JP3172242U - 貯水型電池作用水生成装置 - Google Patents
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Description
図1、図2及び図5に示すように、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置100は、収容部110と蓋部120とからなる容器110,120と、容器の収容部110の内部に収容配置される水環境電池ユニット130とから構成される。容器の収容部110は、周壁111、頂壁112、段差部113、底壁114及び脚部115からなる。
周壁111は、所定直径(例えば、380mm)の短円筒状をなす。頂壁112は、周壁111の上端から半径方向の内側へと一体的に張り出し形成された所定幅の円形リング板状をなす。段差部113は、頂壁112の内端から半径方向内側へと一体的に張り出しされると共に、頂壁112よりも下方に所定の寸法だけ窪む段差状の円形リング板状をなす。段差部113の内端は、所定直径(例えば、260mm)の円形の収容開口113aを構成している。また、段差部113の幅方向の略中央位置には、小径の螺子孔113bが複数(図の例では合計4個)貫通形成されている。螺子孔113bは、段差部113の周方向に所定角度または等角度(90度間隔)で配置されている。底壁114は、周壁111の下端を閉塞する円盤状をなす。また、周壁111と頂壁112との境界部、及び、周壁111と底壁114との境界部は、それぞれ、容器の厚さ方向(周壁111の高さ方向)に湾曲する湾曲状となっており、底壁114から頂壁112までの高さは所定高さ(例えば、90mm)となっている。図3、図4及び図6に示すように、脚部115は、所定高さ(例えば、20mm)の円筒状または円柱状をなし、3個以上の複数個が、底壁114の外周縁部付近に所定間隔または等角度間隔で配設されている。図示の例では、4個の脚部115が90度間隔で底壁114から下方に延びるよう取り付けられている。また、底壁114の外周側の所定部位(中央部を除いた部位)には、脚部115以外の位置に、多数の小径の円形孔からなる通水孔114aが貫通形成されている。図示の例では、多数の水抜き穴114aからなる通水孔群は、全体として、花びら状の模様を描くよう配置されている。ここで、前記容器の収容部110は、全体が上記所定形状及び所定構造となるよう、所定のステンレス鋼(例えば、SUS304等)により一体形成されている。なお、前記脚部115は、ゴム等の電気的絶縁材料から形成されている。
容器の蓋部120は、円盤状の主部121の外周に、円形リング板状の縁部122を一体的に張り出し形成している。蓋部120の主部121は、収容部110の段差部113の内径である収容開口113aの直径と同一直径である。また、蓋部120の縁部122は、収容部110の段差部113の外径と同一直径である。縁部122の幅方向の略中央位置には、小径の挿通孔122a(図示略)が、前記段差部113の螺子孔113bと同一の複数(図の例では合計4個)貫通形成され、各縁部122の挿通孔には螺子等の締結具122aが装着されるようになっている。縁部122の挿通孔及び締結部122aは、縁部122の周方向に前記段差部113の螺子孔113bと同一の角度間隔で配置されている。一方、主部121の外周側の所定部位(中央部を除いた部位)には、多数の小径の円形孔からなる通水孔121aが貫通形成されている。図示の例では、多数の通水孔121aからなる通水孔群は、前記底壁114の多数の通水孔114aからなる通水孔群に対応して、全体として、花びら状の模様を描くよう配置されている。なお、蓋部120の主部121の通水孔121aと収容部110の底壁114の通水孔114aとを異なる態様及び配置で形成することも無論可能である。ここで、容器の蓋部120は、全体が上記所定形状及び所定構造となるよう、所定のステンレス鋼(例えば、SUS304等)により一体形成されている。
図8に示すように、水環境電池ユニット130は、電気的絶縁性の合成樹脂製材料からなる袋状をなす収納部131と、収納部131に収納される多数のマグネシウム体132とからなる。収納部131は、多数の小孔または微細な孔を有するメッシュ状をなし、内外で水を自由流通自在である。また、図示はしないが、収納部131は、線ファスナーにより開閉自在であり、線ファスナーを開放することで、内部に多数のマグネシウム体132を収容及び充填し、その後、線ファスナーを閉じることで、内部にマグネシウム体132を封入するようになっている。マグネシウム体132は、各々、パイプ状または円筒状をなし、マグネシウム100%のマグネシウム単体、または、主金属としてのマグネシウムに副金属としての亜鉛等の金属を添加したマグネシウム合金から形成される。即ち、マグネシウム体132は、前記ステンレス鋼からなる容器110,120に対して卑な金属となる金属材料から形成されている。また、マグネシウム体132は、例えば、直径10〜20mm(好ましくは15mm)、壁厚2〜3mm、軸長10〜20mm(好ましくは15mm)の円筒状とすることができ、このようなマグネシウム体132を収納部131に例えば500〜800個収納することができる。
ここで、マグネシウム体132をマグネシウム合金で形成する場合、かかるマグネシウム合金としては、マグネシウムに対してイオン化傾向が近接した金属、例えば、亜鉛(Zn)を所定の比率で添加したマグネシウム亜鉛合金(MgZn)や、マンガン(Mn)を所定の比率で添加したマグネシウムマンガン合金(MgMn)等を使用することができる。なお、MgZnを使用する場合、Mgに対するZnの添加率は、例えば、約0.5%〜約3%の範囲、好ましくは約0.5%〜約2%の範囲、更に好ましくは約0.5%〜約1%の範囲とする。
本考案者らは、SUS製の部材の表面を研磨した研磨表面(鏡面)とした場合、非研磨表面と比較して、部材表面への酸化膜生成が多くみられることを試験により確認している。これは、部材表面の表面粗度の大小に応じた塗れ性の大小によるものと考えられ、表面粗度を大きくして(部材表面を粗くして)塗れ性を大きくした方が、酸化膜抑制効果が高いとの知見を本考案者らは得ている。したがって、特に、電池反応においてマイナス(−)極となるマグネシウム体132を収容して、当該マグネシウム体132との電池反応でプラス(+)極として機能することが期待される容器110,120は、その表面を非研磨表面としたSUS製とすることも好ましい。
図9に示すように、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置は、収容部110の収容開口113aから水環境電池ユニット130を内部に収容した後、収容部110に蓋部120を螺子止めして組み立て、その後、浴槽200等の大容積の貯水環境内の貯水Wに浸漬して所定の位置に配置(浴槽の底面上に載置)される。このとき、容器の上側にある蓋部120の主部121の通水孔121a、及び、下側にある収容部110の底壁114の通水孔114aから、浴槽内の水(温水または冷水)が、容器110,120の内部に進入して、容器110,120内の水環境電池ユニット130の収納部131の内部に進入し、収納部131の内部の多数のマグネシウム体132間に充満し、かつ、円筒状をなす各マグネシウム体132の内部に充満する。すると、マグネシウム体132の内外の表面及び軸方向両端の端面で、水のみを媒介とした電池反応が生起し、マグネシウム体132からマグネシウムが完全なイオン化状態で溶出すると共に、電池反応による還元水素水生成反応を生起する。このとき、マグネシウム体132の表面での電池反応によりガス(酸素等)が発生し、収納部131内の水中を浮上するが、このガスは、収納部131のメッシュの孔から外部に放出され、最終的には、容器の蓋部120の通水孔121aから容器の外部に放出される。なお、このときの収納部131からのガスの放出を促進すべく(収納部131内にガスが滞留するのを防止すべく)、収納部131のメッシュの孔径を大きくすることが好ましい。即ち、収納部131のメッシュの孔径は、少なくとも、ガスを外部に円滑に放出できる大きさとするが、収納部131内部にマグネシウム体132を離脱不能に保持できる限りにおいて、収納部131に相当程度大きなガス抜き用の開口を別途形成することもできる。
上記使用状態の容器110,120では、主には、水環境電池ユニット130の収納部131内部のマグネシウム体132の各々の表面で、当該マグネシウム体132自体の電池反応が生起する。特に、マグネシウム体132を上記(イオン化傾向の近接した異種金属を合金化した)マグネシウム合金により形成した場合は、マグネシウム体132の表面での(異種金属の原子配列が乱れることによる)ミクロ電池反応により、マグネシウム体132自体で活発な電池反応が生起する。具体的には、マグネシウム体132が、Mg合金により形成されている場合、例えば、MgZn合金より形成されている場合は、マグネシウム体132の表面自体において、Mg原子及びZn原子の原子配列が乱れることにより、無数の(+)極と(−)極とがランダムに形成され、マグネシウム体51の周囲の水と当該水中の溶存酸素とによって、ミクロ電池が時間と共に消滅と形成とを位置を替えて繰り返すことで、次々とミクロ電池による電池作用を生起する。また、容器110,120の底壁114や周壁111や頂壁112の近傍に位置するマグネシウム体132と当該底壁114や周壁111や頂壁112との間でも、異種金属であるマグネシウム体132と容器110,120のステンレス鋼との間で電池反応が活発に生起する。
上記マグネシウム体132による電池作用により、例えば、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置100を浴槽200中の貯水Wとしての温水中に浸漬すると、容器内部の水環境電池ユニット130の多数のマグネシウム体132が、それぞれ電池反応を生起し、貯水Wの原水を電池作用水に変性するが、本考案者らの実証実験によれば、このとき生成される電池作用水のpHは、pH9.5〜pH10.5の範囲内にあることが確認されている。そして、この範囲のpHは、いわゆる弱アルカリ性石鹸と同様のpH範囲にある。したがって、本実施の形態によれば、マグネシウム体132から溶出した電池作用水が温水中に均一に分散するが、この温水は上記pHを有することになる。そして、本考案者らの知見によれば、かかるpH範囲の温水に入浴すると、人間の皮膚に潤いを付与する美肌効果が発揮されることが確認されている。即ち、pH9.5〜10.5の弱アルカリ性せっけんは、人間の皮膚に存在する老廃物としての(老化した)角質や遊離脂肪酸、雑菌等を除去する一方、皮膚に必要な(老化前の)角質や皮脂や水分等は除去しないことが知られている。一方、かかるpH(9.5〜10.5)よりも高いpH範囲では、皮膚への浸透による角質層障害がおこりやすいと言われ、また、当該pHよりも低いpH範囲では、皮膚への浸透による脂肪溶解が起こりやすいと言われている。しかし、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置100により得られる水や温水は、上記pH範囲にあることから、かかる水や温水を使用して洗顔や洗髪や入浴等をすると、弱アルカリ性せっけんを使用した場合と同様に、皮膚表面の老化角質等を除去する一方で、弱酸性(pH4.5〜pH6.5)にある人間の皮膚をアルカリ側に一旦傾斜させるが、皮膚の脂腺から分泌される脂肪酸によって皮膚が本来の弱酸性に復帰するため、結果的に、新鮮な角質等が表面に露出し、かつ、弱酸性に復帰した滑らかな(滑々の)皮膚を得ることができる。また、このpH範囲の電池作用水は、ステンレスボトルや飲料容器等の容器内面に付着した茶渋等を除去する効果があり、かかる電池作用水を容器に注入することで、容器内面を容易に清浄化できることも、本発明者らは実証試験により確認している。また、水道水から生成した上記pH範囲の電池作用水は、カルキ臭がないことから、水道水中の塩素除去効果もあると考えられる。
図10に示すように、実施の形態2の貯水型電池作用水生成装置は、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置が水環境電池ユニット130の収納部131の内部に多数の円筒状のマグネシウム体132を収容及び充填するのに対し、水環境電池ユニット130Aが、収納部131の内部に多数の円柱状のマグネシウム体132Aを収容及び充填した点で実施の形態1と異なる。実施の形態2のその他の構成は、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置と同様である。なお、マグネシウム体132Aの直径や軸長や充填個数は、マグネシウム体132と同様とすることができる。実施の形態2の貯水型電池作用水生成装置も、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置と同様に使用され、同様の作用効果を発揮する。
図11に示すように、実施の形態3の貯水型電池作用水生成装置は、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置が容器の収容部110の底壁114に通水孔114aを形成するのに対し、容器110の底壁114Aを通水孔が全く形成されない閉塞板状とした点で実施の形態1と異なる。実施の形態3のその他の構成は、実施の形態1の貯水型電池作用水生成装置と同様である。実施の形態3では、容器110,120の内部空間は、底壁114が閉塞板状をなし、蓋部120の通水孔121aを除いて外部から密閉されているため、容器110,120の外部の水位が低下したときでも、容器110,120の内部は満水状態を維持し、水環境電池ユニット130により常に安定した電池反応を生起及び継続することができる。
図示はしないが、本発明の貯水型電池作用水生成装置100では、上記水環境電池ユニット130において、円筒状のマグネシウム132や円柱状のマグネシウム体132Aの代わりに、マグネシウム単体やマグネシウム合金を切削加工等した際に発生する薄片状またはフォイル状の切粉(以下、「Mg切粉」)を、別例に係るマグネシウム体として、内外に通水自在な収容部としてのメッシュ状の袋である上記収納部131の内部に多数充填してもよい。なお、このマグネシウム体としてのMg切粉は、Mg単体またはMg合金の形成時に付随的に得られる(従来は廃棄物とされている)薄片状のMgまたはMg合金である。
ところで、本発明の貯水型電池作用水生成装置は、多数のマグネシウム体132,132A(またはMg切粉)が、容器110,120の内部において最大限容器110,120の内部高さに相当する高さまで積層されるため、これらの積層状の多数のマグネシウム体群のうちの上側の所定高さ部分は、貯水W中の底面から所定高さ位置に保持されることになり、常に安定した濃度の電池作用水を生成することができる。即ち、上記電池作用水は、比重が大きいため貯水W中の下部から順に濃度の高いものが充満するが、電池作用水の濃度が一定以上となると、その大きな濃度部分の水中では上記電池反応が抑制される(極端な場合は、電池反応が殆ど生起しない)ことが本考案者らにより確認されている。したがって、かかる大きな濃度部分となる貯水Wの所定高さを超える範囲に、前記マグネシウム体群の一部(上部)が配置されるように、前記マグネシウム体群の全体の積層状態、即ち、マグネシウム体132,132Aの充填量(全体の個数)やMg切粉の充填量と収納部131の収納容積とにより決定されるマグネシウム体群の高さを設定することで、少なくともマグネシウム体群の一部(上部)から、常に、安定して継続的に電池作用水を生成することができる。なお、Mg切粉としては、Mgと水との反応による熱反応を抑制する観点から、厚みが約0.2mm以上のものを使用することが望ましい。なお、Mg切粉の幅や長さはcm単位とすることができる。
114a:通水孔(収容部の通水孔)、121a:通水孔(蓋部の通水孔)
130:水環境電池ユニット、131:収納部、132,132A:マグネシウム体
200:浴槽(貯水環境)、W:貯水
Claims (5)
- 内部に所定の収容空間を有すると共に、外部の水を前記収容空間との間で流通自在な容器と、
前記容器の収容空間に収容される水環境電池ユニットとを備え、
前記水環境電池ユニットは、多数のマグネシウム体と、前記多数のマグネシウム体を離脱不能に収納する電気的絶縁性の材料からなる袋状をなす収納部とを含み、
水環境としての貯水中に前記容器を浸漬し、前記貯水中の水を前記水環境電池ユニットのマグネシウム体により電池作用水へと変性するようにしたことを特徴とする貯水型電池作用水生成装置。 - 前記容器は、全体がステンレス鋼からなり、
前記水環境電池ユニットのマグネシウム体の各々は、主金属としてのマグネシウムに対して、当該マグネシウムとイオン化傾向が近接すると共に前記容器のステンレス鋼に対して卑な金属となる所定の副金属を添加してなるマグネシウム合金からなり、
前記水環境としての貯水中に前記容器を浸漬したときに、前記貯水中の水を前記水環境電池ユニットのマグネシウム体により、前記貯水中の水のpHが9.5〜10.5の範囲内となるように当該貯水中の水を変性するようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯水型電池作用水生成装置。 - 前記水環境電池ユニットのマグネシウム体の各々は、軸方向両端を開口した筒状をなすことを特徴とする請求項2記載の貯水型電池作用水生成装置。
- 前記マグネシウム体を、主金属としてのマグネシウムに副金属としての亜鉛を添加してなるマグネシウム亜鉛合金から形成すると共に、
前記マグネシウム亜鉛合金から形成した前記マグネシウム体は、前記マグネシウムに対する前記亜鉛の添加率を約0.5%〜約3%の範囲としたことを特徴とする請求項2または3記載の貯水型電池作用水生成装置。 - 前記容器は、上側の壁と下側の壁とに、それぞれ、通水孔を形成したものである請求項1乃至4のいずれか1項記載の貯水型電池作用水生成装置。
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JP2021092346A (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 | 株式会社振研 | クーリングタワーの冷却水のスケール発生を抑制する方法 |
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