間隔をおいて対向配置されるステンレス鋼製の金属体を有することもできる。本考案に係る貯水型電池作用水生成装置は、前記水環境電池部材を前記電池支持部に配設したときに、前記電池支持部の所定高さ位置に応じて、前記水環境電池部材の少なくとも前記マグネシウム体の下端位置が、前記容器の内部空間の前記最下方位置(通常は底面)から所定高さ(例えば、前記第1の所定高さ位置よりは低い第2の所定高さまたは同一の所定高さ)だけ上方となる所定高さ位置(例えば、前記第1の所定高さ位置よりは低い第2の所定高さ位置または同一の所定高さ位置)に配置されるようにしている。本考案に係る貯水型電池作用水生成装置は、前記容器内に原水を貯留することで前記水環境電池部材を前記原水中に浸漬し、当該原水を前記水環境電池部材により電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、前記容器の内部空間において前記水環境電池部材のマグネシウム体の下端位置よりも下側の空間により、(前記原水よりも比重の大きい)前記電池作用水が前記水環境電池部材の電池作用に影響を与えない安定貯蔵空間を構成している。(以上、第1の考案。)また、本考案は、上記第1の考案のように、容器の貯水空間の最下部の一定部分を電池作用に影響を与えない前記安定貯蔵空間とする構成とする以外にも、上記構成において電池支持部を省略してもよい。この場合、前記水環境電池部材を、前記容器の内部空間における最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置される上側部分を有するようにして、前記水環境電池部材を前記電池支持部に配設したときに、前記水環境電池部材の少なくとも前記マグネシウム体のうち、前記水環境電池部材の前記上側部分に対応する当該マグネシウム体の上側部分が、前記容器の内部空間の前記最下方位置から前記所定高さだけ上方となる前記所定高さ位置に配置されるようにし、前記容器内に原水を貯留することで前記水環境電池部材を前記原水中に浸漬し、当該原水を前記水環境電池部材により電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、前記容器の内部空間において前記水環境電池部材のマグネシウム体の上側部分よりも下側の空間に、前記電池作用水を最も濃度高く含有する機能水を貯留し、当該電池作用水を最も濃度高く含有する機能水から順番に前記給水口を介して外部に供給するようにする。(以上、第2の考案。)更に、本考案は、第2の考案において、容器として外部への給水口を備えない容器を使用し、単に、前記容器の内部空間において、前記水環境電池部材の前記上側の一部分よりも下側の空間に、前記電池作用水を最も濃度高く含有する機能水を貯留するようにしてもよい。この場合、水環境電池部材としては、内外に通水自在な収容部内に多数のマグネシウム切粉を充填したものを使用することが好ましい。(以上、第3の考案)或いは、第3の考案においてマグネシウム切粉を使用し、かつ、容器として上記第1〜2の考案のように外部への給水口を備えるものを使用した考案とすることもできる。(以上、第4の考案)
本考案に係る貯水型電池作用水生成装置は、電源を全く使用することなく、貯水環境中に異種金属を浸漬配置するだけで、長期にわたって安定して還元水素水等の電池作用水を生成することができ、装置の構成を非常にシンプルなものとして、安定した品質の確保や使用に伴う保守等を容易に行うことができ、そのための労力や手間やコストを必要とせず、かつ、電力使用によるコストも完全に削減することができる。
図1は本考案の実施の形態1に係る貯水型電池作用水生成装置の正面図であり、左半部を断面にて示す。 図2は本考案の実施の形態1に係る貯水型電池作用水生成装置の水環境電池ユニットを示す分解斜視図である。 図3は本考案の実施の形態1に係る貯水型電池作用水生成装置の水環境電池ユニットを台座に組み付けた状態を示す平面図である。 図4は本考案の実施の形態1に係る貯水型電池作用水生成装置の水環境電池ユニットを台座に組み付けた状態を示す正面図である。 図5は本考案の実施の形態2に係る貯水型電池作用水生成装置を側面から見て示す断面図である。 図6は本考案の実施の形態3に係る貯水型電池作用水生成装置の概略構成を正面から見た状態を示す説明図であり、容器部分を断面で示すと共に容器内部の棚部材の上に水環境電池部材を配置した状態を示す。 図7は本考案の実施の形態4に係る貯水型電池作用水生成装置の概略構成を斜視的に表す説明図であり、容器部分を断面で示す。 図8は本考案の実施の形態4に係る貯水型電池作用水生成装置を示す要部正面図であり、収容部材を断面にて示す。
以下、本考案を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態1
図1に示すように、実施の形態1に係る貯水型電池作用水生成装置は、容器10と、容器10内の底部の定位置に着脱自在に配設される台座30と、台座30の定位置に着脱自在に配設される複数個の水環境電池部材としての水環境電池ユニットBUとを備える。
[容器]
容器10は、基部11と、基部11の上側に一体的に配設された収容部12と、収容部12の上端の開口に着脱される蓋部13とを有する。収容部12は、円筒状の内周面12aと平坦状の底面12bとを有し、内周面12aと底面12bとにより貯水空間を形成している。ここで、収容部12は、ステンレス鋼等の耐腐食性金属により形成することにより、内周面12a及び底面12bを当該金属による金属面として、耐腐食性及び抗菌性等を向上することが好ましい。また、収容部12の正面側の下端部には収容部12内部の水を外部に任意に放出自在な注水コック20が配設されている。注水コック20は、連通部21、注水口22及び操作部23を有する。連通部21は、収容部12の貯水空間の底部と連通する連通孔(図示略)を有し、当該連通孔は、収容部12の内周面12aの下端位置でもある貯水空間の下端位置(底面12bの位置)から上方に所定距離を置いた第1の高さH1全体にわたって延びる開口状をなしている。また、注水口22は、連通部21の所定位置(好ましくは、下端位置)と連通し、収容部12の貯水空間内の貯水を連通部21の連通孔を介して、外部に導出するようになっている。更に、操作部23は、連通部21と注水口22との間の流路を任意に開放及び遮断自在な構成を有し、操作部23を操作することで、注水口22からの注水及び止水を行うようになっている。
[台座]
図3及び図4に示すように、台座30は、所定高さの円筒状の周壁31と、周壁31の上端に一体形成された穴あき円盤状の支持壁32とを有する。周壁31は、収容部12の内周面12aより若干(ミリ単位またはコンマミリ単位)小径の外径を有する薄板の円筒状をなす。また、周壁31は、周方向の所定角度位置(正面位置)に連通口31aを有し、連通口31aを介してその内外の空間を連通している。周壁31の連通口31aは略半円形または略半楕円形をなしている。詳細には、周壁31の連通口31aは、周壁31の所定角度範囲にわたって延びる底辺長さ(短径)と、前記連通部21の高さである第1の高さH1と同等の高さ(半径または半長径)とを有する。更に、台座30の内部空間は、周壁31の連通口31aの高さH1部分が下側貯水空間とされると共に、当該下側貯水空間の上側における同等の高さである第2の高さH2部分が上側貯水空間とされている。即ち、台座30の支持壁32下面と周壁31内周面と収容部12の底面12bとの間に形成される台座30の内部空間(本願書類中、「台座内貯水空間」ということがある。)は、周壁31の連通口31aの高さH1の約2倍の高さを有し、連通口31aの高さ位置までの空間である台座内貯水空間の下側空間は、台座30の高さH1+H2の高さの約半分(1/2)の高さH1を有し、また、連通口31aの高さ位置より上側の空間である台座内貯水空間の上側空間も、台座30の高さH1+H2の高さの約半分(1/2)の高さH1を有している。本実施の形態では、台座30の周壁31の下端から支持壁32の下面までの高さが、台座内貯水空間の高さとなる。
ここで、台座30内部に形成される台座内貯水空間の高さは、前記支持壁32の配設高さ位置により決定されるが、収容部12の内部空間WSのうち最大貯水位置まで貯水したときの貯水高さ(満水時の水位)、即ち、満水時の収容部12の底面12bから水面WLまでの高さ(以下、本願書類中、「最大水位」ということがある。)に応じて、その最大水位の数分の1の高さに設定される。台座内貯水空間の高さは、収容部12の最大水位に対して、好ましくは約20%〜約40%(約1/5〜約2/5)の高さ範囲内、より好ましくは約25%〜約35%の高さ範囲内、より更に好ましくは約1/3(約33%)の高さに設定される。したがって、台座30の連通孔31aの高さ(即ち、台座内貯水空間のうちの下側貯水空間の高さ)は、台座内貯水空間の高さの約1/2の高さとなり、最大水位に対して、好ましくは約10%〜約20%の高さ範囲内、より好ましくは約13%〜約28%の高さ範囲内、より更に好ましくは約1/6(約17%)の高さとなる。また、台座内貯水空間のうちの上側貯水空間の高さは、台座内貯水空間の高さの約1/2の高さとなり、最大水位に対して、好ましくは約10%〜約20%の高さ範囲内、より好ましくは約13%〜約28%の高さ範囲内、より更に好ましくは約1/6(約17%)の高さとなる。
前記台座30の支持壁32は、図3に示すように、周壁31の円形と同一の円形の外形を有する略円盤状をなしており、本実施の形態の電池支持部を構成している。支持壁32は、その外周側の仮想円形線上に、所定角度間隔で複数個(図の例では7個)の挿着口32aを貫通形成している。また、支持壁32は、その中心に、前記外周側の挿着口32aと干渉しないよう1個の挿着口32aを貫通形成している。支持壁32の挿着口32aは、全て同一の所定直径を有する円形の開口である。更に、支持壁32は、外周側の挿着口32aよりも更に外周側の位置(外周縁近傍)に、所定角度間隔で複数個(図の例では7個)の空気抜き孔32bを貫通形成している。空気抜き孔32bは、(図示の例では外周側の挿着口32aと同一数設けられるため)外周側の隣接する2個の挿着口32a間に配置されている。空気抜き孔32bは、平面視で十字状をなす小寸法の貫通孔である。なお、支持壁32は、前記挿着口32a及び空気抜き孔32b以外の部分には開口または孔部分を有していない。
[水環境電池ユニット]
図3に示すように、実施の形態1では、水環境電池ユニットBUは、台座30の支持壁32の挿着口32aにそれぞれ挿着して支持されている。これにより、支持壁32の挿着口32aの配置態様に対応して、支持壁32の外周側で7個の水環境電池ユニットBUが全体と円形となるように一定角度間隔で配置され、また、それらの中心にも1個の水環境電池ユニットBUが配置されている。各水環境電池ユニットBUは同一の構成であり、図2に示すように、最外側金属体としてのケース40と、ケース40より小径の円筒状をなす外側金属体50と、外側金属体50より小径の円筒状をなす中間金属体60と、中間金属体60より小径の円柱状をなす内側金属体70とからなり、ケース40の内部に外側金属体50、中間金属体60及び内側金属体70を、この順番で外側から内側へと同軸状となるように着脱自在に配置するものである。前記外側金属体50、中間金属体60及び内側金属体70は、同一の高さを有している。
<ケース>
ケース40は、収納部41及びキャップ部45を含む。収納部41は、上端に円形の開口41aを有すると共に、底面に底壁42を有する所定高さの有底円筒状をなす。また、収納部41は、前記台座30の支持壁32の挿着口32aと同一直径(外径)を有する円筒状である。収納部41の上端縁部には、一対の掛止孔41bが形成されている。掛止孔41bは、それぞれ、L字状または鉤状をなし、収納部41の上端縁部の円周方向に180度の角度間隔をおいて、互いに対向するよう対称配置されている。一方、底壁42は、中心に小径の円形状をなす通水孔42aを貫通形成すると共に、通水孔42aを中心として放射状に延びるよう、複数個(図示の例では合計8個)の通水スリット42bを貫通形成している。通水スリット42bは、底壁42の円周方向に一定角度間隔で配置されている。また、収納部41の下端から高さ方向(軸方向)の上方に所定距離を置いた位置(例えば、収納部41の全長乃至全高に対して下端から上方に約1/3の距離を置いた位置)には、係止部43が外方に張り出すよう一体形成されている。係止部43は、収納部41の外周面を円周方向に延びる円環リブ状または円環フランジ状をなし、収納部41の周方向の全長にわたって延びている。よって、係止部43は、前記台座30の支持壁32の挿着口32aより大径の円環状となる。更に、底壁42の下面(外面)には、前記通水スリット42bと干渉しないよう、所定の隣接する通水スリット42b間に、間隔保持突部44が固着等によって一体的に配設されている。間隔保持突部44は、小径の円盤状をなし、複数個(図示の例では4個)が、底壁42の周方向に一定角度間隔で配置されている。
キャップ部45は、収納部41の上端部に着脱自在に挿着される円形蓋状をなす。キャップ部45の頂壁は、前記底壁42の通水孔42a及び通水スリット42bに対応して、中心に小径の円形状をなす通水孔45aを貫通形成すると共に、通水孔45aを中心として放射状に延びるよう、複数個(図示の例では合計8個)の通水スリット45bを貫通形成している。通水スリット45bは、キャップ部45の頂壁の円周方向に一定角度間隔で配置されている。また、キャップ部45の周壁の内周面には、前記収納部41の一対の掛止孔41bに対応して、一対の掛止凸部46が固着等により一体的に配設されている。掛止突部46は、収納部41の掛止孔41bに挿着自在な突部状をなし、キャップ部45の周壁の円周方向に180度の角度間隔をおいて、互いに対向するよう対称配置されている。一対の掛止凸部46を対応する一対の掛止孔41bに挿入してキャップ部45を収納部41の上端部にかぶせ、キャップ部45を所定方向(図示の例では上側から見て時計回り方向)に回転することにより、キャップ部45を収納部41に固定することができ、これと逆方向に回転することにより、キャップ部45を収納部41から取り外すことができる。なお、ケース40は、前記収納部41及びキャップ部45を同一のステンレス鋼(SUS304等)により形成している。また、前記係止リブ43、間隔保持突部44及び係止凸部46も、ステンレス鋼等の金属材料により形成されている。
<外側金属体>
前記外側金属体50は、マグネシウム体51と、外周側間隔保持突部52と、底面側間隔保持突部53と、内周側間隔保持突部54とを有する。マグネシウム体51は、前記ケース40の収納部41の内径と略同一の所定の外径と所定の内径とを有する所定厚み(10mm程度)の厚肉状の単純円筒状をなす。マグネシウム体51の上下両端の内周縁の開口のうち、下端の開口51aは、電池作用水の一種としての還元水素水の放出開口を構成している。また、マグネシウム体51は、(ステンレス鋼からなる)前記ケース40及び中間金属体60に対して卑な金属となるマグネシウム(Mg)100%のマグネシウム単体、または、マグネシウムに所定の金属を添加したマグネシウム合金からなる。外周側間隔保持突部52は、電気絶縁性の樹脂製の突部からなり、マグネシウム体51の外周面の上端側の所定高さ位置及び下端側の所定高さ位置に、それぞれ、所定角度間隔をおいて複数個が固着されている。具体的には、マグネシウム体51の外周面の上端側には、その円周方向に一定角度間隔おいて3個の外周側間隔保持突部52が接着等により固着され、また、マグネシウム体51の外周面の下端側には、その円周方向に一定角度間隔をおいて、3個の外周側間隔保持突部52が接着等により固着されている。上側の外周側間隔保持突部52及び下側の外周側間隔保持突部52は、同一の角度位置に配設されている。また、各外周側間隔保持突部52は、マグネシウム体51の外周面から所定の突出高さで突出する円錐状または円錐台状の突部となっている。この外周側間隔保持突部52の突出高さは、前記ケース40の収納部41の内径とマグネシウム体51の外径との寸法差と略同一の寸法に設定されている。そして、外側金属体50をケース40の収納部41に収納したときに、周方向に3対設けられた外周側間隔保持突部52が、マグネシウム体51の外周面と収納部41の内周面との間に所定の隙間空間(均一な第1の間隔を有する薄い円筒状の外側隙間空間)を形成するようになっている。
底面側間隔保持突部53は、電気絶縁性の樹脂製の突部からなり、マグネシウム体51の下面となる円環状面の円周方向に一定角度間隔(120度間隔)をおいて複数個(3個)が配設されている。なお、各底面側間隔保持突部53は、平板状または円盤状とされているが、これを円錐状または円錐台状とすることもできる。また、内周側間隔保持突部54は、電気絶縁性の樹脂製の円錐状または円錐台状の突部からなり、外周側間隔保持突部52の場合と同様にして、マグネシウム体51の内周面の上端側の所定高さ位置及び下端側の所定高さ位置に、それぞれ、所定角度間隔(120度間隔等)をおいて複数個(3個)が固着されている。また、各内周側間隔保持突部54は、外周側間隔保持突部52の場合と同様にして、マグネシウム体51の内周面から所定の突出高さで突出し、外側金属体50の内部に中間金属体60を収納したときに、周方向に複数対(3対)設けられた内周側間隔保持突部54が、マグネシウム体51の内周面と中間金属体60の外周面との間に所定の隙間空間(均一な第2の間隔を有する薄い円筒状の中間隙間空間)を形成するようになっている。
前記外周側間隔保持突部52と内周側間隔保持突部54とは、マグネシウム体51の周方向における同一の角度位置で、同一の上下方向位置(上下の同一高さ位置)に配置されている。一方、底面側間隔保持突部53は、外周側間隔保持突部52及び内周側間隔保持突部54に対してマグネシウム体51の周方向に60度の間隔を置いた位置に配置され、各底面側間隔保持突部53がマグネシウム体51の周方向において隣接する外周側間隔保持突部52及び内周側間隔保持突部54の中間位置に配置されるようになっている。
<中間金属体>
中間金属体60は、マグネシウム体51の内径と略同一の所定の外径と所定の内径とを有する所定厚み(1mm程度の厚み)の薄肉状の単純円筒状をなす。中間金属体60の上下両端の内周縁の開口のうち、下端の開口60aは、電池作用水の別の一種としての殺菌水の放出開口を構成している。なお、中間金属体60は、前記ケース40と同様、前記外側金属体50のマグネシウム体51に対して貴な金属となるステンレス鋼(SUS304等)からなる。
<内側金属体>
内側金属体70は、亜鉛体71と、外周側間隔保持突部72と、底面側間隔保持突部73とを有する。亜鉛体71は、前記中間金属体60の内径と略同一の所定の外径を有する所定直径(23〜25mm程度)の単純円柱状をなす。また、亜鉛体71は、前記ケース40及び中間金属体60に対して卑な金属となる亜鉛(Zn)100%の亜鉛単体、または、亜鉛に所定の金属を添加した亜鉛合金からなる。外周側間隔保持突部72は、電気絶縁性の樹脂製の突部からなり、前記外周側間隔保持突部52の場合と同様にして、亜鉛体71の外周面の上端側の所定高さ位置及び下端側の所定高さ位置に、それぞれ、所定角度間隔(120度間隔等)をおいて複数個(3個)が固着されている。また、各外周側間隔保持突部72は、前記外周側間隔保持突部52の場合と同様にして、亜鉛体71の外周面から所定の突出高さで突出し、内側金属体70を中間金属体60に収納したときに、周方向に3対設けられた外周側間隔保持突部72が、亜鉛体71の外周面と中間金属体60の内周面との間に所定の隙間空間(均一な第3の間隔を有する薄い円筒状の内側隙間空間)を形成するようになっている。
底面側間隔保持突部73は、電気絶縁性の樹脂製の突部からなり、亜鉛体71の下面となる円形面の中心位置に所定個数(1個)が配設されている。なお、底面側間隔保持突部73は、平板状または円盤状とされている。
<水環境電池ユニットの組み立て>
上記ケース40の収納部41の開口41aから外側金属体50を内部に挿入し、外側金属体50の内部に中間金属体60を挿入し、中間金属体60の内部に内側金属体70を挿入して、キャップ部45を収納部41に装着して開口41aを覆うことで、ケース40内に3種類の金属体(外側金属体50、中間金属体60、内側金属体70)が順に収納された水環境電池ユニットBUが完成する。
<金属材料>
ここで、マグネシウム体51をマグネシウム合金で形成する場合、かかるマグネシウム合金としては、亜鉛(Zn)を所定の比率で添加したマグネシウム亜鉛合金(MgZn)や、マンガン(Mn)を所定の比率で添加したマグネシウムマンガン合金(MgMn)等を使用することができる。なお、MgZnを使用する場合、Mgに対するZnの添加率は、例えば、約0.5%〜約3%の範囲、好ましくは約0.5%〜約2%の範囲、更に好ましくは約0.5%〜約1%の範囲とする。
MgZn合金におけるZnの添加率については、使用環境や使用条件等に応じて好適な範囲内の値に設定する。例えば、本考案者らの行った試験によれば、MgZnにおいてZnの添加率を約2%〜約3%の範囲内とすると、マグネシウム体51を水中に浸漬したときに、マグネシウム体51を形成するMgとZnとの間で良好なミクロ電池が形成されることにより、SUS製の中間金属体60と対向するマグネシウム体51の表面の全域で均一な電池反応が生起して表面の全域で均一な電流が発生すると共に、マグネシウム体51の表面におけるマクロ腐食等の腐食を効果的に防止することができる。
一方、マグネシウム体51におけるZnの添加率が3%以上となると、マグネシウム体51の上部に酸化膜が生じやすくなることを本考案者らは試験により確認している。したがって、酸化膜形成防止の観点からは、Mg合金におけるZnの添加率の上限は最大でも3%とすることが好ましい。特に、マグネシウム体51における酸化膜防止をより効果的に行うためには、マグネシウム体51を構成するMg合金におけるZnの添加率は、約0.5%〜約2%の範囲内とすることが好ましく、実用上想定される各種の使用条件下を勘案してマグネシウム体51への酸化膜形成を確実に防止するためには、Mg合金におけるZnの添加率(上限値)は約1%以下とすることが更に好ましい。
一方、マグネシウム体51をMg100%のMg単体により形成する場合、Mg精錬時等において、例えば、Fe、Mn、Al等のMgに対して貴な金属となる金属不純物が混入する場合がある。この場合、マグネシウム体51を単体で水中に浸漬したときに、水中の溶存酸素が金属不純物の周囲に集中して供給され、その部分が通気差腐食する可能性がある。しかし、本実施の形態のように、Mg単体に対向してSUS製の収納部41及び中間金属体60を配置すると、SUSが金属不純物よりも更に貴な金属となるため、相対的に卑な金属となるFe等がSUSと反応して、不純物の周囲における通気差腐食は発生しない。このように、本実施の形態では、マグネシウム体51をMg単体により形成する場合の不具合も確実に防止することができる。また、Mg単体のマグネシウム体51をSUS製の収納部41及び中間金属体60と全面的に対向させることで、マグネシウム体51への酸化膜の発生を完全に防止することができると共に、電池反応によってマグネシウム体51から完全なイオン化状態のMgを水中に溶出することができる。なお、MgにZnを添加して合金化する場合、上記のような金属不純物の混入割合が多くなるため、金属不純物混入による不具合防止の点からは、マグネシウム体51をMg単体としたり、Znの添加率を少なくする(上記のように、上限値3%とする)ことが望ましい。
また、マグネシウム体51のMg合金としてMgMnを使用する場合、例えば、Mgに対するMnの添加率は約0.5%〜約2%の範囲とし、好ましくは、約0.5〜約1%の範囲とする。即ち、Mnイオンがミネラル分として水中に存在すると、水の味が美味となることが経験的に認識されており、また、Mnは茶葉の成分であるポリフェノールと同様の作用効果(SOD酵素生成効果、癌抑制効果等)を有すると言われているため、この点からはMnを添加することが好ましい。一方、Mnについては飲用水における水質基準による水中のMn濃度の規制値があるが、Mnは自然界に相当量が存在するため、Mg合金におけるMnの添加率を高くしすぎると、Mnの摂取が過剰となる可能性もある。したがって、Mg合金中のMnの添加率は、上記範囲内において適宜選択することが好ましい。例えば、本実施の形態の電池作用水生成装置で得た飲用水の飲用以外に、他の摂取源からのMn摂取が少ない場合は、Mnの添加率の上限値を約2%とし、他の摂取源からのMn摂取が多い場合は、Mnの添加率の上限値を約1%とする。なお、Mg合金中にMnを添加しても、Mg合金への酸化膜形成が促進されることはない。
<隙間空間の間隔>
一方、MgはZnよりも水中での電池反応が活発であり、例えば、SUSに対向配置したMg単体またはMg合金では、水中で約1.5Vの電位変化を持続する電池反応が発生するのに対し、SUSに対向配置したZn単体またはZn合金では、水中で約0.8Vの電位変化を持続する電池反応が発生することを本考案者らは試験により確認している。即ち、MgはZnに比較して強い電池反応を発生する。また、SUS等の貴な金属に対向配置する場合、Znと比較して、MgはSUSからより離間した位置に配置した場合でも十分な電池反応を発生することが確認されている。よって、Mg単体またはMg合金の場合は、Zn単体またはZn合金の場合より、水中でのより活発な電池作用によって、水と反応して生成される水素(H)ガスや酸素(O)ガスの量が多くなる。この場合、発生した酸素ガスによりマグネシウム体51表面のマグネシウムが酸化されて、マグネシウム体51の表面に酸化膜が発生する可能性が大きくなる。
また、上記のとおり、Mgの方がZnよりも水中での電池反応が活発なため、マグネシウム体50をMg単体またはMg合金から形成する場合は、マグネシウム体50とSUS製の収納部41との間の距離(外側隙間空間の厚みである前記第1の隙間間隔)、並びに、マグネシウム体51とSUS製の中間金属体60との間の距離(中間隙間空間の厚みである前記第2の隙間間隔)は、亜鉛体71とSUS製の中間金属体60との間の距離(内側隙間空間の厚みである前記第3の隙間間隔)よりも大きな寸法に設定することが好ましい。具体的には、前記第3の隙間間隔は、亜鉛体71の外周面とSUSとの間での(水中の水及び溶存酸素を利用した)電池反応によって発生する電位及び/または電流を、水中の殺菌等に必要な電位及び/または電流とするために要求される最低限の寸法に設定する。一方、前記第1及び第2の隙間間隔は、当該第3の寸法よりも大きな寸法に設定する一方で、マグネシウム51の外周面及び内周面とSUSとの間での電池反応によって発生する電位及び/または電流を、水中での還元水素水生成等に必要な電位及び/または電流とするために要求される最低限の寸法に設定する。
[SUS製の部材の表面非研磨]
本考案者らは、SUS製の部材の表面を研磨した研磨表面(鏡面)とした場合、非研磨表面と比較して、部材表面への酸化膜生成が多くみられることを試験により確認している。これは、部材表面の表面粗度の大小に応じた塗れ性の大小によるものと考えられ、表面粗度を大きくして(部材表面を粗くして)塗れ性を大きくした方が、酸化膜抑制効果が高いとの知見を本考案者らは得ている。したがって、特に、電池反応においてマイナス(−)極となるマグネシウム体51や亜鉛体71に対向配置され、プラス(+)極として機能するケース40や中間金属体60は、その表面を非研磨表面としたSUS製とすることが好ましい。
[台座への水環境電池ユニットの装着]
上記構成の水環境電池ユニットBUは、図3に示すように、台座30の支持壁32の各挿着口32aに挿着係止されて、所定高さ位置及び所定周方向角度位置に安定的に保持及び配置される。このとき、収納部41の外周面が支持壁32の挿着口32aの周縁に密接または略密接状態となる。このとき、当該係止部43が台座30の支持壁32の挿着口32aの周縁部に係止されて、水環境電池ユニットBUが台座30の下方内部空間に落下することなく、台座30に位置ずれ不能に固定される。また、このとき、円環リブ状の係止部43が支持壁32の上面における円形の挿着口32aの周縁部の全周にわたって密接する。なお、このとき、前記外側金属体50として、Mg単体またはMgZn合金製のマグネシウム体51(第1のマグネシウム体)と、MgMn製のマグネシウム体51(第2のマグネシウム体)とを所定割合で混合して使用してもよい。例えば、合計8個の水環境電池ユニットBUのうち、6個を第1のマグネシウム体とし、残りの2個を第2のマグネシウム体としてもよい。
一方、図4に示すように、水環境電池ユニットBUの高さ(即ち、ケース40の高さ)H3のうち、台座30の支持壁32より下方に配置される部分(係止部43より下側の部分、本願書類中、「台座内配置部分」ということがある。)の高さH4は、全体の高さの約1/3とすることができる。更に、前記台座内配置部分の高さH4は、前記台座30の上側貯水空間の高さH2の半分程度の高さとされている。したがって、水環境電池ユニットBUは、台座30の支持壁32から下方に延設されて、その下端が台座30の上側貯水空間の上側半分程度の位置に来るようになっている。また、水環境電池ユニットBUのうち、台座30の支持壁32から上方へ突出する部分は、その上端が前記台座30の上側貯水空間の高さH2と同程度の高さ(即ち、台座内貯水空間の高さH1+H2の1/2程度の高さ)で上方に突出するようになっている。また、台座30全体の高さH1+H2(及び、台座内貯水空間の高さ)は、貯水空間WS内の最大水位WLに対して所定高さ範囲に設定されている。したがって、水環境電池ユニットBUの上端位置は、最大水位WLに対して台座30の高さに応じた高さ位置にくる。具体的には、例えば、台座30の高さを最大水位WLの約1/3の高さとした場合、水環境電池ユニットBUは、台座30の上端位置から更に上方に高さH2(最大水位WLの1/6の高さ)だけ突出するため、結果として、水環境電池ユニットBUの上端位置は、最大水位WLの約1/2(1/3+1/6=1/2)の高さ位置にくる。一方、水環境電池ユニットBUは、台座30の上端位置から下方に高さH4(最大水位WLの1/12の高さ、支持壁32の高さH1+H2の1/4の高さ)だけ突出するため、水環境電池ユニットBUの下端位置は、最大水位WLの約1/4(1/3−1/12=1/4)の高さ位置にくる。このように、本実施の形態では、電池下端位置は、支持壁32の高さH1+H2よりも当該高さH1+H2の約1/4だけ下方の位置(容器10の底面12bに対して、支持壁32の高さH1+H2の約3/4の高さ位置)にくることになり、支持壁の高さH1+H2が最大水位WLの約1/5〜約2/5の高さとなる場合、電池下端位置は、最大水位WLの約3/20〜6/20(3/4×1/5〜3/4×2/5)の高さ位置にくる。
なお、上記のとおり、本実施の形態では、水環境電池ユニットBUを係止部43を介して台座30に係止支持または吊下支持するため、前記ケース40の底面の間隔保持突部44は省略することもできる。しかし、間隔保持突部44は、後述する実施の形態3で述べるように、水環境電池ユニットを台座の(挿着口を有しない)平板状の支持壁に単に載置して保持する場合に、ケース40の底壁42の下面と支持壁の上面との間に当該間隔保持突部44の高さ分の隙間空間を形成して、ケース40内部で生成された電池作用水(還元水素水及び殺菌水)を底壁42の水抜き穴42a及び通水スリット42bから下方に円滑に流下させる点で非常に効果的である。
[使用方法及び作用効果]
上記貯水型電池作用水生成装置は、容器10の収容部12から蓋部13を取り外して、収容部12の内部空間WSに台座30を収容して底面12b上に載置する。このとき、台座30の周壁31の外周面が収容部12の内周面12aに近接状態とするよう、台座30の直径を収容部12の内径とほぼ同一とすることが好ましい。この状態から、台座30の挿着口32aに水環境電池ユニットBUを装着して、収容部12の上端開口から内部空間WSに所定量の原水(水道水や井戸水等)を注水して充填し、貯水する。なお、通常は、最大水位WLまで貯水する。このとき、台座内貯水空間の下側空間は、周壁31の連通孔31aにより周壁31の外周側の空間と連通している。また、台座内貯水空間の上側空間は、支持壁32の空気抜き孔32b部分でのみ上方の空間と連通している。これにより、まず、原水は、台座30から上方に突出する水環境電池ユニットBUの上端側の通水孔45a及び通水スリット45bからケース40内部に進入し、ケース40内部において、収納部41と外側金属体50との間の外側隙間空間、外側金属体50と中間金属体60との間の中間隙間空間、及び中間金属体60と内側金属体70との間の内側隙間空間に、それぞれ進入する。その後、原水は、水環境電池ユニットBU内で下記の機序により電池作用水に変性され、ケース40の下側の通水孔42a及び通水スリット42bから台座内貯水空間に放出される。なお、原水は、支持壁32の空気抜き孔32bからも台座内貯水空間に進入する。一方、水環境電池ユニットBU内部での電池反応により水中に酸素等の気体が微小な気泡状となって発生するが、この気体は、台座30の空気抜き孔32bを介して、台座30の上方に排出される。特に、水中で気泡状となった酸素は、前記マグネシウム体51の金属表面を流動して上昇する等により、マグネシウム体51への酸素供給を過剰にして、マグネシウム体51の表面の酸化の原因となる可能性があるが、このとき、水中の気泡状の酸素は、空気抜き孔32bから上方に排出されるため、このような不具合を防止することができる。また、収容部12への注水時に、原水がマグネシウム体51の上面等に直接衝突すると、やはり、マグネシウム体51への酸素供給が過剰になり、マグネシウム体51の表面の酸化の原因となる可能性があるが、このとき、ケース40によりマグネシウム体51が被覆保護されているため、このような不具合を防止することができる。
<還元水素水の生成の機序>
収納部41と外側金属体50との間の外側隙間空間、及び、外側金属体50と中間金属体60との間の中間隙間空間では、それぞれ、マグネシウム体51のMg表面またはMg合金表面とSUS表面との間で、原水中の水分子(HO)及び溶存酸素(O)を利用した電池反応が生起する。この電池反応は、水及び溶存酸素のみを媒介とした(イオン化傾向の異なる)異種金属体間での電池反応であり、流電陽極法のように、異種金属間の直接接触(電気的接触)や、導電線等の導電体を介した異種金属間の電気的接続を全く設けることなく、異種金属間の隙間空間において所定電圧(イオン化傾向の差に応じた電圧であって、マグネシウム体51とSUS製の中間金属体60の標準電極電位差に応じた電圧)の直流電流を水中に発生するものである。このとき、(+)電極としてのSUSに対する(−)電極としてのマグネシウム体51が、Mg合金により形成されている場合、例えば、MgZn合金より形成されている場合は、SUS表面との間での上記電池作用に加えて、マグネシウム体51の表面自体においても、Mg原子及びZn原子の原子配列が乱れることにより、無数の(+)極と(−)極とがランダムに形成され、マグネシウム体51の周囲の水と当該水中の溶存酸素とによって、ミクロ電池が時間と共に消滅と形成とを位置を替えて繰り返すことで、次々とミクロ電池による電池作用を生起する。これにより、前記SUS表面との間での電池反応との相乗効果によって、マグネシウム体51の表面から電流がより均一に流れ出し、電池反応もより均一に形成されることで、完全イオン化状態となったMgイオン、Znイオンが水中に流出すると共に、下記の亜鉛体71について説明するように、所定の機序により活性酸素種が生成された後、最終的には、電池作用水の一種としての所定の機能水(還元水素水生成を主要効能とする第1の種類の機能水)が生成される。
具体的には、この電池反応で生成した電池作用水に含まれる活性酸素は瞬時に消滅するため、電池作用水が、水環境電池ユニットBUから外部(台座30の台座内貯水空間)に流下した場合、その電池作用水には多くの活性酸素種は含まれていない(多くは短時間で消滅する)と考えられるが、この電池作用水は、還元水素水となって高酸化力を発揮して、外部の活性酸素を消去・抑制し、酵素SOD(スーパー・オキサイド・ジスムターゼ)と同様に機能することを、本考案者らは実証実験により確認した。即ち、本考案者らは、水環境電池ユニットBUにおける活性酸素の除去効果確認試験として、電子スピン共鳴装置(ESR)を用いて、ラジカル発生試薬にDPPHラジカルを使用して行った。この結果、水環境電池装置で得られた電池作用水は、弱アルカリ還元水(pH10.7、酸化還元電位ORP−420の還元水)であることが判明した。また、この電池作用水と、水道水と、純水との3種類について、上記のように、電子スピン共鳴装置(ESR)を用いて、ラジカル発生試薬にDPPHラジカルを使用して活性酸素の除去効果を確認した。その結果、純水では0%、水道水では0.2%しか活性酸素が消去されないのに対し、電池作用水では25.66%の活性酸素が消去されることが証明された。このように、水環境電池ユニットBUの外側隙間空間及び中間隙間空間での電池反応では、最終的に、電池作用水の主要な種類として、還元水素水(第1の種類の機能水)が生成される。
<殺菌水の生成の機序>
一方、中間金属体60と内側金属体70との間の内側隙間空間では、亜鉛体71のZn表面またはZn合金表面とSUS表面との間で、原水中の水分子(HO)及び溶存酸素(O)を利用した電池反応が生起する。この電池反応は、マグネシウム体51の場合と同様の機序による電池反応であって、亜鉛体71とSUS製の中間金属体60の標準電極電位差に応じた電圧の直流電流を水中に発生するものである。このとき、上記マグネシウム体51をMg合金により形成した場合と同様、亜鉛体71が亜鉛合金、例えば、ZnMg合金により形成されている場合は、前記SUS表面との間での電池反応と上記ミクロ電池による電池作用の相乗効果によって、亜鉛体71の表面から電流がより均一に流れ出す。そして、完全イオン化状態となったZnイオン、Mgイオンが水中に流出すると共に、上記機序により活性酸素種が生成され、これにより、電池作用水の他の一種としての所定の機能水(殺菌を主要効能とする第2の種類の機能水)が生成される。
具体的には、この電池反応では、水環境電池ユニットBUが水浸漬されることにより、ケース40内部の中間金属体60と亜鉛体71との間の全面にわたって均一となる小間隔の内側隙間空間に進入した原水中の水分子及び溶存酸素のみを媒介として、当該原水水中の溶存酸素を利用した中間金属体60のSUS表面と亜鉛体71の亜鉛表面または亜鉛合金表面との間での電池反応により、亜鉛体71から中間金属体60へと向かって亜鉛体71の金属イオン(Znイオン及び添加金属のイオン)を水中に溶出する。これと共に、当該金属イオンの発生に伴って発生する電子を水中の溶存酸素が取り込むことにより、中間金属体60と亜鉛体71との間の水中で所定電圧(電位変化)の電流が発生する。このとき、本考案者らが行った実験結果によれば、水中の溶存酸素が電子を取り込んで励起活性化することで、水中に各種の活性酸素種が発生していると推察される。なお、実験において、水中で発生した活性酸素種は瞬時に消滅するため、実験による活性酸素種自体の存在確認は困難であるが、電池作用水による殺菌効果等の効果を発揮する要素として、活性酸素種以外の要素が考えにくく、活性酸素種が発生していると考えることが非常に合理的である。これにより、水環境電池ユニットBUは、内側隙間空間において、短期的には、前記金属イオン及び前記電子を取り込んだ酸素を含有する活性酸素種により水中での高い殺菌効果を発揮し、かつ、長期的には、水中に溶出した亜鉛イオン等の金属イオンによる殺菌効果を発揮する電池作用水(本願書類中において、「殺菌水」ということがある。)を生成する。即ち、水環境電池ユニットBUは、内側隙間空間において、水に殺菌機能等の所定機能を付与して所定の機能水(殺菌を主要効能とする第2の種類の機能水)が生成される。
<第1〜第3の隙間間隔の相対寸法>
このとき、上記のように、相対的に高い電池作用を有するマグネシウム体51の外周側の外側隙間空間の第1の隙間間隔及び内周側の中間隙間空間の第2の隙間間隔を、相対的に低い電池作用を有する亜鉛体71の内側隙間空間の第3の隙間間隔より大きく設定することで、マグネシウム体51の外周面及び内周面でのSUS製の中間金属体60との電池反応を適切に抑制及び制御して、マグネシウム体51の表面への酸化膜の形成を効果的に防止することができる一方で、同時に、マグネシウム体51の主要な作用効果としての還元水生成と、亜鉛体71の主要な作用効果としての殺菌とを、共に望ましい程度(レベル)まで確保することができる。
<電池作用水の安定供給>
その後、水環境電池ユニットBUの内部で生成された第1の機能水(還元水素水)及び第2の機能水(殺菌水)からなる電池作用水は、底壁42の通水孔42a及び通水スリット42bを介して台座30の台座内貯水空間に流下して放出される。したがって、台座30の台座内貯水空間には、生成直後で濃度の高い第1の機能水及び第2の機能水が、混合状態で進入して順次貯留される。また、台座内貯水空間に貯留された第1及び第2の機能水からなる電池作用水は、原水中に金属イオン等を溶出したものであり、原水よりも比重が大きいため、台座内貯水空間から前記空気抜き孔32bを介して上方に移動することはなく、台座内貯水空間に安定的に流下して貯留される。また、台座30の上方の(電池作用水よりも比重の小さい)原水が空気抜き孔32bから台座内貯水空間に進入することもない。即ち、本実施の形態では、前記容器10内に原水を貯留することで水環境電池ユニットBUを原水中に浸漬し、当該原水を水環境電池ユニットBUにより電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、容器10の内部空間において水環境電池ユニットBUの下端位置よりも下側の空間を、電池作用水が当該水環境電池ユニットBUの電池作用に影響を与えない安定貯蔵空間としている。このため、電池作用水は、容器10の注水コック20を開放するまでは、一定濃度の電池作用水が台座内貯水空間に貯蔵される。そして、台座内貯水空間には、常に、安定的に大きな濃度の電池作用水が貯蔵される。
このとき、台座内貯水空間に進入した電池作用水は、上記の電池反応によって原水中の溶存酸素を消費しており、電池作用水中の溶存酸素濃度(単位容積当たり溶存酸素量)は通常の原水が含有する溶存酸素濃度(通常濃度)より小さくなっている。一方、収容部12内の貯水中、台座30より上側にある貯水は、水環境電池ユニットBUに進入するまでは、通常の原水であり、通常濃度で溶存酸素を含有している。したがって、水環境電池ユニットBUには、上側の通水孔45a及び通水スリット45bを介して、通常濃度の溶存酸素を含有する原水が流入するため、上記電池反応で必要とされる濃度以上の溶存酸素が、前記外側隙間空間、中間隙間空間及び内側隙間空間に常に供給され、当該空間内で上記の電池反応が円滑に進行して途切れることなく継続し、溶存酸素不足によって電池反応が減衰したり停止したりするという不具合を確実に防止することができる。また、上記のとおり、容器10の内部空間において水環境電池ユニットBUの下端位置よりも下側の空間を前記安定貯蔵空間として確保しているため、少なくとも安定貯蔵空間の容積分の電池作用水は、水環境電池ユニットBUの電池作用に影響を与えることなく、当該容積に対応する一定量を安定的に確保することができる。
<水環境電池ユニットの配置高さ位置>
ここで、水環境電池ユニットBUを台座30に配設して所定高さ位置に配置するのではなく、収容部12の底面に直接載置した場合、水環境電池ユニットBU内で生成された濃度の高い電池作用水が、収容部12の底部付近に流出して収容空間WS内の貯水の下部に滞留する。しかし、この場合、水環境電池ユニットBUから流出した電池作用水の一部が、再度、当該水環境電池ユニットBUの底面の通水孔42a及び通水スリット42bから内部に流入する。そして、水環境電池ユニットBU内部に流入した電池作用水には、通常濃度よりも小さな濃度の溶存酸素しか含有されていないため、水環境電池ユニットBU内部での電池作用に必要な量の溶存酸素が供給されず、電池作用に支障をきたす可能性がある。特に、水環境電池ユニットBUからの電池作用水が水環境電池ユニットBUの上端位置まで収容部12の内部に貯留されると、水環境電池ユニットBU内で電池作用水の濃度が飽和状態となり、水環境電池ユニットBU内での電池反応は殆ど(或いは全く)生起しないおそれがある。この場合でも、最終的には、水環境電池ユニットBUの高さ分の電池作用水が収容部12内に貯留されることになるものの、水環境電池ユニットBU内部に流入する電池作用水の影響によって電池作用水の生成効率が低下して、必要量の電池作用水を生成するまでの時間が、電池作用水の流入による影響がない場合と比較して大きく低下する恐れがあり、また、電池作用水の貯蔵量も、水環境電池ユニットBUの高さに依存して決定されることになり、常に必要量の電池作用水を供給する点からは、かかる構成は大きく改善する余地がある。
したがって、本実施の形態では、収容部12の内部に前記所定高さの台座30を配設し、この台座30の上端に水環境電池ユニットBUを係止部43によって係止保持することで、結果的に、水環境電池ユニットBUを収容部12の底面から、台座30の高さ及び係止部43の高さ位置に応じた距離まで離間配置するようにしている。即ち、上記のとおり、台座30の支持壁32は、容器10の内部空間の前記所定高さ位置に水平に配設されて、容器10の内部空間を上側空間と下側空間(台座内貯水空間)とに区画する。また、水環境電池ユニットBUは、台座30の支持壁32から所定距離(例えば、全長H3の約2/3の距離)だけ上方に突出すると共に、台座内貯水空間へと所定距離(例えば、全長H3の約1/3の距離)だけ下方に突出している。よって、水環境電池ユニットBUのマグネシウム体51を含む各金属体50,60,70は、所定高さを有し、上側の所定高さ部分を支持壁32から上方に(前記所定高さH2とほぼ同等の高さだけ)突出させると共に、下側の所定部分を前記支持壁32から(前記所定高さH4とほぼ同等の高さだけ)下方に突出させることによりその下端が前記下端位置にくるようにしている。したがって、水環境電池ユニットBUの下端は、収容部12の底面12bから上方に所定距離を置いた高さ位置(例えば、台座内貯水空間の下側貯水空間の高さH1に上側貯水空間の高さH2の約1/2の高さを加えた高さ位置であって、本願書類中「電池下端位置」ということがある。)に配置される。また、マグネシウム体51の下端位置も、これとほぼ同様の高さ位置に配置される。よって、水環境電池ユニットBUから流出した電池作用水は、当該電池下端位置の高さまでは水環境電池ユニットBU内部に流入することなく台座内貯水空間内に貯留され、水環境電池ユニットBU内部の電池作用に影響を与えることはない。したがって、少なくとも、当該電池下端位置までは、電池作用水の流入による影響を完全に排除した状態で、水環境電池ユニットBU内部で電池反応を行い、最も効率よく電池作用水を生成することができる。
また、電池作用水が電池下端位置を超えて台座内貯水空間に貯留され、水環境電池ユニットBU内部に流入する場合でも、その最大流入量は、水環境電池ユニットBUにおける台座30の上端から下方への突出距離に相当する容積分の量(例えば、全容積の約1/3の量)となり、残りの容積(全容積の約2/3)については、水環境電池ユニットBUの上端からの新鮮な原水によって電池反応を行うことができ、電池作用水の流入による影響を大きく抑制した状態で、水環境電池ユニットBU内部で電池反応を行い、非常に効率よく電池作用水を生成することができる。このように、本実施の形態では、水環境電池ユニットBUによる台座30の台座内貯水空間への電池作用水の供給効率を非常に高く維持することができ、最終的に、台座30の台座内貯水空間の全容積分、電池作用水を台座内貯水空間に貯留することができる。
<連通口の高さ>
一方、電池作用水を飲用する場合、注水コック20の操作部23を操作して台座内貯水空間と連通部21とを連通し、台座内貯水空間の電池作用水を台座30の連通口31a及び注水コック20の連通部21を介して、注水口22から外部に供給する。このとき、台座30の連通口31aは、台座内貯水空間の下側貯水空間の高さH1分だけ周壁31に延設されているため、台座内貯水空間内部の電池作用水は、台座30の下側貯水空間に相当する部分の電池作用水から、順に、注水口22を介して外部に供給される。また、これに伴い、台座30の上側貯水空間の電池作用水が、電池作用水の供給量だけ、下側のものから順に下側貯水空間に補充される。更に、これに伴い、電池作用水の供給量だけ、台座30の支持壁32の上側に存在する原水が、水環境電池ユニットBU内に流入して新たな電池作用水が生成され、順に、台座内貯水空間の上側貯水空間に補充される。したがって、一度に収容部12内の貯水を大量に給水するような場合を除いて、所期の濃度の電池作用水を常に安定して給水することができる。
<電池下端位置及び取水位置>
また、本実施の形態では、水環境電池ユニットBUの下端位置(電池下端位置)が収容部12の底面12bより上記所定距離だけ上方に位置すると共に、台座30の取水口となる連通口31aが収容部12内の全貯水空間の最下部に位置するため、かかる最下部位置の連通口31aから電池作用水を取水すると、電池作用水中の還元水素水(第1の機能水)について、十分なORP値の還元水素水を得ることができる。即ち、電池下端位置と取水高さ位置との間の差(上下方向距離)が大きいほど、還元水素水のORP値の初期値が高くなり、かつ、ORP値の初期値からの減衰率(低下率)を小さくすることができることを、本考案者らは実証試験により確認した。例えば、収容部12内の水環境電池ユニットBUの高さ位置を上下に変更して(上方に配置した場合と下方に配置した場合とに分けて)、下端の取水口から1回に200ccずつ電池作用水を取水してそのORP値を検査した。その結果、水環境電池ユニットBUの高さ位置が下方位置の場合は、水環境電池ユニットBUの高さ位置が上方位置の場合と比較して、ORP値の初期値は大きく相違しないものの、ORP値がすぐに減衰して低下することが確認された。特に、水環境電池ユニットBUを収容部12の底面12b付近に配置すると、ORP値の減衰率が非常に大きくなることを確認した。一方、上記のような台座内貯水空間を設けて水環境電池ユニットBUの高さ位置を上方位置とした場合、経時的なORP値の減衰率を大きく抑制することができ、具体的には、3日間はORP値が殆ど低下しないことを確認した。
なお、この場合の電池下端位置の高さ位置は、ある程度の給水量が要求される通常の使用状態では、収容部12の最大高さ(または最大水位WL)が300mmの容器10の場合は、収容部12の底面12bから約100mm〜約150mmの範囲内、即ち、収容部12の最大高さ(または最大水位WL)の約1/3〜約1/2の範囲内とすることが好ましい。要求される給水量が少なくい場合でも、電池下端位置の高さ位置は、少なくとも、収容部12の底面12bから約80mm〜約100mmの範囲内、即ち、収容部12の最大高さ(または最大水位WL)の約1/4〜約1/3の範囲内とすることが好ましい。即ち、一般的には、電池下端位置は、最大水位WLの約1/4〜1/2の高さ範囲内に設定する。また、この電池下端位置をより高い位置とすればするほど、電池作用水の貯蔵量が多くなって即座に飲用できる電池作用水の量が多くなり、より低い位置とすると、電池作用水の貯蔵量が少なくなって即座に電池作用水を補充する必要がある。また、容器10以外の異なる種類の容器を使用する場合でも、その取水口(本実施の形態の連通部21に相当する部材乃至部分)は、貯水空間の下端位置に配置し、当該貯水空間の下端位置から電池作用水を取水することが必須である。例えば、容器としては、本実施の形態のような水サーバー(水キーパー)型の容器以外に、ポット型、ピッチャー型等の容器を使用することもできるが、いずれの場合も、貯水空間の下端位置から電池作用水を取水することで、濃度の高い電池作用水を給水することができる。
<ケースの材質>
また、本実施の形態では、ケース40の収納部41のみならず、底壁42及び蓋部45も含めて全ての部材乃至部分をSUS製としたため、マグネシウム体51や亜鉛体71の上下端面でも電池反応が生起する。また、例えば、ケース40の側面に通水スリットを設けてこの通水スリットから原水を供給することも可能であるが、この場合、スリット部分に対応するマグネシウム体の周面が黒変する(酸化膜が形成される)可能性がある。しかし、本実施の形態では、ケース40の上端及び下端にのみ通水孔42a,45a及び通水スリット42b,45bを配設したため、特に、マグネシウム体51において主要な電池反応面となる外周面が黒変したり酸化したりすることがない。また、ケース40の上側の通水孔45a及び通水スリット45bは、ケース40内で電池反応により発生した酸素ガスが前記外側隙間空間等の水中を上昇したときに、当該酸素ガスをケース40の上端から外部に逃がす機能を果たし、これにより、酸素ガスがケース40内部に滞留して電池反応に影響を与えたり、マグネシウム体51の外周面上を酸素ガスが流動することで、その流動軌跡に沿ってマグネシウム体51の外周面に黒変(酸化膜)が形成されることを確実に防止することができる。
更に、本実施の形態では、内側金属体70を亜鉛体71により形成して、そのZnイオンを水中に溶出すると共に、外側金属体50のマグネシウム体51からMgイオンを水中に溶出する構成としているため、必須ミネラルであるMgイオン及びZnイオンの両者を摂取することが可能となる。
[ORP試験]
以下、本考案者らの行ったORP値の実証試験について説明する。
試験条件
容器:容積15Lの水キーパー使用
方法:容器内で生成された還元水素水の濃度分布を計測
検体:Mg単体からなるマグネシウム体を6個、ZnMg合金からなる亜鉛体を1個または2個、前記容器内の水中に浸漬
取水位置:
試験1:低位置での取水
試験2:低位置での取水
試験3:中間位置での取水
経時変化:いずれも24時間経過テスト
計測値:pHについては酸化膜による影響因子を除去した補正値を使用
1) 試験1
1回目の計測値 ORP:−187、pH:10.98、温度:9.5
2回目の計測値 ORP:−104、pH:10.86、温度:9.5
3回目の計測値 ORP: −24、pH:9.11、温度:9.5
2) 試験2
1回目の計測値 ORP:−153、pH:10.51、温度:9.5
2回目の計測値 ORP:−129、pH:10.29、温度:9.5
3回目の計測値 ORP: −13、pH:―、 温度:―
3) 試験3
1回目の計測値 ORP:−179、pH:10.73、温度:9.5
2回目の計測値 ORP:−165、pH:10.76、温度:9.5
3回目の計測値 ORP:−169、pH:10.78、温度:9.5
4回目の計測値 ORP:−154、pH:10.70、温度:9.5
[活性酸素除去能]
また、本実施の形態により生成した還元水素水は、放射能による体内での活性酸素生成による遺伝子への影響を抑制または低減できる可能性がある。即ち、放射能による人体への作用としては、公知のように、直接作用と間接作用とがあり、このうち、間接作用による影響の方が直接作用による影響よりも大きいとの知見もある。また、この間接作用は、概略的に説明すると、放射能が(外部被ばくまたは内部被ばくにより)人体組織に照射されることで、組織内の水分が化学的影響を受けて活性酸素種(水のラジカル)を生成し、この活性酸素種がDNAを損傷するというものである。しかし、本実施の形態により生成した還元水素水は、上記のとおり、水中の活性酸素を消去する能力を有しており、これは、還元水素水中の活性水素による作用効果として提案されている活性酸素の還元消去効果であると考えることもできる。この点から推察すると、体内に摂取された還元水素水が、体内で生成される活性酸素種を消去したり低減したりすることも十分に可能性がある。したがって、かかる見解からすると、本実施の形態により生成した還元水素水は、放射能による体内での活性酸素生成による遺伝子への影響を抑制または低減できる可能性がある。
[別例]
ところで、実施の形態1の水環境電池ユニットBUでは、内側金属体も、前記外側金属体50のマグネシウム体51と同様のマグネシウム体(Mg単体またはMg合金)から構成することもできる。この場合、水環境電池ユニットBUによる殺菌効果は、内側金属体として亜鉛体を使用した場合より小さくなる一方で、マグネシウム体による還元水素水生成効果は増大する。また、台座30の支持壁32の外周側には、上記構成の水環境電池ユニットBUを所定個数となるよう円環状の配置態様で配置する以外に、円柱状のマグネシウム体のみを円環状の配置態様で配置したり、円筒状のマグネシウム体の内部にSUS体を挿入したものを円環状の配置態様で配置することもできる。いずれの場合も、台座30の支持壁32の中心には、最外周側にSUS体を配置した水環境電池ユニット(上記水環境電池ユニットBU等)を配置すると共に、マグネシウム体に対向する収容部の内周面はSUS体で形成することが好ましい。この場合も、マグネシウム体の内外でSUS体が対向することになり、マグネシウム体と内外のSUS体の隙間間隔を上記電池作用を発生する所定隙間間隔範囲内に設定することで、上記と同様の電池作用を発生する。
実施の形態2
図5に示すように、実施の形態2の貯水型電池作用水生成装置は、ピッチャー型還元水生成装置に具体化されている。詳細には、ピッチャー型還元水生成装置は、ピッチャー状の容器100と、容器100内部に装着される水環境電池部材としての水環境電池ユニット150とを備えている。容器100は、外側容器部110の内部の上側半分に内側容器部120を配設する一方で、内側容器部120の下端中央に電池収容部130の上端を係止し、電池収容部130を外側容器部110の下側半分に配置すると共に、電池収容部130の上端開口を蓋部140により覆っている。電池収容部130内には水環境電池ユニット150が収容配置される。また、電池収容部130の底壁には複数の通水孔が形成されると共に、蓋部140にも複数の通水孔が形成されている。水環境電池ユニット150は、円筒状のSUS製の収容部151の内部に、円筒網状の樹脂製の外側間隔保持部材152、円筒状のマグネシウム体153、円筒網状の樹脂製の内側間隔保持部材154、及び、円筒状のSUS体155を同心状に配置し、かつ、それらの下端と収容部151の底壁の間に円盤網状の樹脂製の間隔保持部材156を介装し、更に、容器151の上端開口にSUS製のキャップ部157を装着したものである。収容部151の底壁及びキャップ部157には、それぞれ、複数の通水孔が形成されている。
実施の形態2のピッチャー型還元水生成装置では、容器100の蓋部115を開放して、内側容器部120の内部空間WS1に原水を充填すると、原水は、蓋部140の通水孔を介して電池収容部130内に進入し、キャップ部157の通水孔から収容部151内に進入し、収納部151、マグネシウム体153及びSUS体155のそれぞれの間の隙間空間に進入し、上記の機序により、電池作用水に変性される。その後、電池作用水は、電池収容部130の下端の通水孔から放出され、外側容器部110内部の(前記内側容器部120よりも)下側の空間WS2(本願書類中、「電池作用水貯留空間」ということがある。)に貯留される。このとき、水環境電池ユニット140の下端位置が、外側容器部110の電池作用水貯留空間WS2の下端位置から上方へと所定距離を置いた位置に配置されているため、実施の形態1で述べたように、安定した濃度の電池作用水の供給を行うことができる。なお、電池作用水は、容器100の注水口WPから外部に給水される。本実施の形態2においても、水環境電池ユニットBUの電池下端位置(及び、マグネシウム体等の金属体の下端位置)は、実施の形態1と同様の位置に設定することが好ましい。
実施の形態3
図6に示すように、実施の形態3の貯水型電池作用水生成装置は、脚部211により支持した容器212の上端開口から内部に注水して貯水し、容器212の上端開口を蓋部213により閉塞自在としている。また、容器212の上端付近位置には、通気孔を有する通気部214を配設すると共に、下端付近位置には、通水孔を有する吐水部215を配設している。なお、吐水部215は、図示しないコック等により注水・遮水自在であり、吐水部215を介して容器212の内部空間の貯水を給水自在である。更に、容器212の内部空間には、内外に通水自在な収容部としてのメッシュ状の袋内にマグネシウム切粉(Mg切粉)を充填した水環境電池部材221が収容して配置され、容器212内部に貯水したときに全体が浸漬されるようになっている。なお、このMg切粉は、Mg単体またはMg合金の形成時に付随的に得られる(従来は廃棄物とされている)薄片状のMgまたはMg合金である。ここで、図6に示すように、容器212の内部空間には、底面から上方に所定距離を置いた所定高さ位置に、棚部材216が、底面と平行となるよう水平に配設されて、その棚部材216の上に前記水環境電池部材221が載置して支持されている。棚部材216は、金属(ステンレス鋼や鉄鋼等)製の丸棒216aを縦横に並設配置して格子状に形成したものである。
実施の形態3では、水中の水環境電池部材221内部のMg切粉が、袋内部で浮遊してその大きな表面積で原水と接触し、上記と同様の電池反応を水中で発生し、原水を電池作用水(特に還元水素水)に変性する。このとき、水環境電池部材221をステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の丸棒からなる棚部材216が下方から対向して支持するため、水環境電池部材221内のMg切粉は、Mgに対して貴な金属となる棚部材216との間で良好な電池反応を生起する。また、容器212をSUS等のMgよりも貴な金属製とした場合、Mg切粉と容器212との間での電池反応も期待することができる。更に、Mg切粉をMg合金により形成した場合は、上記したミクロ電池作用により活発な電池作用水生成作用を行う。なお、水環境電池部材221で生成された電池作用水は、棚部材216の丸棒間の隙間から下方に円滑に流動し、吐水部215から外部に給水自在である。
ところで、実施の形態3では、水環境電池部材221は、容器212の内部空間の底面上に直接載置することもでき、この場合でも、少なくとも、水環境電池部材221が所定の高さを有するようにすれば、当該水環境電池部材221の上側範囲部分のMg切粉が、実施の形態1の場合と同様に、容器212内の水中において底面から所定高さ上方となる位置よりも上側に常に配置保持されるため、少なくとも当該上側範囲部分のMg切粉は、実施の形態1と同様の機序により、安定した電池作用を発生する。しかし、好ましくは、前記棚部材216を設ける等、実施の形態1の場合と同様、容器212の底面から所定高さ位置に水環境電池部材221の全体を保持することで、常に安定した濃度の電池作用水を生成するよう構成する。即ち、本実施の形態3においても、水環境電池部材221は、容器212の内部空間で所定の高さ範囲(実施の形態1の電池下端位置の高さ範囲と同様の範囲)よりも上側の範囲に少なくとも一部のMg切粉が配置されるよう、所定の容積及び外形寸法を有する構成とすることが好ましい。或いは、容器10の内部空間に、前記支持壁32と同様の電池支持部材を配設して、この電池支持部材に水環境電池部材221を配設するようにしてもよい。
実施の形態4
図7に示すように、実施の形態4の貯水型電池作用水生成装置は、浴槽等の大容積の容器311内の貯水Wに浸漬されるものであり、実施の形態3と同様のMg切粉を、内外に通水自在な収容部としてのメッシュ状の袋の内部に多数充填してなる水環境電池部材321を備えている。水環境電池部材321の外形は、例えば、直方体形状に類似した形状、例えば、枕形状とすることができる。また、水環境電池部材321は、実施の形態1及び3の場合と同様、容器311の貯水W中の底面から所定高さ位置に保持することで、常に安定した濃度の電池作用水を生成するよう構成することもできる。更に、本実施の形態4においても、水環境電池部材321は、容器311の内部空間(貯水W内)で所定の高さ範囲(実施の形態1の電池下端位置の高さ範囲と同様の範囲)よりも上側の範囲に少なくとも一部のMg切粉が配置されるよう、所定の容積及び外形寸法を有する構成とすることが好ましい。
具体的には、水環境電池部材321は、図7及び図8に示すステンレス鋼等の金属からなるケース状の収納部材330に収納して水中に配置されている。収容部材330は、収容部材330の底壁を構成するベース部331と、ベース部331に着脱自在に装着されて収容部材330の側壁及び頂壁を構成する収容部332とからなる。収容部332は、ベース部331の上面側に水密に装着されて、内部に水環境電池部材321用の収容空間を形成する。また、収容部332の側壁は、水環境電池部材321の外形(特に側面の輪郭形状)に対応する形状(例えば、矩形枠状)とされる一方、その頂壁は、中央を凹状として外周部を凸状とした形状である。更に、収容部332は、その頂壁の凸状部分に、周方向に沿って所定間隔で通気用及び通水用の複数の連通孔332aを形成すると共に、凹状部分を所定深さの凹部332bとしている。そして、収容部材330に水環境電池部材321を収容したとき、収容部332の凹部332bの内面(下面)が水環境電池部材321の上面に密接または近接して対向するよう、収容部332の高さ及び凹部332bの深さが設定されている。
実施の形態4の貯水型電池作用水生成装置は、原水中に浸漬されたときに、収容部材330の内部に連通孔332aを介して原水が流入して、収容部材330の内部空間に充満し、実施の形態3と同様にして、水中に浸漬された水環境電池部材321により電池作用水が生成される。このとき、収容部材330の内部空間は、連通孔332aを除いて外部から密閉されているため、外部の水位が低下したときでも、収容部材330の内部は満水状態を維持し、水環境電池部材321により常時電池反応を生起及び継続する。また、水環境電池部材321は、Mg切粉を袋内部に充填していることから、電池反応により発生した酸素等が袋内部に充満して水中で浮遊する可能性もあるが、実施の形態4では、水環境電池部材321をステンレス鋼等からなる収容部材330に収容しているため、水環境電池部材321は収容部材330内部に安定的に保持され、水中に浮遊することはない。また、水環境電池部材321の電池反応により発生した酸素等の空気は、その袋を通過して、最終的には収容部材330の連通孔332aから外部に空気抜きされる。なお、実施の形態4では、水環境電池部材321を浸漬する水の容積が(浴槽等の場合のように)大容積となることを想定しているため、水環境電池部材321の高さが(実施の形態3と比較して)低い場合でも、水中の下部に溶出する電池作用水によって当該下部の水の電池作用水濃度が過度に(即ち、水環境電池部材321による電池反応を大きく低下させるほど)高まることは通常ない。したがって、水環境電池部材321は、図7及び図8に示すような高さの低いブロック状とすることもできる。
ところで、実施の形態3及び実施の形態4の水環境電池部材221,321は、水中での電池反応を行うための金属反応体としてMg切粉を使用しているため、実施の形態1及び2の所定容積の中実体からなる金属体とは異なる機序で、電池反応が発生していると考えることもできる。即ち、多数のMg切粉を一定容積の密閉空間である袋の内部に充填した場合、袋の内部でMg切粉同士は完全に接触(密接)することはなく、Mg切粉の相互簡易有る程度の微小な隙間間隔が保持された状態で、Mg切粉が相互に近接配置されることになる。また、Mg切粉は、中実体と比較して飛躍的に大きな表面積で水(及び水中の溶存酸素)と接触し、電池反応を生起する。したがって、これらの要因により、Mg切粉は、中実体の金属体のようにSUS体等の貴な金属と対向させなくても、単体で、効果的に電池反応を発生しているものと考えられる。特に、Mg切粉をMg合金により形成した場合は、上記したミクロ電池反応により、非常に効率的な電池反応を生起していると考えられる。
かかるMg切粉による電池作用により、例えば、実施の形態4の水環境電池部材321を浴槽からなる容器311中の貯水Wとしての温水中に浸漬すると、内部のMg切粉が電池反応を生起し、貯水Wの原水を電池作用水に変性するが、本考案者らの実証実験によれば、このとき生成される電池作用水のpHは、pH9.5〜pH10.5の範囲内にあることが確認されている。そして、この範囲のpHは、いわゆる弱アルカリ性石鹸と同様のpH範囲にある。したがって、本実施の形態によれば、水環境電池部材321から溶出した電池作用水が温水中に均一に分散するが、この温水は上記pHを有することになる。そして、本考案者らの知見によれば、かかるpH範囲の温水に入浴すると、人間の皮膚に潤いを付与する美肌効果が発揮されることが確認されている。即ち、pH9.5〜10.5の弱アルカリ性せっけんは、人間の皮膚に存在する老廃物としての(老化した)角質や遊離脂肪酸、雑菌等を除去する一方、皮膚に必要な(老化前の)角質や皮脂や水分等は除去しないことが知られている。一方、かかるpH(9.5〜10.5)よりも高いpH範囲では、皮膚への浸透による角質層障害がおこりやすいと言われ、また、当該pHよりも低いpH範囲では、皮膚への浸透による脂肪溶解が起こりやすいと言われている。しかし、実施の形態4の水環境電池部材321により得られる水や温水は、上記pH範囲にあることから、かかる水や温水を使用して洗顔や洗髪や入浴等をすると、弱アルカリ性せっけんを使用した場合と同様に、皮膚表面の老化角質等を除去する一方で、弱酸性(pH4.5〜pH6.5)にある人間の皮膚をアルカリ側に一旦傾斜させるが、皮膚の脂腺から分泌される脂肪酸によって皮膚が本来の弱酸性に復帰するため、結果的に、新鮮な角質等が表面に露出し、かつ、弱酸性に復帰した滑らかな(滑々の)皮膚を得ることができる。また、このpH範囲の電池作用水は、ステンレスボトルや飲料容器等の容器内面に付着した茶渋等を除去する効果があり、かかる電池作用水を容器に注入することで、容器内面を容易に清浄化できることも、本発明者らは実証試験により確認している。また、水道水から生成した上記pH範囲の電池作用水は、カルキ臭がないことから、水道水中の塩素除去効果もあると考えられる。ここで、Mg切粉としては、Mgと水との反応による熱反応を抑制する観点から、厚みが約0.2mm以上のものを使用することが望ましい。なお、Mg切粉の幅や長さはcm単位とすることができる。
また、上記実施の形態1〜2では、マグネシウム体51等を収容する容器10内部のキャップ部45やマグネシウム体153等を収容する容器100内部の蓋部140により、容器10,100内部に水を補充する際の注水時に、原水がマグネシウム体51,153等に直接衝突することを確実に防止することができる。ここで、本考案者らの実証試験によれば、特にマグネシウム体に原水が直接衝突すると、原水に含有される酸素が過剰にマグネシウム体の表面に供給され、更には、原水衝突時に空気中の酸素が原水に巻込まれて同様にマグネシウム体の表面に供給され、マグネシウム体に過剰な酸素が短時間で供給されることにより、マグネシウム体に早期に酸化膜が形成されることが確認されている。よって、実施の形態1〜2では、かかる注水時のマグネシウム体への過剰な酸素供給を確実に防止する手段として、キャップ45や蓋部140を設けている。一方、実施の形態3〜4では、Mg切粉は内外で通水自在な収容部に収容されているため、やはり、この収容部が、容器への注水時のMg切粉への過剰な酸素供給を防止する手段を構成する。
更に、実施の形態1〜4では、いずれも、貯水の最下部の位置から、所定濃度の電池作用水を含有する変性後の機能水を容器外部に供給する一方、上記のように、この機能水は(電池作用水が比重により濃度の高いものから順に下方に移動することから)貯水の下方に行くほど電池作用水の濃度が高くなるため、結果的に、電池作用水の濃度が高い機能水から順番に外部に供給されることになる。また、機能水が外部に供給されるたびに、次に電池作用水の濃度の高い機能水が貯水中の下方に順に移動し、かつ、その間も、水環境電池部材により電池作用水の濃度が継続的に増大される。したがって、常に、最も電池作用水の濃度の高い機能水が外部に供給されることになる。即ち、本考案は、容器として、内部空間に水を貯留すると共に、前記内部空間の最下方部分と連通する外部への給水口を設けた容器を使用する。また、水環境電池部材として、前記容器の内部空間における最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置される上側部分を有する水環境電池部材を使用する。更に、前記水環境電池部材を、少なくとも、マグネシウム単体またはマグネシウム合金からなるマグネシウム体より構成し、前記水環境電池部材を前記電池支持部に配設したときに、前記水環境電池部材の少なくとも前記マグネシウム体のうち、前記水環境電池部材の前記上側部分に対応する当該マグネシウム体の上側部分が、前記容器の内部空間の前記最下方位置から前記所定高さだけ上方となる前記所定高さ位置に配置されるようにする。これにより、本考案は、前記容器内に原水を貯留することで前記水環境電池部材を前記原水中に浸漬し、当該原水を前記水環境電池部材により電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、前記容器の内部空間において前記水環境電池部材のマグネシウム体の上側部分よりも下側の空間に、前記電池作用水を最も濃度高く含有する機能水を貯留し、当該電池作用水を最も濃度高く含有する機能水から順番に前記給水口を介して外部に供給するようにしている。このように、本考案は、上記実施の形態1〜2のように容器の貯水空間の最下部の一定部分を電池作用に影響を与えない前記安定貯蔵空間とする構成とする以外に、容器の貯水空間の最下部の一定部分で電池作用に影響が生じするような構成を採用した場合でも、上記実施の形態3〜4のように、容器の最下部から外部に給水する構成とすることで、電池作用水の濃度の高い機能水から順番に外部に供給できるという特有の効果を発揮する。
10,100,151,212,311:容器
21:連通部(外部への給水口)
32:支持壁
41:収納部、42:底壁
50:外側金属体、51:マグネシウム体
60:中間金属体
70:内側金属体、71:亜鉛体
130:電池収容部の下端の通水孔(外部への給水口)
215:吐水部(外部への給水口)
221,321:水環境電池部材
WL:最大水位、WS,WS1,WS2:内部空間

Claims (8)

  1. 内部空間に水を貯留すると共に、前記内部空間の最下方部分と連通する外部への給水口を設けた容器と、
    前記容器の内部空間における最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置される上側部分を有する水環境電池部材とを備え、
    前記水環境電池部材を、少なくとも、マグネシウム単体またはマグネシウム合金からなるマグネシウム体より構成し、前記水環境電池部材を前記電池支持部に配設したときに、前記水環境電池部材の少なくとも前記マグネシウム体のうち、前記水環境電池部材の前記上側部分に対応する当該マグネシウム体の上側部分が、前記容器の内部空間の前記最下方位置から前記所定高さだけ上方となる前記所定高さ位置に配置されるようにし、
    前記容器内に原水を貯留することで前記水環境電池部材を前記原水中に浸漬し、当該原水を前記水環境電池部材により電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、前記容器の内部空間において前記水環境電池部材のマグネシウム体の上側部分よりも下側の空間に、前記電池作用水を最も濃度高く含有する機能水を貯留し、当該電池作用水を最も濃度高く含有する機能水から順番に前記給水口を介して外部に供給するようにしたことを特徴とする貯水型電池作用水生成装置。
  2. 内部空間に水を貯留すると共に、前記内部空間の最下方部分と連通する吐水口を設けた容器と、
    前記容器の内部空間における最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置される電池支持部と、
    前記電池支持部に配設される水環境電池部材とを備え、
    前記水環境電池部材を、少なくとも、マグネシウム単体またはマグネシウム合金からなるマグネシウム体より構成し、前記水環境電池部材を前記電池支持部に配設したときに、前記電池支持部の所定高さ位置に応じて、前記水環境電池部材の少なくとも前記マグネシウム体の下端位置が、前記容器の内部空間の前記最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置に配置されるようにし、
    前記容器内に原水を貯留することで前記水環境電池部材を前記原水中に浸漬し、当該原水を前記水環境電池部材により電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、前記容器の内部空間において前記水環境電池部材のマグネシウム体の下端位置よりも下側の空間により、前記電池作用水が前記水環境電池部材の電池作用に影響を与えない安定貯蔵空間を構成したことを特徴とする貯水型電池作用水生成装置。
  3. 前記マグネシウム体を前記マグネシウム単体または前記マグネシウム合金としてのマグネシウム亜鉛合金から形成すると共に、
    前記マグネシウム体を前記マグネシウム単体から形成する場合は、前記マグネシウム単体の主要表面に対向してステンレス鋼製の金属体を配置し、
    前記マグネシウム体を前記マグネシウム亜鉛合金から形成する場合は、マグネシウムに対する亜鉛の添加率を約0.5%〜約3%の範囲とする
    ことを特徴とする請求項1または2記載の貯水型電池作用水生成装置。
  4. 前記水環境電池部材は、
    前記マグネシウム体を筒状としてなる外側金属体と、
    前記外側金属体の外周面の全面に所定の均一な第1の隙間間隔を置いて対向するよう同軸状に配置されたステンレス鋼製の筒状の第1の金属体と、
    前記外側金属体の内周面の全面に所定の均一な第2の隙間間隔を置いて対向するよう同軸状に配置されたステンレス鋼製の筒状の第2の金属体と、
    前記第2の金属体の内周面の全面に所定の均一な第3の隙間間隔を置いて対向するよう同軸状に配置された亜鉛単体または亜鉛合金からなる筒状の亜鉛体を有する内側金属体とを含み、
    前記第1の隙間間隔及び前記第2の隙間間隔を前記第3の隙間間隔よりも大きな寸法に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の貯水型電池作用水生成装置。
  5. 前記第1の金属体及び前記第2の金属体の少なくとも一方は、表面全体を非研磨表面としていることを特徴とする請求項4記載の貯水型電池作用水生成装置。
  6. 前記電池支持部は、前記容器の前記所定高さ位置に水平に配設されて、前記容器の内部空間を上側空間と下側空間とに区画する支持壁からなり、
    前記水環境電池部材のマグネシウム体は、所定高さを有し、上側の所定高さ部分を前記支持壁から上方に突出させると共に、下側の所定部分を前記支持壁から下方に突出させることによりその下端が前記下端位置にくるようにしたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の貯水型電池作用水生成装置。
  7. 前記支持壁の所定高さ位置は、前記容器の内部空間の貯留される原水の最大水位に対して、約1/5〜約2/5の高さ範囲内に設定され、
    前記水環境電池部材のマグネシウム体の下端位置は、前記容器の内部空間に貯留される原水の最大水位に対して、約1/10〜約3/10の高さ範囲内に設定されることを特徴とする請求項6記載の貯水型電池作用水生成装置。
  8. 内部空間に水を貯留する容器と、
    内外に通水自在な収容部内に多数のマグネシウム切粉を充填した水環境電池部材とを備え、
    前記水環境電池部材の少なくとも上側の一部分が、前記容器の内部空間の最下方位置から所定高さだけ上方となる所定高さ位置よりも上側に配置されるよう、前記水環境電池部材の容積及び外形寸法を設定し、
    前記容器内に原水を貯留することで前記水環境電池部材を前記原水中に浸漬し、当該原水を前記水環境電池部材により電池作用水へと変性すると共に、少なくとも、前記容器の内部空間において、前記水環境電池部材の前記上側の一部分よりも下側の空間に、前記電池作用水を最も濃度高く含有する機能水を貯留するようにしたことを特徴とする貯水型電池作用水生成装置。
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