JP3170342B2 - 面状暖房装置 - Google Patents

面状暖房装置

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JP3170342B2
JP3170342B2 JP11199492A JP11199492A JP3170342B2 JP 3170342 B2 JP3170342 B2 JP 3170342B2 JP 11199492 A JP11199492 A JP 11199492A JP 11199492 A JP11199492 A JP 11199492A JP 3170342 B2 JP3170342 B2 JP 3170342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気カーペットなどの
面状暖房装置に関し、特に面状暖房装置の上にカバーを
敷く可能性のあるものにおける温度制御に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気カーペット等の面状暖房装置で温度
制御を行う場合、特開昭62−19917号公報等に示
されているように、リレーを用いてカーペット本体内に
設けられた発熱体への電源の供給を制御(供給及び供給
停止)して発熱体の発熱量を調整するいわゆるオン,オ
フ制御が一般的に実施されている。このようなオン,オ
フ制御には種々の方式があるが、原理的には、発熱体の
温度を例えば負特性サーミスタなどの温度検出素子で検
出し、発熱体の温度が所定温度まで温度上昇すれば、リ
レーをオフして発熱体の発熱を止め、発熱体の温度が所
定温度以下に低下すれば、再びリレーをオンして発熱体
を発熱させ、面状暖房装置を所定温度に保つようになっ
ている。なお、一般的には上記所定温度は可変設定自在
として、好みの温度に調節できるようにしてある。な
お、以下の説明は面状暖房装置が電気カーペットである
場合について行う。
【0003】図13に上記オン,オフ制御型の電気カー
ペットの温度制御を行う制御ユニットの回路構成を示
す。この電気カーペットの場合には、発熱体として例え
ば発熱線H1 を面状のカーペット本体2内に配線し、こ
の発熱線H1 の温度を検知する温度検知素子としての温
度検知線S1 を発熱体H1 にほぼ並設して配線してあ
り、温度検知線S1 の検知出力(以下、センサ電圧と呼
ぶ)Vaに応じてリレー接点r1 の開閉を制御して、発
熱線H1 の発熱を制御している。上記温度検知線S 1
はバイアス回路7を介して電流が流され、センサ電圧V
aはバイアス回路7の内蔵する抵抗と温度検知線S1
抵抗値との分圧電圧として出力される。このセンサ電圧
Vaは、増幅回路10で増幅されると共に、平滑回路3
で平滑して直流電圧に変換される。そして、スイッチン
グ回路4に入力され、このスイッチング回路4がリレー
駆動回路8の動作制御を行う。例えば、温度検知線S1
としてプラスチックサーミスタを用いてある場合には、
センサ電圧Vaは図14に示す温度特性を示す。従っ
て、発熱線H1 の温度が所定温度以下の場合には、セン
サ電圧Vaが所定電圧以上となり、スイッチング回路4
によりリレー駆動回路8がリレー接点r1 を閉じるよう
に制御され、発熱線H1 への通電が行われ、発熱線H1
が発熱する。そして、発熱線H1 の温度が所定温度にな
ると、センサ電圧Vaが所定電圧以下となり、スイッチ
ング回路4によりリレー駆動回路8がリレー接点r1
開くように制御され、発熱線H1 への通電が停止され
る。ここで、この図13の場合には、リレー接点r1
オフする期間をオフ時間タイマ6で決めており、このオ
フ時間タイマ6の設定時間の経過時点で、再びリレー接
点r1 が閉じる。以降は、上述のようにして発熱線H1
への通電及び通電停止を繰り返し、発熱線H1 の温度を
ほぼ一定状態に保つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
電気カーペットは最高温度が一定に決められていた。こ
れは、低温やけどを防止するためである。しかしなが
ら、このように最高温度が一定に決められていると、カ
ーペット本体の汚れ防止やインテリア性の向上のため
に、カーペット本体上に例えば敷いて使用されるカバー
の種類(使用者が任意に選んで使用可能)によっては、
暖房能力が不足することがあった。ここで、このような
暖房能力の不足を来すカバーを使用した場合、使用者に
伝わる電気カーペットの温度は安全な方向になってい
る。例えば、図14でカバー断熱時の全体平均温度イ
は、カバー無しの場合の全体平均温度イよりも高くして
もよい筈である。なお、図14中のロは座布団などで部
分断熱された場合の断熱部の温度、ハは非断熱部の温度
を示す。従って、カバーを用いているか否かにより最高
温度を調節可能とすることが好ましい。
【0005】そこで、特開昭平2−129882号公報
では、カバーを敷くと、このカバーが一種の保温材と同
じ働きをして、カバーを使用したときの方が、カバーを
使用しないときに比べて拡がり方向への熱の伝わりが多
くなり、カーペット本体の表面温度が均一になる点に着
目し、このカーペット本体の温度の均一性からカバーの
有無を判別するようにしてある。
【0006】しかしながら、このようなカーペット本体
の温度の均一性は、カバーに限らず、座布団などでも起
こり、座布団による部分的な断熱と、カバーによるほぼ
全面的な断熱との識別が行えなくなるという問題があ
る。本発明は上述の点に鑑みて為されたものであり、そ
の目的とするところは、カバーの有無を正確に検知で
き、カバーの有無に関係なく、ほぼ同程度の暖かさを得
ることができる目的とした面状暖房装置を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発熱
線及びこの発熱線の温度を検知する温度検知線とが略並
設状態で配線された面状のカーペット本体と、上記発熱
線の発熱制御を行ってカーペット本体の温度制御を行う
温度制御手段と、通電初期の温度検知線の所定時間間隔
における検知出力の差分量と、その時間における検知出
力の代表値とで無次元化して示される値を用いてカバー
の有無を判定し、カバーの有無に応じて設定温度の補正
を行う温度補正手段とを備えている。
【0008】なお、請求項2に示すように、上記カーペ
ット本体は、発熱線と温度検知線とを一体化した感熱発
熱線を面状に配線して構成したものであってもよい。ま
た、カバーの有無の判定精度を向上させるために、請求
項3に示すように、通電初期には、温度設定レベルに関
係なく、予め設定してある最高温度に基づいて発熱線を
温度制御することが好ましい。
【0009】さらに、制御動作が複雑になることを防止
し、且つ誤判定後の処理を簡単に行えるようにするため
に、請求項4に示すように、上記温度制御手段が発熱体
の温度を最高設定温度以下に保つ制御を行い、発熱体へ
の任意の通電率を与えるオン,オフタイマ手段で上記温
度制御手段を制御すればよい。具体的な誤判定後の処理
としては、請求項5に示すように、温度制御手段による
温度制御を行った際に、複数回連続して最高設定温度に
達しない場合、上記温度補正手段が上記最高設定温度を
低温側に補正するようにすればよい。
【0010】また、請求項6に示すように、温度制御手
段による温度制御を行った際に、複数回連続してオン,
オフタイマ手段による実際のオン時間が規定時間に達し
ない場合、上記温度補正手段が最高設定温度を高温側に
補正するようにすればよい。さらに、請求項7に示すよ
うに、オン,オフタイマ手段によるオン期間またはオフ
期間の終了時点での温度検知線の検知出力の大きさに応
じて最高設定温度を補正してもよい。
【0011】
【作 用】請求項1の発明では、温度補正手段でカバー
の有無に応じて設定温度の補正を行うことにより、カバ
ーの有無に関係なく、ほぼ同程度の暖かさを得る。そし
て、通電初期の温度検知線の検知出力からカバーの有無
を判定することで、部分断熱とカバーによる断熱とを識
別可能とし、さらに、温度補正手段が、通電初期の温度
検知線の所定時間間隔における検知出力の差分量と、そ
の時間における検知出力の代表値とで無次元化して示さ
れる値を用いてカバーの有無を判定することにより、室
温や電源電圧も含めた形でカバーの有無を判定して、カ
バーの有無の判定精度を良くする。
【0012】請求項3に示すように、通電初期に、温度
設定レベルに関係なく、予め設定してある最高温度に基
づいて発熱線の温度制御すると、常に一定の状態でカバ
ーの有無の判定を行うことが可能となり、カバーの有無
の判定精度をさらに向上させることが可能となる。請求
項4に示すように、上記温度制御手段が発熱体の温度を
最高設定温度以下に保つ制御を行い、発熱体への任意の
通電率を与えるオン,オフタイマ手段で上記温度制御手
段を制御すると、制御動作が複雑になることが防止さ
れ、誤判定後の処理が簡単になる。
【0013】
【実施例】図1乃至図12に本発明の一実施例を示す。
本実施例の電気カーペットのカーペット本体は、図7に
示すように裏面材(断熱材)21内に感熱発熱線11が
配設され、表面側には均熱シート22を介して表面材2
3及びカバー24が設けられている。
【0014】上記感熱発熱線11は、図8に示すよう
に、絶縁性の芯糸bの外周に金属箔よりなる発熱センサ
1 をスパイラル状に巻装し、その外周に設けた図14
に示すような温度・インピーダンス特性を有するプラス
チックサーミスタ材Zの外周に金属箔よりなる温度検出
電極S1 をスパイラル状に巻装している。また、外周は
絶縁性の被覆cで覆われている。
【0015】図10は電気カーペットを低温から動作さ
せた場合のセンサ電圧(温度検知線S1 の検知出力)の
上昇を時間経過と共に示したものである。この図10に
おけるイは断熱性の大きいカバーが電気カーペット上に
敷かれた場合を示し、ロは断熱性の小さいカバーが電気
カーペット上に敷かれた場合、ハはカバー無しの場合を
示し、図から明らかなように、カバーの有無及びカバー
の断熱性の差によって、センサ電圧の上昇速度が異な
る。
【0016】そこで、本実施例の場合には、この通電初
期時における温度検知線S1 の検知出力(センサ電圧)
Vaの時間変化からカバーの有無を判定するようにして
ある。なお、このように通電初期において、カバーの有
無を判定すると、座布団などによる部分断熱と、カバー
によるほぼ全面的な断熱との識別を容易に行える。逆に
言えば、通電後の時間経過と共に、部分断熱との識別が
難しくなる。
【0017】ところで、この場合のセンサ電圧の上昇速
度は、電源電圧や室温に応じて変化する。つまり、電源
電圧や室温が高い場合には、上昇速度が速くなり、逆に
低いと遅くなる傾向がある。そこで、本実施例の場合に
は、図6に示すように、室温検知部13及び電圧検知部
15を新たに設けることにより、室温及び電源電圧を含
む形で、精度良くカバーの有無を検知できるようにして
ある。なお、図6の回路において以下に説明する構成以
外は従来のものと同じであるので、説明は省略する。ま
た、演算制御部12はマイクロコンピュータで構成され
ている。
【0018】このように室温及び電源電圧を含む形でカ
バーの有無を検知する方法としては、通電初期の温度検
知線の検知出力の時間変化を、所定時間間隔における検
知出力の差分量(図10におけるΔV1 〜ΔV3 )と、
その時間における検知出力の代表値とで無次元化した値
に変換し、その変換出力を用いてカバーの有無を判別す
るようにしてある。なお、本実施例の場合には、代表値
として、差分量を求める時間間隔における検知出力の平
均値(図10のV1 〜V3 )(差分量を求める以外の検
知出力も複数検知している)を用いてあり、差分量を平
均値で割る(ΔV1 /V1 ,ΔV2 /V2 ,ΔV3 /V
3 )ことにより無次元化してある。なお、以下の具体例
ではΔV/Vの形を用いてあるが、V/ΔVの形であっ
てもよい。
【0019】上述のように無次元化している理由につい
て説明する。電圧と室温が一定の場合には、温度検知線
の時間変化量は、カバーを備える場合の方が温度上昇が
速くなる。この場合の温度上昇傾向は、電圧と室温が高
めで、カバーを備えていない場合と似たものとなり、特
に電圧と室温の影響のために、温度検知線の時間変化量
だけでは識別精度が低下する。そこで、本実施例では、
信号の差分をその間の絶対平均値で割って無次元化し、
カバーの有無によって影響されやすい時間変化量(差
分)に、その間の室温と電圧によって影響されやすい信
号の絶対平均値の両方を含ませて、判別の精度を高くし
てある(図5のフローチャート及び式(1)〜(3)参
照)。また、所定時間間隔における検知出力の差分量を
用いることで、温度検知線S1 の製造ばらつきなどによ
って温度−インピーダンス特性にばらつきがあっても、
大きな差を生じない。
【0020】また、本実施例ではその無次元化した値を
移動平均化している。これは無次元化した値にノイズが
含まれることを考慮して、ノイズの影響を極力少なくし
て、さらに精度を高めるためである。本実施例の演算制
御部12は内蔵するタイマによりオン,オフ期間の制御
を行うことができるようにしてあり、このオン,オフ期
間の制御は設定部14により設定できる。ここで、設定
部14としてはダイヤルを用いてあり、ダイヤル設定
は、以下に示す表1のように設定できる。
【0021】
【表1】
【0022】なお、上記表は電気カーペットの定格が3
50W/面である場合を示す。ここで、本実施例の場合
には、カバーの判別後の設定変更は、最高設定温度値を
変更するだけとし、設定変更が簡単に行えるようにして
ある。このようにすると、最高設定温度に達しない場合
には、同じ導電率で電気カーペットを動作させることが
でき、接触暖房を重視したものにおいて、暖房能力が余
り変化しない温度制御を実現できる。
【0023】以下、本実施例の具体例の動作を図1乃至
図5に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、
電源がオンされ、プログラムの実行が開示されると、こ
のとき各変数がクリアされる。そして、ステップ1(フ
ローチャート中で示し、以下の主要ステップも同様の
形で示す)でイニシャル設定を行う。このとき、前回の
補正値R(R(1)〜R(5))を5個メモリから読み
取る。
【0024】その後、ステップ2で演算制御部12の出
力端子O1 をハイレベルとしてリレー接点r1 をオン状
態する。そのとき、ユーザがダイヤルの目盛で設定した
設定状態(発熱面積の設定なども含む)が確定する。こ
こで、ダイヤルは例えば上記表1に示すように1〜7の
目盛で設定し、オン時間及びオフ時間が一義的に決ま
、これにより夫々の発熱量が決まる。
【0025】そして、ステップ3で通電直後のセンサ情
報Dsを読み込む。これと共に、室温検知回路13から
室温情報D2 を読み込み、この室温情報D2 に対応する
定温と判定するための室温情報Dx(Dx1 ,Dx2
を確定する。この補正センサ情報Dxの確定後に、リレ
ーのオフ回数が0であるかどうかの判定を行う。上述の
状態では、リレーのオフ回数が0であるので、ステップ
4を実行する。なお、リレーのオフ回数が0でなけれ
ば、ユーザの割込みの有無のチェックのためのルーチン
が実行される。
【0026】ステップ4では、センサ情報Dsが低温判
定情報Dx1 〜Dx2 の範囲内にあるか否か、つまりは
低温からの運転開始であるかどうかの判定を行う。ここ
で、低温からの運転開始であれば、速暖運転ルーチンが
実行され、低温からの運転開始でなければ、ユーザが選
択的に運転状態を決定可能なユーザ選択運転ルーチン
(学習機能を利用したサブルーチン(SUB2))が実
行される。
【0027】いま、低温からの運転開始であると、この
ときにはユーザの割込みが禁止され、ステップ5でユー
ザの選択とは関係なく、最高設定レベル(例えば、表2
のD0(2))で第一回目のオフ動作を行うレベルを確
定する。上限カットレベルは例えば次表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】このように、通電初期に、温度設定レベル
に関係なく、予め設定してある最高温度に基づいて発熱
線H1 の温度制御を行うと、常に一定の状態でカバーの
有無の判定を行うことができ、カバーの有無の判定精度
をさらに向上させることができる。なお、このように最
高温度に保持する時間を図10のt1 で示す。その後、
ステップ6で室温情報D2 の読込みを行う。なお、この
室温情報D2は本具体例の場合には10秒毎に読み込
み、この10秒毎に読み込んだデータを加算する(DRT
=DRT+D2 )。
【0030】これと共に、ステップ7では、電源電圧情
報D3 の読込みを行う。この電源電圧情報D3 も本具体
例の場合には10秒毎に読み込み、この10秒毎に読み
込んだデータを加算する(Dv=Dv+D3 )。ステッ
プ8では、温度センサ情報D1 の読込みを行う。この温
度センサ情報D 1 の読込みも10秒毎に行われる。
【0031】ステップ9ではオン時間カウンタによりオ
ン時間TONの計測が行われる。ここで、オン時間TON
所定時間、本具体例の場合には10分以上となったか否
かを判定する。いま、10分未満である場合には、10
秒毎に温度センサ情報D1 を記憶し、この温度センサ情
報D1 を電源電圧情報D3 で補正する(D1 =D1 ×D
3 /100V)。
【0032】次に、ステップ10で最高設定レベルD0
(2)(表2では1200mV)と比較される(D1
0 )。ここで、最高設定レベルD0 (2)に達してい
ない場合には、ステップ6に戻り、処理を繰り返し実行
する。いま、最高設定レベルD0 (2)に達すると、ス
テップ11でリレーをオフ動作させる。このオフ時間O
FFtが確定して次のステップ12に進む。
【0033】次のステップ12は、カバー有りの場合の
ランクを確定するためのサブルーチン(SUB1)であ
る。このランク確定用のサブルーチンを図5に示す。こ
のサブルーチンSUB1の実行に際しては図4に示す判
定及び処理を実行する。具体的には、オフ時間OFFt
を速暖運転中のオン時間で判定可能か否かの判定を行
う。ここで、オン時間が判定可能時間よりも短いという
ことは、例えば他の暖房器具を併用していたり、布団で
全面を覆っているなどの場合が考えられる。そして、判
定可能であれば、10分間の平均室温を計算すると共に
(DRT=D RT/(データ数))、10分間の平均電圧を
計算する(Dv=Dv/(データ数))。そして、次に
平均室温DRTが判定可能な範囲にあるか否かと(Rmax
>D RT≧Rmin )、平均電圧Dvが判定可能な範囲にあ
るか否か(Vmax >Dv≧V min )を判定し、いずれも
判定可能な場合にのみランク確定処理に進む。
【0034】なお、上記いずれの判定条件を満たさない
場合には、学習機能を利用したサブルーチンが実行され
る。ここで、本実施例では安定して判定された時(上記
条件を満たすとき)の後述する判定結果を不揮発性メモ
リ16に記憶しており、上記いずれの判定条件を満たさ
ない場合には、前5回の補正ランクを読み出し、その平
均値を補正ランクとして確定する。このようにしておけ
ば、カバー判別に誤りが発生しやすい場合の温度検知線
1 のセンサ情報を用いずに済み、判定動作の安定性を
高めることができる。
【0035】ランク確定用の処理においては、まず基準
時間の異なる特徴量TOKU(1)〜(3)を3通り計
算して求める。ここで、夫々の特徴量TOKU(1)〜
(3)は次式で求める。
【0036】
【数1】
【0037】ここで、特徴量TOKU(1)は、温度セ
ンサ情報D1 の3分後のデータと6分後のデータとの差
分を、3分後から6分後までに10秒刻みで読み込まれ
たデータの平均値で割る処理を、3分及び6分から夫々
10秒刻みで6回行い(1分間に相当する)、その1分
間の平均を求めるという計算を行う。ここで、温度セン
サ情報D1 の3分後のデータと6分後のデータとの差分
を、3分後から6分後までに10秒刻みで読み込まれた
データの平均値で割ることにより、温度センサ情報の時
間変化を無次元化し、さらに3分及び6分から夫々10
秒刻みで6回行い(1分間に相当する)、その1分間の
平均を求めることにより、その無次元化した値を移動平
均化している。なお、他の特定量TOKU(2)〜
(3)は起点とする時点が異なるだけで、同様にして求
めている。
【0038】このようにして求めた夫々の特徴量TOK
U(1)〜(3)に応じて次の3通りの方法で夫々ラン
クの判別を行う。まず、第1のランクの判別は、判別関
数を用いるもので、上述のようにして求めた特徴量YO
KU(1)と、平均室温DRT及び平均電圧Dvを次式に
示す判別関数に代入して計算し、計算結果が一番小さい
群G1 〜G3 に属するランクを確定する。
【0039】
【数2】
【0040】次に、第2のランクの判別は、重回帰式を
用いたもので、特徴量の期待値の式(下記の数3)に、
平均室温DRT及び平均電圧Dvを次式に代入して、実際
の特徴量TOKU(2)がその計算値(期待値)に近い
かどうかでランクを確定する方法である。
【0041】
【数3】
【0042】さらに、第3のランクの判別は、ニューラ
ルネットワークを応用して判別を行うもので、予め実験
データ等によって、カバーの種類(ランク)を、室温と
電圧と特徴量によって識別できるニューラルネットワー
クの荷重値としきい値を求めておき、判別できるパター
ンを全て計算して求め、演算制御部12のROM領域に
カバーのランクの特徴量と室温及び電圧の関係を示すパ
ターンを書き込んでおき、実際の室温、電圧及び特徴量
からルックアップテーブルで属するパターンを判別す
る。
【0043】そして、上記各判別結果から例えば次式で
求まる平均値ルールなどの方法に基づいて総合的な判定
を下す。
【0044】
【数4】
【0045】この場合に、ランクを3段階評価に割付て
確定する。その後に、このランクを前5回の補正ランク
と比較し、前5回の平均値より2ランク変化していれ
ば、平均値と確定値の差の半分に確定値を修正する(D
0 =D0 (x))。このようにしてランクが確定される
と、メインルーチン(図3のB)に戻る。いま、データ
の変更がある場合には、ステップ13に更新したランク
(R値)をメモリに記憶(最も古いデータと置き換
え)、最高設定レベルの変更(D0 =D 0 (x))し、
速暖ルーチンのオフ時間(T(2))を確定し、以降は
ユーザの割込みを許可する。
【0046】そして、ステップ14でオフ時間TOFF
カウントを開始し、ステップ15で上記オフ時間TOFF
が上記速暖ルーチンのオフ時間(T(2))を越えた
(TOF F ≧T(2))ときに、ステップ2に戻る。次
に、ユーザがダイヤルの変更を行うことにより、割込を
かけた場合について図2及び図3のフローチャートに従
って説明する。ユーザの割込が有ると判定されると、ス
テップ16でユーザの選択したダイヤル設定レベルの確
定を行った後に、ステップ17でカバーの判定ランクR
値から上限カット値を確定する(表2参照)。
【0047】その後に、R=0(カバー無し)の場合
に、発熱線H1 に通電直後(オン直後)のセンサ情報D
1 が3回連続して規定値よりも高ければ、最高設定値を
上げる。R=2(厚手のカバーを備える)の場合に、オ
ン直後のセンサ情報が3回連続して規定値よりも低けれ
ば、最高設定値を下げる。ここで、図6の回路構成の場
合には、オン直前の値は読み込めないので、オン直後と
してあるが、特に制約されるものではない。前者はカバ
ー無しとの誤判定に対する修正、後者は厚めカバーの使
用との誤判定に対しての修正を示す。
【0048】そして、室温情報D2 、電源電圧情報D3
及びセンサ情報D1 の読込を行い、オン時間をカウント
し、室温情報D2 、電源電圧情報D3 及びR値に応じて
オン時間の補正を行うサブルーチンが実行される。これ
はステップ16で確定したダイヤル別のオン時間に対し
て補正を加え、暖房能力を自動調整するものである。そ
の後、実際のオン時間TONと補正されたオン時間T
(1)との比較を行い、実際のオン時間TONが長けれ
ば、R=2(厚手カバー)の時に、ダイヤル6・7で3
回連続してタイムアップすれば、最高設定値を下げる。
つまり、これはカバー無しであること示すので、温度検
知線S1 の検知出力が上がりにくかったと判定して、R
値を下げる方向に変更する。
【0049】実際のオン時間TONが長ければ、電源電圧
情報D3 から温度情報D1 を補正する。そして、上限カ
ットレベルとセンサ情報の比較を行い、上限カットレベ
ルの方が大きい場合、R=0(カバー無し)の時に、ダ
イヤル6・7で3回連続してオン時間が短ければ、最高
設定値を上げる。なお、上記補正のルーチンは全て設け
る必要はなく、必要に応じて採用すればよい。
【0050】また図11及び図12は本発明の他の実施
例を示したもので、前述の事例は感熱発熱線について説
明したが、図7に示すような発熱線であるヒータH
1 と、電極S1 ,S2 とプラスチックサーミスタZから
なる温度検知線Sが別々に設けられているものでも同様
な処理を行うことができる。なお、この場合、温度検知
線Sは分割抵抗R2 を介して接続されている。図11の
場合は図12に示した様にセンサ電圧Vaと温度の関係
が図9とは逆傾向になるので論理を逆にすればよい。オ
フ期間の終了時点での温度検知線の検知出力の大きさに
応じて最高設定温度を補正してもよい。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明は、発熱線及びこの発熱
線の温度を検知する温度検知線とが略並設状態で配線さ
れた面状のカーペット本体と、上記発熱線の発熱制御を
行ってカーペット本体の温度制御を行う温度制御手段
と、通電初期の温度検知線の所定時間間隔における検知
出力の差分量と、その時間における検知出力の代表値と
で無次元化して示される値を用いてカバーの有無を判定
し、カバーの有無に応じて設定温度の補正を行う温度補
正手段とを備えたものであり、温度補正手段でカバーの
有無に応じて設定温度の補正を行っているので、カバー
の有無に関係なく、ほぼ同程度の暖かさを得ることがで
き、しかも通電初期の温度検知線の検知出力からカバー
の有無を判定することで、部分断熱とカバーによる断熱
とを識別でき、また、温度補正手段が、通電初期の温度
検知線の所定時間間隔における検知出力の差分量と、そ
の時間における検知出力の代表値とで無次元化して示さ
れる値を用いてカバーの有無を判定しているので、室温
や電源電圧も含めた形でカバーの有無を判定して、カバ
ーの有無の判定精度を良くできる。
【0052】請求項3に示すように、通電初期に、温度
設定レベルに関係なく、予め設定してある最高温度に基
づいて発熱線の温度制御すると、常に一定の状態でカバ
ーの有無の判定を行うことができ、カバーの有無の判定
精度をさらに向上させることができる。請求項4に示す
ように、上記温度制御手段が発熱体の温度を最高設定温
度以下に保つ制御を行い、発熱体への任意の通電率を与
えるオン,オフタイマ手段で上記温度制御手段を制御す
ると、制御動作が複雑になることが防止され、誤判定後
の処理が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の動作を示すフローチャートの
一部を示す図である。
【図2】同上のフローチャートの他部を示す図である。
【図3】同上のフローチャートのさらに他部を示す図で
ある。
【図4】同上のフローチャートのサブルーチンの一部を
示す図である。
【図5】同上のサブルーチンの他部を示す図である。
【図6】電気パーペットの回路構成を示すブロック図で
ある。
【図7】同上のカーペット本体の断面図である。
【図8】感熱発熱線の構造を示す説明図である。
【図9】温度とセンサ電圧との関係を示す特性図であ
る。
【図10】カバーの有無及びカバーの厚さの違いがある
場合のセンサ電圧変化を示す説明図である。
【図11】温度検知線の配線構造が異なる電気カーペッ
トの要部の回路図である。
【図12】同上の温度とセンサ電圧との関係を示す特性
図である。
【図13】従来の電気パーペットの回路構成を示すブロ
ック図である。
【図14】同上の温度制御方法及び問題点の説明図であ
る。
【符号の説明】
2 カーペット本体 11 感熱発熱線 12 演算制御部
フロントページの続き (72)発明者 佐伯 さつき 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−186485(JP,A) 特開 平2−5384(JP,A) 実開 平2−143615(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24D 13/02 H05B 3/00 365

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱線及びこの発熱線の温度を検知する
    温度検知線とが略並設状態で配線された面状のカーペッ
    ト本体と、上記発熱線の発熱制御を行ってカーペット本
    体の温度制御を行う温度制御手段と、通電初期の温度検
    知線の所定時間間隔における検知出力の差分量と、その
    時間における検知出力の代表値とで無次元化して示され
    る値を用いてカバーの有無を判定し、カバーの有無に応
    じて設定温度の補正を行う温度補正手段とを備えて成る
    ことを特徴とする面状暖房装置。
  2. 【請求項2】 上記カーペット本体を、発熱線と温度検
    知線とを一体化した感熱発熱線を面状に配線して構成し
    て成ることを特徴とする請求項1記載の面状暖房装置。
  3. 【請求項3】 通電初期には、温度調整レベルに関係な
    く、予め設定してある最高温度に基づいて発熱線を温度
    制御して成ることを特徴とする請求項1記載の面状暖房
    装置。
  4. 【請求項4】 上記温度制御手段が発熱体の温度を最高
    設定温度以下に保つ制御を行い、発熱体への任意の通電
    率を与えるオン,オフタイマ手段で上記温度制御手段を
    制御して成ることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の面状暖房装置。
  5. 【請求項5】 温度制御手段による温度制御を行った際
    に、複数回連続して最高設定温度に達しない場合、上記
    温度補正手段が上記最高設定温度を低温側に補正して成
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の面状
    暖房装置。
  6. 【請求項6】 温度制御手段による温度制御を行った際
    に、複数回連続してオン,オフタイマ手段による実際の
    オン時間が規定時間に達しない場合、上記温度補正手段
    が最高設定温度を高温側に補正して成ることを特徴とす
    る請求項4記載の面状暖房装置。
  7. 【請求項7】 オン,オフタイマ手段によるオン期間ま
    たはオフ期間の終了時点での温度検知線の検知出力の大
    きさに応じて最高設定温度を補正して成ることを特徴と
    する請求項4記載の面状暖房装置。
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