JP3167222B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアセタール樹脂に
芳香族ポリエーテル系樹脂を配合した成形用樹脂組成物
に関し、特にその分散性が良好で成形品の表面状態が優
れ、耐衝撃性等の機械的特性その他諸特性を改良したポ
リアセタール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、
摺動性、成形性等において、優れた特性を持っており、
構造材料や機構部品等として電気機器、自動車部品、精
密機械部品等に広く使用されている。しかし、ポリアセ
タール樹脂は、高い結晶性を有するが故に成形収縮率が
高く、高度の寸法精度が要求される部品では、反りや変
形を生じて充分な要求寸法精度が得難い場合があり、
又、耐衝撃性等の機械的物性が充分でない場合もあり、
用途によっては更に一層の改善を要する場合が多い。と
ころで一般に熱可塑性樹脂の物性の改質には、その物性
を補う性質を有する他樹脂を配合してその欠点を補うこ
とが通常行われ、その目的を達成する場合が多い。とこ
ろがポリアセタール樹脂は一般の熱可塑性樹脂と異な
り、他の熱可塑性樹脂を配合する場合、樹脂間相互の相
溶性、分散性が特に悪く、両相の界面の接着も不十分
で、界面での相分離を生じ、成形品とした場合、表層剥
離を生じる場合もあり、かかる他樹脂の配合手段による
改質は極めて困難である。一方、芳香族ポリエーテル系
樹脂は、耐衝撃性に優れており、耐熱性、寸法安定性に
も優れている。特に、ポリフェニレンエーテル樹脂は、
高衝撃性ポリスチレン等と混合することで、優れた耐衝
撃と成形性を有することが知られている。かかる非晶性
耐衝撃性樹脂をポリアセタール樹脂に配合することによ
りその物性を改善することが考えられるが、ポリアセタ
ール樹脂と芳香族ポリエーテル系樹脂との配合も例外で
はなく、両者の相溶性、分散性が悪く両相の界面の接着
も不十分で、界面での剥離を生じ、樹脂本来の補強効果
が得られず、又、成形品とした場合に表層剥離を生じ、
実用上問題がある。本発明はかかるポリアセタール樹脂
と芳香族ポリエーテル系樹脂との親和性、分散性を改良
し、耐衝撃性、成形収縮率その他の諸特性を改善し、且
つ成形品表面の良好な樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の問題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂と
芳香族ポリエーテル系樹脂を、特定のフェノール系高分
子化合物と共に溶融混練することによりポリアセタール
樹脂と芳香族ポリエーテル系樹脂との親和性が改良さ
れ、各成分の分散状態が良好で、成形品の表面状態も優
れ、且つポリアセタール樹脂の機械的物性や成形収縮率
が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち本発明は (A) ポリアセタール樹脂2〜98重量部 (B) 芳香族ポリエーテル系樹脂98〜2重量部 よりなる樹脂成分 100重量部に対し (C) 主鎖又は側鎖にフェノール基を有するフェノール系
高分子化合物1〜30重量部 (D) スチレン系樹脂0〜150 重量部 (E) 無機質又は有機質充填剤0〜200 重量部 を配合したことを特徴とするポリアセタール樹脂組成物
である。
【0004】以下、本発明に用いられる成分について説
明する。本発明における成分(A) のポリアセタール樹脂
とは、オキシメチレン単位-(OCH2)-を主たる構成単位と
する高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマ
ー、又はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、
これ以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、
1,3 −ジオキソラン、1,4 −ブタンジオール、ホルマー
ル等のコモノマー単位を少量含有するコポリマー、ター
ポリマー、ブロックポリマーの何れにてもよく、又、分
子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであっ
てもよく、又他の有機基を導入した公知の変性ポリオキ
シメチレンであってもよい。又、その重合度に関しても
特に制限はなく、成形加工性を有するもの(例えば 190
℃、2160g荷重下でのメルトフロー値(MFR)が 1.0
〜100)であればよい。
【0005】本発明で使用される成分(B) の芳香族ポリ
エーテル樹脂とは、好ましくは下記一般式(1) 及び/又
は(2) で示される構成単位を少なくとも1種以上含む芳
香族ポリエーテル系樹脂である。
【0006】
【化2】
【0007】一般式(1) 、(2) において-R1 〜-R12は、
水素、炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素基
を示す。ここで炭化水素基としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル基などのアルキル基、シクロアルキル基、
また、ビニル、シクロブテニルなどのアルケニル基、フ
ェニル、エチルフェニルなどのアリール基、アラルキル
基等が挙げられる。又、ハロゲン置換炭化水素基として
は2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2,2−ジクロ
ロエチル、3−ブロモプロピル、エチルクロロフェニル
基等が挙げられる。中でも-R1 〜-R12がすべて水素、又
は-R9 , -R12が水素でR10 , R11 がメチル基である場合
が最も好ましい。一般式(1) において-X- は不存在(直
接結合)又はメチレン基、エチレン基、プロピリデン
基、ブチリデン基、あるいはスルホニル基等の二価の有
機基が挙げられ、中でもメチレン基、プロピリデン基、
スルホニル基が好ましい。又、一般式(1) 及び(2) にお
いて、-Y1-及び-Y2-は夫々不存在(直接結合)又はメチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ヒドロキシトリメ
チレン基、ブチレン基等の2価の有機基が好ましく、特
に好ましくは不存在(直接結合)又はメチレン基、プロ
ピレン基、ヒドロキシトリメチレン基である。一般式
(1) の構成単位を持つ高分子化合物(B) は、例えば、ビ
スフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS等のモノマー化合物
と、エピクロルヒドリンとの重縮合あるいは、酸化カッ
プリング反応により重合することにより得られる。又、
一般式(2) の構成単位を持つ高分子化合物(B) として
は、2,6 −ジメチルキシレノール等の重縮合等によって
得られる。本発明(B) 成分の芳香族ポリエーテル樹脂
は、上記の(1) 式及び/又は(2) 式の構成単位を主たる
繰り返し単位とし、他の構成単位を導入した共重合体で
あってもよい。(B) 成分の芳香族ポリエーテル樹脂とし
て最も代表的なものはフェノキシ樹脂(一般式(1) にお
いて、R1〜R8が水素、-X- がプロピリデン基、-Y1-が2
−ヒドロキシトリメチレン基)、及びポリフェニレンエ
ーテル樹脂(一般式(2) において、R9, R12 が水素、R
10 , R11 がメチル基、-Y2-が不存在(直接結合))で
あるがこれに限定されるものではない。かかる芳香族ポ
リエーテル系樹脂(B) の分子量は、 10000〜80000 のも
のが好適であるが特にこれに限定されるものではない。
ポリアセタール樹脂(A) と芳香族ポリエーテル系樹脂
(B) の配合比は(A) 及び(B) の合計100 重量部に対し、
(A) が2〜98重量部 、(B) が98〜2重量部であり、何
れの特性を重視するかによってこの範囲内で任意に選択
すればよいが、好ましくは(A) 又は(B) の何れかの成分
が5〜95重量部であり、特に好ましくは(A) 50〜95重量
部、 (B)5〜50重量部である。各成分が過少になると本
発明の目的とする改良効果が得られず好ましくない。
【0008】次に本発明は、成分(C) としてフェノール
系高分子化合物を、上述のポリアセタール樹脂(A) およ
び芳香族ポリエーテル系樹脂(B) と共に配合し、溶融混
練することに特徴がある。本発明で用いられるフェノー
ル系高分子化合物とは、フェノール基を主鎖又は側鎖に
含有するフェノール性-OH 基を有する高分子化合物であ
る。フェノール基を主鎖に有する高分子化合物としては
例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂及びこれらの誘
導体、共重合体やその水添物等が挙げられるが、これに
限定されるものではない。また、フェノール基を側鎖に
有する高分子化合物としては、ポリビニルフェノール等
が挙げられ、オルト−、メタ−及びパラ−ビニルフェノ
ールの単独重合体および共重合体であり、更には他のビ
ニル化合物との共重合体であってもよい。かかる(C) 成
分のフェノール基は主鎖を構成する原子に直接結合して
いてもよく、他の2価の有機基を介して主鎖に結合して
いてもよい。又、-OH 以外に他の各種の置換基を有する
フェノール基であってもよい。ここでいう置換フェノー
ル基とは、例えばクロロフェノール、ヒドロキノン、ク
レゾール、ヒドロキシ安息香酸、カテコール、レゾルシ
ノール、サリチル酸、3−メチルフェノール等の基が挙
げられる。これらのフェノール系高分子化合物(C) の配
合量は、ポリアセタール樹脂(A)及び芳香族ポリエーテ
ル(B) の合計 100重量部に対して1〜30重量部であり、
好ましくは2〜20重量部である。(C) 成分の配合量が過
小であると本発明の目的とする樹脂相互の分散性が悪
く、又、過大であると(A) 又は(B) の樹脂本来の特性が
失われ好ましくない。
【0009】本発明において、フェノール系高分子化合
物(C) の存在は、ポリアセタール樹脂(A) と芳香族ポリ
エーテル樹脂(B) の相溶性、分散性を改善する上で顕著
な効果を有し、(B) 又は(A) 成分が微細な粒子として均
一に分散し、両相の界面の接着を強固にし、成形品の表
面状態を改善するのみならず、機械的物性をも顕著に改
善する効果を有するものである。このことは組成物成形
品の破断面を電子顕微鏡で観察することにより確認でき
る。即ち、(C) 成分の存在しない成形品の場合は、成形
品の表面が剥離し易く、又、破断面を電子顕微鏡で観察
すると(A) 、(B) 成分の界面が明確に識別でき、粗大な
粒子として、或いは層状の二相分離構造として確認さ
れ、その界面の接着性の不良が破断又は剥離の原因とな
っていることが認められる。これは(A) または(B) の一
方の樹脂が溶解する溶剤で破断面を処理して観察すると
明確に認識される。これに対し、本発明の(C) 成分を配
合した樹脂組成物は、同様の観察において樹脂間の界面
はほとんど識別できないか極めて微細な粒子として分散
していることが確認され、その界面が破断の原因でない
ことが示唆され、本発明の(A) 、(B) 及び(C) よりなる
特定の樹脂組成物が、分散性、界面接着性に優れている
ことがわかる。
【0010】次に本発明の組成物は必ずしも必須ではな
いが、更に加工性、耐衝撃性等を改善するためにはスチ
レン系樹脂(D) を添加併用することができ、特に有効で
ある。ここで使用されるスチレン系樹脂(D) としては、
ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリビニルト
ルエン、ポリtert−ブチルスチレン、ポリクロロメチル
スチレン等の芳香族ビニル重合体、或いは更にこれらの
スチレン系モノマーとアクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリル酸、アクリル酸メチルエステル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチルエステル等のアクリル系
モノマー又はその誘導体との共重合体が挙げられる。
又、上述の芳香族ビニル化合物とアクリル系モノマー
に、更にブタジエン等のジエンモノマーやエチレン、プ
ロピレン等の不飽和オレフィンを加えた共重合体あるい
はその水素付加物、または上述の芳香族ビニル化合物と
不飽和オレフィンの共重合体も使用することができる。
これらの共重合体は、ランダム、ブロック、グラフト等
の共重合形態、重合度、共重合組成比等の如何を問わな
い。スチレン系樹脂(D) の配合比は特に限定されるもの
ではないが、(A) 及び(B)の合計 100重量部に対し150
重量部以下、好ましくは 100重量部以下である。特に
(B) 成分として前記一般式(2) を主たる構成単位とする
ポリフェニレンエーテル樹脂を使用する場合には (D)成
分の併用が有効である。
【0011】尚、本発明の組成物は更に目的に応じ上記
以外の熱可塑性樹脂を補助的に併用配合することが出来
る。特に本発明の (A)、 (B)、 (C)よりなる組成物はポ
リアセタール樹脂(A) 単独の場合に比べて、他の熱可塑
性樹脂の相溶性分散性に優れている点が特徴である。か
かる熱可塑性樹脂の例として、各種ポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル
系樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0012】又、本発明においては、必ずしも必須の成
分ではないが、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気
的性質等を改善する目的で必要に応じ、更に充填剤(E)
を配合することが出来る。これらは、目的に応じて繊維
状、粉粒状、板状、又は中空状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、
カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジ
ルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊
維、チタン酸カリ繊維、更に、ステンレス、アルミニウ
ム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維状物等の無機質繊維
状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラ
ス繊維又はカーボン繊維である。なお、芳香族ポリアミ
ド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機質繊
維状物質も使用することが出来る。粉粒状充填剤として
は、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビー
ズ、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カ
オリン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの
如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属
酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫
酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト
等の炭酸塩、その他の炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、
各種金属粉末等が挙げられる。板状充填剤としては、マ
イカ、ガラスフレーク、各種金属箔等が挙げられる。
又、中空状充填剤としては、シラスバルーン、金属バル
ーン、ガラスバルーン等が挙げられる。これら充填剤
は、有機シラン、有機ボラン、有機チタネート、ウレタ
ン等を使用して表面処理を施すことが好ましい。これら
の充填剤は1種又は2種以上を併用して使用することが
可能である。繊維状充填剤、特にガラス繊維又はカーボ
ン繊維と、粉粒状又は板状充填剤の併用は特に機械的強
度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組
み合わせである。充填剤(E) の添加量は成分(A) 及び
(B) の合計 100重量部に対して 200重量部以下であり、
添加量が過大になると成形加工性や靭性を害し好ましく
ない。
【0013】更に、本発明の樹脂組成物には所望の特性
を付与するための公知の添加物、例えば酸化防止剤、熱
安定剤、耐光(候)安定剤、加水分解安定剤、等の各種
安定剤、潤滑剤、滑剤、核剤、染顔料等の着色剤、離型
剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を配合し得
る。
【0014】本発明のポリアセタール樹脂組成物の調製
法は、種々の公知の方法で可能であるが、少なくとも
(A) 、(B) 及び(C) の3成分の共存下で加熱溶融し、20
秒以上混練処理することが必要であり、その他の成分も
同時に併用配合してもよく、又、別に加えてもよい。具
体的には、例えばポリアセタール樹脂(A) と芳香族ポリ
エーテル系樹脂(B) 及びフェノール系高分子化合物(C)
、更に必要に応じ他の添加物を予めタンブラー又はヘ
ンシェルミキサーの様な混合機で均一に混合した後、1
軸又は2軸の押出機に供給して溶融混練する方法が一般
的であり、オープンロール、バンバリーミキサー、ニー
ダー等を用いてもよい。各成分は混練前に予め乾燥する
ことが好ましい。特に、ポリアセタール樹脂(A) 、芳香
族ポリエーテル系樹脂(B) 、フェノール系高分子化合物
(C) 、スチレン系樹脂(D) を配合する場合は、芳香族ポ
リエーテル系樹脂(B) にスチレン系樹脂(D) を予め溶融
混練し、その混合組成物をポリアセタール樹脂(A) 、フ
ェノール系高分子化合物(C) と混練することが好まし
い。これらの方法で混練した樹脂組成物はペレットとし
た後成形に供してもよく直接成形してもよい。処理温度
は、樹脂成分が溶融する温度よりも5℃乃至100 ℃高い
温度であり、特に好ましくは両者混合物の溶融温度より
10℃乃至60℃高い温度である。高温に過ぎると分解や異
常反応を生じ好ましくない。又、溶融混練処理時間は、
少なくとも20秒以上10分以内、好ましくは1〜5分であ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂(A) に芳香
族ポリエーテル系樹脂(B) とフェノール系高分子(C) を
配合した樹脂組成物は、樹脂成分相互の相溶性、分散性
が改善され、成形品の表層剥離等、分散不良等による支
障がなく、機械的物性に優れ、成形収縮率その他種々の
性状を改善することができ、多くの用途が期待される。
【0016】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、組成物の性状評価は以下の方法で行った。 〔分散性、界面接着性の確認〕成形片の破断面を電子顕
微鏡で観察し、界面の明瞭さ、粒子分散形態(粒子形
状、サイズ)、破断面の状況等により各成分の分散性、
界面密着性を判断した。これらを総合して優、良、不良
にランク付けた。 〔表層剥離試験〕試験片表面にセロハンテープを張り付
け、一定の条件で引き剥がした後、成形品表層の剥離状
況を目視で評価し、全く剥離しなかったものを○、僅か
に剥離したものを△、顕著に剥離したものを×とした。 〔アイゾッド衝撃試験〕ASTM D256 に従い、ノッチ付き
の衝撃強度(kgf・cm/cm)を測定した。 〔収縮率測定〕ASTM D955 に準じて成形品の収縮率
(%)を測定した。 〔熱変形温度測定〕ASTM D648 に従い、熱変形温度
(℃)を測定した。
【0017】実施例1〜12、比較例1〜4 (A) ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス(株)ジ
ュラコンM90-44)、(B) 成分としてフェノキシ樹脂(B-
1) (ユニオンカーバイド・コーポレーション、PKH
H)、及び(C) 成分としてノボラック(ヘキスト、Alno
vol PN430)又はポリビニルフェノール(丸善石油化学
(株)、マルカリンカーM)を表1に示す割合で配合し、
2軸押出機を用いてシリンダー温度 190℃で溶融混練し
てペレットを得た。次いで、該ペレットを用いて射出成
形して試験片を作製し、分散性評価、衝撃試験、表層剥
離試験、収縮率測定を行った。結果を表1に示す。
【0018】実施例13〜22、比較例5〜6 (A) 前記ポリアセタール樹脂、(B) 成分としてポリフェ
ニレンエーテル樹脂(B-2) (日本GEプラスチック
(株)、ノリル731)、(C) 成分としてノボラック
(ヘキスト、Alnovol PN430)又はポリビニルフェノール
(丸善石油化学(株)、マルカリンカーM)、更に場合に
より(D) ポリスチレン(住友化学(株)、エスブライ
ト)を表2に示す割合で配合し、2軸押出機を用いてシ
リンダー温度 190℃で溶融混練してペレットを得た。次
いで、該ペレットを用いて射出成形して試験片を作製
し、分散性評価、熱変形温度測定、衝撃試験、表層剥離
試験、収縮率測定を行った。結果を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂2〜98重量部 (B) 芳香族ポリエーテル系樹脂98〜2重量部 よりなる樹脂成分 100重量部に対し (C) 主鎖又は側鎖にフェノール基を有するフェノール系
    高分子化合物1〜30重量部 (D) スチレン系樹脂0〜150 重量部 (E) 無機質又は有機質充填剤0〜200 重量部 を配合したことを特徴とするポリアセタール樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】芳香族ポリエーテル系樹脂(B) が下記一般
    式(1) 及び/又は(2) で示される構成単位を主たる繰り
    返し単位として含有する高分子化合物である請求項1記
    載のポリアセタール樹脂組成物。 【化1】 (但し、-R1 〜-R12は水素、炭化水素基、ハロゲン、ハ
    ロゲン置換炭化水素基より選ばれる基であり、夫々同一
    でも異なっていてもよい。又、-X- は不存在(直接結
    合)又はメチレン基、エチレン基、プロピリデン基、ブ
    チリデン基、スルホニル基から選ばれる2価の基であ
    り、-Y1-及び-Y2-は、夫々不存在(直接結合)又はメチ
    レン基、エチレン基、プロピレン基、ヒドロキシトリメ
    チレン基、ブチレン基より選ばれる2価の有機基であ
    る。)
  3. 【請求項3】(B) 成分がフェノキシ樹脂又はポリフェニ
    レンエーテル樹脂である請求項1又は2記載のポリアセ
    タール樹脂組成物。
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