JP3170220B2 - 含気加熱殺菌包装用ポリエチレン系多層フィルム - Google Patents

含気加熱殺菌包装用ポリエチレン系多層フィルム

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JP3170220B2
JP3170220B2 JP07085397A JP7085397A JP3170220B2 JP 3170220 B2 JP3170220 B2 JP 3170220B2 JP 07085397 A JP07085397 A JP 07085397A JP 7085397 A JP7085397 A JP 7085397A JP 3170220 B2 JP3170220 B2 JP 3170220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装用フィルムに関
する。さらに詳しくは、ドライラミネート等のラミネー
ト工程を省略することができ、生麺等を含気密封包装し
た後、加熱殺菌を行うことが可能であり、また十分なヒ
ートシール温度範囲、ヒートシール強度、耐熱性、耐水
性、水切れ性、製袋適性、包装機との機械適性等に優
れ、バランスのとれた含気加熱殺菌包装用ポリエチレン
系多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】含気加熱殺菌は、生タイプ包装麺に代表
されるように、近年の新鮮志向、本物志向、グルメ志向
といった市場ニーズを的確に捉え、大きな需要が見込ま
れる分野である。湿潤状態にある麺等を常温にて長期保
存が可能にするためには、包装材料の選定が欠かせな
い。かかる含気加熱殺菌包装用フィルムには、十分なヒ
ートシール温度範囲、ヒートシール強度、加熱殺菌適
性、耐熱性、耐水性、水切れ性、製袋適性、包装機との
機械適性等、種々の機能が要求される。
【0003】例えば、生麺包装における包材の一般的な
製袋工程、生麺の充填包装工程、及び殺菌工程を示すと
以下の通りである。まず、製袋工程は単膜フィルムまた
はドライラミネートされたフィルムを半折し、数列の通
常100〜200mm巾おきに10〜20mmの縦シー
ルのみを行う。更に、縦シール部分の中間をスリット
し、筒状のフィルムを作成し巻き取る。次の充填包装工
程ではこのフィルムを縦方向に移送させながら下部のシ
ールを行った後、横方向にカットを行い、三方シール袋
を作成する。この袋の両端をチャックで挟み、袋を開
け、生麺を充填した後、スポンジでこの袋を押さえてあ
る程度内部に空気が残っている状態で上部シールが行わ
れる。この結果、各辺全てがシールされた四方シール袋
ができる。この方法は半折シール部分がないので、シー
ル部からの漏れがなく、信頼性が極めて高いとされる。
最終工程である殺菌工程では、通常90〜100℃での
加熱により、数十分間、殺菌が行われる。この後、冷
却、乾燥し、袋の外面を乾燥する。
【0004】ここで、含気包装とはある程度の空気が残
っている状態で密封包装をすることを指す。この方法は
空気をほとんど含まない包装方法と比較して、開封後の
生麺のほぐれが良好になるという特長を持つが、反面加
熱殺菌時に包装袋の中に含まれる空気が熱膨張し、かつ
生麺の水分の気化により、シール部分に過大な圧力がか
かる。その結果、シール強度等が弱い場合には破袋する
ことになる。含気包装袋はこの時の圧力に耐える構成が
必要になる。シール部の圧力を減少させる方法として
は、含気する空気量を少なくすれば良いが、生麺の麺同
士が密着する現象がおこり、麺のほぐれを著しく損なう
ので好ましくない。
【0005】包装袋の成形法としては他にインフレーシ
ョンフィルムからの成形がある。この方法は、既に筒状
になっているために縦シールを行う必要はないが、横シ
ール時に半折部分が完全にシールできない場合があり、
その結果、外気と接し、内容物が腐敗するという欠点が
あり好ましくない。また、スナック菓子等に広く使用さ
れている縦ピロー袋も、同様に縦シールと横シール部の
交点がシール漏れを起こしやすい。
【0006】ところで、かかる含気加熱殺菌装袋の包装
材料としては、二軸延伸ナイロンフィルムと無延伸ポリ
プロピレンフィルムまたはエチレンとαオレフィンから
成るエチレン系共重合体フィルムとのラミネート品が、
特に、シール強度、ホットタック性、低温での耐衝撃性
等からエチレン・αオレフィン共重合体フィルムが広く
使用されている。これらは、機械的特性、耐熱性、耐水
性等の要求特性を満たすものであが、二軸延伸ナイロン
フィルムが高価であること、異種フィルムのラミネート
であることより、特に加熱殺菌後に上シールと下シール
部分にできるシール余りが内側にカールしやすく、この
部分に水分が溜まりやすく、また、溜まった水の水切れ
性も悪いという欠点があった。
【0007】水切れ性を解消する方法としては、密度の
異なるエチレン・αオレフィン共重合体フィルム同士の
ラミネート品が公知である。これは、同じ種類のフィル
ムのラミネートであることからカールは起こりにくい。
しかし、2種類のフィルムのラミネート工程が必要であ
り、工程が煩雑で、かつコストアップをまねく。
【0008】これら問題を解決するため、例えば、異種
の樹脂を積層する多層フィルムが報告されている。しか
しながら、回収を行った際に透明性を損なったり、樹脂
間の界面接着性が悪くなることにより強度が劣るという
欠点があり、同種類の樹脂を使用することが望ましい。
【0009】一方、エチレン・αオレフィン共重合体の
みを使用した多層フィルムは、特公平6−102375
号公報、同6−75955号公報、特開平2−1727
37号公報、同2−194159号公報、同5−261
871公報、特開昭61−120745号公報、同58
−160147号公報、同58−18260号公報、等
に開示されており、これらはある種の包装用フィルムと
して使用できることも開示されている。しかしながらこ
れらを含気加熱殺菌包装として用いた場合は、例えば、
シール層の融点が低くいために耐熱性に欠け破袋を発生
したり、耐熱性は十分であるもののシール開始温度が高
かったり、シール強度に劣ったり、対衝撃性に劣った
り、という一つ以上の欠点を有しており、含気加熱殺菌
包装用フィルムとしての要求特性を満たすことはできな
かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ドライラミ
ネート等のラミネート工程を省略することができ、生麺
等を含気密封包装した後、加熱殺菌を行うことが可能で
あり、また十分なヒートシール温度範囲、ヒートシール
強度、耐熱性、耐水性、水切れ性、製袋適性、包装機と
の機械適性等に優れ、バランスのとれた含気加熱殺菌包
装用ポリエチレン系多層フィルムを提供することを課題
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定のエチレン・α
オレフィン共重合体、微粒子の組み合わせが生麺等の含
気加熱殺菌包装フィルムに最も好適であることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(A層)ビカット軟化点が100℃以上、110℃未満
であるエチレン・αオレフィン共重合体(a)100重
量部に対し、平均粒径5μm以上15μm未満である微
粒子を0.2重量部以上、1.0重量部未満含有するポ
リエチレン系樹脂層と、(B層)ビカット軟化点が12
0℃以上、128℃未満であるエチレン・αオレフィン
共重合体(b)100重量部に対し、平均粒径2μm以
上8μm未満である微粒子を0.05重量部以上、0.
50重量部未満含有するポリエチレン系樹脂層とからな
る含気加熱殺菌包装用ポリエチレン系多層フィルム、及
び前記(A層)と(B層)とを、(C層)(a)のビカ
ット軟化点より大きく(b)のビカット軟化点より小さ
いビカット軟化点をもつエチレン・αオレフィン共重合
体もしくはエチレン・αオレフィン共重合体の混合物
(c)からなる樹脂層を介して積層した含気加熱殺菌包
装用ポリエチレン系多層フィルムを提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のフィルムは少なくとも2層以上の
層を有する。ここで、A層は含気加熱殺菌包装袋のシー
ル層、B層は外層に相当する。各層の厚み比は全厚みに
対して6分の1以上であることが好ましい。A層が6分
の1未満ではシール性に劣り、B層が6分の1未満では
耐熱性に劣るので好ましくない。また、フィルムの厚み
は30μm以上100μm未満が好ましく、生麺含気包
装袋とする場合には、特に40μm以上〜80μm未満
が好ましい。
【0013】本発明でいうエチレン・αオレフィン共重
合体とは、エチレンと炭素数4ないし10のα−オレフ
ィンから成るエチレン系共重合体であり、α−オレフィ
ンとしては、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1、オクテン−1、デセン−1等の1種または
2種以上のいずれも使用できる。これらのエチレン・α
オレフィン共重合体から得られたフィルムは、ヒートシ
ール強度、ホットタック性、夾雑物シール性、耐衝撃性
等に優れるという特長を有する。
【0014】本発明の(A層)に使用されるエチレン・
αオレフィン共重合体(a)は、ビカット軟化点が10
0℃以上、110℃未満のものである。A層は含気加熱
殺菌包装体のシール層側になる。従って、低温ヒートシ
ール性を有することと、生麺等を充填包装した後の加熱
殺菌に耐える耐熱性という相反する特性が要求される。
ビカット軟化点が100℃未満の場合には加熱殺菌時に
ヒートシール部分が剥離し、ついには破袋する。また、
ビカット軟化点が110℃以上の場合は低温シール性が
損なわれ、これを補うためにシール温度を上げるとB層
までが溶融し、外観が著しく悪くなるばかりか、シール
部分の厚さに薄くなる部分ができ、ヒートシール強度も
低くなる。このビカット軟化点は、密度を0.915〜
0.927g/cm3 とすることで達成できる。また、
メルトフローレート(MFR)は0.5〜10g/10
分が好ましく、1〜5g/10分が更に好ましい。この
範囲より大であると通常のTダイでの成形性が悪くな
り、逆に小であると樹脂圧が高くなり、結果として押出
量が少なくなるので、生産上好ましくない。なお、メル
トフローレートはJIS−K7210により求められる
値である。
【0015】A層は袋として使用する場合、内面同士と
なるので、袋の口開き性である開口性を向上させること
を目的に、耐ブロッキング剤である微粒子の使用が必須
となる。耐ブロッキング剤の粒子径と添加量は、平均粒
径5μm以上15μm未満である微粒子を0.2重量部
以上、1.0重量部未満であるが、平均粒径が大きくな
ると添加量はこの範囲で少なくする事ができる。0.2
重量部未満では袋の開口性が不十分であり、1.0重量
部以上であるとヒートシール性及び透明性が悪化するた
め好ましくない。
【0016】使用できる微粒子としては、無機系微粒子
として、珪藻土、シリカ、ゼオライト等が、有機系微粒
子として、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレ
ン、ポリアミド等が例示できる。特に、有機系微粒子は
一般的に無機系微粒子よりも硬度が低いので、フィルム
同士がこすれ合った場合の耐擦傷性向上に効果が大きい
ため、有機系微粒子を使用することがより好ましい。微
粒子の形状は、フィルム表面に有効な突起を形成するた
めに、球形が最も好ましいが、その他の形状、例えば立
方体や不定形でも差し支えない。また、微粒子の分解開
始温度は250℃以上で、高いほど好ましい。通常のT
ダイ法の押出・製膜では、溶融樹脂温度は230℃程度
であり、分解開始温度が250℃より低い場合は押出・
製膜時にゲル化によるフィッシュアイの発生、また分解
臭の発生もあり安全衛生上も好ましくない。
【0017】本発明の(B層)に使用されるエチレン・
αオレフィン共重合体(b)は、ビカット軟化点が12
0℃以上、128℃未満のものである。B層は含気加熱
殺菌包装体の外側になり、直接シールバーに触れる部分
となる為、耐熱性が要求される。ビカット軟化点が12
0℃未満の場合には、シールバーにフィルムが溶融し付
着する。これは外観を著しく損なうばかりか、シール部
の厚さに薄くなる部分ができ、ヒートシール強度も低下
する。このビカット軟化点は、密度を0.938〜0.
945g/cm3 とすることで達成できる。また、メル
トフローレート(MFR)は0.5〜10g/10分が
好ましく、1〜5g/10分が更に好ましい。
【0018】B層側は、例えば四方シール製袋機にて縦
シールを行う際に、三角板と称される金属製の筒と接触
する部分がある。このエチレン・αオレフィン共重合体
(b)は耐ブロッキング剤を添加しなかった場合、フィ
ルムと三角板との滑り性が悪く、フィルムに擦り傷が発
生する。従って、耐ブロッキング剤を用いることが必要
となる。耐ブロッキング剤の粒子径と添加量は、特にT
ダイ成形の場合は、キャストロール面と溶融樹脂が接す
る部分が密着不良をおこす場合があり、あまり大粒径、
多添加量は好ましくない。従って、平均粒径2μm以上
8μm未満である微粒子を0.05重量部以上、0.5
0重量部未満含有することが必要となる。使用できる微
粒子としては、A層と同様、無機系微粒子として、珪藻
土、シリカ、ゼオライト等が、有機系微粒子として、ポ
リメチルメタアクリレート、ポリスチレン、ポリアミド
等が例示でき、分解開始温度は250℃以上で高いほど
好ましい。形状は、フィルム表面に有効な突起を形成す
るために、球形が最も好ましいが、その他の形状、例え
ば立方体や不定形でも差し支えない。
【0019】本発明では、A層とB層とをC層を介して
積層した、(A層)/(C層)/(B層)の3層フィル
ムが提供される。C層は、A層とB層の中間的な特性が
要求され、(a)のビカット軟化点より大きく(b)の
ビカット軟化点より小さいビカット軟化点をもつエチレ
ン・αオレフィン共重合体、もしくはエチレン・αオレ
フィン共重合体混合物(c)が使用される。このビカッ
ト軟化点を満たすエチレン・αオレフィン共重合体は、
密度を0.915〜0.937g/cm3 とすることで
達成できる。
【0020】3層フィルムとした場合は、A層/C層/
B層の厚み比は各層とも全厚みに対して6分の1以上が
好ましい。また、フィルムの厚みは30μm以上100
μm未満、特に40μm以上〜80μm未満が生麺含気
包装の用途には適している。
【0021】一般的には3層が最も広く使用されてお
り、この場合C層には実質的に耐ブロッキング剤である
微粒子を添加する必要がない。よって、透明性の改善ま
たはコスト面からもC層には後述するスリップ剤のみを
配合することが好ましい。なお、フィルムを製造する際
には、フィルム製膜時やスリット時に発生する耳やフィ
ルム屑の回収を行うのが一般的であるが、この場合は中
間層のC層に回収するのが好ましい。
【0022】本発明の多層フィルムの各層には、必要に
応じフィルムの特性を阻害しない範囲で他の樹脂、例え
ばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル
酸エステル共重合体等を混合して使用することもでき
る。また、全ての層に通常使用されるスリップ剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の添加剤
を使用することができる。特に高級脂肪酸アミド、高級
脂肪酸ビスアミド等のスリップ剤は滑り性を向上させる
ために、全層に0.02〜0.08重量部の範囲で使用
することが好ましい。更に各種機能性を持つ層、例えば
ガスバリアー性等を付加することも可能である。
【0023】本発明の多層フィルムの成形法については
特に制限はなく、公知の空冷及び水冷インフレーション
成形、Tダイフィルム成形等いずれも使用することがで
きる。成形温度は前述有機系微粒子の耐熱性の点から、
250℃を越えないことが望ましい。また、袋外面に印
刷等を施す場合はB層表面にコロナ放電処理等の表面処
理をしてもよい。
【0024】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を具体的
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
使用したエチレン・αオレフィン共重合体の種類を表1
に、それぞれの組み合わせと評価結果を表2に示す。な
お、表2の微粒子の欄に○が記載されたものは、A層は
ポリメチルメタアクリレートの球形微粒子(日本触媒
(株)製、エポスターMA1010:平均粒径10μ
m)をエチレン・αオレフィン共重合体(a)100重
量部に対し0.7重量部、B層は、珪藻土(昭和化学工
業(株)製、ラジオライト:平均粒径3.5μm)をエ
チレン・αオレフィン共重合体(b)100重量部に対
し0.2重量部、それぞれ添加したものであり、×が記
載されたものは、微粒子を添加しなかったことを表す。
また、実施例4のC層に表記されているPE−6:PE
−2=1:1はそれぞれのエチレン・αオレフィン共重
合体を1:1の割合で混合したことを示す。更に、全て
の例について、全層にスリップ剤としてエルカ酸アミド
(日本化成製、ダイヤミッドL−200)をエチレン・
αオレフィン共重合体100重量部に対し、0.05重
量部ずつ添加した。
【0025】以下の全ての例の多層フィルムは、以下の
方法により製造した。2層フィルムを製膜する場合は、
A層は50mmφ、B層は50mmφと65mmφの押
出機を用いて230℃で溶融・混練後、マルチマニホー
ルド方式3層Tダイを2層として使用した。混練、製膜
温度は230℃、B層をキャスティングロール側として
厚さ60μmのフィルムを得た。この時、厚み比はA層
/B層を1/4とした。また、3層フィルムの場合はA
層は50mmφ、B層は50mmφ、C層は65mmφ
の押出機を用いて、2層フィルムの場合と同条件にて6
0μmのフィルムを得た。厚み比はA層/C層/B層を
1/3/1とした。
【0026】本実施例中の評価方法は以下の通りであ
る。 (1)適正なヒートシール温度範囲 得られたフィルムのシール面であるA層側の面同士を重
ね合わせて、シール巾10mm、シール温度70℃から
5℃ピッチで、シール時間1秒、シール圧2.0Kg/
cm2 の条件で片面加熱のヒートシールを行い、得られ
た試験片を15mm巾にサンプリングし、引張試験機に
て300mm/分の速度にてT剥離試験を行った。その
際に500g/15mm巾以上の強度を示した温度をヒ
ートシール開始温度とした。また、更にシール温度を上
げていき、試験片がシールバーに融着する温度をヒート
シール上限温度とし、ヒートシール上限温度からヒート
シール開始温度を引いた値を適正なヒートシール温度範
囲とした。この範囲が広いほど実際の製袋、充填包装時
のシール条件が広く設定でき好ましい。
【0027】(2)製袋評価 三方シール製袋機を使用して縦シールを行った際の外
観、シール適性等を観察した。何ら問題の認められなか
ったものを○、問題があったものは×とし、詳細をそれ
ぞれ後述する例中で述べた。
【0028】(3)加熱殺菌適性 実際に生麺を充填し、ヒートシールされた密封包装袋に
対して、94℃×30分のスチーム殺菌を行った。この
条件は通常、生麺を加熱殺菌する条件と同一である。試
験数は1サンプルにつき20袋行い、破袋が認められな
いものを○、1つでも破袋が認められたものを×とし
た。なお、生麺の充填と横シールにはゼネラルパッカー
(株)製のチューブフィルム包装機である、GP−10
00B2を使用した。
【0029】(4)水切れ性 上記スチーム殺菌を行ったフィルムが内側にカールし、
横シールの余り部分に水が溜まりやすいかを調べた。溜
まりにくいものを○、溜まりやすいもの×とした。
【0030】実施例1〜4 いずれの組み合わせも適度なヒートシール温度範囲を持
ち、製袋、生麺充填、スチーム殺菌、水切れ性全てに於
いて問題は認められなかった。
【0031】比較例1 A層(シール層)に使用するエチレン・αオレフィン共
重合体(a)を、実施例1のPE−6よりもビカット軟
化点の低いものに変更した。適正なヒートシール温度範
囲は広くなり、シール部外観にも問題は認められなかっ
たが、94℃×30分のスチーム殺菌で全て破袋した。
【0032】比較例2 A層(シール層)に使用するエチレン・αオレフィン共
重合体(a)を、実施例3のPE−7よりもビカット軟
化点の低いものに変更した。シール部外観に問題は認め
られなかったが、94℃×30分のスチーム殺菌で20
袋中4袋が破袋した。
【0033】比較例3 A層(シール層)に使用するエチレン・αオレフィン共
重合体(a)を実施例5のPE−5よりもビカット軟化
点の低いものに変更した。シール部外観に問題は認めら
れなかったが、94℃×30分のスチーム殺菌で全て破
袋した。
【0034】比較例4 A層(シール層)に使用するエチレン・αオレフィン共
重合体(a)を実施例1のPE−6よりもビカット軟化
点の高いものに変更した。シール開始温度が高く、製袋
評価でも設定温度を高めにする必要があり、この場合シ
ール外観が悪くなった。
【0035】比較例5、6 B層(外層)に使用するエチレン・αオレフィン共重合
体(b)を実施例1のPE−2よりビカット軟化点が低
いものに変更した。シールバーにフィルム外側が融着し
がちであり、シール外観も悪かった。
【0036】比較例7 B層(外層)から耐ブロッキング剤である微粒子を除い
た以外は、実施例1と同一とした。シール性等に問題は
なかったが、縦シール製袋後のフィルム外側に擦り傷が
認められた。原因は四方シール製袋機の三角板(金属製
の筒)とフィルムのB層とが擦れあう時に発生すること
が判った。
【0037】比較例8 A層(シール層)から耐ブロッキング剤である微粒子を
除いた以外は実施例1と同一とした。シール性等には問
題なかったが、縦シール製袋後のフィルム内面同士が密
着気味であった。これにより、次の工程である袋を開い
て生麺を入れる時に袋が開きにくく、生麺が入れられな
かった。
【0038】
【表1】 PE-2,4,6,7,9 出光石油化学(株) PE-1,10 住友化学工業(株) PE-3,5,8 三井石油化学(株)
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のフィ
ルムはドライラミネート等のラミネート工程を省略する
ことができ、生麺等を含気密封包装した後、加熱殺菌を
行うことが可能なフィルムであり、また十分なヒートシ
ール温度範囲、ヒートシール強度、耐熱性、耐水性、水
切れ性、製袋適性、包装機との機械適性等に優れ、バラ
ンスのとれた含気加熱殺菌包装用ポリエチレン系多層フ
ィルムであり、生麺等の含気包装に特に好適なフィルム
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A層)ビカット軟化点が100℃以
    上、110℃未満であるエチレン・αオレフィン共重合
    体(a)100重量部に対し、平均粒径5μm以上15
    μm未満である微粒子を0.2重量部以上、1.0重量
    部未満含有するポリエチレン系樹脂層と、(B層)ビカ
    ット軟化点が120℃以上、128℃未満であるエチレ
    ン・αオレフィン共重合体(b)100重量部に対し、
    平均粒径2μm以上8μm未満である微粒子を0.05
    重量部以上、0.50重量部未満含有するポリエチレン
    系樹脂層とからなる含気加熱殺菌包装用ポリエチレン系
    多層フィルム。
  2. 【請求項2】 (A層)ビカット軟化点が100℃以
    上、110℃未満であるエチレン・αオレフィン共重合
    体(a)100重量部に対し、平均粒径5μm以上15
    μm未満である微粒子を0.2重量部以上、1.0重量
    部未満含有するポリエチレン系樹脂層と、(B層)ビカ
    ット軟化点が120℃以上、128℃未満であるエチレ
    ン・αオレフィン共重合体(b)100重量部に対し、
    平均粒径2μm以上8μm未満である微粒子を0.05
    重量部以上、0.50重量部未満含有するポリエチレン
    系樹脂層とを、(C層)(a)のビカット軟化点より大
    きく(b)のビカット軟化点より小さいビカット軟化点
    をもつエチレン・αオレフィン共重合体もしくはエチレ
    ン・αオレフィン共重合体の混合物(C)からなる樹脂
    層を介して積層した含気加熱殺菌包装用ポリエチレン系
    多層フィルム。
  3. 【請求項3】 (A層)に含有される微粒子が有機系で
    ある、請求項1又は2に記載の含気加熱殺菌包装用ポリ
    エチレン系多層フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の含気加熱殺菌包装
    用ポリエチレン系多層フィルムの(A)層を内面とし製
    袋し、生麺を含気包装して加熱殺菌した生麺包装体。
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