JP3167176U - 現像剤カートリッジ、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

現像剤カートリッジ、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1フレームと第2フレームとが互いに相対移動することによって第2フレームの開口が開閉される場合において、開口からの現像剤の漏れを防止するために第2フレームに設けられたシール部材の不必要な変形を防止することができる現像剤カートリッジ、ならびに、この現像剤カートリッジが装備される現像装置および画像形成装置を提供すること。【解決手段】トナーシール92は、内側通過口89が開かれた状態において内側通過口89でのトナーの通過方向X(略前後方向)から投影したときに、外側筐体82と重なる位置とは異なる位置(外側筐体82と重ならない位置)に配置される。つまり、内側通過口89が開かれた状態では、トナーシール92は、外側筐体82に接触しないので、トナーシール92が外側筐体82との接触によって変形することを防止できる。【選択図】図12

Description

本考案は、レーザプリンタなどの画像形成装置に供給される現像剤を収容する現像剤カートリッジ、ならびに、この現像剤カートリッジが装備される現像装置および画像形成装置に関する。
レーザプリンタなどの画像形成装置や、画像形成装置に含まれる現像装置に装備され、現像剤を収容する現像剤カートリッジが知られている。
たとえば、このような現像剤カートリッジとして、特許文献1に記載のトナーボックスは、トナーが収容される内側筐体と、この内側筐体を収容して回動自在に支持する外側筐体とを備える二重構造であり、レーザプリンタのプロセスユニットに装着されている。
外側筐体には第1トナー排出口が形成され、内側筐体には第2トナー排出口が形成されている。このトナーボックスでは、内側筐体を外側筐体に対して回動(相対移動)させて第1トナー排出口と第2トナー排出口とを対向および連通させることによって第2トナー排出口を開き、内側筐体内のトナーを第1トナー排出口および第2トナー排出口からプロセスユニットへ供給することができる。
また、内側筐体の外側表面において第2トナー排出口のまわりには、弾性材料で形成された第1径方向突起が設けられている。第2トナー排出口が開かれているときに、第1径方向突起は、第1トナー排出口から部分的に露出されることでプロセスユニットに接触することができる。これにより、第1径方向突起がプロセスユニットと内側筐体との間を空密的かつ液密的に保つことができるので、第2トナー排出口からのトナー漏れが防止される。つまり、第1径方向突起は、シール部材として機能する。
特開2007−293268号公報
特許文献1に記載のトナーボックスでは、第2トナー排出口が開かれているときに第1径方向突起が第1トナー排出口から部分的に露出されるので、第1径方向突起には、内側筐体と外側筐体とに圧縮される領域が部分的に存在する。これに伴い、第1径方向突起が不必要に変形し、第1径方向突起において変形した箇所でトナー漏れが発生するおそれがある。
本考案の目的は、第1フレームと第2フレームとが互いに相対移動することによって第2フレームの開口が開閉される場合において、開口からの現像剤の漏れを防止するために第2フレームに設けられたシール部材の不必要な変形を防止することができる現像剤カートリッジ、ならびに、この現像剤カートリッジが装備される現像装置および画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の考案は、トナーカートリッジであって、第1フレームと、前記第1フレームに対向配置され、現像剤が通過するための開口が形成されており、前記第1フレームとの相対移動により前記第1フレームによって前記開口が開閉される第2フレームと、前記第2フレームにおいて前記開口の周りに設けられたシール部材とを備え、前記シール部材は、前記開口が開かれた状態において前記開口での現像剤の通過方向から投影したときに、前記第1フレームと重ならないように構成されたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、前記第1フレームには、開かれた状態にある前記開口に対向して連通する連通穴が形成されており、前記シール部材は、前記開口が開かれた状態において前記通過方向から投影したときに、前記第1フレームにおいて前記連通穴を縁取る部分と重ならないように構成されることにより前記連通穴から露出されることを特徴としている。
また、請求項3に記載の考案は、請求項1または2に記載の考案において、前記第1フレームは、前記第2フレームの外側に配置されており、前記シール部材は、前記開口が開かれた状態において前記第1フレームの外表面よりも外側へ突出していることを特徴としている。
また、請求項4に記載の考案は、請求項1ないし3のいずれかに記載の考案において、前記第2フレームが前記第1フレームに対して相対移動するときに前記第1フレームにおいて前記シール部材に対向する第1フレーム側対向部分には、傾斜面が形成されていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の考案は、請求項1ないし4のいずれかに記載の考案において、前記第2フレームが前記第1フレームに対して相対移動するときに前記シール部材において前記第1フレームに対向するシール側対向部分には、傾斜面が形成されていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の考案は、現像装置であって、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤カートリッジを備え、前記現像剤カートリッジの現像剤によって静電潜像を可視像化することを特徴としている。
また、請求項7に記載の考案は、画像形成装置であって、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤カートリッジと、前記現像剤カートリッジが装着される画像形成装置本体とを備えていることを特徴としている。
請求項1、6および7に記載の考案によれば、この現像剤カートリッジでは、第1フレームと第1フレームに対向配置された第2フレームとの相対移動により、第2フレームの開口が第1フレームによって開閉される。開口が開かれると開口での現像剤の通過が許容され、開口が閉じられると開口での現像剤の通過が規制される。そして、第2フレームにおいて開口の周りに設けられたシール部材によって、開口からの現像剤の漏れが防止される。
ここで、シール部材は、開口が開かれた状態において開口での現像剤の通過方向から投影したときに、第1フレームと重ならないように構成される。つまり、開口が開かれた状態では、シール部材は、第1フレームに接触しないので、シール部材が第1フレームとの接触によって変形することを防止できる。
請求項2に記載の考案によれば、第1フレームに形成された連通穴が、開かれた状態にある開口に対向して連通するので、現像剤は、開口だけでなく連通穴も通過する。
ここで、シール部材は、開口が開かれた状態において開口での現像剤の通過方向から投影したときに、第1フレームにおいて連通穴を縁取る部分と重ならないように連通穴から露出される。つまり、開口が開かれた状態では、シール部材は、第1フレームにおいて連通穴を縁取る部分に接触することなく、連通穴から完全に露出されるので、シール部材が、第1フレームとの接触によって変形することを防止できる。
請求項3に記載の考案によれば、第1フレームが第2フレームの外側に配置された場合に、シール部材は、開口が開かれた状態において第1フレームの外表面よりも外側へ突出しているので、現像剤カートリッジから現像剤が供給される外部の部材に密着して、この部材と開口との間での現像剤の漏れを防止することができる。
請求項4に記載の考案によれば、第2フレームが第1フレームに対して相対移動するときに第1フレームにおいてシール部材に対向する第1フレーム側対向部分には、傾斜面が形成されている。そのため、第2フレームが第1フレームに対して相対移動するときに、シール部材と第1フレームとを、第1フレーム側対向部分の傾斜面において緩やかに接触させることができる。そのため、シール部材と第1フレームとが接触しても、シール部材が損傷することを防止できる。
また、シール部材と第1フレームとが、第1フレーム側対向部分の傾斜面において緩やかに接触する。そのため、たとえば第1フレームが第2フレームの外側に配置された場合において、第2フレームが第1フレームに対して相対移動するときに、シール部材は、第1フレーム側対向部分に引っ掛かることなく、第1フレームの内側へ円滑に移動することができる。
請求項5に記載の考案によれば、第2フレームが第1フレームに対して相対移動するときにシール部材において第1フレームに対向するシール側対向部分には、傾斜面が形成されている。そのため、第2フレームが第1フレームに対して相対移動するときに、シール部材と第1フレームとを、シール側対向部分の傾斜面において緩やかに接触させることができる。そのため、シール部材と第1フレームとが接触しても、シール部材が損傷することを防止できる。
また、シール部材と第1フレームとが、シール側対向部分の傾斜面において緩やかに接触する。そのため、たとえば第1フレームが第2フレームの外側に配置された場合において、第2フレームが第1フレームに対して相対移動するときに、シール部材は、シール側対向部分において第1フレームに引っ掛かることなく、第1フレームの内側へ円滑に移動することができる。
本考案の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの左側断面図である。 図2は、図1に示すレーザプリンタのプロセスカートリッジ(トナーカートリッジが装着され、揺動アームが押圧位置にある状態)の左側断面図である。 図3(a)は、図1に示すレーザプリンタのプロセスカートリッジ(トナーカートリッジが離脱され、揺動アームが押圧解除位置にある状態)の左側断面図であり、図3(b)は、図3(a)の要部拡大図である。 図2に示すプロセスカートリッジを斜め右前側から見た斜視図である。 プロセスカートリッジを斜め右前側から見た分解斜視図である。 図4において、プロセスカートリッジを省略した図である。 図7(a)は、トナーカートリッジの内側筐体(トナーシールが貼着される前の状態)を斜め左後側から見た斜視図である。図7(b)は、図7(a)に示す内側筐体の、内側通過口における要部側断面図である。 図8(a)は、図7(a)において、トナーシールが貼着された状態を示す。図8(b)は、図7(b)において、トナーシールが貼着された状態を示す。 図9は、トナーカートリッジ(内側筐体が開位置にある状態)を斜め左後側から見た斜視図である。 図10は、図2において、揺動アームが押圧位置と押圧解除位置との間にある状態を示す図である。 図11は、図2において、揺動アームが押圧解除位置にある状態を示す図である。 図12(a)は、従来例に係るトナーカートリッジ(内側筐体が開位置にある状態)の左側断面図であり、図12(b)は、図12(a)に第1実施例を適用した図であり、図12(c)は、図12(b)におけるトナーカートリッジの背面図である。
1.レーザプリンタの全体構成
図1は、本考案の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの左側断面図である。図2は、図1に示すレーザプリンタのプロセスカートリッジ(トナーカートリッジが装着され、揺動アームが押圧位置にある状態)の左側断面図である。
このレーザプリンタ1は、図1に示すように、画像形成装置本体の一例としての本体ケーシング2内に用紙3を給紙するための給紙部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5と、画像が形成された用紙3を排紙する排紙部6と、を備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、ボックス形状に形成されており、その一方側の側壁には、開放口が形成され、その開放口を開閉するフロントカバー7が設けられている。そのフロントカバー7を開くことにより、現像装置の一例としてのプロセスカートリッジ17(後述する)を、本体ケーシング2に対して、図示太線矢印方向に沿って着脱させることができる。
なお、以下の説明では、フロントカバー7が設けられる側を前側(正面側)とし、その反対側を後側(背面側)とする。また、図1における紙厚方向手前側を左側とし、図1における紙厚方向奥側を右側とする。左右方向と幅方向とは同義である。略水平方向には前後方向および左右方向が含まれる。また、後述するプロセスカートリッジ17、および、現像剤カートリッジの一例としてのトナーカートリッジ31の説明においては、フレーム側通過口34(後述する)とカートリッジ側通過口47(後述する)とが略水平方向(前後方向)に沿って対向している状態を基準とする。
(2)給紙部
給紙部4は、給紙トレイ9と、給紙ローラ10と、給紙パッド11と、紙粉取ローラ12および13と、レジストローラ14と、用紙押圧板15とを備えている。用紙押圧板15の最上位にある用紙3は、給紙ローラ10と給紙パッド11とで1枚毎に送り出されて各種ローラ12〜14を通った後、画像形成部5の転写位置(後述する)に搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナユニット16、プロセスカートリッジ17および定着部18を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず)、回転駆動されるポリゴンミラー19、複数のレンズ20および複数の反射鏡21を備えている。画像データに基づいてレーザ発光部から発光されるレーザビームは、1点鎖線で示すように、ポリゴンミラー19で反射され、複数のレンズ20および複数の反射鏡21を通過または反射して、プロセスカートリッジ17の感光ドラム25(後述する)の表面へ走査される。
(3−2)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ17は、本体ケーシング2内においてスキャナユニット16の下方の空間に収容され、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着される。
プロセスカートリッジ17は、図2に示すように、用紙3の通過を許容する転写パス29が形成された中空のプロセスフレーム22と、プロセスフレーム22のカートリッジ保持部33(後述する)に着脱可能に装着されるトナーカートリッジ31とを備えている。
プロセスフレーム22において、その前後方向における略中央位置には、上下方向に延びる仕切壁23が設けられている。プロセスフレーム22の内側空間において、仕切壁23の後側部分は現像部32とされ、仕切壁23の前側部分は、上述したカートリッジ保持部33とされている。仕切壁23には、フレーム側通過口34が形成されている。フレーム側通過口34によって、現像部32とカートリッジ保持部33とが連通している。
現像部32によって、感光ドラム25、スコロトロン型帯電器26、転写ローラ28、供給ローラ36、現像ローラ37、層厚規制ブレード38およびオーガ39が保持されている。ここで、感光ドラム25、転写ローラ28、供給ローラ36、現像ローラ37およびオーガ39は、プロセスフレーム22に回転自在に支持されている。
スコロトロン型帯電器26は、感光ドラム25の上方において、感光ドラム25と間隔を隔てて、プロセスフレーム22に支持されている。転写ローラ28は、感光ドラム25に対して下側から対向配置されている。現像ローラ37は、感光ドラム25に対して前側から対向配置されている。供給ローラ36は、現像ローラ37に対して前側から対向配置されている。層厚規制ブレード38は、上端がプロセスフレーム22に固定される薄板形状の板バネ部材45と、板バネ部材45の下端部に設けられ、板バネ部材45の弾性力によって現像ローラ37の表面を押圧する圧接ゴム46とを備えている。オーガ39は、幅方向に沿って延びる軸と、その軸の外表面に形成された螺旋状の翼とを備えており、供給ローラ36の上方かつ、フレーム側通過口34の後方に隣接配置されている。
トナーカートリッジ31は、プロセスフレーム22に対して着脱自在に装着され、装着時には、カートリッジ保持部33に保持されている。トナーカートリッジ31は、略円筒形状に形成されている。トナーカートリッジ31には、内側と外側とを連通させるためのカートリッジ側通過口47が形成されている。
トナーカートリッジ31内には、アジテータ93が回転自在に設けられている。また、トナーカートリッジ31内には、現像剤の一例としての、非磁性一成分の正帯電性トナーが収容されている。トナーの平均粒径(直径)は、約6〜10μmである。
トナーカートリッジ31内のトナーは、アジテータ93の回転により攪拌され、カートリッジ側通過口47からフレーム側通過口34に受け入れられて、現像部32内へ放出される。放出されたトナーは、回転するオーガ39の翼によって幅方向へ搬送され、その途中で落下し、供給ローラ36に供給される。
供給ローラ36に供給されたトナーは、供給ローラ36の回転により、現像ローラ37に供給される。このとき、このトナーは、供給ローラ36と現像ローラ37との間で正極性に摩擦帯電される。続いて、現像ローラ37に供給されたトナーは、現像ローラ37の回転に伴って、圧接ゴム46と現像ローラ37との間に進入し、それらの間で層厚が規制されながら、現像ローラ37の表面に薄層として担持される。なお、トナーは、圧接ゴム46と現像ローラ37との間に進入するときにおいても正極性に摩擦帯電される。
そして、感光ドラム25の表面は、感光ドラム25の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器26により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザビームによって露光される。これにより、感光ドラム25の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。次いで、現像ローラ37の回転により、現像ローラ37の表面に担持されているトナーが、感光ドラム25に対向して接触するときに、感光ドラム25の表面に形成されている静電潜像に供給される。これによって、静電潜像は現像(可視像化)されて、感光ドラム25の表面にトナー像が担持される。このトナー像は、転写パス29において感光ドラム25と転写ローラ28との間(転写位置)に搬送された用紙3上に転写される。
(3−3)定着部
定着部18は、図1に示すように、プロセスカートリッジ17の後側に設けられている。定着部18は、加熱ローラ48と、加熱ローラ48に対して下側から圧接される加圧ローラ49と、それらの後側に配置される1対の搬送ローラ50とを備えている。
定着部18では、転写位置において用紙3に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ48と加圧ローラ49との間を通過する間に熱定着させる。その後、この用紙3は、1対の搬送ローラ50によって、排紙部6に搬送される。
(4)排紙部
排紙部6は、排紙パス51、排紙ローラ52および排紙トレイ53を備えている。定着部18から排紙部6に搬送された用紙3は、排紙パス51から排紙ローラ52に搬送され、排紙ローラ52によって排紙トレイ53上に排紙される。
2.プロセスカートリッジの詳細
図3(a)は、図1に示すレーザプリンタのプロセスカートリッジ(トナーカートリッジが離脱され、揺動アームが押圧解除位置にある状態)の左側断面図であり、図3(b)は、図3(a)の要部拡大図である。図4は、図2に示すプロセスカートリッジを斜め右前側から見た斜視図である。図5は、プロセスカートリッジを斜め右前側から見た分解斜視図である。図6は、図4において、プロセスカートリッジを省略した図である。
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム22には、図3に示すように、上記した現像部32およびカートリッジ保持部33が形成されている。
(1−1)現像部
現像部32は、図3および図4に示すように、上壁54、底壁55、両側壁56、および、上述した仕切壁23で区画された空間である。両側壁56は、前後方向に沿って延び、幅方向において互いに間隔を隔てて対向配置されている。
図2に示すように、仕切壁23の上下方向途中には、湾曲部分57が形成されている。湾曲部分57の前側面は、トナーカートリッジ31の外周面に沿うように後側へ滑らかに窪んでいる。湾曲部分57には、上記したフレーム側通過口34が形成されている。図6に示すように、フレーム側通過口34は、具体的には、幅方向に間隔を隔てて3つ形成されている。各フレーム側通過口34は、幅方向に細長い略矩形状に形成されており、カートリッジ保持部33に臨んでいる。
図3に示すように、湾曲部分57の前側面には、フレーム側通過口34からカートリッジ保持部33へのトナーの漏れを防止するためのフレームシール58が貼着されている。
フレームシール58は、弾性を有する発泡体から、幅方向に延びる帯状に形成されている。フレームシール58には、各フレーム側通過口34に対応して、3つの切欠部分59が幅方向に間隔を隔てて形成されている。各切欠部分59は、対応するフレーム側通過口34とほぼ同じ大きさの貫通穴であり、対応するフレーム側通過口34に対して前側から対向し、連通している。この状態において、フレームシール58は、各切欠部分59が対応するフレーム側通過口34を取り囲むように、フレーム側通過口34の周りに配置され、カートリッジ保持部33内に向かって突出している。
(1−2)カートリッジ保持部
カートリッジ保持部33は、図5に示すように、両側板63、底板64および仕切壁23で区画された空間である。両側板63は、現像部32において対応する両側壁56と連続し、底板64は、現像部32の底壁55と連続している。
両側板63の幅方向内側面には、シャッタ支持部65がそれぞれ設けられている。シャッタ支持部65は、幅方向から見て略円弧の断面形状を有する直方体形状であり、側板63の幅方向内側面から内側に膨出している。
シャッタ支持部65の幅方向内側面には、シャッタガイド部78が設けられている。シャッタガイド部78は、シャッタ支持部65の幅方向内側面から内側に膨出する凸条をなし、仕切壁23の湾曲部分57と前後方向にわずかな間隔を隔てて対向配置されている。シャッタガイド部78は、湾曲部分57とほぼ同じ曲率の湾曲形状に形成されている。
両側板63の幅方向内側面には、上側固定部66がそれぞれ設けられている。上側固定部66は、幅方向から見て斜め後側下方へ窪む略U字形状であり、側板63の幅方向内側面から内側に膨出している。底板64の前端縁の幅方向中央には、前側にわずかに突出する下側固定部67が形成されている(図3(a)参照)。
カートリッジ保持部33には、フレーム側通過口34を開閉するシャッタ68が設けられている。
シャッタ68は、幅方向に延びる略矩形板状をなし、仕切壁23の湾曲部分57とほぼ同じ曲率の湾曲形状に形成されている。シャッタ68は、幅方向において各シャッタガイド部78の間に延び、上下方向において各シャッタガイド部78より長く延びるように、形成されている。シャッタ68には、各フレーム側通過口34に対応して、それらに対向できる3つのシャッタ開口部69が幅方向に間隔を隔てて形成されている。
シャッタ68は、図3に示すように、フレームシール58が貼着された湾曲部分57に対して前側から対向配置され、その幅方向両端部が、湾曲部分57と各シャッタガイド部78との間でスライド自在に挟持されている。
これによって、シャッタ68は、各シャッタガイド部78に沿って、フレーム側通過口34を開放する開位置(図2および図6参照)と、フレーム側通過口34を閉鎖する閉位置(図3および図5参照)との間を上下方向に揺動自在に、支持される。
詳しくは、開位置にあるシャッタ68を上方ヘ所定距離移動させたときのシャッタ68の位置が閉位置である。
シャッタ68が開位置にあるとき、図2に示すように、各フレーム側通過口34および切欠部分59は、対応するシャッタ開口部69と対向および連通し、外側(前側)に開放される(図6も参照)。このとき、フレームシール58において切欠部分59から遠い部分は、フレーム側通過口34とシャッタ開口部69との間を取り囲むように、仕切壁23の湾曲部分57とシャッタ68との間で圧縮されている。これにより、連通状態にあるフレーム側通過口34およびシャッタ開口部69から、湾曲部分57とシャッタ68との間へのトナー漏れが防止されている。
シャッタ68が閉位置にあるとき、図3に示すように、各フレーム側通過口34および切欠部分59は、シャッタ68においてシャッタ開口部69よりも下側の部分によって、前側から閉鎖される。
また、図5に示すように、カートリッジ保持部33には、揺動アーム70が設けられている。揺動アーム70は、平面視略U字状に形成されている。揺動アーム70は、幅方向に延びる把持杆71と、その把持杆71の幅方向両端部から後側に延びるアーム側板72とを一体的に備えている。
各アーム側板72の後端部には、幅方向外方に突出するボス73が設けられている。各ボス73は、対応する側板63に形成されている丸穴74に回動自在に支持されている。
また、各アーム側板72の後端部の上側縁には、下側へ窪むように切り欠かれる受入凹部75が形成されている。
揺動アーム70は、各アーム側板72のボス73を支点として、各アーム側板72の下端縁が底板64の前端縁に接触する押圧解除位置(図3および図5参照)と、トナーカートリッジ31がカートリッジ保持部33に保持されたときに、トナーカートリッジ31を前側から押圧する押圧位置(図2、図4および図6参照)と、の間を揺動する。
(2)トナーカートリッジ
図7(a)は、トナーカートリッジの内側筐体(トナーシールが貼着される前の状態)を斜め左後側から見た斜視図である。図7(b)は、図7(a)に示す内側筐体の、内側通過口における要部側断面図である。図8(a)は、図7(a)において、トナーシールが貼着された状態を示す。図8(b)は、図7(b)において、トナーシールが貼着された状態を示す。図9は、トナーカートリッジ(内側筐体が開位置にある状態)を斜め左後側から見た斜視図である。図10は、図2において、揺動アームが押圧位置と押圧解除位置との間にある状態を示す。図11は、図2において、揺動アームが押圧解除位置にある状態を示す。
トナーカートリッジ31は、図7ないし図11に示すように、トナーを収容する第2フレームの一例としての内側筐体81と、内側筐体81を収容する(換言すれば内側筐体81の外側に配置される)第1フレームの一例としての外側筐体82とを備えている。
(2−1)内側筐体
内側筐体81は、図7(a)に示すように、幅方向に延びる円筒形状の内側周壁83と、内側周壁83の幅方向両端部を閉鎖する円板形状の1対の内側側壁84とを一体的に備えている。以下では、特に言及しない限り、後述する開口の一例としての内側通過口89が後方に向いている状態を基準として説明する。
内側側壁84の周縁部には、その周上1箇所(図7(a)における上端部)に、スライド突起86が設けられている。スライド突起86は、内側側壁84の外周面に沿う側面視円弧形状に形成されており、内側側壁84から幅方向外側へ突出するように設けられている。
内側側壁84には、その後側部分において、周端面から径方向に突出する1対の挟持突起87が設けられている。1対の挟持突起87は、内側側壁84の周端面において、互いに周方向に間隔(シャッタ68の周方向長さに相当する間隔)を隔てて、配置されている。
内側周壁83には、幅方向両側に配置される1対の挟持突起87(4つの挟持突起87)に囲まれる囲繞部分88において、カートリッジ側通過口47の一部をなす内側通過口89が形成されている。
内側通過口89は、幅方向に細長い背面視略矩形状であり、具体的には、3つのフレーム側通過口34(図6参照)に対応して、幅方向に間隔を隔てて3つ形成されている。画像形成時には、各内側通過口89は、幅方向において対応する位置にあるフレーム側通過口34(図6参照)およびシャッタ68のシャッタ開口部69(図6参照)に対向する。
図8に示すように、囲繞部分88の外表面には、各内側通過口89に対応して、内側通過口89からのトナーの漏れを防止するためのトナーシール92(ドットで塗り潰した部分)が3つ貼着されている。トナーシール92は、シール部材の一例として機能する。トナーシール92は、弾性を有する発泡体(商品名:ポロン、(株)ロジャースイノアック製)から、背面視において幅方向に長手の矩形状かつ、前後方向にほぼ均一な長さ(厚さ)を有する帯状に形成されている。
トナーシール92において、背面視における略中央位置には、各内側通過口89に対応して、トナーシール92を前後方向に貫通する切欠部分96が形成されている。切欠部分96は、対応する内側通過口89とほぼ等しい大きさの背面視略矩形状に形成されており、対応する内側通過口89に対向している。このように、トナーシール92は、切欠部分96が対応する内側通過口89を取り囲むように、内側通過口89の周りに配置され、径方向外側へ突設されている。
図2に示すように、内側筐体81内には、アジテータ93が設けられている。アジテータ93は、幅方向に延びるアジテータ軸94と、そのアジテータ軸94から径方向外側に延びる攪拌羽根95とを備えている。アジテータ軸94は、両内側側壁84に回転自在に支持されており、画像形成時において、モータ(図示せず)からの駆動力により回転する。
(2−2)外側筐体
外側筐体82は、内側筐体81を回動自在に収容すべく、内側筐体81より幅方向および径方向においてやや大きく形成されている。外側筐体82は、図9に示すように、幅方向に延びる略円筒形状の外側周壁97と、外側周壁97の幅方向両端部を閉鎖する略円板形状の1対の外側側壁98とを一体的に備えている。以下では、特に言及しない限り、後述する連通穴の一例としての外側通過口102が後方に向いている状態を基準として説明する。
なお、外側周壁97は、その上側および前側の上側部分の外周面の一部が、平坦形状に形成されているが、外側周壁97の内周面は、断面円形状に形成されている(図2参照)。
外側側壁98には、その上側部分において、スライド突起86が挿通されるスライド穴99が形成されている。スライド穴99は、幅方向においてスライド突起86と対向するように配置されている。スライド穴99は、スライド突起86よりも長い側面視円弧形状に形成されている。外側側壁98の上端部には、幅方向外側に突出するボス100が設けられている。外側周壁97には、幅方向両端部において、1対の挟持突起87(4つの挟持突起87)がそれぞれ挿通される4つの長孔101が形成されている。各長孔101は、径方向において各挟持突起87と対向するように配置されている。長孔101は、背面視おいて上下方向に延びる略矩形状をなし、シャッタ68の開位置と閉位置との間の揺動範囲に相当する長さで、形成されている。
外側周壁97には、4つの長孔101の間(上側の2つの長孔101と下側の2つの長孔101との間)において、カートリッジ側通過口47の一部をなす外側通過口102が形成されている。
外側通過口102は、具体的には、3つの内側通過口89およびフレーム側通過口34(図6参照)に対応して、幅方向に間隔を隔てて3つ形成されている。各外側通過口102は、対応する内側通過口89よりも大きい背面視略矩形状に形成されている。画像形成時には、各外側通過口102は、幅方向において対応する位置にある内側通過口89、トナーシール92の切欠部分96、フレーム側通過口34(図6参照)、フレームシール58の切欠部分59(図6参照)およびシャッタ68のシャッタ開口部69(図6参照)に対向する。
外側周壁97の前側には、把持部103が設けられている。図2に示すように、把持部103は、外側周壁97の上端部から前側へ突出する上把持板104と、上把持板104の下方において下側に延びる側面視略J字形状の係止アーム105とを備えている。係止アーム105の上端部は、上把持板104の下方に設けられる支持軸(図示せず)に揺動自在に支持されている。係止アーム105の下端部には、下側固定部67に係止される係止爪106が設けられている。係止アーム105の上端部近傍には、前側へ突出する下把持板107が一体的に設けられている。下把持板107は、上把持板104と間隔を隔てて略平行に延びるように配置されており、上把持板104と下把持板107との間には、それらを離間する方向に付勢する圧縮ばね109が介在されている。
(2−3)内側筐体と外側筐体との相対配置
内側筐体81は、外側筐体82内に回動自在に収容され、外側筐体82内において、外側筐体82(外側筐体82の内周面)に対向配置されている。
具体的には、内側周壁83の外周面は、外側周壁97の内周面に対して、周方向に摺動自在に内嵌されている。詳しくは、内側周壁83の外周面に設けられたトナーシール92が外側周壁97の内周面に接触しており、このトナーシール92が、主として、外側周壁97の内周面に対して摺動する。また、図9に示すように、スライド穴99には、対応するスライド突起86が挿通されている。長孔101には、対応する挟持突起87が挿通され、挟持突起87は、長孔101から径方向外側へ突出している。
内側筐体81は、内側通過口89およびトナーシール92の切欠部分96が外側通過口102と対向しない閉位置(図5および図11参照)と、内側通過口89および切欠部分96が外側通過口102と対向する開位置(図2および図9参照)との間において、外側筐体82に対する相対移動(相対回動)が許容されている。
内側筐体81が閉位置にあるときには、図5に示すように、各スライド突起86は各スライド穴99の前端部に配置され、各挟持突起87が各長孔101の上端部に配置される。そして、図9において点線で示すように、また、図11に示すように、内側通過口89が外側通過口102より上側に配置され、外側通過口102が、内側周壁83において内側通過口89(図9では点線表示部分)より下側の部分によって径方向内側から閉鎖されている。逆に、内側通過口89が、外側周壁97において外側通過口102より上側の部分によって外側から閉鎖されている。ここで、トナーシール92は、図11に示すように、内側周壁83と外側周壁97と間で圧縮されている。
そして、内側通過口89が外側通過口102に向かう方向(下側)へ向けて、外側筐体82に対して内側筐体81を相対回動させ、内側通過口89および切欠部分96が外側通過口102と対向すると、内側筐体81は、開位置に配置される。
内側筐体81が開位置に配置されると、図9に示すように、各スライド突起86は各スライド穴99の後端部に配置され、各挟持突起87が各長孔101の下端部に配置される。また、内側通過口89および切欠部分96が対応する外側通過口102と対向し、これらが連通して開放される。
また、内側筐体81が開位置に配置された状態では、各トナーシール92が、対応する外側通過口102から露出されている。
以上のように、内側筐体81は、開位置から閉位置へ向けて外側筐体82に対して上向きに相対移動し、その一方で、閉位置から開位置へ向けて外側筐体82に対して下向きに相対移動する(図2、図9および図11参照)。そして、このトナーカートリッジ31では、このような内側筐体81と外側筐体82との相対移動により、外側筐体82によって内側通過口89が開閉される。
(3)プロセスフレームに対するトナーカートリッジの着脱
(3−1)プロセスフレームに対するトナーカートリッジの装着
トナーカートリッジ31をプロセスフレーム22へ装着するには、図5に示すように、上把持板104および下把持板107を、圧縮ばね109(図2参照)の付勢力に抗して、それらが近接する方向に挟持する。そして、トナーカートリッジ31(内側筐体81が閉位置に配置されているトナーカートリッジ31)を、カートリッジ保持部33(シャッタ68が閉位置に配置されており、揺動アーム70が押圧解除位置に配置されているカートリッジ保持部33)へ装着する。
これにより、トナーカートリッジ31が底板64上に載置される。このとき、各ボス100が各上側固定部66に受け入れられ、各スライド突起86が各受入凹部75に嵌合され、図2に示すように、幅方向両側の1対の挟持突起87が、シャッタ68の幅方向両端部の上端縁および下端縁をそれぞれ挟持する。これにより、スライド突起86および挟持突起87を有する内側筐体81が、揺動アーム70およびシャッタ68のそれぞれと係合する。
その後、上把持板104および下把持板107の挟持を解除すると、圧縮ばね109の付勢力によって係止アーム105が揺動して、係止爪106が下側固定部67に係止され、トナーカートリッジ31がカートリッジ保持部33に収容され、カートリッジ保持部33によって保持される。
外側筐体82は、上側固定部66にボス100が受け入れられ、かつ、下側固定部67に係止爪106が係止されていることから、カートリッジ保持部33で固定される。このとき、図11に示すように、フレーム側通過口34と、対応するカートリッジ側通過口47(詳しくは外側通過口102)とは、閉位置にあるシャッタ68を挟んで前後方向に対向している。
そして、揺動アーム70を、押圧解除位置から押圧位置へ揺動させる。これにより、各受入凹部75(図5参照)に嵌合されている各スライド突起86が、各アーム側板72の揺動に伴って、各スライド穴99を後側へスライドして、各スライド穴99の後端部に配置される(図9参照)。それに伴って、幅方向両側の1対の挟持突起87が、シャッタ68を挟持したまま、各長孔101を下側へスライドして、各長孔101の下端部に配置される(図9参照)。
これによって、内側筐体81が開位置に配置され、図2および図9に示すように、各内側通過口89およびトナーシール92の切欠部分96が、対応する各外側通過口102と、略水平方向に対向して、これらが連通される。また、内側筐体81と係合するシャッタ68が、内側筐体81と一体的に移動して開位置に配置され、フレーム側通過口34およびフレームシール58の切欠部分59が、対応するシャッタ開口部69およびカートリッジ側通過口47(連通状態にある内側通過口89、切欠部分96および外側通過口102が含まれる。)と、略水平方向に対向して、これらが連通される。
また、図2に示すように、内側筐体81およびシャッタ68がともに開位置にあるときに、外側周壁97の径方向外側まで突出する各トナーシール92が、対応するシャッタ開口部69を隙間なく取り囲むように、後側へ突出している。
このように、内側通過口89とフレーム側通過口34との間が、フレームシール58、トナーシール92およびシャッタ68によって、隙間なく取り囲まれるので、内側通過口89とフレーム側通過口34との間でのトナー漏れが防止される。
そして、画像形成時には、アジテータ93の攪拌により、内側筐体81内のトナーが、図示太線矢印で示すように、内側通過口89、トナーシール92の切欠部分96、外側通過口102、シャッタ開口部69、フレームシール58の切欠部分59およびフレーム側通過口34を、略水平方向に沿って通過して、現像部32内へ供給される。つまり、内側通過口89が開かれ、内側通過口89でのトナーの通過が許容される。
なお、トナーを、現像部32とトナーカートリッジ31との間で循環させてもよい。その場合、幅方向中央のカートリッジ側通過口47(図9参照)およびフレーム側通過口34(図6参照)を介して、トナーカートリッジ31のトナーが現像部32内に供給され、オーガ39によって幅方向両側に搬送されながら供給ローラ36に供給される。その一方で、一部のトナーは、幅方向両側のフレーム側通過口34およびカートリッジ側通過口47を介して、トナーカートリッジ31内へ戻される。
(3−2)プロセスフレームに対するトナーカートリッジの離脱
プロセスフレーム22からトナーカートリッジ31を離脱させるには、まず、揺動アーム70を、押圧位置から押圧解除位置(図3(a)参照)へ揺動させる。
揺動アーム70を押圧位置から押圧解除位置へ揺動させると、図5を参照して、各受入凹部75に嵌合されている各スライド突起86が、各アーム側板72の揺動に伴なって、各スライド穴99を前側へスライドし始める。これに応じて、内側筐体81が、開位置から閉位置へ向けて移動し始め、図2に示す幅方向両側の1対の挟持突起87が、シャッタ68を挟持したまま、各長孔101を上側へスライドし始める。
内側筐体81が閉位置へ向ってさらに移動すると、トナーシール92の上側周縁部110Bおよび下側周縁部110Aが、外側周壁97において外側通過口102の上側周縁をなす部分(上側接触部分118という。)に順に接触して内側周壁83側に圧縮されながら、外側周壁97と内側周壁83との間に潜り込んでいく(図2、図10および図11参照)。
また、内側筐体81が閉位置へ向って移動すると、図5を参照して、各スライド突起86が各スライド穴99の前端部に配置され、幅方向両側の1対の挟持突起87が、シャッタ68を挟持したまま、各長孔101を上側へスライドして、各長孔101の上端部に配置される。
これによって、図11に示すように、トナーカートリッジ31では、内側筐体81が閉位置に配置され、外側通過口102および内側通過口89が、上述したように、ともに閉鎖される。そして、内側通過口89が閉じられることによって、内側通過口89でのトナーの通過が規制される。また、内側筐体81と係合するシャッタ68が、内側筐体81と一体的に移動して閉位置に配置され、フレーム側通過口34およびフレームシール58の切欠部分59が、シャッタ68と対向して閉鎖される(図3参照)。
そして、上把持板104および下把持板107を、それらが近接する方向に挟持すると、係止爪106の下側固定部67に対する係止が解除される。そのため、図5に示すように、そのままトナーカートリッジ31をカートリッジ保持部33から前側へ引き出せば、スライド突起86が受入凹部75から外れ、挟持突起87がシャッタ68から外れる。これにより、内側筐体81の、揺動アーム70およびシャッタ68のそれぞれに対する係合が解除され、トナーカートリッジ31は、プロセスフレーム22から脱離される。
3.トナーシールの詳細
(1)第1実施例
図12(a)は、従来例に係るトナーカートリッジ(内側筐体が開位置にある状態)の左側断面図であり、図12(b)は、図12(a)に第1実施例を適用した図であり、図12(c)は、図12(b)におけるトナーカートリッジの背面図である。
図12(a)に示すように、従来例に係るトナーカートリッジ31では、内側筐体81が開位置に配置された状態において、各トナーシール92の内側周縁部110は、その径方向外側面が外側周壁97の外表面とほぼ面一となるように、径方向外側へ突出している。そして、各トナーシール92において、内側周縁部110以外の外側周縁部111は、対応する内側通過口89を取り囲むように、外側周壁97と内側周壁83との間で圧縮されている。つまり、この状態において、トナーシール92には、内側周縁部110と外側周縁部111との境界123において段付き部分が形成されている。
この場合、トナーシール92では、内側周縁部110が、境界123に段付き部分が形成された影響を受けて不必要に変形し(歪み)、シャッタ68のシャッタ開口部69を隙間なく取り囲むことができないおそれがある。詳しくは、内側周縁部110において、下側周縁部110Aが、フレームシール58の内側周縁部61の下側周縁部61A(図6参照)に完全に圧接されず、上側周縁部110Bが、シャッタ68(シャッタ68におけるシャッタ開口部69より上側の部分)に完全に圧接されない。この場合、内側通過口89とフレーム側通過口34との間でのトナー漏れを完全に防止することが困難である。
つまり、トナーシール92が不必要に変形し、トナーシール92において変形した箇所(内側周縁部110)でトナー漏れが発生するおそれがある。
そこで、第1実施例では、図12(b)および図12(c)に示すように、トナーシール92全体が、内側通過口89が開かれた状態(内側筐体81が開位置にある状態)において、内側通過口89でのトナーの通過方向X(略前後方向であり、図12(b)の太線矢印参照)から投影したときに、外側筐体82と重なる位置とは異なる位置(外側筐体82と重ならない位置)に配置されている。
詳しくは、トナーシール92全体は、上述したトナーの通過方向X(略前後方向)から投影したときに、図12(c)に示すように、外側筐体82において外側通過口102を縁取る部分(周縁部82A)と重なる位置とは異なる位置(周縁部82Aと重ならない位置)に配置されることにより、外側通過口102から露出されている。つまり、周縁部82Aに囲まれた領域内で、トナーシール92全体(トナーシール92の前面および上下左右の各端面)が露出されている。
そのため、内側通過口89が開かれた状態において、トナーシール92には、上述した従来例(図12(a)参照)と異なり、外側周壁97と内側周壁83との間で圧縮されている部分が存在しない(図12(b)参照)。
つまり、内側通過口89が開かれた状態では、トナーシール92は、外側筐体82、詳しくは、外側筐体82において外側通過口102を縁取る周縁部82Aに接触することなく、外側通過口102から完全に露出されるので、トナーシール92が、外側筐体82との接触によって変形することを防止できる。
また、この状態において、トナーシール92は、外側筐体82(詳しくは外側周壁97)の外表面よりも外側へ突出している(図12(b)参照)。そのため、トナーシール92は、トナーカートリッジ31からトナーが供給される外部の部材(上述したシャッタ68等)に密着して、この部材と内側通過口89との間でのトナーの漏れを防止することができる。
(2)第2実施例
図12(b)を参照して、トナーシール92では、内側筐体81を開位置から閉位置へ向けて外側筐体82に対して相対移動させるときに、下側周縁部110Aの上端面110Cと、外側周縁部111の上端面111Aとが、外側筐体82の上側接触部分118(外側周壁97において外側通過口102の上側周縁をなす部分)に下から対向してそれぞれ接触する。ここで、上述した上側接触部分118は、第1フレーム側対向部分の一例として機能する。また、トナーシール92における下側周縁部110Aの上端面110Cおよび外側周縁部111の上端面111Aは、シール側対向部分の一例として機能する。
そして、外側筐体82の上側接触部分118には、傾斜面122が形成されている。具体的には、上側接触部分118の傾斜面122は、上側接触部分118の下端面118Aおよび外側周壁97の内周面97Aのそれぞれに交差しつつ、これらの面に接続されている。
このように上側接触部分118に傾斜面122を設けることにより、内側筐体81が外側筐体82に対して閉位置へ向けて相対移動するときに、トナーシール92では、下側周縁部110Aの上端面110Cと上側接触部分118とを、上側接触部分118の傾斜面122において緩やかに接触させることができる。そのため、上端面110Cと上側接触部分118とが接触しても、トナーシール92が上端面110Cにおいて損傷することを防止できる。
同様に、内側筐体81が外側筐体82に対して閉位置へ向けて相対移動するときに、トナーシール92では、外側周縁部111の上端面111Aと上側接触部分118とを、上側接触部分118の傾斜面122において緩やかに接触させることができ、トナーシール92が上端面111Aにおいて損傷することを防止できる。
また、上述したように、トナーシール92において、下側周縁部110Aの上端面110Cと上側接触部分118とが、上側接触部分118の傾斜面122において緩やかに接触する。そのため、このように外側筐体82が内側筐体81の外側に配置された場合では、内側筐体81が外側筐体82に対して閉位置へ向けて相対移動するときに、トナーシール92は、上端面110Cにおいて外側筐体82(上側接触部分118)に引っ掛かることなく、外側筐体82の内側へ円滑に移動することができる。
同様に、トナーシール92は、外側周縁部111の上端面111Aにおいて外側筐体82(上側接触部分118)に引っ掛かることなく、外側筐体82の内側へ円滑に移動することができる。
特に、内側筐体81が開位置にある状態においてこのようにトナーシール92が外側周壁97の外表面よりも外側へ突出していても、内側筐体81が外側筐体82に対して閉位置へ向けて相対移動するときに、トナーシール92は、上述した上端面110Cおよび上端面111Aにおいて外側筐体82(上側接触部分118)に引っ掛かることなく、外側筐体82の内側へ円滑に移動することができる。
なお、このように機能する傾斜面122が、トナーシール92において外側筐体82(上側接触部分118)に対向および接触する部分(下側周縁部110Aの上端面110Cおよび外側周縁部111の上端面111A)に形成されていてもよい(たとえば、図12(b)の下側周縁部110Aにおいて太い破線で示した傾斜面122を参照)。ここで、たとえば、内側周壁83の下側周縁部116(内側通過口89の下側周縁をなす部分)の後側部分を面取りしておけば(図12(b)において点線で示した面取り部分117を参照)、トナーシール92を貼着すると、トナーシール92の下側周縁部110Aの上端面110Cには、上述した傾斜面122と同様の傾斜面が、自然に形成される。
4.変形例
(1)変形例1
上記した実施形態では、図1に示すように、プロセスカートリッジ17は感光ドラム25と現像ローラ37とを一体的に備えており、そのプロセスカートリッジ17を本体ケーシング2に着脱自在に装着させている。これに加えて、たとえば、プロセスカートリッジ17を、感光ドラム25を備えない現像カートリッジとする一方で、感光ドラム25を備える別のユニット(ドラムカートリッジ)を設け、このドラムカートリッジに対して現像カートリッジを着脱自在に装着してもよい。また、プロセスカートリッジ17を本体ケーシング2に装着したまま、トナーカートリッジ31のみを着脱自在に構成してもよい。
さらに、本体ケーシング2に、感光ドラム25、スコロトロン型帯電器26および転写ローラ28を設けて、その本体ケーシング2に、現像カートリッジを着脱自在に装着することもできる。ここで、現像カートリッジに対してトナーカートリッジ31が着脱され、現像カートリッジにシャッタ68が設けられる。
(2)変形例2
上記した実施形態では、モノクロのレーザプリンタ1を例示したが、たとえば、本考案の画像形成装置は、カラーレーザプリンタ(タンデムタイプ、中間転写タイプを含む。)として構成することもできる。
(3)変形例3
上記した実施形態では、内側筐体81を外側筐体82内に収容し、内側筐体81を開位置と閉位置との間で回動させることによって、内側筐体81の内側通過口89を開閉させている。
ここで、外側筐体82は、上述した中空体でなく、代わりに、シャッタ68に似た板状をなしていてもよい(図2および図6参照)。
1 レーザプリンタ
2 本体ケーシング
17 プロセスカートリッジ
31 トナーカートリッジ
81 内側筐体
82 外側筐体
82A 周縁部
89 内側通過口
92 トナーシール
102 外側通過口
110C 上端面
111A 上端面
118 上側接触部分
122 傾斜面
X 通過方向

Claims (7)

  1. 第1フレームと、
    前記第1フレームに対向配置され、現像剤が通過するための開口が形成されており、前記第1フレームとの相対移動により前記第1フレームによって前記開口が開閉される第2フレームと、
    前記第2フレームにおいて前記開口の周りに設けられたシール部材とを備え、
    前記シール部材は、前記開口が開かれた状態において前記開口での現像剤の通過方向から投影したときに、前記第1フレームと重ならないように構成されたことを特徴とする、現像剤カートリッジ。
  2. 前記第1フレームには、開かれた状態にある前記開口に対向して連通する連通穴が形成されており、
    前記シール部材は、前記開口が開かれた状態において前記通過方向から投影したときに、前記第1フレームにおいて前記連通穴を縁取る部分と重ならないように構成されることにより前記連通穴から露出されることを特徴とする、請求項1に記載の現像剤カートリッジ。
  3. 前記第1フレームは、前記第2フレームの外側に配置されており、
    前記シール部材は、前記開口が開かれた状態において前記第1フレームの外表面よりも外側へ突出していることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像剤カートリッジ。
  4. 前記第2フレームが前記第1フレームに対して相対移動するときに前記第1フレームにおいて前記シール部材に対向する第1フレーム側対向部分には、傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤カートリッジ。
  5. 前記第2フレームが前記第1フレームに対して相対移動するときに前記シール部材において前記第1フレームに対向するシール側対向部分には、傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤カートリッジ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤カートリッジを備え、前記現像剤カートリッジの現像剤によって静電潜像を可視像化することを特徴とする、現像装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤カートリッジと、
    前記現像剤カートリッジが装着される画像形成装置本体とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
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