JP3169790B2 - 光磁気記録媒体及びその記録再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその記録再生方法

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    • G11B11/10586Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録再生装置に
適用される例えば光磁気ディスク、光磁気テープ、光磁
気カード等の光磁気記録媒体と、その記録再生方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え可能な光磁気記録媒体と
して、光磁気ディスクが実用化されている。このような
光磁気ディスクでは、光磁気ディスク上に集光された半
導体レーザの光ビームのビーム径に対して、記録磁区の
径および記録磁区の間隔(ピッチ)が小さくなってくる
と、再生特性が劣化してくるという問題がある。これ
は、集光された光ビームのなかに、隣接する記録磁区が
入ってくるため、一つ一つの記録磁区を分離して再生す
ることができなくなってしまうためである。
【0003】このような欠点を解消し、記録密度を高め
るために、光磁気記録媒体と再生用ビームスポットとの
相対的移動による温度分布を利用して光磁気記録媒体の
記録磁区を、再生時においては、所定の温度領域におい
てのみ発生させるようにして、再生の高解像度化を図る
構成が提案されており、特に、特開平4−255941
号公報には、再生層、再生補助層、記録層からなる光磁
気記録媒体を用い、再生にあたって、再生用ビームスポ
ット下で両側がマスクされた所定の温度領域で記録磁区
を読み出す構成が開示されている。これにおいては、ビ
ームスポットの径に制約されない、超高解像度の再生を
行なうことが可能となっている。
【0004】さらに、MORIS'94においては、超解像光磁
気再生技術に関する数件の発表が行われ、その予稿集の
No.29−K−05”Magnetically−I
nduced Super Resolution U
sing Magneto−Static Coupl
ing”(p.126)においては、室温で面内磁化状
態であり、温度上昇とともに垂直磁化状態となる再生層
と記録層との間に、非磁性中間層を設けることにより、
面内磁化状態にあるFront mask(前方マス
ク)とRear mask(後方マスク)が形成され、
さらに後方マスクによる信号変化が急峻であることが示
されている。
【0005】また、同じ予稿集のNo.29−K−0
6”Nwe Readout Technique U
sing Domain Collapse on M
agnetic Multilayer”(p.12
7)においては、後方マスクによる急峻な信号変化にお
いて良好なジッタ特性が得られること、及び、再生信号
を微分することにより、精度良く記録磁区の位置を検出
することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、今日、光磁
気記録媒体には、音情報だけでなく、画像情報等を記録
する必要に迫られており、さらに大容量の光磁気記録媒
体が必要とされている。ところが、上記従来の技術で
は、再生層における瞬間的な磁区の消滅(コラプス)を
利用することにより、立ち下りの急峻な再生信号波形が
得られるものの、再生信号波形の立ち上がり部分は、光
ビームの移動に伴うなだらかな信号変化しか得られてい
ない。したがって、再生信号波形の立ち上がり部分にお
いて、正確な位置情報の検出ができず、不正確な位置情
報を補う分、記録の高密度化が阻止されている。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ビームスポットの径に制約されない、
超高解像度の再生を行なうことが可能であると共に、立
ち上がりと立ち下りの両方が急峻な矩形を成す再生信号
を得て、画像情報等の記録にも充分対応できる大容量の
光磁気記録媒体を得ると共に、この光磁気記録媒体の効
果的な記録再生方法を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、上記の課題を解決するために、情報が垂直な磁化方
向によって記録される記録磁区を有する記録層と、再生
層へ働く浮遊磁界を制御する再生補助層と、記録層に記
録された情報を読み出して再生するための再生層とが、
各々の層間に非磁性中間層を介して順次積層されてお
り、上記再生補助層及び再生層は、再生補助層における
安定磁区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より小
さく、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より大きくなる
一方、再生層における安定磁区幅が、室温においては記
録磁区の磁区幅より大きく、温度上昇に伴い記録磁区の
磁区幅より小さくなり、かつ、再生層の安定磁区幅が記
録磁区の磁区幅以下になる温度が、再生補助層の安定磁
区幅が記録磁区の磁区幅以上になる温度よりも低温とな
るように設定されているとともに、上記再生層及び再生
補助層は、各々の安定磁区幅が温度により変化すること
で、再生補助層から発生する浮遊磁界に対して、室温に
おいて再生層の磁化反転が発生せず、温度上昇に伴い再
生層の磁化反転が発生し、さらなる温度上昇により反転
磁区が消滅するように設定されていることを特徴として
いる。
【0009】本発明の光磁気記録媒体は、上記の課題を
解決するために、情報が垂直な磁化方向によって記録さ
れる記録磁区を有する記録層と、再生層へ働く浮遊磁界
を制御する再生補助層と、記録層に記録された情報を読
み出して再生するための再生層とが、再生層と再生補助
層との間に非磁性中間層を介する一方、再生補助層と記
録層との間に、面内磁化膜からなる中間層を介して順次
積層されており、上記再生補助層及び再生層は、再生補
助層における安定磁区幅が、室温においては記録磁区の
磁区幅より小さく、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅よ
り大きくなる一方、再生層における安定磁区幅が、室温
においては記録磁区の磁区幅より大きく、温度上昇に伴
い記録磁区の磁区幅より小さくなり、かつ、再生層の安
定磁区幅が記録磁区の磁区幅以下になる温度が、再生補
助層の安定磁区幅が記録磁区の磁区幅以上になる温度よ
りも低温となるように設定されているとともに、上記再
生層及び再生補助層は、各々の安定磁区幅が温度により
変化することで、再生補助層から発生する浮遊磁界に対
して、室温において再生層の磁化反転が発生せず、温度
上昇に伴い再生層の磁化反転が発生し、さらなる温度上
昇により反転磁区が消滅するように設定されていること
を特徴としている。
【0010】本発明の光磁気記録媒体は、上記の課題を
解決するために、情報が垂直な磁化方向によって記録さ
れる記録磁区を有する記録層と、再生層へ働く浮遊磁界
を制御する再生補助層と、記録層に記録された情報を読
み出して再生するための再生層とが、再生層と再生補助
層との間に非磁性中間層を介する一方、再生補助層と記
録層との間に、記録層及び再生補助層のキュリー温度よ
り低いキュリー温度を有する垂直磁化膜からなる中間層
を介して順次積層されており、上記再生補助層及び再生
層は、再生補助層における安定磁区幅が、室温において
は記録磁区の磁区幅より小さく、温度上昇に伴い記録磁
区の磁区幅より大きくなる一方、再生層における安定磁
区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より大きく、
温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より小さくなり、か
つ、再生層の安定磁区幅が記録磁区の磁区幅以下になる
温度が、再生補助層の安定磁区幅が記録磁区の磁区幅以
上になる温度よりも低温となるように設定されていると
ともに、上記再生層及び再生補助層は、各々の安定磁区
幅が温度により変化することで、再生補助層から発生す
る浮遊磁界に対して、室温において再生層の磁化反転が
発生せず、温度上昇に伴い再生層の磁化反転が発生し、
さらなる温度上昇により反転磁区が消滅するように設定
されていることを特徴としている。
【0011】
【0012】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、上記の課題を解決するために、上記の光磁気記録媒
体に対し、初期化された再生層に光ビームを照射し、温
度上昇した部分の再生層に磁化反転及び反転磁区の消滅
を生じさせることにより、情報を再生するための再生信
号を得ることを特徴としている。
【0013】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、上記の課題を解決するために、上記の方法におい
て、情報を再生するための再生信号を微分処理して用い
ることを特徴としている。
【0014】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、上記の課題を解決するために、上記の光磁気記録媒
体に対し、記録磁区の大きさと記録磁区の位置とで情報
を記録することを特徴としている。
【0015】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、上記の課題を解決するために、上記の方法におい
て、記録磁区の大きさを、再生信号の立ち上がり部分と
立ち下り部分との時間の差によって求める一方、記録磁
区の位置を、再生信号の立ち上がり部分と立ち下り部分
との時間平均によって求めることを特徴としている。
【0016】
【作用】上記の構成によれば、記録層と再生補助層との
間、及び再生補助層と記録層との間に、非磁性中間層が
それぞれ設けられているので、これらの非磁性中間層に
より、記録層と再生補助層との間、及び再生補助層と記
録層との間には、磁気的交換結合が存在せず、再生補助
層の磁化方向は記録層からの浮遊磁界により、再生層の
磁化方向は再生補助層からの浮遊磁界によりそれぞれ制
御されることとなる。
【0017】そして、上記再生層及び再生補助層は、各
々の安定磁区幅が温度により変化することで、再生補助
層から発生する浮遊磁界に対して、室温において再生層
の磁化反転が発生せず、温度上昇に伴い再生層の磁化反
転が発生し、さらなる温度上昇により反転磁区が消滅す
るように設定されているため、光ビームが照射されてい
ない部分においては、再生補助層から発生する浮遊磁界
による再生層の磁化反転は発生せず、再生出力は存在し
ない。一方、光ビームが照射され温度上昇した部分にお
いては、再生補助層から発生する浮遊磁界による再生層
の磁化反転が発生し、再生出力が得られることになる。
そして、さらに温度上昇した部分においては、再生補助
層から発生する浮遊磁界により磁化反転した反転磁区が
消滅することになる。ここで、上記再生層及び再生補助
層を、各々の安定磁区幅が温度により変化することで、
再生補助層から発生する浮遊磁界に対して、室温におい
て再生層の磁化反転が発生せず、温度上昇に伴い再生層
の磁化反転が発生し、さらなる温度上昇により反転磁区
が消滅するように設定することは、上記再生補助層及び
再生層を、再生補助層における安定磁区幅が、室温にお
いては記録磁区の磁区幅より小さく、温度上昇に伴い記
録磁区の磁区幅より大きくなる一方、再生層における安
定磁区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より大き
く、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より小さくなり、
かつ、再生層の安定磁区幅が記録磁区の磁区幅以下にな
る温度が、再生補助層の安定磁区幅が記録磁区の磁区幅
以上になる温度よりも低温となるように設定すること
で、容易に実現できる。 つまり、再生補助層は、安定し
て存在し得る安定磁区幅が温度によって変化して、室温
では記録磁区幅より小さく、ある温度(第1温度とす
る)以上に昇温すると記録磁区幅以上となるように設定
されているので、室温を含め、第1温度までの範囲で
は、安定磁区幅が記録磁区幅より小さくなり、再生補助
層に記録磁区に対応する磁区が安定に存在し得、記録磁
区に対応した磁区が形成されるが、第1温度より高い範
囲では、安定磁区幅が記録磁区幅より大きくなり、再生
補助層に記録磁区に対応する磁区が安定に存在できなく
なり消滅してしまう。これに伴って、再生層の記録磁区
に対応する磁区も消滅する。 上記再生補助層からの浮遊
磁界により磁化方向が制御される再生層は、安定して存
在し得る安定磁区幅が温度によって変化して、室温では
記録磁区幅より大きく、上記の第1温度より低いある温
度(第2温度とする)以上に昇温すると記録磁区幅以下
となるように設定されているので、第2温度より温度の
高い範囲では、安定磁区幅が記録磁区幅より小さいた
め、再生層に記録磁区に対応する磁区が安定に存在し得
るが、第2温度より低い範囲では、安定磁区幅が記録磁
区幅より大きいため、再生層において記録磁区に対応す
る磁区は存在しないことになる。 したがって、光ビーム
の照射により、光磁気記録媒体上に形成される温度分布
において、第1温度と第2温度との間にある記録層の記
録磁区の情報のみが、再生層に転写され、光ビームによ
り再生出力として検出され、情報の読み出しが行なわ
れ、第1温度より高くなると、再生層に転写された反転
磁区が消滅するようになる。
【0018】すなわち、光ビームの照射により温度上昇
した光ビームの一部分の記録層の磁区情報のみを再生層
に転写し、再生することが可能になる。そして、この場
合、再生層における反転磁区の生成と消滅は瞬間的にな
されるので、得られる再生信号の波形は、急峻な立ち上
がりと急峻な立ち下りを示す矩形信号となり、従来より
も正確な位置情報の検出が可能となる。その結果、大容
量化に必要な記録の高密度化が充分達せられ、大容量の
記録再生装置が必要とされる例えば画像情報記録等に対
応できる光磁気記録媒体となる。
【0019】上記他の構成によれば、上述した構成で
は、記録層と再生補助層との間に、非磁性中間層が設け
られていたのに対し、面内磁化膜からなる中間層が設け
られている。面内磁化膜からなる中間層が設けられてい
る場合、再生補助層と記録層との磁気的交換結合は中間
層の面内磁化状態に依存し、再生補助層と記録層との間
には、中間層がキュリー温度に達するまで、各層の副格
子モーメントの向きを平行にしようとする磁気的交換結
合力が存在することになる。浮遊磁界により発生する磁
気的な力と、磁気的交換結合力とを比較した場合、磁気
的交換結合力の方が比較的強い。したがって、上述の光
磁気記録媒体の構成による作用に加えて、さらに、室温
において記録層の磁化情報が再生補助層に完全に転写さ
れた状態となり、再生層における記録磁区に応じた磁区
の生成と消滅とが、より安定に行なわれることとなる。
【0020】上記さらに他の構成によれば、上述した
成では、記録層と再生補助層との間に、非磁性中間層が
設けられていたのに対し、記録層及び再生補助層のキュ
リー温度より低いキュリー温度を有する垂直磁化膜から
なる中間層が設けられている。したがって、再生補助層
と記録層との間は、中間層がキュリー温度に達するまで
は、浮遊磁界より強い磁気的交換結合力が存在すること
になり、キュリー温度以上で再生補助層において反転磁
区が消滅するようになる。したがって、上述の光磁気記
録媒体と同様に、上述した構成による作用と共に、さら
に、室温において記録層の磁化情報が再生補助層に完全
に転写された状態となり、再生層における記録磁区に応
じた磁区の生成と消滅とが、より安定に行なわれること
となる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】上記の方法によれば、初期化された再生層
に光ビームを照射し、温度上昇した部分の再生層に磁化
反転及び反転磁区の消滅を生じさせることにより、情報
を再生するための再生信号を得るようになっているの
で、例えば室温での再生層における安定磁区幅が極めて
小さいと、再生後の再生層の磁化は、再生補助層及び記
録層と静磁結合し、記録層の磁化状態がそのまま再生層
に転写され、目的とする再生特性が得られなくなるが、
これにより、温度上昇に伴い再生層の磁化反転と消滅を
安定して実現することが可能となり、光ビームの照射に
より温度上昇した光ビームの一部分の記録層の磁区情報
のみを再生層に安定して転写し、再生することが可能に
なる。
【0026】また、上記の方法によれば、情報を再生す
るための再生信号を微分処理して用いるので、再生信号
の急峻な立ち上がりと急峻な立ち下りがさらに急峻なも
のとなり、記録磁区の存在する位置をより正確に検出で
きるようになる。したがって、記録磁区をさらに小さく
して記録密度を高めても、記録磁区に記録された情報を
再生することが可能であり、その結果、さらに大容量の
記録再生を実現することが可能となる。
【0027】また、上記の方法によれば、記録磁区の大
きさと記録磁区の位置とで情報を記録するようになって
いるので、記録磁区の大きさと位置に対応した情報をそ
れぞれ独立して記録再生することが可能となり、これに
より、さらに大容量の記録再生を実現できる。
【0028】また、上記の方法によれば、記録磁区の大
きさは再生信号の立ち上がり部分と立ち下り部分との時
間の差によって求め、記録磁区の位置は再生信号の立ち
上がり部分と立ち下り部との時間平均によって求めるよ
うになっている。記録磁区の大きさは再生信号の再生出
力でも求められるが、立ち上がり部分と立ち下り部分と
の時間の差によって求めることで精度良く検出し得る。
また、記録磁区の位置は再生信号の立ち上がり部分と立
ち下り部分との時間平均によって求めることで、記録磁
区の大きさに対応して再生時間幅が異なっても正確な位
置が得られることとなる。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を図1ないし図10に基
づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例の光磁
気記録媒体である光磁気ディスク200は、図2に示す
ように、基板1、透明誘電体層2、再生層3、非磁性中
間層7、再生補助層8、非磁性中間層9、記録層4、保
護層5、オーバーコート層6が、この順にて積層された
構成を有しており、光ビーム10が対物レンズ11によ
り再生層3に絞りこまれ、記録再生が行なわれるもので
ある。
【0030】上記光磁気ディスク200における記録層
4は、希土類遷移金属の垂直磁化膜からなり、デジタル
情報が記録された記録磁区101を有している。
【0031】再生補助層8は、希土類遷移金属の垂直磁
化膜からなり、記録層4から発生する浮遊磁界が、直接
再生層3に影響を及ぼすことを防止し、かつ、再生補助
層8から発生する浮遊磁界により再生層3の磁化方向を
制御するものである。そして、この再生補助層8は、安
定に存在し得る安定磁区の磁区幅(以下、安定磁区幅と
称する)が、室温では記録磁区101の磁区幅(記録磁
区幅)より小さく、温度上昇に伴って順次大きくなって
記録磁区101の磁区幅以上になるように設定されてい
る。再生補助層8における安定磁区幅が、記録磁区10
1の磁区幅以上になる温度を第1温度とし、本実施例の
場合、この第1温度は200℃である。
【0032】再生層3は、希土類遷移金属の垂直磁化膜
からなり、上記記録磁区101に応じた磁化方向が再生
補助層8からの浮遊磁界により転写され、反転磁区を形
成するようになっている。そして、この再生層3は、上
記再生補助層8とは反対に、その安定磁区幅が、室温で
は記録磁区101の磁区幅より大きく、温度上昇に伴っ
て順次小さくなり、記録磁区101の磁区幅以下になる
ように設定されている。再生層3における安定磁区幅
が、記録磁区101の磁区幅以下になる温度を第2温度
とする。上記第1温度と第2温度との間には、第1温度
>第2温度の関係が成り立っており、本実施例の場合、
第2温度は100℃である。
【0033】非磁性中間層7・9は、二つの磁性イオン
の磁気モーメント、すなわちスピンの相対的な方向を決
める磁気的な結合力である磁気的交換結合が、再生層3
と再生補助層8との間、及び再生補助層8と記録層4と
の間にて生じるのを阻止するためのものである。これに
より、光磁気ディスク200では、再生補助層8は、記
録層4からの浮遊磁界のみにてその磁化方向が制御さ
れ、再生層3は再生補助層8からの浮遊磁界にてその磁
化方向が制御されるようになる。
【0034】次に、上記構成の光磁気ディスク200の
再生方法を、図1(a)〜(d)を用いて説明する。
尚、光磁気ディスク200には通常、基板1に形成され
た複数のトラック107に沿って、記録層4に記録磁区
101が記録情報に対応して形成されているが、ここで
は、再生特性を分かり易く説明するために、一つのトラ
ック107にだけ記録磁区101が形成されている場合
について説明する。
【0035】同図(a)は、上記光磁気ディスク200
を上から見た図であり、ここでは、再生層3に再生可能
な状態で転写された記録磁区101aのみを図示してい
る。光ビーム10はトラック107に沿って相対的に移
動し、光ビームスポット10aも同様に相対的に移動す
るので、光磁気ディスク200上には移動速度に対応し
た温度分布が発生し、光磁気ディスク200上において
最も温度が高くなる部分は、光ビームスポット10aの
後方に位置するようになる。図に、200℃の等温線1
02と100℃の等温線103にて、上記第1温度と第
2温度に各々相当する温度分布を示している。
【0036】光ビームスポット10aが、同図(a)の
位置にある瞬間の各層の磁化の状態と浮遊磁界の状態を
同図(b)に示す。再生補助層8は、記録層4から発生
する浮遊磁界により、記録磁区101に対応する磁区を
形成する。前述のように、再生補助層8は、その安定磁
区幅が、室温では記録層4の記録磁区101の磁区幅よ
り小さく、第1温度を超えると記録磁区101の磁区幅
以上になるように設定されている。このため、第1温度
に相当する等温線102より温度の低い範囲(等温線1
02より外側)では、再生補助層8における安定磁区幅
が記録磁区101の磁区幅より小さくなり、再生補助層
8に記録磁区101に対応する磁区が安定に存在し得、
記録磁区101に対応した磁区が形成される。
【0037】これに対し、等温線102より温度の高い
範囲(等温線102より内側)では、再生補助層8にお
ける安定磁区幅が記録磁区101の磁区幅より大きくな
り、再生補助層8に記録磁区101に対応する磁区が安
定に存在できなくなり消滅してしまう。再生補助層8に
おける消滅した部分の磁化の向きは、記録磁区101に
対応する反転磁区が消滅するため、記録層4における記
録磁区101以外の領域の磁化の向きと一致することに
なる。そして、この部分の再生層3の磁化方向も、再生
補助層8の磁化の向きと一致することになる。
【0038】一方、再生層3においては、再生補助層8
から発生する浮遊磁界により、記録磁区101に対応す
る磁区を形成しようとする。前述のように、再生層3
は、その安定磁区幅が、室温では記録磁区101の磁区
幅より大きく、第2温度を超えると記録磁区101の磁
区幅以下になるように設定されている。このため、第2
温度に相当する等温線103より温度の高い範囲(等温
線103より内側)では、再生層3における安定磁区幅
が記録磁区101の磁区幅より小さいため、再生層3に
記録磁区101に対応する磁区が安定に存在し得る。
【0039】これに対し、等温線103より温度の低い
範囲(等温線103より外側)では、再生層3における
安定磁区幅が記録磁区101の幅より大きいため、再生
層3において記録磁区101に対応する磁区は存在しな
いことになる。
【0040】したがって、上記光磁気ディスク200で
は、等温線102と等温線103の間の領域(100℃
から200℃の温度範囲)にある記録層4の記録磁区1
01aの情報のみが、再生補助層8を介して再生層3に
転写され、光ビーム10により再生出力として検出さ
れ、情報の読み出しが行なわれることとなる。
【0041】同図(b)において105にて示す領域
が、等温線102と等温線103の間の領域(100℃
から200℃の再生温度領域)に入る転写領域であり、
104にて示す領域が等温線102より内側の、つまり
200℃を超えた高い温度を有する消滅領域である。
尚、106にて示す領域は、等温線102と等温線10
3の間領域に入り、再生層3に記録層4の情報が転写
されてはいるが、光ビームスポット10aの範囲外であ
るので、再生出力として検出されることはない。
【0042】同図(c)に、光ビーム10が同図(b)
に示した位置よりも進んだ次の瞬間の各層の磁化の状態
と浮遊磁界の状態を示す。同図(b)で転写領域105
に在り、記録層4の情報が再生層3に転写されていた記
録磁区101aは、今は消滅領域104に在り、前の瞬
間に読み出された情報は、再生補助層8の安定磁区幅が
記録磁区101aの磁区幅より大きくなることで、瞬間
的に消滅され、これによって、再生層3の反転磁区も消
滅される。また、転写領域105には、記録層4におけ
る何も記録されていない領域が位置しており、再生出力
には情報は検出されない。
【0043】同図(d)に、光ビーム10が同図(c)
に示した位置よりも進んだ次の瞬間の各層の磁化の状態
と浮遊磁界の状態を示す。同図(b)で転写領域105
に在り、記録層4の情報が再生層3に転写されていた記
録磁区101aの次の記録磁区101bが転写領域10
5に入り、瞬間的に磁区が生成されて記録磁区101b
の情報が再生層3に転写され、光ビーム10による情報
の読み出しが行なわれる。
【0044】このように、光磁気ディスク200では、
再生層3と再生補助層8との安定磁区幅が温度により変
化することで、光ビームスポット10aの径より充分に
狭い、等温線102と等温線103の間の温度範囲にあ
る記録層4の記録磁区101のみが再生層3に転写さ
れ、光ビーム10にて再生されるようになる。これによ
り、記録層4の記録密度を高めても、光ビーム10によ
り、各記録磁区101の情報を安定に確実に再生するこ
とが可能となり、大容量化に必要な記録の高密度化が充
分に達せられるので、大容量の記録再生装置が必要とさ
れる例えば画像情報記録等を充分に行なうことができ
る。
【0045】しかも、この場合、光ビーム10が移動
し、記録磁区101が等温線103を通過し、再生層3
における安定磁区幅が記録磁区幅より小さくなった時点
で、再生層3において瞬間的に反転磁区が形成される。
したがって、立ち上がりが急峻な再生信号となる。ま
た、記録磁区101が等温線102を通過し、再生補助
層8における安定磁区幅が記録磁区幅より大きくなった
時点で、再生補助層8におい瞬間的に反転磁区が消滅
し、これに伴って再生層3においても瞬間的に反転磁区
が消滅する。したがって、立ち下がりの急峻な再生信号
となる。
【0046】ここで、図3に、光磁気ディスク200
と、比較例として従来技術で示した予稿集に開示されて
いた光磁気ディスクとで、再生信号波形を調べた結果を
示す。
【0047】同図(a)に示すような異なる長さをもつ
3つの記録磁区101を順に再生した場合、従来の光磁
気ディスクでは、同図(b)に示すような再生信号波形
が得られ、上記の光磁気ディスク200では、同図
(c)に示すような再生信号波形が得られた。
【0048】従来の光磁気ディスクの場合、再生層3に
おける瞬間的な磁区の消滅(コラプス)を利用すること
により、立ち下りの急峻な再生信号波形が得られるもの
の、再生信号波形の立ち上がり部分は、光ビーム10の
移動に伴うなだらかな信号変化しか得られていない。
【0049】これに対し、本実施例の光磁気ディスク2
00では、再生特性を再生層3と再生補助層8とで制御
することにより、再生層3における瞬間的な磁区の生成
と消滅を利用しているので、同図(d)に示すように、
光ビーム10が矢印のように移動するに伴い、図中Aに
て示す、記録磁区101の始端部分に光ビームが到達し
た時点で、再生層3において瞬間的に反転磁区が生成さ
れ、図中Bにて示す、記録磁区101の終端部分から光
ビームが離れた時点で、再生層3において瞬間的に反転
磁区が消滅するようになり、その再生信号波形は、同図
(c)に示すような、立ち上がり、立ち下りとも急峻な
再生信号波形が得られたわけである。
【0050】このように、本実施例の光磁気ディスク2
00では、再生特性を再生層3と再生補助層8とで制御
することにより、再生層3における瞬間的な磁区の生成
と消滅を利用し、再生信号波形における立ち上がりと立
ち下りの両方が急峻な矩形を成す再生信号が実現でき
る。これにより、従来の光磁気ディスクより正確な位置
情報の検出が可能となり、さらに高密度な記録再生を実
現することができる。
【0051】続いて、上記光磁気ディスク200の製造
方法について説明する。
【0052】工程:Alターゲット、第1及び第2のGd
FeCo合金ターゲット、DyFeCo合金ターゲットを備えたス
パッタ装置内に、ディスク状に形成された、プリグルー
ブ及びプリピットを有するポリカーボネート製の基板1
を基板ホルダーに配置し、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを導
入し、Alターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3
Torrの条件で、基板1にAlN からなる透明誘電体層2を
形成する。
【0053】ここで、透明誘電体層2の膜厚は、再生特
性を改善するため、再生光の波長の1/4を、透明誘電
体層2の屈折率で除した値程度に設定され、例えば再生
光の波長を 680nmとすると、10nm〜80nm程度の膜厚でよ
く、本実施例においては、透明誘電体層2の膜厚を50nm
とした。
【0054】工程:再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、第1
GdFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrとし、上記透明誘電体層2上に、Gd0.18(Fe0.66C
o0.34)0.82からなる再生層3を形成する。この再生層3
は、ほぼ室温に補償温度を持ち、そのキュリー温度は4
20℃である。
【0055】再生層3の膜厚は、再生補助層8に存在す
る磁化情報が信号出力となって現れるのをある程度防ぐ
ために、10nm以上であることが望ましく、また、再生
層3が厚くなり過ぎると温度上昇に必要となる光ビーム
10のパワーが大きくなって記録感度の低下の原因とな
るため、その厚みは100nm以下であることが望まし
い。本実施例においては、再生層3の膜厚を40nmとし
た。
【0056】工程:スパッタ装置内にアルゴンと窒素
の混合ガスを導入し、Alのターゲットに電力を供給し
て、ガス圧4×10-3Torrの条件で、基板1の再生層3上
にAlNからなる非磁性中間層7を形成する。非磁性中間
層7の膜厚は、再生補助層8から発生する浮遊磁界を効
果的に再生層3に伝えるために、60nm以下であることが
望ましく、また、再生層3と再生補助層8との間に磁気
的交換結合が存在しないようにするために、その厚みは
1nm以上であることが望ましい。本実施例においては、
非磁性中間層7の膜厚を5nmとした。
【0057】工程:第2のGdFeCo合金ターゲットに電
力を供給して、ガス圧4×10-3Torrとし、非磁性中間層
7上に、Gd0.31(Fe0.66Co0.34)0.69からなる再生補助層
8を形成する。再生補助層8は、室温で補償組成に対し
て、TM(遷移)金属がRE(希土類)金属に比べて少
ないREリッチ組成であり、その補償温度は280℃、
そのキュリー温度は420℃である。
【0058】再生補助層8の膜厚は、記録層4から発生
する浮遊磁界が直接再生層3に影響を及ぼすことを防ぐ
と共に、再生補助層8から発生する浮遊磁界により再生
層3の磁化方向を制御する必要があり、10nm以上であ
ることが望ましく、また、再生補助層8が厚くなり過ぎ
ると温度上昇に必要となる光ビーム10のパワーが大き
くなって記録感度の低下の原因となるため、100nm以
下であることが望ましい。本実施例においては、再生補
助層8の膜厚を40nmとした。
【0059】工程:スパッタ装置内にアルゴンと窒素
の混合ガスを導入し、Alのターゲットに電力を供給し
て、ガス圧4×10-3Torrの条件で、非磁性中間層9を形
成する。非磁性中間層9の膜厚は、記録層4から発生す
る浮遊磁界を効果的に再生補助層8に伝えるため、60nm
以下であることが望ましく、また、再生補助層8と記録
層4との間に磁気的交換結合が存在しないようにするた
め、1nm以上であることが望ましい。本実施例において
は、非磁性中間層9の膜厚を5nmとした。
【0060】工程:再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、DyFe
Co合金のターゲットに電力を供給して、再生層3と同じ
条件で上記非磁性中間層9上に、Dy0.23(Fe0.75Co0.25)
0.77からなる記録層4を形成する。その記録層4は、ほ
ぼ室温に補償温度を有する垂直磁化膜であり、そのキュ
リー温度が 250℃である。記録層4の膜厚は、再生補助
層8の磁区反転に必要な浮遊磁界を発生させる必要があ
るため、20nm以上であることが望ましく、また、記録層
4が厚くなり過ぎると温度上昇に必要となる光ビーム1
0のパワーが大きくなり、記録感度の低下の原因となる
ため、その厚みは 100nm以下であることが望しい。本実
施例においては、記録層4の膜厚を40nmとした。
【0061】工程:スパッタ装置内にアルゴンと窒素
の混合ガスを導入し、Alのターゲットに電力を供給し
て、透明誘電体層2の形成条件と同一条件で、記録層4
上にAlN からなる保護層5を形成する。保護層5の膜厚
は、記録層4等の磁性層を酸化等の腐食から保護するこ
とが可能であればよく、5nm以上であることが望まし
い。本実施例においては、保護層5の膜厚を20nmとし
た。
【0062】工程:上記保護層5上に、紫外線硬化樹
脂、または熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、
紫外線を照射するか、加熱するかによってオーバーコー
ト層6を形成する。上記工程〜を経て、光磁気ディ
スク200が形成される。
【0063】図4は、同様にして形成した再生補助層8
と保護層5のみを有するサンプルディスクを用いて、再
生補助層8の保磁力・磁化の温度依存性を調べたもの
で、図5は、その安定磁区幅の温度依存性を調べたもの
である。また、図6は、同様にして形成した再生層3と
保護層5のみを有するサンプルディスクを用いて、再生
層3の保磁力・磁化の温度依存性を調べたもので、図7
は、その安定磁区幅の温度依存性を調べたものである。
尚、安定磁区幅としては、各温度において安定に存在し
得るストライプ状の磁区幅を採用した。
【0064】図4から、再生補助層8においては、室温
においてその保持力はほぼゼロに近く、280℃付近に
補償点を有し、磁化は温度上昇と共に低下することが分
かる。また、図5から、再生補助層8においては、温度
上昇に伴い安定磁区幅が大きくなり、室温において、0.
3 μm幅の磁区が再生補助層8で安定に存在し、200
℃以上の温度で0.3 μm幅の磁区が安定に存在しなくな
ることが分かる。
【0065】また、図6から、再生層3では、室温に補
償点を有し、室温より高くなると、保磁力はほぼゼロに
近くなり、磁化は温度上昇と共に200℃付近をピーク
に増加し、その後は低下することが分かる。また、図7
から、再生層3においては、温度上昇に伴い安定磁区幅
が小さくなり、室温において、0.3 μm幅の磁区が再生
層3で存在せず、100℃以上の温度で0.3 μm幅の磁
区が再生層3で安定に存在するようになることが分か
る。
【0066】つまり、このような再生層3と再生補助層
8を積層することにより、100℃以上200℃以下の
温度で、0.3 μm幅の磁区を安定に存在させることが可
能な再生層3を実現することが可能となっている。
【0067】次に、本実施例の光磁気ディスク200の
記録再生特性を調べた結果について説明する。まず、図
8に上記光磁気ディスク200におけるCNR(信号対
雑音比)のマーク長依存性を調べた結果を示す。ここで
は、再生層3、再生補助層8、記録層4の磁化方向を初
期化し、線速5m/s で、記録磁界を10kA/mとして6mWの
パワーの光ビーム10をパルス照射して、異なるマーク
長の記録磁区101をマーク長の2倍のピッチで形成し
た後、2mWの再生レーザパワーでCNRの測定を行っ
た。
【0068】ここで、記録層4が単層の場合と同様の10
kA/m程度の弱い記録磁界での記録が可能であったのは、
上記光磁気ディスク200においては、非磁性中間層7
・9により、再生層3、再生補助層8、記録層4の間に
磁気的交換結合が存在しないためである。
【0069】CNRの測定は、波長 830nmのレーザを用
いた光学系で行なっており、このような光学系を用いた
場合、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmにて普
通に記録された記録磁区101に対しては、再生すべき
記録磁区101と隣接する各記録磁区101との分離が
全くできず、そのCNRはゼロとなる。しかしながら、
光磁気ディスク200では、図8に示すように、マーク
長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmの記録磁区101に
おいて、40dBのCNRが得られた。このように、何らか
のCNRが得られるということは、光磁気ディスク20
0では、その再生時に、上記した磁気的超解像現象が実
現していることを意味している。
【0070】次に、図9に上記光磁気ディスク200に
おいて、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmにて
記録された記録磁区101から得られた再生信号波形を
示す。図に示すように、従来とは異なり特徴的な矩形の
再生信号波形を得ることができ、立ち上がり、立ち下り
が俊敏であることが分かる。
【0071】次に、図10にCNRの再生パワーへの依
存性を調べた結果を示す。ここでは、マーク長 0.3μ
m、マークピッチ 0.6μmに設定された記録磁区101
に対して、光ビーム10の再生パワーを種々変えてCN
Rを測定した。
【0072】図に示すように、ある再生パワーを境にし
て、CNRの再生パワーが急激に増加している。これ
は、再生パワーの上昇に伴い、図1(a)に、等温線1
02と等温線103にて示した温度分布が実現し、再生
層3において反転磁区の瞬間的な生成と消滅が発生する
ためである。つまり、このことから、本光磁気ディスク
200では、再生パワーを反転磁区の生成と消滅が可能
な再生パワー以上のパワーに設定しないと、良好な再生
信号を生成することができないことが分かる。尚、低い
再生パワー領域で、ある程度のCNRが観測されるの
は、再生層3を通過した光が記録層4の記録磁区101
の信号を再生しているためである。
【0073】また、再生パワーをさらに大きくすると、
CNRが急激に低下している。これは、記録層4がその
キュリー温度近傍まで温度上昇することにより、記録磁
区101の良好な転写が実現できなくなることによる。
【0074】これらのことから、光磁気ディスク200
を用いる光磁気ディスク装置の場合は、再生パワーを反
転磁区の生成と消滅が可能なパワー以上とし、かつ、記
録磁区101の良好な転写が実現できなくなるパワーよ
り小さくなるように設定すればよい。
【0075】次に、上記光磁気ディスク200の構成に
おいて、再生層3、非磁性中間層7、再生補助層8、非
磁性中間層9、記録層4の膜厚を種々変えて、サンプル
ディスク1〜サンプルディスク22を試作し、マーク長
0.3μm、マークピッチ 0.6μmに設定された記録磁区
101におけるCNRをそれぞれ測定した。その結果を
表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】ここにおけるCNRの測定も、波長830
nmのレーザを用いた光学系で行なっており、マーク長
0.3μm、マークピッチ 0.6μmで普通に記録された記
録磁区101に対して、何らかのCNRが得られるとい
うことは、前述と同様に、上記した磁気的超解像現象が
実現していることを意味している。
【0078】また、表1において、前述の図3に示す再
生信号波形と同様の矩形の再生信号波形が得られたサン
プルディスク、すなわち光磁気ディスク200と同様の
再生特性が観察されたものについては、再生特性の欄を
〇印にて示した。ここでは、再生層3と再生補助層8が
5nmに形成されたサンプルディスク1を除く全てのサン
プルディスクにおいて、CNRの大小の差は存在するも
のの、光磁気ディスク200と同様、上記した磁気的超
解像現象が確認された。
【0079】この結果からも、各層の膜厚としては、前
述したように、再生層3が10nm以上100 nm以下、非磁性
中間層7が1nm以上60nm以下、再生補助層8が10nm以上
100nm以下、非磁性中間層9が1nm以上60nm以下、記録
層4が20nm以上60nm以下であることが望ましいことが分
かる。
【0080】次に、再生層3と再生補助層8の組成を種
々変えて、サンプルディスク23〜サンプルディスク4
3を試作し、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μm
の記録磁区101におけるCNRをそれぞれ測定した。
それらの結果を表2に示す。尚、表2においては、X
1,Y1は、再生層3のGdX1(Fe Y1Co1-Y1)1-X1 の組成
比を表し、X2,Y2は、再生補助層8のGdX2(Fe Y2Co
1-Y2)1-X2 の組成比を表している。
【0081】
【表2】
【0082】上記CNRの測定では、波長 830nmのレー
ザを用いた光学系が用いられており、マーク長 0.3μ
m、マークピッチ 0.6μmで普通に記録された記録磁区
101に対して、何らかのCNRが得られるということ
は、前述と同様に、上記した磁気的超解像現象が実現し
ていることを意味している。
【0083】また、表2においても、前述の図3に示す
再生信号波形と同様の矩形の再生信号波形が得られたサ
ンプルディスク、すなわち光磁気ディスク200と同様
の再生特性が観察されたものについては、再生特性の欄
を〇印にて示した。
【0084】表2より、再生層3のGdX1(Fe Y1Co1-Y1)
1-X1 として、Y1=0.60、かつY2=0.66の場合、0.16
≦X1≦0.23、0.30≦X2≦0.36の範囲内が必要である
ことが分かる。これは、X1が0.16より小さい組成とな
ると、再生層3の室温における微小磁区が安定に存在
し、上記の磁気的超解像動作を得ることができなくなる
からである。また、X1が0.23より大きな組成となる
と、再生層3の温度上昇に伴う微小磁区の安定化が起こ
らなくなり、上記の磁気的超解像動作を得ることができ
なくなる。一方、X2が0.30より小さい組成となると、
再生補助層8が如何なる温度範囲においても微小磁区が
安定し難くなり、上記の磁気的超解像動作を得ることが
できなくなる。また、X2が0.36より大きな組成となる
と、再生層3の温度上昇に伴う微小磁区の消滅が発生せ
ず、上記の磁気的超解像動作を得ることができなくな
る。
【0085】また、Y1=0.80かつY2=0.80の場合、
0.13≦X1≦0.21、0.28≦X2≦0.34の範囲内が、上記
と同様の理由で必要となる。つまり、X1及びX2の可
能な範囲は、Y1及びY2の値により変化するものであ
る。
【0086】尚、本実施例の光磁気ディスク200で
は、透明誘電体層2として、AlN を用いた例を挙げた
が、SiN, MgO, SiO, TaO等の透明誘電体を用いることが
可能である。但し、再生層3や記録層4を構成する希土
類遷移金属合金薄膜が酸化され易いため、酸素を含有し
ないAlN やSiN を透明誘電体層2として用いることが望
ましい。
【0087】また、再生層3として、GdFeCo合金を用い
た例を挙げたが、上記再生層3としては、温度変化に伴
い安定磁区幅の変化が認められる材料であればよく、Gd
FeCo合金の他に、例えば、GdFe合金、GdDyFe合金、GdDy
FeCo合金等の希土類遷移金属合金薄膜を用いることが可
能である。
【0088】また、非磁性中間層7・9として、AlN を
用いた例を挙げたが、非磁性中間層7・9は磁性を示さ
ない材料であればその機能を果たすことが可能であり、
AlNの他に、Al、Si、Ta、Ti等の金属、および、SiN 、S
iO 、TaO 等の誘電体を用いることが可能である。そし
て、非磁性中間層7・9においても、透明誘電体層2と
同様に、酸素を含有しないAl、Si、Ta、Ti等の金属、お
よび、SiN 、AlN を用いることが望ましい。さらに、透
明誘電体層2としてAlN を用いた場合、非磁性中間層7
・9としてAlまたはAlN を用いること、透明誘電体層2
としてSiN を用いた場合、非磁性中間層7・9としてSi
またはSiN を用いることで、非磁性中間層7・9を形成
するために新たなスパッタ用ターゲットを省くことがで
きるという効果を得ることができる。
【0089】また、記録層4として、DyFeCo合金を用い
た例を挙げたが、再生時、再生補助層8に対して磁化反
転に必要な浮遊磁界を発生させることができればよく、
DyFeCo合金の他に、TbFeCo合金、TbDyFeCo合金、GdTbFe
Co合金等の希土類遷移金属合金薄膜を用いることが可能
である。
【0090】〔実施例2〕本発明の他の実施例を図11
及び図12に基づくと共に、前記実施例1の図面である
図3ないし図10を参照して説明すれば、以下の通りで
ある。尚、説明の便宜上、前述の実施例の部材と同一の
機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明
を省略する。
【0091】本実施例の光磁気記録媒体である光磁気デ
ィスク300は、図11に示すように、前述の光磁気デ
ィスク200において、記録層4と再生補助層8との間
に、非磁性中間層9が形成されていたのに対し、記録層
4と再生補助層8との間には、膜面内に磁化を有する面
内磁化膜からなる中間層15が形成された構成を有して
いる。そして、上記中間層15は、そのキュリー温度
が、記録層4のキュリー温度程度又はそれ以下となるよ
うに設定されている。尚、その他の構成は、前記実施例
1の光磁気ディスク200と同様である。
【0092】上記光磁気ディスク300においても、前
述の光磁気ディスク200の場合と同様に、再生層3と
再生補助層8とにおいて安定に存在し得る磁区の幅を集
光された光ビーム10により発生する温度分布に基づい
て制御し、瞬間的な磁区の生成と消滅を発生させること
により、図のように光ビーム10が照射されている部分
の一部分のみの再生層3の磁化を記録磁区101から発
生する浮遊磁界に対応して反転させ、集光された光ビー
ム10のビーム径よりも小さなピッチで形成された記録
磁区101の再生を可能としている。
【0093】図12(a)は、上記光磁気ディスク30
0を上から見た図であり、ここでは、再生層3に再生可
能な状態で転写された記録磁区101aのみを図示して
いる。また、同図(b)〜(d)は、光ビーム10の相
対的な移動に伴う各層の磁化の状態と浮遊磁界の状態を
説明する図であり、(b)はある一つの記録磁区101
aが転写された状態、(c)は転写された記録磁区10
1aが消滅した状態、(d)は次の記録磁区101bが
転写された状態をそれぞれ示している。同図(b)にお
いて105にて示す領域が転写領域であり、104にて
示す領域が消滅領域である。
【0094】等温線102より温度の低い範囲では、再
生補助層8における安定に存在し得る磁区幅は記録磁区
101の磁区幅より小さく成っており、再生補助層8に
おいて記録磁区101に対応する磁区は安定に存在して
いる。一方、等温線102より温度の高い範囲では、再
生補助層8における安定に存在し得る磁区幅は記録磁区
101の磁区幅より大きくなり、再生補助層8において
記録磁区101に対応する磁区は消滅する(消滅領域1
04)。ここで、消滅領域104における再生補助層8
の磁化の向きは、記録磁区101に対応する反転磁区が
消滅するため、記録磁区101以外の領域の磁化の向き
により決定される方向を向き、記録磁区101と同じ方
向を向くことになる。したがって、再生層3においても
記録磁区101の磁化の方向と同じ向きを向くことにな
る。
【0095】また、再生層3においては、再生補助層8
から発生する浮遊磁界により、同様に記録磁区101に
対応する磁区を形成しようとするが、等温線103より
温度の低い領域においては、再生層3において安定に存
在し得る磁区幅が記録磁区101の磁区幅より大きいた
め、再生層3において記録磁区101に対応する磁区は
存在しないことになる。また、等温線103より温度の
高い範囲では、再生層3において安定に存在し得る磁区
幅が記録磁区101の磁区幅より小さくなることによ
り、再生層3において記録磁区101に対応する磁区は
存在することになる。したがって、等温線102と等温
線103の間の温度範囲においてのみ記録層4の記録磁
区101が再生層3に転写されることになる(転写領域
105)。
【0096】このように、光磁気ディスク300でも、
再生層3と再生補助層8との安定磁区幅が温度により変
化することで、光ビームスポット10aの径より充分に
狭い、等温線102と等温線103の間の温度範囲にあ
る記録層4の記録磁区101のみが再生層3に転写さ
れ、光ビーム10にて再生されるようになる。これによ
り、記録層4の記録密度を高めても、光ビーム10によ
り、各記録磁区101の情報を安定に確実に再生するこ
とが可能となり、大容量化に必要な記録の高密度化が充
分に達せられるので、大容量の記録再生装置が必要とさ
れる例えば画像情報記録等を充分に行なうことができ
る。
【0097】また、光磁気ディスク300を用いて、前
述の図3(a)示すような異なる長さをもつ3つの記録
磁区101を順に再生した場合、同図(c)に示すよう
な、光磁気ディスク200と同様の、立ち上がり、立ち
下りとも急峻な再生信号波形が得られた。
【0098】つまり、本実施例の光磁気ディスク300
でも、前述の光磁気ディスク200と同様に、再生特性
を再生層3と再生補助層8とで制御することにより、再
生層3における瞬間的な磁区の生成と消滅を利用し、再
生信号波形における立ち上がりと立ち下りの両方が急峻
な矩形を成す再生信号が実現できる。これにより、従来
より正確な位置情報の検出が可能となり、画像情報の記
録にも対応可能な、さらに高密度な記録再生を実現する
ことができる。
【0099】さらに、上記光磁気ディスク300におい
ては、非磁性中間層9に代えて面内磁化膜からなる中間
層15が形成されているので、光磁気ディスク200に
比べて、再生補助層8においては、室温において記録層
4の磁化情報が完全に転写され、温度上昇に伴い瞬間的
な磁区の消去が実現される。
【0100】すなわち、光磁気ディスク300のよう
に、記録層4と再生補助層8との間に、面内磁化膜から
なる中間層15が存在する場合、再生補助層8と記録層
4との磁気的交換結合は中間層15の面内磁化状態に依
存し、この中間層15に制御される。そのため、再生補
助層8と記録層4との間には、中間層15がキュリー温
度に達するまで、各層の副格子モーメントの向きを平行
にしようとする磁気的交換結合力が存在することにな
る。浮遊磁界により発生する磁気的な力と、磁気的交換
結合力とを比較した場合、磁気的交換結合力の方が比較
的強い。したがって、光磁気ディスク200に比べ本光
磁気ディスク300の方が、室温において記録層4の磁
化情報が再生補助層8に完全に転写された状態となり、
再生層3における記録磁区101に応じた磁区の生成と
消滅とが、より安定に行なわれることとなる。
【0101】また、中間層15のキュリー温度を記録層
4のキュリー温度程度、又はそれ以下となるように設定
したことで、温度上昇に伴い再生補助層8と記録層4と
の交換結合力が徐々に小さくなり、中間層15のキュリ
ー温度を上記以外に設定した場合と比較して、温度上昇
に伴い瞬間的な磁区の消去がさらに安定に実現されるよ
うになる。
【0102】ところで、前述の光磁気ディスク200の
ように、記録層4と再生補助層8との間に非磁性中間層
9を設けた構成の場合、非磁性中間層9により再生補助
層8と記録層4との磁気的交換結合は存在しない。した
がって、光ビーム10の照射による温度上昇に伴い、瞬
間的な磁区の消去を再生補助層8において実現するため
に、再生補助層8の組成が室温において補償組成に対し
て遷移金属(TM)の含有率が希土類金属(RE)の含
有率に比べて少なくREリッチ組成となっており、記録
層4がTMリッチ組成となっている場合においても、再
生補助層8の室温における磁化方向は、記録層4から発
生する浮遊磁界と同一方向を向くことになり、記録層4
と再生補助層8の磁化方向は一致している(図1(b)
〜(d)参照)。
【0103】これに対し、本光磁気ディスク300のよ
うに、面内磁化膜からなる中間層15が存在する場合、
再生補助層8と記録層4との間には、磁気的交換結合力
が存在する。したがって、光ビーム10の照射による温
度上昇に伴い、瞬間的な磁区の消去を再生補助層8にお
いて実現するために、再生補助層8の組成が、室温にお
いて補償組成に対してREリッチ組成となっており、記
録層4がTMリッチ組成の場合、図12(b)〜(d)
に示すように、記録層4と再生補助層8の磁化方向は反
平行となる。
【0104】再生層4に対して働く浮遊磁界は、再生補
助層8と記録層4との両層から発生する浮遊磁界であ
り、非磁性中間層9が存在する場合のように、再生補助
層8と記録層4の磁化方向が一致していたほうが望まし
が、再生層3において最も影響ある浮遊磁界の発生源
は、最も近接している再生補助層8から発生する浮遊磁
界であり、面内磁化膜からなる中間層15の場合のよう
に、再生補助層8と記録層4の磁化方向が反平行となっ
ていても特に問題はない。
【0105】次に、上記光磁気ディスク300の製造方
法について説明する。Alターゲット、第1、第2及び第
3のGdFeCo合金ターゲット、DyFeCo合金ターゲットを備
えたスパッタ装置内に、実施例1と同様の条件で、前述
の工程〜を経て、基板1に透明誘電体層2、再生層
3、非磁性中間層7 、再生補助層8をそれぞれ形成す
る。尚、この場合の再生層3、再生補助層8の組成、及
び各層の膜厚は光磁気ディスク200の場合と同じとし
た。
【0106】次に、第3GdFeCo合金のターゲットに電力
を供給して、ガス圧4×10-3Torrとし、上記再生補助層
8上に、Gd0.40(Fe0.66Co0.34)0.60からなる中間層15
を形成する。中間層15は、そのキュリー温度まで常に
面内磁化を有する面内磁化膜である。中間層15の膜厚
は、室温において記録層4と再生補助層8とが磁気的交
換結合し、温度上昇に伴い再生補助層8において反転磁
区が消滅するように設定される必要があり、3nm以下で
あることが望ましく、また、厚く成り過ぎると、室温に
おける記録層4と再生補助層8との磁気的交換結合が弱
く成り過ぎて再生補助層8の室温における磁区転写状態
不安低となるため、50nm以上であることが望ましい。本
実施例においては、中間層15の膜厚を10nmとした。
【0107】次に、前記実施例1と同様の条件で、前述
の工程〜を経て、上記中間層15上に、記録層4、
保護層5、オーバーコート層6をそれぞれ順に形成し
た。尚、この場合の記録層4の組成も、各層の膜厚も光
磁気ディスク200の場合と同じとした。
【0108】このように形成した再生層3と再生補助層
8の安定磁区幅の温度依存性を調べた結果、実施例1と
ほぼ同様の結果が得られ、図5、図7から類推して、1
00℃以上200℃以下の温度で、0.3 μm幅の磁区を
安定に存在させることが可能な再生層3を実現すること
が可能であることが分かった。
【0109】次に、本実施例の光磁気ディスク300に
ついても、光磁気ディスク200と同様に記録再生特性
を調べた結果、図8に示す前述の光磁気ディスク200
と同様のCNRのマーク長依存性を得ることができた。
但し、光磁気ディスク300では、再生層3、再生補助
層8、記録層4の磁気的交換結合は制御された形で存在
するため、光磁気ディスク200の場合と比べて僅かに
大きな記録磁界が必要であり、15kA/m程度の弱い記録磁
界での記録が可能であった。
【0110】さらに、光磁気ディスク300について
も、マーク長0.3 μm、マークピッチ0.6 μmで記録さ
れた磁区から得られた再生信号波形は、前述の光磁気デ
ィスク200の図9に示すものと同様の、特徴的な矩形
の再生信号波形を得ることができた。
【0111】また、CNRの再生パワーへの依存性につ
いても、前述の光磁気ディスク200の図10に示すも
のと同様の、ある再生パワーを境にして、CNRの再生
パワーが急激に増加する特性が得られた。
【0112】また、本実施例の光磁気ディスク300に
ついても、光磁気ディスク200と同様に、再生層3、
非磁性中間層7、再生補助層8、中間層15、記録層4
の膜厚を変えて各種サンプルディスクを試作し、各層の
膜厚依存性を調査した結果、面内磁化膜からなる中間層
15を除き、ほぼ同様の結果が得られた。中間層15
は、再生補助層8と記録層4との良好な交換結合状態を
実現するため、前述したように、3nm以上50nm以下で
あることが好ましい。また、再生層3と再生補助層8の
組成についても、光磁気ディスク200と同様の結果が
得られた。面内磁化膜からなる中間層15の組成として
は、その磁化方向が膜面内に存在する組成であり、再生
補助層8と記録層4との良好な交換結合状態を実現する
ことが可能であればよい。
【0113】また、その他、透明誘電体層2、再生層
3、非磁性中間層7、記録層4の材料についても、光磁
気ディスク200と同様に考えることが可能である。ま
た、面内磁化膜からなる中間層15として、本実施例に
おいては、GdFeCoを採用しているが、その磁化方向が膜
面内に存在する材料であればよく、GdFe,GdCo,FeCo等
の材料でもよい。
【0114】〔実施例3〕本発明の他の実施例を図13
及び図14に基づくと共に、前記実施例1の図面である
図3ないし図10を参照して説明すれば、以下の通りで
ある。尚、説明の便宜上、前述の実施例の部材と同一の
機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明
を省略する。
【0115】本実施例の光磁気記録媒体である光磁気デ
ィスク400は、図13に示すように、前述の光磁気デ
ィスク200において、記録層4と再生補助層8との間
に、非磁性中間層9が形成されていたのに対し、記録層
4と再生補助層8との間には、垂直磁化膜からなる中間
層16が形成された構成を有している。そして、上記中
間層16は、そのキュリー温度が、記録層4のキュリー
温度及び再生補助層8のキュリー温度より低くなるよう
に設定されている。尚、その他の構成は、光磁気ディス
ク200と同様である。
【0116】上記光磁気ディスク400においても、前
述の光磁気ディスク200の場合と同様に、再生層3と
再生補助層8とにおいて安定に存在し得る磁区の幅を集
光された光ビーム10により発生する温度分布に基づい
て制御し、瞬間的な磁区の生成と消滅を発生させること
により、図のように光ビーム10が照射されている部分
の一部分のみの再生層3の磁化を記録磁区101から発
生する浮遊磁界に対応して反転させ、集光された光ビー
ム10のビーム径よりも小さなピッチで形成された記録
磁区101の再生を可能としている。
【0117】図14(a)は、上記光磁気記録媒体を上
から見た図であり、ここでは、再生層3に再生可能な状
態で転写された記録磁区101aのみを図示している。
また、同図(b)〜(d)は、光ビーム10の相対的な
移動に伴う各層の磁化の状態と浮遊磁界の状態を説明す
る図であり、(b)はある一つの記録磁区101aが転
写された状態、(c)は転写された記録磁区101aが
消滅した状態、(d)は次の記録磁区101bが転写さ
れた状態をそれぞれ示している。同図(b)において1
05にて示す領域が転写領域であり、104にて示す領
域が消滅領域である。
【0118】等温線102より温度の低い範囲では、再
生補助層8における安定に存在し得る磁区幅は記録磁区
101の磁区幅より小さく成っており、再生補助層8に
おいて記録磁区101に対応する磁区は安定に存在して
いる。一方、等温線102より温度の高い範囲では、再
生補助層8における安定に存在し得る磁区幅は記録磁区
101の磁区幅より大きくなり、再生補助層8において
記録磁区101に対応する磁区は消滅する(消滅領域1
04)。ここで、消滅領域104における再生補助層8
の磁化の向きは、記録磁区101に対応する反転磁区が
消滅するため、記録磁区101以外の領域の磁化の向き
により決定される方向を向き、記録磁区101と同じ方
向を向くことになる。したがって、再生層3においても
記録磁区101の磁化の方向と同じ向きを向くことにな
る。
【0119】また、再生層3においては、再生補助層8
から発生する浮遊磁界により、同様に記録磁区101に
対応する磁区を形成しようとするが、等温線103より
温度の低い領域においては、再生層3において安定に存
在し得る磁区幅が記録磁区101の磁区幅より大きいた
め、再生層3において記録磁区101に対応する磁区は
存在しないことになる。また、等温線103より温度の
高い範囲では、再生層3において安定に存在し得る磁区
幅が記録磁区101の磁区幅より小さくなることによ
り、再生層3において記録磁区101に対応する磁区は
存在することになる。したがって、等温線102と等温
線103の間の温度範囲においてのみ記録層4の記録磁
区101が再生層3に転写されることになる(転写領域
105)。
【0120】このように、本実施例の光磁気ディスク4
00でも、再生層3と再生補助層8との安定磁区幅が温
度により変化することで、光ビームスポット10aの径
より充分に狭い、等温線102と等温線103の間の温
度範囲にある記録層4の記録磁区101のみが再生層3
に転写され、光ビーム10にて再生されるようになる。
これにより、記録層4の記録密度を高めても、光ビーム
10により、各記録磁区101の情報を安定に確実に再
生することが可能となり、大容量化に必要な記録の高密
度化が充分に達せられるので、大容量の記録再生装置が
必要とされる例えば画像情報記録等を充分に行なうこと
ができる。
【0121】また、光磁気ディスク400を用いて、前
述の図3(a)示すような異なる長さをもつ3つの記録
磁区101を順に再生した場合、同図(c)に示すよう
な、光磁気ディスク200と同様の、立ち上がり、立ち
下りとも急峻な再生信号波形が得られた。
【0122】つまり、光磁気ディスク400でも、前述
の光磁気ディスク200と同様に、再生特性を再生層3
と再生補助層8とで制御することにより、再生層3にお
ける瞬間的な磁区の生成と消滅を利用し、再生信号波形
における立ち上がりと立ち下りの両方が急峻な矩形を成
す再生信号が実現できる。これにより、従来より正確な
位置情報の検出が可能となり、画像情報の記録にも対応
可能な、さらに高密度な記録再生を実現することができ
る。
【0123】そして、上記光磁気ディスク400におい
ては、非磁性中間層9に代えて、記録層4のキュリー温
度及び再生補助層8のキュリー温度より低いキュリー温
度を有する垂直磁化膜からなる中間層16が形成されて
いるので、室温において記録層4と再生補助層8とが磁
気的交換結合しており、前記の光磁気ディスク300の
場合と同様に、光磁気ディスク200に比べ本光磁気デ
ィスク400の方が、室温において記録層4の磁化情報
が再生補助層8に完全に転写された状態となり、再生層
3における記録磁区101に応じた磁区の生成と消滅と
が、より安定に行なわれる。
【0124】次に、上記光磁気ディスク400の製造方
法について説明する。まず、Alターゲット、第1及び第
2のGdFeCo合金ターゲット、第1及び第2のDyFeCo合金
ターゲットを備えたスパッタ装置内に、実施例1と同様
の条件で、前述の工程〜を経て、基板1に透明誘電
体層2、再生層3、非磁性中間層7 、再生補助層8をそ
れぞれ形成した。尚、この場合の再生層3の組成も、各
層の膜厚も光磁気ディスク200の場合と同じとした。
但し、再生補助層8の組成は、GD0.31(Fe0.64Co0.34
0.69である。
【0125】次に、第1GdFeCo合金のターゲットに電力
を供給して、ガス圧4×10-3Torrとし、上記再生補助層
8上に、Dy0.23(Fe0.92Co0.08)0.77からなる中間層16
を形成する。中間層16は、ほぼ室温に補償点を有する
垂直磁化膜であり、そのキュリー温度は170℃であ
る。中間層16の膜厚は、室温において記録層4と再生
補助層8とが磁気的交換結合し、温度上昇に伴い再生補
助層8において反転磁区が消滅するように設定される必
要があり、記録層4と再生補助層8とが直接交換結合す
ることを回避するために3nm以下であることが望まし
く、また、厚く成り過ぎると、温度上昇に必要となる光
ビーム10のパワーが大きくなり、記録感度の低下の原
因となるため、100nm以上であることが望ましい。本
実施例においては、中間層16の膜厚を20nmとした。
【0126】次に、前記実施例1と同様の条件で、前述
の工程〜を経て、上記中間層16上に、記録層4、
保護層5、オーバーコート層6をそれぞれ順に形成し
た。尚、この場合の記録層4の組成も、各層の膜厚も光
磁気ディスク200の場合と同じとした。
【0127】このように形成した再生層3と再生補助層
8の安定磁区幅の温度依存性を調べた結果、光磁気ディ
スク200とほぼ同様の結果が得られ、図5、図7から
類推して、100℃以上200℃以下の温度で、0.3 μ
m幅の磁区を安定に存在させることが可能な再生層3を
実現することが可能であることが分かった。
【0128】次に、本光磁気ディスク400について
も、光磁気ディスク200と同様に記録再生特性を調べ
た結果、図8に示す前述の光磁気ディスク200と同様
のCNRのマーク長依存性を得ることができた。但し、
本光磁気ディスク400では、再生層3、再生補助層
8、記録層4の磁気的交換結合は記録層4のキュリー温
度近傍で存在しなくなるように設定されているため、光
磁気ディスク200と比べて僅かに大きな記録磁界が必
要であり、15kA/m程度の弱い記録磁界での記録が可能で
あった。
【0129】さらに、本光磁気ディスク400について
も、マーク長0.3 μm、マークピッチ0.6 μmで記録さ
れた磁区から得られた再生信号波形は、光磁気ディスク
200の図9に示すものと同様の、特徴的な矩形の再生
信号波形を得ることができた。
【0130】また、CNRの再生パワーへの依存性につ
いても、光磁気ディスク200の図10に示すものと同
様の、ある再生パワーを境にして、CNRの再生パワー
が急激に増加する特性が得られた。
【0131】また、本実施例の光磁気ディスク400に
おいても、光磁気ディスク200と同様に、再生層3、
非磁性中間層7、再生補助層8、中間層16、記録層4
の膜厚を変えて各種サンプルディスクを試作し、各層の
膜厚依存性を調査した結果、中間層16を除き、光磁気
ディスク200とほぼ同様の結果が得られた。中間層1
6は、再生補助層8と記録層4との良好な交換結合状
態、すなわち、室温で再生補助層8と記録層4とが充分
に交換結合し、中間層16のキュリー温度以上で交換結
合が存在しなくなる状態が実現されればよい。
【0132】また、再生層3と再生補助層8の組成につ
いても、光磁気ディスク200と同様の結果が得られ
た。中間層16の組成としては、前述したように、その
キュリー温度が再生補助層8と記録層4の各キュリー温
度以下に設定されており、そのキュリー温度が100℃
以上250℃以下となるように設定されていることが望
ましい。
【0133】また、その他、透明誘電体層2、再生層
3、非磁性中間層7、記録層4の材料についても、光磁
気ディスク200と同様に考えることが可能である。ま
た、中間層16として、本実施例においては、DyFeCoを
採用しているが、そのキュリー温度が記録層4及び再生
補助層8の各キュリー温度以下に設定されていればよ
く、GdFe,GdDyCo,GdDyFeCo等の材料でもよい。
【0134】〔実施例4〕本発明の他の実施例を図15
ないし図23に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前述の実施例の部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0135】本実施例は、前記実施例1・2・3の各光
磁気ディスク200・300・400の各記録層4に記
録された情報を再生する際の、再生層3の初期化につい
て説明するものである。
【0136】前記した各光磁気ディスク200・300
・400では、図1、図12、図14にそれぞれ示すよ
うに、光ビーム10の照射されていない部分において、
再生層3の磁化方向が予め一方向に揃っている必要があ
る。
【0137】これは、室温での再生層3における安定磁
区幅が極めて小さいと、再生後の再生層3の磁化は、再
生補助層8及び記録層4と静磁結合し、記録層4の磁化
状態がそのまま再生層3に転写され、目的とする再生特
性が得られなくなるためである。
【0138】再生層3を初期化し、再生層3のみの磁化
方向を所定の方向に揃えることで、上記した磁気的超解
像現象をより安定して実現することが可能となる。加え
て、再生層3の初期化を行うことにより、上記の磁気的
超解像現象を実現するための再生層3の組成範囲を、前
述したものより拡大することが可能となる。
【0139】再生層3の磁化方向を一方向に揃える方法
としては、以下に示すように、初期化磁界を印加する方
法、再生磁界を利用する方法、再生補助層8から発生す
る浮遊磁界を利用する方法がある。
【0140】初期化磁界を印加して再生層3を初期化す
る方法は、図15(a)(b)に示すように、光ビーム1
0が照射される前段で、再生に先立って初期化磁界(H
init)20を記録層3に印加して、再生層3の初期化を
行なうものである。ところで、再生補助層8の磁化方向
は、室温及び再生温度領域(100℃〜200℃)にお
いて、光磁気ディスク200では記録層4から発生する
浮遊磁界と同じ向き、光磁気ディスク300・400で
は記録層4から働く磁気的交換結合により決定される向
きを向いている必要がある。したがって、初期化磁界2
0の大きさとしては、この再生補助層8の磁化の向きを
変えずに、再生層3の磁化方向のみを初期化磁界の方向
へ揃える程度の強さである必要がある。尚、図15にお
いては、光磁気ディスク200を例示している。
【0141】また、光ビーム10が照射された再生層3
の部分に対して再生磁界21を印加して再生層3を初期
化する方法は、図16(a)(b)に示すように、光ビー
ム10が照射された再生層3の部分に対して、再生磁界
発生手段22を用いて、再生磁界21を印加して初期化
を行なうものである。
【0142】この場合も、図15(b)の初期化磁界2
0を印加する場合と同様に、室温及び再生温度領域(1
00℃〜200℃)において、再生補助層8の磁化方向
は、光磁気ディスク200では記録層4から発生する浮
遊磁界と同じ向き、光磁気ディスク300・400では
記録層4から働く磁気的交換結合により決定される向き
を向いている必要があり、再生磁界21の大きさとして
は、この再生補助層8の磁化の向きを変えずに、再生層
3の磁化方向のみを初期化磁界の方向へ揃える程度の強
さである必要がある。尚、図16においても、光磁気デ
ィスク200を例示している。
【0143】そして、この場合、再生磁界発生手段22
を、記録磁界を発生する手段と共通化することにより、
装置の大型化・コストアップを回避して上記効果を得る
ことができる。
【0144】一方、再生補助層8から発生する浮遊磁界
23を用いて再生層3を初期化する方法では、図17
(a)(b)に示すように、記録層4における情報が記録
されている記録磁区101よりも、記録磁区101と記
録磁区101との間に形成されている非記録部分の磁区
幅が相対的に大きくなるように設定する。このようにす
ることで、再生補助層8からは、記録された各磁化方向
と同一方向の浮遊磁界23が発生するが、室温において
は再生層3の安定磁区幅が記録磁区幅より大きく設定さ
れているため、結局、再生層3は、再生温度領域に位置
する部分を除いて、相対的にトータルの浮遊磁界23が
大きくなる磁化方向、つまり、非記録部分の磁化方向に
揃えられ、初期化されることになる。尚、図17におい
ても、光磁気ディスク200を例示している。
【0145】そして、このように初期化に再生補助層8
の浮遊磁界を用いるために、記録層4における非記録部
分が記録部分より相対的に大きくなるように設定するに
は、図18に示すように、グルーブ部111およびラン
ド部112上のトラック107に形成された記録磁区1
01の位置で情報を記録するマークポジション記録が記
録方式として望ましい。
【0146】その他、記録磁区101の長さで情報を記
録するマークエッジ記録においても、図19に示すよう
に、記録磁区101の幅W1 を、トラック107の幅W
2 よりも狭く設定することにより、非記録部分が記録部
分よりも相対的に大きくなるように設定することが可能
である。
【0147】ここで、ランド部112に記録を行なうラ
ンド記録方式にてマークエッジ記録を行った場合に、記
録層4からの浮遊磁界23により再生層3の初期化を行
なうことが可能な、つまり、言い換えれば非記録部分が
記録部分よりも相対的に大きくなるように設定し得る記
録磁区101の幅を、光磁気ディスク200について調
べた結果を、図21に示す。
【0148】図20に示すように、基板1は、ピッチ
1.1μmで、かつ、ランド幅 0.9μmに形成されたラン
ド部112を有しており、ランド部112にさまざまな
幅W3μmの記録磁区101を形成して各CNRを測定
し、再生パワー依存性を調べた。
【0149】図21から明らかなように、記録磁区幅W
3 が 0.9μmの場合、再生パワーの増加に伴うCNRの
上昇が観測されなかった。これは、すなわち室温状態に
おいて再生層3に記録層4の情報が転写されていること
を意味しており、記録層4からの浮遊磁界23により再
生層3の初期化を行うことによる磁気的解像現象が実現
できていないことが分かる。
【0150】一方、記録磁区幅W3 が 0.8μm、 0.7μ
m、 0.6μm、 0.5μm、 0.4μmと狭く設定されるこ
とにより、再生パワーの増加に伴うCNRの上昇が観測
され、記録層4からの浮遊磁界23により再生層3の初
期化が行われることによる磁気的解像現象が実現されて
いることが分かる。
【0151】すなわち、記録層4からの浮遊磁界23に
より再生層3の初期化が行われることによる上記した磁
気的超解像現象を実現するためには、記録磁区101の
幅をトラック107の幅つまりランド部112の幅より
狭く設定すればよい。
【0152】続いて、図22に示すように、ランド部1
12とグルーブ部111との双方に記録を行うランド・
グルーブ記録方式にてマークエッジ記録を行った場合
に、記録層4からの浮遊磁界23により再生層3の初期
化が行われることによる磁気的超解像現象を実現するこ
とのできる各記録磁区幅を、光磁気ディスク200につ
いて調べた結果を図23に示す。
【0153】図22に示すように、基板1は、ピッチ
1.4μmで、かつ、ランド幅 0.7μmに形成されたラン
ド部112と、そのランド部112に挟まれたグルーブ
部111を有しており、ランド部112及びグルーブ部
111にさまざまな磁区幅W4μmの記録磁区101を
形成して、CNRの再生パワー依存性を調べた。
【0154】図23から明らかなように、記録磁区10
1の幅W4 が 0.6μmの場合、再生パワーの増加に伴う
CNRの上昇が観測されない。これは、すなわち室温状
態において再生層3に記録層4の情報が転写されている
ことを意味しており、記録層4からの浮遊磁界23によ
り再生層3の初期化を行うことによる磁気的超解像現象
を実現することができていないことが分かる。
【0155】一方、記録磁区幅W4 が 0.5μm、 0.4μ
m、0.3 μmと狭く設定されることにより、再生パワー
の増加に伴うCNRの上昇が観測され、記録層4からの
浮遊磁界23により再生層3の初期化が行われることに
よる磁気的超解像現象を実現できていることが分かる。
すなわち、記録層4からの浮遊磁界23により再生層3
の初期化が行われることによる磁気的超解像現象を実現
するためには、記録磁区101の幅をトラック107の
幅つまりランド部112やグルーブ部111の幅より狭
く設定すればよい。
【0156】〔実施例5〕本発明の他の実施例を図24
ないし図28に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前述の実施例の部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0157】本実施例は、前記実施例1・2・3の各光
磁気ディスク200・300・400において得られる
再生信号の波形処理について説明するものである。
【0158】上述したように、光磁気ディスク200
(300・400)において検出される再生信号は、立
ち上がり、立ち下りが共に急峻な再生信号波形となる。
例えば、光磁気ディスク200(300・400)に、
0.8 μmピッチで直径 0.4μmの記録磁区101を用い
て、前述の図22に示すようなランド・グルーブ記録を
行った場合、再生時に得られる再生出力の信号波形は、
図24に示すようになる。
【0159】これに対し、従来、一般に用いられている
単層の磁性層からなる光磁気ディスクでは、光ビーム1
0の移動に伴い光ビームスポット10a内の記録磁区1
01が移動することにより、図25に示すように、サイ
ンカーブに近い波形の再生信号が得られる。
【0160】一般に、光磁気ディスクにおいては、差動
検出法が用いられるため、反射率変化による信号振幅の
変動がある程度抑制された形で再生信号が得られる。し
かしながら、差動検出で抑制できない複屈折変動等に起
因する信号振幅の変動が残り、再生信号は、図25に示
すようにゆるやかな上下動を伴うことになる。この場
合、定電圧レベルをスライスレベルとすると、信号振幅
のゆるやかな上下動に伴い、記録磁区101の正確な位
置を検出できなくなる。
【0161】そこで、上記のような上下動による再生エ
ラーを抑制するために、図27に示すような包絡線検波
によって最終信号を得ることが一般に行われている。す
なわち、再生信号の各包絡線を包絡線検出回路24にて
検出し、上記各包絡線の平均レベルに基づいてスライス
レベル形成回路25にてスライスレベルを設定すること
により、ゆるやかな上下動に伴う記録磁区101の検出
位置の変動を抑制でき、マーク位置検出回路26にて正
確な位置検出を可能としている。
【0162】ここで、上記光磁気ディスク200(30
0・400)の図24に示す再生信号においても、同様
にゆるやかな信号振幅の上下動を伴うことになる。この
ような上下動では、図25の従来と比べて、再生信号に
おける立ち上がりと立ち下りが急峻であるため、定電圧
レベルでスライスした場合、上記従来のものよりも正確
な記録磁区101の位置の検出が可能であるが、この場
合も、図25と同様、再生信号の包絡線検波を行って最
終信号を得ることが望ましい。
【0163】ところが、このような包絡線検波を行っ
て、再生信号の処理を行った場合、図27の回路図に示
すように、そのような包絡線検波による遅延によって、
上記再生信号も合わせて遅延させる必要があり、回路が
複雑化すると共に上記包絡線検波によるスライスレベル
と上記再生信号を同期させるという手間を生じている。
【0164】そこで、本実施例では、上記した光磁気デ
ィスク200(300・400)から得られた再生信号
を微分処理することにより、最終信号を得るようになっ
ている。図26に示すように、光磁気ディスク200
(300・400)で得られる再生信号は、立ち上が
り、立ち下りが極めて急峻であるから、微分処理するこ
とにより、ゆるやかな再生信号の振幅の変動を除去で
き、再生信号の変動が急峻な部分のみ、すなわち再生信
号の立ち上がり、立ち下り部分のみを微分出力として得
ることが可能となる。このように、上記光磁気ディスク
200(300・400)においては、得られた再生信
号を微分処理することにより、ゆるやかな信号振幅の上
下動の悪影響を除去できて、記録磁区101の正確な位
置を示す最終再生信号を得ることが可能となる。これに
より、図28に示すように、微分回路27と定電圧スラ
イスレベルを用いた簡単な回路構成で正確な再生信号の
処理を行うことが可能となる。
【0165】尚、図25に示す従来のように再生信号が
サインカーブである場合、上記再生信号を微分処理して
も再生信号の位相が変化するだけであり、再生信号の波
形に大きな変化を発生させることは困難である。
【0166】さらに、光磁気ディスク200(300・
400)で得られる再生信号は、立ち上がり、立ち下り
が極めて急峻であるから、再生信号の立ち上がり立ち下
りの位置を正確に検出することが可能となり、前述の図
19に示すようなマーク長記録に対しても良好な再生特
性を得ることができる。例えば、図26に示すように、
2種類の定電圧スライスレベルを用いて、信号の立ち上
がりと立ち下りの位置を別々に精度良く検出することが
可能となる。また、図26に示す微分出力をさらに微分
することにより、一つの定電圧スライスレベルにより、
信号の立ち上がりと立ち下りの位置を同時に精度良く検
出することが可能となる。
【0167】このように、再生信号を微分処理すること
により、ゆるやかな信号振幅の上下動を伴わず、記録磁
区101のエッジの正確な位置情報を有する再生信号を
得ることが可能となったことにより、再生信号に要求さ
れる信号品質を低く抑えることが可能となった。
【0168】すなわち、従来では信号処理前の信号品質
として、CNRにて45dB以下の信号品質では、光磁
気ディスクとして要求される1×10-5以下のエラーレー
トを得ることが不可能であるとされてきたが、信号処理
前に35dB以上の信号品質を実現すれば、1×10-5
下のエラーレートを得ることができた。
【0169】このように、信号品質が35dB程度のよ
り小さな記録磁区101でも、光磁気ディスクとして要
求されるエラーレートを実現することが可能となり、さ
らに高密度な記録再生を実現することができる。
【0170】このような高密度な記録再生が可能となっ
たことを示す試験データを表3に示した。比較例のCN
R1・Er(エラーレート)1としては、図25に示す
従来の光磁気ディスクの再生信号に対する結果を示して
おり、CNR2・Er2は、図24に示す本実施例の光
磁気ディスク200(300・400)の再生信号に対
する結果を示しており、Er3は、図26に示すよう
に、図24の再生信号をさらに微分処理した結果を示し
ている。
【0171】
【表3】
【0172】表3から明らかなように、比較例としての
CNR1では、ビット長が 0.6μm以上でないと、Er
1の欄に示すように、所望するエラーレート(1×10-5
以下)が得られなかったが、本実施例3の構成によるC
NR2では、再生信号に対して微分処理を施さない場合
でも、Er2の欄に示すように、ビット長 0.4μm以上
で所望するエラーレートが得られて、従来より高密度化
を図ることができ、その上、再生信号に対して微分処理
を施した場合、Er3の欄に示すように、ビット長 0.3
μm以上で所望するエラーレートが得られて、さらに高
密度化を図ることができるものとなっている。
【0173】〔実施例6〕本発明の他の実施例を図29
ないし図31に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前述の実施例の部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0174】本実施例は、前述の実施例1・2・3の各
光磁気ディスク200・300・400における記録磁
区の変調方法について説明するものである。
【0175】まず、図29(a)〜(d)に基づいて第
1の変調方式について説明する。同図(a)は、光磁気
ディスク200(300・400)に、3種類の大きさ
の異なる記録磁区101(a1〜a3)が形成された状
態を示す平面図、同図(b)それに対応する断面図、
同図(c)は記録磁区101(a1〜a3)に対応する
同期信号120、同図(d)は同図(a)における例え
ば上から2段目のトラック107に記録磁区101(a
1〜a3)から再生される再生信号121を示してい
る。
【0176】ここでは、ランド部112とグルーブ部1
11の両方の部分に記録を行なう場合について示してお
り、トラック107の幅を0.7 μmとし、記録磁区10
1(a1〜a3)の大きさとして、記録磁区a1の直径
を0.4 μmとし、記録磁区a2の直径を0.5 μmとし
記録磁区a3の直径を0.6 μmとした場合の状態を示し
ている。
【0177】光磁気ディスクにおいては、トラック10
7に沿って記録磁区101が形成されるが、この変調方
式は同期信号に対応する位置に存在する記録磁区101
の大きさを検出することにより、記録磁区情報の再生を
行なうようになっている。従来においては、図29
(a)に示すような、直径0.6 μm以下の記録磁区10
1(a1〜a3)を精度良く分離して検出することが困
難なため、図19に示すように、デジタル的に変調され
た記録磁区101の長さを検出することにより、デジタ
ル情報の再生を行なうことが一般的に行なわれている。
例えば、波長680nmの半導体レーザを用いて記録再生
を行なう場合、最短の記録磁区101の長さが0.64μm
以上必要である。すなわち、従来の光磁気ディスクを用
いる場合、直径0.64μm以下の記録磁区101を精度良
く分離して検出することができないため、長さが0.64μ
m以上の記録磁区101を用いた図19に示すような記
録再生を行なわざるを得ないことになる。
【0178】しかしながら、上記光磁気ディスク200
(300・400)においては、図29(d)に示すよ
うに、急峻な立ち上がりと急峻な立ち下りをもつ矩形の
再生信号を得ることが可能であり、直径0.64μm以下の
記録磁区101であっても、デジタル的に変調された記
録磁区の大きさに対応した異なる再生波形を得ることが
可能となり、デジタル情報の再生を行なうことが可能と
なる。すなわち、小さな記録磁区a1に対応して、再生
時間幅a11が短く、再生出力a12の小さな再生信号
が得られ、大きな記録磁区a3に対応して、再生時間幅
a31が長く、再生出力a32の大きい再生信号が得ら
れる。ここで、情報、すなわち記録磁区101の大きさ
は、再生波形の再生出力(a12・a22・a32)を
検出することも可能であるが、急峻な立ち上がりと立ち
下りを利用して、再生信号波形の再生時間幅(a11・
a21・a31)を検出したほうが、より精度よく情報
を検出することが可能である。また、ここでは記録磁区
の大きさとして、記録磁区a1(直径0.4 μm)、記録
磁区a2(直径0.5 μm)、記録磁区a3(直径0.6 μ
m)の3種類の場合について説明したが、記録磁区10
1の大きさをさらに細分化し、(直径0.4 μm)、(直
径0.45μm)、(直径0.5 μm)、(直径0.55μm)、
(直径0.6 μm)として5種類の大きさで情報を記録す
ることも可能である。
【0179】次に、図30(a)〜(e)に基づいて第
2の変調方式について説明する。同図(a)は、光磁気
ディスク200(300・400)に、3種類の大きさ
の異なる記録磁区101(a1〜a3)が形成された状
態を示す平面図、同図(b)それに対応する断面図、
同図(c)は記録磁区101(a1〜a3)に対応する
同期信号120、同図(d)は同図(a)における例え
ば上から2段目のトラック107に記録磁区101(a
1〜a3)から再生される再生信号121、同図(e)
は、再生信号出力から得られる記録磁区101(a1〜
a3)の位置122を示す信号を示している。
【0180】ここでも、第1の変調の場合と同様に、ラ
ンド部112とグルーブ部111の両方の部分に記録を
行なう場合について示しており、トラック107の幅を
0.7μmとし、記録磁区101(a1〜a3)の大きさ
として、記録磁区a1の直径を0.4 μmとし、記録磁区
a2の直径を0.5 μmとし 記録磁区a3の直径を0.6
μmとした場合の状態を示している。
【0181】この方式は、図29にて示した第1の変調
方式にさらに記録磁区101の位置としてデジタル情報
を記録することにより、さらに、高密度なデジタル記録
再生を実現することが可能である。すなわち、同図
(d)に示す再生信号121から、記録磁区101の大
きさに対応したデジタル情報を再生すると共に、再生信
号121から得られる記録磁区101の位置を示す、同
図(e)の位置122をデジタル情報として再生するこ
とにより、記録磁区101の大きさと位置に対応したデ
ジタル情報をそれぞれ独立に記録再生することが可能と
なる。この方式においては、記録磁区101の大きさを
一定にして、記録磁区101の位置のみをデジタル的に
変調することにより記録再生することも可能である。
【0182】ここで、記録磁区101の位置122を検
出する場合、記録磁区101の大きさに対応して再生時
間が異なるため、正確な記録磁区101の位置122を
検出するためには、再生信号波形における立ち上がり時
間と立ち下り時間とを時間平均して、記録磁区101の
位置とすることが望ましい。
【0183】このようにして得られた記録磁区101の
位置122は、同期信号の位置120’と比較され、記
録磁区101の位置122に対応したデジタル情報を再
生することが可能となる。
【0184】また、図30の場合、記録磁区101の位
置122が同期信号の位置120’に比べて時間軸上で
早い位置に存在している場合をc1とし、同一位置に存
在している場合をc2とし、遅い位置に存在している場
合をc3とすることにより、c1,c2,c3の3種類
のデジタル情報を再生することが可能である。さらに、
記録磁区101の位置を細かく区切ることにより、より
多くのデジタル情報を記録磁区101の位置として記録
再生することが可能である。
【0185】ここで、このような小さな記録磁区101
の位置を精度良く検出できる理由も、記録磁区101の
大きさを精度良く検出できる理由と同様、本実施例に係
る光磁気ディスク200(300・400)では、図3
0(d)に示すように、急峻な立ち上がりと急峻な立ち
下りを持つ矩形の再生信号波形を得ることができること
による。
【0186】また、図29の場合と同様に記録磁区10
1の大きさをさらに細かく区切るこにより、より多くの
デジタル情報を記録磁区101の大きさとして記録再生
することが可能である。
【0187】次に、図31(a)〜(e)に基づいて第
3の変調方式について説明する。同図(a)は、光磁気
ディスク200(300・400)に、3種類の大きさ
の異なる記録磁区101(a1〜a3)が形成された状
態を示す平面図、同図(b)それに対応する断面図、
同図(c)は記録磁区101(a1〜a3)に対応する
同期信号120、同図(d)は同図(a)における例え
ば上から2段目のトラック107に記録磁区101(a
1〜a3)から再生される再生信号121、同図(e)
は、再生信号出力から得られる記録磁区101(a1〜
a3)の位置122を示す信号を示している。
【0188】ここでも、第1、第2の変調の場合と同様
に、ランド部112とグルーブ部111の両方の部分に
記録を行なう場合について示しており、トラック107
の幅を0.7 μmとし、記録磁区101(a1〜a3)の
大きさとして、記録磁区a1の直径を0.4 μmとし、記
録磁区a2の直径を0.5 μmとし 記録磁区a3の直径
を0.6 μmとした場合の状態を示している。
【0189】この方式は、図29にて示した第1の変調
方式にさらに記録磁区101の位置としてデジタル情報
を記録することにより、さらに、高密度なデジタル記録
再生を実現することが可能である。すなわち、同図
(d)に示す再生信号出力121から、記録磁区101
の大きさに対応したデジタル情報を再生すると共に、再
生信号121から得られる記録磁区101の位置122
をデジタル情報として再生することにより、記録磁区1
01の大きさと位置に対応したデジタル情報をそれぞれ
独立に記録再生することが可能となる。
【0190】ここで、記録磁区101の位置122を検
出する場合、記録磁区101の大きさに対応して再生時
間が異なるため、正確な記録磁区101の位置122を
検出するためには、再生信号波形における立ち上がり時
間と立ち下り時間とを時間平均して、記録磁区101の
位置とすることが望ましい。
【0191】図30に示す第2変調方式においては、記
録磁区101の位置122と同期信号の位置120’と
の相対的な位置関係によりデジタル情報を記録再生した
が、本方式においては、記録磁区101の位置122の
間隔をデジタル的に変調し、b1,b2,b3からなる
デジタル情報を記録再生するようになっている。
【0192】ここでは記録磁区101の位置122の間
隔とし、b1,b2,b3の3種類のデジタル情報を再
生することが可能である。さらに、記録磁区101の位
置122を細かく区切ることにより、より多くのデジタ
ル情報を記録磁区101の位置として記録再生すること
が可能である。
【0193】また、図29に示す第1の変調方式と同様
に、記録磁区101の大きさをさらに細かく区切るこ
により、より多くのデジタル情報を記録磁区の大きさと
して記録再生することが可能である。
【0194】さらに、第1、第2、及び第3の変調方式
における記録再生の際、上述した微分処理による再生を
行なうことにより、さらに正確な磁区の大きさ及び位置
を検出することが可能となる。
【0195】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、以上のよう
に、情報が垂直な磁化方向によって記録される記録磁区
を有する記録層と、再生層へ働く浮遊磁界を制御する再
生補助層と、記録層に記録された情報を読み出して再生
するための再生層とが、各々の層間に非磁性中間層を介
して順次積層されており、上記再生層及び再生補助層
は、各々の安定磁区幅が温度により変化することで、再
生補助層から発生する浮遊磁界に対して、室温において
再生層の磁化反転が発生せず、温度上昇に伴い再生層の
磁化反転が発生し、さらなる温度上昇により反転磁区が
消滅するように設定されている構成である。
【0196】それゆえ、光ビームの照射により温度上昇
した光ビームの一部分の記録層の磁区情報のみを再生層
に転写し、また再生することが可能になる。そして、再
生層における反転磁区の生成と消滅は瞬間的になされる
ので、得られる再生信号の波形は、急峻な立ち上がりと
急峻な立ち下りを示す矩形信号となり、従来よりも正確
な位置情報の検出が可能となる。その結果、大容量化に
必要な記録の高密度化が充分達せられ、大容量の記録再
生装置が必要とされる例えば画像情報記録等に対応でき
るものとなるという効果を奏する。
【0197】あるいは、本発明の光磁気記録媒体は、以
上のように、情報が垂直な磁化方向によって記録される
記録磁区を有する記録層と、再生層へ働く浮遊磁界を制
御する再生補助層と、記録層に記録された情報を読み出
して再生するための再生層とが、再生層と再生補助層と
の間に非磁性中間層を介する一方、再生補助層と記録層
との間に、面内磁化膜からなる中間層を介して順次積層
されており、上記再生層及び再生補助層は、各々の安定
磁区幅が温度により変化することで、再生補助層から発
生する浮遊磁界に対して、室温において再生層の磁化反
転が発生せず、温度上昇に伴い再生層の磁化反転が発生
し、さらなる温度上昇により反転磁区が消滅するように
設定されている構成である。
【0198】それゆえ、上記の光磁気記録媒体の構成に
よる効果に加えて、さらに、再生層における記録磁区に
応じた磁区の生成と消滅とが、より安定に行なわれると
いう効果を合わせて奏する。
【0199】あるいは、本発明の光磁気記録媒体は、以
上のように、情報が垂直な磁化方向によって記録される
記録磁区を有する記録層と、再生層へ働く浮遊磁界を制
御する再生補助層と、記録層に記録された情報を読み出
して再生するための再生層とが、再生層と再生補助層と
の間に非磁性中間層を介する一方、再生補助層と記録層
との間に、記録層及び再生補助層のキュリー温度より低
いキュリー温度を有する垂直磁化膜からなる中間層を介
して順次積層されており、上記再生層及び再生補助層
は、各々の安定磁区幅が温度により変化することで、再
生補助層から発生する浮遊磁界に対して、室温において
再生層の磁化反転が発生せず、温度上昇に伴い再生層の
磁化反転が発生し、さらなる温度上昇により反転磁区が
消滅するように設定されている構成である。
【0200】それゆえ、上記の光磁気記録媒体の構成に
よる効果に加えて、さらに、再生層における記録磁区に
応じた磁区の生成と消滅とが、より安定に行なわれると
いう効果を合わせて奏する。
【0201】なお、上記の光磁気記録媒体において、上
記再生補助層及び再生層は、再生補助層における安定磁
区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より小さく、
温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より大きくなる一方、
再生層における安定磁区幅が、室温においては記録磁区
の磁区幅より大きく、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅
より小さくなり、かつ、再生層の安定磁区幅が記録磁区
の磁区幅以下になる温度が、再生補助層の安定磁区幅が
記録磁区の磁区幅以上になる温度よりも低温となるよう
に設定されている構成である。
【0202】それゆえ、上記効果に加えて、上記再生
層及び再生補助層の設定を、容易に実現し得るという効
果を奏する。
【0203】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、以上のように、上記の光磁気記録媒体に対し、初期
化された再生層に光ビームを照射し、温度上昇した部分
の再生層に磁化反転及び反転磁区の消滅を生じさせるこ
とにより、情報を再生するための再生信号を得るもので
ある。
【0204】それゆえ、温度上昇に伴い再生層の磁化反
転と消滅を安定して実現することが可能となり、光ビー
ムの照射により温度上昇した光ビームの一部分の記録層
の磁区情報のみを再生層に安定して転写し、再生するこ
とが可能になるという効果を奏する。
【0205】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、以上のように、上記の方法において、情報を再生す
るための再生信号を微分処理して用いるものである。
【0206】それゆえ、上記の方法による効果に加え
て、記録磁区をさらに小さくして記録密度を高めても、
記録磁区に記録された情報を再生することが可能であ
り、その結果、さらに大容量の記録再生を実現すること
が可能となるという効果を奏する。
【0207】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、以上のように、上記の光磁気記録媒体に対し、記録
磁区の大きさと記録磁区の位置とで情報を記録するもの
である。
【0208】それゆえ、記録磁区の大きさと位置に対応
した情報をそれぞれ独立して記録再生することが可能と
なり、これにより、さらに大容量の記録再生を実現でき
るという効果を奏する。
【0209】本発明の光磁気記録媒体の記録再生方法
は、以上のように、上記の方法において、記録磁区の大
きさを、再生信号の立ち上がり部分と立ち下り部分との
時間の差によって求める一方、記録磁区の位置を、再生
信号の立ち上がり部分と立ち下り部との時間平均によっ
て求めるものである。
【0210】それゆえ、上記の方法による効果に加え
て、記録磁区の大きさと、記録磁区の位置とが、より正
確に精度良く得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、光磁気記録媒
体の再生原理を説明する説明図である。
【図2】上記光磁気記録媒体の構成を示す説明図であ
る。
【図3】上記光磁気記録媒体から得られる再生信号を説
明するものである。
【図4】上記光磁気記録媒体における再生補助層の、保
持力と磁化の温度依存性を示すグラフである。
【図5】上記光磁気記録媒体における再生補助層の、安
定磁区幅の温度依存性を示すグラフである。
【図6】上記光磁気記録媒体における再生層の、保持力
と磁化の温度依存性を示すグラフである。
【図7】上記光磁気記録媒体における再生層の、安定磁
区幅の温度依存性を示すグラフである。
【図8】上記光磁気記録媒体におけるCNR(信号対雑
音比)のマーク長依存性を示すグラフである。
【図9】上記光磁気記録媒体から得られた再生信号波形
を示す波形図である。
【図10】上記光磁気記録媒体におけるCNR(信号対
雑音比)の再生パワー依存性を示すグラフである。
【図11】本発明のその他の実施例を示すもので、光磁
気記録媒体の構成を示す説明図である。
【図12】上記図11に示す光磁気記録媒体の再生原理
を説明する説明図である。
【図13】本発明のその他の実施例を示すもので、光磁
気記録媒体の構成を示す説明図である。
【図14】上記図13に示す光磁気記録媒体の再生原理
を説明する説明図である。
【図15】本発明のその他の実施例を示すもので、光磁
気記録媒体の再生方法を説明する説明図である。
【図16】本発明のその他の実施例を示すもので、光磁
気記録媒体の再生方法を説明する説明図である。
【図17】本発明のその他の実施例を示すもので、光磁
気記録媒体の再生方法を説明する説明図である。
【図18】図17に示す再生方法を可能とするための光
磁気記録媒体に対する記録方法を示す説明図である。
【図19】図17に示す再生方法を可能とするための光
磁気記録媒体に対する他の記録方法を示す説明図であ
る。
【図20】図17に示す再生方法を可能とするための光
磁気記録媒体に対するさらにその他の記録方法を示す説
明図である。
【図21】図20に示す記録方法におけるCNR(信号
対雑音比)の再生パワー依存性を示すグラフである。
【図22】図17に示す再生方法を可能とするための光
磁気記録媒体に対するさらにその他の記録方法を示す説
明図である。
【図23】図22に示す記録方法におけるCNR(信号
対雑音比)の再生パワー依存性を示すグラフである。
【図24】本発明のその他の実施例を示すもので、図
1、図11、図13の光磁気記録媒体における再生信号
の波形図である。
【図25】従来の光磁気記録媒体における再生信号の波
形図である。
【図26】図24の再生信号を微分した波形を示す波形
図である。
【図27】従来の光磁気記録媒体の再生信号を補正する
ための処理回路のブロック図である。
【図28】図26に示す波形を得るための、再生信号を
補正するための処理回路のブロック図である。
【図29】本発明のその他の実施例を示すもので、図
1、図11、図13の光磁気記録媒体の記録再生方法を
示す説明図である。
【図30】本発明のその他の実施例を示すもので、図
1、図11、図13の光磁気記録媒体の記録再生方法を
示す説明図である。
【図31】本発明のその他の実施例を示すもので、図
1、図11、図13の光磁気記録媒体の記録再生方法を
示す説明図である。
【符号の説明】
3 再生層 4 記録層 7 非磁性中間層 8 再生補助層 9 非磁性中間層 10 光ビーム 15 面内磁化膜からなる中間層 16 垂直磁化膜からなる中間層 23 浮遊磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 11/105 586 G11B 11/105 586U (72)発明者 高橋 明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報が垂直な磁化方向によって記録される
    記録磁区を有する記録層と、 再生層へ働く浮遊磁界を制御する再生補助層と、 記録層に記録された情報を読み出して再生するための再
    生層とが、 各々の層間に非磁性中間層を介して順次積層されてお
    り、上記再生補助層及び再生層は、再生補助層における安定
    磁区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より小さ
    く、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より大きくなる一
    方、再生層における安定磁区幅が、室温においては記録
    磁区の磁区幅より大きく、温度上昇に伴い記録磁区の磁
    区幅より小さくなり、かつ、再生層の安定磁区幅が記録
    磁区の磁区幅以下になる温度が、再生補助層の安定磁区
    幅が記録磁区の磁区幅以上になる温度よりも低温となる
    ように設定されているとともに、 上記再生層及び再生補助層は、各々の安定磁区幅が温度
    により変化することで、再生補助層から発生する浮遊磁
    界に対して、室温において再生層の磁化反転が発生せ
    ず、温度上昇に伴い再生層の磁化反転が発生し、さらな
    る温度上昇により反転磁区が消滅するように設定されて
    いることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】情報が垂直な磁化方向によって記録される
    記録磁区を有する記録層と、 再生層へ働く浮遊磁界を制御する再生補助層と、 記録層に記録された情報を読み出して再生するための再
    生層とが、 再生層と再生補助層との間に非磁性中間層を介する一
    方、再生補助層と記録層との間に、面内磁化膜からなる
    中間層を介して順次積層されており、上記再生補助層及び再生層は、再生補助層における安定
    磁区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より小さ
    く、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より大きくなる一
    方、再生層における安定磁区幅が、室温においては記録
    磁区の磁区幅より大きく、温度上昇に伴い記録磁区の磁
    区幅より小さくなり、かつ、再生層の安定磁区幅が記録
    磁区の磁区幅以下になる温度が、再生補助層の安定磁区
    幅が記録磁区の磁区幅以上になる温度よりも低温となる
    ように設定されているとともに、 上記再生層及び再生補助層は、各々の安定磁区幅が温度
    により変化することで、再生補助層から発生する浮遊磁
    界に対して、室温において再生層の磁化反転が発生せ
    ず、温度上昇に伴い再生層の磁化反転が発生し、さらな
    る温度上昇により反転磁区が消滅するように設定されて
    いることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】情報が垂直な磁化方向によって記録される
    記録磁区を有する記録層と、 再生層へ働く浮遊磁界を制御する再生補助層と、 記録層に記録された情報を読み出して再生するための再
    生層とが、 再生層と再生補助層との間に非磁性中間層を介する一
    方、再生補助層と記録層との間に、記録層及び再生補助
    層のキュリー温度より低いキュリー温度を有する垂直磁
    化膜からなる中間層を介して順次積層されており、上記再生補助層及び再生層は、再生補助層における安定
    磁区幅が、室温においては記録磁区の磁区幅より小さ
    く、温度上昇に伴い記録磁区の磁区幅より大きくなる一
    方、再生層における安定磁区幅が、室温においては記録
    磁区の磁区幅より大きく、温度上昇に伴い記録磁区の磁
    区幅より小さくなり、かつ、再生層の安定磁区幅が記録
    磁区の磁区幅以下になる温度が、再生補助層の安定磁区
    幅が記録磁区の磁区幅以上になる温度よりも低温となる
    ように設定されているとともに、 上記再生層及び再生補助層は、各々の安定磁区幅が温度
    により変化することで、再生補助層から発生する浮遊磁
    界に対して、室温において再生層の磁化反転が発生せ
    ず、温度上昇に伴い再生層の磁化反転が発生し、さらな
    る温度上昇により反転磁区が消滅するように設定されて
    いることを特徴とする光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項1から3の何れか1項に記載の光磁
    気記録媒体に対し、初期化された再生層に光ビームを照
    射し、温度上昇した部分の再生層に磁化反転及び反転磁
    区の消滅を生じさせることにより、情報を再生するため
    の再生信号を得ることを特徴とする光磁気記録媒体の記
    録再生方法。
  5. 【請求項5】情報を再生するための再生信号を微分処理
    して用いることを特徴とする請求項4記載の光磁気記録
    媒体の記録再生方法。
  6. 【請求項6】請求項1から3の何れか1項に記載の光磁
    気記録媒体に対し、記録磁区の大きさと記録磁区の位置
    とで情報を記録することを特徴とする光磁気記録媒体の
    記録再生方法。
  7. 【請求項7】記録磁区の大きさを、再生信号の立ち上が
    り部分と立ち下り部分との時間の差によって求める一
    方、記録磁区の位置を、再生信号の立ち上がり部分と立
    ち下り部分との時間平均によって求めることを特徴とす
    る請求項6記載の光磁気記録媒体の記録再生方法。
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