JP3169110B2 - フルイディック流量計 - Google Patents

フルイディック流量計

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JP3169110B2 JP17378294A JP17378294A JP3169110B2 JP 3169110 B2 JP3169110 B2 JP 3169110B2 JP 17378294 A JP17378294 A JP 17378294A JP 17378294 A JP17378294 A JP 17378294A JP 3169110 B2 JP3169110 B2 JP 3169110B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ガス等のような流
体の流量を測定するのに適するフルイディック流量計に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、都市ガスのような流体の流量を測
定する流量計の一つとしてフルイディック流量計と呼ば
れる流量計がある。この流量計は、管路縮小部、噴出ノ
ズルおよび管路拡大部をこの順に流れ方向に連結し、噴
出ノズルと管路拡大部の境界部に、噴出ノズルの噴出方
向に対してほぼ直角方向に、かつ相対向して一対の制御
ノズルを設け、この一対の制御ノズルのそれぞれと管路
拡大部の下流側とを接続する一対の帰還流路を形成し、
噴出ノズルからの噴流の流動方向変化に起因する圧力変
化を検出するセンサを設け、検出された圧力変化から演
算により流量を求める形式の流量計である。
【0003】図6は従来のフルイディック流量計の一例
のブロック図である。
【0004】この流量計は、特開平1−227925号
公報に開示されたものである。管61内に一対の第1流
路形成部材64a,64bを管61の中心軸Pに対して
対称に設けて管路縮小部62と噴出ノズル63を形成す
る。第1流路形成部材64a,64bで仕切られた下流
側の室が管路拡大部65になる。管路拡大部65内に一
対の制御ノズル66a,66b、一対の隔壁68a,6
8bを中心軸Pに対して対称に設け、中心軸Pにターゲ
ット72を設け、その下流側に隔壁71を設ける。一対
の隔壁68a,68bと隔壁71により帰還流路67
a,67bと排出路70a,70bが形成される。帰還
流路67a,67bでの流体の流れを滑らかにするため
壁69a,69bを設けておく。
【0005】管61を流れてきた流体は、管路縮小部6
2に入って流速が高められ、高流速となって、噴出ノズ
ル63から管路拡大部65に噴出される。噴出した流体
は、コアンダ効果によって一方の隔壁68aに沿って流
れ、帰還流路67aに入り、制御ノズル66aに帰還流
路67aから大きなエネルギーが付与されて、噴出流体
は、反対側の隔壁68bに沿って流れるようになり、帰
還流路67bに入り、今度は反対側の制御ノズル66b
からの流体エネルギーによって噴出流体は初めに沿った
隔壁68aに再び沿って帰還流路67aを流れるように
なる。以下同じ動作を繰り返し、噴出ノズル63からの
流体は隔壁68a,68bに対して交互に沿うようにし
て流れる。ターゲット72は流体が交互に流動方向を切
替えて一種の振動状態に入ることを誘発し、一旦振動状
態に入ればその振動状態を安定化させる作用をする。帰
還流路67a,67bから外れた流体は排出路70a,
70bから下流側の排出路70へ流れて行く。
【0006】帰還流路67a,67bに第1および第2
導圧路73a,73bを設け、圧力センサ74に接続
し、噴出ノズル63からの噴流の流動方向変化に起因す
る圧力変化を圧力センサ74で検出する。圧力センサ7
4は、第1および第2圧電膜75a,75bで仕切られ
た中央室76aと第1および第2端部室76b,76c
とを有し、第1導圧路73aは中央室76aと第1端部
室76bに接続され、第2導圧路73bは第2端部室7
6cに接続される。中央室76aと第1端部室76bの
両方に臨む第1圧電膜75aの表裏それぞれからの信号
は第1演算回路77aに入力され、ここで差信号が取り
出される。これを第1信号とする。同様に、第2圧電膜
75bの表裏それぞれからの信号は第2演算回路77b
に入力され、ここで取り出される差信号を第2信号とす
る。第1および第2演算回路77a,77bに流体検出
部78を接続し、第3演算回路78aで第1信号と第2
信号との差信号を取り出し、流量検知手段78bで流量
を算出する。第1演算回路77aに異常検出部79を接
続する。異常検出部79は地震を感知する第1判定手段
79aと異常圧力低下を感知する第2判定手段79a,
79bを有し、これらに第1信号を入力する。地震の大
きさに対する基準値を設定する第1設定手段80aと異
常圧力低下に対する基準値を設定する第2設定手段80
bを設け、これを第1および第2判定手段79a,79
bに接続する。第1設定手段80aは地震の大きさが基
準値を超えたとき異常信号を発生し、第2設定手段80
bは輸送流体が基準値以下の圧力になったとき異常信号
を発生する。出力手段79cは前記の異常信号のいずれ
かが発生したとき、遮断弁81を閉じると同時に、警報
器82を作動させる。
【0007】この流量計は、管路拡大部65をどの大き
さに設定するかにより都市ガスの家庭用ガスメータある
いは工場用ガスメータとなる。例えば150〜3000
1/hの流量の都市ガスが計測できる大きさに設定すれ
ば、家庭用ガスメータとして使用することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来のフ
ルイディック流量計では、流量変化を圧電素子で検出す
る方式をとっているため、圧力検出用素子の価格が高い
こと、検出用素子と流量検出回路との集積化が難しいこ
と、圧力検出用素子としての圧電素子の都市ガスに対す
る耐腐食性が低いこと等の問題があった。
【0009】本発明の目的は、圧力検出用素子の都市ガ
スに対する耐腐食性が大きく、圧力検出用素子と流量検
出回路との集積化が容易で、小型化及び低価格化が可能
なフルイディック流量計提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、管路縮小部と
噴出ノズルと管路拡大部をこの順に流体の流れ方向に連
結し、前記噴出ノズルと管路拡大部の境界部に、前記噴
出ノズルの噴出方向に対してほぼ直角方向に、かつ相対
向して一対の制御ノズルを設け、この一対の制御ノズル
のそれぞれと前記管路拡大部の下流側を接続する一対の
帰還流路を形成し、前記噴出ノズルからの噴流の流動方
向変化に起因する圧力変化を検出するセンサを設け、検
出された圧力変化から流量を求める流量検知部を備えた
フルイディック流量計において、前記センサは、シリコ
ン基板の一面に不純物を拡散して形成した二つの拡散領
域からなる下部電極と、前記拡散領域に対応する反対側
の面を選択エッチングして形成した二つの薄肉部と二つ
の厚肉部とからなるシリコンのダイアフラムと、前記拡
散領域に対応する上部ガラス板の下面の位置をエッチン
グして形成した二つの凹部と、該凹部に形成した上部電
極と、前記厚肉部に対応する下部ガラス板の位置をエッ
チングして形成した二つの通気孔とを有し、前記上部ガ
ラス板、前記シリコン基板及び前記下部ガラス板を重ね
合わせて接合して一体化集積し、前記下部電極及び前記
上部電極と、前記下部電極及び前記上部電極とにより、
被測定流体による周期的な圧力変動を受けて変動する容
量をそれぞれ形成する二つの静電容量型圧力センサで構
成されていることを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】本発明では、前記噴出ノズルからの噴流の流動
方向変化に起因する圧力変化を検出するセンサに静電容
量型圧力センサを用いた。静電容量型圧力センサは、
リコン基板の一面に不純物を拡散して形成した二つの拡
散領域からなる下部電極と、前記拡散領域に対応する反
対側の面を選択エッチングして形成した二つの薄肉部及
び二つの厚肉部からなるシリコンのダイアフラムと、前
記拡散領域に対応する上部ガラス板の下面の位置をエッ
チングして形成した二つの凹部と、該凹部に形成した上
部電極と、前記厚肉部に対応する下部ガラス板の位置を
エッチングして形成した二つの通気孔とを有し、前記上
部ガラス板、前記シリコン基板及び前記下部ガラス板を
重ね合わせて接合して一体化集積し、前記下部電極及び
前記上部電極と、前記下部電極及び前記上部電極とによ
り、被測定流体による周期的な圧力変動を受けて変動す
る容量をそれぞれ形成してなるので、都市ガスに対する
耐腐食性が大きいシリコンとガラスとで作られ、上部電
極は都市ガスに触れない構造になっているから、都市ガ
スに対する耐腐食性が大きく、高信頼性、長寿命の圧力
検出用素子となる他、従来の圧電素子と比べ、集積回路
化も容易であり、低価格で製造できる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例のブロック図、図2
は図1のフルイディック素子の斜視図である。
【0019】流量計に圧力室1を設け、圧力室1に流入
管2と流出管3を接続する。圧力室1内に一対の流路形
壁5a,5bを圧力室1の中心軸に対して対称に設けて
管路縮小部6と噴出ノズル7を形成すると同時にセット
リングスペース4を形成する。流路形成壁5a,5bで
仕切られた下流側の室が管路拡大部8になる。管路拡大
部8内に一対の制御ノズル9a,9b、一対の隔壁10
a,10bを中心軸に対して対称に設け、中心軸に誘振
子12を設け、その下流部に隔壁11を設ける。一対の
隔壁10a,10bと隔壁11により帰還流路13a,
13bと排出液路14a,14bが形成される。
【0020】流入管2から流れてきた流体は、セットリ
ングスペース4に入り、ここで整流され、次に管路縮小
部6に入って流速が高められ、高流速となって噴出ノズ
ル7から管路拡大部8に噴出される。噴出した流体は、
コアンダ効果によって一方の隔壁10aに沿って流れ、
帰還流路13aに入り、制御ノズル9aによる流路案内
によって反対側の隔壁10bに沿って流れるようにな
り、帰還流路13bに入り、今度は反対側の制御ノズル
9bによる流路案内によって噴出流体は始めに沿った隔
壁10aに再び沿って帰還流路13aを流れるようにな
る。以下同じ動作を繰り返し、噴出ノズル7からの流体
は隔壁10a,10bに対して交互に沿うようにして流
れる。誘振子12は、流体が交互に流動方向を切替えて
一種の振動状態に入ることを誘発し、一旦振動状態に入
ればその振動状態を安定化させる作用をする。帰還流路
13a,13bから外れた流体は、排出流路14a,1
4bから下流側の排出管3へ流れていく。
【0021】隔壁11に一対の導圧路15a,15bを
設け、圧力検出回路21に接続する。圧力検出回路21
は二つの圧力センサ23a,23bから成る。圧力検出
回路21の出力を流量演算回路22に接続する。流量演
算回路22は、比較回路24と波形整形回路25と演算
回路26と出力回路27とから成る。一対の導圧路15
a,15bを二つの圧力センサ23a,23bに接続
し、噴出ノズル7からの噴流の流動方向変化に起因する
圧力変化を圧力センサ23a,23bで検出する。圧力
センサ23a,23bからの信号は比較回路24に入力
され、ここで差信号が取り出される。波形整形回路25
は、この差信号を整形して矩形波にする。演算回路26
はこの矩形波から流量を算出する。出力回路27は算出
された流量値を出力端子28に出力する。
【0022】図3は図1の圧力センサの断面図である。
【0023】シリコン基板31の一面に不純物を拡散し
て二つの拡散領域32a,32bを形成して下部電極と
する。この拡散領域32a,32bに対応する反対側の
面を選択エッチングして二つの薄肉部33a,33bと
二つの厚肉部34a,34bを形成してシリコンのダイ
アフラムを形成する。厚肉部34a,34bの厚さはシ
リコン基板31の厚さよりも薄くする。拡散領域32
a,32bに対応する上部ガラス板35の下面の位置を
エッチングして二つの凹部36a,36bを形成し、そ
こに上部電極37a,37bを形成する。厚肉部34
a,34bに対応する下部ガラス板38の位置をエッチ
ングして二つの通気孔39a,39bを形成する。上部
ガラス板35とシリコン基板31と下部ガラス板38と
を重ね合わせ、陽極接合法で接合して二つの静電容量型
圧力センサ23a,23bが一体化集積された圧力セン
サを形成する。この圧力センサは都市ガスに対する耐腐
食性が大きいシリコンとガラスとで作られ、上部電極3
7a,37bは都市ガスに触れない構造になっているか
ら、都市ガスに対する耐腐食性が大きく、高信頼性、長
寿命の圧力検出用素子となる。
【0024】図4は図1の圧力検出回路の等価回路図で
ある。
【0025】図3に示した二つの静電容量型圧力センサ
23a,23bの拡散領域(下部電極)32aと上部電
極37aとが一つの容量C1 を形成し、拡散領域(下部
電極)32bと上部電極37bとが一つの容量C2 を形
成する。容量C1 ,C2 に高抵抗R1 ,R2 を介して電
源Vに接続する。容量C1 ,C2 は高抵抗R1 ,R2
電源Vにより微小電流で充電されて一定電圧となるが、
被測定流体による周期的な圧力変動を受けると容量
1 ,C2 が変動する。この変動により容量C1 ,C2
の端子電圧が周期的に変化する。この電圧を比較回路2
4に入力する。比較回路24は入力された電圧の差を取
り、差圧値として出力する。波形整形回路25は比較回
路24の出力値を矩形波に波形整形して出力する。
【0026】図5は図1の流量形の各部に現れる信号の
波形図である。
【0027】流体は管路拡大部8内で交互に流動方向が
切替わる動作をしているから、二つの静電容量型圧力セ
ンサ23a,23bに印加される圧力P1 ,P2 は互い
に位相が180°ずれた正弦波となる(図5(a),
(b))。従って、圧力センサ23a,23bから出力
される電圧VC1,VC2は圧力P1 ,P2 に比例した正弦
波となる(図5(c),(d))。比較回路24で電圧
C1とVC2との差を取り、波形整形回路25で波形整形
すると、ピーク電圧V0 の矩形波が得られる(図5
(e))。演算回路26はこの矩形波から流量を求め
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、圧力
検出用素子に都市ガスに対する耐腐食性が大きなシリコ
ンとガラスを用いて製造した静電容量型圧力センサを採
用したので、都市ガスに対する耐腐食性が大きく、圧力
検出用素子並びに流量演算回路の集積化が容易で、小型
化および低価格化が可能なフルイディック流量計を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】図1のフルイディック素子の斜視図である。
【図3】図1の圧力センサの断面図である。
【図4】図1の圧力検出回路の等価回路図である。
【図5】図1の流量計の各部に現れる信号の波形図であ
る。
【図6】従来のフルイディック流量計の一例のブロック
図である。
【符号の説明】
1 圧力室 2 流入管 3 流出管 4 セットリングスペース 5a,5b 流路形成壁 6 管路縮小部 7 噴出ノズル 8 管路拡大部 9a,9b 制御ノズル 10a,10b 隔壁 11 隔壁 12 誘振子 13a,13b 帰還流路 14a,14b 排出流路 15a,15b 導圧路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管路縮小部と噴出ノズルと管路拡大部を
    この順に流体の流れ方向に連結し、前記噴出ノズルと管
    路拡大部の境界部に、前記噴出ノズルの噴出方向に対し
    てほぼ直角方向に、かつ相対向して一対の制御ノズルを
    設け、この一対の制御ノズルのそれぞれと前記管路拡大
    部の下流側を接続する一対の帰還流路を形成し、前記噴
    出ノズルからの噴流の流動方向変化に起因する圧力変化
    を検出するセンサを設け、検出された圧力変化から流量
    を求める流量検知部を備えたフルイディック流量計にお
    いて、 前記センサは、 シリコン基板の一面に不純物を拡散して形成した二つの
    拡散領域からなる下部電極と、 前記拡散領域に対応する反対側の面を選択エッチングし
    て形成した二つの薄肉部と二つの厚肉部とからなるシリ
    コンのダイアフラムと、 前記拡散領域に対応する上部ガラス板の下面の位置をエ
    ッチングして形成した二つの凹部と、 該凹部に形成した上部電極と、 前記厚肉部に対応する下部ガラス板の位置をエッチング
    して形成した二つの通気孔とを有し、 前記上部ガラス板、前記シリコン基板及び前記下部ガラ
    ス板を重ね合わせて接合して一体化集積し、前記下部電
    極及び前記上部電極と、前記下部電極及び前記上部電極
    とにより、被測定流体による周期的な圧力変動を受けて
    変動する容量をそれぞれ形成する二つの静電容量型圧力
    センサで構成されているこ とを特徴とするフルイディッ
    ク流量計。
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