JP3170623B2 - 水性造膜性分散液 - Google Patents

水性造膜性分散液

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JP3170623B2
JP3170623B2 JP00741397A JP741397A JP3170623B2 JP 3170623 B2 JP3170623 B2 JP 3170623B2 JP 00741397 A JP00741397 A JP 00741397A JP 741397 A JP741397 A JP 741397A JP 3170623 B2 JP3170623 B2 JP 3170623B2
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forming dispersion
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性の程度が加
減できる水性造膜性分散液、特に、界面活性剤と増粘剤
(被覆剤)が分散した有機溶媒を含む水性造膜性分散液
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、紙や布などの基材表面に塗布される分散液とし
て、例えば、所定粒径のカルボキシメチルセルロース
(CMC)を分散した塗工液がある〔特開平8−176994
号参照〕。 すなわち、この従来技術によれば、塗工液
に保水性と流動性を付与するCMCの性質に着眼し、所
定粒径のCMCを特定割合で配合することで、改善され
た保水性と分散性を備えた紙用塗工液を得ようとするも
のである。 しかしながら、このCMCを利用した塗工
液は、造膜性が乏しく、経時的に保水性が低下するな
ど、満足のゆく皮膜性能が紙に付与できなかった。 C
MCの他に、ポリアクリル酸やメタクリル酸を用いた塗
工液も考案されているが、これらの塗工液においても同
様の問題点が認められている。
【0003】以上のことから、紙や布などの基材表面上
に改善された性能を有する皮膜を形成できる分散液の開
発が強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み、塗工用分散液の皮膜性能を改善するために塗工液
の組成改良に関して鋭意研究を行い、本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明の要旨とすると
ころは、界面活性剤と増粘剤(被覆剤)からなるポリマ
ーが分散した有機溶媒(希釈剤)を含む水性造膜性分散
液にある。
【0005】この構成により、本発明の水性造膜性分散
液によれば、従来の塗工液では認められなかった優れた
造膜性と耐水性を備えた皮膜が形成できる。
【0006】また、本発明の水性造膜性分散液から形成
された皮膜は、有機溶媒が揮発した後に界面活性剤(洗
浄成分)が皮膜中に保持されて残存するため、皮膜自体
が洗浄剤として機能し、よって、所望の基材表面上に洗
浄成分を保持するための最適な手段が提供されることに
なる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の水性造膜性分散液は、有
機溶媒を主成分とする分散媒に界面活性剤と増粘剤(被
覆剤)からなるポリマーが分散したものであり、有機溶
媒(希釈剤)と増粘剤の混合比率は、良好な混和性と分
散液の良好な造膜性を得る上で、有機溶媒:増粘剤=8
0:1〜30:1、好ましくは、60:1〜30:1の重量比
率に調整する。
【0008】本発明の水性造膜性分散液を構成するポリ
マーとして、最終製品である分散液に良好な分散性を付
与する観点から、5μm〜3000μm、好ましくは、 400
μm〜1000μmの平均粒子径、また、1000〜500000、好
ましくは、 10000〜400000の平均分子量を有するポリマ
ーを用いる。
【0009】また、本発明の水性造膜性分散液を構成す
る有機溶媒(希釈剤)としては、ハロゲン化炭化水素、
多価アルコール誘導体、アルコール、ケトン、アルデヒ
ド、炭化水素、セロソルブ、塩化物混合溶剤、メタノー
ル/エチレンブロマイド混合溶液など、具体的には、塩
化メチレン、クロロホルム、グリコールエーテル類(エ
チレン系グリコールエーテルおよびアセテート類、プロ
ピレングリコールターシャルブチルエーテルやプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピ
レングリコールエーテル及びアセテート類)、アセト
ン、トルエン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミドベンジルア
ルコール、エチレンクロルヒドリン、ピリジンアニリ
ン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリ
セリンなどがある。
【0010】一方、本発明の水性造膜性分散液の分散質
を構成する界面活性剤および増粘剤(被覆剤)に関し
て、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニ
オン系界面活性剤あるいは両性界面活性剤のいずれでも
適用可能であり、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、高級アルコール系アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルエーテル硫酸、ラウリルスルホ酢酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、ラウロイルサルコシン塩、ミリス
イルサルコシン塩、プロニック型界面活性剤、ポリエ
チレングリコール、ショ糖脂肪酸エステルなどがある。
【0011】また、増粘剤(被覆剤)としては増粘多
糖類、ガム類、セルロース誘導体などが適用可能であ
り、例えば、澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、
カゼイン、ゼラチン、ベントナイト、タラガム、グアガ
ム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ポリビニ
ルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロー
ス、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ースなどが使用できる。これら増粘剤(被覆剤)は単体
での使用は勿論、これら単体のいくつかを含んだ混合物
も使用できるが、特に、セルロース誘導体の単独使用あ
るいはセルロース誘導体を含んだ混合物によれば、所望
の性状を有する水性造膜性分散液が得やすいので好まし
い。
【0012】次に、上記界面活性剤および増粘剤の使用
量としては、分散液全量に対して下記の範囲の量を選択
する。すなわち、界面活性剤 : 0.1〜30重量%、好ましくは3〜9重量
%、 増粘剤:0.01〜20重量%、好ましくは 0.5〜 4.0重量
%、とする。
【0013】界面活性剤の量が 0.1重量%より少なくな
ると、洗浄力ならびに泡立ち機能が低下し、また、界面
活性剤の量が30重量%を超えると、泡の発生が顕著にな
り環境への悪影響が懸念されるため、上記範囲が選択さ
れた。 同様に、増粘剤の量が0.01重量%より少なくな
ると、分散液の耐磨耗性の機能と安定性が低下し、ま
た、増粘剤の量が20重量%を超えると、塗工を施した紙
の強度が大きくなり皮膜にクラックが発生しやすくなる
上に、粘度が過度に大きくなり製造ライン上での塗工が
難しくなることから、上記増粘剤の範囲が選択された。
【0014】さらに、本発明の分散液には、最終製品の
用途等を考慮して、必要に応じて、顔料、保水剤、分散
剤、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、離型剤、染料、油、樹
脂、香料、抗菌剤を任意に加えることができる。 代表
的なものとして、顔料として酸化チタン、カーボンブラ
ック、ジスアロイエロー類、フタロシアニンブルー、RE
MAZOL TURQ BLUE;保水剤としてポリリン酸カリウム;
防腐剤として安息香酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息
香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル:分散剤と
してポリアクリル酸ソーダ、ポリリン酸ナトリウム;耐
水化剤、離型剤としてフッ素、シリコン;油としてイソ
プロピルソルベント、ナフサ、テレピン油;および、樹
脂としてウレタン樹脂などをさらに添加して使用でき
る。
【0015】また、製造コストを抑制する目的で、増量
剤として炭酸カルシウム、ボウ硝を添加することも可能
である。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例に沿って具体的に説明
するが、これら実施例の開示に基づいて本願発明が限定
的に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0017】実施例1〜8:水性造膜性分散液の調製実施例1〕エチルアルコール 108mlに、ラウリルスル
ホ酢酸ナトリウム 11.42gとスルファミン酸ナトリウム
0.02gを攪拌しながら添加して、分散させた。 次に、
この分散液にヒドロキシプロピルセルロース2.86gを添
加し、1000rpm で、30〜50分間攪拌した (スーパーデジ
タル攪拌機:株式会社井内盛栄堂)。
【0018】なお、ヒドロキシプロピルセルロースの塊
状物、特に半膨潤性の塊状物の生成を防ぐために、微細
なヒドロキシプロピルセルロース(白色粉体)の選別を
兼ねて、ヒドロキシプロピルセルロースは篩に通しなが
ら添加した(以下の実施例/比較例においても同様)。
【0019】なお、前述した本実施例で用いた材料の詳
細を、以下の表1にまとめた。
【0020】
【表1】
【0021】本実施例で得られた分散液の性状は、以下
の通りであった。
【0022】粘度:1000〜3000cps(B型粘度計No.3ロー
ター〔BL形式:株式会社東京計器〕;60rpm) 不揮発分:14.3 W/W% ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000 〔実施例2〕エチルアルコール78.38ml に、ラウリルス
ルホ酢酸ナトリウム9.00gとスルファミン酸ナトリウム
0.01gを攪拌しながら添加して、分散せしめた。 次
に、この分散液にヒドロキシプロピルセルロース1.00g
を添加し、1000rpm で30〜50分間攪拌した (スーパーデ
ジタル攪拌機:株式会社井内盛栄堂)。 次に、この分
散液に対して炭酸カルシウム 27.99gの添加・攪拌を行
い、目的とする分散液を得た。
【0023】なお、前述した本実施例で用いた材料の詳
細を、以下の表2にまとめた。
【0024】
【表2】
【0025】本実施例で得られた分散液の性状は、以下
の通りであった。
【0026】粘度:1800〜3000cps(B型粘度計No.3ロー
ター〔BL形式:株式会社東京計器〕;60rpm) 不揮発分:38.0 W/W% ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000 〔実施例3〕プロピレングリコールターシャリーブチル
エーテル59.63ml に、ヒドロキシプロピルセルロース2.
20gを添加し、1000rpm で、30〜50分間攪拌した (スー
パーデジタル攪拌機:株式会社井内盛栄堂)。 次に、
この分散液に、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム6.00gと
炭酸カルシウム 24.80gを添加し、均一に混合できるま
で攪拌した。 そして、最後にエチルアルコール18.96m
l を添加し、同様に、均一に混合できるまで攪拌した。
なお、前述した本実施例で用いた材料の詳細を、以下
の表3にまとめた。
【0027】
【表3】
【0028】本実施例で得られた分散液の性状は、以下
の通りであった。
【0029】粘度:約5000cps(B型粘度計No.3ローター
〔BL形式:株式会社東京計器〕;60rpm) 不揮発分:33.0 W/W% ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000 〔実施例4〕プロピレングリコールターシャリーブチル
エーテル 48.17mlに、ヒドロキシプロピルセル
ロース 2.2gを篩にかけながら添加し、1000rpm で、20
〜30分間攪拌した (スーパーデジタル攪拌機:株式会社
井内盛栄堂)。 そして、エチルアルコール 18.96mlを
加えて、さらに20〜30分間攪拌した。 次に、この分散
液に、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム6.00gと炭酸カル
シウム 24.80gを添加し、均一に混合できるまで攪拌し
た。 そして、最後に、イソプロピルアルコール 12.74
mlを添加し、同様に、均一に混合できるまで攪拌し、目
的とする分散液を得た。なお、前述した本実施例で用い
た材料の詳細を、以下の表4にまとめた。
【0030】
【表4】
【0031】本実施例で得られた分散液の性状は、以下
の通りであった。
【0032】粘度:約4000cps(B型粘度計No.3ローター
〔BL形式:株式会社東京計器〕;60rpm) 不揮発分:33.0 W/W% ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000 〔実施例5〕プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート 39.26mlに、ヒドロキシプロピルセルロース
2.20gを添加した。 次に、この分散液に、プロピレン
グリコールターシャリーブチルエーテル 11.47mlを添加
し、1000rpm で、約45分間攪拌した (スーパーデジタル
攪拌機:株式会社井内盛栄堂)。 次いで、エチルアル
コール12.01ml を添加し、次いで、ラウリルスルホ酢酸
ナトリウム9.00gと炭酸カルシウム 21.80gを添加し、
均一に混合できるまで攪拌した。 そして、最後に、エ
チルアルコール12.01ml を添加し、同様に、均一に混合
できるまで攪拌し、目的とする分散液を得た。
【0033】なお、前述した本実施例で用いた材料の詳
細を、以下の表5にまとめた。
【0034】
【表5】
【0035】本実施例で得られた分散液の性状は、以下
の通りであった。
【0036】粘度:約5000cps (B型粘度計No.3ローター〔BL形式:株式会社東京計
器〕;6rpm) 不揮発分:33.0 W/W% ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】〔実施例7〕 エチルアルコール113.61mlに、架橋型ポリアクリル酸ナ
トリウム0.16gを、次に、ヒドロキシプロピルセルロー
ス1.80gを添加した。 そして、直鎖アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム8.00gを、次いで、スルファミン
酸0.17gを添加し、均一に混合できるまで攪拌 (スーパ
ーデジタル攪拌機:株式会社井内盛栄堂)し、目的とす
る分散液を得た。
【0041】なお、前述した本実施例で用いた材料の詳
細を、以下の表7にまとめた。
【0042】
【表7】
【0043】本実施例で得られた分散液の性状は、以下
の通りであった。
【0044】粘度:約1200cps (B型粘度計No.3ローター〔BL形式:株式会社東京計
器〕;6rpm) 不揮発分:10.13 W/W % ヒドロキシプロピルセルロースの平均粒子径: 500〜 9
00μm ヒドロキシプロピルセルロースの平均分子量: 55000〜
70000 ポリアクリル酸ナトリウムの平均粒子径:60〜 200μm
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】比較例1〜3:水性造膜性分散液の調製比較例1〕 蒸留水 26.64mlに、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム1.62gを篩にかけながら添加し、1000rpm で、30〜
50分攪拌 (スーパーデジタル攪拌機:株式会社井内盛栄
堂)して第一調製液を得た。
【0050】一方、エチルアルコール 37.93mlに、ラウ
リル硫酸ナトリウム 40.40g添加し、そして、3-メトキ
シ-3- メチル-1- ブタノール 1.08ml 、クエン酸0.18g
および重曹0.16gをさらに加えて第二調製液を得た。
【0051】最後に、第一調製液に第二調製液を加え
て、均一になるまで攪拌して、分散液を得た。
【0052】なお、前述した本比較例で用いた材料の詳
細を、以下の表9にまとめた。
【0053】
【表9】
【0054】本比較例で得られた分散液は、調製後2日
目にして分散液が完全に分離してしまい、均質な膨潤は
困難であった。 また、耐磨耗性も認められなかった。
【0055】なお、本比較例で得られた分散液の性状
は、以下の通りであった。
【0056】粘度:約 400〜 500cps(B型粘度計No.3ロ
ーター〔BL形式:株式会社東京計器〕;6rpm) 不揮発分:42.36 W/W % ポリマーの平均粒子径: 180〜1000μm ポリマーの平均分子量: 27000〜 33000 〔比較例2〕グリセリン 32.47mlにヒドロキシプロピル
セルロース1.00gを篩にかけながら添加し、均一に分散
するまで、1000rpm で、攪拌 (スーパーデジタル攪拌
機:株式会社井内盛栄堂)した。 そして、エチルアル
コール 25.28mlを加え、同攪拌機で、1000rpm で30〜50
分攪拌した。 次に、硫化ナトリウム 14.00g、直鎖ア
ルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム5.00g、および
エチルアルコール 25.28mlを添加して、均一になるまで
同攪拌機で均一になるまで攪拌して、分散液を得た。
なお、前述した本比較例で用いた材料の詳細を、以下の
表10にまとめた。
【0057】
【表10】
【0058】本比較例で得られた分散液は、低粘度(約
200cps) ではあるが、ベタツキ感が残る難点があた。
【0059】なお、本比較例で得られた分散液の性状
は、以下の通りであった。
【0060】粘度:約 200cps(B型粘度計No.3ローター
〔BL形式:株式会社東京計器〕;6rpm) 不揮発分:20.00 W/W % ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000 〔比較例3〕エチルアルコール 47.41mlに、ヒドロキシ
プロピルセルロース 30.00gを添加し、1000rpm で、30
〜50分攪拌 (スーパーデジタル攪拌機:株式会社井内盛
栄堂)した。 次に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム 20.00gを加え、同攪拌機によって、均一に
分散するまで攪拌した。 最後に、エチルアルコール1
5.8mlを加え、均一に分散するまで攪拌して、分散液を
得た。
【0061】なお、前述した本比較例で用いた材料の詳
細を、以下の表11にまとめた。
【0062】
【表11】
【0063】本比較例で得られた分散液は、粘度 (20,0
00cps)が非常に高く、塗工ができなかった。
【0064】なお、本比較例で得られた分散液の性状
は、以下の通りであった。
【0065】粘度:約 20000ps(B型粘度計No.3ロータ
ー〔BL形式:株式会社東京計器〕;6rpm) 不揮発分:50.00 W/W % ポリマーの平均粒子径: 500〜 900μm ポリマーの平均分子量:110000〜150000実施例9:水性造膜性分散液の調製 実施例1〜8ならびに比較例1〜3で得られた分散液に
より形成される皮膜の性状を検討した。
【0066】すなわち、各実施例および比較例で得られ
た分散液を、ポリビニルアルコールをバインダーとした
200cm2の水解紙(60g/m2) に、20g/m2以上の目付量
で塗工し、水に水解紙を浸しながら、摩擦を負荷して、
水解紙が破れるまでに要した時間を測定した。
【0067】その結果を、以下の表12にまとめた。 表
中、30秒以内で水解紙が破れた事例を「不良」、そし
て、30秒を超える時間を要して水解紙が破れた事例を
「良好」と判断した。
【0068】
【表12】
【0069】表12に記載の結果から明らかなように、本
発明の分散液によって好適な強度の皮膜が形成され、本
発明の分散液が、水解紙の強度改善に寄与していること
が明らかとなった。
【0070】
【発明の効果】本発明により、所期の目的であった優れ
た造膜性と耐水性を備えた皮膜を形成する水性造膜性分
散液が実現された。
【0071】また、本発明の水性造膜性分散液によれ
ば、皮膜の水溶性ならびに浸水可能時間が、皮膜組成の
調整および/または分散液の塗工量に応じて任意に調節
できる。 さらに、本発明の水性造膜性分散液から形成
された皮膜は、有機溶媒が揮発した後に分散質が皮膜中
に保持されて残存するため、基材表面上に所望の有効成
分を分散質として塗工・保持するための最適な手段とし
て機能し、洗浄剤、薬剤、塗料などの有効な塗布手段と
しての応用が期待できるなど、幾多もの優れた作用効果
を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 129/04 C09D 129/04 189/02 189/02 D06M 15/05 D06M 15/05 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 2001/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤と増粘剤が分散した有機溶媒
    を含む水性造膜性分散液であって、上記増粘剤が澱粉、
    デキストリン、アルギン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチ
    ン、ベントナイト、タラガム、グアガム、キサンタンガ
    ム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、エ
    チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
    ス、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシ
    セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びこれ
    らの混合物からなるグループから選択されるものであ
    り、有機溶媒と増粘剤の混合比率が有機溶媒:増粘剤=
    60:1〜30:1(重量比率)であり、さらに界面活性剤
    を0.1〜30重量%及び増粘剤を0.01〜20重量%の割合で
    含むことを特徴とする水性造膜性分散液。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が、塩化メチレン、クロロホル
    ム、アセトン、トルエン、メチルセロソルブ、エチルセ
    ロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、
    ベンジルアルコール、エチレンクロルヒドリン、ピリジ
    ン、アニリン、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
    ール、プロピレングリコールターシャルブチルエーテ
    ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
    ト、メタノール/エチレンブロマイド混合溶液、グリセ
    リン及びこれらの混合物からなるグループから選択され
    る請求項1記載の水性造膜性分散液。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が 、アニオン系界面活性剤、
    ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤およびこれらの
    混合物からなるグループから選択される請求項1または
    2に記載の水性造膜性分散液。
  4. 【請求項4】 界面活性剤が 、直鎖アルキルベンゼンス
    ルホン酸塩、高級アルコール系アルキル硫酸エステル
    塩、アルキルエーテル硫酸、ラウリルスルホ酢酸塩、α
    −オレフィンスルホン酸塩、ラウロイルサルコシン塩、
    ミリストイルサルコシン塩、プロニック型界面活性剤、
    ポリエチレングリコール、あるいはショ糖脂肪酸エステ
    ルである請求項3に記載の水性造膜性分散液。
JP00741397A 1997-01-20 1997-01-20 水性造膜性分散液 Expired - Lifetime JP3170623B2 (ja)

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