JP3170330B2 - 可変的な基本重量の横方向領域を有する紙 - Google Patents

可変的な基本重量の横方向領域を有する紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】本発明は紙およびその生産に関するもので
ある。さらに詳細には本発明は可変的な基本重量を有す
る非積層紙に関するものである。本発明の好ましい実施
態様においては、ここに説明する紙は増大された基本重
量の領域を所有する。これらの増大された基本重量の領
域は横方向に、すなわち紙の横方向に実質的に平行に、
紙の機械方向に直角に配列されている。ここで用いられ
ているように、基本重量とは単位表面積当りの紙の重量
を意味し、平方メートル当りのグラム量で表示される。
【０００２】ここで説明される紙は特に喫煙品の包装材
料として有用であるが他の用途も本発明の範囲内であ
る。たとえば本発明による紙は銀行業務、工業用途およ
び家事用途に応用することができる。
【０００３】製紙技術において紙の基本重量をできるだ
け均一に生産することは極めて通例のことである。標準
的な製紙工程によって生産された紙のシートは紙全体と
して見た時には均一な基本重量のものである。しかし紙
の基本重量内の顕微鏡的な変動は構成繊維の寸法の変動
または製造工程の変動によって生じる。
【０００４】タバコ包装材料としてタバコ産業に使用さ
れている紙は一般に喫煙品に均一な燃焼特性をもたらす
ように均一な基本重量を持っている。今や特殊な燃焼特
性を備えたタバコ包装紙、すなわち喫煙品の燃焼が減少
され実質的に無視できるかまたは全部一緒に終るのに適
切な、喫煙品の静的燃焼速度の減少を助長する紙の生産
が要望されている。
【０００５】これまで厚さを増大した非積層紙を生産す
ることが企画されてきた。たとえばブレークの米国特許
第４２３９５９１号は増大した厚さの島または連続した
領域を持った紙の生産に関するものである。この発明の
一つの欠点は増大した厚さの領域がウエブを設定する方
向に走っていることである。
【０００６】喫煙品の着火傾向を減少するように設計さ
れた喫煙品の包装材料を生産することが企画されてき
た。たとえばヘンプルの米国特許第４７３９７７５号は
紙巻きタバコ紙のために積層されたバンドを持つ包装紙
に関するものである。
【０００７】メンツエルの米国特許第４９４５９３２号
は棒状の紙を持った減少された燃焼傾向の紙巻きタバコ
に関するものである。
【０００８】喫煙品の包装材料の燃焼速度を減少させる
ことが企画されてきた。これらの企図は包装材料を酢酸
マグネシウムのような燃焼遅延剤と合体させることを含
んでいる。これらの燃焼遅延剤は燃焼に際して喫煙品に
好ましくない風味を与えかねない。
【０００９】これらおよびその他の問題は増大させた基
本重量を持つ複数の横方向領域を有する基体ウエブを含
む紙を供給する本発明によって克服される。
【００１０】本発明の紙はいったん喫煙品に組み合わさ
れると喫煙品の静的燃焼速度の総体的な減少を助長す
る。本発明の紙はパルプ原料のような追加材料を湿式ま
たは乾式両方の製紙法の製紙機械のウエブ形成領域にお
いて概して均一な厚さのパルプの基体ウエブ上に付着さ
せることによって生産することができる。追加原料は基
体ウエブ上に、パルプが通過する複数の縦方向スリット
を持つ回転ドラムによって付着させられても良い。
【００１１】本発明の上記および他の目的および有利点
は下記の詳細な説明を、同一の参照番号が同一の部品に
関係している添付図面を勘案しながら考慮することによ
って明らかになるであろう。そこにおいて：
【００１２】図１は長網型製紙機械のヘッドボックスか
らプレス部分までの製紙ラインの一部分の単純化された
略図的な図である。
【００１３】図２は追加材料を付着させるアプリケータ
手段の端部立面図である。
【００１４】図３は増大された複数の基本重量領域を有
する紙の見本を示す図である。
【００１５】図４は本発明による紙と組み合わせた喫煙
品の単純化された図を示す。
【００１６】本発明はいろいろな基本重量を有する非積
層紙に関するものである。本発明の紙は基体ウエブの重
量とは異った基本重量を有する横方向領域を所有する。
好ましい実施態様において横方向領域は基体ウエブの基
本重量よりも大きい基本重量を有する。ここで用いられ
る「紙」とは本発明の紙のことであり、「基体ウエブ」
とは増大した基本重量領域を持たない紙の部分のことで
あり、「横方向領域」とは横方向における異った基本重
量の領域のことを指す。
【００１７】基本重量の増大は (1)増大した厚さおよび
／または (2)増大した密度、の領域を配置した紙を準備
することによって達成することができる。基本重量の増
大は製紙機械の現存するパルプウエブ上に第二のパルプ
量または代りに充填材料のような追加材料を付着させる
ことによって達成することができる。追加材料のいくつ
かの例は、高度に精製されたパルプ、高表面積のセルロ
ース繊維、微結晶セルロースまたは高精製パルプと炭酸
カルシウムとの混合物等である。追加材料は紙に特色の
ある品質を与える材料として、電子磁気的手段によって
見出すことができる混合物、インク、染料および類似の
もの等を含むことができる。以降、追加材料を「材料」
と呼ぶこととする。
【００１８】本発明の紙は軟木または硬木パルプのよう
な任意のリグノセルロースパルプから作ることができ
る。しかし好ましくはパルプはセルロースパルプであ
り、さらに好ましくはパルプは草のような非木植物から
誘導されたものである。もっとも好ましいパルプは亜麻
パルプである。
【００１９】一般に喫煙品の包装材料に用いられる紙は
約２０から３０ｇ／ｍ2 の基本重量を有し、本発明の紙
は約２５から７０ｇ／ｍ2の平均基本重量を有する。横
方向領域は好ましくは基体ウエブの重量以上の基本重量
を有する。さらに横方向領域は基体ウエブの基本重量を
約１００％越えた基本重量の増大を有することが好まし
い。横方向領域はその基本重量の増大が基体ウエブの約
０．０１から３０％であることがもっとも好ましい。
【００２０】横方向領域はたとえそれらが増大された基
本重量を有すると言っても、実質的に基体ウエブと同じ
厚さであることが好ましい。本発明の紙はしかし全体と
して見た場合に実質的に均一な厚さをしている。基体ウ
エブは約０．００１から０．００４インチの厚さである
ことが好ましい。横方向領域は基体ウエブの厚さより約
５０％しか大きくない厚さを有する。横方向領域は基体
ウエブの厚さよりも約１０％しか大きくない厚さを有す
るのがさらに好ましい。
【００２１】本発明の紙は喫煙品と組み合わされた場合
に不均一な燃焼特性を助長することができ、すなわち喫
煙品の静的燃焼速度を品物の燃焼が実質的に無視できる
点まで低下させるか、または両者一緒に終らせることが
できる。喫煙品の包装紙の有孔性は喫煙品の静的燃焼速
度を変更するのに主要な役割を果す。理論によって拘束
されることは望ましくないが、酸素は燃えているタバコ
の燃焼を支持するように紙を通して拡散するに違いない
と信じられており；酸素が紙を通過しにくい時には燃焼
速度は減少する。熱と光を生じるタバコと酸素との相互
作用である燃焼は焔を生じないで光る。
【００２２】たとえば通常、紙巻きタバコのような喫煙
品に見られる包装材料の有孔性は約２５から６０コアス
タである。基体ウエブが一つの構成部材であるこれらの
包装材料は長さ４０ミリメートルの喫煙品とした場合に
おいて静的燃焼速度が約６から１０分となる。本発明の
横方向領域はしかしながら約１０コアスタまでの有孔性
を有し、長さ４０ミリメートルの帯状領域で約１０から
２０分の静的燃焼時間を示す。もし要望されるならば、
基体ウエブまたは領域のいずれの有孔性も静電穿孔法の
ような従来から知られている方法によって変更すること
ができる。
【００２３】上記に説明したように本発明の紙は喫煙品
に組み合わされた場合に喫煙品の自己消火を促進する作
用をも有する。たとえば従来の紙巻きタバコはすべての
燃焼材料が消費されてしまうまで消えることなくくすぶ
り続ける。本発明の紙から作られた喫煙品は消火前の約
０．５から４分間だけくすぶる。この技術に熟練した者
は本発明による紙から作られた喫煙品が自己消火する前
の時間は横方向領域の幅、基体ウエブおよび横方向領域
の有孔性、バンドの間隔、および使用された何らかの添
加剤によるものであることを理解するであろう。従って
消火するまでの時間はこれらの指標についての簡単な実
験によって規定され細工されることができる。
【００２４】横方向領域の次元もまた紙の燃焼特性、結
局は喫煙品の特性に影響する。特に横方向領域の幅は燃
焼速度に関して長さよりも大きい影響を与える。横方向
領域の幅は約１から１０ミリメートルであることが好ま
しく、３から７ミリメートルであることがさらに好まし
い。もっとも好ましい横方向領域の幅は約５ミリメート
ルである。横方向領域の長さは実質的に紙巻きタバコの
ような喫煙品の周長と同じであるべきである。
【００２５】本発明の他の実施態様において横方向領域
はいろいろな規則的または不規則な幾何学的形態、形状
および寸法のものであっても良い。さらに横方向領域は
接触していても、接触していなくても良い。ここで用い
られる「接触」とは、単独の増大した基本重量のとぎれ
ない横方向領域を含むことを意味するものであり、かつ
「非接触」とは横方向内の複数の分離された部分ができ
るように、増大した基本重量の分割された領域を含むこ
とを意味する。
【００２６】横方向領域内の距離は燃焼速度に影響す
る。たとえば横方向領域間の距離が大きければ大きい
程、この紙から作られた喫煙品は早く燃える。横方向領
域は相互に等距離に配置されるべきであるが横方向領域
間の不均一配置も本発明によって企図されている。横方
向領域はその中心から中心までの距離において約５から
４０ミリメートル離れていることが好ましく、さらに好
ましくは約１５から３０ミリメートル離れて配置され
る。もっとも好ましくは横方向領域は約２１ミリメート
ル離れて配置される。
【００２７】本発明の紙はまた重量比として約０から１
％（好ましくは約０．６％）の燐酸アンモニウムを含ん
でも良い。この化学薬品は、ふくれた部分の後に続く、
紙の内側の凝縮による紙の醜い筋引きを減少させる傾向
を有する。このような種類の紙の筋引き傾向は紙の全体
の有孔性が減少すると増加する。燐酸アンモニウムはこ
の美観上の問題を除くために用いられる。
【００２８】喫煙品のふくれた部分の数の調節を助長す
るために、紙は重量比で約１４％までのコハク酸塩、ク
エン酸塩または他の任意のこの業界において知られてい
るアルカリ金属の燃焼化学薬品を添加しても良い。好ま
しい燃焼化学薬品添加物はクエン酸塩重量に換算して約
０．００１から０．９９％である。
【００２９】この紙はさらに約０から１％（好ましくは
約０．３％）のカルボン酸メチルセルロースナトリウム
を含んでも良い。フィルム形成物として作用するこの化
学薬品は灰の不浸透性に寄与して側部に流れる煙を減ら
すのに役立つ。カルボン酸メチルセルロースナトリウム
はまた紙の内へ燃焼物質（たとえばクエン酸塩）をもた
らす運搬物質として作用すると考えられている。
【００３０】加えてこの紙は重量比で約２５から４０
％、好ましくは約３０％の炭酸カルシウムのような無機
の充填剤を含んで製造される。この技術に熟練した者は
紙に対して要求される燃焼指標を備え、かつ紙に対して
好ましくない目的品質を与えないように作用する任意の
無機充填剤の使用法を理解するであろう。炭酸カルシウ
ムを使用した場合には、それは良く知られたＢＥＴ法に
よれば１グラム当り、約７から８０平方メートルの表面
積を持つことができる（たとえばＦ．Ｍ．ネルソンその
他、「表面積の測定」、分析化学、第３０巻、第８号、
１９５８年８月、１３８７〜９０ページ、ＢＥＴ法の説
明、参照）。
【００３１】本発明の紙の製造のための一方法は下記の
ダウビングダンディ機（daubing dandy machine ）を使
用する。図１は連続パルプウエブ１６を製造するために
適用された従来の長網型製紙機械１０のウエブ形成領域
を示す。ヘッドボックス１２はパルプ源（図示されてい
ない）に通じる複数の導管１３によってヘッドボックス
へ供給されるセルロースパルプを貯えるように適合され
ている。図示されていないが通常のパルプ源はパルプ貯
蔵タンクである。本発明の紙を製造するために用いられ
るパルプは好ましくは非常に低い密度、たとえば約０．
５％以下の繊維固形物を有するものである。
【００３２】ヘッドボックス１２の真下に置かれている
のは無端成形金網１４である。ヘッドボックス１２の底
の部分で、金網１４に隣接して限定されているスライス
１５は、ヘッドボックスからスライス１５を通って金網
１４の上表面にパルプを流しパルプウエブ１６を形成す
る。スライス１５は通常はヘッドボックス１２から流れ
るパルプ量を制御するような狭い垂直の幅である。スラ
イス１５の長さは実質的にパルプウエブ１６の全幅に伸
びていても良い。
【００３３】金網１４の頂部はコーチロール１７へ向っ
て前進しスライス１５から遠ざかるように適合される。
ヘッドボックス１２からコーチロール１７へ向う方向は
下流方向である。パルプウエブ１６が形成されるとその
上部へ追加材料を付着させるアプリケータ手段２０を通
過する。金網１４はコーチロール１７の所で下向きに前
進しヘッドボックス１２へ向って戻り、パルプウエブ１
６は金網１４から複数のプレスロール１８を経て製紙機
械１０の乾燥部へと供給される。パルプウエブ１６が下
流方向へ前進するにつれて余分の水は金網１４を通過し
て除かれる。真空は代表的に金網１４の少くとも下側部
分に適用されパルプウエブ１６から水を除去するのを援
助する。コーチロール１７は付加的な水を除去するため
にパルプウエブ１６の下側へ金網１４を通じて真空を準
備するために適用される。
【００３４】図２はパルプウエブ１６上へ追加材料を付
着させるアプリケータ手段２０を示す。本発明の好まし
い実施態様において、アプリケータ手段２０は中空回転
ドラム２１を含む。回転ドラム２１は典型的には複数の
縦方向スリット２２を含み、代りにドラムは複数の樋を
所有する。好ましい実施態様において、各スリット２２
または樋はドラム２１の縦方向軸に平行に配列される。
ドラムの周囲に配置される複数のスリット２２または樋
は、もちろんドラムの半径方向に従っている。
【００３５】ドラム２１は金網１４上でのウエブ１６の
形成に引続いてパルプウエブ１６に接触するように配置
される。あるいはドラム２１はパルプウエブ１６に物理
的に接触するのではなく、パルプがドラム２１からパル
プウエブ１６へ直接流れるように近接して配置される。
好ましくはドラム２１およびパルプウエブ１６の速度は
ドラム２１の角速度がパルプウエブ１６の線速度とほぼ
等しくなるように実質的に同期化される。もしドラム２
１がパルプウエブ１６に物理的に接触しない場合にはド
ラム２１とパルプウエブの速度が同一である必要はな
い。材料が適用される点は好ましくは基体ウエブが組み
合わされる点に一致するかまたはそれを越えている。
【００３６】ドラム２１は両端を開放して描かれている
が一方または両端共、完全または部分的に閉鎖されても
良い。ドラム２１は典型的にはドラム２１の端部から突
出しているローラによって支持されている。支持ローラ
はその代りにフレームによって支持されている。好まし
くはフレームはドラムがパルプウエブ１６に近く位置す
るように、またはパルプウエブ１６に接触できるように
低められる。
【００３７】ドラム２１は任意の要求される手段によっ
て回転させられる。一つの実施態様においてドラム２１
はパルプウエブ１６に摩擦的に契合し、ドラム２１とパ
ルプウエブ１６の相方は同期速度に達する。あるいはド
ラム２１は外部の駆動機構によって回転される。適当な
駆動機構はベルト、歯車列および類似のものである。こ
の技術分野の通常の技術の一つによって本発明の範囲か
ら出ることなく円筒体を回転させる手段について選択す
ることができる。
【００３８】上記に説明したように、回転ドラム２１は
複数のスリット２２または樋を所有しても良い。スリッ
ト２２は好ましくはドラム２１の周囲に、相互に等間隔
に配置されるがスリット間の間隔を不均一に取ることも
本発明に含まれる。好ましくはスリット２２は、スリッ
トの中心からすぐ隣りのスリットの中心までを測定して
（中心から中心まで）約５から４０ミリメートル離れて
配置される。さらに好ましくはスリット２２は約１５か
ら３０ミリメートル離れて、もっとも好ましくは約２１
ミリメートル離れて配置される。
【００３９】この技術に熟練した者は増大された基本重
量の横方向領域の寸法および形状がスリット２２の形状
および次元によって定義されることを理解するであろ
う。スリット２２は好ましくは形状において長方形であ
るが本発明の範囲内で種々の規則的または不規則な幾何
学的形状および形態に選ぶことができる。加えて横方向
領域はそれら自身横方向において接触していても接触し
ていなくても良い。好ましくは各スリット２２は実質的
に同じ寸法を持っている。さらに好ましくはスリット２
２のそれぞれは約１から１０ミリメートル（さらに好ま
しくは約１．５から５ミリメートル）の幅を有する。も
っとも好ましいスリットの幅は約２．５ミリメートルで
ある。
【００４０】スリットの長さは好ましくは少くとも実質
的に紙巻きタバコのような喫煙品の周長と同じである。
しかし従業者は本発明の範囲内で種々のスリット長を選
択することができる。たとえばスリット長は紙巻きタバ
コの周長よりも大きくすることもでき、その場合には従
業者は得られた紙を特殊な幅に切る必要がある事を知る
であろう。あるいはスリットは喫煙品の周長よりも短く
することもできる。
【００４１】各スリット２２はパルプウエブ１６上に材
料を付着させるための導管として働き、その結果横方向
領域となる追加材料の延長領域が作られる。材料の流れ
は好ましくは材料が与えられた時間内には一つのスリッ
ト２２以外に広がらないように制御される。
【００４２】パルプは次の手法によってスリットへ導か
れる。シリンダー２５はパルプ源から固定シュー２３へ
材料を輸送する。固定シュー２３は材料を開口２４を通
してドラム２１の内側表面へ移送する。ドラム２１の内
側表面は固定シュー２３に補足的に接触し、その外へ材
料が流れる。このような補足的な接触はドラム２１およ
び同心の曲率半径を持ち、ドラム２１の内部と接触して
いる固定シュー２３との間の接触領域を持つことによっ
て達成される。固定シュー２３とドラム２１の接触領域
との間の距離、およびドラム２１とパルプウエブ１６の
接触領域との間の距離は最小にするのが好ましい。
【００４３】固定シュー２３は延長されドラム２１とほ
ぼ同じ長さを有する。固定シュー２３は少くとも固定シ
ュー２３の長さの一部分に伸びる延長開口２４を含む。
加えて開口２４は実質的に不変量の材料を開口２４に沿
った任意の点において放出することができる。開口２４
は好ましくは回転ドラム２１内の各スリット２２につい
てほぼ同じ寸法を有する。
【００４４】ドラム２１の回転は材料の流れを妨げるよ
うに切換える役目を果す。材料の流れは固定シュー２３
のドラム２１自身の内側表面に対する接触によって妨げ
られ、開口２４がスリット２２と合致した時に可能にな
る。このようにしてドラム２１の回転によって移動する
パルプウエブ１６上へ設定されるべき複数の横方向領域
１１が作られる。
【００４５】本発明の他の実施態様においては、輪転グ
ラビア風の工程が横方向の基体ウエブ上に追加量の材料
を付着させるために用いられる。この実施態様において
回転ドラム２１は複数の樋を有する。樋はドラム２１の
縦方向軸に平行に配列される。実質的に樋の容積に等し
い量の材料が分配ヘッダによってそれぞれの樋の内に置
かれてドクタブレードによって計量される。
【００４６】一個またはそれ以上の樋が材料によって満
されるとドラム２１は上述のように回転される。材料を
積載した樋が基体ウエブ１６と接触すると、材料は樋か
らパルプウエブ１６へ移される。樋からパルプウエブ１
６への材料の移送は金網１４を通して真空箱２６に適用
される真空によって、または樋を通って適用される圧力
ガスによって援助される。
【００４７】付着される追加材料の容積はもちろん樋の
容積によって決定される。好ましくは樋は約１から１０
ミリメートルの間の幅、および約３ミリメートル以下の
深さを有する。樋の長さは最小でも実質的に紙巻きタバ
コのような喫煙品の周長と同じでなければならない。
【００４８】追加材料が一たびダウビングダンディ機ま
たは輪転グラビア法のいずれかによって付着させられる
と領域１１を備えたパルプウエブ１６は回転ドラムの下
流に設置されたローラ手段によって押圧される。好まし
くはパルプウエブ１６はプレスローラ１８上で押圧され
る。プレスローラに適用される圧力は通常セルロースパ
ルプウエブを押圧するのに用いられるのと同等で、プレ
スローラの長さ１インチ当り約２５０ポンドである。シ
ートの組み合わせに加えて、水はプレスローラによって
シートから除かれる。
【００４９】本発明の他の実施態様においては、第二の
ヘッドボックスが追加材料を直接パルプウエブ１６上
に、またはパルプウエブ１６の頂部に接触するトップ金
網上に付着させるために使用される。ヘッドボックスの
スライスが開かれるとパルプウエブ１６上またはトップ
金網上に追加材料が付着される。第二のヘッドボックス
のスライスが閉じられると追加材料は第二のヘッドボッ
クスから流出できない。従業者は要求される寸法の横方
向内の領域を製作するために第二ヘッドボックス上のス
ライスを開いたり閉じたりする速度を制御しても良い。
【００５０】上述のダウビングダンディ機または輪転グ
ラビア型の方法が本発明の紙を製造するのに好ましいも
のであるが移送ロール、四本ロールサイズプレスまたは
しわ付け装置を備えた他の方法もまた使用することがで
きる。移送ロール法はプレスロールの場所でバンドを適
用するように企図し、四本ロールサイズプレスはサイズ
プレスの場所でバンドを適用するように企図し、しわ付
け法では通常の紙巻きタバコの紙に微細孔を適用するよ
うに企図している。
【００５１】図３は増大された基本重量の複数の横方向
領域１１を伴うパルプウエブ１６を示す、本発明による
紙の一例の図である。図４は増大された基本重量の複数
の横方向領域１１を含む本発明による紙と組み合わされ
た喫煙品の一例を示す。
【００５２】実施例 １ 精製された硬木のスラリーは２０３ミリメートル／秒
（４０ｆｐｍ）で作動している３０５ミリメートル（１
２インチ）幅の試験用製紙機械の基体ウエブ上に適用さ
れる。基体ウエブは４０ｇ／ｍ2 で亜麻繊維によって構
成され３０％の沈澱炭酸カルシウム（表面積：２２ｍ2
／ｇ）を含み４０コアスタの有孔性を持ち横方向領域と
しては追加的に１０ｇ／ｍ2 のバンドが適用されてい
る。スラリーは３６０グラムの漂白された硬木パルプを
１．４％の密度で標準のＴＡＰＰＩヴアレービータで２
４時間精製して準備された硬木パルプで構成されてい
る。スラリーは基体ウエブ上に０．７５％の密度で５ミ
リメートル幅に、中心から中心まで計って２１ミリメー
トルの間隔で適用される。基体ウエブの厚さは６４ミク
ロン（２．５ミル）でバンド領域の厚さは６９ミクロン
（２．７ミル）である。応用装置を図２に示す。そのシ
ートは乾燥され再び湿らされ、しわを伸すように乾燥さ
れ、０．９％のクエン酸ナトリウム／カリウムで糊付け
されタバコ柱を包むために使用される。この紙によって
機械製作された紙巻きタバコは燃焼ラインが第一のバン
ドに到達した後３０から１２０秒の静的燃焼の間に消火
した。
【００５３】実施例 ２ セルロン（ウエアハウザー社の高表面積の生物学的に製
造されたセルロース）のスラリーが３０％の炭酸カルシ
ウム（表面積：８ｇ／ｍ2 ）を含んで、有孔度４０コア
スタの３５ｇ／ｍ2 の亜麻製の基体ウエブとして適用さ
れ、横方向領域は追加的に１ｇ／ｍ2 のバンドを適用さ
れている。そのスラリーは０．０４％の密度で５ミリメ
ートル幅で中心から中心までの距離を２１ミリメートル
として基体ウエブ上に適用された。適用装置はハンドシ
ート型枠内の湿ったハンドシートの頂部に置かれたプラ
スチック製テンプレートである。スラリーはテンプレー
ト頂部のテンプレートに作られたスロットを通して基体
ウエブ上にポンプで送られる。基体ウエブの厚さは６７
ミクロン（２．６ミル）でバンド領域の厚さは７１ミク
ロン（２．８ミル）である。ハンドシートは乾燥され
０．９％のクエン酸ナトリウム／カリウムで糊付けさ
れ、タバコ柱を包むのに使用される。この紙を使用して
機械製作された紙巻きタバコは３０から１２０秒の静的
燃焼の間に消火した。
【００５４】実施例 ３ プロクターアンドギヤンブル社（バックアイ）製の、機
械的削磨による高度に精製され繊維化されたセルロース
から製造された、試験用の膨張された繊維のスラリーが
３０％の炭酸カルシウム（表面積：８ｇ／ｍ2 ）を含ん
で有孔度４０コアスタの３５ｇ／ｍ2 の亜麻製の基体ウ
エブに適用され、横方向領域は追加的に５ｇ／ｍ2 のバ
ンドを適用した。実施例２に用いられたものと同じ方法
が実施例３にも用いられた。このシートの基体ウエブの
厚さは７４ミクロン（２．９ミル）でバンド領域の厚さ
は８１ミクロン（３．２ミル）である。ハンドシートは
乾燥され、０．９％のクエン酸ナトリウム／カリウムで
糊付けされタバコ柱を包むのに用いられた。この紙から
機械製造された紙巻きタバコは３０から１２０秒の静的
燃焼の間に消火した。
【００５５】前に述べた説明は単に本発明の原理の実例
であって本技術に熟練した者によって種々の改善が成さ
れ得ることは明らかである。たとえばコハク酸塩および
クエン酸塩を燃焼性を制御する化学薬品として挙げたが
もし要求されるならば他の従来既知の燃焼を制御する化
学薬品も使用することができる。さらに上記の製紙機械
の構成部品の一つまたはいくらか、あるいはすべてが機
械の異った形態を創るために回転されたり移転されても
良い。
【００５６】さらに樋（図には示されていない）を含む
回転ドラム２１と組み合わされた上記の真空箱２６は図
１および２に示されるスリット２２を備えたドラムと同
等に用いられることは明らかである。
【００５７】このようにして本発明は増大された基本重
量の複数の横方向領域を有する非積層紙を含むものであ
ることは理解されたであろう。このような紙は喫煙品の
ふくれ部分の数を変える包装材料として有用である。本
発明によればまた喫煙品のための包装材料に使用される
燃焼遅延剤の量を減少させることができ、かつ膨張され
たタバコの使用を増大させることができる。本発明はさ
らに紙の横方向に設定される材料に広い多様性を与える
製紙方法を供給するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】長網型製紙機械のヘッドボックスからプレス部
分までの製紙ラインの一部分の単純化された略図的な図
解である。
【図２】追加材料を付着させるアプリケータ手段の端部
立面図である。
【図３】増大された基本重量領域を有する紙の見本図で
ある。
【図４】本発明による紙と組み合わせた喫煙品の単純化
した図である。
【符号の説明】
１１ 横方向領域 １６ パルプウエブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナヴィン・ゴータム アメリカ合衆国ヴァージニア州23236、 リッチモンド、ノース、アーチ、ヴィレ ッジ、コート 9206−ジー (72)発明者 デヴィッド・ジェイ・クラスク アメリカ合衆国メイン州04474、オリン トン、ボックス 163、アールアール １ (72)発明者 ジェームズ・エル・ミラクル・ジュニア アメリカ合衆国ヴァージニア州23113、 ミドロシアン、ロチェスター、コート 2401 (72)発明者 ロバート・エム・ロジャース アメリカ合衆国ヴァージニア州23226、 リッチモンド、パーク、アヴェニュー 5706 (72)発明者 エドワード・ビー・サンダース アメリカ合衆国ヴァージニア州23233、 リッチモンド、ヒッコリーリッヂ、ロー ド 1923 (56)参考文献 特開 昭60−71798（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−85200（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−50295（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) D21H 1/00 - 27/42 A24D 1/00 - 1/18

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 無端スクリーン上でセルロースパルプの
    移動パルプウエブを形成することによる非積層紙の製造
    方法において、移動パルプウエブ上に追加材料を付着さ
    せて複数の横方向領域を形成し、追加材料の付着後、移
    動パルプウエブを押圧して増大した基本重量の複数の横
    方向領域を有する紙を形成し、 追加材料を付着させる段階は： 複数の開口部を有する中空ドラムを回転させること；お
    よび追加材料をその源から開口部へ導き、ドラムの回転
    が追加材料を移動パルプウエブ上へ付着させるように作
    用することを含むことを特徴とする非積層紙の製造方
    法。
  2. 【請求項２】 追加材料を付着させる段階は、さらに追
    加材料を付着させる移動パルプウエブの下側に真空を適
    用することを含むことを特徴とする請求項１の方法。
  3. 【請求項３】 追加材料は草、木または亜麻のパルプで
    あることを特徴とする請求項１の方法。
  4. 【請求項４】 パルプウエブ上に連続する横方向領域と
    して追加材料を付着させるアプリケータ手段（２０）；
    およびパルプウエブ（１６）を紙の非積層シートを形成
    するように押圧するローラ手段（１８）とによって特徴
    づけられる、 ある量のパルプを移動する無端成形金網（１４）上に流
    しパルプウエブ（１６）を製造する手段（１２）を有す
    る長網型製紙機械。
  5. 【請求項５】 アプリケータ手段（２０）は複数のスリ
    ット（２２）を有する中空回転ドラム（２１）、ドラム
    の内部に接触し追加材料が通過する開口（２４）を含む
    固定シュー（２３）、追加材料を材料源から固定シュー
    へと導く手段（２５）、とより成り、ドラムの回転は固
    定シューからパルプウエブへ至る追加材料の流れを中断
    するように作用することを特徴とする請求項４の機械。
  6. 【請求項６】 スリット（２２）は実質的に回転ドラム
    （２１）の縦方向軸に実質的に平行であることを特徴と
    する請求項５の機械。
  7. 【請求項７】 スリットは１ミリメートルから１０ミリ
    メートルの幅を有することを特徴とする請求項５の機
    械。
  8. 【請求項８】 スリットは５ミリメートルから４０ミリ
    メートル離れて配置されることを特徴とする請求項５の
    機械。
  9. 【請求項９】 アプリケータ手段（２０）はさらに追加
    材料が付着されるパルプウエブ（１６）の下部に真空を
    適用するための真空手段（２６）を含むことを特徴とす
    る請求項５の機械。
  10. 【請求項１０】 アプリケータ手段は複数の樋を有する
    中空回転ドラム、および追加材料によって樋を満すため
    の分配ヘッダ（distribution header ）を含み、それに
    よってドラムの回転に伴い樋からドラムの下部の移動パ
    ルプウエブへ向って追加材料を移送することを特徴とす
    る請求項４の機械。
  11. 【請求項１１】 アプリケータ手段は開いた時には移動
    パルプウエブ上に追加材料を付着させ、閉じた時にはヘ
    ッドボックスの外に向う材料の流れを妨げる、スライス
    を含んだヘッドボックスより成り、それによって横方向
    領域の増大された基本重量が作られることを特徴とする
    請求項４の機械。
  12. 【請求項１２】 アプリケータ手段はプレスロールの位
    置に置かれた移送ロールを含むことを特徴とする請求項
    ４の機械。
  13. 【請求項１３】 アプリケータ手段はサイズプレスの位
    置に置かれた四本ロールサイズプレスを含むことを特徴
    とする請求項４の機械。
  14. 【請求項１４】 包装紙の残余部の基本重量より大なる
    基本重量を有する複数の横方向領域を有するセルロース
    繊維の非積層紙の包装紙によって包装されたタバコ棒よ
    り成ることを特徴とする喫煙品。
  15. 【請求項１５】 横方向領域（１１）は３ミリメートル
    から７ミリメートル、好ましくは約２．５ミリメートル
    の幅を有することを特徴とする請求項１４の喫煙品。
  16. 【請求項１６】 横方向領域（１１）は約２１ミリメー
    トル離れて置かれることを特徴とする請求項１４の喫煙
    品。
  17. 【請求項１７】 横方向領域が包装紙の残余部への追加
    材料として好ましくはセルロース材料または充填物を含
    むことを特徴とする請求項１４の喫煙品。
  18. 【請求項１８】 前記の紙は喫煙品の静的燃焼速度を減
    少させるに十分な基本重量を有することを特徴とする請
    求項１４の喫煙品。
  19. 【請求項１９】 基本重量の増大は包装紙の残余部の基
    本重量の１００％増まで、好ましくは０．０１％から３
    ０％増までであることを特徴とする請求項１４の喫煙
    品。
  20. 【請求項２０】 包装紙の残余部は２５から６０コアス
    タ（Coresta ）の有孔性を有し、かつ横方向領域は１０
    コアスタまでの有孔性を有することを特徴とする請求項
    １４または１９の喫煙品。
  21. 【請求項２１】 前記横方向領域の厚さは包装紙の残余
    部の厚さよりも１０％まで大きいことを特徴とする請求
    項１４の喫煙品。
  22. 【請求項２２】 横方向領域（１１）は１ミリメートル
    から１０ミリメートル、好ましくは１．５ミリメートル
    から５ミリメートルの幅を有することを特徴とする請求
    項１４の喫煙品。
  23. 【請求項２３】 横方向領域（１１）は５ミリメートル
    から４０ミリメートル、好ましくは１５ミリメートルか
    ら３０ミリメートル離れて位置することを特徴とする請
    求項１４の喫煙品。
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